JP3285329B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
空気入りタイヤInfo
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- JP3285329B2 JP3285329B2 JP36529798A JP36529798A JP3285329B2 JP 3285329 B2 JP3285329 B2 JP 3285329B2 JP 36529798 A JP36529798 A JP 36529798A JP 36529798 A JP36529798 A JP 36529798A JP 3285329 B2 JP3285329 B2 JP 3285329B2
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- rubber material
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なトレッドゴ
ムを有する空気入りタイヤであって、例えばシリカ配合
のゴム材料を用いた場合であっても、タイヤの電気抵抗
の過度の上昇を防止でき、車両に発生する静電気を路面
へと効果的に放電するのに適した空気入りタイヤに関す
る。
ムを有する空気入りタイヤであって、例えばシリカ配合
のゴム材料を用いた場合であっても、タイヤの電気抵抗
の過度の上昇を防止でき、車両に発生する静電気を路面
へと効果的に放電するのに適した空気入りタイヤに関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】空気入
りタイヤのトレッド部に配されるトレッドゴムは、その
配合を違えることによって、転がり抵抗、ドライグリッ
プ性能、ウエットグリップ性能、乗り心地、操縦安定性
など、種々の走行性能が特徴付けられることが知られて
いる。しかしながら、近年では、車両の性能向上に伴
い、タイヤにあってもさらなる性能向上が要求され、通
常では相反する2つの性能を同時に満足させることが種
々望まれる。
りタイヤのトレッド部に配されるトレッドゴムは、その
配合を違えることによって、転がり抵抗、ドライグリッ
プ性能、ウエットグリップ性能、乗り心地、操縦安定性
など、種々の走行性能が特徴付けられることが知られて
いる。しかしながら、近年では、車両の性能向上に伴
い、タイヤにあってもさらなる性能向上が要求され、通
常では相反する2つの性能を同時に満足させることが種
々望まれる。
【0003】このような場合、通常、図5に示す如く、
トレッドゴムaをタイヤ半径方向内側のベースゴムb
と、そのタイヤ半径方向外側のキャップゴムcとに区分
し、それらの各ゴムに、個々の要求に合致したゴム材料
を用いることが一般的に用いられている。
トレッドゴムaをタイヤ半径方向内側のベースゴムb
と、そのタイヤ半径方向外側のキャップゴムcとに区分
し、それらの各ゴムに、個々の要求に合致したゴム材料
を用いることが一般的に用いられている。
【0004】ところで、近年では、トレッドゴムの充填
材として、カーボンに代えて又はカーボンを減らしつつ
シリカの採用が進んでいる。
材として、カーボンに代えて又はカーボンを減らしつつ
シリカの採用が進んでいる。
【0005】シリカは、結合材を介してゴムと強固にか
つ化学的に結合する。そのため、シリカにより補強され
たトレッドゴムは、耐摩耗性が高く、しかもゴムとシリ
カがいわゆる「点」で結合しているため、ゴムが動きや
すくかつ粘着力に富むこととなり優れたウエットグリッ
プ性能を発揮することが知られている。
つ化学的に結合する。そのため、シリカにより補強され
たトレッドゴムは、耐摩耗性が高く、しかもゴムとシリ
カがいわゆる「点」で結合しているため、ゴムが動きや
すくかつ粘着力に富むこととなり優れたウエットグリッ
プ性能を発揮することが知られている。
【0006】しかしながら、シリカは電気絶縁性が高
く、タイヤの電気抵抗を増す傾向があるため、車両に静
電気が溜まりやすいという欠点をもたらす。このような
静電気の蓄積は、例えばガソリンスタンドで燃料タンク
の蓋を開けようとした際に、火花を発生させる危険があ
り、また車両の走行中にラジオノイズ等の電波障害を引
