JP7394519B2 - 水性クレヨン - Google Patents
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Description
店舗等で使用される商品広告用のブラックボードには、表面が光沢のないツヤ消しのブラックボードと、表面が光沢のあるツヤありのブラックボードがある。
通常のオイルパステルは、油性であるためブラックボードで使用すると水に溶かして消すことができないものである。
尚、クレヨンには、水に溶ける水性クレヨンがある。
尚、関連する先行技術として、特開平06-128523号公報「水溶性クレヨン組成物」(ユニオン・カーバイト・メミカルズ)[特許文献1]、特開平07-216288号公報「水性クレヨンの材料」(鄭丞貝)[特許文献2]、特開平08-332452号「絵付け方法、クレヨン」(株式会社サクラクレパス)[特許文献3]、特許第5089088号「水消去性固形描画材」(株式会社サクラクレパス)[特許文献4]がある。
特許文献2には、水に溶け拭き取ることができる水性のクレヨンの材料が示されている。
特許文献3には、水で容易に洗浄して除去できる、水溶性ワックス又は油性ワックスと界面活性剤を含有させたクレヨンが示されている。
特許文献4には、水拭きで溶解して除去できる、水溶性ワックスを含むクレヨンが示されている。
[実施の形態の概要]
本発明の実施の形態に係る水性クレヨンは、展色材としての固形ワックスと、添加剤としての界面活性剤と、顔料としての体質顔料及び着色顔料とから成り、体質顔料にはタルクを用い、体質顔料より固形ワックスの含有量を多くした水性クレヨンとしているので、ツヤ消しのブラックボード及びツヤありのブラックボードの両方に容易に書くことができ、更に水に溶かして消すことができるものである。
また、体質顔料は、素材を丈夫にして、滑らかにするものであり、着色顔料は、色味を調整するものである。
本発明の実施の形態に係る水性クレヨン(本クレヨン)について図1を参照しながら説明する。図1は、本クレヨンの改良ステップにおける白色のクレヨンの成分に関する図である。図1では、改良ステップとして「改良前」と、「改良途中」と、「改良後」を示している。従って、「改良後」に示す成分が本クレヨンにおける白色のクレヨンの成分となる。
そして、体質顔料には、改良前は炭酸カルシウム(Calcium Carbonate)を用い、改良途中と改良後にはタルク(Talc)を用いている。
更に、体質顔料より固形ワックスの含有量を多くしたものである。
また、添加剤の界面活性剤は、拭き取る性能を向上させるものである。
顔料は、体質顔料と着色顔料を含むものとなっており、体質顔料のタルクは、素材を丈夫にし、滑らかにするものであり、着色顔料は、色味を調整するもので、各色に応じて配合する着色顔料の種類と配合比率を異なるものとしている。
この改善前のサンプル例では、ブラックボードに書くと書き味が硬い感じで、水で拭き取った場合に、クレヨンの白色の跡が残るものとなっていた。
改良途中の水性クレヨンのサンプル例は、固形ワックスが28.19重量%で、界面活性剤が20.62重量%で、タルクの体質顔料が25.39重量%で、着色顔料が25.80重量%の構成とした。
この改良途中のサンプルでは、硬い感じの書き味は改善されたものの、白色の跡が残る問題が残っていた。
改良後の水性クレヨンのサンプル例では、固形ワックスが32.20重量%で、界面活性剤が23.55重量%で、タルクの体質顔料が29.01重量%で、着色顔料が15.24重量%の構成とした。
体質顔料をタルクとしたことで、材料が柔らかくなったものである。
また、改良後のサンプルでは、硬い書き味が改善されたことにより、ツヤ消しブラックボードだけでなく、ツヤありブラックボートにも本クレヨンの材料の密着性がよくなって、ツヤありブラックボートに本クレヨンの材料が付着し易くなり、両方のブラックボードに対して書き味が改善され、跡が残ることなく水で拭いて消すことができたものである。
次に、本クレヨンにおける青色クレヨン(青色クレヨン)について図2を参照しながら説明する。図2は、本クレヨンにおける青色クレヨンの成分に関する図である。
青色クレヨンは、図2に示すように、固形ワックスと、界面活性剤と、タルクの体質顔料と、着色顔料とから構成されている。
更に、体質顔料より固形ワックスの含有量を多くしたものである。
改良前のサンプルでは、硬い書き味となっていた。
