JP2005212738A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】高い技術を要することなく、偏摩耗などに対する影響を抑えながら静電気を効果的に逃がすことが可能な空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】トレッドゴム層9Aの前後端9A1,9A2を接合して形成したトレッドゴム部9の内周側に、トレッドゴム層9Aのゴムより体積抵抗率の低いゴムrで補強コードfを被覆したストリップ材Sを巻回したタイヤ構成部材8を備えた空気入りタイヤであり、ストリップ材Sの端部Saをトレッドゴム層9Aの前後端9A1,9A2間に延在させてトレッド表面9xに露出させた構成にする。
【選択図】図3
【解決手段】トレッドゴム層9Aの前後端9A1,9A2を接合して形成したトレッドゴム部9の内周側に、トレッドゴム層9Aのゴムより体積抵抗率の低いゴムrで補強コードfを被覆したストリップ材Sを巻回したタイヤ構成部材8を備えた空気入りタイヤであり、ストリップ材Sの端部Saをトレッドゴム層9Aの前後端9A1,9A2間に延在させてトレッド表面9xに露出させた構成にする。
【選択図】図3
Description
本発明は、空気入りタイヤに関し、更に詳しくは、車両の静電気を路面に逃がし易くした空気入りタイヤに関する。
近年、車両の低燃費化に対応して、トレッドゴム部にカーボンに代えてシリカを多量配合したゴムを使用し、転がり抵抗を低減すると共にウェット性能を改善するようにした空気入りタイヤが実用化されている。しかしながら、このようにシリカを配合したトレッドゴム部を有する空気入りタイヤは、電気抵抗が高くなるため、車両に帯電した静電気をタイヤを介して路面に放電することができず、その結果、車両に蓄積された静電気によりラジオノイズなど種々の問題が発生していた。
そこで、従来、上記対策として、例えば、トレッドゴム部をカーボンを主に配合したアンダートレッドゴム層と、シリカを主に配合したキャップトレッドゴム層からなる2層構造にし、電気抵抗の低いアンダートレッドゴム層の一部を環状に突出した静電気の逃がし部に形成し、それをトレッド表面に露出させるようにした技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、キャップトレッドゴム層と物性の異なるアンダートレッドゴム層の一部を上記のようにトレッド表面に露出させると、偏摩耗などが発生し易くなる。
そこで、偏摩耗などに対する影響を極力回避するため、逃がし部を紐状に形成して露出させようとすると、押出成形されるアンダートレッドゴム層の押出に高い技術を要し、コストアップを招く。また、押し出した際の逃がし部の形状が不安定のため、逃がし部において抵抗値が高くなる場合があり、常に静電気を効果的に逃がすことができないという問題があった。
特開2000−1610号公報
本発明は、高い技術を要することなく、偏摩耗などに対する影響を抑えながら静電気を効果的に逃がすことが可能な空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的を達成する本発明は、トレッドゴム層の前後端を接合して形成したトレッドゴム部の内周側に、前記トレッドゴム層のゴムより体積抵抗率の低いゴムで補強コードを被覆したストリップ材を巻回したタイヤ構成部材を備えた空気入りタイヤにおいて、前記ストリップ材の端部を前記トレッドゴム層の前後端間に延在させ、前記トレッドゴム部のトレッド表面に露出させたことを特徴とする。
上述したようにタイヤ構成部材のストリップ材の端部をトレッドゴム層の前後端間に延在させてトレッド表面に露出するようにしたので、何ら高い技術を要することなく、また工程数を増加させることなく、既存の設備を用いて静電気の逃がし部を容易に形成することができ、従って、製造コストの増加を招くことがない。
また、ゴムを被覆したストリップ材が補強コードを芯体として備えているため、静電気の逃がし部の形状が安定し、静電気をストリップ材の端部から確実に路面に放電することが可能になり、更にストリップ材の端部をトレッド表面に露出させるだけであるため、偏摩耗などに対する影響を抑えることができる。
以下、本発明の実施の形態について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の空気入りタイヤの一例を示し、1はトレッド部、2はサイドウォール部、3はビード部である。
タイヤ内側には左右のビード部3間にカーカス層4が装架され、その両端部4aがビード部3に埋設したビードコア5の周りにビードフィラー6を挟み込むようにしてタイヤ内側から外側に折り返されている。トレッド部1のカーカス層4の外周側には複数のベルト層7が設けられている。
ベルト層7の外周側にはベルト層7をカバーするベルトカバー層8が配置され、その外周側にトレッドゴム層9Aの前後端を接合して環状に形成したトレッドゴム部9が配設されている。トレッドゴム層9Aはシリカを含有し、体積抵抗率が1010〜1012Ω・cmと高く、それにより転がり抵抗を低減すると共にウェット性能を改善するようになっている。