き起こすなど電気的誤動作の原因ともなる。
く、タイヤの電気抵抗を増す傾向があるため、車両に静
電気が溜まりやすいという欠点をもたらす。このような
静電気の蓄積は、例えばガソリンスタンドで燃料タンク
の蓋を開けようとした際に、火花を発生させる危険があ
り、また車両の走行中にラジオノイズ等の電波障害を引
き起こすなど電気的誤動作の原因ともなる。
【0007】本発明の目的は、シリカによって補強され
たゴム材料を有するトレッドゴムを具えた空気入りタイ
ヤにいて、シリカによる優れたウエット性能を維持しつ
つタイヤ電気抵抗を低減しうる空気入りタイヤの提供を
目的としている。
たゴム材料を有するトレッドゴムを具えた空気入りタイ
ヤにいて、シリカによる優れたウエット性能を維持しつ
つタイヤ電気抵抗を低減しうる空気入りタイヤの提供を
目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明のうち請求項1記載の発明は、トレッド部から
サイドウォール部をへてビード部のビードコアに至るカ
ーカスと、このカーカスのタイヤ半径方向外側かつトレ
ッド部の内方に配されたベルト構造体とを具えた空気入
りタイヤであって、前記ベルト構造体のタイヤ半径方向
外側に配されたトレッドゴムは、第1のゴム材からなる
第1のゴム部と、この第1のゴム材とは配合が異なる第
2のゴム材からなる第2のゴム部とを有する少なくとも
2種類のゴム部からなり、かつ前記第1のゴム部及び第
2のゴム部は、ともにシート状をなすとともに、前記ト
レッドゴムは、タイヤ軸を含むタイヤ子午線断面におい
て、第1のゴム部、第2のゴム部が中心回りで年輪状又
は渦巻き状に重なる1以上の巻装体により形成されたこ
とを特徴としている。
に本発明のうち請求項1記載の発明は、トレッド部から
サイドウォール部をへてビード部のビードコアに至るカ
ーカスと、このカーカスのタイヤ半径方向外側かつトレ
ッド部の内方に配されたベルト構造体とを具えた空気入
りタイヤであって、前記ベルト構造体のタイヤ半径方向
外側に配されたトレッドゴムは、第1のゴム材からなる
第1のゴム部と、この第1のゴム材とは配合が異なる第
2のゴム材からなる第2のゴム部とを有する少なくとも
2種類のゴム部からなり、かつ前記第1のゴム部及び第
2のゴム部は、ともにシート状をなすとともに、前記ト
レッドゴムは、タイヤ軸を含むタイヤ子午線断面におい
て、第1のゴム部、第2のゴム部が中心回りで年輪状又
は渦巻き状に重なる1以上の巻装体により形成されたこ
とを特徴としている。
【0009】さらに本発明に係る空気入りタイヤは、前
記第1のゴム材が、シリカによって補強されたゴム材か
らなり、かつ前記第2のゴム材として良導電性ゴム材を
用いるとともに、 第2のゴム材を前記巻装体の最外層に
配することを特徴とする。
記第1のゴム材が、シリカによって補強されたゴム材か
らなり、かつ前記第2のゴム材として良導電性ゴム材を
用いるとともに、 第2のゴム材を前記巻装体の最外層に
配することを特徴とする。
【0010】このように、前記第1のゴム材をシリカに
よって補強されたゴム材とし、かつ前記第2のゴム材
を、ゴム基材100重量部に対してカーボンを5〜30
重量部含んだ良導電性ゴム材としているので、シリカの
利点を生かしつつタイヤの導電性との相反する2つの性
能をバランス良く向上しうる。確保することが可能とな
り、ラジオノイズ等の不具合を防止しうる。このとき、
前記トレッドゴムは、重量比で前記第1のゴム材を85
〜95%含み、かつ前記第2のゴム材を5〜15%含む
ことが、シリカによる耐体摩耗性、ウエットグリップ性
能の向上を損なうことなくタイヤの良好な導電性が得ら
れる点で特に望ましいものとなる。
よって補強されたゴム材とし、かつ前記第2のゴム材
を、ゴム基材100重量部に対してカーボンを5〜30
重量部含んだ良導電性ゴム材としているので、シリカの
利点を生かしつつタイヤの導電性との相反する2つの性
能をバランス良く向上しうる。確保することが可能とな
り、ラジオノイズ等の不具合を防止しうる。このとき、
前記トレッドゴムは、重量比で前記第1のゴム材を85
〜95%含み、かつ前記第2のゴム材を5〜15%含む
ことが、シリカによる耐体摩耗性、ウエットグリップ性
