JP2005208507A - シールプリント用拡散転写フイルムユニット - Google Patents

シールプリント用拡散転写フイルムユニット Download PDF

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Abstract

【課題】 剥離シール可能な拡散転写フィルムユニット及び剥離シールした後のカール、色画像の堅牢性が改良された拡散転写フィルムユニットを提供する。
【解決手段】 透明支持体上の下記透明カバーシート側に、受像層、白色反射層、遮光層、及び色素像形成物質と組み合わされたハロゲン化銀乳剤層を順次有する感光シート(i);
もう1つの支持体上の前記感光シート側に、中和層及び中和タイミング層を順次有する透明カバーシート(ii);及び
前記感光シートと前記透明カバーシートとの間に展開される遮光性のアルカリ処理組成物(iii)が、前記透明カバーシートを通して露光するように配置された拡散転写フイルムユニットであって、
粘着剤層及び剥離剤層が隣接して、前記感光シート中の前記受像層より露光側の位置及び/又は前記透明カバーシートの任意の位置に(但し粘着剤層が受像層に近い側に)設置されている拡散転写フイルムユニット。
【選択図】 なし

Description

本発明は拡散転写フイルムユニットに関する。
さらに詳しくは、感光要素が受像要素と同一の透明支持体上に塗設された形態(すなわち、受像要素と感光要素の間に白色反射層が塗設された形態)の一体型カラー拡散転写フィルムユニットに関するものであり、透明支持体上に受像層、白色反射層、遮光層、少なくとも1つの色素像形成物質と組み合わされた少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を有する感光シート、透明支持体上に少なくとも中和層、中和タイミング層を有する透明カバーシート、及び前記感光シートと前記透明カバーシートの間に展開されるようになっている遮光性のアルカリ処理組成物を含むカラー拡散転写フイルムユニットに関する。
また、本発明は、剥離しない状態でも剥離してシールプリント状態にしても使用可能な一体型カラー拡散転フイルムユニットに関し、シールプリント状態にしてもカール、画像堅牢性が良好なカラー拡散転写フイルムユニットに関し、身分証明書、ノート、アルバム等に画像を貼り付ける用途に適したカラー拡散転写フイルムユニットに関する。
カラー拡散転写フイルムユニットには、一体型と分割型がある。分割型の代表的な一つの例はいわゆるピールアパートタイプであり、これは感光要素と色素受像要素とが別の支持体上に塗設されており画像露光後、感光要素と色素受像要素とを重ね合わせ、その間に処理組成物を展開しその後色素受像要素を剥しとる事により色素受像層に転写された色素画像を得るものである。この形態の特長は、後述の一体型の様に支持体を通して画像を観察するのではなく、色素画像を直接観察できるため画質の低下がなく優れた色再現性を示す事にある。しかしながら、この形態では感光要素と受像要素とをカメラの中で重ね合わせるという操作上の不便さ、また剥離後アルカリ性の処理液がベタつき周囲に付着しやすいという処理済みフィルムの取扱い上の不便さがある。
この操作上、取扱い上の不便さを改善したものが一体型の形態である。一体型の拡散転写フイルムユニットは、リサーチディスクロージャー(Research Disclosure)誌151巻No.15162(1976)やフォトグラフィックサイエンスエンジニアリング(Photographic Science and Engineering)20巻4号7月18日(1976)等多くの文献によく知られている。一体型では透明な支持体ともう一方の支持体との間に色素受像要素、感光要素、中和タイミング要素が塗設されており、感光要素が受像要素と同一の透明支持体上に塗設される形態と、別の支持体上に塗設される形態とがある。前者の場合には受像要素と感光要素の間に白色反射層が塗設され、後者の場合には受像要素と感光要素の間に展開される処理組成物に白色顔料を含有させる事により受像層に転写した色素画像を反射光で観察できるようにしている。
しかしながら、一体型の拡散転写フイルムユニットは、操作法、取扱い性が簡便である反面、2枚の支持体シートを用いるため、且つ使用済みの処理液ポッドや過剰の処理液を保持したトラップを付着したままの形態のため、嵩高くなっている。そのため一体型のユニット材料の展開処理後、アルバムや種々の台紙に貼ってファイリングしたり、積層して保存するにはこの嵩高さが障害となっていた。
さらにノート、アルバム等に貼り付けてシールプリントとするには、展開処理後カバーシートの裏面に離型シート付両面粘着テープを貼り付けて、シールプリントとする方法が提示されていたが、この方法では更に嵩高くなるとともに、作業が大変繁雑であり、一般ユーザーの実用には適さなかった。
この不便さを解決する為に、一体型のユニット材料の適当な部位に剥離層を導入し、画像形成後不要な部分を除去する方法が従来より知られている。剥離層形成剤としては任意の物質を使用する事ができ、例えば、特許文献1〜3記載のアラビアゴム、アルギン酸曹達、セルロース誘導体等を使用する事ができる。さらに、剥離を容易にするために例えば特許文献4では、剥離層の一方の隣接層には感光性ハロゲン化銀乳剤層または受像層とは異なる親水性の層を有し、他方の隣接層には非感光性の粒状物質を含む構成をとり、剥離を容易にする事を意図している。
しかしながら、これらの方法では、剥離層の構成物質を多量に要したり、経時で剥離性が劣化したりする問題を解決していない。さらに、一体型の拡散フイルムユニットは剥離すると画像の光堅牢性が著しく悪化したり、カール性が悪化する欠点を有しており、これらの諸問題の解決が求められていた。さらに、最近では容易にシールプリントとして使用可能な形態が求められていた。
米国特許第3,220,385号公報 米国特許第3,730,718号公報 米国特許第3,820,999号公報 米国特許第4,499,174号公報
したがって、本発明の第一の目的は、必要なときに剥離可能で剥離後にも光堅牢性、カール性が悪化しない一体型カラー拡散フイルムユニットを提供する事である。本発明の第二の目的は、剥離した画像ユニットを容易にシールプリントとして使用可能である上記の一体型カラー拡散転写拡散フイルムユニットを提供する事である。
本発明は、以下の(1)〜(7)により達成された。
(1)透明支持体上の下記透明カバーシート側に、受像層、白色反射層、遮光層、及び色素像形成物質と組み合わされたハロゲン化銀乳剤層を順次有する感光シート(i);
もう1つの支持体上の前記感光シート側に、中和層及び中和タイミング層を順次有する透明カバーシート(ii);及び
前記感光シートと前記透明カバーシートとの間に展開される遮光性のアルカリ処理組成物(iii)が、下記透明カバーシートを通して露光するように配置された拡散転写フイルムユニットであって、
粘着剤層及び剥離剤層が隣接して、前記感光シート中の前記受像層より露光側の位置及び/又は前記透明カバーシートの任意の位置に(但し粘着剤層が受像層に近い側に)設置されていることを特徴とする拡散転写フイルムユニット。
(2)下記(i)〜(iii)が、下記透明カバーシートを通して露光するように配置された拡散転写フイルムユニット、
透明支持体上の下記透明カバーシート側に、受像層、白色反射層、遮光層、及び色素像形成物質と組み合わされてなるハロゲン化銀乳剤層を順次有する感光シート(i);
粘着剤層及び剥離剤層を2枚の支持体で挟み込んだ構成の張り合わせ型透明支持体上の前記感光シート側に、中和層及び中和タイミング層を順次有する前記透明カバーシート(ii);及び
前記感光シートと前記透明カバーシートとの間に展開される遮光性のアルカリ処理組成物(iii)。
(3)前記張り合わせ型透明支持体を構成する前記2枚の支持体の厚みが下記の関係を満たす事を特徴とする(2)に記載の拡散転写フイルムユニット。
