JP2005206583A - フッ化物イオン含有アルキル置換イミダゾリウム塩の製造方法 - Google Patents

フッ化物イオン含有アルキル置換イミダゾリウム塩の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005206583A
JP2005206583A JP2004350939A JP2004350939A JP2005206583A JP 2005206583 A JP2005206583 A JP 2005206583A JP 2004350939 A JP2004350939 A JP 2004350939A JP 2004350939 A JP2004350939 A JP 2004350939A JP 2005206583 A JP2005206583 A JP 2005206583A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluoride
group
alkyl
substituted
imidazolium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004350939A
Other languages
English (en)
Inventor
Koju Hagitani
弘寿 萩谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP2004350939A priority Critical patent/JP2005206583A/ja
Publication of JP2005206583A publication Critical patent/JP2005206583A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

【課題】
工業的に有利なフッ化物イオン含有アルキル置換イミダゾリウム塩の製造方法を提供すること。
【解決手段】
式(1)
【化1】
Figure 2005206583

(式中、RおよびRは、それぞれ同一または相異なって、置換されていてもよいアルキル基を表し、R、RおよびRはそれぞれ同一または相異なって、水素原子または置換されていてもよいアルキル基を表す。)
で示されるアルキル置換イミダゾリウムクロライドとフッ化銀とを作用させることを特徴とする式(2)
【化2】
Figure 2005206583

