JP2005205090A - 生体情報記録用レコーダ及びその制御方法 - Google Patents

生体情報記録用レコーダ及びその制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 搬送モータの回転量に基づく用紙搬送制御では、印字位置のずれを根本的に解消できなかった。
【解決手段】 記録紙の搬送速度を例えば記録紙に設けられたマーカを検出することにより測定し、得られた速度に応じて記録紙のページ当たりの印字データの量を増減して搬送速度の増減を補償する。
【選択図】 図10

Description

本発明は心電図などの生体情報を記録する生体情報記録用レコーダ及びその制御方法に関する。
心電図や呼吸、血圧など、様々な生体信号が健康管理や診療などに広く用いられている。通常、生体信号は電気信号として測定され、測定装置に内蔵又は接続された半導体メモリや磁気/光学記録装置などの記憶装置に保存されたり、ディスプレイなどに表示されたりする。
生体情報記録用レコーダは、測定装置に内蔵されたり、外部機器として接続されて、測定装置が測定した生体信号を紙などの記録媒体に可視記録する装置である。生体情報記録用レコーダが記録する生体信号は長時間の測定結果であることがあるため、連続紙に記録するものが一般的である。
生体信号は時間と共に変化する信号であり、記録結果において時間軸の縮尺が変動することは好ましくない。従って、この種の生体情報記録用レコーダにおいては、記録紙の搬送速度が一定に保たれるよう、例えば記録紙搬送用のモータの軸にエンコーダを配置し、モータの回転速度を検出してフィードバック制御していた。
このような制御により、モータの回転ムラに帰因する搬送速度の変動は回避可能であるが、それ以外の要因(モータ制御系外部の要因)によって搬送速度が変動した場合には対処できないという問題がある。例えば、記録紙が湿度その他の理由により伸縮していた場合や、プラテンローラの上を滑ってしまうような場合、いくらモータの回転を一定に制御しても搬送速度の変動は回避できない。
さらに、連続記録紙には、記録結果を切り取りやすくするために一定間隔にミシン目などが設けられていることが多い。そして、このような記録紙を用いて記録を行う場合には、ミシン目部分で分断された際にも記録結果の内容等が分かるよう、被検者の情報や測定条件、信号の種別や時間軸、値の縮尺等の付加情報が各頁(ミシン目で分断される最小単位)のヘッダやフッタ部分に記録される。
このような付加情報は、予め分かっているページの長さ(ミシン目の搬送方向における間隔)と、モータの回転速度から計算される搬送速度とから求められる、ページ内に収まるような位置に記録される。
しかしながら、モータ制御系外部の要因によって搬送速度が変動した場合には、想定した記録位置と実際の記録位置にずれが生じる。このずれが大きい場合(連続して多数ページを記録する際など、ずれが蓄積されて大きくなった場合を含む)、付加情報がページ分断位置(ミシン目)をまたがって記録されてしまうことがあった。
また、モータ制御系外部の要因による搬送速度の変動がなくても、フィードバック制御と実際のモータの回転とにはわずかな誤差が存在するため、長時間に渡って連続記録していると誤差が蓄積され、同様の問題が生じる虞がある。
本発明はこのような従来技術の問題点に鑑みなされたものである。
すなわち、本発明の要旨は、生体情報を付加情報と共に連続記録紙に記録する生体情報記録用レコーダであって、連続記録紙の所定領域内に印字すべき印字データを生成する印字データ生成手段と、連続記録紙の搬送速度を検出する搬送速度検出手段と、印字データを連続記録紙に記録する記録手段とを有し、印字データ生成手段が、搬送速度検出手段が検出した搬送速度と、所定速度との関係に基づいて印字データの量を増減させることを特徴とする生体情報記録用レコーダに存する。
また、本発明の別の要旨は、生体情報を付加情報と共に連続記録紙に記録する生体情報記録用レコーダであって、連続記録紙に周期的に設けられたマーカを検出するマーカ検出手段と、マーカの検出に基づいて、連続記録紙の位置合わせを行う位置合わせ手段と、連続記録紙の所定領域内に印字すべき印字データを生成する印字データ生成手段と、マーカの検出に基づいて、連続記録紙の搬送速度を検出する搬送速度検出手段と、印字データを連続記録紙に記録する記録手段とを有し、印字データ生成手段が、搬送速度検出手段が検出した搬送速度と、所定速度との関係に基づいて印字データの量を増減させることを特徴とする生体情報記録用レコーダに存する。
