JP2023095547A - タイヤ製造用金型 - Google Patents

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Abstract

【課題】ボイド成型材の離型抵抗を低減することができるタイヤ製造用金型を提供する。【解決手段】タイヤ製造用金型22は、トレッド表面を成型するための金型本体40と、金型本体40とは異なる材料からなりトレッド表面にサイプなどのボイドを成型するためのボイド成型材42と、を備える。ボイド成型材42は3Dプリンタによる金属造形により作製され、金属造形により形成された凹凸を持つ表面46の凹み50にフッ素樹脂52が配されている。【選択図】図5

Description

本発明の実施形態は、タイヤ製造用金型に関する。
トレッド表面にサイプなどのボイドを有するタイヤがある。そのようなボイドを有するタイヤのトレッド表面を製造するための金型では、ボイドを成型するためのボイド成型材が、金型本体とは異なる材料で作製される。例えば、軽量性のため金型本体をアルミニウムなどの軟質金属で作製する一方、強度等の観点からボイド成型材は鉄系金属で作製される。
特許文献1には、サイプが形成されたブロックの剛性向上を図ることを目的として、サイプを成型するブレードの表面に特定の凹凸面を形成すること、及び、該ブレードを積層造形法により製造できることが記載されている。
特開2017-185901号公報
タイヤ要求性能の高まりにより、タイヤ製造用金型においては、複雑な溝形状を求められる傾向にある。トレッド意匠を構成する要素のうち、特に厚み2mm以下のサイプを成型するためのボイド成型材としては、鉄系金属をプレス成型したもののほか、上記特許文献1に記載のように積層造形法、即ち3Dプリンタを利用したものもある。
このようなボイド成型材を用いたタイヤ製造において、ボイド成型材の表面の凹凸は、加硫後におけるタイヤからのボイド成型材の離型抵抗を高めると考えられる。特に複雑な形状を有するサイプを成型するためのボイド成型材においては、離型抵抗の増大によるタイヤの脱型不良など、生産性を損なう要因となる。
本発明の実施形態は、以上の点に鑑み、ボイド成型材の離型抵抗を低減することができるタイヤ製造用金型を提供することを目的とする。
本発明の実施形態に係るタイヤ製造用金型は、トレッド表面を成型するための金型本体と、前記金型本体とは異なる材料からなり前記トレッド表面にボイドを成型するためのボイド成型材と、を備えるタイヤ製造用金型であって、前記ボイド成型材が3Dプリンタによる金属造形により作製されたものであり、前記金属造形により形成された凹凸を持つ表面の凹みにフッ素樹脂が配されたものである。
一実施形態において、前記金属造形により形成された算術平均粗さRaが3.0~7.0μmかつスキューネスがRsk>0である表面の凹みに前記フッ素樹脂が配されてもよい。
一実施形態において、前記金属造形により形成された表面の凹凸のうち突起の上部が平坦化されて平坦な頂面が形成されてもよい。この場合、前記金属造形により形成された前記突起の上部を削り取ることで平坦な前記頂面が形成されてもよい。
一実施形態において、前記ボイド成型材は、前記凹凸を持つ表面における突起の頂面と凹みの底との間に狭窄部を有してもよい。
一実施形態において、前記ボイド成型材がステンレス鋼からなるものでもよい。
本発明の実施形態であると、ボイド成型材の離型抵抗を低減することができ、加硫後におけるタイヤの脱型不良を低減することができる。
タイヤ加硫装置の半断面図 一実施形態に係るタイヤ製造用金型の断面図(図3のII-II線に対応する断面図) 一実施形態に係るタイヤトレッドの一部平面図 一実施形態に係るボイド成型材の側面図 第1実施形態に係るボイド成型材の表面の断面形状を示す模式図 金属造形により形成される凹凸の断面形状を示す模式図 金属造形により作製されたボイド成型材の樹脂配置前の表面を拡大して示す画像 第2実施形態に係るボイド成型材の表面の断面形状を示す模式図 第2実施形態において金属造形により作製されたボイド成型材の表面に切削加工を施して平坦な頂面を形成した段階での断面形状を示す模式図 図9に示す段階におけるボイド成型材の表面を示す平面図 第3実施形態に係るボイド成型材の表面の断面形状を示す模式図 第3実施形態において金属造形により作製されたボイド成型材の表面にプレス加工を施した段階での断面形状を示す模式図 第3実施形態においてプレス加工後に切削加工を施した段階での断面形状を示す模式図