改良後のサンプルでは、硬い書き味が改善されたことにより、ツヤ消しブラックボードだけでなく、ツヤありブラックボートにも材料の残りがよくなり、両方のブラックボードに対して書き味が改善され、跡が残ることなく水で拭いて消すことができたものである。
次に、本クレヨンにおける青緑色クレヨン(青緑色クレヨン)について図3を参照しながら説明する。図3は、本クレヨンにおける青緑色クレヨンの成分に関する図である。
尚、以下の色のクレヨンについて青色クレヨンと同様の内容については記載を省略し、相違する点を説明する。
次に、本クレヨンにおける明るい赤色クレヨン(明るい赤色クレヨン)について図4を参照しながら説明する。図4は、本クレヨンにおける明るい赤色クレヨンの成分に関する図である。
図4において、改良前の水性クレヨンのサンプル例では、固形ワックスが22.36重量%で、液体油が3.19重量%で、界面活性剤が15.95重量%で、炭酸カルシウムの体質顔料が47.86重量%で、着色顔料が10.64重量%の構成であった。
次に、本クレヨンにおける桃色クレヨン(桃色クレヨン)について図5を参照しながら説明する。図5は、本クレヨンにおける桃色クレヨンの成分に関する図である。
図5において、改良前の水性クレヨンのサンプル例では、固形ワックスが21.80重量%で、液体油が3.25重量%で、界面活性剤が16.25重量%で、炭酸カルシウムの体質顔料が41.16重量%で、着色顔料が17.54重量%の構成であった。
次に、本クレヨンにおける茶色クレヨン(茶色クレヨン)について図6を参照しながら説明する。図6は、本クレヨンにおける茶色クレヨンの成分に関する図である。
図6において、改良前の水性クレヨンのサンプル例として、固形ワックスが21.05重量%で、液体油が3.10重量%で、界面活性剤が15.50重量%で、炭酸カルシウムの体質顔料が53.74重量%で、着色顔料が6.61重量%の構成であった。
次に、本クレヨンにおける水色クレヨン(水色クレヨン)について図7を参照しながら説明する。図7は、本クレヨンにおける水色クレヨンの成分に関する図である。
図7において、改良前の水性クレヨンのサンプル例として、固形ワックスが20.51重量%で、液体油が3.34重量%で、界面活性剤が16.68重量%で、炭酸カルシウムの体質顔料が44.47重量%で、着色顔料が15.00重量%の構成であった。
次に、本クレヨンにおける明るい橙色クレヨン(明るい橙色クレヨン)について図8を参照しながら説明する。図8は、本クレヨンにおける明るい橙色クレヨンの成分に関する図である。
図8において、改良前の水性クレヨンのサンプル例として、固形ワックスが24.80重量%で、液体油が3.53重量%で、界面活性剤が17.67重量%で、炭酸カルシウムの体質顔料が43.57重量%で、着色顔料が10.43重量%の構成であった。
次に、本クレヨンにおける紫色クレヨン(紫色クレヨン)について図9を参照しながら説明する。図9は、本クレヨンにおける紫色クレヨンの成分に関する図である。
図9において、改良前の水性クレヨンのサンプル例として、固形ワックスが22.65重量%で、液体油が3.23重量%で、界面活性剤が16.16重量%で、炭酸カルシウムの体質顔料が48.48重量%で、着色顔料が9.48重量%の構成であった。
次に、本クレヨンにおける黄色クレヨン(黄色クレヨン)について図10を参照しながら説明する。図10は、本クレヨンにおける黄色クレヨンの成分に関する図である。
図10において、改良前の水性クレヨンのサンプル例として、固形ワックスが24.09重量%で、液体油が5.66重量%で、界面活性剤が16.97重量%で、炭酸カルシウムの体質顔料が41.86重量%で、着色顔料が11.42重量%の構成であった。
次に、本クレヨンにおける薄橙色クレヨン(薄橙色クレヨン)について図11を参照しながら説明する。図11は、本クレヨンにおける薄橙色クレヨンの成分に関する図である。
図11において、改良前の水性クレヨンのサンプル例として、固形ワックスが23.02重量%で、液体油が3.48重量%で、界面活性剤が17.42重量%で、炭酸カルシウムの体質顔料が41.79重量%で、着色顔料が14.29重量%の構成であった。
次に、本クレヨンにおける黄緑色クレヨン(黄緑色クレヨン)について図12を参照しながら説明する。図12は、本クレヨンにおける黄緑色クレヨンの成分に関する図である。
図12において、改良前の水性クレヨンのサンプル例として、固形ワックスが24.61重量%で、液体油が5.65重量%で、界面活性剤が16.97重量%で、炭酸カルシウムの体質顔料が41.85重量%で、着色顔料が10.92重量%の構成であった。