また、本発明の別の要旨は、本発明の生体情報記録用レコーダを用いる生体情報測定装置に存する。
また、本発明の別の要旨は、生体情報を付加情報と共に連続記録紙に記録する生体情報記録用レコーダの制御方法であって、連続記録紙の所定領域内に印字すべき印字データを生成する印字データ生成ステップと、連続記録紙の搬送速度を検出する搬送速度検出ステップと、印字データを連続記録紙に記録する記録ステップとを有し、印字データ生成ステップが、搬送速度検出ステップが検出した搬送速度と、所定速度との関係に基づいて印字データの量を増減させることを特徴とする生体情報記録用レコーダの制御方法に存する。
また、本発明の別の要旨は、生体情報を付加情報と共に連続記録紙に記録する生体情報記録用レコーダの制御方法であって、連続記録紙に周期的に設けられたマーカを検出するマーカ検出ステップと、マーカの検出に基づいて、連続記録紙の位置合わせを行う位置合わせステップと、連続記録紙の所定領域内に印字すべき印字データを生成する印字データ生成ステップと、マーカの検出に基づいて、連続記録紙の搬送速度を検出する搬送速度検出ステップと、印字データを連続記録紙に記録する記録ステップとを有し、印字データ生成ステップが、搬送速度検出ステップが検出した搬送速度と、所定速度との関係に基づいて印字データの量を増減させることを特徴とする生体情報記録用レコーダの制御方法に存する。
本発明によれば、記録紙の実際の搬送速度を算出し、その結果によって印字データ量を増減するので、記録紙の搬送速度が変動しても印字位置がずれることがない。また、記録紙の搬送速度検出用センサとして、既存のマーカ検出用センサを使用することができるため、このような生体情報記録用レコーダに本発明を適用すれば、さらに装置の小型化及びコスト低減の観点からも有利である。
以下、図面を参照して本発明をその好適な実施形態に基づき詳細に説明する。なお、ここでは、マーカを有する記録紙と、マーカを検出して記録紙の頭出しなどの位置決めを行う機能を有する生体情報記録用レコーダに本発明を適用した例を説明するが、このような機能を有さない生体情報記録用レコーダにも本発明を適用可能である。
●(生体情報記録用レコーダの構成)
本発明の一実施形態に係る生体情報記録用レコーダの要部構成例を図1に示す。
制御回路(以下CPUという)11は、制御プログラムを実行することによりレコーダの動作を制御する。ROM12はCPU11の制御プログラムがあらかじめ格納された読み出し可能なメモリである。RAM13はCPU11が演算および一時記憶に使用する読み書き可能なメモリである。通信用LSI14は、レコーダが記録する生体情報を供給する生体情報モニタやセントラルモニタ、各種患者続機器などの外部機器、又は生体情報記録用レコーダを内蔵する装置本体と、レコーダとの通信を可能とする。
タイマ15は計時動作を行なう。マイクロスイッチ16は後述のレコーダマガジン28により押圧されるスイッチであり、レコーダマガジン28がレコーダに正しく装着されているかどうかを検出する。フォトリフレクタ17は赤外発光LED17aとフォトトランジスタ17bとを内蔵し、記録紙有無センサとして機能する。すなわち、記録紙18に対して赤外発光LED17aから近赤外光を照射し、フォトトランジスタ17bでは反射光を検出する。比較器19はフォトリフレクタ17の出力(フォトトランジスタ17bの出力)を電流−電圧変換し増幅したうえでデジタルレベルに変換してCPU11に出力する。CPU11はこのデジタルレベルを例えば所定の閾値と比較して記録紙18の有無を確認する。
フォトリフレクタ20はフォトリフレクタ17と同様、赤外発光LED20aとフォトトランジスタ20bとを内蔵した構成を有し、記録紙位置合わせセンサ及び記録紙搬送速度センサとして機能する。フォトリフレクタ20は、記録紙の予め定められた位置に設けられるマーカを検出可能な位置に設けられる。そして、記録紙18に対して赤外発光LED20aから近赤外光を照射し、フォトトランジスタ20bでは反射光を検出する。比較器22はフォトリフレクタ20の出力(フォトトランジスタ20bの出力)を電流−電圧変換し増幅したうえでデジタルレベルに変換してCPU11に出力する。CPU11はこのデジタルレベルに基づいてマーカの検出有無を確認する。