以下、一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、空気入りタイヤを加硫成型するためのタイヤ加硫装置10の一例を示す。タイヤ加硫装置10は、加硫金型12と、加硫金型12が取り付けられるコンテナ14と、ブラダー16とを備え、未加硫タイヤを所定形状に成型しつつ加硫する。
加硫金型12は、上下一対のサイドプレート18,20と、周方向に分割された複数のセクタ22と、上下一対のビードリング24,26とを備え、タイヤTの外表面を成型する。セクタ22は、タイヤTのトレッド表面T1を成型するための金型であり、タイヤ周方向に複数に分割され、タイヤ半径方向に拡縮変位可能に設けられている。
コンテナ14は、セクタ22を保持する複数のセグメント28と、セグメント28をタイヤ半径方向に移動させるジャケットリング30と、上下一対の取付プレート32,34とを備える。ジャケットリング30は、セグメント28に対して相対的に上下動することで、セグメント28をタイヤ半径方向に移動させ、これによりセクタ22がタイヤ半径方向に拡縮変位可能に構成されている。上側の取付プレート32は、不図示の昇降装置により下側の取付プレート34に対して上下動するように構成されている。
ブラダー16は、トロイダル状をなす拡縮可能なゴム弾性体からなり、タイヤTの内面側に配置されて加圧気体の供給によって膨らむことによりタイヤTを内側から加圧する。
以下、タイヤTのトレッド表面T1(即ち、トレッドの意匠面)を成型するための金型であるセクタ22について説明する。以下の説明においては、セクタ22を「タイヤ製造用金型22」または単に「金型22」という。
金型22は、図2に示すように、トレッド表面T1を成型するための金型本体40と、トレッド表面T1にボイドを成型するためのボイド成型材42とを備える。通常は複数のボイド成型材42が金型本体40に鋳ぐるみされている。鋳ぐるみとは、一般に異種部材のまわりに溶融金属を流し込んで本体と一体化した鋳造品を得ることをいい、ここではボイド成型材42をインサートとして溶融金属を流し込むことにより、金型本体40にボイド成型材42が一体化された金型22を得ることをいう。
金型本体40は、アルミニウムやアルミニウム合金などの軟質金属からなる。金型本体40は、トレッド表面T1を成型するためのトレッド成型面40Aを備える。トレッド成型面40Aには、トレッド表面T1に主溝(即ち、周方向溝)を成型するためのリブ44が設けられている。リブ44は、トレッド成型面40Aから突出してタイヤ周方向に延びる凸条であり、金型本体40に一体に形成されている。
ボイド成型材42は、金型本体40とは異なる材料からなり、強度等の観点から鉄系金属により形成されることが好ましい。より好ましくは、ボイド成型材42は、ステンレス鋼により形成されることである。ステンレス鋼であれば、鉄製の場合よりも防錆性にすぐれ、また、加硫ゴムとの密着も鉄製に比べて低減することができる。更に好ましくは、ボイド成型材42は、ニッケル(Ni)の含有量が8質量%以下(より好ましくは5質量%以下)のステンレス鋼からなることである。ニッケルの含有量が少ないことにより、加硫ゴムとの密着をより一層低減することができる。
ボイド成型材42により成型されるボイドとしては、トレッド表面T1に設けられる様々な凹みが例示されるが、好ましくは溝状の凹み、例えばサイプや細溝が挙げられる。ここで、サイプは、溝幅2mm以下の切れ込みであり、カーフとも称される。細溝は、主溝よりも溝幅の狭い溝であり、例えば溝幅5mm以下の溝をいう。サイプや細溝は、タイヤ周方向に延びるものでもよく、タイヤ幅方向に延びるものでもよい。
図3は、金型22により成型されるトレッド表面T1の一例を示す平面図である。トレッド表面T1には、複数の主溝T2が設けられるとともに、主溝T2により区画されたタイヤ周方向に延びるリブT3に、タイヤ幅方向に延びる複数のサイプT4が設けられている。一実施形態におけるボイド成型材42は、該サイプT4を成型するためのものである。図2及び図3において、符号CLはタイヤ赤道面を示す。
