JP2005212150A - 等価加硫度の予測方法及び等価加硫度の予測用コンピュータプログラム、並びにゴム製品の製造方法 - Google Patents

等価加硫度の予測方法及び等価加硫度の予測用コンピュータプログラム、並びにゴム製品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】取り扱いを容易にするとともに、予測結果を得るまでの時間を短縮すること。
【解決手段】この等価加硫度の予測方法では、タイヤのブロック幅wと溝深さtとが判明すれば、下記近似式を用いて減厚量ΔLを求めることができる。そして、タイヤの総厚さをΔLだけ減厚した状態で1次元熱伝導・加硫反応度解析を実行することにより、最遅加硫カーブを求め、等価加硫度を予測できる。また、この最遅加硫カーブからブローポイントを予測することができる。
ΔL=Max(Min(0.45×ln(w/t)−0.75,1.0),−1.0)×t・・・近似式
ここで、Max(a,b)は、a又はbのうち大きい方を採用する関数であり、Min(a,b)は、a又はbのうち小さい方を採用する関数である。
【選択図】 図2−1

Description

本発明は、ゴムを加硫する際の等価加硫度を予測し、ゴムのブローポイントを予測する技術に関する。
タイヤのような加硫を要する厚肉のゴム製品を製造するにあたって、加硫時間を決定する方法の一つには、熱伝導による温度分布を計算し、それに基づき加硫反応の速度を計算し積分することにより、加硫反応進行度を予測する手法が知られている。このような技術としては、例えば、特許文献1に開示されているようなものが知られている。
特開平7−40355号公報
ところで、タイヤの表面には溝とブロックとでトレッドパターンが形成されている。また、タイヤの子午面断面内における肉厚は均一でない場合が多い。このように、タイヤは複雑な形状をしているため、前記手法を適用しようとすると、2次元や3次元の熱伝導・加硫反応度解析が必要となる。このため、加硫反応進行度を予測する際における解析の手続きが複雑となり、また、境界条件の設定や解析対象箇所のモデル化には熟練が必要となる。その結果、取り扱いが難しく、汎用性が低くなるという問題があった。さらに、2次元、3次元において熱伝導・加硫反応度解析を実行する場合には、それだけ計算量が増加する。その結果、計算が収束し、予測結果が得られるまでには多くの時間を要するという問題もあった。
そこで、この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、等価加硫度の予測時における取り扱いを容易にできるとともに、予測結果を得るまでの時間を短縮できる等価加硫度の予測方法及び等価加硫度の予測用コンピュータプログラム、並びにゴム製品の製造方法を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、この発明に係る等価加硫度の予測方法は、ゴム製品の表面形状を表すパラメータを変化させて、厳密計算により前記ゴム製品の最遅加硫部分を含む断面内における各パラメータに対応する第1最遅加硫カーブを求めるとともに、前記断面内の熱貫流方向における前記断面の寸法・厚さを表すパラメータを変化させて、1次元熱伝導・加硫反応度解析により前記断面内における各パラメータに対応する第2最遅加硫カーブを求める手順と、前記複数の第1最遅加硫カーブと前記複数の第2最遅加硫カーブとの対応関係から、前記表面形状を表すパラメータに基づく表面形状パラメータと、前記断面の寸法を表すパラメータに基づく減厚パラメータとの近似関数を求める手順と、等価加硫度予測対象ゴム製品の前記表面形状パラメータに対応する前記減厚パラメータを前記近似関数から求め、求めた前記減厚パラメータを用いて、前記等価加硫度予測対象ゴム製品の最遅加硫部分を含む断面内における1次元熱伝導・加硫反応度解析を実行することにより、前記ゴム製品の最遅加硫部分における等価加硫度を予測する手順と、を含むことを特徴とする。
この等価加硫度の予測方法は、表面形状パラメータと減厚パラメータとの近似関数を用いることにより、2次元形状であっても1次元の熱伝導・加硫反応度解析によって解析することができる。これによって、境界条件の設定や解析モデルの作成が容易になるので、熱伝導・加硫反応度解析における取り扱いを容易にできる。また、1次元における解析により、計算量を抑えることができるので、予測結果を得るまでの時間を短縮することができる。
また、次の本発明に係る等価加硫度の予測方法は、前記等価加硫度の予測方法において、等価加硫度予測対象ゴム製品の表面形状が3次元形状である場合、前記等価加硫度予測対象ゴム製品の表面形状を表すパラメータに基づいて求めた長短比が所定値以上である場合には、前記等価加硫度予測対象ゴム製品の最遅加硫部分を含む断面が一様な2次元形状として取り扱い、前記等価加硫度予測対象ゴム製品の前記表面形状パラメータに対応する前記減厚パラメータを前記近似関数から求め、求めた前記減厚パラメータを用いて、前記等価加硫度予測対象ゴム製品の最遅加硫部分を含む断面内における1次元熱伝導・加硫反応度解析を実行することにより、前記ゴム製品の最遅加硫部分における等価加硫度を予測することを特徴とする。
この等価加硫度の予測方法は、ゴム製品の表面形状を表すパラメータが所定値以上である場合には、3次元形状のゴム製品を2次元形状とみなして取り扱い、さらに、近似関数を用いることにより、1次元の熱伝導・加硫反応度解析によって解析することができる。これによって、境界条件の設定や解析モデルの作成が容易になるので、ゴム製品が3次元形状であっても、熱伝導・加硫反応度解析における取り扱いを容易にできる。また、1次元における解析により、計算量を抑えることができるので、予測結果を得るまでの時間を短縮することができる。