マーカは、記録紙の記録面又は裏面上で、かつページ内の同一位置に設けられた、近赤外光の反射率が記録紙と異なる材質で設けられたパターンである。後述するように、本実施形態においては記録紙の記録面上で、ページの開始位置(ミシン目に隣接した位置)に黒い四角形として印刷されているが、記録紙そのものの材質とフォトリフレクタが照射する光線の反射率において十分な相異がありさえすれば色や材質、形状は制限されない。また、ページ内での位置も統一さえされていれば任意に決定できる。また、マーカは原則として記録紙のページ毎に設けられる。
マーカは例えば記録開始時の位置合わせや、オフライン状態でのページ送り時の位置合わせのために設けられている。すなわち、CPU11はフォトトランジスタ20bの出力レベルの変化からマーカの検出有無を検知し、検知時点で記録紙の搬送を停止させたり、検知時点から所定量搬送した後に停止させる等の制御を行うことで位置合わせを行う。
サーマルヘッド制御回路23はCPU21から制御命令および印字データを受け取り、サーマルヘッド24に対し出力を行ない、記録紙18に記録する。モータ駆動装置25はCPU11からの制御信号に従って搬送モータ26を駆動し、駆動機構を介してプラテンローラ27を回転させ、記録紙18を搬送する。
本実施形態において、フォトリフレクタ17および20は後述のように記録紙の搬送方向に垂直に並んで配置されているが、それぞれの機能が達成されればその配置は自由である。なお、フォトリフレクタ20で記録紙のあるページ内にあるマーカを検出して記録紙の搬送速度を求めてから、そのページに印字すべき印字データを生成する場合には、印字データ生成処理が終了してから当該ページの先頭がサーマルヘッド24の位置に達するようにフォトリフレクタ20とサーマルヘッド24との距離を設定する。
また、特に生体情報記録用レコーダが外部記録装置として用いられる場合には、ユーザが各種指示を与えるための操作部や、レコーダの動作状況や異常有無などの装置情報や生体情報を表示する表示部などが設けられる。機器に内蔵される場合には、指示は本体側から供給され、また表示は本体側に設けられた表示部で行われる。
次に本実施形態のレコーダの機構的な構成を図2〜図4に基づいて説明する。図2は本実施形態のレコーダの断面図である。レコーダマガジン28はミシン目部分で折りたたまれた連続記録紙の給紙トレイであり、正しく装着されるとマイクロスイッチ16がオンし、CPU11はレコーダマガジン28が正常に装着されたことを認識できる。レコーダマガジン28が正常に装着されると、記録紙18は、不図示のレコーダ本体の一部であるマガジンスロット上面29とレコーダマガジン28にあらかじめ嵌合された軸30との隙間を通り、フォトリフレクタ17および20と受け板31の隙間に導かれる。この位置でフォトリフレクタ17による記録紙18の有無検出、フォトリフレクタ20によるマーカ検出がそれぞれ行なわれる。さらに記録紙18はサーマルヘッド24に導かれて印字が行なわれ、プラテンローラ27により外部に排出される。
本実施形態における生体情報記録用レコーダに用いることのできる連続記録紙の例を図3に示す。図3に示すように、記録紙18の1ページは高さが50mm、長さ(あるミシン目から次のミシン目までの搬送方向に沿った距離)が75mmである。マーカ21はページ内の左下角(排出される側から見て右端)にミシン目32に隣接して印刷された一辺5mmの黒色正方形パターンである。マーカ21はレコーダマガジン28が正しくセットされ、かつ正しく搬送された際にフォトリフレクタ20のみに検出されるように(本実施形態ではフォトリフレクタ20の直下を通るように)位置が決定されている。
図4は図3における印字機構部分の斜視図である。前述したようにフォトリフレクタ17および20は記録紙18の搬送方向と直交し、かつ受け板31上に位置する直線上に並べて配置されている。フォトリフレクタ17は記録紙18が装填されていない場合は黒色の紙押さえ板31のわずかな反射光を受けるため暗電流が少ないが、白色の記録紙18が装填されるとその反射光を受けて暗電流が増加するため、上述のようにCPU11は記録紙の有無を検出することができる。
