JPH07216288A

JPH07216288A - 水性クレヨンの材料

Info

Publication number: JPH07216288A
Application number: JP2466994A
Authority: JP
Inventors: Jobai Tei; 丞貝鄭
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1994-01-12
Filing date: 1994-01-12
Publication date: 1995-08-15

Abstract

(57)【要約】【目的】製品を用い、布や壁面、あるいはガラスなど
の光沢性のある表面へ塗付けても、簡単に拭き取ること
ができ、またかびや悪臭などの従来の周知の欠点を解消
し、同時に製品が完全に無毒で、廃棄後も、水に完全に
溶解し、汚染源とならず、生産過程中にでる廃水によっ
ても環境や水源の汚染を引き起こさない水性クレヨンの
材料を提供すること。【構成】常温で固形状の顔料、常温でペースト状のポ
リオキシエチレンノニルフェニルエーテル、常温でペー
スト状のソルビトンモノステアリン酸、常温で固形状の
ステアリン酸、常温で固形状のポリエチレングリコー
ル、常温で固形状のろう、常温で固形状のカオリン、あ
るいは常温で固形状の炭酸カルシウム、或いは常温で固
形状のタルク粉から構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は水性クレヨンの材料に関
し、特に水性で、クレヨンや色鉛筆の芯等の製品とする
ことができて衣料や壁面、あるいはガラスのような光沢
面に描いても水で簡単に拭き取ることができ、主に、顔
料、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ソル
ビトンモノステアリン酸、ステアリン酸、ポリエチレン
グリコール、ろう、及び、カオリン、から組成し、その
うちポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルとソル
ビトンモノステアリン酸はそれぞれ安定剤及び界面活性
剤として用いることを特徴とする、水性クレヨンの材料
に関する。

【０００２】

【従来の技術】水性クレヨン材料は、通常クレヨン製品
として市場で見られ、衣料や壁面についても水で簡単に
拭き取れると宣伝さわれいる。但し、実際の効果は消費
者の満足がいくものではない。例えば米国特許Ｎｏ．４
９７８３９０に見られる材料はポリエチレングリコール
樹脂、水溶性活性剤、顔料、少なくとも１種の相容性の
粘性添加剤、相容性の可塑剤、泡止め剤、不活性充填剤
を含む。そのうちポリエチレングリコールの分子量は１
００００以上であり、その分子量が高くなるほど、溶解
度及び流動性が低くなり、溶解に必要とする加熱温度は
高くなる。また着色性は比較的不均一となる。さらに、
消費者の皮膚、呼吸のアレルギーを形成したり、生産過
程において排出される廃水も環境及び水資源の汚染を発
生した。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、本発
明の材料を用いた製品を、布や壁面、あるいはガラスな
どの光沢性のある表面へ塗布けても、簡単に拭き取るこ
とができる、水性クレヨンの材料を提供することであ
る。

【０００４】本発明の次の課題は、かびや悪臭などの従
来の周知の欠点を解消し、同時に製品が完全に無毒で、
廃棄後も、水に完全に溶解し、汚染源とならず、生産過
程中にでる廃水によっても環境や水源の汚染を引き起こ
さない水性クレヨンの材料を提供することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、以下の成分よ
りなる水性クレヨンの材料を提供する。（イ）常温で固形状の顔料。（ロ）常温でペースト状のポリオキシエチレンノニルフ
ェニルエーテル（ｐｏｌｙｏｘｙｅｔｈｙｌｅｎｅｎ
ｏｎｙｌｐｈｅｎｙｌｅｔｈｅｒ）。（ハ）常温でペースト状のソルビトンモノステアリン酸
（ｓｏｒｂｉｔｎｍｏｎｏｓｔｅａｒａｔｅ）。（ニ）常温で固形状のステアリン酸（ｓｔｅａｒｉｃ
ａｃｉｄ）（ホ）常温で固形状のポリエチレングリコール（ｐｏｌ
ｙｅｔｈｙｌｅｎｅｇｌｙｃｏｌ）。（ヘ）常温で固形状のろう。（ト）常温で固形状のカオリン、あるいは常温で固形状
の炭酸カルシウム、或いは常温で固形状のタルク粉

【０００６】本発明の水性クレヨンの材料の成分におい
ては水を溶剤として使用せず、直接加熱溶解方式を利用
する。顔料は成分中で通常２．２重量％添加する。顔料
を多く加え過ぎると、クレヨン材料の粘度が高くなりす
ぎ、書きにくくなる。同時に拭き取りにくくなる。また
顔料の添加量が少なすぎる場合は、筆跡の濃度が薄くな
りすぎ、実用性を有さない。

