JP2005206006A - 鉄道車両の前頭部構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】レール近傍の障害物に衝突した際に、障害物の巻き込みを防止すると共に、排障板の先頭部が大きくに垂れ下がるのを少なくする。
【解決手段】車両前頭部に、レール近傍に存在する異物(障害物)を跳ね飛ばす排障板1を設ける。その排障板1の後方に衝撃吸収用パイプ部材5を配置する。この衝撃吸収用パイプ部材5を支持部材5,6を介して車体に固定する。排障板1は、車両前頭部において、鉛直方向に延びる面板(湾曲板)として構成し、前端部分の下端に、水平方向前方に延びるリップ部1aを設ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は、新幹線などの鉄道車両の前頭部構造に関するものである。
鉄道車両において、レール近傍の障害物(例えば100kg程度までの重量を有する障害物)を巻き込まずに脇に排障あるいは跳ね飛ばすために、車両前頭部に排障装置を設けることは一般に行われている。また、そのような排障装置は、障害物を脇に排障あるいは跳ね飛ばす際に、車体の損傷をできるだけ軽微に抑えることが要求されるので、衝突の際に、衝突エネルギーの影響を受けにくい構造とする必要がある。そのため、車両前頭部に変形しにくい物体(排障板)を配置し、緩衝装置を介して車体に接続させる構造が一般的である。
障害物を軌道外へ排除する機能が大きく軽量で車体への衝撃荷重を極力緩和した排障装置として、走行方向前方に凸に湾曲した形状を有する鋼製の排障板の両辺を横はりで連結し、前記排障板の軌道方向中心線上で排障板と横はりとの間に、中空形状のアルミニウム合金製形材を用いた構造が提案されている(例えば特許文献1参照)。
そのような排障装置は、前述したようにレール近傍の障害物を排障することが目的であり、排障板は、車体台枠の側はりに強固に固定されているので、車両前頭部の強度が高くなる。そのため、実際の鉄道車両同士の衝突を考えた場合には、衝突時の衝撃が大きくなりすぎ、場合によっては車両前頭部が破壊するより先に排障装置の後側に位置する運転室が破壊されるおそれもあり、そのような事態は乗員にとって好ましくなく、耐衝突性に劣るといえる。ここで、「耐衝突性」とは、乗員の生存区間(サバイバルゾーン)を破壊することなく、確保することができ、乗員への衝撃が緩和されることを意味する。
そこで、耐衝突性に優れる鉄道車両の排障装置を提供することを目的として、排障板の前頭部の後側に、車両前後方向に延びるエネルギー吸収要素を配設し、このエネルギー吸収要素の後端部を、エネルギー吸収要素支持装置を介して前記車体台枠に取り付ける一方、前記排障板の左右側部の上縁部を、前記エネルギー吸収要素支持装置の側方位置で前記車体台枠に支持させるものを出願人は先に提案している(例えば、特許文献2参照)。
具体的には、図14及び図15に示すように構成されている。すなわち、走行方向前方に凸に湾曲した鋼製の排障板101の左右側部の上縁部が、複数の排障板吊り金具102を介して、クラッシュゾーンSより後方で上部支持部材103に固定されている。この上部支持部材103が、車体台枠110に取り付けられている。これにより、排障板101全体が、排障板吊り金具102および上部支持部材103を有する排障板支持装置122を介して、車体台枠110に吊り下げ状態で取り付けられる。つまり、排障板101の前頭部は、車体台枠110に直接的には支持されていない。
排障板101の前頭部の後側には、後方に突出するように連結ブラケット104が設けられ、その連結ブラケット104が、車体前後方向に配置されたエネルギー吸収要素としての四角筒状の衝撃吸収用パイプ部材105(エネルギー吸収要素)の前端部に連結されている。
衝撃吸収用パイプ部材105の前端には、切り欠き部105aが上側に向けられた形で形成され、左右対称に配置される構成とされている。この切り欠き部105aが形成された衝撃吸収用パイプ部材105の前端部が、エネルギー吸収のための蛇腹変形を引き起こすトリガー部として機能する。