同様に、フォトリフレクタ20は記録紙18が装填された状態で、かつ記録紙上に設けられたマーカ21が直下にない場合は記録紙の白色部分の反射光を受けて暗電流が多いが、マーカ21が直下にあるときは反射光がわずかになり暗電流が減少するため、上述のようにCPU11はマーカを検出することができる。プラテンローラ27は搬送モータ26(図1)により駆動され、矢印方向に回転して記録紙を搬送すると共に、記録紙18をサーマルヘッド24に向かって付勢し、記録紙18をサーマルヘッド24に密着させて適正な印字が行なわれるようにする。
●(記録処理動作)
本実施形態における生体情報記録用レコーダの記録処理動作を、図7〜図10のフローチャートに従って説明する。なお、以下の説明においては、発明の理解を容易にするため、通信処理や多重割り込み処理に関する説明など、本発明を理解する上で不要な説明について省略している。また、以下に説明する処理はCPU11がROM12に記録された制御プログラムを実行することにより実現される。
(全体処理)
図7は、記録処理の全体の流れを示すフローチャートである。記録処理は、不図示の手動記録スイッチが押された場合や、レコーダを内蔵する機器から記録指示があった場合に開始される。まず、処理に使用する変数の初期化、通信用LSIなど周辺回路の初期化との設定、割り込みの許可、印字データバッファのクリアなどを行い(S101)、搬送モータ26の回転を開始し(S102)、印字ヘッド24の電源をオンする(S103)。
これらの処理が終わると、手動記録スイッチが再度押されるなど、記録の終了が指示されるまでアイドルループし(S104)、処理はもっぱら図8の印字割り込み、図9のマーカ開始割り込み、図10のマーカ終了割り込みなどの種々の割り込みによって行なわれる。記録終了が指示されるとサーマルヘッド24の電源をオフし(S105)、搬送モータ26を停止し(S106)、タイマ15の停止・割り込み禁止・通信用LSI14などの周辺回路の待機モードへの移行などの終了処理(S107)を行う。
(印字割り込み処理)
次に、図8のフローチャートを用いて印字割り込み処理を説明する。この割り込みはタイマ15により例えば1ミリ秒ごとに発生するようにあらかじめ設定されている。印字割り込みがコールされると印字ヘッド24にストローブ信号を送りただちに印字が可能な状態にし(S111)、図示しない印字バッファに格納されている付加情報印字データのうち、行ポインタによって示された1行(ライン)分のドットイメージデータと、リアルタイムに作成する心電図波形52のデータに併せて生成するグリッド53のデータとを合成したデータを印字ヘッドに転送する(S112)。
すなわち、印字ヘッドに転送されるドットイメージデータは図5に示すように、後述する付加情報印字データ51と、通信用LSI14を通じて送られてきた心電図波形52のデータと、心電図波形52のデータに併せて生成するグリッド53のデータとを論理和によって印字結果54のように重ね合わせたデータとなる。このうち、心電図波形52のデータと、グリッド53のデータとは記録開始時からリアルタイムで作成されている。そして、これら2つのリアルタイムデータに対し、別途作成された付加情報印字データ51を1行ずつ重ね合わさせてドットイメージデータを作成する。この際、後述するように搬送速度に応じて空白行を適宜増減させて作成した付加情報印字データ51をリアルタイムデータと重ね合わせることにより、付加情報印字データ51の印字位置が搬送速度の変動によってずれることを回避することができる。
なお、本実施形態においては、サーマルヘッド24の1ラインは448ビット(すなわち448ドット/ライン)、すなわち1ライン当たりのデータ量は56バイトとなっている。さらにストローブ信号を操作して印字処理を行ない(S113)、行ポインタを増分して(S114)、1回の印字割り込み処理が終了する。
(マーカ開始割り込み処理)
次に、図9のフローチャートを用いてマーカ開始割り込み処理を説明する。マーカ開始割り込みは、マーカ21の開始端がフォトリフレクタで検知されることでフォトトランジスタ20bの出力レベルが上昇し、所定レベルに達することにより発生する。このマーカ開始割り込み処理では、タイマ15の割り込み発生回数のカウントをスタートする(S121)。次いで、行ポインタをリセットする(S123)。