【０００７】本発明の材料の成分中、顔料分散剤及びス
アテアリン酸安定剤であるポリオキシエチレンノニルフ
ェニルエーテルは、常温でペースト状であり、乳白色を
呈し、材料中３重量％含まれる。このポリオキシエチレ
ンノニルフェニルエーテルを使用する目的の一つは、補
助性の乳化剤として、材料の水溶性をさらに高め、完全
に拭き取ることができ、かつ環境を汚染しないことであ
る。

【０００８】本発明のクレヨン材料中の界面活性剤であ
る、ソルビトンモノステアリン酸は常温で固形のペース
ト状であり、植物性のステアリン酸であり、成分中１重
量％含まれる。これはまた同様に補助性の乳化剤でもあ
り、その作用によりその他の材料の分散をさらに均等に
行い、さらに拭き取りやすくする。

【０００９】本発明のクレヨン材料中に含まれるステア
リン酸は、動物性のものとしても、植物性のものとして
もよいが、植物性のものの方が比較的よい。

【００１０】本発明のクレヨン材料は、ステアリン酸を
主要原料とし、材料中の３８．８重量％を占める。比較
的多いステアリン酸を添加すると、製品にかびが生える
現象が発生するが、本発明では少量のポリオキシエチレ
ンノニルフェニルエーテルを使用することで、ステアリ
ン酸を安定させる効果を得ることができ、製品にかびが
生えることや、悪臭を防ぐ。

【００１１】本発明のクレヨン材料中のポリエチレング
リコールは、材料の２５．５重量％を占め、分子量は４
０００とする。ポリエチレングリコールの分子量が４０
００であるとき、溶解温度は９５℃であり、１００００
の時は１２０℃である。このように分子量が大きくなる
ほど加熱溶解温度は高くなり、かつ稠密庶は高くなり攪
拌しにくくなる。またその着色性も劣ってくるため、容
易に着色不均一の現象が発生する。ポリエチレングリコ
ールの分子量が４０００のとき、その加工性は最も良
く、汚染の程度を低くすることができる。

【００１２】本発明のクレヨン材料中で使用するろう
は、材料の４重量％を占める。このろうは、パラフィン
あるいは酸化オレフィンろう（ｏｘｉｄｉｚｅｄｏｌ
ｅｆｉｎｗａｘ）類を使用してもよい。

【００１３】本発明のクレヨン材料中で使用するカオリ
ンは、材料の２５．５重量％とし、またこれを炭酸カル
シウムあるいはタルク粉に代えてもよい。しかしカオリ
ンの遮蔽力は、炭酸カルシウムより優れており、着色力
はタルク粉より優れているため、カオリンを使用するの
が比較的よい。以上のカオリン、炭酸カルシウム、ある
いはタルク粉はいずれも本発明における充填剤あるいは
基本材料として用いることができる。

【００１４】

【作用】本発明では、ポリエチレングリコールの分子量
を４０００にまで低くしたときに加工性が極めて良いこ
とに着目し、これにステアリン酸、カオリン、ろう、顔
料、安定剤としてのポリオキシエチレンノニルフェニル
エーテル、界面活性剤としての植物性ステアリン酸−ソ
ルビトンモノステアリン酸を配合し、これにより極めて
良好な水洗効果を製品に付加することができる。

【００１５】本発明人は、ろうを構成材料の基本原料と
し、これを重量比でろう５６．６％、ポリビニルろう
（ｐｏｌｙｖｉｎｙｌｗａｘ）８％、ポリオキシエチ
レンノニルフェニルエーテル１６％、粘土１６％、顔料
３．４％から組成する試みを行った。この製品は完全に
「水性」である要求を満たすばかりでなく、布あるいは
壁面に塗り付けた後、水を用いずにこれをから拭きで完
全に拭き取ることができた。

【００１６】さらに、ステアリン酸をろうの代わりに主
原料としたところ、「水性」である状況は甚だしく改善
された。しかし、一週間経過した時、製品にかびが生え
る現象が発生した。これは、ステアリン酸とその他の材
料に相容性の差が原因であるらしかった。