また、次の本発明に係る等価加硫度の予測方法は、前記等価加硫度の予測方法において、等価加硫度予測対象ゴム製品の表面形状が3次元形状である場合、前記等価加硫度予測対象ゴム製品の表面形状を表すパラメータに基づいて求めた長短比が所定値未満である場合には、前記表面形状を表すパラメータの影響を考慮して、前記等価加硫度予測対象ゴム製品の最遅加硫部分を含む断面が一様な2次元形状として取り扱い、前記等価加硫度予測対象ゴム製品の前記表面形状パラメータに対応する前記減厚パラメータを前記近似関数から求め、求めた前記減厚パラメータを用いて、前記等価加硫度予測対象ゴム製品の最遅加硫部分を含む断面内における1次元熱伝導・加硫反応度解析を実行することにより、前記ゴム製品の最遅加硫部分における等価加硫度を予測することを特徴とする。
この等価加硫度の予測方法は、ゴム製品の表面形状を表すパラメータが所定値未満である場合には、表面形状を表すパラメータが加硫時間に与える影響を考慮して、3次元形状のゴム製品を2次元形状とみなして取り扱う。そして、近似関数を用いることにより、1次元の熱伝導・加硫反応度解析によって解析することができる。これによって、境界条件の設定や解析モデルの作成が容易になるので、ゴム製品が3次元形状であっても、熱伝導・加硫反応度解析における取り扱いを容易にできる。また、1次元における解析により、計算量を抑えることができるので、予測結果を得るまでの時間を短縮することができる。
また、次の本発明に係る等価加硫度の予測用コンピュータプログラムは、前記等価加硫度の予測方法を実行することを特徴とする。これにより、前述の等価加硫度の予測方法がコンピュータを利用して実現できる。
また、次の本発明に係るゴム製品の製造方法は、前述の等価加硫度の予測方法により、加硫対象ゴム製品の等価加硫度を予測し、予測した等価加硫度から加硫対象ゴム製品のブローポイントを予測する手順と、加硫金型に入れて加硫を開始する手順と、予測したブローポイントで加硫を終了し、脱型する手順と、を含むことを特徴とする。
このゴム製品の製造方法では、前述の等価加硫度の予測方法により加硫対象ゴム製品の等価加硫度を予測し、予測した等価加硫度から加硫対象ゴム製品のブローポイントを予測する。これにより、簡易かつ迅速にブローポイントを予測できるので、多種類のタイヤのBPを管理しなければならない製造状況においても効率よくブローポイントを求めることができる。その結果、ゴム製品の製造効率が向上するとともに、歩留まりも向上する。
この発明に係る等価加硫度の予測方法及び等価加硫度の予測用コンピュータプログラム、並びにゴム製品の製造方法では、等価加硫度の予測時における取り扱いを容易にできるとともに、予測結果を得るまでの時間を短縮できる。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の発明を実施するための最良の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。本発明は、タイヤを構成するゴムの等価加硫度を予測する際に好適に適用でき、空気入りタイヤ、乗用車用タイヤ、あるいは重荷重用タイヤを問わず、タイヤ一般に対して好適に適用できる。さらに、タイヤ一般に限らず、例えばコンベア用ベルトや防舷材その他の、ゴムの加硫を必要とするゴム製品全般に対しても好適に適用できる。なお、以下の説明では、ゴム製品の一例としてタイヤを用いて説明する。
実施例1に係る等価加硫度の予測方法は、次の点に特徴がある。すなわち、ゴム製品の最遅加硫部分を含む断面において1次元熱伝導・加硫反応度解析により求めた最遅加硫カーブと、前記ゴム製品の実際の加硫を代表する複数条件下において厳密計算により求めた最遅加硫カーブとがほぼ等価となることを利用して、両者を関係づける近似関数を求める。そして、この近似関係を用いて、等価加硫度予測対象ゴム製品を1次元熱伝導・加硫反応度解析により解析して等価加硫度を予測し、その予測結果から求めた前記ゴム製品の最遅加硫部分におけるブローポイントを予測する。
実施例1に係る等価加硫度の予測方法について説明する前に、最遅加硫カーブについて説明する。タイヤやコンベアベルト等のゴム製品を加硫するとき、ゴムは熱伝導が悪いため、製品の内部ほど加硫が遅くなる傾向がある。このため、ゴム製品の場所に応じて加硫度合いが異なってくる。加硫の最中に加硫が最も遅くなる部分と、最も遅い加硫度(その部分における加硫度)が定義できる。最遅加硫カーブとは、最も遅い加硫度を、加硫時間に対してプロットすることにより得られる時間の関数である。
加硫初期において、最遅加硫部分は、低温である部分すべてであるが、熱伝導が進行するにしたがって、ゴムの深い部分に位置するようになる。そして、さらに時間が経過すると、モールドに温度差が存在する場合には、最遅加硫部分はモールドの最も温度が低い部分へ移動する。最遅加硫カーブを求める方法の一つとしては、ゴム製品の様々な位置における熱伝導を解いて温度カーブ(温度の時間変化)をまず求め、温度に応じた架橋反応速度を計算し、等価加硫度を表す加硫カーブを求め、次に製品の各位置の加硫カーブを重ねて記載して、複数の加硫カーブの最下部分を包絡すれば、最遅加硫カーブを得ることができる。
実施例1に係る等価加硫度の予測方法について説明する。図1は、ゴム製品の一例であるタイヤの子午面を含む一部の断面を示す一部断面図である。ゴム製品の一例であるタイヤ1は、トレッド面5が地面と接地する。トレッド面5には複数の溝2及び複数のブロック3が形成されている。複数の溝2及び複数のブロック3により、トレッド面5にはトレッドパターンが形成される。