能の向上を損なうことなくタイヤの良好な導電性が得ら
れる点で特に望ましいものとなる。
【0011】なお前記シリカによって補強された第1の
ゴム材がトレッドゴムに占める重量比が85%未満であ
ると、シリカによる利点が相対的に低下していく傾向が
あり、逆に95%を超えると、カーボンを配合した第2
のゴム材による導電性が相対的に低下する傾向がある。
ゴム材がトレッドゴムに占める重量比が85%未満であ
ると、シリカによる利点が相対的に低下していく傾向が
あり、逆に95%を超えると、カーボンを配合した第2
のゴム材による導電性が相対的に低下する傾向がある。
【0012】とりわけ、前記巻装体が、前記シリカによ
って補強された第2のゴム材を該巻装体の最外層に配す
ることにより、路面と前記ベルト構造体との間に導電通
路を形成することが特に好ましいものとなる。
って補強された第2のゴム材を該巻装体の最外層に配す
ることにより、路面と前記ベルト構造体との間に導電通
路を形成することが特に好ましいものとなる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明のより具体的な実施
の一形態を図面に基づき説明する。図1には、本実施形
態に係る空気入りタイヤ1をリムJにリム組みしかつ内
圧を充填した無負荷の状態のタイヤ子午線断面を示して
いる。図のように、本実施形態の空気入りタイヤ1は、
トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4
のビードコア5に至るトロイド状のカーカス6と、この
カーカス6のタイヤ半径方向外側かつトレッド部2の内
部に配された本例では良導電性をなすベルト構造体Bと
を具える乗用車用のものが例示されている。
の一形態を図面に基づき説明する。図1には、本実施形
態に係る空気入りタイヤ1をリムJにリム組みしかつ内
圧を充填した無負荷の状態のタイヤ子午線断面を示して
いる。図のように、本実施形態の空気入りタイヤ1は、
トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4
のビードコア5に至るトロイド状のカーカス6と、この
カーカス6のタイヤ半径方向外側かつトレッド部2の内
部に配された本例では良導電性をなすベルト構造体Bと
を具える乗用車用のものが例示されている。
【0014】前記カーカス6は、本例では1枚のカーカ
スプライ6Aから形成され、前記ビードコア5、5間を
跨ってのびる本体部6aと、この本体部6aの両側に連
なりかつ前記ビードコア5の周りをタイヤ軸方向内側か
ら外側に向けて折り返された折返し部6b、6bとを具
える。またこれらの本体部6a、折返し部6bの間に
は、硬質のビードエーペックスゴム8が配され、ビード
部4を補強している。
スプライ6Aから形成され、前記ビードコア5、5間を
跨ってのびる本体部6aと、この本体部6aの両側に連
なりかつ前記ビードコア5の周りをタイヤ軸方向内側か
ら外側に向けて折り返された折返し部6b、6bとを具
える。またこれらの本体部6a、折返し部6bの間に
は、硬質のビードエーペックスゴム8が配され、ビード
部4を補強している。
【0015】前記カーカスプライ6Aは、例えばコード
をタイヤ赤道Cに対して75〜90度の角度で配列した
ラジアル構造をなし、カーカスコードには本例ではポリ
エステルコードが採用されるが、その他ナイロン、レー
ヨン、ビニロン、芳香族ポリアミドなどの各種の有機繊
維コードや、スチールコードなどが採用できる。
をタイヤ赤道Cに対して75〜90度の角度で配列した
ラジアル構造をなし、カーカスコードには本例ではポリ
エステルコードが採用されるが、その他ナイロン、レー
ヨン、ビニロン、芳香族ポリアミドなどの各種の有機繊
維コードや、スチールコードなどが採用できる。
【0016】前記ベルト構造体Bは、本例ではスチール
コードを含むベルト層7から形成される。該ベルト層7
は、ほぼ平行に配列したスチールコード配列体の両側を
トッピングゴムで被覆した2枚のベルトプライ7A、7
Bで構成されている。前記スチールコードは、タイヤ赤
道Cに対して15〜40度の角度で配列される。また2
枚のベルトプライ7A、7Bは、前記スチールコードが
交差するように重ね合わせて配置される。
