JP2005206774A - 固形描画材 - Google Patents

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Abstract

【課題】紙面に描画した筆跡が定着性に優れ、発色がよく製造が容易であること特徴とする経時安定性に優れた固形描画材を提供する。
【解決手段】本発明の固形描画材は結合材として凝固点が55℃以上のポリエチレングリコール及び着色剤を用いている。

Description

本発明は固形描画材に関するものであり、描き味が非常に優れ、しかも紙面に定着性の良い固形描画材に関する。
従来、固形描画材において、クレヨン,パスと呼ばれるものは結合材として,固形材料のパラフィン,木蝋を使用しこれに顔料を加え結合材の融点以上の温度で溶解撹拌又は混練した後,型に流し込み冷却して固形描画材とする。このものは色彩等は優れているが,子供等には書き味が重く,手等に付着した時又紙以外の非吸収面に描画した場合消去するのが大変である。つまり溶剤を使用しなければ消去不可能である。本発明は紙面に書き味が優れ,しかも手等及び非吸収面に書かれた描画跡を容易に水で拭き取ることができる。
特開平3−153778号
水溶性結合材を使用した特開平3−153778が開示されている。水溶性結合材と水に不溶性の固形の脂肪酸,ワックス等を界面活性剤に添加し,ニーダーミキサーで混合後ロール処理し,成形,乾燥するとある。この製造法は界面活性剤を使用して水溶性結合材とその他の不溶性の材料を分散させることである。
ところがこの特開平3−153778は界面活性剤を使用して水溶性結合材とその他の不溶性の材料を使用するため,均一に分散させることは困難で,しかも分散に時間がかかった。又この描画材は書き味が重く,手に付着した場合水で洗い落とすことが出来ないという問題があった。
本発明の目的は、前記課題を解決するため鋭意研究を行った結果固形描画材において結合材として凝固点が55℃以上のポリエチレングリコールを40%以上と着色剤からなる少なくともなることを特徴とするものである。
本発明の固形描画材は結合材と潤滑剤の性質を有する成分を用いることで、書き味、発色性、描画時のひび割れ、手に付着した場合の洗浄性に優れた固形描画材を得るに至った。
以下,本発明を記述する。本発明の固形描画材に用いる結合材として,凝固点が55℃以上のポリエチレングリコールを用いる。これらは常温では固体で優れた潤滑性と石油系のワックスに似た性質を有している。
前記凝固点が55℃以上のポリエチレングリコールは分子量が約3000以上の白色フレーク状で,しかも室温でほとんど吸湿性がないことが本発明に良好であった。これ以下であると吸湿性があり,水に対する溶解も速く,潤滑性があるが結合材として固さが柔軟で不適であった。凝固点が55℃以上のポリエチレングリコール室温で水に対して大部分溶解するが完全に混容させるには約55℃の温度が必要であった。
前記特開平3−153778は結合材としてポリビニールアルコール等の水溶性樹脂を用い,ポリエチレングリコールは滑材の一部として使用すると述べられている。本発明者は前記の凝固点が55℃のポリエチレングリコールは結合材として水溶性樹脂を使用しなくても,このものが結合材としての性能を有していることを見いだした。又実際の製造時には温度を70℃以上にすると、溶解し、低粘度の溶液となるため、他の材料との混合、分散が容易であった。しかも吸湿性がほとんどなく,潤滑性を合わせもっているので非常に有用性が大きいことが判明した。使用量は固形描画材全量に対して40%以上が良好であった。これ以下であると固形描画材は柔らかくなり描画時の筆圧に対して変形しやすくなる。
本発明の固形描画材に用いる着色剤としては,何ら制限されることはなく公知の着色剤を使用できる。例えばカーボンブラック,フタルシアニンブルー,カーミン6B,酸化チタン,群青,ハンザイエロー等である。又着色剤と併用できる公知の増量剤のシリカ、タルク、クレーとの体質材と併用しても良い。使用量はその種類によって大きくことなるが,発色及び描画性をより固形描画材全量に対して,2〜30重量%が好ましい。
上記以外に描画性を向上させるため,湿潤剤の併用と顔料の分散性を向上させ作業性効率をよくするための界面活性剤の併用することができる。湿潤剤としては公知のグリセリン,プロピレングリコール,水などが適している。その使用量は5〜15重量%が好ましい.5%以下であると描画性が悪く,15重量%以上であると描画材が柔らかくなり描画性が悪くなる。界面活性剤は着色剤