図2−1は、タイヤのトレッド面の一部を拡大した一部断面図である。図2−1を用いて、タイヤ1のトレッド面5に形成されるブロック3の寸法について説明する。溝2の底部2uとブロック3の頂部3tとの距離をブロック高さ又は溝深さとし、tで表す。また、ブロック3の幅をブロック幅とし、wで表す。なお、図2−1においては、タイヤ1の子午面断面内におけるタイヤ1の幅方向(図1中Z方向)におけるブロック3の幅がブロック幅であるが、必要に応じてタイヤ1の周方向におけるブロック3の幅もブロック幅という。また、タイヤ1のタイヤ内面4とブロック3の頂部3tとの距離をタイヤ1の総厚さといい、Lで表す。なお、タイヤ1において、タイヤ1の厚さ方向は、加硫時においては熱源から供給される熱貫流の方向とほぼ等しくなる。ここで、ブロック溝深さt(高さt)、及びブロック幅wが、ゴム製品の表面形状を表すパラメータとなる。また、タイヤ1の総厚さLが、ゴム製品の最遅加硫部分を含む断面の寸法を表すパラメータとなる。
次に、ゴムの等価加硫度、最遅加硫点及びブローポイントについて説明する。図2−2は、等価加硫度の時間に対する変化を示す説明図である。等価加硫度(K)とは、ゴムの加硫反応が進行する度合いを示す尺度であり、例えば加硫のためにゴムへ与えた温度の履歴から求めることができる。ブローポイント(以下BPという)とは、加硫の開始から加硫を終了させるまで、すなわち加熱を終了させたときにゴムが発泡しなくなる時間をいう。一般には、等価加硫度が30%に達したときの加硫時間T30をBPとする(図2−2参照)。なお、同種類のゴム製品であっても、ゴムの配合比や混合状態によってBPは変化する。
図3は、タイヤの最遅加硫点の説明図である。いわゆるグリーンタイヤを加硫金型に入れて加硫する場合、トレッド面5側に加硫金型の内面に形成されたトレッドパターンが転写される。グリーンタイヤの加硫においては、トレッド面5側及びタイヤ内面4側から熱量Qが与えられて加硫金型内のグリーンタイヤが加熱される。すなわち、加硫においては、タイヤ1のトレッド面5側とタイヤ1のタイヤ内面4側に熱源が存在することになる。
一般に、加硫を要するゴム製品においては、熱源に挟まれた部分における両熱源間の中央付近が最も加硫が進行し難くなる。この部分を最遅加硫点といい、タイヤ1の加硫においては、トレッド面5とタイヤ1のタイヤ内面4との中間付近となることが多い。図3においては、Pslで示す部分がタイヤ1の最遅加硫点となる。この最遅加硫点におけるBPを脱型の指標とし、理想的には最遅加硫点PslがBPに達したらタイヤ1を加硫金型から脱型する。なお、タイヤを加硫する場合のように、熱源間で加熱温度が異なる場合には、最遅加硫点は温度の低い熱源側へずれることが多い。
ゴム製品のBPは、有限要素法等を用いた厳密計算により求めることができるが、この方法では、計算手順や境界条件の設定等が複雑であり、また、計算時間も要する。また、ゴム製品を製造する上では、最遅加硫点におけるBPを求めることができればよいが、厳密計算では、それ以外の部分におけるBPも求めることになり、計算する上で経済的ではない。
熱伝導現象は、温度差が0になる方向に進むため、タイヤ表層近傍における細かな温度変化は、加硫対象であるタイヤの内部へ至るまでに緩和され、タイヤ内部へは緩慢な温度変化が伝わるに過ぎない。また、この温度変化に応じた加硫反応は、加算されて蓄積する。そして、この蓄積量が等価加硫度に相当する。したがって、タイヤ表層近傍の温度変化に対応してタイヤ内部の温度が微妙に変化したとしても、等価加硫度に対してほとんど影響を与えない。
本発明者らは鋭意研究の結果、かかる点に着目し、タイヤ内部に存在する最遅加硫点における時間に対する等価加硫度の変化は、タイヤ表面の形状や境界条件を厳密に考慮した2次元熱伝導・加硫反応度解析で求めたものと、1次元熱伝導・加硫反応度解析で求めたものとで、近似する形状となることを見出した。この関係から、両者を関係づける近似関数を求め、この近似関係を用いて、等価加硫度予測対象ゴム製品に対して1次元熱伝導・加硫反応度解析を実行する。これにより、簡易かつ迅速に最遅加硫点におけるBPを求めることができる実施例1に係る等価加硫度の予測方法を完成するに至った。この内容について、次に詳しく説明する。なお、次の説明においては、適宜図1〜3を参照されたい。
図4−1は、2次元熱伝導・加硫反応度解析により厳密計算した第1最遅加硫カーブを示す説明図である。第1最遅加硫カーブは、タイヤの最遅加硫点における加硫時間Tに対する等価加硫度Kの変化をプロットしたものである。この第1最遅加硫カーブA0〜A6は、溝深さtを一定としてブロック幅wを変化させた場合の解析結果である。また、総厚さLは20mmとした。第1最遅加硫カーブA0は、トレッド面5に溝2が存在しない場合である。この場合、溝深さtとブロック幅とは0になり、総厚さLが20mmとなる。ここで、w/tを変化させることは、タイヤ1のトレッド面5に形成される溝2の深さとブロック3の幅とを変化させることを意味する。したがって、w/tを変化させると、タイヤ1のトレッド面5に形成されるトレッドパターンが伝熱特性に与える影響を考慮することができる。
図4−2は、2次元熱伝導・加硫反応度解析に用いた解析モデルの一例である。図4−1に示す第1最遅加硫カーブA0〜A6は、タイヤ1の子午面断面を図4−2に示すような格子で分割して、有限要素法や有限差分法その他の解析手法により、2次元熱伝導・加硫反応度解析を実行することにより求める。このとき、トレッド面5の温度をθ1とし、タイヤ1のタイヤ内面4の温度をθ2とする。
図5−1は、1次元熱伝導・加硫反応度解析により解析した第2最遅加硫カーブを示す説明図である。これらの第2最遅加硫カーブは、タイヤの最遅加硫部分における加硫時間Tに対する等価加硫度Kの変化をプロットしたものである。これらの第2最遅加硫カーブは、トレッド面5に溝2が存在しない状態で、すなわち、溝深さtとブロック幅とを0として、総厚さLを変化させた場合の解析結果である。総厚さLは20mm〜13mmの範囲で変化させてある。なお、第2最遅加硫カーブB0の総厚さLは20mmの場合であり、第2最遅加硫カーブB0は図4−1に示す最遅加硫カーブA0と一致することになる。