コードを含むベルト層7から形成される。該ベルト層7
は、ほぼ平行に配列したスチールコード配列体の両側を
トッピングゴムで被覆した2枚のベルトプライ7A、7
Bで構成されている。前記スチールコードは、タイヤ赤
道Cに対して15〜40度の角度で配列される。また2
枚のベルトプライ7A、7Bは、前記スチールコードが
交差するように重ね合わせて配置される。
【0017】なおベルト層7は、ベルトコードがスチー
ルコードからなり、また前記トッピングゴムがカーボン
を含むことにより体積固有電気抵抗値を例えば1×10
8 (Ω・cm)未満とした導電性のゴム材からなる。これ
により、ベルト層7は、良好な導電性が付与される。な
おベルトコードとして、スチールコードの他、カーボン
ファイバーコード等の他の導電性コードも要求により使
用できる。なおベルト構造体Bは、ベルト層7の外側に
バンド層などを配しても良い。
ルコードからなり、また前記トッピングゴムがカーボン
を含むことにより体積固有電気抵抗値を例えば1×10
8 (Ω・cm)未満とした導電性のゴム材からなる。これ
により、ベルト層7は、良好な導電性が付与される。な
おベルトコードとして、スチールコードの他、カーボン
ファイバーコード等の他の導電性コードも要求により使
用できる。なおベルト構造体Bは、ベルト層7の外側に
バンド層などを配しても良い。
【0018】前記ベルト層7のタイヤ半径方向外側には
トレッドゴム9が配される。本実施形態のトレッドゴム
は、第1のゴム材からなる第1のゴム部9aと、この第
1のゴム材とは配合が異なる第2のゴム材からなる第2
のゴム部9bとからなる2種類のゴム部から構成された
ものを例示している。
トレッドゴム9が配される。本実施形態のトレッドゴム
は、第1のゴム材からなる第1のゴム部9aと、この第
1のゴム材とは配合が異なる第2のゴム材からなる第2
のゴム部9bとからなる2種類のゴム部から構成された
ものを例示している。
【0019】前記第1のゴム部9aをなす第1のゴム材
は、例えばシリカによって補強されたゴム材からなる。
このため、第1のゴム部9aは、シリカの配合によっ
て、ウエットグリップ性能を高め、かつドライ路面での
転がり抵抗の低減を図るのに役立つ反面、例えば体積固
有抵抗が1×108 (Ωcm)以上のいわゆる絶縁性を示
しやすい。なお本明細書において、ゴム部材についての
体積固有抵抗値は、15cm四方かつ厚さ2mmのゴムの試
料を印加電圧500V、気温25℃、湿度50%の条件
でADVANTESTER8340Aの電気抵抗測定器
を用いて測定した値で表示する。
は、例えばシリカによって補強されたゴム材からなる。
このため、第1のゴム部9aは、シリカの配合によっ
て、ウエットグリップ性能を高め、かつドライ路面での
転がり抵抗の低減を図るのに役立つ反面、例えば体積固
有抵抗が1×108 (Ωcm)以上のいわゆる絶縁性を示
しやすい。なお本明細書において、ゴム部材についての
体積固有抵抗値は、15cm四方かつ厚さ2mmのゴムの試
料を印加電圧500V、気温25℃、湿度50%の条件
でADVANTESTER8340Aの電気抵抗測定器
を用いて測定した値で表示する。
【0020】他方、前記第2のゴム材は、本例ではゴム
基材100重量部に対してカーボンを5〜30重量部含
んだ良導電性ゴム材、より具体的には体積固有抵抗値が
1×108 (Ω・cm)未満の良導電性をなすものを例示
している。なお第2のゴム材において、前記カーボンの
配合量が5重量部未満であると、良好な導電性が得られ
難くなる。
基材100重量部に対してカーボンを5〜30重量部含
んだ良導電性ゴム材、より具体的には体積固有抵抗値が
1×108 (Ω・cm)未満の良導電性をなすものを例示
している。なお第2のゴム材において、前記カーボンの
配合量が5重量部未満であると、良好な導電性が得られ
難くなる。
【0021】そしてこれらの第1のゴム部9a及び第2
のゴム部9bは、ともにシート状をなすとともに、前記
トレッドゴム9は、タイヤ軸を含むタイヤ子午線断面に
おいて、第1のゴム部9a、第2のゴム部9bが中心回
りで年輪状に重なる1以上の巻装体10により形成され
ており、しかも前記巻装体10は、前記良導電性の第2
のゴム材9bを該巻装体10の最外層に配したものを例
示している。