【００１７】本発明人は、材料中において、分子量４０
００のポリエチレングリコールを添加し、ステアリン酸
を安定する効果を得ることに成功した。このステアリン
酸は、発生する工業汚染の程度が比較的低く、また単価
が安く、ろうに代わって主原料とし、ポリエチレンの使
用料を減少することで工場での製造過程で排出される廃
水による環境や水源の汚染を引き起こさない。さらに消
費者が製品を使用した残りを廃棄する場合も、水に完全
に溶解し、汚染源となることがない。

【００１８】

【実施例】以下具体的な実施例を挙げるが、本発明はこ
の実施例に限られるものではない。なお、実施例中の％
は重量％を示す。

【００１９】クレヨン材料１顔料２．２％ステアリン酸３８．８％カオリン、炭酸カルシウム、或いはタルク粉２５．５％ポリエチレングリコール２５．５％ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル３％ろう４％ソルビトンモノステアリン酸１％なお、比較例として、以下の成分組成よりなるクレヨン
材料をつくった。クレヨン材料２ろう５６．６％ポリビニルろう８％ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル１６％粘土１６％顔料３．４％

【００２０】以上の成分による２種の材料をエナメル製
の非吸水性の平面に塗り付け、５分後に軽く湿った布で
拭き、拭き取り後、拭き取り性（初期拭き取り性）を調
べる。さらに温度２５℃、相対温度６０％で１５日放置
した後、同一痕跡拭き取り性（経時拭き取り性）を調べ
る。結果は以下の表１に示す通りである。なお、評価は
極めて良いが◎、良好が○、わずかに劣る△、劣る×の
４段階で行った。

【表１】

【００２１】

【発明の効果】本発明の材料によるクレヨン等の製品
は、最良の水洗効果を得ることができ、布や壁面、ある
いはガラスなどの光沢性のある表面へ塗布した後、簡単
に水拭きで拭き取ることができる。

【００２２】また、本発明は、植物性ステアリン酸をろ
うの代わりに主要原料とし、並びに少量のポリオキシエ
チレンノニルフェニルエーテルを安定剤として用いるこ
とで、かびや悪臭などの従来の周知の欠点を解消し、同
時に製品が完全に無毒で、消費者、特に児童が使用時に
顔面や口部に付けても中毒現象を発生せず、さらに製品
の使用後に廃棄しても、その極めて良好な水溶性によ
り、水に完全に溶解し、汚染源とならず、また完全に無
毒性であり、生産過程中にでる廃水がみぞ流される、或
いは土壌にしみ入っても環境や水源の汚染を引き起こさ
ず、環境保護基準の要求に符合する。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】以下の成分よりなる水性クレヨンの材
料。（イ）常温で固形状の顔料。（ロ）常温でペースト状のポリオキシエチレンノニルフ
ェニルエーテル（ｐｏｌｙｏｘｙｅｔｈｙｌｅｎｅｎ
ｏｎｙｌｐｈｅｎｙｌｅｔｈｅｒ）。（ハ）常温でペースト状のソルビトンモノステアリン酸
（ｓｏｒｂｉｔｎｍｏｎｏｓｔｅａｒａｔｅ）。（ニ）常温で固形状のステアリン酸（ｓｔｅａｒｉｃ
ａｃｉｄ）（ホ）常温で固形状のポリエチレングリコール（ｐｏｌ
ｙｅｔｈｙｌｅｎｅｇｌｙｃｏｌ）。（ヘ）常温で固形状のろう。（ト）常温で固形状のカオリン、あるいは常温で固形状
の炭酸カルシウム、或いは常温で固形状のタルク粉。
【請求項２】ポリエチレングリコールの分子量は４０
００とする、請求項１に記載の水性クレヨンの材料。
【請求項３】２５．５重量％の安定剤を含む、請求項
１に記載の水性クレヨンの材料。
【請求項４】安定剤はポリオキシエチレンノニルフェ
ニルエーテルとする請求項３に記載の水性クレヨンの材
料。
【請求項５】２５．５重量％の分散剤を含む、請求項
１に記載の水性クレヨンの材料。
【請求項６】分散剤は、ポリオキシエチレンノニルフ
ェニルエーテルとする、請求項５に記載の水性クレヨン
の材料。
【請求項７】１重量％の界面活性剤を含む、請求項３
に記載の水性クレヨンの材料。
【請求項８】界面活性剤は、ソルビトンモノステアリ
ン酸とする、請求項７に記載の水性クレヨンの材料。
【請求項９】２５．５重量％の充填剤を含む、請求項
１に記載の水性クレヨンの材料。
【請求項１０】充填剤は、カオリン、炭酸カルシウム
及びタルク粉から選ぶ、請求項３に記載の水性クレヨン
の材料。