(マーカ終了割り込み処理)
次に、図10のフローチャートを用いてマーカ終了割り込み処理を説明する。マーカ終了割り込みは、マーカ21がフォトリフレクタで検知されなくなることでフォトトランジスタ20bの出力レベルが低下し、所定レベル未満となることにより発生する。この割り込み処理が開始されると、タイマ15が発生する割り込み回数のカウントをストップし(S131)、カウント開始時からの合計値を得る。そして、マーカの開始端から終了端までの長さ(本実施形態では5mm)を、合計値(マーカの長さを搬送するのにかかった時間を表す値)で割って、実際の搬送速度を算出する(S132)。そして、算出した搬送速度から補正すべき行数が何行になるかを以下のようにして算出する(S133)。
心電図用のレコーダの記録紙搬送速度は25mm/秒であるから、記録紙が正確にこの速度で搬出されるとき、前述のように1ミリ秒ごとに1行印字を行なうものとすると、記録紙1ページ(本実施形態では75mm)当たりの印字行数は、
75[mm]×(1000[行/秒]/25[mm/秒])=3000[行] (1)
となる。上述のように、本実施形態では1行当たりの印字データ量が56バイトであるから、1ページ分のドットイメージデータを印字バッファに格納する場合、そのサイズは、
56[バイト]×3000=168000[バイト](約164Kバイト) (2)
ということになる。何らかの理由で紙送り速度が低下すれば印字データは増えるので、印字バッファはある程度多めに(例えば180Kバイト)確保しておく。
このような条件において、補正すべき行数は、次の式で算出できる。
3000−75×1000/紙送り速度[mm/秒] (3)
そして、得られた値の正負に応じて、付加情報印字データに空白行を挿入するか、削除する。
ここで仮にS132で得た紙送り速度が秒速25.1mmだった場合、
3000−75×1000/25.1=11.95≒12 (4)
と正の値となるため、そのページに出力すべき付加情報印字データを、12行分少なくする。
また紙送り速度が秒速24.9mmの場合は、
3000−75×1000/24.9=−12.05≒−12 (5)
と負の値となるため、そのページに出力すべき付加情報印字データを、12行分増加させる。
なお、算出した補正行数は、例えばRAM103に一時記憶しておく。
図10に戻って、S134では、付加情報として記録すべき文字情報等を所定の解像度でドットイメージデータに展開し、S133で求めた補正行数に基づいて空白行を挿入又は削除することにより、搬送速度に対応した1ページ分の付加情報印字データを生成し、印字バッファに格納する。
次に、図11のフローチャートを用いて、図10のS134で行う付加情報印字データの作成処理について詳細に説明する。
まず、予め定められている、そのページに記録すべき付加情報内容(日付、患者名、性別、年齢、ベッド番号、血圧値など)に応じた情報を取得し(或いは、予め格納された情報を読み出し)、搬送速度が正常であり、増減が不要な場合の1ページ分のドットイメージデータを作成する(S161)。
次に、図10のS133で求めた補正量を確認し、空白行の増減が必要であるか否かを判断する(S165)。すなわち、補正量(行数)が負の値である場合には、行挿入処理(S169)を、行数が正の値である場合には行削除処理(S167)を行い、行数が0の場合、すなわち補正が不要である場合には印字データの加除は行わない。
なお、S169及びS167で行の挿入あるいは削除を行う位置は、任意に設定することが可能であるが、文字部分を避けることが好ましい。そして、できるだけページ全体で分散させて行の挿入、削除を行なうのがよい。
このようにして、搬送速度に応じた1ページ分の付加情報印字データを生成することができる。
●(他の実施形態)
上述の実施形態においては、ページ開始位置にマーカが設けられた記録紙を用いた場合のみを説明したが、マーカはページの途中又は最後尾に位置していても良い。
また、マーカで検出した搬送速度は次のページの印字データ量の制御に使用してもよい。