図5−2は、1次元熱伝導・加硫反応度解析に用いた解析モデルの一例である。図5−1に示す第2最遅加硫カーブは、トレッド面5に溝2が存在しない状態におけるタイヤ1の子午面断面に対して、トレッド面5の温度をθ1とするとともにタイヤ内面4の温度をθ2として、1次元熱伝導・加硫反応度解析を実行することにより求める。このとき、総厚さLを上記のように変化させる。
2次元及び1次元熱伝導・加硫反応度解析のいずれにおいても、加硫反応の温度依存性の指標である活性化エネルギーは、20kcal/molとした。ここで、実際のゴムにおける活性化エネルギーである15kcal/mol〜25kcal/molの範囲では、第1及び第2最遅加硫カーブの形状、及びその位置は、図4−1に示す状態と比較してほとんど変化しない。また、2次元及び1次元熱伝導・加硫反応度解析のいずれにおいても、熱拡散率を実際のゴムの範囲で変化させると、第1及び第2最遅加硫カーブは時間軸方向に移動するが、第1及び第2最遅加硫カーブの相対的な位置関係を維持したまま移動する。
ここで、図4−1の等価加硫度K1と、図5−1の等価加硫度K1とが同じ値になる。図4−1、図5−1から、2次元熱伝導・加硫反応度解析で求めた第1最遅加硫カーブA0は、1次元熱伝導・加硫反応度解析によって求めた総厚さL=13mmの第2最遅加硫カーブ(図5−1中最も左側のカーブ)とほぼ一致することがわかる。また、第1最遅加硫カーブA4は、1次元熱伝導・加硫反応度解析によって求めた総厚さL=19mmの第2最遅加硫カーブ(図5−1中B0の左隣のカーブ)とほぼ一致することがわかる。このように、前記第1最遅加硫カーブ群と、前記第2最遅加硫カーブ群とは、同形性が見出せることがわかる。
図6は、2次元及び1次元熱伝導・加硫反応度解析により解析した第1及び第2最遅加硫カーブ同士を重ねた状態を示す説明図である。図6に示すように、2次元熱伝導・加硫反応度解析で表面形状パラメータw/t(以下w/tという)を変化させて求めた第1最遅加硫カーブと、1次元熱伝導・加硫反応度解析で総厚さLを変化させて求めた第2最遅加硫カーブとは、ほぼ同形状であることがわかる。また、2次元熱伝導・加硫反応度解析によりw/tを変化させて求めた第1最遅加硫カーブA0〜A6は、1次元熱伝導・加硫反応度解析で総厚さLを変化させて求めた第2最遅加硫カーブB0その他にそれぞれほぼ一致することがわかる。この対応は、表1に示すようになる。なお、ΔLについては後述する。
Figure 2005212150
なお、加硫時間Tがさらに大きくなって、加硫がさらに進行した場合には、2次元熱伝導・加硫反応度解析求めた前記第1最遅加硫カーブと、1次元熱伝導・加硫反応度解析で求めた前記第2最遅加硫カーブとのずれが大きくなると予想される。しかし、実際の加硫においては、加硫が実質的に開始する時間(第1及び第2最遅加硫カーブと時間軸との切片)の数倍以内でBPに達する。したがって、BPに達する時間の範囲においては、2次元熱伝導・加硫反応度解析求めた前記第1最遅加硫カーブと、1次元熱伝導・加硫反応度解析で求めた前記第2最遅加硫カーブとの同形性が十分に維持される。
以上の結果から、2次元熱伝導・加硫反応度解析でw/tを変化させて求めた第1最遅加硫カーブは、1次元熱伝導・加硫反応度解析で総厚さLを変化させて求めた第2最遅加硫カーブで表すことができる。これは、トレッドパターンを変化させた場合の伝熱特性は、1次元熱伝導・加硫反応度解析で総厚さLを変化させて求めた場合の伝熱特性とほぼ同一結果となることを意味する。すなわち、トレッド面5のw/tに対応した減厚量ΔLだけタイヤの総厚さLから減厚させ、減厚させた総厚さ(L−ΔL)に対して1次元熱伝導・加硫反応度解析を実行して第2最遅加硫カーブを求める。そして、この第2最遅加硫カーブにより等価加硫度を予測するとともに、BPを予測することができる。
図7は、横軸を対数表示して減厚パラメータとw/tとの関係を表した説明図である。図7に示すように、表1に示したw/tと減厚パラメータであるΔL/tとの関係をプロットすると、図7中の細い実線に示すような関係が得られる。ここで、当該関係は近似式(1)で表される。
ΔL=0.45×ln(w/t)−0.86・・・(1)
図7中の太い実線の傾斜部分、すなわち近似式(2)で表される直線は、ΔL/tとw/tとの関係から得られる直線を、減厚量ΔLが小さくなるように移動させたものである。減厚量ΔLを小さくするということは、1次元熱伝導・加硫反応度解析による最遅加硫カーブが、図5−1に示す時間軸に対して右側に移動するということである。これは、BPに到達するまでには、上記近似式(1)から求めた最遅加硫カーブよりも、より長い時間加熱が必要になることを意味する。これによって、より安全側で、すなわちBPに未達の状態で加硫が終了する危険性を抑えて最遅加硫カーブを求め、BPを予測することができる。
ΔL=0.45×ln(w/t)−0.75・・・(2)
上記w、t、L等を、乗用車用タイヤにおいて実際に採用し得ると考えられる範囲で変化させて検証したところ、上記近似式(2)により、安全側で最遅加硫カーブを求めてBPを予測することができた。なお、この安全側に近似式(1)を移行させる程度は、計算モデルの精度等によって変化させてもよい。なお、重荷重用タイヤにおいては、当該タイヤが実際に採用し得ると考えられる範囲で表面形状を表すパラメータであるブロック幅w及び溝深さt、前記断面の寸法を表すパラメータである総厚さL等を変化させて、減厚パラメータΔL/tとw/tとの近似式を求めることができる。
図7において、縦軸に示す減厚パラメータが0ということは、タイヤの総厚さLで1次元熱伝導・加硫反応度解析を実行することである。これは、熱伝導及び加硫反応上は、トレッド面5に形成される溝2の影響は無視できる程度に小さいことを意味する。また、縦軸に示す減厚パラメータが−1ということは、溝2上にゴムが存在しない状態を意味する。また、溝2上にゴムがなく、かつ溝底の高さ(L−t:図2−1)で熱源に接している状態で2次元熱伝導・加硫反応度解析を実行することと、溝2がなく、かつ減厚量ΔL=tの状態で1次元熱伝導・加硫反応度解析を実行することとは等価であることを意味する。このように、減厚パラメータΔL/tは、−1以上0以下の範囲となる。