なお、ボイド成型材42は、溝状の凹みを成型する場合、板状をなす。図3に示すサイプT4を成型する場合、ボイド成型材42は長手方向の両端部に湾曲部を持つ平板状をなす。ボイド成型材42の形状は、これに限定されず、例えば、成型する凹みが平面視(開口形状)で直線状である場合、ボイド成型材42は長手方向の全体が平板状でもよい。また、成型する凹みが平面視で湾曲線状である場合、ボイド成型材42は湾曲した板状でもよい。成型する凹みが平面視で屈曲部を持つ線状の場合、ボイド成型材42は屈曲部を持つ板状でもよい。成型する凹みが平面視で波形である場合、ボイド成型材42は波板状でもよい。
図4はボイド成型材42の一例を示す図である。ボイド成型材42のうち、金型本体40から突出してボイドを成型する部分を成型部42Aといい、金型本体40に埋め込まれる部分を埋設部42Bという。図4では、埋設部42Bにハッチングを入れて示している。
本実施形態においてボイド成型材42は、3Dプリンタによる金属造形(金属積層造形ともいう。)により作製される。金属造形は、金属粉末を層ごとに融合し積み重ねて立体形状を作製する技術をいう。金属造形としては、例えば、SLS(Selective laser sintering:レーザー焼結法)、SLM(Selectivelaser melting:レーザー溶融法)等が挙げられ、レーザービームの照射により支持板上で金属粉末を選択的に焼結または溶融することによって、成型すべき物体の形状に従い一層ずつ造形していく。
このようにして作製されるボイド成型材42の表面46には、金属造形による微小な凹凸が形成される。すなわち、図6に模式的に示すように、ボイド成型材42の表面46は、複数の突起48と複数の凹み50とを含む凹凸面に形成されている。図7は、金属造形により形成されたボイド成型材42の表面46を示す画像である。色が白い部分ほど高く、即ち隆起しており、色が濃くなるに従って低く、即ち凹んでいることを示す。
第1実施形態では、図5に示されるように、上記金属造形により形成された凹凸を持つ表面46の凹み50にフッ素樹脂52が配されている。このようにボイド成型材42の表面46の凹み50に低摩擦樹脂であるフッ素樹脂52を配することにより、タイヤTの加硫後におけるボイド成型材42の離型抵抗を低減することができる。また、金属造形により形成される表面46には適度な凹凸があり、凹み50にフッ素樹脂52が食い込んで充填されやすいという利点がある。また、フッ素樹脂52は、摩擦抵抗が小さいだけでなく、耐熱性に優れるため、加硫温度(例えば150~180℃)に耐えることができる。
フッ素樹脂52としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE,CTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、エチレン・四フッ化エチレン共重合体(ETFE)、エチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)等が挙げられ、これらはいずれか1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。
ボイド成型材42の表面46の凹み50にフッ素樹脂52を配する方法としては、特に限定されないが、ショットブラスト法が好ましい。金属造形により形成された凹凸を持つ表面46に対して、フッ素樹脂の粉体を投射材として衝突させることにより、当該粉体が凹み50に入り込み、これにより凹み50にフッ素樹脂52が充填される。
なお、図5では、フッ素樹脂52は凹み50にのみ配されているが、凹み50に配されていれば、それ以外の部位、即ち突起48を覆うように設けられてもよい。また、フッ素樹脂52は、必ずしも全ての凹み50に配されていなくてもよく、離型抵抗を低減する効果が奏される限りフッ素樹脂52が配されていない凹み50が存在してもよい。
一実施形態において、金属造形による成型後(樹脂配置前)の表面46は、算術平均粗さRaが3.0~7.0μmであり、かつ、粗さパラメータのスキューネスRskが正(Rsk>0)であることが好ましい。すなわち、金属造形により形成された算術平均粗さRaが3.0~7.0μmかつスキューネスがRsk>0である表面46に対し、その凹み50にフッ素樹脂52が配されることが好ましい。これにより、ボイド成型材42の離型抵抗を効果的に低減することができる。
本明細書において、算術平均粗さRa及びスキューネスRskは、2001年版のJIS B0601に準拠して測定される。