また、前記衝撃吸収用パイプ部材105の後端部は、車体左右方向に延びる閉断面構造の下部支持部材106に連結されている。この下部支持部材106の両端部は、それぞれ鉛直方向に配置される左右支持部材107L,107Rの下端部に連結され、左右支持部材107L,107Rの上端部は、クラッシュゾーンSより後方で、車体台枠110に締結固定されている。また、下部支持部材106の後側は、後方にかつ斜め上方に向かって延びる左右の傾斜支持部材108L,108Rを介して車体台枠110に連結されている。このようにして、衝撃吸収用パイプ部材105の後端部を支持する支持装置121が、前記支持部材106,107L,107R,108L,108Rによって構成されている。
この支持装置121の側方位置で、前述したように、排障板101の左右側部の上縁部は、排障板支持装置122(排障板吊り金具102および上部支持部材103)を介して、車体台枠110に支持されている。よって、排障板101の左右側部の上縁部が、排障板支持装置122を介して車体台枠110に取り付けられる位置は、運転室(図示せず)が設けられている位置より前方部位であり、運転室がクラッシュゾーンSより後方に位置する。よって、衝撃吸収用パイプ部材105による衝突エネルギーの吸収は、運転室より前方に離れたクラッシュゾーンSにおいて行われるので、乗員の生存区間(サバイバルゾーン)が確保されると共に、乗員への衝撃が緩和される。このように排障板101の後側に衝撃吸収用パイプ部材105を配設し、その後端部を、車体台枠110に取り付けられる支持装置121(支持部材106,107L,107R,108L,108R)に連結する構成とすることで、衝突エネルギーを吸収するための変形ストロークを長くしている。また、車両前頭部のクラッシュゾーンSより後方で、排障板支持装置121によって排障板101を支持することで、クラッシュゾーンSに、支持剛性の高い支持装置を設ける必要がなくなることおよび排障板101の拘束を緩和することになり、衝突時のピーク荷重を抑制し、良好な耐衝突性を得ることができる。
また、排障板101は、下部になるほど前方あるいは側方に位置するように傾斜する馬蹄形状とされ、前頭部の上縁部付近にほぼ直方体形状のブロック109が取り付けられ、このブロック109の前面の略鉛直下方に、排障板101の前端部の下縁部が位置するようになっている。このように、前記排障板101の前頭部の上縁部付近にほぼ直方体形状のブロック109を取り付け、ブロック109の前面の略鉛直下方に排障板101の前端部の下縁部が位置するようにしているので、車両同士の衝突の際に、排障板101の上側部分(ブロック109の前面)と下側部分(排障板101の下縁部)とが同時に衝突するようになり、衝撃吸収用パイプ部材105の前端部の角変形(ピッチング)を防ぎ、衝撃吸収用パイプ部材105の圧壊変形を安定させることができる。
特開2001−55141号公報(0009〜0014及び図1,2) 特開2003−137094号公報(0017〜0021及び図1,2)
そのようなすくい角が排障板101に設けられていると、車両同士の正面衝突時には、後述するように、排障板101及びその後方に位置する衝撃吸収用パイプ部材105が車体前後方向に変形するにしたがって排障板101が下方に垂れ下がるように排障板101の前頭部が下方に変位するので、排障板101が地面やレールに接触することで、脱線などの原因となりやすい。
さらに、前述したような排障板101は上側から見ると、馬蹄形状であるため、すくい角を付けると、三次曲面の形状となり、製作に手間がかかる。
請求項1の発明は、車両前頭部に設けられレール近傍に存在する異物を跳ね飛ばす排障板と、その排障板の後方に配置されるエネルギー吸収要素と、このエネルギー吸収要素を車体に固定する支持部材とを備える鉄道車両の前頭部構造において、前記排障板は、鉛直方向に延びる面板で構成され、前記排障板の前端部分の下端に、水平方向前方に延びるリップ部が設けられていることを特徴とする。
従来すくい角を付ける目的は、障害物をすくい上げることで、障害物の巻き込みを防止することにあるが、すくい角がなくても、請求項1の発明のようにすれば、障害物がレール近傍にある場合には、その障害物に排障板が衝突した際に、排障板の前端部分の下端に位置するリップ部上に障害物が載り、リップ部が障害物を側方に案内する役割を発揮するため、障害物を確実に側方に跳ね除けることができる。
このため、障害物の巻き込みを防止することができると共に、障害物とレールとの衝突を防止することができる。よって、レールの破壊や脱線を防ぐことができ、安全上有利である。
