JPH05313330A - カラー拡散転写写真ユニット - Google Patents

カラー拡散転写写真ユニット

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JPH05313330A
JPH05313330A JP12189892A JP12189892A JPH05313330A JP H05313330 A JPH05313330 A JP H05313330A JP 12189892 A JP12189892 A JP 12189892A JP 12189892 A JP12189892 A JP 12189892A JP H05313330 A JPH05313330 A JP H05313330A
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layer
light
peeling
dye
image
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JP12189892A
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English (en)
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Hideki Naito
秀気 内藤
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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  • Silver Salt Photography Or Processing Solution Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】剥離可能な拡散転写写真フィルムユニット及び
剥離した後の色画像の堅牢性が改良された拡散転写写真
を提供する。 【構成】感光シートの遮光層とハロゲン化銀乳剤層の間
に、分子量50000以上の高分子化合物よりなり、こ
の高分子化合物中に含まれる分子量5000以下の成分
が高分子化合物全体の5重量%以下である剥離層を有す
るカラー拡散転写写真フィルムユニット。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、剥離状態でも剥離しな
い状態でも使用可能なカラー拡散転写写真ユニットに関
し、剥離後の画像が堅牢なカラー拡散転写写真ユニット
に関する。
【0002】
【従来の技術】カラー拡散転写写真ユニットには、剥離
型と剥離不要型がある。剥離型の代表的な一つの例はい
わゆるピールアパートタイプであり、これは感光要素と
色素受像要素とが別の支持体上に塗設されており画像露
光後、感光要素と色素受像要素とを重ね合わせ、その間
に処理組成物を展開しその後色素受像要素を剥しとる事
により色素受像層に転写された色素画像を得るものであ
る。この形態の特長は、後述の剥離不要型の様に支持体
を通して画像を観察するのではなく、色素画像を直接観
察できるため画質の低下がなく優れた色再現性を示す事
にある。しかしながら、この形態では感光要素と受像要
素とをカメラの中で重ね合わせるという操作上の不便
さ、また剥離後アルカリ性の処理液がベタつき周囲に付
着しやすいという処理済みフィルムの取扱い上の不便さ
がある。
【0003】この操作上、取扱い上の不便さを改善した
ものが剥離不要型の形態である。剥離不要型の拡散転写
写真ユニットは、リサーチディスクロージャー(Resear
ch Disclosure)誌151巻No.15162(1976)
やフォトグラフィックサイエンスエンジニアリング(Ph
otographic Science and Engineering)20巻4号7月
18日(1976)等多くの文献によく知られている。
剥離不要型では透明な支持体ともう一方の支持体との間
に色素受像要素、感光要素、中和タイミング要素が塗設
されており、感光要素が受像要素と同一の透明支持体上
に塗設される形態と、別の支持体上に塗設される形態と
がある。前者の場合には受像要素と感光要素の間に白色
反射層が塗設され、後者の場合には受像要素と感光要素
の間に展開される処理組成物に白色顔料を含有させる事
により受像層に転写した色素画像を反射光で観察できる
ようにしている。本発明は前者の形態に関し、透明支
持体上に受像層、白色反射層、遮光層、少なくとも1つ
の色素像形成物質と組み合わされた少なくとも1層のハ
ロゲン化銀乳剤層を有する感光シート、透明支持体上
に少なくとも中和層、中和タイミング層を有する透明カ
バーシート、及び前記感光シートと前記透明カバーシ
ートの間に展開されるようになっている遮光性のアルカ
リ処理組成物を含むカラー拡散転写写真ユニットに関す
る。
【0004】しかしながら、本発明の形態も含め剥離不
要型の感光材料は、操作法、取扱い性が簡便である反
面、2枚の支持体シートを用いる事、且つ使用済みの処
理液ポッド、過剰の処理液を保持したトラップを付着し
たままの形態のため崇高くなっている。そのため剥離不
要型の感光材料の展開処理後、アルバムや種々の台紙に
貼ってファイリングしたり、積層して保存するにはこの
崇高さが障害となっている。
【0005】この不便さを解決する為に、剥離不要型の
感光材料の適当な部位に剥離層を導入し、画像形成後不
要な部分を除去する方法が従来より知られている。剥離
層形成剤としては公知の任意の物質を使用する事がで
き、例えば米国特許第3,220,385号、同第3,
730,718号、同第3,820,999号記載のア
ラビアゴム、アルギン酸曹達、セルロース誘導体等を使
用する事ができる。更に、剥離を容易にするために例え
ば米国特許第4,499,174号では、剥離層の一方
の隣接層には感光性ハロゲン化銀乳剤層または受像層と
は異なる親水性の層を有し、他方の隣接層には非感光性
の粒状物質を含む構成をとり、剥離を容易にする事を意
図している。
【0006】しかしながら、これらの方法では、剥離層