上記ベルトカバー層8は、図2に示すように、ナイロンコードなどの有機繊維コードからなる補強コードfをゴムrで被覆したストリップ材Sをベルト層7上にタイヤ周方向に螺旋状に巻回して構成され、その一方の端部(巻き付け終端部)Saが、図3に示すように、トレッドゴム層9Aの前後端9A1,9A2間に延在し、そのエッジSbをトレッドゴム部9のトレッド表面9xに露出させており、端部Saが静電気を路面に逃がす逃がし部にしてある。
ストリップ材Sのゴムrは、体積抵抗率が107 Ω・cm以下で、トレッドゴム層9Aのゴムより体積抵抗率が低くなっている。このゴムrの体積抵抗率は、静電気をより効果的に逃がすため、105 Ω・cm以下にするのが好ましい。ゴムrの体積抵抗率の下限値は、低ければ低い程好ましいが、現実的レベルでは、103 Ω・cm程度までである。
上記空気入りタイヤでは、車両の静電気が不図示のホイールからビード部3、サイドウォール部2とカーカス層4、ベルト層7を経て、ベルトカバー層8のストリップ材Sの端部Saから路面に逃げるのようになる。
上述した本発明によれば、トレッドゴム部9の内周側に配置した体積抵抗率が低いベルトカバー層8のストリップ材Sの端部Saをトレッドゴム層9Aの前後端9A1,9A2間に延在させてトレッド表面9xに露出させるようにしたので、何ら高い技術を要することなく、また製造工程数を増加させることなく、既存の設備を用いて静電気の逃がし部を容易に形成することができるため、コストアップを招くことがない。
しかも、ストリップ材Sが補強コードfを芯体として有しているので、静電気の逃がし部の形状が安定し、静電気をストリップ材Sの端部Saから効果的に逃がすことができ、また細いストリップ材Sの端部Saをトレッド表面9xに露出させるだけであるため、偏摩耗などに対する影響を極力回避することができる。
本発明において、上記ストリップ材Sのゴムrとしては、従来のベルトカバー層8に用いられる公知のものが使用でき、例えば、天然ゴム(NR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)など、或いはこれらを混合したゴムなどを挙げることができる。
ストリップ材Sのゴムrの体積抵抗率を107 Ω・cm以下にするには、例えば、カーボンブラックをゴム100重量部に対して60重量部以上配合するようにすればよい。
ストリップ材Sの端部Saは、タイヤ赤道面CLから左右にそれぞれトレッド表面9xの展開幅Zの25%の範囲Yに位置するトレッド表面9xのセンター部9yに露出させるようにするのが、路面との接地を確実に確保する上で好ましい。
ストリップ材Sは、その幅が5〜15mmのものを好ましく使用することができる。
本発明は、上記実施形態では、タイヤ構成部材として、ベルトカバー層8を用いて静電気を逃がすようにした例を示したが、それに限定されず、トレッドゴム部9の内周側に配置した、トレッドゴム層9Aのゴムより体積抵抗率の低いゴムで補強コードを被覆したストリップ材を巻回したタイヤ構成部材であれば、いずれのタイヤ構成部材を用いてもよい。
タイヤサイズを215/60R16で共通にし、ナイロンコードからなる補強コードに表1に示す配合割合のストリップ材のゴムAを被覆した幅10mm、厚さ0.9mmのストリップ材によりベルトカバー層を形成し、その端部をトレッド表面の中央に露出させた図1に示す構成の本発明タイヤ1、ストリップ材のゴムBにより同様に構成した本発明タイヤ2、本発明タイヤ1においてストリップ材の端部をトレッド表面の中央に露出させていない比較タイヤを作製した。
本発明タイヤ1,2及び比較タイヤのトレッドゴム部には表1に示すトレッドゴム部のゴムを使用した。JIS K 6271(二重リング電極法)に準拠して測定した各ゴムの体積抵抗率は表1に示す通りである。
これら各試験タイヤの電気抵抗値を以下に示す測定方法により測定したところ、表2に示す結果を得た。
電気抵抗値の測定方法
各試験タイヤをスチール製のホイールに装着し、空気圧を200kPa にして、図4に示すように、絶縁台21上に配置した鋼板22上に、スチール製の支持軸24に取り付けた試験タイヤ23をトレッド表面に露出するストリップ材の端部が鋼板22に接するよう(本発明タイヤ1,2の場合)に載置し、JATMA(2003年版)に規定される最大負荷能力の80%に相当する負荷荷重の条件下で、鋼板22とホイールのリムとの間に電圧(印加電圧250V)を加えた時の試験タイヤ23の電気抵抗値を抵抗測定器25により測定した。
電気抵抗値の測定方法
各試験タイヤをスチール製のホイールに装着し、空気圧を200kPa にして、図4に示すように、絶縁台21上に配置した鋼板22上に、スチール製の支持軸24に取り付けた試験タイヤ23をトレッド表面に露出するストリップ材の端部が鋼板22に接するよう(本発明タイヤ1,2の場合)に載置し、JATMA(2003年版)に規定される最大負荷能力の80%に相当する負荷荷重の条件下で、鋼板22とホイールのリムとの間に電圧(印加電圧250V)を加えた時の試験タイヤ23の電気抵抗値を抵抗測定器25により測定した。
