JP2005213176A - シート状パック化粧料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 アミロースよりなる柔軟な水不溶性のゲルシートに吸水率200重量%以上に美容液が含浸されてなり、上記アミロースは、酵素合成によるα−1,4−グルカンよりなるゲルシートよりなる。可塑剤を含有することで更に柔軟な高吸水性のシート状とすることができる。
【選択図面】 図1
Description
本発明は、「シート状含浸タイプ」に属する改良技術であり、その技術背景について述べる。シート状含浸タイプは、上記「ピールオフタイプ」を改良して開発されたもので、使用法が簡単で新しいタイプのパックとして注目されている。構成要件は次の3成分系により成る。第1成分は、不織布を基材として他の成分を担持する。第2成分は、粘着成分により貼着効果及びピールオフ効果を得ており、PVA、ポリビニールピロリドン、ポリ酢酸ビニールエマルジョン等の合成高分子を用いる。第3成分は、美容液であり、皮膚の清浄効果、美白効果、スキンケア効果に必要な成分を用いる。これらは、特開平7−330575号公報、特開平10−167928号公報などにより知られている。
該澱粉の成分及びオプラートの製造方法を示していないので、一般の澱粉によるオプラートと解される。一般の澱粉は分岐ポリマーであるアミロペクチンが主体で、得られるオプラートは硬くて脆く水溶性である。オプラートの硬さを、JIS K7113「プラスチックの引張強度試験方法」による引張強さ(gf/mm2)で特定されているが、硬さの表現としては問題がある。
β−1,3−グルカンや澱粉オプラートでは達成できない課題の解決として、柔軟で強度があり、肌への貼着性と使用性がよい。含液率が高くて美容液の担持がよくて液が垂れない。アミロースの分子包接により皮脂や角栓の除去効果に優れる、等の従来の課題を解決したシート状パック化粧料を提供する。
(1)アミロースよりなる水不溶性のゲルシートに美容液が含浸されてなることを特徴とするシート状パック化粧料。
(2)該アミロースが、α−1,4−グルカンであることを特徴とする(1)に記載のシート状パック化粧料。
(3)該アミロースが、酵素合成によるα−1,4−グルカンであることを特徴とする(1)又は(2)に記載のシート状パック化粧料。
(4)該アミロースを主成分とする上記ゲルシートが、可塑剤を含有することを特徴とする(1)〜(3)に記載のシート状パック化粧料。
(5)該アミロースが、エステル化、エーテル化、酸化、架橋化、より選ばれた分子修飾されていることを特徴とする(1)〜(4)に記載のシート状パック化粧料。
(6)上記美容液が含浸されたゲルシートが、皮膚に貼着可能であって、顔、目の下、首、その他局所に応じた形状に形成されてなることを特徴とする(1)〜(5)に記載のシート状パック化粧料。
本発明は、このゲル状領域に基づくアミロースによる水不溶性のゲルシートによるものである。水溶性領域及び沈殿性領域のアミロースは本発明の対象としていない。
アミロースの分子構造は、α−1,4−グルカンの直鎖構造を有し、結晶性に優れた親水性の高分子であるから、図1に示すアミロースのゲル領域により、含水率が大きく、柔軟で湿潤引張強度の強い物性を有するゲルシートを得ることができる。
酵素合成によるアミロースの製造にはいくつかの方法があるが、例えば、スクロースにスクロースホスホリラーゼ(EC2,4,1,7)とグルカンホスホリラーゼ(EC2,4,1,1)を同時に作用させて酵素合成α−1,4−グルカンを得る方法が、アミロースの重合を任意に制御可能であるたる好ましく、本発明に適したゲルシートを得ることができる。
ゲルシートは透明なシートであってもよいが、多孔質として発泡体シートであってもよいし、凍結乾燥による多孔質シートも使用できる。
分子量100,000、500,000、1,000,000、の3種類の酵素合成アミロースを、5%アンモニア水に溶解してトレーに注入して、120℃で加熱乾燥して厚さ0.2mmのシートを作成した。更に、可塑剤配合の例として、アミロースに対してグリセリン20重量%を可塑剤として配合して、厚さ0.2mmのシートを作成した。
該シートを、精製水に浸漬して所定時間後に取り出して重量を測定した。浸漬前の重量に対する重量増加率を算出して吸収率を求めて、表1に示した。
本発明に用いる酵素合成アミロースの分子量は、500,000以上、好ましくは1,000,000が適する。6,000,000を越えるアミロースは酵素反応の特性上製造が困難である。
コーンスターチの特殊な品種による、ハイアミローススターチ(アミロース80%以上)を用いることもできるが、酵素合成アミロースによるような湿潤強度は得られ難い。
エステル化の例としては、酢酸エステル化、プロピオン酸エステル化などのアシル化エステルが挙げられる。エーテル化の例では、ハロゲンアルキルや硫酸ジアルキルなどでアルカリの存在下でエーテル化をすることができる。