のゴム部9bは、ともにシート状をなすとともに、前記
トレッドゴム9は、タイヤ軸を含むタイヤ子午線断面に
おいて、第1のゴム部9a、第2のゴム部9bが中心回
りで年輪状に重なる1以上の巻装体10により形成され
ており、しかも前記巻装体10は、前記良導電性の第2
のゴム材9bを該巻装体10の最外層に配したものを例
示している。
【0022】これにより、空気入りタイヤ1は、シリカ
によって補強された第1のゴム部9aによる低転がり抵
抗性などを維持しつつ、路面と前記ベルト構造体Bとの
間に、前記第2のゴム部9bがなす導電通路を形成し、
車両に蓄積された静電気を効果的に路面へと放電するこ
とが可能になる。
によって補強された第1のゴム部9aによる低転がり抵
抗性などを維持しつつ、路面と前記ベルト構造体Bとの
間に、前記第2のゴム部9bがなす導電通路を形成し、
車両に蓄積された静電気を効果的に路面へと放電するこ
とが可能になる。
【0023】図2には、成形前のトレッドゴム9をなす
巻装体10を例示している。巻装体10の年輪数(重ね
数)は、少なくとも2つであるが、好ましくは2以上、
より好ましくは3以上、さらに好ましくは4以上、本例
では6つのものを例示している。これらの巻装体は、シ
ート状をなす第1、第2のゴム部9a、9bを中心Zの
回りに年輪状に巻き重ねるほか、短軸式押出機のホッパ
に配合の異なる2種のゴムを投入して、押出過程でこれ
らのゴムを年輪状とすることもでき、さらに多軸式の押
出機から押し出しされる異配合のゴムを一つの口金で年
輪状に一体押し出しし、図のような未加硫の巻装体10
を用いることができる。なお本例では、このような巻装
体10は、下面に小厚さのアンダートレッドゴム11
が、両端にはウイングゴム12が夫々添設されたものを
例示している。
巻装体10を例示している。巻装体10の年輪数(重ね
数)は、少なくとも2つであるが、好ましくは2以上、
より好ましくは3以上、さらに好ましくは4以上、本例
では6つのものを例示している。これらの巻装体は、シ
ート状をなす第1、第2のゴム部9a、9bを中心Zの
回りに年輪状に巻き重ねるほか、短軸式押出機のホッパ
に配合の異なる2種のゴムを投入して、押出過程でこれ
らのゴムを年輪状とすることもでき、さらに多軸式の押
出機から押し出しされる異配合のゴムを一つの口金で年
輪状に一体押し出しし、図のような未加硫の巻装体10
を用いることができる。なお本例では、このような巻装
体10は、下面に小厚さのアンダートレッドゴム11
が、両端にはウイングゴム12が夫々添設されたものを
例示している。
【0024】また、本実施形態の巻装体10は、例えば
前記第1のゴム部9a、第2のゴム部9bはシート
「状」であるから均一の厚さである必要はない。また各
第1、第2のゴム部9a、9bは、交互に配されていて
も良いし、また例えばトレッドゴム9に占める第1のゴ
ム部9aの割合を大きくしたいような場合には、第2の
ゴム部9bの年輪数を、第1のゴム部9aのそれよりも
小とすることができる。また各ゴム部9a、9bの厚さ
は、同じとしても良いし、また異ならせても良い。
前記第1のゴム部9a、第2のゴム部9bはシート
「状」であるから均一の厚さである必要はない。また各
第1、第2のゴム部9a、9bは、交互に配されていて
も良いし、また例えばトレッドゴム9に占める第1のゴ
ム部9aの割合を大きくしたいような場合には、第2の
ゴム部9bの年輪数を、第1のゴム部9aのそれよりも
小とすることができる。また各ゴム部9a、9bの厚さ
は、同じとしても良いし、また異ならせても良い。
【0025】なお前記第1のゴム材は、例えばゴム基材
100重量部に対して、シリカを30〜100重量部、
好ましくは40〜70重量部、さらに好ましくは40〜
60重量部配合したゴム材からなるのが好ましい。これ
によって、タイヤの転がり抵抗の低減とウエット性能と
をより高いレベルで両立しうる。また上述のシリカによ
る性能向上と導電性とをバランス良く高めるためには、
のためには、前記トレッドゴム9は、重量比で前記第1
のゴム材を85〜95%含み、かつ前記第2のゴム材を
5〜15%含むことが特に望ましい。
100重量部に対して、シリカを30〜100重量部、
好ましくは40〜70重量部、さらに好ましくは40〜