(式中、R、R、R、RおよびRは上記と同じ意味を表す。また、0<x≦1である。)
で示されるフッ化物イオン含有アルキル置換イミダゾリウム塩の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、フッ化物イオン含有アルキル置換イミダゾリウム塩の製造方法に関する。
フッ化物イオン含有アルキル置換イミダゾリウム塩は、フッ素化剤や電解質原料として重要な化合物である。かかるフッ化物イオン含有アルキル置換イミダゾリウム塩の合成方法としては、例えばアルキル置換イミダゾリウムクロライドとフッ化水素とを反応させる方法(例えば、非特許文献1参照。)あるいはアルキル置換イミダゾリウム炭酸塩とフッ化アンモニウムとを反応させる方法(例えば、特許文献1参照。)などが知られている。しかしながら、前者の方法では腐食性および毒性の高いフッ化水素を用いており、また、後者の方法は収率が低く、工業的な方法としては更なる改善が望まれていた。
特開2003−335734号公報 J.Fluorine.Chem.,99,1(1999)
このような状況の下、本発明者は、さらに工業的に有利なフッ化物イオン含有アルキル置換イミダゾリウム塩の製造方法を開発すべく鋭意検討したところ、アルキル置換イミダゾリウムクロライドにフッ化銀を作用させることにより、容易に、高収率でフッ化物イオン含有アルキル置換イミダゾリウム塩を製造できることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、式(1)
Figure 2005206583
(式中、RおよびRは、それぞれ同一または相異なって、置換されていてもよいアルキル基を表し、R、RおよびRはそれぞれ同一または相異なって、水素原子または置換されていてもよいアルキル基を表す。)
で示されるアルキル置換イミダゾリウムクロライドとフッ化銀とを作用させることを特徴とする式(2)
Figure 2005206583
(式中、R、R、R、RおよびRは上記と同じ意味を表す。また、0<x≦1である。)
で示されるフッ化物イオン含有アルキル置換イミダゾリウム塩の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、腐食性、毒性の高いフッ化水素を用いることなく、入手性の高いアルキル置換イミダゾリウムクロライドから容易に高収率で、フッ素化剤や電解質原料等として重要なフッ化物イオン含有アルキル置換イミダゾリウム塩を製造することができる点において、工業的に有用である。
以下、本発明を詳細に説明する。
式(1)で示されるアルキル置換イミダゾリウムクロライド(以下、アルキル置換イミダゾリウムクロライド(1)と略記する。)において、式中、RおよびRは、それぞれ同一または相異なって、置換されていてもよいアルキル基を表し、R、RおよびRはそれぞれ同一または相異なって、水素原子または置換されていてもよいアルキル基を表す。
ここでアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−デシル基、シクロプロピル基、2,2−ジメチルシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メンチル基等の直鎖状、分枝鎖状または環状の炭素数1〜20のアルキル基が挙げられる。かかるアルキル基は、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、トリフルオロメトキシ基等の炭素数1〜20の置換されていてもよいアルコキシ基;例えばフェニル基、4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基などの炭素数6〜20の置換されていてもよいアリール基;例えばフェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、3−フェノキシフェノキシ基等の炭素数6〜20の置換されていてもよいアリールオキシ基;例えばベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、4−メトキシベンジルオキシ基、3−フェノキシベンジルオキシ基等の炭素数7〜20の置換されていてもよいアラルキルオキシ基;例えばフッ素原子;例えばアセチル基、エチルカルボニル基等の炭素数2〜20の置換されていてもよいアルキルカルボニル基;例えばベンゾイル基、2−メチルベンゾイル基、4−メチルベンゾイル基、4−メトキシベンゾイル基等の炭素数7〜20の置換されていてもよいアリールカルボニル基;例えばベンジルカルボニル基、4−メチルベンジルカルボニル基、4−メトキシベンジルカルボニル基等の炭素数8〜20の置換されていてもよいアラルキルカルボニル基;例えばカルボキシ基;などで置換されていてもよく、かかる置換基で置換されたアルキル基としては、例えばフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、メトキシエチル基等が挙げられる。