本クレヨンにおいて、白色クレヨンの色味の改良について図13を参照しながら説明する。図13は、本クレヨンにおける白色クレヨンの成分の改良に関する図である。
図13に示すように、改良後の白色クレヨンのサンプル例として、固形ワックスが32.20重量%で、界面活性剤が23.55重量%で、タルクの体質顔料が23.30重量%で、着色顔料が20.95重量%の構成であった。
図1の改良後の成分は、白跡問題を解決するためのものであったが、図13の改良後の成分は、ツヤ消しのブラックボード及びツヤありのブラックボードにおいて色を際立たせる発色性(色味)を向上させるためのもので、図1に比べて体質顔料を5.71重量%減らして着色顔料を5.71重量%増やしたものとなっている。
次に、本クレヨンにおける黒色クレヨン(黒色クレヨン)の改良ステップについて図14を参照しながら説明する。図14は、本クレヨンの改良ステップにおける黒色のクレヨンの成分に関する図である。図1では、改良ステップとして「改良前」と、「改良途中」と、「改良後」を示している。従って、「改良後」に示す成分が本クレヨンにおける黒色のクレヨンの成分となる。
この改善前のサンプル例では、ブラックボードに書くと書き味が硬い感じで、水で拭き取った場合に、クレヨンの黒色の跡が残るものとなっていた。
改良途中の水性クレヨンのサンプル例は、固形ワックスが35.83重量%で、界面活性剤が18.10重量%で、タルクの体質顔料が40.76重量%で、着色顔料が5.31重量%の構成とした。
この改良途中のサンプルでは、硬い感じの書き味は改善されたものの、黒色の跡が残る問題が残っていた。
改良後の水性クレヨンのサンプル例では、固形ワックスが35.83重量%で、界面活性剤が26.21重量%で、タルクの体質顔料が32.65重量%で、着色顔料が5.31重量%の構成とした。
また、改良後のサンプルでは、硬い書き味が改善されたことにより、ツヤ消しブラックボードだけでなく、ツヤありブラックボートにも本クレヨンの材料の密着性がよくなって、ツヤありブラックボートに本クレヨンの材料が付着し易くなり、両方のブラックボードに対して書き味が改善され、跡が残ることなく水で拭いて消すことができたものである。
次に、本クレヨンにおけるネイビー色クレヨン(ネイビー色クレヨン)について図15を参照しながら説明する。図15は、本クレヨンにおけるネイビー色クレヨンの成分に関する図である。
ネイビー色クレヨンは、図15に示すように、固形ワックスと、界面活性剤と、タルクの体質顔料と、着色顔料とから構成されている。
更に、体質顔料より固形ワックスの含有量を多くしたものである。
改良前のサンプルでは、硬い書き味となっていた。
改良後のサンプルでは、硬い書き味が改善されたことにより、ツヤ消しブラックボードだけでなく、ツヤありブラックボートにも材料の残りがよくなり、両方のブラックボードに対して書き味が改善され、跡が残ることなく水で拭いて消すことができたものである。
次に、本クレヨンにおけるグレー色クレヨン(グレー色クレヨン)について図16を参照しながら説明する。図16は、本クレヨンにおけるグレー色クレヨンの成分に関する図である。
尚、以下の色のクレヨンについてネイビー色クレヨンと同様の内容については記載を省略し、相違する点を説明する。
次に、本クレヨンにおけるスモーキーブラウン色クレヨン(スモーキーブラウン色クレヨン)について図17を参照しながら説明する。図17は、本クレヨンにおけるスモーキーブラウン色クレヨンの成分に関する図である。
図17において、改良前の水性クレヨンのサンプル例では、固形ワックスが23.56重量%で、液体油が3.45重量%で、界面活性剤が17.24重量%で、炭酸カルシウムの体質顔料が45.98重量%で、着色顔料が9.77重量%の構成であった。
次に、本クレヨンにおけるダークブラウン色クレヨン(ダークブラウン色クレヨン)について図18を参照しながら説明する。図18は、本クレヨンにおけるダークブラウン色クレヨンの成分に関する図である。
図18において、改良前の水性クレヨンのサンプル例では、固形ワックスが23.90重量%で、液体油が3.50重量%で、界面活性剤が17.48重量%で、炭酸カルシウムの体質顔料が46.62重量%で、着色顔料が8.50重量%の構成であった。
次に、本クレヨンにおけるウルトラマリン色クレヨン(ウルトラマリン色クレヨン)について図19を参照しながら説明する。図19は、本クレヨンにおけるウルトラマリン色クレヨンの成分に関する図である。