式(1):B1(Th)≦B2(Th)、50μm≦B1(Th)+B2(Th)≦150μm B1(Th):中和層側に配置される支持体の厚み
B2(Th):中和層の反対側に配置される支持体の厚み
(4)前記張り合わせ型透明支持体がポリエステルフイルムからなる事を特徴とする上記(2)又は(3)記載の拡散転写フイルムユニット。
(5)前記感光シート中のハロゲン化銀乳剤が内部潜像型直接ポジハロゲン化銀乳剤からなる事を特徴とする上記(1)ないし(4)記載の拡散転写フイルムユニット。
(6)前記感光シート中のハロゲン化銀乳剤がネガ型ハロゲン化銀乳剤からなる事を特徴とする上記(1)ないし(4)記載の拡散転写フイルムユニット。
(7)上記(1)ないし(6)記載の拡散転写フイルムユニットであって、複数個の特定波長域で発光する異なる光源を有する露光ヘッドを用いて露光される事を特徴とする拡散転写フイルムユニット。
本発明の拡散転写フィルムユニットは、必要なときに剥離可能であり、剥離後にシールプリントとして使用することができる。
さらに、本発明の拡散転写フィルムユニットは、剥離・シールした後のカール性、色画像の堅牢性に優れる。
以下に本発明の実施の形態について詳細に説明する。
まず、本発明で使用する張り合わせ型透明支持体について説明する。
張り合わせ型透明支持体とは、粘着剤層及び剥離剤層を2種の支持体で挟み込んだ構成の張り合わせ型透明支持体である。本発明のカラー拡散転写フイルムユニットにおいては、張り合わせ型透明支持体を使用して透明カバーシートが作製され、この透明カバーシートを透過して感光シートが露光された後、アルカリ処理組成物の展開処理により現像される。
この露光、現像方式の詳細は特開平7−159931号公報等に記載されている。現像済み試料を剥離する位置は張り合わせ型透明支持体の粘着剤層と剥離剤層の界面である。シールプリントとして使用する場合には、所望の形に本ユニットを切り取った後、粘着剤層と剥離剤層の界面で剥離し、画像面の背面にあたる粘着剤層面を使用して所望の基体に貼り付けて使用する。したがって、使用目的に応じて裁断され、目的物に貼り付けられる。
本発明に用いられる張り合わせ型透明支持体としては、厚さと剛性によって取り扱い易さが異なるため、カバーシート作製時のハンドリングが可能な範囲で出来得る限り薄くしかも剛性の高いものが好ましく、プラスチックフィルムが好ましい。プラスチックフィルムとしてはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、変性ポリエステル等のポリエステルフィルム、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリカーボネートフィルム等が挙げられ、いずれも使用できるが、中でもポリエステルフィルムが好ましい。
本発明では、粘着剤層及び剥離剤層を2種の支持体(ベース)で挟み込んだ構成の張り合わせ型透明支持体を使用するが、シールプリント時にはできるだけ薄く、カバーシート作製時のハンドリング及び展開処理時の容易さから、2種のベース厚みの関係は、下記式(1)の関係を満たす事が好ましい。
式(1):B1(Th)≦B2(Th)、50μm≦B1(Th)+B2(Th)≦150μm B1(Th):中和層側に配置されるベースの厚み
B2(Th):中和層の反対側に配置されるベースの厚み
本発明における張り合わせ型透明支持体は、表面処理や下引層の塗設等を行うことが好ましい。粘着剤層の支持体への接着は下引処理を行わなくとも十分な接着強度が得られるが、必要に応じて粘着剤層の接着を補強するために下引処理を行うことがある。この表面処理やいわゆる下引層を設けることを総称して下引処理と呼ぶことにする。以下、下引処理の方法について説明する。
張り合わせ型透明支持体の中和層が塗布される側の表面に対してはコロナ放電処理、火炎処理、グロー放電処理、紫外線照射処理、高周波処理、活性プラズマ処理、レーザー処理等の活性化処理が施され、これだけで中和層を接着させるに十分であるが、中和層の処方によっては接着が不十分である場合もあり、このような場合にはコロナ放電処理後アクリル樹脂等を塗布することが好ましい。
また、下引用の親水性樹脂(例えば無水マレイン酸〜酢酸ビニルとの共重合物)を含む溶媒(例えばアセトン)塗布液をコロナ放電等処理をしてもしなくともいずれの面にも塗布できる。また通常の延伸ポリエチレンテレフタレート支持体の下引処理と同様な方法でもできる。すなわち、特開昭55-67745号、特開昭59-19941号明細書等に記載の方法のn−ブチルメタクリレート:t−ブチルメタクリレート、スチレン及び2−ヒドロキシエチルメタクリレートからなる4元共重合体ラテックス、界面活性剤、硬化剤からなる水系下引液を塗布し乾燥し、続いて再びコロナ放電等処理をすることによって下引処理を完了するが、中和層を塗布する側の樹脂層面もバック側の樹脂層面も同様な下引処理が行える。またバック面には帯電防止層を上記と同様な処理あるいは下引層を施した後、直接帯電防止組成物を、またセルロースジアセテートのような帯電防止層のバインダーを予め塗布した後に帯電防止組成物を有機溶媒系液として塗布することによって、所望の支持体に仕上げることができる。
このような張り合わせ型支持体については、特開平8−220691号公報にも記載されているが、感光層が塗設されている支持体の反感光層側に張り合わせ型支持体を用いる方法であり、本発明のように感光層側に張り合わせ型支持体が設置され、この張り合わせ型支持体を通して露光する方式とは、発想及び設計の点で異なるものである。
〈剥離剤層〉
本発明では、張り合わせ型透明支持体の中和層とは反対側に配置されるベースの中和層側表面に剥離剤層が塗設される。剥離剤としては、動摩擦係数が0.20〜0.50の範囲のものが好ましく、シリコン樹脂系、フッ素樹脂系、高級脂肪酸系、石鹸、ワックス、動植物油、等の任意の剥離剤を使用できる。離型シート業界の任意のシリコン樹脂も用いられるが、かかる剥離剤の具体例としては、東レ・ダウ・コーニング・シリコーン(株)製のSD-7239、BY24-162、LTC-300B、LTC-350A、BY14-403、BY14-405、BY14-407、BY14-413、BY14-414、BY-14-411、BY14-420、また信越化学工業(株)製のKS-845、KS-770、KNS-202A、KNS-305、KNS-316、KNS-319、KNS-320、X-62-1232、X-62-1233等が挙げられる。塗布される剥離剤の塗布量は0.4〜2.0g/m2がよく、特に0.6〜1.3g/m2が好ましい。
本発明に用いられる剥離剤層の厚さは特に制限されるものではないが、通常0.4〜2.OOμmであり、0.6〜1.3μmが好ましい。
〈粘着剤層〉
粘着剤としては、高透明度で適度な粘着力を有するものが使用できる。張り合わせ型支持体を裁断する際に、粘着剤がロータリースリッター断裁刃あるいはギロチン断裁刃等に付着しないこと、塗布工程及び断裁加工の際あるいは展開処理工程を通る際に剥離しない程度の粘着力を有すること、支持体に強固に接着し、剥がれないこと、また剥離後接着対象物に十分接着する粘着力を有すること等が要求される。このような要求に対して、支持体(例えばポリエステルフィルム)に塗設された粘着剤層が、アルコールの如き脱脂肪溶剤で表面を清浄にした平坦なステンレス板に対し、JIS Z 1538に準ずる粘着力として300g〜2000g/25mm幅を有することにより上記要求を満足する。
本発明に使用される粘着剤は粘着剤業界で知られているもの、例えばエチレン-酢酸ビニル樹脂、アクリル系エマルジョン樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、合成ゴム系樹脂、天然ゴム系樹脂等から選ぶことが出来るが、これらのうち上記条件を満たす樹脂が本発明に用いられる。