60重量部配合したゴム材からなるのが好ましい。これ
によって、タイヤの転がり抵抗の低減とウエット性能と
をより高いレベルで両立しうる。また上述のシリカによ
る性能向上と導電性とをバランス良く高めるためには、
のためには、前記トレッドゴム9は、重量比で前記第1
のゴム材を85〜95%含み、かつ前記第2のゴム材を
5〜15%含むことが特に望ましい。
【0026】前記第1のゴム材、第2のゴム材に用いる
ゴム基材としては、例えば天然ゴム(NR)、ブタジエ
ンの重合体であるブタジエンゴム(BR)、いわゆる乳
化重合のスチレンブタジエンゴム(E−SBR)、溶液
重合のスチレンブタジエンゴム(S−SBR)、イソプ
レンの重合体である合成ポリイソプレンゴム(IR)、
ブタジエンとアクリロニトリルとの共重合体であるニト
リルゴム(NBR)、クロロプレンの重合体であるクロ
ロプレンゴム(CR)などを挙げることができ、これら
の1種又は2種以上をブレンドしたゴムも用いることが
好ましい。
ゴム基材としては、例えば天然ゴム(NR)、ブタジエ
ンの重合体であるブタジエンゴム(BR)、いわゆる乳
化重合のスチレンブタジエンゴム(E−SBR)、溶液
重合のスチレンブタジエンゴム(S−SBR)、イソプ
レンの重合体である合成ポリイソプレンゴム(IR)、
ブタジエンとアクリロニトリルとの共重合体であるニト
リルゴム(NBR)、クロロプレンの重合体であるクロ
ロプレンゴム(CR)などを挙げることができ、これら
の1種又は2種以上をブレンドしたゴムも用いることが
好ましい。
【0027】また第1のゴム材に配合されるシリカとし
ては、特に限定はされないが、窒素吸着比表面積(BE
T)が150〜250m2 /gの範囲、かつフタル酸ジ
ブチル(DBP)吸油量が180ml/100g以上の
コロイダル特性を示すものが、ゴムへの補強効果及びゴ
ム加工性等の点で好ましい。なおシランカップリング剤
としては、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラ
スルフィド、α−メルカプトプロピルトリメトキシシラ
ンが好適である。
ては、特に限定はされないが、窒素吸着比表面積(BE
T)が150〜250m2 /gの範囲、かつフタル酸ジ
ブチル(DBP)吸油量が180ml/100g以上の
コロイダル特性を示すものが、ゴムへの補強効果及びゴ
ム加工性等の点で好ましい。なおシランカップリング剤
としては、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラ
スルフィド、α−メルカプトプロピルトリメトキシシラ
ンが好適である。
【0028】なお、第1のゴム材にも他の物性、すなわ
ちゴム弾性や、ゴム硬度、発熱性等を得るために、カー
ボンを補助的に配合しても良い。このとき第1のゴム材
に添加するカーボンの配合量は、前記ゴム基材100重
量部に対して15重量部以下、さらに好ましくは10重
量以下、さらに好ましくは0〜5重量部とするのが望ま
しい。前記カーボンの配合量が15重量部を超えると、
シリカによる低転がり抵抗性等の優れた効果が減少する
虞がある。
ちゴム弾性や、ゴム硬度、発熱性等を得るために、カー
ボンを補助的に配合しても良い。このとき第1のゴム材
に添加するカーボンの配合量は、前記ゴム基材100重
量部に対して15重量部以下、さらに好ましくは10重
量以下、さらに好ましくは0〜5重量部とするのが望ま
しい。前記カーボンの配合量が15重量部を超えると、
シリカによる低転がり抵抗性等の優れた効果が減少する
虞がある。
【0029】また、本例の空気入りタイヤは、前記ウイ
ングゴム12に連なるサイドウォールゴム13や、この
サイドウォールゴム13に連なるビードゴム14などが
前記カーカス6の外側に貼り付けされる。これらの各ゴ
ムには、シリカは配合されておらず、その体積固有抵抗
がいずれも1×108 (Ωcm)未満の良導電特性を持
つ。
ングゴム12に連なるサイドウォールゴム13や、この
サイドウォールゴム13に連なるビードゴム14などが
前記カーカス6の外側に貼り付けされる。これらの各ゴ
ムには、シリカは配合されておらず、その体積固有抵抗
がいずれも1×108 (Ωcm)未満の良導電特性を持
つ。
【0030】このような空気入りタイヤ1は、車両で発