に対して使用されるもので,界面活性剤は水に溶解,又は乳化するもの何ら制限される事はなく,公知のものを用いることができる。例えばポリオキシエチレン脂肪酸エステル,アルキルリン酸塩,ポリオキシエチレンアルキルエーテ等のノニオン系,アニオン系が好ましく,単独又は併用して用いても良い。その使用量は固形描画材全量の5〜10%が好ましい。5%より少ないと分散性が十分でなく、10%より多いと固形描画剤にベトツキが発生し、描画性が悪くなる。
本発明の固形描画材は従来公知の製造方法を用いて製造することが出来、例えば上記各成分をヘンシルミキサー、三本ロールなどで、加熱混練して得られた混練物をそのまま加熱溶解槽付充填装置に入れ、溶解させて、型に充填、冷却して固形描画剤を製造するといった方法が挙げられる。次に本発明の実施例を示す。なお「部」は「重量部」である。
ポリエチレングリコール#6000 55 部
結合材、凝固点58℃
群青(色剤) 10 部
ポリオキシエチレンアルキルエーテル(界面活性剤) 12 部
タルク(体質材) 13 部
グリセリン(湿潤剤) 5 部
水(湿潤剤) 5 部
以上をヘンシルで加熱混練した後冷却して、塊状として取り出した。
このものを加熱溶解槽付き充填装置に添加し、80℃で加熱溶解して、口紅型の繰り出し機構もった容器に直接流し込み、冷却し直径15mmの固形描画材を得た。
ポリエチレングリコール#4000 57 部
結合材、凝固点56℃
酸化チタン(色剤) 10 部
ポリオキシエチレンリン酸塩(界面活性剤) 10 部
タルク(体質材) 10 部
グリセリン(湿潤剤) 8 部
水(湿潤剤) 5 部
以上をヘンシルで加熱混練した後冷却して、塊状として取り出した。
このものを加熱槽付き充填装置に添加し、80℃で加熱溶解して、口紅型の繰り出し機構もった容器に直接流し込み、冷却し直径15mmの固形描画材を得た。
ポリエチレングリコール#20000 40 部
結合材、凝固点60℃
フタロシアニンブルー(色剤) 8 部
ポリオキシエチレン脂肪酸エステル(界面活性剤) 10 部
シリカ(体質材) 22 部
グリセリン(湿潤剤) 5 部
水(湿潤剤) 5 部
以上を三本ロールで加熱混練した後冷却して、塊状として取り出したこのものを加熱槽付き充填装置に添加し、80℃で加熱溶解して、口紅型の繰り出し機構もった容器に直接流し込み、冷却し直径15mmの固形描画材を得た。
ポリエチレングリコール#11000 50 部
結合材、凝固点59℃
カーボンブラック(色剤) 10 部
ポリオキシエチレンリン酸塩(界面活性剤) 10 部
タルク(体質材) 20 部
グリセリン(湿潤剤) 5 部
水(湿潤剤) 5 部
以上をヘンシルで加熱混練した後冷却して、塊状として取り出した。
このものを加熱槽付き充填装置に添加し、80℃で加熱溶解して、口紅型の繰り出し機構もった容器に直接流し込み、冷却し直径15mmの固形描画材を得た。
比較例1
ポリエチレングリコール#1540 57 部
結合材、凝固点46℃
酸化チタン(色剤) 10 部
ポリオキシエチレンリン酸塩(界面活性剤) 10 部
タルク(体質材) 10 部
グリセリン(湿潤剤) 8 部
水(湿潤剤) 5 部
以上をヘンシルで加熱混練した後冷却して、塊状として取り出した。
このものを加熱槽付き充填装置に添加し、70℃で加熱溶解して、口紅型の繰り出し機構もった容器に直接流し込み、冷却し直径15mmの固形描画材を得た。
上記各実施例1,2,3、4,比較例1の固形描画材を用いて、書き味、発色性、描画時のひび割れ発性の有無の評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2005206774

Claims (2)

  1. 結合材の凝固点が55℃以上のポリエチレングリコール及び着色剤よりなる固形描画材。
  2. 凝固点が55℃以上のポリエチレングリコールを前記固形描画材全量の40%以上を用いる請求項1の固形描画材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012219253A (ja) * 2011-04-14 2012-11-12 Pilot Ink Co Ltd 固形筆記体及びそれを用いた固形筆記体セット
JP2018135502A (ja) * 2016-12-27 2018-08-30 株式会社レイメイ藤井 水性クレヨン

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