の構成物質を多量に要したり、経時で剥離性が劣化した
りする問題を解決していない。更に、剥離不要型の感光
材料は剥離すると画像の光堅牢性が著しく悪化する欠点
を有しており、これらの諸問題の解決が求められてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、第一に必要なときに剥離可能な剥離不要型の感光材
料を提供する事であり、第二には剥離した後の画像が堅
牢な剥離不要型の感光材料を提供する事である。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題は、透明支持
体上に受像層、白色反射層、遮光層、少なくとも1つの
色素像形成物質と組み合わされた少なくとも1層のハロ
ゲン化銀乳剤層を有する感光シート、透明支持体上に
少なくとも中和層、中和タイミング層を有する透明カバ
ーシート、及び前記感光シートと前記透明カバーシー
トの間に展開されるようになっている遮光性のアルカリ
処理組成物、これらを含むカラー拡散転写写真ユニット
に於いて、感光シートの遮光層とハロゲン化銀乳剤層の
間に剥離層を有し、この剥離層が、分子量50000以
上の高分子化合物よりなり、該高分子化合物中に含まれ
る分子量5000以下の成分が、該高分子化合物全体の
5重量%以下である事を特徴とするカラー拡散転写写真
ユニット(要素)により達成された。
【0009】以下、本発明に付いて詳述する。剥離層を
設ける位置は、実施例でも述べるように、感光シートの
遮光層とハロゲン化銀乳剤層の間である。剥離層を形成
する物質には、水溶性または親水性のポリマー、水不溶
性の合成ポリマーを用いる事ができる。水溶性または親
水性のポリマーとしては、米国特許第2,759,82
5号、同第4,009,031号記載のアラビアゴム、
米国特許第2,759,825号、特開昭47−823
7号記載のヒドロキシエチルセルロース、米国特許第
2,759,825号記載のメチルセルロース、エチル
セルロース、ニトロセルロース、カナダ特許第681,
777号記載のセルロースアセテート、カナダ特許第6
81,777号、特開昭47−41632号記載のセル
ロースアセテートハイドロジエンフタレート、英国特許
第2,012,064号記載のカルボキシメチルセルロ
ース、特公昭45−24075号記載のセルロース誘導
体、特公昭50−35820号記載の澱粉エーテル、英
国特許第869,190号記載のガラクトマンナン、米
国特許第2,759,825号記載のペクチン、特公昭
45−24075号、特開昭54−74431号、同5
4−126535号記載のフタル化ゼラチン、米国特許
第2,759,825号記載のアルギン酸ソーダ、米国
特許第2,759,825号、英国特許第2,012,
064号、特公昭45−24075号記載のポリビニル
アルコール、米国特許第2,759,825号記載のポ
リメタクリル酸等が好ましい。
【0010】水不溶性の合成ポリマーとしては特公昭4
5−15902号記載の酢酸ビニル−無水マレイン酸コ
ポリマー、メチルメタクリレート−アクリル酸コポリマ
ー、特公昭49−4333号記載のバルビツール酸−ホ
ルマリン縮合物、特公昭49−4334号記載のヒダン
トイン−ホルマリン縮合物、特開昭60−214357
号記載の40モル%以上の含カルボン酸モノマーユニッ
トを有し、ガラス転移温度が90℃未満のポリマーでブ
チルアクリレート−コ−メタクリル酸、ブチルアクリレ
ート−コ−アクリル酸、ヒドロキシエチルメタクリレー
ト−コ−アクリル酸等が挙げられ好ましく用いられる。
これらの化合物の中で特に好ましいのは、前述の水溶性
あるいは親水性のポリマーである。
【0011】剥離不要型の拡散転写写真ユニットでは、
処理液が展開された画像部分と、画像の周囲の処理液が
展開されない部分がある。導入した剥離層は、これらの
湿潤部分と乾燥部分の両方で機能する必要がある。上記
の剥離層を形成する化合物は、本発明に於いても好まし
く用いられるが、これらの化合物のみでは湿潤部分と乾
燥部分のいずれにも良好な剥離性は見られない。特に剥
離層に水溶性あるいは親水性のポリマーを用いる場合に
は、重量平均分子量が50,000以上の高分子量のポ
リマーが好ましく、100000以上が特に好ましい。
更に発明者等は、鋭意検討の結果、実施例で説明するよ
うに、重量平均分子量が50,000以上の高分子量の
ポリマーであっても分子量5000以下の低分子量成分
が剥離性を悪化させており、特に経時すると著しく悪化
する事を明らかにした。低分子成分の含有量は、5重量
%以下であり、特に好ましくは2%以下である。
【0012】剥離を容易にする別の方法は剥離層を複数
の層から形成する方法である。剥離層は、設置する位
置、特に隣接する層の形態によって、その剥離性が変動
する。例えば特開昭59−220727号、米国特許第
4,499,174号で説明しているように、隣接層に
粒状物質を含む場合には、隣接層と剥離層の結合力が増
し、剥離困難となる。このため、剥離層の一方の隣接層
には感光性ハロゲン化銀乳剤層または受像層とは異なる
親水性の層を有し、他方の隣接層には非感光性の粒状物
質を含む構成をとり、剥離を容易にする事を意図してい
る。このためには、剥離層を複数層から構成する事が有
利であり、先に述べた特許や特開昭60−60642
号、特開平1−255858号、1−197848号、
2−71266号、1−207744号などに記載され
ており、本発明でも好ましく用いられる。本発明で好ま
しく用いる剥離のための複数層は、各層を構成する高分
子化合物が互いに非相溶である事が望ましい。この場合
の非相溶とは同濃度、同量の高分子水溶液を混合したと
きマクロな相の分離が生じる事をいう。本発明に於いて
は複数層の一方はゼラチン層であり、他方はゼラチンと
非相溶のポリマーからなる層である事が望ましい。
【0013】本発明の剥離層は、特開平2−34847
号に記載されているように、適度に硬膜されていても良
い。剥離層を構成する化合物の使用量は、用いる化合物
の種類、用いる層の数によっても異なるが、全体で0.