生した静電気を、金属製のリムJからタイヤのビードゴ
ム14、サイドウォールゴム13、ベルト層7(ベルト
構造体B)又はウイングゴム12を経由してトレッドゴ
ム9の最外層に配された第2のゴム9bにより路面へと
放電する導電通路を形成し、ラジオノイズ等の不具合を
防止できる。
生した静電気を、金属製のリムJからタイヤのビードゴ
ム14、サイドウォールゴム13、ベルト層7(ベルト
構造体B)又はウイングゴム12を経由してトレッドゴ
ム9の最外層に配された第2のゴム9bにより路面へと
放電する導電通路を形成し、ラジオノイズ等の不具合を
防止できる。
【0031】なお上記実施形態では、トレッドゴムは1
つの巻装体10から形成したものを例示したが、例えば
タイヤ軸方向に分割された2以上の巻装体から形成して
も良い。また、図3に示す如く、シート状をなす第1、
第2のゴム部9a、9bを重ねた重ね体10を中心Z回
りに渦巻き状に巻き重ねた巻装体10とすることもでき
るなど、本発明は種々の態様に変更しうる。また前記第
1のゴム材、第2のゴム材には、例示の配合に限定され
ることなく、要求する性能に応じて種々のゴム配合を用
いうるのは言うまでもなく、トレッドゴムに3種類以上
の配合が異なるゴム材を適用することもできる。
つの巻装体10から形成したものを例示したが、例えば
タイヤ軸方向に分割された2以上の巻装体から形成して
も良い。また、図3に示す如く、シート状をなす第1、
第2のゴム部9a、9bを重ねた重ね体10を中心Z回
りに渦巻き状に巻き重ねた巻装体10とすることもでき
るなど、本発明は種々の態様に変更しうる。また前記第
1のゴム材、第2のゴム材には、例示の配合に限定され
ることなく、要求する性能に応じて種々のゴム配合を用
いうるのは言うまでもなく、トレッドゴムに3種類以上
の配合が異なるゴム材を適用することもできる。
【0032】
【実施例】図1に示す基本構造を有する空気入りタイヤ
(サイズ:165/65R14)を試作し、負荷荷重を
変化させてタイヤの電気抵抗を測定した。なおタイヤの
電気抵抗の測定は、図4に示すように、台板30に対し
て絶縁状態で取付く鋼板31上に、タイヤ1を荷重負荷
状態で垂直に接地させ、リムJ(6×14”)と鋼板3
1との間の電気抵抗を、印可電圧1000V、気温25
℃、湿度50%、内圧2.0kgf /cm2 、縦荷重150
〜550kgf の条件で測定した。テストの結果を表1に
示すが、表1より、実施例のタイヤは、いずれも良好な
導電性が得られていることが確認できた。
(サイズ:165/65R14)を試作し、負荷荷重を
変化させてタイヤの電気抵抗を測定した。なおタイヤの
電気抵抗の測定は、図4に示すように、台板30に対し
て絶縁状態で取付く鋼板31上に、タイヤ1を荷重負荷
状態で垂直に接地させ、リムJ(6×14”)と鋼板3
1との間の電気抵抗を、印可電圧1000V、気温25
℃、湿度50%、内圧2.0kgf /cm2 、縦荷重150
〜550kgf の条件で測定した。テストの結果を表1に
示すが、表1より、実施例のタイヤは、いずれも良好な
導電性が得られていることが確認できた。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明では、トレッド部をシリカの利点を生かしつつタイヤ
の電気抵抗を低減でき、静電気の蓄積によるスパークや
電波障害等を防止した安全走行を可能とする。
明では、トレッド部をシリカの利点を生かしつつタイヤ
の電気抵抗を低減でき、静電気の蓄積によるスパークや
電波障害等を防止した安全走行を可能とする。
【図1】本発明の一実施例を示す空気入りタイヤの断面
図である。
図である。
【図2】成形前の巻装体の一例を示す断面図である。
【図3】成形前の巻装体の他の例を示す断面図である。
【図4】タイヤの電気抵抗の測定方法を説明する概念図
である。
である。
【図5】従来のトレッドゴムの一例を示す部分断面図で
ある。
ある。
2 トレッド部 3 サイドウオール部 4 ビード部 5 ビードコア 6 カーカス 7 ベルト層 9 トレッドゴム 9a 第1のゴム部 9b 第2のゴム部 10 巻装体 B ベルト構造体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60C 11/00 - 11/24 B60C 1/00 B60C 19/00 - 19/12