また、上述の実施形態では単一のマーカの両端を検出して搬送速度を求めているが、複数のマーカの片端を検出する方法もある。その場合は上記のフローチャートのうち図9のマーカ開始割り込みを禁止し図10のマーカ終了割り込みのみ起こるようにし、S138のタイマリセットの直後にタイマスタートを置くことで実現できる。こうすると、図6に示すようにマーカ64の終了端64bからマーカ65の終了端65bまでの搬送速度にもとづいて、ページ62の文字の印字位置を補正し、マーカ65の終了端65bからマーカ66の終了端66bまでの搬送速度でページ63の文字の印字位置を補正し、…、というようにすればよい。
単一のマーカの両端の検出は検出精度はやや落ちるが比較的短時間で記録紙の紙送り速度を算出でき、複数のマーカの片端の検出は時間がかかるが精度はよく長期的な変動の検出に向いている。これらの方法は排他的なものではなく、組み合わせて使用しても良い。例えば、ページ62の文字印字位置を補正する際、マーカ64の終了端64b及びマーカ65の終了端65bに基づいて求めた搬送速度と、マーカ65の両端に基づいて求めた搬送速度のうち、ずれの大きい方を用いて補正する等が可能である。
またいずれの方法においても、記録紙18の一部がマーカという単位距離を通過するのにどれだけ時間を要したかに基づいて搬送速度を求めているため、搬送モータの回転量ではなく、記録紙そのものの搬送速度が測定でき、湿気を含むなどの原因で記録紙18が全体的に伸びてしまったような場合でも正確に搬送速度を測定できる。
また、上述の実施形態では記録紙にマーカを設けて位置合わせを行う機構を流用したが、記録紙に位置合わせ用の切り欠きが設けられ、フォトインタラプタを用いて当該切り欠きを検出するレコーダであれば、フォトインタラプタの出力から切り欠き部分を通過するのに要する時間を求めることにより、本発明を適用することが可能である。
すなわち、本発明の本質は、記録紙の搬送速度を検出しそれに応じて印字データ量を増減させて文字の印字位置を調整することであり、記録紙の搬送速度を検出する方法は問わない。しかしながら、上述の実施形態のように、従来記録紙の頭出しなどの位置合わせ用に用いられている機構を流用して記録紙の搬送速度を検出することにより、搬送速度検出用として新たにセンサを設ける必要が無くなり、コストの上昇やレコーダの大型化を回避できるため好ましい。
また、上述の実施形態では説明の簡単化のため手動記録を想定して説明したが、トレンド記録やリコール記録など、1ページ内にもっと複雑な表やグラフを組み合わせて記録する場合であっても本発明を適用可能であることは言うまでもない。
本発明の実施形態に係る生体情報記録用レコーダの構成例を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る生体情報記録用レコーダのマガジン部分の構成を説明する断面図である。 本発明の実施形態に係る生体情報記録用レコーダが使用する記録紙のページ構成を説明する図である。 本発明の実施形態に係る生体情報記録用レコーダにおけるフォトリフレクタの配置及び動作について説明する斜視図である。 本発明の実施形態に係る生体情報記録用レコーダが生成する印字データの構成を説明する図である。 本発明の別の実施形態に係る生体情報記録用レコーダにおける用紙搬送速度検出方法について説明する図である。 本発明の実施形態に係る生体情報記録用レコーダの記録処理動作を説明するフローチャートである。 本発明の実施形態に係る生体情報記録用レコーダの印字割り込み処理動作を説明するフローチャートである。 本発明の実施形態に係る生体情報記録用レコーダのマーカ開始割り込み処理動作を説明するフローチャートである。 本発明の実施形態に係る生体情報記録用レコーダのマーカ終了端割り込み処理動作を説明するフローチャートである。 図10のS134で行う付加情報印字データの作成処理について説明するフローチャートである。
符号の説明
11 演算回路(CPU)
12 ROM
13 RAM
14 通信用LSI
15 タイマ
16 マイクロスイッチ
17 フォトリフレクタ
18 記録紙
19 比較器
20 フォトリフレクタ
21 マーカ
22 比較器
23 サーマルヘッド制御回路
24 サーマルヘッド
25 モータ駆動装置
26 搬送モータ
27 プラテンローラ

Claims (10)