かかるアルキル置換イミダゾリウムクロライド(1)としては、例えば1,3−ジメチルイミダゾリウムクロライド、1,2,3−トリメチルイミダゾリウムクロライド、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウムクロライド、1,2,3,4,5−ペンタメチルイミダゾリウムクロライド、1−メチル−3−エチルイミダゾリウムクロライド、1,2−ジメチル−3−エチルイミダゾリウムクロライド、1,3−ジエチルイミダゾリウムクロライド、1−メチル−3−(n−プロピル)イミダゾリウムクロライド、1−メチル−3−(n−ブチル)イミダゾリウムクロライド、1,2−ジメチル−3−(n−ブチル)イミダゾリウムクロライド、1−メチル−3−(n−ペンチル)イミダゾリウムクロライド、1−メチル−3−(n−ヘキシル)イミダゾリウムクロライド、1−メチル−3−(n−オクチル)イミダゾリウムクロライド、1,3−ジメチル−2−エチルイミダゾリウムクロライド、1,3−ジメチル−2−(n−プロピル)イミダゾリウムクロライド、1,3−ジメチル−2−(n−ブチル)イミダゾリウムクロライド、1−ドデシル−2−メチル−3−ドデシルイミダゾリウムクロライド、1−ドデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウムクロライド、1−エトシキシメチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、1−メチル−3−(メトキシエトキシメチル)イミダゾリウムクロライド、1−トリフルオロメチル−3−メチルイミダゾリウムクロライドなどが挙げられる。これらは、例えば水や極性不活性溶媒等と錯体を形成していても良い。
かかるアルキル置換イミダゾリウムクロライド(1)は、例えば置換イミダゾール化合物とアルキルクロライドとの反応(例えば、Tetrahedron,59,2253(2003)参照。)等の公知の方法に準じて製造することができる。
アルキル置換イミダゾリウムクロライド(1)とフッ化銀とを作用させることにより、式(2)で示されるフッ化物イオン含有アルキル置換イミダゾリウム塩(以下、フッ化物イオン含有アルキル置換イミダゾリウム塩(2)と略記する。)が得られる。
フッ化銀には1価のものと2価のものがあり、どちらも使用することができるが、好ましくは1価のフッ化銀が用いられる。また、1価のフッ化銀としてはフッ化銀(I)と亜フッ化銀の2種類が挙げられるが、コスト面からより好ましくはフッ化銀(I)が用いられる。
フッ化銀の使用量は、式(2)において0<x≦1の範囲でxが所望の値となるように適宜調整して用いることができる。例えば、フッ化物イオン含有アルキル置換イミダゾリウム塩(2)としてx=1のアルキル置換イミダゾリウムフルオライドを所望の場合は、アルキル置換イミダゾリウムクロライド(1)に対して、フッ化銀を1モル倍以上用いれば目的を達成することができ、通常は1〜2モル倍の範囲であり、経済的な理由から好ましくは1.0〜1.1モル倍程度の範囲である。
本反応は通常、有機溶媒もしくは水またはそれらの混合溶媒の存在下において実施するが、溶媒を用いることなく実施してもよい。
有機溶媒としては、例えばメチルtert−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル溶媒;例えばアセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル溶媒;例えばジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド溶媒;スルホラン、ジメチルスルフォキシドなどの含イオウ溶媒;などが挙げられる。
溶媒の使用量は特に制限されないが、容積効率等を考慮すると、アルキル置換イミダゾリウムクロライド(1)に対して、通常100重量倍以下程度である。
反応温度があまり低いと反応が進行しにくく、また反応温度があまり高いと原料や生成物の分解等副反応が進行する恐れがあるため、実用的な反応温度は、通常−20〜200℃程度の範囲である。
反応試剤の混合順は特に制限されず、例えば反応温度条件下のアルキル置換イミダゾリウムクロライド(1)を含む溶液中にフッ化銀を添加してもよいし、その逆でもよい。また、両試剤および溶媒を同時に混合してから反応温度を調整してもよい。
本反応は、常圧条件下で実施してもよいし、加圧条件下で実施してもよい。
反応終了後は通常、イオン交換で生成した塩化銀が系中で沈殿するので、これをろ過またはデカンテーション等、通常の方法を用いて除去した後、得られた溶液を濃縮処理することにより、フッ化物イオン含有アルキル置換イミダゾリウム塩(2)を取り出すことができる。取り出したフッ化物イオン含有アルキル置換イミダゾリウム塩(2)は、例えば晶析、カラムクロマトグラフィ等の手段によりさらに精製してもよい。
反応の終点は、例えばイオンクロマトグラフィー等の通常の分析方法により確認してもよいが、塩化銀が沈殿する場合には、その沈殿の増加が見られなくなった時点を終点としてもよい。
かくして得られるフッ化物イオン含有アルキル置換イミダゾリウム塩(2)としては、x=1の場合、例えば1,3−ジメチルイミダゾリウムフルオライド、1,2,3−トリメチルイミダゾリウムフルオライド、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウムフルオライド、1,2,3,4,5−ペンタメチルイミダゾリウムフルオライド、1−メチル−3−エチルイミダゾリウムフルオライド、1,2−ジメチル−3−エチルイミダゾリウムフルオライド、1,3−ジエチルイミダゾリウムフルオライド、1−メチル−3−(n−プロピル)イミダゾリウムフルオライド、1−メチル−3−(n−ブチル)イミダゾリウムフルオライド、1,2−ジメチル−3−(n−ブチル)イミダゾリウムフルオライド、1−メチル−3−(n−ペンチル)イミダゾリウムフルオライド、1−メチル−3−(n−ヘキシル)イミダゾリウムフルオライド、1−メチル−3−(n−オクチル)イミダゾリウムフルオライド、1,3−ジメチル−2−エチルイミダゾリウムフルオライド、1,3−ジメチル−2−(n−プロピル)イミダゾリウムフルオライド、1,3−ジメチル−2−(n−ブチル)イミダゾリウムフルオライド、1−ドデシル−2−メチル−3−ドデシルイミダゾリウムフルオライド、1−ドデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウムフルオライド、1−エトシキシメチル−3−メチルイミダゾリウムフルオライド、1−メチル−3−(メトキシエトキシメチル)イミダゾリウムフルオライド、1−トリフルオロメチル−3−メチルイミダゾリウムフルオライド等のアルキル置換イミダゾリウムフルオライドが挙げられる。