また、排障板にすくい角がないため、曲面が単純になり、製作が簡単になる。それに加えて、車両同士が低速走行状態で衝突した場合に、車両前頭部の圧縮破壊での垂れ下がり量が少なくなる。よって、クラッシャブルゾーンの長さを大きく確保することができるので、衝撃を緩和するための、吸収エネルギー容量を大きく設計することができ、衝撃を和らげる効果が高くなる。また、車両同士の衝突の際に、排障板の上側部分と下側部分とが同時に衝突することで、パイプ部材の前端の角変形を防ぐために、特許文献2に記載の技術では、排障板の上端にブロックを設けているが、リップ部の排障板(面板)からの突出量(リップ部の幅)を、排障板前方の前頭カバー及びその取付構造の圧縮破壊後の厚さと同程度にとることによって、同様の効果を得ることができる。
その場合に、請求項2に記載のように、前記排障板は、左右のレール位置付近まで幅方向に延びる湾曲形状の前頭部と、その前頭部の左右両端より前記左右のレールの外側まで後方に延びる左右側部とにより構成され、前記リップ部は、前記前頭部の前端部分の下端に設けられている構成とすることができる。
前頭カバーは薄板構造であるので、前後長さ1m弱の前頭カバーであれば、請求項3に記載のように、前記リップ部は、前記排障板とほぼ等しい板厚で、幅が35〜40mmである構成とすることが望ましい。
また、前述した前頭部構造において、前記排障板の前端部分の下端中央に、水平方向前方に延びるリップ部が設けられている構成に、追加のリップ部を排障板の下端より上に配置することで、正面衝突時に、リップ部が上下方向に噛み合う構成とすることができる。即ち、このように構成することで、アンチクライマーとしての機能を併せ持たせることも可能である。
以上のように、本発明は、レール近傍の障害物を、レール近傍から排除する際に排障板の前端部分の下端に位置するリップ部が、案内の役割を発揮してスムーズに障害物を側方に跳ね除けるようにしているため、障害物の巻き込みを防止することができる。それと共に、排障板を、鉛直方向に延びる面板として構成することで、車両同士の衝突の際に、排障板が垂れ下がる変形を防止できるので、排障板と軌道との衝突を防止して、脱線やレール破壊を未然に防止することができる。
以下、この発明の実施の形態を図面に沿って説明する。なお、基本的な構造は、図14及び図15に示すものと同一であるので、同一の構成要素については同一の符号を用い、その詳細な説明を省略する。
図1は本発明に係る鉄道車両の前頭部構造を示す側面図、図2は同平面図、図3は同正面図である。
図1〜図3に示すように、走行中にレール近傍の障害物を排除する排障板1は、鉛直方向に延び中央部分が前方の突出するように湾曲した面板(湾曲板)として構成される。この排障板1は、左右のレール付近まで延びる平面視ほぼ円弧形状の前頭部1Aと、その前頭部の左右両端より前記左右のレールの外側まで後方に延びる左右側部1B,1Cとにより構成される。前頭部1Aの中央位置(排障板の前端部分)の下端中央に、水平方向前方に延びるリップ部1aが設けられている。また、前頭部1Aの後側には、後方に突出する連結ブラケット104’が設けられ、その連結ブラケット104’が四角筒状の衝撃吸収用パイプ部材105(エネルギー吸収要素)の前端部に連結されている点は、連結ブラケット104’の形状が異なるものの、図14及び図15の従来装置と同様である。
排障板1の前頭部1Aの下端(排障板1の前端部分の下端中央)には、水平方向前方に延びるリップ部1aが設けられている。前記リップ部1aは、排障板1とほぼ等しい板厚で、幅が35〜40mmとされている。
このように構成すれば、障害物をレール近傍から排除する際に排障板1の前端部分の下端中央に位置するリップ部1aが、障害物を案内する役割を発揮するため、障害物をスムーズに側方に、軌道外まで跳ね飛ばすことが可能となる。このため、障害物の巻き込みを防ぎ、障害物とレールとの衝突を防止できるので、軌道(レール)の破壊を未然に防止することができる。
また、排障板1を鉛直方向に延びる湾曲板として、すくい角がない形状としているため、曲面形状が単純になり、排障板1の製作が簡単になる。しかも、このようにすくい角がない形状とすると、後述するように、鉄道車両同士の正面衝突時の圧縮破壊での垂れ下がり量が少なくなる。
よって、クラッシャブルゾーンの長さを大きく確保することができるので、衝撃を緩和するための、吸収エネルギー容量を大きく設計することができ、衝撃を和らげる効果が高い。
また、鉄道車両同士の正面衝突時において車両前頭部での、下方への垂れ下がり量が少なくなるので、万一車両同士が正面衝突しても、地面やレールに排障板1が接触することがなくなり、レールの破壊や脱線を防止することができ、安全上有利である。