厳密に計算すれば、上記近似式(1)や上記近似式(2)は、w/tの変化により、ΔL/t=0又は−1へ曲線で漸近するが、図7に示すように、折れ線近似でも実用上は十分に利用できる。この際に用いる、w/tと減厚パラメータであるΔL/tとの関係を表す近似式は、上記近似式(1)又は(2)のいずれを使用してもよいが、実施例1においては安全を考慮して、近似式(2)を用いる。
ΔL/t=0における近似式(2)と、w/t軸との切片よりもw/tが大きい場合は、常にΔL/t=0、すなわち溝2がなく、かつ総厚さLの状態で1次元熱伝導・加硫反応度解析を実行することにより、等価加硫度を予測することができる。また、ΔL/t=−1における近似式(2)と、w/t軸との切片よりもw/tが小さい場合は、常にΔL/t=−1、すなわち溝2がなく、かつ総厚さをL−tとして1次元熱伝導・加硫反応度解析を実行することにより、等価加硫度を予測することができる。これ以外の範囲では、上記近似式(2)により減厚量ΔLを求め、総厚さをL−ΔLとして1次元熱伝導・加硫反応度解析を実行することにより、等価加硫度を予測することができる。この関係は、近似式(3)で表すことができる。
ΔL=Max(Min(0.45×ln(w/t)−0.75,1.0),−1.0)×t・・・(3)
ここで、Max(a,b)は、a又はbのうち大きい方を採用する関数であり、Min(a,b)は、a又はbのうち小さい方を採用する関数である。
上記近似式(3)から、例えば溝2が存在したとしてもブロック幅が溝深さtのおよそ5.5倍以上であれば、溝2がない状態で、かつ総厚さLの状態で1次元熱伝導・加硫反応度解析を実行することにより、等価加硫度を予測することができる。また、例えば溝2が存在したとしてもブロック幅wが溝深さtのおよそ0.6倍以下であれば、溝2がない状態で、かつ総厚さL−tの状態で1次元熱伝導・加硫反応度解析を実行することにより、等価加硫度を予測することができる。
このように、実施例1に係る等価加硫度の予測方法では、タイヤ1のブロック幅wと溝深さtとが判明すれば、上記近似式(3)を用いて減厚量ΔLを求めることができる。そして、タイヤ1の総厚さLをΔLだけ減厚した状態で1次元熱伝導・加硫反応度解析を実行することにより、簡易に最遅加硫カーブを求め、BPを予測することができる。これにより、複雑な厳密熱伝導・加硫反応度解析が不要になるとともに、実用上十分な精度で簡易にBPを予測することができる。また、1次元熱伝導・加硫反応度解析により、計算量を大幅に低減できるので、計算時間も短縮できる。
ここで、実施例1では、説明を簡単にするために、温度境界条件を一定としている。しかし、上記説明で用いた厳密計算(2次元熱伝導・加硫反応度解析)においては、実際の加硫を模擬して温度変化を考慮した方が、予測精度を向上させることができる。この場合、温度の操業条件は、加硫装置や加硫の仕様毎に定められているので、それらの温度条件をライブラリー化しておいて、必要に応じて引用し、計算に適用することが好ましい。
また、実施例1では、加硫金型の温度は一定として、厳密計算を実行している。しかし、ゴム中に食い込む加硫金型の突起は、ゴムに熱を奪われるため、実際の加硫においては等温度にはならない。そして、タイヤの溝幅が大きい(突起が太い)場合には、厳密計算により求めた加硫金型の温度誤差は小さく、溝幅が小さい場合には、前記温度誤差が大きい。また、ブロックの山幅や溝深さや加硫金型の突起材料その他の条件にも温度差は依存する。このような熱伝導に関する加硫金型側の温度誤差の要因を考慮して厳密計算を実行すれば、より精度の高い関数関係(減厚率)を把握することができる。また、計算のみならず、モデルの加硫金型を用いて伝熱に関する実験を実行し、その実験結果に基づいて関数関係を補正してもよい。
さらに、加硫金型は金属であり、加硫対象のゴムと比較して数桁程度、熱伝導率が高いので、厳密計算により加硫金型の温度を求めた場合には、多くの場合加硫金型の温度誤差は小さい。しかし、近年においては、サイプと称する、1mm〜2mm程度の厚さの金属板を、加硫金型に嵌合し取り付けて使用する場合がある。このとき、嵌合部分に汚れが存在する場合には特に熱伝導に対する抵抗が大きく、厳密計算における加硫金型の温度誤差を大きくすることがある。かかる場合にも、計算あるいは実測により、関数関係(減厚率)を補正することで、ブローポイントの予測精度を向上させることができる。
次に、実施例1に係る等価加硫度の予測方法における一連の処理手順について説明する。図8は、実施例1に係る等価加硫度の予測方法における一連の処理手順を示すフローチャートである。タイヤにおいては、溝が浅く、かつブロック幅の広い部分の中心内部に最遅加硫点が存在する。したがって、タイヤの最遅加硫点が存在する候補箇所(最遅加硫部分)を絞り込み、当該箇所について1次元熱伝導・加硫反応度解析に近似してBPを求めればよい。
実施例1に係る等価加硫度の予測方法を実行するにあたっては、まず、最遅加硫部分を選定する(ステップS101)。具体的には、タイヤのCC(Center Crown)部やショルダー部Shにおけるブロックのうち、外形寸法が最大のブロックに着目する。また、w/tが大きい方がタイヤ1の内部まで熱伝導しにくくなるので、ブロック3の幅wが大きいもの、又は溝深さtが小さいもののうち少なくとも一方を満たす部分を選択する。