また、0<x<1の場合、フッ化物イオンと塩化物イオンとの混合アニオンと、例えば1,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1,2,3−トリメチルイミダゾリウムカチオン、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウムカチオン、1,2,3,4,5−ペンタメチルイミダゾリウムカチオン、1−メチル−3−エチルイミダゾリウムカチオン、1,2−ジメチル−3−エチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジエチルイミダゾリウムカチオン、1−メチル−3−(n−プロピル)イミダゾリウムカチオン、1−メチル−3−(n−ブチル)イミダゾリウムカチオン、1,2−ジメチル−3−(n−ブチル)イミダゾリウムカチオン、1−メチル−3−(n−ペンチル)イミダゾリウムカチオン、1−メチル−3−(n−ヘキシル)イミダゾリウムカチオン、1,3−ジメチル−2−エチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジメチル−2−(n−プロピル)イミダゾリウムカチオン、1,3−ジメチル−2−(n−ブチル)イミダゾリウムカチオン、1−ドデシル−2−メチル−3−ドデシルイミダゾリウムカチオン、1−エトシキシメチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−トリフルオロメチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−(n−ドデシル)−2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウムカチオン等のアルキル置換イミダゾリウムカチオンとからなるフッ化物イオン含有アルキル置換イミダゾリウム塩が挙げられる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
実施例1
3角フラスコに、1−メチル−3−(n−ブチル)イミダゾリウムクロライド22gと水200gを仕込み、溶解させた。別の3角フラスコに、フッ化銀(I)16.1gと水120gを仕込み、溶解させた後、2つの水溶液を25℃で混合し、同温度で30分攪拌を続けた。反応後に析出した結晶を濾過し、結晶を水洗した。得られた濾液と洗液を合一して濃縮し、無色オイル24.5gを得た。このオイルは、室温で放置すると結晶化した。元素分析の結果、得られた結晶は1−メチル−3−(n−ブチル)イミダゾリウムフルオライドの2水和物と同定された。
収率:100%。
元素分析値: C:49.5、H:9.9、N:14.5、F:9.2
計算値 : C:49.5、H:9.9、N:14.4、F:9.8
1H−NMR(δppm、DMSO−d6、TMS基準):0.90(t、3H)、
1.25(m、2H)、1.72(m、2H)、3.88(s、3H)、
4.19(t、2H)、7.79(d、2H)、10.1(bs、1H)
実施例2
3角フラスコに、1−メチル−3−エチルイミダゾリウムクロライド5.2gと水50gを仕込み、溶解させた。別の3角フラスコにフッ化銀(I)4.54gと水50gを仕込み、溶解させた後、2つの水溶液を25℃で混合し、同温度で30分攪拌を続けた。反応後に析出した結晶を濾過し、結晶を水洗した。得られた濾液と洗液を合一して濃縮し、無色オイル6.4gを得た。元素分析の結果、得られたオイルは1−メチル−3−エチルイミダゾリウムフルオライドの3水和物と同定された。
収率:98%。
元素分析値: C:39.5、H:9.5、N:15.5、F:11.1
計算値 : C:39.1、H:9.3、N:15.2、F:10.3
1H−NMR(δppm、DMSO−d6、TMS基準):1.41(t、3H)、
3.84(s、3H)、4.18(q、2H)、7.80(d、2H)、
10.3(bs、1H)
実施例3
3角フラスコに、1−メチル−3−(n−ヘキシル)イミダゾリウムクロライド5.0gと水50gを仕込み、溶解させた。別の3角フラスコにフッ化銀(I)3.1gと水50gを仕込み、溶解させた後、2つの水溶液を25℃で混合し、同温度で30分攪拌を続けた。反応後に析出した結晶を濾過し、結晶を水洗した。得られた濾液と洗液を合一して濃縮し、無色オイル5.4gを得た。元素分析の結果、得られたオイルは1−メチル−3−(n−ヘキシル)イミダゾリウムフルオライドの2水和物と同定された。
収率:99%。
元素分析値: C:54.4、H:11.0、N:12.7、F:8.3
計算値 : C:54.0、H:10.4、N:12.6、F:8.5
1H−NMR(δppm、DMSO−d6、TMS基準):0.90(m、3H)、
1.29(m、6H)、1.78(m、2H)、3.89(s、3H)、
4.18(q、2H)、7.82(d、2H)、10(bs、1H)
実施例4
3角フラスコに、1−メチル−3−(n−オクチル)イミダゾリウムクロライド5.0gと水50gを仕込み、溶解させた。別の3角フラスコにフッ化銀(I)2.74gと水50gを仕込み、溶解させた後、2つの水溶液を25℃で混合し、同温度で30分攪拌を続けた。反応後に析出した結晶を濾過し、結晶を水洗した。得られた濾液と洗液を合一して濃縮し、無色オイル5.8gを得た。元素分析の結果、得られたオイルは1−メチル−3−(n−オクチル)イミダゾリウムフルオライドの3水和物と同定された。
収率:100%。
元素分析値: C:53.6、H:10.8、N:10.1、F:6.7