05〜5g/平方メートル、このましくは0.1〜2g
/平方メートルである。
【0014】次に透明カバーシートと処理組成物との密
着改良層に付いて説明する。これまでに述べた方法で
は、剥離不要型のカラー拡散転写写真ユニットの剥離性
を確保するにはまだ充分でない。これらの方法は剥離不
要型の感光材料の周辺部(処理されない部分)の剥離性
は向上させるが、処理液で湿潤した画面内の剥離性の向
上には不十分である。その原因は、本発明のカラー拡散
転写写真ユニットでは剥離の位置が、剥離層と、処理組
成物とカバーシートの界面に分散するためである。この
問題の解決のためにはカバーシートに処理組成物との密
着改良層を付与する事が効果的である。
【0015】本発明の密着改良層は親水性のポリマー、
マット剤、塗布助剤からなる。マット剤、塗布助剤は公
知の化合物を用いる事ができる。密着改良層用の親水性
のポリマーとしては、水溶性のセルロース誘導体があげ
られる。例えばヒドロキシエチルセルロース、セルロー
スアセテートフタレート、可塑化メチルセルロース、エ
チルセルロース、硝酸セルロース、カルボキシメチルセ
ルロースなどである。さらには種々の天然高分子、例え
ばアルギン酸、ペクチン、アラビアゴムなどがある。ま
た通常のゼラチン、種々の変性ゼラチン、例えばアセチ
ル化ゼラチン、フタル化ゼラチンなども用いられる。更
に別の例として、水溶性の合成ポリマーがあげられる。
例えば、ポリビニルアルコール、ポリメチルメタクリレ
ート、ポリブチルメタクリレートあるいはそれらの共重
合体などである。特に好ましいのはゼラチンである。
【0016】本発明の密着改良層は、一層でも複数層か
ら形成されていても良い。親水性のポリマーの使用量は
全体で0.05〜10g/平方メートル、好ましくは
0.1〜6g/平方メートルである。
【0017】I.感光シート A)支持体 本発明に用いられる感光シートの支持体は写真感光材料
に通常用いられる平滑な透明支持体なら、いずれでも用
いられ、酢酸セルロース、ポリスチレン、ポリエチレン
テレフタレート、ポリカーボネートなどが用いられ、下
塗り層を設けるのが好ましい。支持体は通常ライトパイ
ピングを防止する為微量の染料または酸化チタンの如き
顔料を含有しているのが好ましい。支持体の厚さは50
−350μm、好ましくは70−210μm、更に好ま
しくは80−150μm、である。必要に応じて支持体
のバック側にはカールバランスをとる層または特開昭5
6−78833号に記載の酸素遮断性の層をつけること
ができる。
【0018】B)受像層 本発明に用いられる染料受像層は親水性コロイド中に媒
染剤を含むものである。これは単一の層であっても、ま
た媒染力の異なる媒染剤が重ねて塗設された多層構成の
ものでもよい。これについては特開昭61−25255
1に記載されている。媒染剤としては、ポリマー媒染剤
が好ましい。ポリマー媒染剤とは二級および三級アミノ
基を含むポリマー、含窒素複素環部分をもつポリマー、
および4級カチオンを含むポリマーなどで分子量が5,
000以上のもの特に好ましくは10,000以上のも
のである。媒染剤の塗設量は、一般的には0.5〜1.
0g/m2好ましくは1.0〜5.0g/m2特に好ましく
は2〜4g/m2である。受像層に使用する親水性コロイ
ドとしては、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリア
クリルアミド、ポリビニルピロリドンなどが使用される
がゼラチンが好ましい。受像層中には、特公昭62−3
0620号や同62−30621号、特開昭62−21
5,272号記載の退色防止剤を組み込むことができ
る。
【0019】C)白色反射層 色画像の白背景を成す白色反射層は通常白色顔料と親水
性バインダーを含む。白色反射層用の白色顔料として
は、硫酸バリウム、酸化亜鉛、ステアリン酸バリウム、
銀フレーク、ケイ酸塩類、アルミナ、酸化ジルコニウ
ム、ジルコニウム硫酸ソーダ、カオリン、雲母、二酸化
チタンなどが使用される。更に、スチレンなどよりなる
非造膜性のポリマー粒子なども使用される。又これら
は、単独で使用しても良いし、望まれる反射率を得られ
る範囲で混合して用いることもできる。特に有用な白色
顔料は、二酸化チタンである。白色反射層の白色度は、
顔料の種類、顔料とバインダーの混合比率および顔料の
塗布量によって変るが、光反射率が70%以上であるこ
とが望ましい。一般に、顔料の塗布量が増えるほど、白
色度が向上するが、この層を通って画像形成色素が拡散
するとき、顔料が色素の拡散に対して抵抗となるので、
適度の塗布量をもつことが望ましい。二酸化チタンを5
〜40g/m2、好ましくは、10〜25g/m2塗布し、
光反射率が540mmの波長の光で78〜85%を有する
白色反射層が好ましい。二酸化チタンは、市販の種々の
銘柄より選んで用いることができる。この中でも特にル
チル型の二酸化チタンを用いるのが好ましい。市販品の
多くは、アルミナやシリカや酸化亜鉛などで表面処理が
行なわれており、高い反射率を得るには、表面処理量が
5%以上のものが望ましい。市販されている二酸化チタ
ンとしては、例えば、デュポン社の Ti-pureR931の
他、リサーチ・ディスクロージャー誌15162号に記
載のものがある。白色反射層のバインダーとしては、ア
ルカリ浸透性の高分子マトリックス、例えばゼラチン、
ポリビニルアルコールやヒドロキシエチルセルロース、
カルボキシルメチルセルロースのようなセルロース誘導
体が使用できる。白色反射層の特に望ましいバインダー
はゼラチンである。白色顔料とゼラチンの比は1/1〜
20/1(重量比)、望ましくは5/1〜10/1(重
量比)である。白色反射層中には、特公昭62−306
20号や同62−30621号のような褪色防止剤を組
み込むことが好ましい。
【0020】D)遮光層 白色反射層と感光性層の間には遮光剤および親水性バイ
ンダーを含む遮光層を設ける。遮光剤としては、遮光機
能を有する材料のいずれも用いられるが、カーボンブラ
ックが好ましく用いられる。また米国特許第4,61
5,966号等記載の分解性の染料を用いてもよい。遮
光剤を塗設するバインダーとしてはカーボンブラックを
分散しうるものならいずれでもよく、好ましくはゼラチ
ンである。カーボンブラック原料としては、例えばDonn
el Voet "Carbon Black"Marcel Dekker,Inc.(197
6)に記載されているようなチャンネル法、サーマル法
及びファーネス法など任意の製法のものが使用できる。
カーボンブラックの粒子サイズは特に限定されないが9
0〜1800Åのものが好ましい。遮光剤としての黒色
顔料の添加量は遮光すべき感光材料の感度に応じて量を
調節すればよいが、光学濃度で5〜10程度が望まし
い。