図9−1、図9−2は、タイヤのトレッド面に形成されるブロック群の一例を示す説明図である。また、図9−3は、熱伝導的に等価な矩形への変換についての説明図である。図9−4は、変換後の矩形を示す平面図である。図9−1に示すように、ブロック31〜33の中では、ブロック31の溝深さt1が最も小さいので、ブロック31〜33の中では、ブロック31の部分が最遅加硫部分となる。また、図9−2に示すように、ブロック31〜33の中では、ブロック31が最大幅を持つ。したがって、ブロック31〜33の中では、ブロック31の部分が最遅加硫部分となる。このような基準で、最遅加硫部分の候補を選定する。
次に、溝深さ一定の多角形を抽出する(ステップS102)。具体的には、タイヤ1のトレッド面5側から見た場合における、最遅加硫部分の候補となるブロック31の平面形状を抽出する。このようにして抽出したブロック31の平面形状は多角形となる。そして、ブロック31の図心(重心)を求め、前記図心からブロック31の外周への最短距離を2倍して幅とする。次に、図9−3に示すように、抽出したブロック31の平面形状を、熱伝導的に等価な矩形31'へ変換する(ステップS103)。かかる変換は、例えば化学工学便覧第3版に開示されている固体熱伝導に関する変換方法を用いることもできる。
前記変換後、前記熱伝導的に等価な矩形31'の長短比wl/ws(図4参照)が4以上か否かを判断する(ステップS104)。ここで、熱伝導的に等価な矩形31'の長辺の長さをwlとし、短辺の長さをwsとする。これらはいずれも等価加硫度予測対象ゴム製品の表面形状を表すパラメータである。
前記長短比wl/wsが4以上であれば(ステップS104;Yes)、前記ブロック31の断面は、一様な2次元断面として取り扱い(ステップS105)、上述した手順によって1次元熱伝導に近似して熱伝導・加硫反応度解析を実行する(ステップS106)。そして、得られた解析結果からタイヤ1の最遅加硫点におけるBPを予測する(ステップS107)。
長短比wl/wsが4未満の場合(ステップS104;No)、タイヤ1の総厚さの減厚量を計算する(ステップS108)。この手順について説明する。図10は、減厚計算の手順の一例を示す説明図である。この減厚計算を実行するにあたっては、まず、前記熱伝導的に等価な矩形31'の長手方向wlをブロック幅wとして、例えば上記近似式(3)により第1減厚量ΔL1を求める(ステップS201)。次に、求めた第1減厚量ΔL1に基づき、溝深さをt−ΔLとし、これを新たな溝深さt'とする。そして、この溝深さt'と、前記熱伝導的に等価な矩形31'の短手方向wsをブロック幅wとして、上記近似式(3)により第2減厚量ΔL2を求める(ステップS202)。
このようにして求めた減厚量ΔL2を用いることにより、長短比wl/wsが4未満の場合であっても断面一様な2次元断面として取り扱うことができる(ステップS105)。このように、2次元断面を1次元に次元圧縮することにより、2次元断面内の熱伝導を1次元計算することで簡素化し、最遅加硫カーブに関しては実質的に同等の結果が得られる。さらに、ブロック側面からの熱伝導促進効果を減厚の形でブロック厚さの減少に対応させることが可能となる。後者に注目することで、実質的には3次元形状のブロックに対しても、ブロック形状を矩形とみなした場合における二つの山幅の影響を順次それぞれブロック厚さの減少に変換し、加算することで、3次元を2次元に、さらに2次元を1次元に順次変換して、3次元形状の影響を1次元における厚さの減少として反映させることができる。すなわち、本来であれば断面が一様でない3次元形状のブロックであっても、断面一様な2次元断面として取り扱うことができることを意味する。なお、矩形の長辺と短辺とのいずれを先に次元圧縮しても、相当する1次元の厚さは、実質的には同じ大きさとなることが確認されている。したがって、矩形の長辺又は短辺のいずれを先に次元圧縮してもよい。
なお、前記長短比や溝深さtに応じたより精密な変換則に基づいて3次元計算の結果と対比することにより、断面一様な2次元断面として取り扱うこともできる。第2減厚量ΔL2を求めた後は、この第2減厚量ΔL2を用いて、1次元熱伝導により熱伝導・加硫反応度解析を実行する(ステップS106)。そして、得られた解析結果からタイヤの最遅加硫部分におけるBPを予測する(ステップS107)。
以上、実施例1に係る等価加硫度の予測方法によれば、表面形状パラメータと減厚パラメータとの近似関数を用いることにより、2次元形状であっても1次元の熱伝導・加硫反応度解析によって解析することができる。これによって、境界条件の設定や解析モデルの作成が容易になるので、解析における取り扱いを容易にできる。また、1次元における解析により計算量を抑えることができるので、予測結果を得るまでの時間を短縮することができる。
実施例2に係る等価加硫度の予測方法は、実施例1と略同様の構成であるが、タイヤの子午面断面における総厚さが不均等である場合に、当該断面内における最遅加硫部分を推定する手順を含む点が異なる。他の構成は実施例1と同様であるのでその説明を省略する。図11は、実施例2に係る等価加硫度の予測方法における一連の処理手順を示すフローチャートである。
例えば、ショルダー部Sh(図1)のように、タイヤ1の子午面断面における総厚さが変化する場合、当該断面内の最遅加硫点が存在すると考えられる最遅加硫部分を決定する。まず、タイヤ1の子午面断面における総厚さが均等か否かを判定する(ステップS301)。均等である場合には(ステップS301;Yes)、タイヤ1の1次元の厚さを決定し(ステップS302)、これをタイヤ1の総厚さLとする。次に、トレッドパターンの有無を判断する(ステップS303)。トレッドパターンが存在しない場合には(ステップS303;No)、トレッド面5に溝2が存在しないことになるので、そのままタイヤ1の総厚さLを用いて、1次元熱伝導の熱伝導・加硫反応度解析を実行する(ステップS309)。そして、その解析結果に基づいて最遅加硫点におけるBPを予測する(ステップS310)。