一実施形態において、凹み50の間隔Gは、特に限定されず、例えば0.2~1.5mmであることが好ましく、より好ましくは0.5~1.0mmである。凹み50の間隔Gをこのような範囲に設定することにより、フッ素樹脂52を配した低密着領域が適当な間隔で配置されることになり、離型抵抗の更なる低減を図ることができる。ここで、凹み50の間隔Gは、凹み50の配設間隔であり、図5に示されるように、隣接する凹み50,50の中心間距離である。
なお、フッ素樹脂52を配する表面46は、成型部42Aにおける表面(即ち、板状のボイド成型材42の場合、成型部42Aの両側面)であればよく、埋設部42Bの表面においてはフッ素樹脂52を付与してもよく、付与しなくてもよい。
図8は、第2実施形態に係るボイド成型材42Xの表面46の断面形状を示す模式図である。第2実施形態では、突起48の上部が平坦化されて平坦な頂面48Aが形成されている点で第1実施形態とは相違する。
第2実施形態では、金属造形により形成された表面46の凹凸のうち突起48の上部(即ち、頂部)が平坦化されており、即ち突起48の頂面48Aは平坦面(平滑面)に形成されている。より詳細には、図9に示されるように、金属造形による凹凸面に対して、突起48の上部を削り取ることで、当該上部を平坦化しており、平坦な頂面48Aを持つ截頭形状の突起48を形成する。そのため、ボイド成型材42の表面46は、截頭形状の突起48の頂面48Aと凹み50により形成されている。このようにして截頭形状の突起48を設けた上で、図8に示すように、凹み50にフッ素樹脂52を配している。
突起48の上部を削り取る方法としては、突起48の上部を除去して平坦面を形成することができれば、特に限定されず、切削加工でもよく、研削加工でもよい。
図10は、平坦化加工後、フッ素樹脂52を配置する前における、ボイド成型材42の表面46の一例を示す平面図であり、截頭形状の突起48の頂面48Aの間に凹み50が配置されている。
上記のように突起48に平坦な頂面48Aを形成したうえで凹み50にフッ素樹脂52を配することにより、ボイド成型材42の離型抵抗をより効果的に低減することができる。その理由は次のとおりである。タイヤの加硫初期において、未加硫ゴムがボイド成型材42の表面46上を流動する際に、突起48の平坦な頂面48Aでの受熱により、未加硫ゴムの極表面部の加硫が促進される。そのため、ゴムの粘着性が低減され、凹み50内に入り込みにくくなる。しかも、凹み50にはフッ素樹脂52が充填されているため、凹み50領域での密着力を更に低減することができる。そのため、ボイド成型材42の離型抵抗を大幅に低減することができる。
第2実施形態において、突起48の上部を平坦化した段階でのボイド成型材42の表面46のスキューネスRskは負(Rsk<0)であることが好ましい。Rsk<0とすることにより、平坦な頂面48Aと凹み50との割合が適値となり、ボイド成型材42の離型抵抗をより効果的に低減することができる。突起48の頂面48Aの算術平均粗さRaは2.0μm以下であることが好ましい。
第2実施形態において、各凹み50は、その開口面の長寸値50Bが短寸値50Cの2倍~10倍であることが好ましい(図10参照)。このように凹み50の開口形状を細長い形状にすることにより、凹み50へのゴムの侵入をより低減することができる。ここで、凹み50の長寸値50Bとは、図10に示すように、凹み50の開口面の輪郭を検出し、該輪郭を長方形53に対して内接フィッティングさせたときの当該長方形53の縦寸法をいう。短寸値50Cとは、当該長方形53の横寸法をいう。
第2実施形態について、その他の構成は第1実施形態と同様であり、説明は省略する。
図11は、第3実施形態に係るボイド成型材42Yの表面46の断面形状を示す模式図である。第3実施形態では、凹凸を持つ表面46における突起48の頂面48Aと凹み50の底50Aとの間に狭窄部54を設けており、この点で第2実施形態と相違する。
狭窄部54とは、凹み50の底50Aから頂面48Aに至るまでに凹み50の外形が一旦広がった後にすぼまって狭まる形状をなしている当該狭まった部分をいう。狭窄部54は、図11に示すように、凹み50の開口面(即ち、頂面48A)近傍に設けられていることが好ましく、凹み50の深さ方向においてその深さの半分よりも開口面側に設けられていることが好ましい。