本発明に好ましく用いられる粘着剤としては、東洋インキ(株)社製のBPS-3233D、BPS-8170、BPS-3841、BPS-5215、BPS-1109、BPS-4849、BPS-5569K、綜研化学(株)社製のSK-1717、SK-1233、SK-1435、SK-1473H、SK-1633H、日本合成化学(株)社製のコーポニール2233、コーポニール3816、コーポニール5859B、等が挙げられる。また特開平4-298586号、同3-6277号明細書に記載されているアクリル系ラテックスも用いることができる。粘着剤には溶剤型粘着剤、エマルジョン型粘着剤あるいはホットメルト型粘着剤タイプ等があり、これらを塗布する装置としてはコンマコーター、リバースロールコーター、エアーナイフコーター、ナイフコーター、あるいはダイコーター等が使用できる。
本発明に係わる粘着剤層の塗布量は5〜40g/m2の範囲が好ましく、裁断のし易さ、使用後の粘着力の安定性から10〜30g/m2が特に好ましい。
本発明に用いられる粘着剤層の厚さは特に制限されるものではないが、通常5〜40μmであり、10〜30μmが好ましい。
粘着剤の接着力の測定は、別に用意した厚さ100μmの市販ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に上記粘着剤を15g/m2の塗布量になるように塗設し乾燥した後、25mm×500mm(塗布部分25mm×250mm)の大きさに裁断し、23℃、55%RHの条件下で、アルコールで清浄した25mm×500mmの大きさの平坦なステンレス板に粘着剤面に接着し、粘着剤層のない部分同志が相向かいになるように合わせ、2kgのローラーで3往復転がし圧着して貼り付け、24時間後、JIS Z 1538に準じ、23℃、55%RHの条件下でステンレス板の粘着剤が接着されていない一端をインストロン引っ張り試験機のクランプで固定し、一方ポリエチレンテレフタレートフィルムの粘着剤が塗布されていない一端を下方に垂らし、その末端を下側のクランプに挟み、ポリエチレンテレフタレートフィルムを180°の方向にインストロン型引張り試験機で300mm/分の速度で引っ張り剥がした時の荷重を測定する。
本発明に使用される粘着剤層中には前記粘着特性を損なわない程度に酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、シリカ、カオリン、クレー等の顔料、帯電防止剤、防腐剤、香料等を添加することができる。また特開平4-298586号明細書に記載されている水溶性可塑剤を添加してもよい。
本発明における張り合わせ型透明支持体の作製方法は、例えば、支持体B2(中和層の反対側に配置される支持体)に剥離剤を塗設し、続いてその上に粘着剤を塗設した後、支持体B1(中和層側に配置される支持体の厚み)とプレスロールを通して貼り合わせて作製する。別法として、支持体B1上に粘着剤を塗設し、先に作製した支持体B2の剥離剤層塗布面と支持体B1の粘着剤層塗布面とをプレスロールを通して貼り合わせて作製することもできる。その後、この張り合わせ型透明支持体上にカバーシートを構成する各層を塗設する。さらに、カバーシートを構成する各層を支持体B1上に塗設し、別途支持体B2上に実施例の項に記載のバック層を塗設後その反対面に剥離剤を塗設し、その後支持体B1の反中和層面と支持体B2の剥離剤塗布面の間に粘着剤を挟み込むようにプレスロールを通して貼り合わせる方法も可能である。本発明においては何れの方法も使用し得るが、これらに限定されるものではない。作製のやり易さからは前者のように張り合わせ型透明支持体を作製後、カバーシートを構成する各層を塗設する方法のほうが好ましい。
以下に、本発明の拡散転写フイルムユニットに使用しうる各構成要素について説明する。
I.感光シート
A)支持体
本発明に用いられる感光シートの支持体は写真感光材料に通常用いられる平滑な透明支持体なら、いずれでも用いられ、酢酸セルロース、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネートなどが用いられ、下塗り層(下引層)を設けるのが好ましい。支持体は通常ライトパイピングを防止するため微量の染料または酸化チタンの如き顔料を含有しているのが好ましい。感光シートの支持体の厚さは25〜350μm、好ましくは50〜210μm、更に好ましくは70〜150μmである。必要に応じて支持体のバック側にはカールバランスをとる層または特開昭56−78833号公報に記載の酸素遮断性の層をつけることができる。
B)受像層
本発明に用いられる感光シートの受像層(染料受像層)は親水性コロイド中に媒染剤を含むものである。これは単一の層であっても、また媒染力の異なる媒染剤が重ねて塗設された多層構成のものでもよい。これらについては特開昭61−252551号公報に記載されている。媒染剤としては、ポリマー媒染剤が好ましい。
ポリマー媒染剤とは二級および三級アミノ基を含むポリマー、含窒素複素環部分をもつポリマー、および四級カチオンを含むポリマーなどで分子量が5,000以上のもの、特に好ましくは10,000以上のものである。媒染剤の塗設量は、一般的には0.5〜10g/m2好ましくは1.0〜5.0g/m2特に好ましくは2〜4g/m2である。
感光シートの受像層に使用する親水性コロイドとしては、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドンなどが使用されるがゼラチンが好ましい。
受像層中には、特開昭62−30620号公報や同62−30621号公報、特開昭62−215272号公報記載の退色防止剤を組み込むことができる。
本発明に用いられる受像層の厚さは特に制限されるものではない。
C)白色反射層
本発明に用いられる感光シートの白色反射層は、色画像の白背景を成すものであり、通常、白色顔料と親水性バインダーを含む。
白色反射層用の白色顔料としては、硫酸バリウム、酸化亜鉛、ステアリン酸バリウム、銀フレーク、ケイ酸塩類、アルミナ、酸化ジルコニウム、ジルコニウム硫酸ソーダ、カオリン、雲母、二酸化チタンなどが使用される。さらに、スチレンなどによりなる非造膜性のポリマー粒子なども使用される。また、これらは、単独で使用しても良いし、好まれる反射率を得られる範囲で混合して用いることもできる。
特に有用な白色顔料は、二酸化チタンである。
白色反射層の白色度は、顔料の種類、顔料とバインダーとの混合比率および顔料の塗布量によって変るが、光反射率が70%以上であることが好ましい。
白色顔料として二酸化チタンを用いた場合は、二酸化チタンを5〜40g/m2、好ましくは10〜25g/m2塗布し、光反射率が540nmの波長の光で78〜85%を有する白色反射層が好ましい。二酸化チタンは、市販の種々の銘柄より選んで用いることができる。
この中でも特にルチル型の二酸化チタンを用いるのが好ましい。市販品の多くは、アルミナ、シリカや酸化亜鉛などで表面処理が行なわれており、高い反射率を得るには、表面処理量が5%以上のものが好ましい。市販されている二酸化チタンとしては、例えば、デュポン社の Ti-pure R931(商品名)の他、リサーチ・ディスクロージャー誌15162号に記載のものがある。
白色反射層のとしては、アルカリ浸透性の高分子マトリックス、例えばゼラチン、ポリビニルアルコールやヒドロキシエチルセルロース、カルボキシルメチルセルロースのようなセルロース誘導体が使用できる。白色反射層の特に好ましいバインダーはゼラチンである。バインダーとしてゼラチンを用いた場合、白色顔料とゼラチンの質量比は、1/1〜20/1、好ましくは5/1〜10/1である。
白色反射層中には、特公昭62−30620号公報や同62−30621号公報のような褪色防止剤を組み込むことが好ましい。
D)遮光層