トレッドパターンが存在する場合には(ステップS303;Yes)、実施例1で説明したステップS101〜ステップS108と同様の手順により、最遅加硫点におけるBPを予測する(ステップS304〜ステップS313)。タイヤ1の子午面断面における総厚さが均等でない場合には(ステップS301;No)、当該断面内における最遅加硫位置を推定する(ステップS311)。この方法について説明する。
図12は、子午面断面の厚さが不均一である状態を簡略的に表現した簡易断面図である。図12中の一点鎖線は、熱貫流の方向を示す。図12に示すように、タイヤ1のショルダー部Shは、CC部よりも子午面断面内における総厚さが大きくなっている。このため、タイヤ1の子午面断面内においては、ショルダー部Shに最遅加硫部分Aslが存在すると考えられる。そして、この最遅加硫部分Asl内に最遅加硫点Pslが存在すると考えられる。
これらの仮定から、図12に示すようなタイヤの子午面断面の簡易断面図を用いて、断面の広がり、縮小による温度拡散距離の調整を利用して、最遅加硫部分Aslを通る熱貫流のラインを作図する。この作図について説明する。断面の厚さが不均一である場合には、断面形状に応じた最遅加硫カーブが実質的に一致する基準における等価的な厚さを求める。この手順は、例えば光の屈折を説明するホイヘンスの原理に類似する図解法を用いることができるが、有限要素法等による計算結果を整理して、1次元の等価厚さへの関数関係(変換規則)を利用してもよい。
熱伝導を、熱源から等速で進行する熱波(サーマルウェーブ)と仮定すると、平面的な熱源からは、深さ方向に等しく熱波が進行する。仮に、熱源温度がすべて等しいとして、上下熱源からの熱波が衝突する部分が熱源から最も遠く、最遅加硫部分であると考えられる。熱波同士が重なると相互に干渉し、その部分の温度上昇は重なった熱波の進行方向を変化させるとともに、熱波の進行速度を速める。また、熱波が凸又は凹に湾曲して伝わるとき、熱波の先端が広がり、又は縮まることに対応して、熱波の進行速度は減少又は増加する。そして、熱波の進行による広がり(断面積)を一定とする規則を作図に適用することができる。
図12は、上述したような、熱波の進行による広がりを一定とする規則にしたがって作図されたものである。図12において、タイヤ内面4とトレッド面5とが平行なCC部近傍では、タイヤ内面4からの熱波とトレッド面5からの熱波とが、3波目で衝突している。これに対して、ショルダー部Shでは、およそ4.5波目で、タイヤ内面4からの熱波とトレッド面5からの熱波とが衝突している。すなわち、この部分で、タイヤ内面4における熱源、及びトレッド面5における熱源からの熱が達している。
これにより、最遅加硫部分Asl、及び最遅加硫部分Aslに相当するトレッド面5とタイヤ内面4との厚さが推定できる。すなわち、最後に熱波が衝突した部分が、推定される最遅加硫部分Aslに相当する。この例では、タイヤのCC部近傍における厚さの1.5倍(4.5/3=1.5)が、最遅加硫部分Aslに相当する厚さ(等価的な厚さ)となる。上記手法は、2次元で表現される不等厚さ部分を、1次元化(次元圧縮)する手法の一つである。さらに、ブロックパターンの矩形寸法及び溝深さの影響を、記述(実施例1)の手順により1次元化すればよい。
このようにして推定した、最遅加硫部分Aslに相当するトレッド面5とタイヤ内面4との厚さが、最も長い熱貫流ライン(図12ではLn)となる。そして、この最も長い熱貫流ラインLn上に、この子午面断面内における最遅加硫点Pslが存在すると考えられる。したがって、当該熱貫流ラインが最遅加硫点Pslを通るものであると決定し(ステップS312)、最遅加硫点を通る熱伝導距離をLnに決定する。なお、2次元、あるいは3次元の熱伝導・加硫反応度解析により、最遅加硫点を通る熱伝導距離を求めることもできる。このようにして求めた最遅加硫点を通る熱伝導距離を、子午面断面における総厚さが不均等である場合におけるタイヤ1の1次元の厚さとして決定し(ステップS302)、これをタイヤ1の総厚さLとする。以後の処理手順は上述した通りなのでその説明を省略する(ステップS303〜S313)。
なお、実施例1及び2に係る等価加硫度の予測方法は、予め用意されたコンピュータプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することによって実現することができる。このコンピュータプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することができる。また、このコンピュータプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。
以上、実施例2に係る等価加硫度の予測方法では、タイヤの子午面断面における最遅加硫部分を推定する手順を含むので、当該断面内におけるタイヤの総厚さが不均等である場合にも、最遅加硫部分を予測して、より精度の高い等価加硫度の予測が実現できる。
実施例3では、実施例1又は2に係る等価加硫度の予測方法を含むゴム製品の製造方法を説明する。図13は、実施例3に係るゴム製品の製造方法の手順を説明するフローチャートである。実施例3においては、ゴム製品のしてタイヤを例にとって説明するが、コンベアベルトや防舷材に対してもこのゴム製品の製造方法が適用できることは言うまでもない。まず、加硫するタイヤの加硫条件を取得する(S401)。加硫条件には、例えばゴムの種類や添加剤の種類、あるいはタイヤの大きさ等に応じて決定される加硫温度や加圧条件等がある。
次に、上記加硫条件から加熱に関する条件を取得し、また、タイヤの種類によって決定されるブロック幅wや溝深さtあるいはタイヤの総厚さLその他の幾何学的な条件を取得する。そして、上記実施例1又は2に係る等価加硫度の予測方法により、加硫対象のタイヤの最遅加硫部分におけるBPを予測する(ステップS402)。その後、グリーンタイヤを加硫金型に入れて(ステップS403)、加硫を開始する(ステップS404)。