表1,2から、トレッドゴム層のゴムより体積抵抗率の低いゴムで補強コードを被覆したストリップ材の端部をトレッド表面に露出させた本発明の空気入りタイヤは、電気抵抗値が低いことがわかる。
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
4a 端部
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 ベルトカバー層(タイヤ構成部材)
9 トレッドゴム部
9A トレッドゴム層
9A1 前端
9A2 後端
9x トレッド表面
S ストリップ材
Sa 端部
Sb エッジ
f 補強コード
r ゴム
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
4a 端部
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 ベルトカバー層(タイヤ構成部材)
9 トレッドゴム部
9A トレッドゴム層
9A1 前端
9A2 後端
9x トレッド表面
S ストリップ材
Sa 端部
Sb エッジ
f 補強コード
r ゴム
Claims (5)
- トレッドゴム層の前後端を接合して形成したトレッドゴム部の内周側に、前記トレッドゴム層のゴムより体積抵抗率の低いゴムで補強コードを被覆したストリップ材を巻回したタイヤ構成部材を備えた空気入りタイヤにおいて、
前記ストリップ材の端部を前記トレッドゴム層の前後端間に延在させ、前記トレッドゴム部のトレッド表面に露出させた空気入りタイヤ。 - 前記ストリップ材のゴムを体積抵抗率が107 Ω・cm以下のゴムから構成した請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 前記ストリップ材の端部をタイヤ赤道面から左右にそれぞれトレッド表面展開幅の25%の範囲に位置するセンター部に露出させた請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
- 前記タイヤ構成部材の内周側にベルト層を有し、該タイヤ構成部材が前記ベルト層をカバーするベルトカバー層である請求項1,2または3に記載の空気入りタイヤ。
- 前記トレッドゴム層がシリカを含有する請求項1,2,3または4に記載の空気入りタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004025626A JP2005212738A (ja) | 2004-02-02 | 2004-02-02 | 空気入りタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2004025626A JP2005212738A (ja) | 2004-02-02 | 2004-02-02 | 空気入りタイヤ |
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JP2005212738A true JP2005212738A (ja) | 2005-08-11 |
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JP2004025626A Pending JP2005212738A (ja) | 2004-02-02 | 2004-02-02 | 空気入りタイヤ |
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JP (1) | JP2005212738A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105829146A (zh) * | 2013-12-19 | 2016-08-03 | 普利司通美国轮胎运营有限责任公司 | 具有静电荷耗散元件的轮胎 |
-
2004
- 2004-02-02 JP JP2004025626A patent/JP2005212738A/ja active Pending
Cited By (2)
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CN105829146A (zh) * | 2013-12-19 | 2016-08-03 | 普利司通美国轮胎运营有限责任公司 | 具有静电荷耗散元件的轮胎 |
US10336141B2 (en) * | 2013-12-19 | 2019-07-02 | Bridgestone Americas Tire Operations, Llc | Tire having static charge dissipation element |
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