【0021】E)感光層 本発明においては、前記遮光層の上方に色素像形成物質
と組合わされたハロゲン化銀乳剤層から成る感光層を設
ける。以下でその構成要素について述べる。 (1) 色素像形成物質 本発明に用いられる色素像形成物質は、銀現像に関連し
て拡散性色素(色素プレカーサーでもよい)を放出する
非拡散性化合物であるか、あるいはそれ自体の拡散性が
変化するものであり、写真プロセスの理論“The Theory
of the Photographic Process”第4版に記載されてい
る。これらの化合物は、いずれも下記一般式(I)で表
すことが出来る。 DYE−Y (I) ここで、DYEは色素あるいはプレカーサーを表し、Y
はアルカリ条件下で核化合物とは拡散性の異なる化合物
を与える成分を表す。このYの機能により、銀現像部で
拡散性となるネガ型化合物と未現像部で拡散性となるポ
ジ型化合物とに大別される。ネガ型のYの具体例として
は、現像の結果酸化し、開裂して拡散性色素を放出する
ものがあげられる。Yの具体例は米国特許3,928,
312号、同3,993,638号、同4,076,5
29号、同4,152,153号、同4,055,42
8号、同4,053,312号、同4,198,235
号、同4,179,291号、同4,149,892
号、同3,844,785号、同3,443,943
号、同3,751,406号、同3,443,939
号、同3,443,940号、同3,628,952
号、同3,980,479号、同4,183,753
号、同4,142,891号、同4,278,750
号、同4,139,379号、同4,218,368
号、同3,421,964号、同4,199,355
号、同4,199,354号、同4,135,929
号、同4,336,322号、同4,139,389
号、特開昭53−50736号、同51−104343
号、同54−130122号、同53−110827
号、同56−12642号、同56−16131号、同
57−4043号、同57−650号、同57−207
35号、同53−69033号、同54−130927
号、同56−164342号、同57−119345等
に記載されている。ネガ型の色素放出レドックス化合物
のYのうち、特に好ましい基としてはN−置換スルファ
モイル基(N−置換基としては芳香族炭化水素環やヘテ
ロ環から誘導される基)を挙げる事ができる。このYの
代表的な基を以下に例示するが、これらのみに限定され
るものではない。
【0022】
【化1】
【0023】
【化2】
【0024】ポジ型の化合物についはて、アンゲバンテ
・ヘミ・インターナショナル・エデション・イングリッ
シュ(Angev.Chem.Inst.Ed.Engl.) 、22、191(1
982)に記載されている。具体例としては、当初アル
カリ条件下では拡散性であるが、現像により酸化されて
非拡散性となる化合物(色素現像薬)があげられる。こ
の型の化合物に有効なYとしては米国特許298360
6号にあげられたものが代表的である。また、別の型と
しては、アルカリ条件下で自己閉環するなどして拡散性
色素を放出するが、現像に伴い酸化されると実質的に色
素の放出がおこらなくなるようなものである。このよう
な機能を持つYの具体例については、米国特許3,98
0,479、特開昭53−69033、同54−130
927、米国特許3,421,964、同4,199,
355などに記載されている。また別な型としては、そ
れ自体は色素を放出しないが、還元されると色素を放出
するものがある。この型の化合物は電子供与体とともに
組合わせて用い、銀現像によって画像様に酸化した残り
の電子供与体との反応によって像様に拡散性色素を放出
させることが出来る。このような機能を持つ原子団につ
いては、例えば米国特許4,183,753、同4,1
42,891、同4,278,750、同4,139,
379、同4,218,368、特開昭53−1108
27、米国特許4,278,750、同4,356,2
49、同4,358,535、特開昭53−11082
7、同54−130927、同56−164342、公
開技報87−6199、欧州特許公開220746A2
等に記載されている。以下にその具体例を例示するが、
これらのみに限定されるものではない。
【0025】
【化3】
【0026】
【化4】
【0027】このタイプの化合物が使用される場合には
耐拡散性電子供与化合物(ED化合物として周知)また
はそのプレカーサー(前駆体)と組合わせて用いるのが
好ましい。ED化合物の例としては例えば米国特許4,
263,393号、同4,278,750号、特開昭5
6−138736号等に記載されている。また別の型の
色素像形成物質の具体例としては、下記のものも使用で
きる。
【0028】
【化5】
【0029】この詳細は米国特許3,719,489号
や同4,098,783号に記載されている。一方、前
記の一般式のDYEで表わされる色素の具体例は下記の
文献に記載されている。 イエロー色素の例:米国特許3,597,200号、同
3,309,199号、同4,013,633号、同
4,245,028号、同4,156,609号、同
4,139,383号、同4,195,992号、同
4,148,641号、同4,148,643号、同
4,336,322号:特開昭51−114930号、
同56−71072号:Research Disclosure 1763
0(1978)号、同16475(1977)号に記載
されているもの。 マゼンタ色素の例:米国特許3、453、107号、同
3,544,545号、同3,932,380号、同
3,931,144号、同3,932,308号、同
3,954,476号、同4,233,237号、同
4,255,509号、同4,250,246号、同
4,142,891号、同4,207,104号、同
4,287,292号:特開昭52−106,727
号、同52−106727号、同53−23,628
号、同55−36,804号、同56−73,057
号、同56−71060号、同55−134号に記載さ
れているもの。 シアン色素の例:米国特許3,482,972号、同
3,929,760号、同4,013,635号、同
4,268,625号、同4,171,220号、同
4,242,435号、同4,142,891号、同
4,195,994号、同4,147,544号、同
4,148,642号;英国特許1,551,138;
特開昭54−99431号、同52−8827号、同5
3−47823号、同53−143323号、同54−
99431号、同56−71061号;ヨーロッパ特許
(EPC)53,037号、同53,040;Research
Disclosure 17,630(1978)号、及び同1