加硫を開始して、上記ステップS402で予測したBPに到達したら加硫を終了し(ステップS405)、脱型する(ステップS406)。このように、実施例3に係るタイヤの製造法では、実施例1又は2に係る等価加硫度の予測方法により、タイヤの最遅加硫部分におけるBPを予測し、予測したBPで加硫を終了する。これにより、実用上十分な精度で簡易かつ迅速に予測できるので、多種類のタイヤのBPを管理しなければならない製造状況においても効率よくBPを求めることができる。その結果、最適なタイミングで脱型できるので、タイヤの製造効率が向上するとともに、歩留まりも向上する。
以上のように、本発明に係る等価加硫度の予測方法及び等価加硫度の予測用コンピュータプログラム、並びにゴム製品の製造方法は、ゴム製品の加硫に有用であり、特に、等価加硫度の予測に適している。
ゴム製品の一例であるタイヤの子午面を含む一部の断面を示す一部断面図である。 タイヤのトレッド面の一部を拡大した一部断面図である。 等価加硫度の時間に対する変化を示す説明図である。 タイヤの最遅加硫点の説明図である。 2次元熱伝導・加硫反応度解析により厳密計算した第1最遅加硫カーブを示す説明図である。 2次元熱伝導・加硫反応度解析に用いた解析モデルの一例である。 1次元熱伝導・加硫反応度解析により解析した第2最遅加硫カーブを示す説明図である。 1次元熱伝導・加硫反応度解析に用いた解析モデルの一例である。 2次元及び1次元熱伝導・加硫反応度解析により解析した第1及び第2最遅加硫カーブ同士を重ねた状態を示す説明図である。 横軸を対数表示して減厚パラメータとw/tとの関係を表した説明図である。 実施例1に係る等価加硫度の予測方法における一連の処理手順を示すフローチャートである。 タイヤのトレッド面に形成されるブロック群の一例を示す説明図である。 タイヤのトレッド面に形成されるブロック群の一例を示す説明図である。 熱伝導的に等価な矩形への変換についての説明図である。 変換後の矩形を示す平面図である。 減厚計算の手順の一例を示す説明図である。 実施例2に係る等価加硫度の予測方法における一連の処理手順を示すフローチャートである。 子午面断面の厚さが不均一である状態を簡略的に表現した簡易断面図である。 実施例3に係るゴム製品の製造方法の手順を説明するフローチャートである。
符号の説明
1 タイヤ
2 溝
2u 底部
3、31 ブロック
3t 頂部
4 タイヤ内面
5 トレッド面

Claims (5)

  1. ゴム製品の表面形状を表すパラメータを変化させて、厳密計算により前記ゴム製品の最遅加硫部分を含む断面内における各パラメータに対応する第1最遅加硫カーブを求めるとともに、前記断面内の熱貫流方向における前記断面の寸法・厚さを表すパラメータを変化させて、1次元熱伝導・加硫反応度解析により前記断面内における各パラメータに対応する第2最遅加硫カーブを求める手順と、
    前記複数の第1最遅加硫カーブと前記複数の第2最遅加硫カーブとの対応関係から、前記表面形状を表すパラメータに基づく表面形状パラメータと、前記断面の寸法を表すパラメータに基づく減厚パラメータとの近似関数を求める手順と、
    等価加硫度予測対象ゴム製品の前記表面形状パラメータに対応する前記減厚パラメータを前記近似関数から求め、求めた前記減厚パラメータを用いて、前記等価加硫度予測対象ゴム製品の最遅加硫部分を含む断面内における1次元熱伝導・加硫反応度解析を実行することにより、前記ゴム製品の最遅加硫部分における等価加硫度を予測する手順と、
    を含むことを特徴とする等価加硫度の予測方法。
  2. 等価加硫度予測対象ゴム製品の表面形状が3次元形状である場合、前記等価加硫度予測対象ゴム製品の表面形状を表すパラメータに基づいて求めた長短比が所定値以上である場合には、前記等価加硫度予測対象ゴム製品の最遅加硫部分を含む断面が一様な2次元形状として取り扱い、
    前記等価加硫度予測対象ゴム製品の前記表面形状パラメータに対応する前記減厚パラメータを前記近似関数から求め、求めた前記減厚パラメータを用いて、前記等価加硫度予測対象ゴム製品の最遅加硫部分を含む断面内における1次元熱伝導・加硫反応度解析を実行することにより、前記ゴム製品の最遅加硫部分における等価加硫度を予測することを特徴とする請求項1に記載の等価加硫度の予測方法。
  3. 等価加硫度予測対象ゴム製品の表面形状が3次元形状である場合、前記等価加硫度予測対象ゴム製品の表面形状を表すパラメータに基づいて求めた長短比が所定値未満である場合には、前記表面形状を表すパラメータの影響を考慮して、前記等価加硫度予測対象ゴム製品の最遅加硫部分を含む断面が一様な2次元形状として取り扱い、
    前記等価加硫度予測対象ゴム製品の前記表面形状パラメータに対応する前記減厚パラメータを前記近似関数から求め、求めた前記減厚パラメータを用いて、前記等価加硫度予測対象ゴム製品の最遅加硫部分を含む断面内における1次元熱伝導・加硫反応度解析を実行することにより、前記ゴム製品の最遅加硫部分における等価加硫度を予測することを特徴とする請求項1に記載の等価加硫度の予測方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の加硫における等価加硫度の予測方法を実行することを特徴とする等価加硫度の予測用コンピュータプログラム。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の等価加硫度の予測方法により、加硫対象ゴム製品の等価加硫度を予測し、予測した等価加硫度から加硫対象ゴム製品のブローポイントを予測する手順と、
    加硫金型に入れて加硫を開始する手順と、
    予測したブローポイントで加硫を終了し、脱型する手順と、
    を含むことを特徴とするゴム製品の製造方法。
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