前記白色反射層と下記感光層の間には遮光剤および親水性バインダーを含む遮光層を設ける。遮光剤としては、遮光機能を有する材料のいずれも用いられるが、カーボンブラックが好ましく用いられる。また米国特許第4,615,966号公報等に記載の分解性の染料を用いてもよい。遮光剤を塗設するバインダーとしてはカーボンブラックを分散しうるものならいずれでもよく、好ましくはゼラチンである。カーボンブラック原料としては、例えば Donnel Voet "Carbon Black" MarcelDekker, Inc. (1976)に記載されているようなチャンネル法、サーマル法及びファーネス法など任意の製法のものが使用できる。カーボンブラックの粒子サイズは特に限定されないが90〜1800Åのものが好ましい。遮光剤としての黒色顔料の添加量は遮光すべき感光材料の感度に応じて量を調節すればよいが、光学濃度で5〜10程度が好ましい。
本発明に用いられる遮光層の厚さは特に制限されるものではない。
E)感光層
本発明においては、前記遮光層に隣接して、色素像形成物質(色素像形成化合物)と組合わされた少なくとも1つハロゲン化銀乳剤層から成る感光層を設ける。以下、その構成要素について述べる。
(1)色素像形成化合物
色素像形成化合物の具体例は下記の文献に記載されている。
イエロー色素の例:
米国特許3,597,200号公報、同3,309,199号公報、同4,013,633号公報、同4,245,028号公報、同4,156,609号公報、同4,139,383号公報、同4,195,992号公報、同4,148,641号公報、同4,148,643号公報、同4,336,322号公報、特開昭51−114930号公報、同56−71072号公報、Research Disclosure 17630(1978)号、及び同16475(1977)号に記載されているもの。
マゼンタ色素の例:
米国特許3,453,107号公報、同3,544,545号公報、同3,932,380号公報、同3,931,144号公報、同3,932,308号公報、同3,954,476号公報、同4,233,237号公報、同4,255,509号公報、同4,250,246号公報、同4,142,891号公報、同4,207,104号公報、同4,287,292号公報、特開昭52−106727号公報、同53−23628号公報、同55−36804号公報、同56−73057号公報、同56−71060号公報、同55−134号公報、特開平7−120901号公報、同8−286343号公報、同8−286344号公報、及び同8−292537号公報に記載されているもの。
シアン色素の例:
米国特許3,482,972号公報、同3,929,760号公報、同4,013,635号公報、同4,268,625号公報、同4,171,220号公報、同4,242,435号公報、同4,142,891号公報、同4,195,994号公報、同4,147,544号公報、同4,148,642号公報;英国特許1,551,138号公報;特開昭54−99431号公報、同52−8827号公報、同53−47823号公報、同53−143323号公報、同54−99431号公報、同56−71061号公報;ヨーロッパ特許(EP)53,037号公報、同53,040号公報;Research Disclosure 17,630(1978)号、及び同16,475(1977)号に記載されているもの。
カップリングにより色素を形成する色素像形成化合物も使用できる。例えば特開平8−286340号公報、同9−152705号公報、特願平8−357190号公報、同8−357191号公報、同9−117529号公報などに記載されている。
また、ポジ型の色素像形成化合物も使用できる。この場合、ハロゲン化銀乳剤はネガ型ハロゲン化銀乳剤を使用すればよい。この例として、特開平4−156542号公報、同4−155332号公報、同4−172344号公報、同4−172450号公報、同4−318844号公報、同356046号公報、同5−45824号公報、同5−45825号公報、同5−53279号公報、同5−107710号公報、同5−241302号公報、同5−107708号公報、同5−232659号公報、及び米国特許第5,192,649号公報に記載されている。
これらの化合物は、特開昭62−215272号公報144〜146頁記載の方法で分散することができる。またこれらの分散物には、特開昭62−215272号公報137〜144頁記載の化合物を含ませてもよい。これらの色素像形成化合物の具体例としては、以下の化合物が挙げられる。下記の化合物中のDyeは、色素基、一時的に短波化された色素基、又は色素前駆体基を表す。
Figure 2005208507
Figure 2005208507
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(2)ハロゲン化銀乳剤
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、主にハロゲン化銀粒子表面に潜像を形成するネガ型乳剤でもよいし、ハロゲン化銀粒子内部に潜像を形成する内部潜像型直接ポジ乳剤でもよい。
内部潜像型直接ポジ乳剤には、例えば、ハロゲン化銀の溶解度差を利用してつくる、いわゆる「コンバージョン型」乳剤や、金属イオンをドープするか、もしくは化学増感するか、又はその両方を施したハロゲン化銀の内部核(コア)粒子の少なくとも感光サイトをハロゲン化銀の外部殻(シェル)で被覆してなる「コア/シェル型」乳剤等があり、これについては、米国特許2,592,250号公報、同3,206,313号公報、英国特許1,027,146号公報、米国特許3,761,276号公報、同3,935,014号公報、同3,447,927号公報、同2,297,875号公報、同2,563,785号公報、同3,551,662号公報、同4,395,478号公報、西独特許2,728,108号公報、米国特許4,431,730号公報などに記載されている。
また、内部潜像型直接ポジ乳剤を用いる場合には、像露光後に光もしくは造核剤を用いて表面かぶり核を与える必要がある。そのための造核剤としては、米国特許2,563,785号公報、同2,588,982号公報に記載されたヒドラジン類、米国特許3,227,552号公報に記載されたヒドラジン類、ヒドラゾン類、英国特許1,283,835号公報、特開昭52−69613号公報、米国特許3,615,615号公報、同3,719,494号公報、同3,734,738号公報、同4,094,683号公報、同4,115,122号公報等に記載された複素環4級塩化合物、米国特許3,718,470号公報に記載された造核作用のある置換基を色素分子中に有する増感色素、米国特許4,030,925号公報、同4,031,127号公報、同4,245,037号公報、同4,255,511号公報、同4,266,013号公報、同4,276,364号公報、英国特許2,012,443号公報等に記載されたチオ尿素結合型アシルヒドラジン系化合物、及び米国特許4,080,270号公報、同4,278,748号公報、英国特許2,011,391B等に記載されたチオアミド環やトリアゾール、テトラゾール等のヘテロ環基を吸着基として結合したアシルヒドラジン系化合物などが用いられる。
本発明ではこれらネガ型乳剤及び内部潜像型直接ポジ乳剤と組合わせて、分光増感色素を用いることができる。その具体例については、特開昭59−180550号公報、同60−140335号公報、リサーチ・ディスクロージャー(RD)17029、米国特許1,846,300号公報、同2,078,233号公報、同2,089,129号公報、同2,165,338号公報、同2,231,658号公報、同2,917,516号公報、同3,352,857号公報、同3,411,916号公報、同2,295,276号公報、同2,481,698号公報、同2,688,545号公報、同2,921,067号公報、同3,282,933号公報、同3,397,060号公報、同3,660,103号公報、同3,335,010号公報、同3,352,680号公報、同3,384,486号公報、同3,623,881号公報、同3,718,470号公報、同4,025,349号公報等に記載されている。
(3)感光層の構成