6,475(1977)号に記載されているもの。これ
らの化合物は、特開昭62−215,272号、144
〜146頁に記載の方法で分散することができる。ま
た、これらの分散物には、特開昭62−215,272
号137〜144頁記載の化合物を含ませてもよい。
【0030】(2) ハロゲン化銀乳剤 本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、主にハロゲン
化銀粒子表面に潜像を形成するネガ型乳剤でもよいし、
ハロゲン化銀粒子内部に潜像を形成する内部潜像型直接
ポジ乳剤でもよい。内部潜像型直接ポジ乳剤には、例え
ば、ハロゲン化銀の溶解度差を利用してつくる、いわゆ
る「コンバージョン型」乳剤や、金属イオンをドープす
るか、もしくは化学増感するか、又はその両方を施した
ハロゲン化銀の内部核(コア)粒子の少なくとも感光サ
イトをハロゲン化銀の外部殻(シェル)で被覆してなる
「コア/シェル型」乳剤等があり、これについては、米
国特許2,592,250、同3,206,313、英
国特許1,027,146:米国特許3,761,27
6、同3,935,014、同3,447,927、同
2,497,875、同2,563,785、同3,5
51,662、同4,395,478、西独特許2,7
28,108、米国特許4431730などに記載され
ている。また、内部潜像型直接ポジ乳剤を用いる場合に
は、像露光後光もしくは造核剤をもちいて表面にかぶり
核を与える必要がある。そのための造核剤としては、米
国特許2,563,785、同2,588,982に記
載されたヒドラジン類、米国特許3,227,552に
記載されたヒドラジド類、ヒドラゾン類、英国特許1,
283,835、特開昭52−69613、米国特許
3,615,615、同3,719,494、同3,7
34,738、同4,094,683、同4,115,
122等に記載された複素環4級塩化合物、米国特許
3,718,470に記載された、造核作用のある置換
基を色素分子中に有する増感色素、米国特許4,03
0,925、同4,031,127、同4,245,0
37、同4,255,511、同4,266,013、
同4,276,364、英国特許2,012,443等
に記載されたチオ尿素結合型アシルヒドラジン系化合
物、及び米国特許4,080,270、同4,278,
748、英国特許2,011,391B等に記載された
チオアミド環やトリアゾール、テトラゾール等のヘテロ
環基を吸着基として結合したアシルヒドラジン系化合物
などが用いられる。本発明ではこれらネガ型乳剤及び内
部潜像型直接ポジ乳剤と組合わせて、分光増感色素を用
いる。その具体例については、特開昭59−18055
0号、同60−140335号、リサーチ・ディスクロ
ージャ(RD)17029、米国特許1,846,30
0、同2,078,233、同2,089,129、同
2,165,338、同2,231,658、同2,9
17,516、同3,352,857、同3,411,
916、同2,295,276、同2,481,69
8、同2,688,545、同2,921,067、同
3,282,933、同3,397,060、同3,6
60,103、同3,335,010、同3,352,
680、同3,384,486、同3,623,88
1、同3,718,470、同4,025,349等に
記載されている。 (3) 感光層の構成 減色法による天然色の再現には、上記分光増感色素によ
り分光増感された乳剤と同波長範囲に選択的な分光吸収
をもつ色素を供与する前記色素像形成物質とのくみあわ
せの少なくとも二つからなる感光層を用いる。乳剤と色
素像形成物質とは別層として重ねて塗設してもよいし、
また混合し一層として塗設してもよい。該色素像形成物
質が塗布された状態で、これと組合わされた乳剤の分光
感度域に吸収を持つ場合には別層の方が好ましい。また
乳剤層は複数の、感度の異なる乳剤層からなるものでも
よく、また乳剤層と色素像形成物質層との間に任意の層
を設けてもよい。例えば、特開昭60−173541に
記載された造核現像促進剤を含む層、特公昭60−15
267に記載された隔壁層を設けて色像濃度を高めた
り、また反射層を設け感光要素の感度をたかめることも
出来る。反射層としては、白色顔料および親水性バイン
ダーを含む層であり、好ましくは白色顔料は酸化チタ
ン、親水性バインダーはゼラチンである。酸化チタンの
塗布量は0.1g/m2〜8g/m2、好ましくは0.2g
/m2〜4g/m2である。本発明の好ましい態様である。
反射層の例としては特開昭60−91354号に記載が
ある。好ましい重層構成では、露光側から青感性乳剤の
組合わせ単位、緑感性乳剤の組合わせ単位、赤感性乳剤
の組合わせ単位が順次配置される。各乳剤層単位の間に
は必要に応じて任意の層を設ける事ができる。特にある
乳剤層の現像の効果が他の乳剤層単位に及ぼす好ましく
ない影響を防ぐため、中間層を設置するのが好ましい。
中間層は、非拡散性色素像形成物質と組合わせて現像薬
を用いる場合には該現像酸化体の拡散を防止するために
非拡散性の還元剤を含むのが好ましい。具体的には非拡
散性のハイドロキノン、スルホンアミドフェノール、ス
ルホンアミドナフトールなどがあげられ、更に具体的に
は特公昭50−21249、同50−23813、特開
昭49−106329、同49−129535、米国特
許2,336,327、同2,360,290、同2,
403,721、同2,544,640、同2,73
2,300、同2,782,659、同2,937,0
86、同3,637,393、同3,700,453、
英国特許557,750、特開昭57−24941、同
58−21249等に記載されている。またそれらの分
散法については特開昭60−238831、特公昭60
−18978に記載されている。特公昭55−7576
に記載されたような銀イオンにより拡散性色素を放出す
る化合物を用いる場合には銀イオンを補足する化合物を
中間層に含有せしめるのが好ましい。本発明は必要に応
じて、イラジェーション防止層、UV吸収剤層、保護層
などが塗設される。
【0031】剥離層 本発明では必要に応じて処理後にユニット内感光シート
の任意の場所で剥がし取る為に剥離層が設けることがで
きる。従ってこの剥離層は処理後の剥離が容易なもので
なければならない。このための素材としては、例えば、
特開昭47−8237号、同59−220727号、同
59−229555号、同49−4653号、米国特許
第3,220,835号、同4,359,518号、特
開昭49−4334号、同56−65133号、同45
−24075号、米国特許第3,227,550号、同
2,759,825号、同4,401,746号、同
4,366,227号などに記載されたものを用いるこ