なお、排障板1に必要以上に大きな衝突エネルギーが作用して、車両先頭部が圧縮破壊する場合には、排障板1が圧壊して衝突エネルギーを吸収するだけでなく、衝撃吸収用パイプ部材5の蛇腹変形によっても衝突エネルギーを吸収する。
続いて、レール近傍のLPガスボンベB(質量100kg)を、時速300km/hで、走行中に跳ね飛ばした場合のシミレーション解析の結果を、本発明構造の鉄道車両(図1〜図3参照)と従来構造の鉄道車両(図14及び図15参照)とについて、図4(a)(b)(c)〜図7(a)(b)(c)に示す。
従来構造の鉄道車両では、図6(a)〜(c)及び図7(a)〜(c)に示すように、LPガスボンベBを軌道外に排除できているが、その排除する際に、LPガスボンベBの水平方向への案内が確実でないために、軌道外に排除するまでに、LPガスボンベBがレールRに衝突することとなり、レールRを少し曲げることがわかる。
これに対し、本発明構造の鉄道車両の場合は、図4(a)〜(c)及び図5(a)〜(c)に示すように、排障板1との衝突によりLPガスボンベBは変形するが、リップ部1aが、そのLPガスボンベBを水平方向側方にスムーズに案内する役目を果たすので、LPガスボンベBは、レールRに衝突することなしに、軌道外へ排除される。これは、排障板1にLPガスボンベBが衝突した際に、LPガスボンベBが少し変形するが、その変形部分にリップ部1aが食い込み、LPガスボンベBを、レールRに衝突しないように軌道外へ案内しつつ排除するからであると推測される。
このことから、図14及び図15に示す従来構造の鉄道車両であっても、排障板101の前端部分の下端中央に、水平方向前方に延びる同様なリップ部を設けることで、LPガスボンベBを軌道外に排除する際に、LPガスボンベBがレールRに衝突するのが回避されると考えられる。
また、図8に示す、鉛直方向に延びる湾曲板として構成される排障板1(すくい角がなく、リップ部もない)のみを有する排障装置を採用した鉄道車両についても、同様なシミレーション解析を行ったところ、図9(a)〜(c)及び図10(a)〜(c)に示すように、LPガスボンベBを車体下に巻き込んでしまい、やはりレールRを曲げてしまうので、排障板の形状を変更しただけでは足らず、リップ部1aを設けたことの効果が大きいことが確認できる。
なお、図4(a)〜(c)〜図7(a)〜(c)並びに図9(a)〜(c)及び図10(a)〜(c)において、(a)(b)(c)は、それぞれ、衝突時からの経過時間Tがそれぞれ0sec,0.025sec,0.05secであるときの状態を示すものである。
また、同じ車両同士が正面衝突した際の車両前頭部の圧縮破壊量と、排障板の上下変位量(垂れ下がり量)の関係を、本発明構造の鉄道車両(図1〜図3参照)と従来構造の鉄道車両(図14及び図15参照)について、図11に示す。レール間において許容変位位置は、地面までの高さ(=−324mm)、レール位置においてはレール上面までの高さ(=−150mm)である。
従来構造の鉄道車両では、車両前頭部の圧縮圧壊量が870mm以上になると、排障板101の中央部が地面と接触し、軌道(レールR)の破壊や、脱線を生じるおそれがある。そのため、クラッシャブルゾーンを870mm以上大きくすることができない(吸収エネルギー量をこれ以上大きくすることができない)。
これに対し、本発明構造の鉄道車両では、車両前頭部の圧縮圧壊量が1050mmとなっても、まだレールRやレール間の地面と接触しないことがわかる。このため、クラッシャブルゾーンの長さを、従来装置を用いる場合に比べて大きくとることができるので、車両前頭部が圧壊されるような衝突時に、衝撃を緩和するための吸収エネルギー容量を大きくすることができる。
また、本発明構造を採用した鉄道車両(図1〜図3参照)と従来構造を採用した鉄道車両(図14及び図15参照)について、時速17.5km/hで縦壁(剛壁)に正面衝突させた時の圧縮破壊変形の様子を、図12(a)〜(c)及び図13(a)〜(c)に示す。なお、この衝突条件は、同じ車両同士が相対速度35km/hで正面衝突した場合に相当する。また、図12(a)〜(c)及び図13(a)〜(c)において、(a)(b)(c)は、それぞれ、衝突前、先頭部圧縮破壊量486mm、先頭部圧縮破壊量972mmの場合を示す。