減色法による天然色の再現には、上記分光増感色素により分光増感された乳剤と同波長範囲に選択的な分光吸収をもつ色素を供与する前記色素像形成化合物との組み合わせの少なくとも二つからなる感光層を用いる。
乳剤と色素像形成化合物とは別層として重ねて塗設してもよいし、また混合し一層として塗設してもよい。前記色素像形成化合物が塗布された状態で、これと組合わされた乳剤の分光感度域に吸収を持つ場合には別層の方が好ましい。また乳剤層は複数の、感度の異なる乳剤層からなるものでもよく、また乳剤層と色素像形成化合物層との間に任意の層を設けてもよい。例えば、特開昭60−173541号公報に記載された造核現像促進剤を含む層、特公昭60−15267号公報に記載された隔壁層を設けて色像濃度を高めたり、また反射層を設け感光要素の感度をたかめることも出来る。
このような反射層としては、白色顔料および親水性バインダーを含む層であり、好ましくは白色顔料は酸化チタン、親水性バインダーはゼラチンである。酸化チタンの塗布量は0.1g/m2〜8g/m2、好ましくは0.2g/m2〜4g/m2である。反射層の例としては特開昭60−91354号公報に記載がある。
本発明における感光層の重層構成では、露光側から青感性乳剤の組合わせ単位、緑感性乳剤の組合わせ単位、赤感性乳剤の組合わせ単位が順次配置されることが好ましい。各乳剤層単位の間には必要に応じて任意の層を設ける事ができる。特にある乳剤層の現像の効果が他の乳剤層単位に及ぼす好ましくない影響を防ぐため、中間層を設置するのが好ましい。
本発明は必要に応じて、イラジエーション防止層、UV吸収剤層、保護層などが塗設される。
本発明に用いられる感光層の厚さは特に制限されるものではない。
本発明における感光シートの厚さは特に制限されるものではない。
II.透明カバーシート
本発明におけるカラー拡散転写フィルムユニットでは、透明カバーシート上に中和機能をもたせる事が好ましい。
F)支持体
本発明に用いられるカバーシートの支持体は、先に説明した張り合わせ型透明支持体の構成を有する透明支持体なら、いずれでも用いられ、張り合わせ型透明支持体の構成、厚み、支持体を構成する好ましいフイルム、下引処理、製造方法等は、前述の説明(段落番号〔0011〕〜〔0024〕)の通りである。
本発明に用いられるカバーシートの支持体は、前記張り合わせ型透明支持体でなくてもよく、写真感光材料に通常用いられる平滑な透明支持体なら、いずれでも用いられ、酢酸セルロース、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネートなどが用いられ、下塗り層を設けるのが好ましい。その場合の支持体の厚さは6〜150μm、好ましくは20〜90μmである。支持体には、ライトパイピングを防止するため微量の染料を含有しているのが好ましい。
カバーシートの支持体として、前記張り合わせ型透明支持体を用いなかった場合、剥離界面を構成する、前述の、隣接する粘着剤層及び剥離剤層は、前記感光シート中の前記受像層より露光側の位置及び/又は前記透明カバーシートの任意の位置に(但し粘着剤層が受像層に近い側に)設置することができる。さらに、製造時のハンドリングの容易さの観点から前記隣接する粘着剤層及び剥離剤層は、前記感光シート中の前記遮光層より露光側の位置及び/又は前記透明カバーシートの任意の位置に設置することが好ましく、前記感光シート中の前記感光層より露光側の位置及び/又は前記透明カバーシートの任意の位置に設置することが特に好ましい。
前記粘着剤層及び前記剥離剤層を隣接して配置することにより、剥離剤層の構成物質を多量に要したり、経時的に剥離性が劣化することなく、画像形成後の不要な部分を除去することができると同時にシールプリントとして使用可能である。
G)中和機能を有する層
本発明に用いられる中和機能を有する層(中和層)は、後述のアルカリ処理組成物から持込まれるアルカリを中和するのに十分な量の酸性物質を含む層であり、必要に応じて、中和速度調節層(中和タイミング層)、密着強化層等の層から成る多層構成のものでもよい。
好ましい酸性物質としてはpKa9以下の酸性基(もしくは加水分解によってそのような酸性基を与える前駆体基)を含む物質であり、さらに好ましくは米国特許2,983,606号公報に記載されているオレイン酸のような高級脂肪酸、米国特許3,362,819号公報に開示されているようなアクリル酸、メタアクリル酸もしくはマレイン酸の重合体とその部分エステルまたは酸無水物;仏国特許2,290,699号公報に開示されているようなアクリル酸とアクリル酸エステルの共重体;米国特許4,139,383号公報やリサーチ・ディスクロージャ(Research Disclosure)No.16102(1977)に開示されているようなラテックス型の酸性ポリマーを挙げることができる。その他、米国特許4,088,493号公報、特開昭52−153739号公報、同53−1023号公報、同53−4540号公報、同53−4541号公報、同53−4542号公報等に開示の酸性物質も挙げることができる。
上記酸性物質である酸性ポリマー(ポリマー酸)の具体例としては、エチレン、酢酸ビニル、ビニルメチルエーテル等のビニルモノマーと、無水マレイン酸との共重合体及びそのn−ブチルエステル、ブチルアクリレートとアクリル酸との共重合物、セルロース、アセテート・ハイドロジエンフタレート等を挙げることができる。
前記酸性ポリマーは、親水性ポリマーと混合して用いることができる。このような親水性ポリマーとしては、ポリアクリルアミド、ポリメチルピロリドン、ポリビニルアルコール(部分ケン化物も含む)、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリメチルビニルエーテルなどである。なかでも、ポリビニルアルコールが好ましい。
また、前記酸性ポリマーに親水性ポリマー以外のポリマー、例えばセルロースアセテートなどを混合してもよい。
前記ポリマー酸の塗布量は、後述のアルカリ処理組成物のアルカリの量により調節される。単位面積当りのポリマー酸とアルカリの当量比は0.9〜2.0が好ましい。ポリマー酸の量が少なすぎると、転写色素の色相が変化したり、白地部分にステインを生じ、又多過ぎる場合にも色相の変化、あるいは耐光性の低下などの不都合を生じる。さらに好ましい当量比は1.0〜1.3である。混合する親水性ポリマーの量も多すぎても少なすぎても写真の品質を低下させる。親水性ポリマーのポリマー酸に対する質量比は0.1〜10、好ましくは0.3〜3.0である。
本発明の中和機能を有する層には、種々の目的で添加剤を組込むことができる。たとえば、この層の硬膜を行うために当業者で周知の硬膜剤、また膜の脆性を改良するためにポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリンなどの多価ヒドロキシル化合物を添加することができる。その他必要に応じて、酸化防止剤、蛍光増白剤、現像抑制剤およびその前駆体などを添加することもできる。
本発明において、中和層と組合わせて用いる中和タイミング層は、例えば、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールの部分アセタール化物、酢酸セルロース、部分的に加水分解されたポリ酢酸ビニル、などのようなアルカリ透過性を低くするポリマー;アクリル酸モノマーなどの親水性コモノマーを少量共重合させてつくられた、アルカリ透過の活性化エネルギーを高くするラテックスポリマー;ラクトン環を有するポリマーなどが有用である。
なかでも、特開昭54−136328号公報、米国特許4,267,262号公報、同4,009,030号公報、同4,029,849号公報等に開示されている酢酸セルロースを使用したタイミング層;特開昭54−128335号公報、同56−69629号公報、同57−6843号公報、米国特許4,056,394号公報、同4,061,496号公報、同4,199,362号公報、同4,250,243号公報、同4,256,827号公報、同4,268,604号公報等に開示されている、アクリル酸などの親水性コモノマーを少量共重合させてつくられたラテックスポリマー;米国特許4,229,516号公報に開示されたラクトン環を有するポリマー;その他特開昭56−25735号公報、同56−97346号公報、同57−6842号公報、ヨーロッパ特許(EP)31,957A1号公報、同37,724A1号公報、同48,412A1号公報などに開示されたポリマーが特に有用である。