図19において、改良前の水性クレヨンのサンプル例として、固形ワックスが19.62重量%で、液体油が2.87重量%で、界面活性剤が14.35重量%で、炭酸カルシウムの体質顔料が38.28重量%で、着色顔料が24.88重量%の構成であった。
次に、本クレヨンにおけるダークグリーン色クレヨン(ダークグリーン色クレヨン)について図20を参照しながら説明する。図20は、本クレヨンにおけるダークグリーン色クレヨンの成分に関する図である。
図20において、改良前の水性クレヨンのサンプル例として、固形ワックスが24.55重量%で、液体油が3.59重量%で、界面活性剤が17.97重量%で、炭酸カルシウムの体質顔料が47.90重量%で、着色顔料が5.99重量%の構成であった。
次に、本クレヨンにおけるエメラルドグリーン色クレヨン(エメラルドグリーン色クレヨン)について図21を参照しながら説明する。図21は、本クレヨンにおけるエメラルドグリーン色クレヨンの成分に関する図である。
図21において、改良前の水性クレヨンのサンプル例として、固形ワックスが20.56重量%で、液体油が3.01重量%で、界面活性剤が15.05重量%で、炭酸カルシウムの体質顔料が40.13重量%で、着色顔料が21.25重量%の構成であった。
次に、本クレヨンにおけるコーラルピンク色クレヨン(コーラルピンク色クレヨン)について図22を参照しながら説明する。図22は、本クレヨンにおけるコーラルピンク色クレヨンの成分に関する図である。
図22において、改良前の水性クレヨンのサンプル例として、固形ワックスが23.27重量%で、液体油が3.41重量%で、界面活性剤が17.03重量%で、炭酸カルシウムの体質顔料が45.40重量%で、着色顔料が10.89重量%の構成であった。
次に、本クレヨンにおけるラベンダー色クレヨン(ラベンダー色クレヨン)について図23を参照しながら説明する。図23は、本クレヨンにおけるラベンダー色クレヨンの成分に関する図である。
図23において、改良前の水性クレヨンのサンプル例として、固形ワックスが22.71重量%で、液体油が3.32重量%で、界面活性剤が16.62重量%で、炭酸カルシウムの体質顔料が44.31重量%で、着色顔料が13.04重量%の構成であった。
次に、本クレヨンにおけるダークイエロー色クレヨン(ダークイエロー色クレヨン)について図24を参照しながら説明する。図24は、本クレヨンにおけるダークイエロー色クレヨンの成分に関する図である。
図24において、改良前の水性クレヨンのサンプル例として、固形ワックスが23.16重量%で、液体油が3.39重量%で、界面活性剤が16.95重量%で、炭酸カルシウムの体質顔料が45.18重量%で、着色顔料が11.32重量%の構成であった。
次に、本クレヨンにおけるダークパープル色クレヨン(ダークパープル色クレヨン)について図25を参照しながら説明する。図25は、本クレヨンにおけるダークパープル色クレヨンの成分に関する図である。
図25において、改良前の水性クレヨンのサンプル例として、固形ワックスが24.52重量%で、液体油が3.59重量%で、界面活性剤が17.95重量%で、炭酸カルシウムの体質顔料が47.85重量%で、着色顔料が6.09重量%の構成であった。
本クレヨンにおいて、黒色クレヨンの色味の改良について図26を参照しながら説明する。図26は、本クレヨンにおける黒色クレヨンの成分の改良に関する図である。
図26に示すように、改良後の黒色クレヨンのサンプル例として、固形ワックスが35.83重量%で、界面活性剤が26.21重量%で、タルクの体質顔料が32.28重量%で、着色顔料が5.68重量%の構成であった。
図14の改良後の成分は、黒い跡の問題を解決するためのものであったが、図26の改良後の成分は、ツヤ消しのブラックボード及びツヤありのブラックボードにおいて色を際立たせる発色性(色味)を向上させるためのもので、図14に比べて体質顔料を0.37重量%減らして着色顔料を0,37重量%増やしたものとなっている。
次に、基本色クレヨンを用いたツヤ消しブラックボードの筆記テストについて図27を参照しながら説明する。図27は、基本色クレヨンによるツヤ消しブラックボードの筆記テストの結果を表す図である。
図27(a)が改良前の筆記状態であり、図27(b)が改良後の筆記状態である。両図ともに、上から白色、黄色、茶色、青緑色、黄緑色、桃色、薄橙色、明るい赤色、水色、青色、明るい橙色、紫色の順で筆記されている。