排障板にすくい角が設けられている従来構造の場合には、車両前頭部の圧縮変形が進行すると、排障板の先頭部が大きく垂れ下がるように変形するが、鉛直方向に延びる湾曲板として構成される排障板1とする本発明構造の場合は、垂れ下がり量が少なくなることが確認される。このような相違が生ずるのは、次の理由が考えられる。従来構造のように、すくい角がある排障板の場合は、排障板の上端の長さに比べて下端の長さが長くなるので、展開形状は略U字形又はV字形となる。排障板はその展開形状の略U字形又はV字形の両端に近い部位で、台枠と結合しているために、圧縮変形が進行すると、幾何学的に下方に垂れ下がる。一方、本発明構造のように、すくい角がない排障板の場合は、排障板の展開形状は長方形となるため、幾何学的な垂れ下がりは生じない。
前記実施の形態においては、エネルギー吸収要素として、エネルギー吸収に有利である蛇腹変形を起こしやすく、重量を軽減できる点から、四角筒形状の衝撃吸収用パイプ部材を用いているが、本発明においては、それに制限されるものではなく、他の周知のエネルギー吸収要素を用いることも可能である。また、目的に応じて、衝撃吸収用パイプ部材を複数本設ける構成とすることも可能である。
本発明に係る鉄道車両の前頭部構造を示す側面図である。 同平面図である。 同平面図である。 (a)〜(c)は本発明構造を採用した鉄道車両が、レール近傍のLPガスボンベ(質量100kg)を、時速300km/hで、走行中に跳ね飛ばした場合のシミレーション解析の結果を示す模式図である。 (a)〜(c)は本発明構造を採用した鉄道車両が、レール近傍のLPガスボンベ(質量100kg)を、時速300km/hで、走行中に跳ね飛ばした場合のシミレーション解析の結果を示す模式図である。 (a)〜(c)は従来構造を採用した鉄道車両が、レール近傍のLPガスボンベ(質量100kg)を、時速300km/hで、走行中に跳ね飛ばした場合のシミレーション解析の結果を示す模式図である。 (a)〜(c)は従来構造を採用した鉄道車両が、レール近傍のLPガスボンベ(質量100kg)を、時速300km/hで、走行中に跳ね飛ばした場合のシミレーション解析の結果を示す模式図である。 本発明構造(他の実施の形態)を採用した鉄道車両を示す、図1と同様の図である。 (a)〜(c)は本発明構造(他の実施の形態)を採用した鉄道車両が、レール近傍のLPガスボンベ(質量100kg)を、時速300km/hで、走行中に跳ね飛ばした場合のシミレーション解析の結果を示す模式図である。 (a)〜(c)は本発明構造(他の実施の形態)を採用した鉄道車両が、レール近傍のLPガスボンベ(質量100kg)を、時速300km/hで、走行中に跳ね飛ばした場合のシミレーション解析の結果を示す模式図である。 車両前頭部の圧縮破壊量と、排障板の上下変位量(垂れ下がり量)の関係を示す図である。 (a)〜(c)は本発明構造を採用した鉄道車両が、時速17.5km/hで、壁に正面衝突した場合のシミレーション解析の結果を示す模式図である。 (a)〜(c)は従来構造を採用した鉄道車両が、時速17.5km/hで、壁に正面衝突した場合のシミレーション解析の結果を示す模式図である。 従来構造を採用した鉄道車両の側面図である。 同平面図である。
符号の説明
1 排障板
1a リップ部
1A 前頭部
1B,1C 側部
103 上部支持部材
105 衝撃吸収用パイプ部材(エネルギー吸収要素)
106 下部支持部材

Claims (3)

  1. 車両前頭部に設けられレール近傍に存在する異物を跳ね飛ばす排障板と、その排障板の後方に配置されるエネルギー吸収要素と、このエネルギー吸収要素を車体に固定する支持部材とを備える鉄道車両の前頭部構造において、
    前記排障板は、鉛直方向に延びる面板で構成され、
    前記排障板の前端部分の下端に、水平方向前方に延びるリップ部が設けられていることを特徴とする鉄道車両の前頭部構造。
  2. 前記排障板は、左右のレール位置付近まで幅方向に延びる湾曲形状の前頭部と、その前頭部の左右両端より前記左右のレールの外側まで後方に延びる左右側部とにより構成され、
    前記リップ部は、前記前頭部の前端部分の下端に設けられている請求項1記載の鉄道車両の前頭部構造。
  3. 前記リップ部は、前記排障板とほぼ等しい板厚で、幅が35〜40mmである請求項1又は2記載の鉄道車両の前頭部構造。
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