計算値 : C:53.6、H:11.0、N:10.4、F:7.1
1H−NMR(δppm、DMSO−d6、TMS基準):0.86(m、3H)、
1.20(m、10H)、1.77(m、2H)、3.89(s、3H)、
4.16(q、2H)、7.80(d、2H)、10(bs、1H)
実施例5
3角フラスコに、1−メチル−3−(n−ブチル)イミダゾリウムクロライド5.0gと水50gを仕込み、溶解させた。別の3角フラスコに、フッ化銀(I)1.72gと水30gを仕込み、溶解させた後、2つの水溶液を25℃で混合し、同温度で30分攪拌を続けた。反応後に析出した結晶を濾過し、結晶を水洗した。得られた濾液と洗液を合一して濃縮し、無色オイル5.8gを得た。このオイルは、0℃でも液体であった。元素分析の結果、得られたオイルはフッ化物イオン47.5モル%、塩化物イオン52.5モル%の混合アニオンと1−メチル−3−n−ブチルイミダゾリウムカチオンとからなる塩の2水和物と同定された。
収率:100%。
元素分析値: C:48.2、H:9.5、N:14.1、F:4.6、Cl:9.5
計算値 : C:47.4、H:9.5、N:13.8、F:4.5、Cl:9.2
1H−NMR(δppm、DMSO−d6、TMS基準):0.88(t、3H)、
1.25(m、2H)、1.78(m、2H)、3.90(s、3H)、
4.19(t、2H)、7.85(d、2H)、10.0(bs、1H)
実施例6
3角フラスコに、1−メチル−3−(n−ブチル)イミダゾリウムクロライド5.0gと水50gを仕込み、溶解させた。別の3角フラスコに、フッ化銀(I)3.0gと水 30gを仕込み、溶解させた後、2つの水溶液を25℃で混合し、同温度で30分攪拌を続けた。反応後に析出した結晶を濾過し、結晶を水洗した。得られた濾液と洗液を合一して濃縮し、無色オイル5.6gを得た。このオイルは、室温では一部が結晶化した。元素分析の結果、得られたオイルはフッ化物イオン83モル%、塩化物イオン17モル%の混合アニオンと1−メチル−3−n−ブチルイミダゾリウムカチオンとからなる塩の2水和物と同定された。
収率:99%。
元素分析値: C:47.3、H:9.8、N:13.8、F:8.1、Cl:3.1
計算値 : C:48.7、H:9.7、N:14.2、F:8.0、Cl:3.1
1H−NMR(δppm、DMSO−d6、TMS基準):0.88(t、3H)、
1.20(m、2H)、1.75(m、2H)、3.88(s、3H)、
4.19(t、2H)、7.85(d、2H)、9.85(s、1H)
実施例7
3角フラスコに、1−メチル−3−(メトキシエトキシメチル)イミダゾリウムクロライド12.0gと水50gを仕込み、溶解させた。別の3角フラスコに、フッ化銀(I)5.33gと水30gを仕込み、溶解させた後、2つの水溶液を25℃で混合し、同温度で30分攪拌を続けた。反応後に析出した結晶を濾過し、結晶を水洗した。得られた濾液と洗液を合一して濃縮し、無色オイル12.6gを得た。このオイルは、室温では一部が結晶化した。元素分析の結果、得られたオイルはフッ化物イオン61モル%、塩化物イオン39モル%の混合アニオンと1−メチル−3−(メトキシエトキシメチル)イミダゾリウムカチオンとからなる塩の1.3水和物と同定された。
収率:99%。
元素分析値: C:42.7、H:8.0、N:12.6、F:5.8、Cl:6.9
計算値 : C:43.6、H:8.0、N:12.7、F:5.3、Cl:6.3
1H−NMR(δppm、DMSO−d6、TMS基準):3.19(s、3H)、
3.44(m、2H)、3.67(m、2H)、3.97(s、3H)、
5.69(s、2H)、7.95(d、2H)、10.1(bs、1H)
参考例1(フッ化物イオン含有アルキル置換イミダゾリウム塩(2)のフッ素化剤としての使用)
還流冷却管を付した50mLフラスコに、実施例1で合成した1−メチル−3−(n−ブチル)イミダゾリウムフルオライド・2水和物500mgとパラトルエンスルホン酸n−オクチル284mgを仕込み、150℃で3時間攪拌した。室温まで冷却後、酢酸エチル5gを加えて攪拌・静置すると2層に分離した。その上層をガスクロマトグラフィー(内部標準法)にて分析したところ、主生成物は1−フルオロオクタンであった。
収率:98%。1−クロロオクタンは検出されなかった。
参考例2(フッ化物イオン含有アルキル置換イミダゾリウム塩(2)のフッ素化剤としての使用)
還流冷却管を付した50mLフラスコに、実施例3で合成したフッ化物イオン含有アルキル置換イミダゾリウム塩(2)640mgとベンジルクロライド254mgを仕込み、80℃で3時間攪拌した。室温まで冷却後、酢酸エチル5gを加えて攪拌・静置すると2層に分離した。その上層をガスクロマトグラフィー(内部標準法)にて分析したところ、主生成物はベンジルフルオライドであった。
収率:75%(ベンジルクロライド基準)。ベンジルクロライドが25%回収された。
フッ化物イオン含有アルキル置換イミダゾリウム塩(2)のフッ化物イオン基準での収率は100%であった。
参考例3(フッ化物イオン含有アルキル置換イミダゾリウム塩(2)のフッ素化剤としての使用)
還流冷却管を付した50mLフラスコに、実施例4で合成したフッ化物イオン含有アルキル置換イミダゾリウム塩(2)300mgとベンジルクロライド127mg、アセトニトリル500mgを仕込み、80℃で3時間攪拌した。室温まで冷却後、酢酸エチル5gを加えて攪拌・静置すると2層に分離した。その上層をガスクロマトグラフィー(内部標準法)にて分析したところ、主生成物はベンジルフルオライドであった。
収率:99%(ベンジルクロライド基準)。ベンジルクロライドが1%回収された。
フッ化物イオン含有アルキル置換イミダゾリウム塩(2)のフッ化物イオン基準での収率は79%であった。