とが出来る。具体例の一つとしては、水溶性(あるいは
アルカリ可溶性)のセルロース誘導体があげられる。例
えばヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテー
ト−フタレート、可塑化メチルセルロース、エチルセル
ロース、硝酸セルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、などである。また別の例として種々の天然高分子、
例えばアルギン酸、ペクチン、アラビアゴム、などがあ
る。また種々の変性ゼラチン、例えばアセチル化ゼラチ
ン、フタル化ゼラチンなども用いられる。更に、別の例
として、水溶性の合成ポリマーがあげられる。例えば、
ポリビニルアルコール、ポリアクリレート、ポリメチル
メタクリレート、ポリブチルメタクリレート、あるい
は、それらの共重合体などである。剥離層は、単一の層
でも、また例えば、特開昭59−220727号、同6
0−60642号などに記載されているように複数の層
からなるものでもよい。
【0032】II.カバーシート 本発明においては、感光要素上に処理液を均一に展開
し、処理後のアルカリを中和し画像の安定化をはかるた
めに、中和機能を有する層(中和層および中和タイミン
グ層)を有する透明なカバーシートをもちい、該カバー
シートの処理液を展開する側の最外層に本発明の色素捕
獲層を有する。
【0033】F 支持体 本発明に用いられるカバーシートの支持体は写真感光材
料に通常用いられる平滑な透明支持体なら、いずれでも
用いられ、酢酸セルロース、ポリスチレン、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリカーボネートなどが用いられ、
下塗り層を設けるのが好ましい。支持体には、ライトパ
イピングを防止するため微量の染料を含有させるのが好
ましい。
【0034】G 中和機能を有する層 本発明に用いられる中和機能を有する層は、処理組成物
から持込まれるアルカリを中和するに十分な量の酸性物
質を含む層であり、必要に応じて、中和速度調節層(タ
イミング層)、密着強化層等の層から成る多層構成のも
のでもよい。好ましい酸性物質としてはpKa9以下の
酸性基(もしくは加水分解によってそのような酸性基を
与える前駆体基)を含む物質であり、さらに好ましくは
米国特許2,983,606号に記載されているオレイ
ン酸のような高級脂肪酸、米国特許3,362,819
号に開示されているようなアクリル酸、メタアクリル酸
もしくはマレイン酸の重合体とその部分エステルまたは
酸無水物;仏国特許2,290,699号に開示されて
いるようなアクリル酸とアクリル酸エステルの共重体;
米国特許4,139,383号やリサーチ・ディスクロ
ージャ(Research Disclosure)No.16102(197
7)に開示されているようなラテックス型の酸性ポリマ
ーを挙げることができる。その他、米国特許4,08
8,493号、特開昭52−153,739号、同53
−1,023号、同53−4,540号、同53−4,
541号、同53−4,542号等に開示の酸性物質も
挙げることができる。酸性ポリマーの具体例としてはエ
チレン、酢酸ビニル、ビニルメチルエーテル等のビニル
モノマーと、無水マレイン酸との共重合体及びそのn−
ブチルエステル、ブチルアクリレートとアクリル酸との
共重合物、セルロース、アセテート・ハイドロジエンフ
タレート等である。前記ポリマー酸は親水性ポリマーと
混合して用いることができる。このようなポリマーとし
ては、ポリアクリルアミド、ポリメチルピロリドン、ポ
リビニルアルコール、(部分ケン化物も含む)、カルボ
キシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、
ヒドロキシエチルセルロース、ポリメチルビニルエーテ
ルなどである。なかでも、ポリビニルアルコールが好ま
しい。また、前記ポリマー酸に親水性ポリマー以外のポ
リマー、例えばセルロースアセテートなどを混合しても
よい。ポリマー酸の塗布量は感光要素に展開されるアル
カリの量により調節される。単位面積当りのポリマー酸
とアルカリの当量比は0.9−2.0が好ましい。ポリ
マー酸の量が少なすぎると、転写色素の色相が変化した
り、白地部分にステインを生じ、又多過ぎる場合にも色
相の変化、あるいは耐光性の低下などの不都合を生じ
る。更に好ましい当量比は1.0−1.3である。混合
する親水性ポリマーの量も多すぎても少なすぎても写真
の品質を低下させる。親水性ポリマーのポリマー酸にた
いする重量比は0.1−10、好ましくは0.3−3.
0である。本発明の中和機能を有する層には、種々の目
的で添加剤を組込むことが出来る。たとえば、この層の
硬膜を行うために当業者で周知の硬膜剤、また膜の脆性
を改良するためにポリエチレングリコール、ポリプロピ
レングリコール、グリセリンなどの多価ヒドロキシル化
合物を添加することができる。その他必要に応じて、酸
化防止剤、蛍光増白剤、現像抑制剤およびその前駆体な
どを添加することもできる。中和層と組合わせて用いる
タイミング層は例えばゼラチン、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルアルコールの部分アセタール化物、酢酸
セルロース、部分的に加水分解されたポリ酢酸ビニル、
などのようなアルカリ透過性を低くするポリマー;アク
リル酸モノマーなどの親水性コモノマーを少量共重合さ
せてつくられた、アルカリ透過の活性化エネルギーを高
くするラテックスポリマー;ラクトン環を有するポリマ
ーなどが有用である。なかでも、特開昭54−1363
28号、米国特許4,267,262号、同4,00
9,030号、同4,029,849号等に開示されて
いる酢酸セルロースを使用したタイミング層;特開昭5
4−128335号、同56−69,629号、同57
−6,843号、米国特許4,056,394号、同
4,061,496号、同4,199,362号、同
4,250,243号、同4,256,827号、同
4,268,604号等に開示されている、アクリル酸
などの親水性コモノマーを少量共重合させてつくられた
ラテックスポリマー;米国特許4,229,516号に
開示されたラクトン環を有するポリマー;その他特開昭
56−25735号、同56−97346号、同57−
6842号、ヨーロッパ特許(EP)31,957A1
号、同37,724A1号、同48,412A1号など
に開示されたポリマーが特に有用である。その他、以下
の文献に記載のものも使用できる。米国特許3,42
1,893号、同3,455,686号、同3,57
5,701号、同3,778,265号、同3,78
5,815号、同3,847,615号、同4,08