その他、以下の文献に記載のものも使用できる。
米国特許3,421,893号公報、同3,455,686号公報、同3,575,701号公報、同3,778,265号公報、同3,785,815号公報、同3,847,615号公報、同4,088,493号公報、同4,123,275号公報、同4,148,653号公報、同4,201,587号公報、同4,288,523号公報、同4,297,431号公報、西独特許出願(OLS)1,622,936号公報、同2,162,277号公報、Research Disclosure 15162, No. 151(1976年)。 これらの素材を用いた中和タイミング層は単独層もしくは二種以上の層の併用として使用しうる。
また、これらの素材からなる中和タイミング層に、例えば米国特許4,009,029号公報、西独特許出願(OLS)2,913,164号公報、同3,014,672号公報、特開昭54−155837号公報、同55−138745号公報などに開示された現像抑制剤および/もしくはそのプレカーサーや、また、米国特許4,201,578号公報に開示されているハイドロキノンプレカーサー、その他有用な写真用添加剤もしくはそのプレカーサーなどを組み込むことも可能である。さらには、上記中和機能を有する層として、特開昭63−168648号公報、同63−168649号公報に記載の如く補助中和層を設けることが処理後経時による転写濃度の変化を少なくするという点において効果がある。
H)その他
本発明におけるカバーシートは、中和機能を有する層の他に、補助的な機能を持つ層として、バック層、保護層、フィルター染料層などを有してもよい。
バック層は、カールの調整や、滑り性の付与の為に設けられる。フィルター染料はこの層に添加してもよい。
保護層は、主としてカバーシートバック面との接着、感光材料とカバーシートとを重ね合わせたときの感光材料保護層との接着を防止する為に用いられる。カバーシートに染料を含有させて感光層の感度調整を行う事もできる。
フィルター染料は、直接カバーシートの支持体中や中和機能を有する層、さらには前記のバック層、保護層、捕獲媒染層などに添加してもよいし、単独の層を設置してもよい。
III.アルカリ処理組成物
本発明における、アルカリ処理組成物は、感光シート(感光要素)の露光後に感光要素上に均一に展開され、前記(A)支持体の背面あるいは感光層中の処理液と反対側に設置されて遮光層と対になって、感光層を外光から完全に遮断し、同時に、その含有する成分によって感光層の現像を行うものである。このために、組成物中には、アルカリ、増粘剤、遮光剤、現像薬、更に、現像を調節するための、現像促進剤、現像抑制剤、現像薬の劣化を防ぐための酸化防止剤などを含有する。遮光のために組成物中には遮光剤は必ず含まれる。
また、これらのアルカリ処理組成物は展開厚(処理液転写後のm2当りの処理液量)が20μm〜200μmで感光要素上に展開されることが好ましい。なお感光要素を処理する場合の処理温度は0〜50℃が好ましく、0〜40℃が更に好ましい。
前記アルカリは液のpHを12〜14とするに足りるものであり、アルカリ金属の水酸化物(例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム)、アルカリ金属のリン酸塩(例えばリン酸カリウム)、グアニジン類、四級アミンの水酸化物(例えば水酸化テトラメチルアンモニウムなど)が挙げられるが、なかでも水酸化カリウム、水酸化ナトリウムが好ましい。
前記増粘剤は、処理組成物を均一に展開するために、また感光層/カバーシート間の密着を保つために必要である。例えば、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのアルカリ金属塩が用いられ、好ましくは、ヒドロキシエチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースが用いられる。前記遮光剤としては、染料受像層まで拡散しステインを生じるものでなければ染料あるいは顔料のいずれでも、またそれらの組合わせでも用いることができる。代表的な物としてカーボンブラックが挙げられる。
好ましい前記現像薬は、色素像形成化合物をクロス酸化し、かつ酸化されても実質的にステインを生じないものであればどのようなものでも使用できる。このような現像薬は単独でもまた二種類以上を併用してもよく、またプレカーサーの型で使用してもよい。これらの現像薬は前記感光シートの適当な層に含ませても、またアルカリ処理組成物中に含ませてもよい。具体的化合物としてはアミノフェノール類、ピラゾリジノン類が挙げられるが、このうちピラゾリジノン類がステインの発生が少ないため特に好ましい。例えば、1−フェニル−3−ピラゾリジノン、1−p−トリル−4,4−ジヒドロキシメチル−3−ピラゾリジノン、1−(3’−メチル−フェニル)−4−メチル−4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリジノン、1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリジノン、1−p−トリル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリジノンなどが挙げられる。
感光シート、カバーシートあるいはアルカリ処理組成物のいずれかに特開昭62−215272号72〜91頁記載の現像促進剤、146〜155頁記載の硬膜剤、201〜210頁記載の界面活性剤、210〜222頁記載の含フッ素化合物、225〜227頁記載の増粘剤、227〜230頁記載の帯電防止剤、230〜239頁記載のポリマーラテックス、240頁記載のマット剤などを含むことができる。また特開平6−273907号公報、特開平7−134386号公報、特開平7−175193号公報、特開平7−287372号公報に記載の3級アミンラテックスを含むことができる。
本発明の拡散転写フイルムユニットの厚さは特に制限されるものではない。
本発明における拡散転写フイルムユニットに適用される露光方法の詳細については、例えば特開平7−219180号公報の〔0152〕から〔0153〕及び特開2000−258879公報の〔0006〕から〔0014〕に記載されている。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれに限定されない。
実施例1
1.感光シートの作製
まず、以下の表1〜表4の組成の感光要素(感光シート−101)を作製した。表中の乳剤は表5に示す方法で調製した。
Figure 2005208507
Figure 2005208507
Figure 2005208507
Figure 2005208507
Figure 2005208507
乳剤調製に用いた化合物をまとめて以下に示す。
Figure 2005208507
Figure 2005208507
Figure 2005208507
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感光要素(感光シート−101)の作製に使用した化合物を以下に示す。
Figure 2005208507
Figure 2005208507
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Figure 2005208507
Figure 2005208507
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2.カバーシートの作製