Claims (3)

  1. 式(1)
    Figure 2005206583
    (式中、RおよびRは、それぞれ同一または相異なって、置換されていてもよいアルキル基を表し、R、RおよびRはそれぞれ同一または相異なって、水素原子または置換されていてもよいアルキル基を表す。)
    で示されるアルキル置換イミダゾリウムクロライドとフッ化銀とを作用させることを特徴とする式(2)
    Figure 2005206583
    (式中、R、R、R、RおよびRは上記と同じ意味を表す。また、0<x≦1である。)
    で示されるフッ化物イオン含有アルキル置換イミダゾリウム塩の製造方法。
  2. フッ化銀が1価のフッ化銀である請求項1に記載の製造方法。
  3. 式(1)で示されるアルキル置換イミダゾリウムクロライドに対してフッ化銀を1〜2モル倍用い、式(2)においてx=1であるアルキル置換イミダゾリウムフルオライドを得ることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
JP2004350939A 2003-12-25 2004-12-03 フッ化物イオン含有アルキル置換イミダゾリウム塩の製造方法 Pending JP2005206583A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004350939A JP2005206583A (ja) 2003-12-25 2004-12-03 フッ化物イオン含有アルキル置換イミダゾリウム塩の製造方法

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003429133 2003-12-25
JP2004350939A JP2005206583A (ja) 2003-12-25 2004-12-03 フッ化物イオン含有アルキル置換イミダゾリウム塩の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005206583A true JP2005206583A (ja) 2005-08-04