フッ素樹脂52による離型抵抗の軽減効果は、凹み50に配されるフッ素樹脂52の表面積に左右され、表面積の増加とともに効果が高まるが、その一方でフッ素樹脂52が剥離しないような工夫が望まれる。これに対し、狭窄部54を設けることで、凹み50に配したフッ素樹脂52の脱落を効果的に抑制することができる。
このような狭窄部54を持つボイド成型材42Yは、次のようにして作製することができる。金属造形により形成された突起48の上部にその高さを減ずるように圧力を加えて塑性変形させることで狭窄部54を形成する。さらに狭窄部54を残しながら突起48の上部を削り取ることで平坦な頂面48Aを形成する。その後、凹み50にフッ素樹脂52を配置する。ここで、該塑性変形は、金属造形により形成された凹凸を持つ表面46に対して、プレス加工やショットピーニング加工を施すことにより行うことができる。
詳細には、図6に示す金属造形後の凹凸を持つ表面46に対してプレス加工を行うと、突起48の上部にはその高さを減ずるように圧力が加えられ、当該上部が圧縮されて塑性変形することにより庇状に広がり、図12に示すように突起48の上部に狭窄部54が形成される。ショットピーニング加工についても同様であり、無数の球体を高速で衝突させることにより、突起48の上部にはその高さを減ずるように圧力(無数の球体が衝突することによる瞬間的に押す力)が加えられ、当該上部が塑性変形して庇状に広がり、狭窄部54が形成される。
次いで、狭窄部54を残しながら、その上部を切削加工や研削加工等により平坦に削って除去することにより、図13に示すように平坦な頂面48Aが形成される。このように、プレス加工等により塑性変形させた後、切削加工等で上部を除去することにより、狭窄部54を持つ所望の形状を簡便に得ることができる。
その後、図11に示すように、フッ素樹脂52を凹み50に充填させる。フッ素樹脂52は、狭窄部54よりも内側(即ち、凹み50の底側)に入り込み、凹み50から脱落しないように狭窄部54によって係止されていることが好ましい。これによりフッ素樹脂52の脱落をより効果的に抑制することができる。なお、フッ素樹脂52はその全体が狭窄部54よりも内側に配されている必要はなく、一部が狭窄部54よりも外側にはみ出していてもよい。
第3実施形態について、その他の構成は第2実施形態と同様であり、説明は省略する。
第2及び第3実施形態において、ボイド成型材42X,42Yを製造する場合、金属造形で全体形状を形成した後、溶体化熱処理を実施し硬度を低下させることが好ましい。これにより、上記のプレス加工やショットピーニング加工、切削加工や研削加工などにおける加工性を向上することができる。これらの加工によりボイド成型材42X,42Yの表面46を所望の形状に形成した後、時効硬化熱処理を施すことが好ましく、これにより、表面46の凹凸形状の強度を向上させることができる。
以上の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
22…タイヤ製造用金型、40…金型本体、42,42X,42Y…ボイド成型材、46…ボイド成型材の表面、48…突起、48A…頂面、50…凹み、52…フッ素樹脂、54…狭窄部

Claims (6)

  1. トレッド表面を成型するための金型本体と、前記金型本体とは異なる材料からなり前記トレッド表面にボイドを成型するためのボイド成型材と、を備えるタイヤ製造用金型であって、
    前記ボイド成型材が3Dプリンタによる金属造形により作製されたものであり、前記金属造形により形成された凹凸を持つ表面の凹みにフッ素樹脂が配された、
    タイヤ製造用金型。
  2. 前記金属造形により形成された算術平均粗さRaが3.0~7.0μmかつスキューネスがRsk>0である表面の凹みに前記フッ素樹脂が配された、請求項1に記載のタイヤ製造用金型。
  3. 前記金属造形により形成された表面の凹凸のうち突起の上部が平坦化されて平坦な頂面が形成された、請求項1又は2に記載のタイヤ製造用金型。
  4. 前記金属造形により形成された前記突起の上部を削り取ることで平坦な前記頂面が形成された、請求項3に記載のタイヤ製造用金型。
  5. 前記ボイド成型材は、前記凹凸を持つ表面における突起の頂面と凹みの底との間に狭窄部を有する、請求項1~4のいずれか1項に記載のタイヤ製造用金型。
  6. 前記ボイド成型材がステンレス鋼からなる、請求項1~5のいずれか1項に記載のタイヤ製造用金型。

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