表6に示した構成の支持体(本発明の張り合わせ型透明支持体も含む)をまず作製した。 下塗りしたライトパイピング防止染料(添加剤(22))を含むポリエチレンテレフタレート透明支持体を2種用意し、中和層側に配置される支持体をB1、中和層の反対側に配置される支持体をB2とした。
なお、表6において、B1−Thは、中和層側に配置される支持体の厚み(μm)であり、B2−Thは、中和層の反対側に配置される支持体の厚み(μm)である。
支持体−(3)〜(11)の作製に際しては、先ず支持体B2の支持体B1と張り合わせる面に東レ・ダウ・コーニング・シリコーン(株)製SD-7239を乾燥重量1.0g/m2になるようにグラビアコーターで塗布、乾燥して巻き取り、剥離層を設け、剥離側支持体を作製した。
次に支持体B1の支持体B2と張り合わせる面に粘着剤(東洋インキ(株)社製、BPS-5569K)を乾燥重量で20g/m2となるようにコンマコーターで塗布、乾燥して粘着剤層を設け、先に作製した支持体B2の剥離層塗布面と支持体B1の粘着剤層塗布面をラミネーターを通して張り合わせた後巻取り、張り合わせ型透明支持体を作製した。支持体B2の剥離層塗布面上に粘着剤を塗布して粘着剤層を設けた後、支持体B1とラミネーターを通して張り合わせた後巻取る方式でも構わない。
それとは別に、支持体B1に東レ・ダウ・コーニング・シリコーン(株)製SD-7239を乾燥重量1.0g/m2になるようにグラビアコーターで塗布、乾燥して巻き取り、剥離層を設けた支持体−(2)を作製した。
なお、剥離剤及び粘着剤のいずれも塗布していない支持体B1を支持体−(1)とした。支持体−(12)は支持体−(1)と同一のものである。
Figure 2005208507
なお、表6でいう比較例は請求項3の発明についての比較例である(以下同様)。
次に、表6の支持体−(1)、(3)〜(12)上に表7に示す通りの層構成にて塗布を行い、カバーシート−101、103〜112を作成した。それとは別に、支持体−(2)の剥離層上に粘着剤(東洋インキ(株)社製、BPS-5569K)を乾燥重量で20g/m2となるように剥離層を設けた後に、表7に示す通りの層構成にて塗布を行い、カバーシート−102を作成した。
Figure 2005208507
以下にカバーシート中で用いられた化合物の化学構造式等を示す。
Figure 2005208507
Figure 2005208507
3.アルカリ処理組成物の作製
次いで、アルカリ処理組成物(処理液−101)を以下の処方で作製した。
硝酸銀 0.10g
カーボンブラック(大日精化(株)製) 160 g
添加剤(23) 8.60g
カルボキシメチルセルロースNa塩 58.0 g
ベンジルアルコール 2.50g
添加剤(24) 2.10g
亜硫酸カリウム(無水) 1.90g
5−メチルベンゾトリアゾール 2.50g
1−p−トリル−4−ヒドロキシメチル−4−メチル
−3−ピラゾリドン 7.00g
1−フェニル−4−ヒドロキシメチル−4−メチル
−3−ピラゾリドン 10.0 g
水酸化カリウム 56.0 g
硝酸アルミニウム 0.60g
硝酸亜鉛 0.60g
添加剤(25) 6.60g
添加剤(14) 1.80g
1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン 0.003g
上記組成の処理液を0.8gづつ、圧力で破壊可能な容器に充填した。
Figure 2005208507
前記感光シート−101と前記カバーシート−101〜112と処理液−101を用いて特開平7−159931号公報等に記載の方法でカラー拡散転写写真ユニット−101〜112を作製した。このカラー拡散転写写真ユニットをカメラに装填後、カバーシート側から露光し、両材料間に処理液が55μmの厚みになるように調節された加圧ローラーにより展開して、ユニット−101〜112の露光、現像を行った。処理は25℃で行った。ユニット厚みの評価は、未剥離状態及び剥離状態で厚みを測定するとともに、手で触った際の官能評価も行った。剥離層のあるユニット−102〜111については、剥離層と粘着層の界面で剥離した後、所望の基材に粘着層面を下にして貼り付けて(以降、剥離シール状態と呼ぶ)種々の評価を行った。剥離層の無いユニット−101については、TOMY(株)製の強粘着シール作製機を用いて、ユニット−101のカバーシート背面に粘着剤を塗布したユニット−112(バック粘着剤付シール)を作製して、剥離シール状態の代用として評価した。剥離シール状態でのカールについては、粘着剤面を厚さ87μmの紙に貼り付けた後、25℃55%RHの条件に7日間保存した後、平滑な面に置いた場合の浮き上がりの高さで評価した。未剥離状態のユニット−101を平滑な面に置いた場合の浮き上がりの高さを基準にして同等以上の場合に◎、劣る場合に×として評価した。
剥離シール状態での褪色については、これらの試料を3000ルックスの蛍光灯の光を40日間照射し色像の褪色を調べた。褪色の程度は、未剥離状態のユニット−101の光照射前のシアン色像濃度2.0におけるを褪色基準として同等以上の場合に◎、劣る場合に×として評価した。結果をまとめて表8に示した。
Figure 2005208507
表8から明らかなように、本発明のカラー拡散転写写真フィルムユニットが、未剥離状態及び剥離シール状態の両方において厚みが薄く手触り感が良く、且つ剥離シール状態でも未剥離状態同等のカール、褪色性を示し、優れている事は明らかである。
すなわち、比較例のユニット−102は、剥離シール状態にした場合に厚み感が無く手触りは良いが、剥離シールする事により、カール、褪色が悪化する。比較例のユニット−106は、未剥離状態の厚みは問題無いが、剥離シールした際の厚みが厚く使用に適さない。さらに比較例のユニット−112は、剥離シールした際の厚みが厚いだけでなく、シール状態にするのにユーザーが多大な労力を要し、使用に適さない。比較例のユニット−110は、剥離シールすれば厚み感が無く問題無いが、未剥離状態では厚みが厚いために使用に適さない。
一方、本発明のユニット−103〜105、107〜109においては、画像形成部が二つの支持体で挟み込まれた状態で存在し、且つ基材に粘着される支持体の厚みが適度な為に、未剥離状態及び剥離シール状態の両方において厚みが薄く手触り感が良く、カール、褪色性も損なわれない。
実施例2
実施例1のカラー拡散転写写真ユニット作製法において、感光要素を感光シート−201に変更し、処理液の展開厚みを変更したユニットを作製して、本発明の効果を評価した。カバーシートは実施例1で用いたカバーシート−101〜112を使用した。
まず、以下の表9〜表12の組成の感光要素(感光シート−201)を作製した。
Figure 2005208507
Figure 2005208507
Figure 2005208507
Figure 2005208507
乳剤は以下に示す調製法により、表面潜像型乳剤―J、K、Lの3種類のハロゲン化銀乳剤を調製し、これを用いた。表13にまとめて示す。
乳剤−K:
臭化カリウム0.005mol、平均分子量2万以下の低分子量ゼラチン1.1gを含むゼラチン水溶液0.7リットル中に、0.58mol/リットルの濃度の硝酸銀水溶液26.5mlと臭化カリウム0.42mol/リットル及び平均分子量2万以下の低分子量ゼラチン1.5質量%を含む水溶液46.4mlを激しく撹拌しながらダブルジェット法で1分間かけて同時に混合した(1回目添加)。この間ゼラチン水溶液は35℃に保たれた。臭化カリウム0.5gを添加した後、1分間に1.5℃の勾配で75℃に昇温した。