Family

ID=34914075

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004350939A Pending JP2005206583A (ja) 2003-12-25 2004-12-03 フッ化物イオン含有アルキル置換イミダゾリウム塩の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005206583A (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0977700A (ja) * 1995-09-13 1997-03-25 Asahi Chem Ind Co Ltd 含フッ素オレフィンの製造方法
JPH11116216A (ja) * 1997-10-06 1999-04-27 Central Glass Co Ltd フッ化カルボニルの製造方法
JP2003515573A (ja) * 1999-12-01 2003-05-07 ザ クイーンズ ユニバーシティ オブ ベルファスト 外界温度イオン性液体
JP2003335734A (ja) * 2002-05-15 2003-11-28 Mitsubishi Chemicals Corp 有機オニウムのフッ化物塩の製造方法、及びテトラフルオロアルミネートの有機オニウム塩の製造方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0977700A (ja) * 1995-09-13 1997-03-25 Asahi Chem Ind Co Ltd 含フッ素オレフィンの製造方法
JPH11116216A (ja) * 1997-10-06 1999-04-27 Central Glass Co Ltd フッ化カルボニルの製造方法
JP2003515573A (ja) * 1999-12-01 2003-05-07 ザ クイーンズ ユニバーシティ オブ ベルファスト 外界温度イオン性液体
JP2003335734A (ja) * 2002-05-15 2003-11-28 Mitsubishi Chemicals Corp 有機オニウムのフッ化物塩の製造方法、及びテトラフルオロアルミネートの有機オニウム塩の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6948419B2 (ja) クロマノン誘導体の新規な製造方法
KR100979460B1 (ko) 함불소알킬그룹이 치환된 이온성 액체의 직접 제조방법
US7939697B2 (en) Fluorinating agent and method for producing fluorine-containing compound using the same
US20130345435A1 (en) Preparation method of carfentrazone-ethyl
KR20100092938A (ko) 플루오로알킬기 유도체를 함유하는 겔화제
JP2004527577A5 (ja)
US7560593B2 (en) Process for producing nitroisourea derivatives
JP7311520B2 (ja) スルフェントラゾンの合成のための方法
DK2931703T3 (en) METHOD FOR PREPARING BIS (3-AMINOPHENYL) -DISULPHIDES AND 3-AMINOTHIOLS
JP2005206583A (ja) フッ化物イオン含有アルキル置換イミダゾリウム塩の製造方法
EP2141151B1 (en) Method for producing 2-haloimidazole compound
CN102171382B (zh) 2-苄基-4-(2,4-二氯苯基)-5-甲基咪唑化合物
JP4894164B2 (ja) フッ化物イオン含有アルキル置換イミダゾリウム塩の製造方法
EP3383843B1 (de) Verfahren zur herstellung von 2-alkyl-4-trifluormethyl-3-alkylsulfonylbenzoesäuren durch chemoselektive thioetheroxidation
JP2007126446A (ja) β−ヒドロキシケトン化合物の製造方法
JP2000204094A (ja) アミンボランの製造方法
JP6477187B2 (ja) 2−アミノ−6−メチルニコチン酸エステルの製造方法
JP2009013119A (ja) プロパン化合物の製造方法
JP5197063B2 (ja) 2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチルの製造方法
JP2019514931A (ja) 除草剤としてのピリジニルイミダゾロン化合物を調製するプロセス
JP4271924B2 (ja) 4−メルカプトフェノール類の製造方法
JP2009013118A (ja) アルカン化合物の製造方法
JP2959883B2 (ja) 3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの合成法
JP2007099757A (ja) シリルエーテル類の脱シリル化方法
US20230117960A1 (en) Fluorine-containing pyrimidine compound, and method for producing same

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071009

RD05 Notification of revocation of power of attorney

Effective date: 20080131

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425

RD05 Notification of revocation of power of attorney

Effective date: 20080514

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110308

A521 Written amendment

Effective date: 20110419

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110517