パックシートの乾燥性を更に向上させる方法として、粘度10mm2/s以下の乾燥の速いメチルポリシロキサン通称ジメチコンを添加するとよい。
美容液を多量に含液しても、皮膚から液が垂れることなく美容効果に有効である。薄手で柔軟性により肌への密着性がよい。アミロースの分子包接により皮脂角栓の除去に優れる。湿潤強度が強いので破れ難くて使用性がよい。生分解性を有するので廃棄環境にやさしい、等の特徴を有するパック化粧料である。
次に、実施例により本発明を更に説明する。しかし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
酵素合成による分子量1,00,000のアミロース15部を、グリセリンをアミロースに対して25%加えて、5重量%アンモニア水82部に溶解して、トレーに注入した。
120℃で加熱乾燥して、厚さ0.3mmのシートとした。該シートを、目、鼻、口部に穴をあけたフェイスマスクに打ち抜いて、下記の美容液を含浸した。
美容液は、ジプロピレングリコール5重量%、PEG400、5重量%、エタノール10重量%、水酸化カリウム、0.15重量%、オレイルアルコール0.5重量%、プラセンタエキス0.2重量%、ビタミンE0.2重量%、精製水78.95重量%、よりなる配合液である。
シート重量に対して美容液を290重量%含浸して気密包装を行った。
比較例として、コットン不織布に、上記美容液に更に粘着成分としてCMC1重量%水溶液を10重量%添加した液を不織布に200重量%含浸して従来品とした。
モニターを用いて、顔の全面にマスクパックした結果、従来品よりも、皮膚に馴染みがよくて粘着がなくても密着性に優れ、皮脂がよく除去され、ピールオフ性がよいと表2の如く機能評価及び感触評価について好評であった。
酵素合成による分子量1,000,000のアミロース5重量%の分散液を130℃30分の加熱によりゲル溶液となし、冷却して、凍結乾燥を行い、次いでプレスをして厚さ0.5mmの多孔質のシートとした。
該シートを、長さ75mm、幅35mm、ま湾曲楕円状に打ち抜いて、下記の美容液を含浸した。
美容液は、1,3ブチレングリコール5重量%、POEオレイルアルコールエーテル0.5重量%、エタノール12重量%、アラントイン0.1重量%、ビタミンC0.2重量%、精製水93.0重量%、よりなる配合液である。シート重量に対して美容液を270重量%含浸して気密包装を行った。
本パックは、目の下の局所のたるみ用として貼着するタイプとして作成した。
本製品を、モニターにより、目の下のたるみ部に貼着した結果、密着性と使用性に優れ、使用性評価及び機能性評価において好評であった。
アセチル化アミロースとして、ジメチルスルホキシド80gに、酵素合成による分子量900,000のアミロースを濃度5重量%に溶解し、炭酸ナトリウム2gを添加し、次いで酢酸ビニル8gを加えて、40℃で120分反応させた。反応後にエタノールを添加して生成物を析出させて水で洗浄して乾燥した。アセチル化による置換度は1.19であった。
該アセチル化アミロース17部を、1,3−ブチレングリコール1.7重量%、グリコール1.7重量%加えて、7重量%アンモニア水に溶解した。トレーに注入して、110℃で加熱乾燥して、厚さ0.2mmのシートを得た。該シートを5cm×10cmの長方形に裁断して下記のジメチコンを含有する美容液を含浸した。
美容液は、ソルビトール8重量%、1,3ブチレングリコール3重量%、ジメチコン(粘度5mm2/s)20重量%、ヒアルロン酸ナトリウム0.2重量%、プラセンタエキス0.2重量%、精製水68.6重量%、よりなる配合液である。シート重量に対して美容液を300重量%含浸して気密包装した。
本パックシートは、首の皺部と肌の老化防止の美容パック用に作成した。
本製品を、モニターにより、首の皺部に貼着した結果、貼着に皮膚抵抗感がなくて爽やかで、10分程度で乾燥してピールオフができた。使用性評価、機能性評価、及び感触評価において好評であった。
Claims (6)
- アミロースよりなる水不溶性のゲルシートに美容液が含浸されてなる、2成分系よりなることを特徴とするシート状パック化粧料。
- 該アミロースが、α−1,4−グルカンであることを特徴とする請求項1に記載のシート状パック化粧料。
- 該アミロースが、酵素合成によるα−1,4−グルカンであることを特徴とする請求項1又は2に記載のシート状パック化粧料。
- 該アミロースを主成分とする上記ゲルシートが、可塑剤を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のシート状パック化粧料。
- 該アミロースが、エステル化、エーテル化、酸化、架橋化、より選ばれた分子修飾されていることを特徴とする請求項1〜4に記載のシート状パック化粧料。
- 上記美容液が含浸されたゲルシートが、皮膚に貼着可能であって、顔、目の下、首、その他局所に応じた形状に形成されてなることを特徴とする請求項1〜5に記載のシート状パック化粧料。
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