75℃の温度に達した後、Ca含量100ppm以下の脱イオンゼラチンを16質量%含むゼラチン溶液0.16リットル(1回目添加)、4.9%硫酸水溶液5mlを添加した。続いて、1.88mol/リットルの濃度の硝酸銀水溶液と1.88mol/リットルの濃度の臭化カリウム水溶液を加速された流速(終了時の流速が開始時の流速の3.5倍)でダブルジェット法で44分かけて添加した(2回目添加、使用した硝酸銀水溶液の量は366ml、臭化カリウム水溶液の量は375mlであった)。次に、Ca含量100ppm以下の脱イオンゼラチンを14質量%含むゼラチン溶液0.08リットル(2回目添加)、ベンゼンチオ硫酸ナトリウムを2mg添加した。引き続いて、1.88mol/リットルの濃度の硝酸銀水溶液と1.88mol/リットルの濃度の臭化カリウム水溶液を加速された流速(終了時の流速が開始時の流速の1.2倍)でダブルジェット法で11分かけて添加した(3回目添加、使用した硝酸銀水溶液の量は157ml、臭化カリウム水溶液の量は163mlであった)。臭化カリウム4.6gを添加した後、常法のフロキュレーション法により水洗し、脱イオンゼラチン及び2−フェノキシエタノール、p−ヒドロキシ安息香酸メチルを添加した後、pH5.8、pAg8.8に調節して乳剤1kgあたり1.35molの銀、84gのゼラチンを含むように調節した。このようにして調製した乳剤0.74kgを加温溶解し、55℃に昇温した後、沃化カリウム0.5g、増感色素(6)を4.2×10-4モル、増感色素(7)を5.4×10-4モル添加し30分間熟成を行った。次にチオシアン酸カリウム5.0×10-4モル、四塩化金酸カリウム1.4×10-5モル、チオ硫酸ナトリウム1.2×10-5モル、を添加し60分熟成を行い、途中化合物E−4を1.0×10-3モル添加し、更に熟成終了時に化合物E−5を3.2×10-4モル添加して乳剤調製を終了した。
個々の粒子の主平面方向から見た投影面積と等しい面積の円の直径を円相当直径と言う。電子顕微鏡による観察の結果、粒子厚さhiの平均値(=Σhi×ni/Σni)0.135μm、粒子の円相当直径Diの平均値(=ΣDi×ni/Σni)1.15μmであった。円相当直径Diの平均値/粒子厚さhiの平均値で定義される平均アスペクト比は8.5であった。
乳剤−J:
乳剤−Kの調製法において、増感色素(6)、増感色素(7)の代わりに増感色素(9)を9.2×10-4モル、添加することによって乳剤−Jを調製した。
乳剤−L:
乳剤−Kの調製法において、増感色素(6)、増感色素(7)の代わりに増感色素(1)を8.4×10-4モル、増感色素(2)を2.6×10-5モル、増感色素(3)を1.7×10-4モル、添加することによって乳剤−Jを調製した。
Figure 2005208507
乳剤調製に用いた化合物をまとめて以下に示す。
Figure 2005208507
前記感光シート−201と前記カバーシート−101〜112と処理液−101を用いて特開平7−159931号公報等の方法でカラー拡散転写写真ユニット−201〜212を作製した。このカラー拡散転写写真ユニットをブルー、グリーン、レッドの三色のLED露光機を内蔵する露光展開処理機で露光から展開処理まで行った。露光展開処理機にカラー拡散転写写真ユニット−201〜212を装填後、カバーシート側からLEDを光源として露光し、両材料間に処理液が38μmの厚みになるように調節された加圧ローラーにより展開して、ユニット−201〜212の露光、現像を行った。処理は25℃で行った。ユニット厚みの評価は、未剥離状態及び剥離状態で厚みを測定するとともに、手で触った際の官能評価も行った。剥離層のあるユニット−202〜211については、剥離層と粘着層の界面で剥離した後、所望の基材に粘着層面を下にして貼り付けて(以降、剥離シール状態と呼ぶ)種々の評価を行った。剥離層の無いユニット−201については、TOMY(株)製の強粘着シール作製機を用いて、ユニット−201のカバーシート背面に粘着剤を塗布したユニット−212(バック粘着剤付シール)を作製して、剥離シール状態の代用として評価した。
剥離シール状態でのカールは、未剥離状態のユニット−201を平滑な面に置いた場合の浮き上がりの高さを基準とする以外は実施例1と同様な方法により評価した。
剥離シール状態での褪色は、褪色の程度について、未剥離状態のユニット−201の光照射前のシアン色像濃度2.0におけるを褪色基準とする以外は実施例1と同様な方法により評価した。結果をまとめて表14に示した。
Figure 2005208507
表14から明らかなように、本発明のカラー拡散転写写真フィルムユニットが、未剥離状態及び剥離シール状態の両方において厚みが薄く手触り感が良く、且つ剥離シール状態でも未剥離状態同等のカール、褪色性を示し、優れている事は明らかである。
すなわち、比較例のユニット−202は、剥離シール状態にした場合に厚み感が無く手触りは良いが、剥離シールする事により、カール、褪色が悪化する。比較例のユニット−206は、未剥離状態の厚みは問題無いが、剥離シールした際の厚みが厚く使用に適さない。さらに比較例のユニット−212は、剥離シールした際の厚みが厚いだけでなく、シール状態にするのにユーザーが多大な労力を要し、使用に適さない。比較例のユニット−210は、剥離シールすれば厚み感が無く問題無いが、未剥離状態では厚みが厚いために使用に適さない。
一方、本発明のユニット−203〜205、207〜209においては、画像形成部が二つの支持体で挟み込まれた状態で存在し、且つ基材に粘着される支持体の厚みが適度な為に、未剥離状態及び剥離シール状態の両方において厚みが薄く手触り感が良く、カール、褪色性も損なわれない。

Claims (7)

  1. 透明支持体上の下記透明カバーシート側に、受像層、白色反射層、遮光層、及び色素像形成物質と組み合わされたハロゲン化銀乳剤層を順次有する感光シート(i);
    もう1つの支持体上の前記感光シート側に、中和層及び中和タイミング層を順次有する透明カバーシート(ii);及び
    前記感光シートと前記透明カバーシートとの間に展開される遮光性のアルカリ処理組成物(iii)が、前記透明カバーシートを通して露光するように配置された拡散転写フイルムユニットであって、
    粘着剤層及び剥離剤層が隣接して、前記感光シート中の前記受像層より露光側の位置及び/又は前記透明カバーシートの任意の位置に(但し粘着剤層が受像層に近い側に)設置されていることを特徴とする拡散転写フイルムユニット。
  2. 下記(i)〜(iii)が、下記透明カバーシートを通して露光するように配置された拡散転写フイルムユニット、
    透明支持体上の下記透明カバーシート側に、受像層、白色反射層、遮光層、及び色素像形成物質と組み合わされたハロゲン化銀乳剤層を順次有する感光シート(i);
    粘着剤層及び剥離剤層を2枚の支持体で挟み込んだ構成の張り合わせ型透明支持体上の前記感光シート側に、中和層及び中和タイミング層を順次有する前記透明カバーシート(ii);及び
    前記感光シートと前記透明カバーシートとの間に展開される遮光性のアルカリ処理組成物(iii)。
  3. 前記張り合わせ型透明支持体を構成する前記2枚の支持体の厚みが下記の関係を満たす事を特徴とする請求項2に記載の拡散転写フイルムユニット。
    式(1):B1(Th)≦B2(Th)、50μm≦B1(Th)+B2(Th)≦150μm B1(Th):中和層側に配置される支持体の厚み
    B2(Th):中和層の反対側に配置される支持体の厚み
  4. 前記張り合わせ型透明支持体がポリエステルフイルムからなる事を特徴とする請求項2又は3記載の拡散転写フイルムユニット。
  5. 前記感光シート中のハロゲン化銀乳剤が内部潜像型直接ポジハロゲン化銀乳剤からなる事を特徴とする請求項1ないし4記載の拡散転写フイルムユニット。
  6. 前記感光シート中のハロゲン化銀乳剤がネガ型ハロゲン化銀乳剤からなる事を特徴とする請求項1ないし4記載の拡散転写フイルムユニット。
  7. 請求項1ないし6記載の拡散転写フイルムユニットであって、複数個の特定波長域で発光する異なる光源を有する露光ヘッドを用いて露光される事を特徴とする拡散転写フイルムユニット。
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