8,493号、同4,123,275号、同4,14
8,653号、同4,201,587号、同4,28
8,523号、同4,297,431号、西独特許出願
(OLS)1,622,936号、同2,162,27
7号、Research Disclosure 15,162No.151
(1976年)これらの素材を用いたタイミング層は単
独層もしくは二種以上の層の併用として使用しうる。ま
たこれらの素材からなるタイミング層に、例えば米国特
許4,009,029号、西独特許出願(OLS)2,
913,164号、同3,014,672号、特開昭5
4−155837号、同55−138745号、などに
開示された現像抑制剤および/もしくはそのプレカーサ
ーや、また、米国特許4,201,578号に開示され
ているハイドロキノンプレカーサー、その他写真用有用
な添加剤もしくはそのプレカーサーなどを組み込むこと
も可能である。さらには、中和機能を有する層として、
特開昭63−168648号、同63−168649号
に記載の如く補助中和層を設けることにより処理後経時
による転写濃度の変化を少なくするという点において効
果がある。
【0035】I)その他 中和機能を有する層の他に、補助的な機能を持つ層とし
て、バック層、保護層、捕獲媒染層、フィルター染料層
などを有しても良い。バック層は、カールの調整や、滑
り性の付与の為に設けられる。フィルター染料はこの層
に添加しても良い。保護層は、主としてカバーシートバ
ック面との接着、感光材料とカバーシートとを重ね合わ
せたときの感光材料保護層との接着を防止する為に用い
られる。捕獲媒染層は、アルカリ処理組成物側に拡散し
た色素を捕獲する事により、画像完成時間の遅れや先鋭
度の劣化を防止する事が出来る。通常、カバーシートの
最外層に色素捕獲層を設ける。色素捕獲層は、前述の染
料受像層と同様に親水性コロイド中にポリマー媒染剤を
含むものであり、特開平1−198747号、特開平2
−282253号に記載されている。カバーシートに染
料を含有させて感光層の感度調整を行う事もできる。フ
ィルター染料は、直接カバーシートの支持体中や中和機
能を有する層、さらには前記のバック層、保護層、捕獲
媒染層などに添加しても良いし、単独の層を設置しても
良い。感光シート、カバーシートあるいはアルカリ処理
組成物のいずれかに特開昭62−215272号72〜
91頁記載の現像促進剤、146〜155頁記載の硬膜
剤、201〜210頁記載の界面活性剤、210〜22
2頁記載の含フッ素化合物、225〜227頁記載の増
粘剤、227〜230頁記載の帯電防止剤、230〜2
39頁記載のポリマーラテックス、240頁記載のマッ
ト剤などを含む事が出来る。
【0036】III .アルカリ処理組成物 本発明に用いられる処理組成物は、感光要素の露光後に
感光要素上に均一に展開され、支持体の背面あるいは感
光層の処理液と反対側に設置されて遮光層と対になっ
て、感光層を外光から完全に遮断し、同時に、その含有
する成分によって感光層の現像を行うものである。この
ために、組成物中には、アルカリ、増粘剤、遮光剤、現
像薬、更に、現像を調節するための、現像促進剤、現像
抑制剤現像薬の劣化を防ぐための酸化防止剤などを含有
する。組成物中には遮光剤は必ず含まれる。アルカリは
液のpHを12〜14とするに足りるものであり、アル
カリ金属の水酸化物(例えば水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、水酸化リチウム)、アルカリ金属のリン酸塩
(例えばリン酸カリウム)、グアニジン類、四級アミン
の水酸化物(例えば水酸化テトラメチルアンモニウムな
ど)が挙げられるが、なかでも水酸化カリウム、水酸化
ナトリウムが好ましい。増粘剤は処理液を均一に展開す
るために、また感光層/カバーシート間の密着を保つた
めに必要である。例えば、ポリビニルアルコール、ヒド
ロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース
のアルカリ金属塩がもちいられ、好ましくは、ヒドロキ
シエチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセル
ロースが用いられる。遮光剤としては、染料受像層まで
拡散しステインを生じるものでなければ染料あるいは顔
料のいずれでも、またそれらの組合わせでも用いること
ができる。代表的な物としてカーボンブラックがあげら
れる。好ましい現像薬は、色素像形成物質をクロス酸化
し、かつ酸化されても実質的にステインを生じないもの
であればどのようなものでも使用出来る。このような現
像薬は単独でもまた二種類以上を併用してもよく、また
プレカーサーの型で使用してもよい。これらの現像薬は
感光要素の適当な層に含ませても、またアルカリ性処理
液中に含ませてもよい。具体的化合物としてはアミノフ
ェノール類、ピラゾリジノン類があげられるが、このう
ちピラゾリジノン類がステインの発生が少ないため特に
このましい。たとえば1−フェニル−3−ピラゾリジノ
ン、1−p−トリル−4,4−ジヒドロキシメチル−3
−ピラゾリジノン、1−(3′−メチル−フェニル)−
4−メチル−4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリジノ
ン、1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル
−3−ピラゾリジノン、1−p−トリル−4−メチル−
4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリジノン、などが挙
げられる。以下、本発明の詳細を実施例で説明するが、
本発明はこれらに限定されるものではない。
【0037】
【実施例】
実施例1 以下の表1の組成の比較用感光要素(試料101)を作
った。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【0042】試料101の第3層と第4層の間に剥離層
を設ける以外は試料101と全く同様にして試料102
〜111を作った。これらの組成は第3表に示した。
【0043】
【化6】
【0044】
【化7】
【0045】
【化8】
【0046】
【化9】
【0047】
【化10】
【0048】
【化11】
【0049】カバーシートは以下のようにして作成し
た。ゼラチン下塗りしたライトパイピング防止染料を含
むポリエチレンテレフタレート透明支持体上に以下の層
を塗設した。 (1) 平均分子量5万のアクリル酸−ブチルアクリレート
(モル比8:2)共重合体を10.4g/m2および1,
4−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−ブタン0.