これに対して、図27(b)に示すように、改良後の水性クレヨンでツヤ消しのブラックボードに書くと色味がはっきり分かるよう改良され、遠くから見ても鮮やかに見えるものとなった。ツヤ消しのブラックボードの黒色に対して映え、店舗の販促用に12色を提供できたものである。
次に、基本色クレヨンを用いたツヤ消しブラックボードの消字テストについて図28を参照しながら説明する。図28は、基本色クレヨンによるツヤ消しブラックボードの消字テストの結果を表す図である。色の筆記(配置)順は、図27と同じである。消字方法は、ティッシュペーパーに水を含ませて拭き取ったものである。
図28(a)が改良前の消字状態であり、図28(b)が改良後の消字状態である。
これに対して、図28(b)に示すように、改良後は、消字して時間が経過しても板面には色成分が白く残らないものである。
次に、基本色クレヨンを用いたツヤありブラックボードの筆記テストについて図29を参照しながら説明する。図29は、基本色クレヨンによるツヤありブラックボードの筆記テストの結果を表す図である。色の筆記(配置)順は、図27と同じである。
図29(a)が改良前の筆記状態であり、図29(b)が改良後の筆記状態である。
これに対して図29(b)に示すように、改良後は、色のノリが全体的によくなったため、視認性が高くなった。また、塗ったときの質感も滑らかになった。
次に、基本色クレヨンを用いたツヤありブラックボードの消字テストについて図30を参照しながら説明する。図30は、基本色クレヨンによるツヤありブラックボードの消字テストの結果を表す図である。色の筆記(配置)順は、図27と同じである。消字方法は、ティッシュペーパーに水を含ませて拭き取ったものである。
図30(a)が改良前の消字状態であり、図30(b)が改良後の消字状態である。
ツヤありブラックボードであるため、図30(a)と図30(b)に示すように、改良前、改良後共に同様に問題なく消字できたものである。
次に、新色クレヨンを用いたツヤ消しブラックボードの筆記及び消字テストについて図31を参照しながら説明する。図31は、新色クレヨンによるツヤ消しブラックボードの筆記及び消字テストの結果を表す図である。
図31がツヤ消しブラックボードにおける改良後の筆記状態と消字状態である。上からコーラルピンク色、ラベンダー色、ダークパープル色、ウルトラマリン色、ネイビー色、エメラルドグリーン色、ダークグリーン色、ダークイエロー色、スモーキーブラウン色、ダークブラウン色、グレー色、黒(ブラック)色の順で筆記されている。
また、消字テストにおいて、ティッシュペーパーに水を含ませて上記筆記した水性クレヨンを拭き取ったところ、問題なく消字することができた。
次に、新色クレヨンを用いたツヤありブラックボードの筆記及び消字テストについて図32を参照しながら説明する。図32は、新色クレヨンによるツヤありブラックボードの筆記及び消字テストの結果を表す図である。色の筆記(配置)順は、図31と同じである。
図32がツヤありブラックボードにおける改良後の筆記状態と消字状態である。図32に示すように、改良後は、色のノリが全体的によくなり、また、塗ったときの質感も滑らかになった。
図32の画像では、拭き取り跡が残っているが、問題なく消字できた。
本クレヨンによれば、展色材としての固形ワックスと、添加剤としての界面活性剤と、顔料としての体質顔料及び着色顔料とから成り、体質顔料にはタルクを用い、体質顔料より固形ワックスの含有量を多くしたものとしているので、ツヤ消しのブラックボード及びツヤありのブラックボードの両方に容易に書くことができ、更に水に溶かして消すことができる効果がある。
Claims (4)
- 展色材としての固形ワックスと、添加剤としての界面活性剤と、体質顔料と、着色顔料とから成り、
前記体質顔料にはタルクを用い、
前記固形ワックスの含有量を最も多くし、前記固形ワックスより前記体質顔料と前記着色顔料とを合わせた顔料の含有量を多くし、
前記顔料の含有量と前記固形ワックスの含有量の差分を、前記固形ワックスの含有量と前記界面活性剤の含有量の差分より多くしたことを特徴とする水性クレヨン。 - 体質顔料を23重量%以上35重量%以下としたことを特徴とする請求項1記載の水性クレヨン。
- 界面活性剤を20重量%以上28重量%以下としたことを特徴とする請求項1又は2記載の水性クレヨン。
- 固形ワックスを28重量%以上36重量%未満としたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の水性クレヨン。
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