Claims (3)
- 【請求項1】トレッド部からサイドウォール部をへてビ
ード部のビードコアに至るカーカスと、このカーカスの
タイヤ半径方向外側かつトレッド部の内方に配されたベ
ルト構造体とを具えた空気入りタイヤであって、 前記ベルト構造体のタイヤ半径方向外側に配されたトレ
ッドゴムは、第1のゴム材からなる第1のゴム部と、 この第1のゴム材とは配合が異なる第2のゴム材からな
る第2のゴム部とを有する少なくとも2種類のゴム部か
らなり、かつ前記第1のゴム部及び第2のゴム部は、と
もにシート状をなすとともに、 前記トレッドゴムは、タイヤ軸を含むタイヤ子午線断面
において、第1のゴム部、第2のゴム部が中心回りで年
輪状又は渦巻き状に重なる1以上の巻装体により形成さ
れ、しかも前記第1のゴム材は、シリカによって補強された
ゴム材からなり、かつ前記第2のゴム材として良導電性
ゴム材を用いるとともに、 第2のゴム材を前記巻装体の最外層に配する ことを特徴
とする空気入りタイヤ。 - 【請求項2】前記トレッドゴムは、重量比で前記第1の
ゴム材を85〜95%含み、かつ前記第2のゴム材を5
〜15%含むことを特徴とする請求項1記載の空気入り
タイヤ。 - 【請求項3】前記巻装体は、前記第2のゴム材を該巻装
体の最外層に配することにより路面と前記ベルト構造体
との間に導電通路を形成することを特徴とする請求項1
又は2記載の空気入りタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36529798A JP3285329B2 (ja) | 1998-12-22 | 1998-12-22 | 空気入りタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36529798A JP3285329B2 (ja) | 1998-12-22 | 1998-12-22 | 空気入りタイヤ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000185519A JP2000185519A (ja) | 2000-07-04 |
JP3285329B2 true JP3285329B2 (ja) | 2002-05-27 |
Family
ID=18483921
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP36529798A Expired - Fee Related JP3285329B2 (ja) | 1998-12-22 | 1998-12-22 | 空気入りタイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3285329B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
ATE309920T1 (de) * | 2001-07-30 | 2005-12-15 | Michelin Soc Tech | Stranggepresstes gummiprofil, sein herstellungsverfahren und dieses enthaltender luftreifen |
JP4977144B2 (ja) * | 2006-09-25 | 2012-07-18 | 東洋ゴム工業株式会社 | 空気入りタイヤの装着方法 |
JP5027476B2 (ja) * | 2006-10-18 | 2012-09-19 | 住友ゴム工業株式会社 | 組み合わせタイヤ |
JP6343170B2 (ja) * | 2014-04-17 | 2018-06-13 | 住友ゴム工業株式会社 | 空気入りタイヤ |
-
1998
- 1998-12-22 JP JP36529798A patent/JP3285329B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000185519A (ja) | 2000-07-04 |
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