1g/m2を含む中和層。 (2) 酢化度51%のアセチルセルロース4.3g/m2
ポリ(メチルビニルエーテル−コ−モノメチルマレエイ
ド)0.2g/m2を含む中和タイミング層。 (3) スチレン−ブチルアクリレート−アクリル酸−Nメ
チロールアクリルアミドを重量比49.7/42.3/
4/4の比で乳化重合したポリマーラテックスと、メチ
ルメタクリレート/アクリル酸/N−メチロールアクリ
ルアミドを重量比93対3対4の比で乳化重合したポリ
マーラテックスを固型分比が6対4になるようにブレン
ドし、総固型分を2.5g/m2含む層。アルカリ処理組
成物は下記の第2表に従って作った。
【0050】
【表5】
【0051】上記組成の処理液を0.8gづつ、圧力で
破壊可能な容器に充填した。前記感光要素101〜11
1を、グレーのフィルターを通して乳剤層側から露光し
た後、前記カバーシートと重ね合わせ、両材料の間に上
記処理液を75μの厚みになるように加圧ローラーによ
り展開した。処理は25℃で行った。剥離性の試験は以
下のようにして実施した。処理液が展開されない部分の
剥離(以下乾燥部剥離性という)は、予め試料の感光層
に剃刀で5mm角に切れ目を入れておき、その上に粘着テ
ープ(日東電工株式会社製のポリエステル粘着テープ)
を粘着させ、テープを180度方向に引っ張り、剥離層
で剥離した部分の百分比で表した。処理液で湿潤した部
分の剥離性(以下湿潤部剥離性という)は、展開後2時
間後にカバーシートと感光要素を引きはがし、剥離層で
剥離した部分の面積を求め百分比で表した。得られた結
果を第3表に示した。
【0052】
【表6】
【0053】第3表より、本発明が乾燥部剥離性に及ぼ
す効果は明かである。即ち、試料102から105、1
09、110より剥離層に用いる化合物の分子量5万以
上、より確実な剥離を行うためには10万以上が必要で
ある。また試料106〜108,110、111からた
とえ平均分子量が10万以上の化合物であっても、低分
子量成分が5%以下である事が必要である。更に、試料
105〜108を50℃70%RH条件下に7日間保存
した後、上記と同様にして乾燥部剥離性を求めたとこ
ろ、それぞれ90%、0%、70%、85%となり、本
発明の効果が確認された。
【0054】実施例2 実施例1で用いたカバーシートに第4層として、ゼラチ
ンを2g/m2塗設したカバーシートを用いる以外は実施
例1と同様にして湿潤部剥離性を求めた。その結果を第
4表に示した。
【0055】
【表7】
【0056】第4表から明らかなように本発明の組み合
わせは著しく湿潤部の剥離性を改良している。
【0057】実施例3 実施例1の試料102〜108の剥離層と第4層の間に
ゼラチン層(塗布量0.7g/m2)を設ける以外は同様
にして試料302〜308をつくった。これらの試料を
用いて実施例1と同様な乾燥部剥離性試験を行って第5
表の結果を得た。
【0058】
【表8】
【0059】第5表の結果から本発明の化合物を用いる
場合に於いても、ゼラチン層と組み合わせて剥離層を形
成する事で剥離性が大幅に向上する事は明かである。
【0060】実施例4 実施例3の試料305の剥離層とゼラチン層を付与する
位置を変更する事で次の試料を作った。即ち、第3層を
2層に分割しその間に設ける事で試料401を、第2層
と第3層の間に設ける事で試料402を作った。試料1
01、305、401、402に画像用の露光を施した
後、実施例2のカバーシートを重ねて実施例1と同様な
展開処理を行った。展開処理2時間後、剥離した。剥離
は試料101ではカバーシートとアルカリ処理組成物の
間、試料305ではシアン色材層と遮光層の間、試料4
01では遮光層の中間、試料402では白色反射層と遮
光層の間で起きた。これらの試料を乾燥後、3000ル
ックスの蛍光灯の光を40日間照射し色像の退色を調べ
た。退色の程度は光照射前のシアン色像濃度2.0を基
準とし、この部分の40日照射後の色像濃度Aを求め色
像残存率(A/2*100)で表した。その結果、試料
101、305、401、402では、それぞれ96
%、94%、85%、82%となり、本発明の剥離層を
感光層と遮光層の間に於く方法が光堅牢である事が証明
された。更に、上記と同様にして剥離した試料101、
305、401、402を乾燥後、60℃70%RHの
条件に保存し、シアン濃度1.0を基準として上記と同
様に色像残存率を求めた。その結果、上記試料に対して
それぞれ、180%(増色)、102%、101%、1
03%が得られ、本発明の試料は光のみならず湿熱に対
しても堅牢である事が分かった。
【0061】
【発明の効果】モノシート型カラー拡散転写写真ユニッ
トにおける剥離性を改良し、剥離したカラー画像の堅牢
性を良化する効果を有する。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年3月4日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】
【化3】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】
【化4】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】
【化5】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】II.カバーシート
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正内容】
【0032】本発明においては、感光要素上に処理液を
均一に展開し、処理後のアルカリを中和し画像の安定化
をはかるために、中和機能を有する層(中和層および中
和タイミング層)を有する透明なカバーシートをもち
い、該カバーシートの処理液を展開する側の最外層に本
発明の色素捕獲層を有する。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正内容】
【0044】
【化7】
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正内容】
【0048】
【化11】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明支持体上に受像層、白色反射層、
    遮光層、少なくとも1つの色素像形成物質と組み合わさ
    れた少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を有する感光
    シート、透明支持体上に少なくとも中和層、中和タイ
    ミング層を有する透明カバーシート、及び前記感光シ
    ートと前記透明カバーシートの間に展開されるようにな
    っている遮光性のアルカリ処理組成物、これらを含むカ
    ラー拡散転写写真ユニットに於いて、感光シートの遮光
    層とハロゲン化銀乳剤層の間に剥離層を有し、この剥離
    層が、分子量50000以上の高分子化合物よりなり、
    該高分子化合物中に含まれる分子量5000以下の成分
    が、該高分子化合物全体の5重量%以下である事を特徴
    とするカラー拡散転写写真ユニット。
  2. 【請求項2】 請求項1のカラー拡散転写写真ユニット
    に於いて、透明カバーシートが処理組成物との密着改良
    層を有する事を特徴とする請求項1に記載のカラー拡散
    転写写真ユニット。
  3. 【請求項3】 請求項1のカラー拡散転写ユニットに於
    いて、剥離層が互いに非相溶の親水性高分子化合物によ
    り形成される2層以上からなる事を特徴とする請求項1
    に記載のカラー拡散転写写真ユニット。
JP12189892A 1992-05-14 1992-05-14 カラー拡散転写写真ユニット Pending JPH05313330A (ja)

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JP (1) JPH05313330A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1557716A1 (en) * 2004-01-26 2005-07-27 Fuji Photo Film Co., Ltd Diffusion transfer film unit for seal print

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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