  1. 生体情報を付加情報と共に連続記録紙に記録する生体情報記録用レコーダであって、
    前記連続記録紙の所定領域内に印字すべき印字データを生成する印字データ生成手段と、
    前記連続記録紙の搬送速度を検出する搬送速度検出手段と、
    前記印字データを前記連続記録紙に記録する記録手段とを有し、
    前記印字データ生成手段が、前記搬送速度検出手段が検出した搬送速度と、所定速度との関係に基づいて前記印字データの量を増減させることを特徴とする生体情報記録用レコーダ。
  2. 前記搬送速度検出手段が、前記連続記録紙に周期的に設けられたマーカを検出することによって前記搬送速度を検出することを特徴とする請求項1記載の生体情報記録用レコーダ。
  3. 生体情報を付加情報と共に連続記録紙に記録する生体情報記録用レコーダであって、
    前記連続記録紙に周期的に設けられたマーカを検出するマーカ検出手段と、
    前記マーカの検出に基づいて、前記連続記録紙の位置合わせを行う位置合わせ手段と、
    前記連続記録紙の所定領域内に印字すべき印字データを生成する印字データ生成手段と、
    前記マーカの検出に基づいて、連続記録紙の搬送速度を検出する搬送速度検出手段と、
    前記印字データを前記連続記録紙に記録する記録手段とを有し、
    前記印字データ生成手段が、前記搬送速度検出手段が検出した搬送速度と、所定速度との関係に基づいて前記印字データの量を増減させることを特徴とする生体情報記録用レコーダ。
  4. 前記マーカが、他の部分と光線反射率の異なる領域であることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の生体情報記録用レコーダ。
  5. 前記印字データ生成手段が、前記搬送速度検出手段が検出した搬送速度が前記所定速度よりも早い場合には前記印字データ量を減少させ、遅い場合には前記印字データ量を増加させることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の生体情報記録用レコーダ。
  6. 前記印字データ生成手段が、前記印字データのうち、前記付加情報が含まれない部分を削除するか、前記付加情報が含まれない部分に空白データを挿入することによって前記印字データ量を減少もしくは増加させることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の生体情報記録用レコーダ。
  7. 前記付加情報が文字列によって形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の生体情報記録用レコーダ。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の生体情報記録用レコーダを用いる生体情報測定装置。
  9. 生体情報を付加情報と共に連続記録紙に記録する生体情報記録用レコーダの制御方法であって、
    前記連続記録紙の所定領域内に印字すべき印字データを生成する印字データ生成ステップと、
    前記連続記録紙の搬送速度を検出する搬送速度検出ステップと、
    前記印字データを前記連続記録紙に記録する記録ステップとを有し、
    前記印字データ生成ステップが、前記搬送速度検出ステップが検出した搬送速度と、所定速度との関係に基づいて前記印字データの量を増減させることを特徴とする生体情報記録用レコーダの制御方法。
  10. 生体情報を付加情報と共に連続記録紙に記録する生体情報記録用レコーダの制御方法であって、
    前記連続記録紙に周期的に設けられたマーカを検出するマーカ検出ステップと、
    前記マーカの検出に基づいて、前記連続記録紙の位置合わせを行う位置合わせステップと、
    前記連続記録紙の所定領域内に印字すべき印字データを生成する印字データ生成ステップと、
    前記マーカの検出に基づいて、連続記録紙の搬送速度を検出する搬送速度検出ステップと、
    前記印字データを前記連続記録紙に記録する記録ステップとを有し、
    前記印字データ生成ステップが、前記搬送速度検出ステップが検出した搬送速度と、所定速度との関係に基づいて前記印字データの量を増減させることを特徴とする生体情報記録用レコーダの制御方法。
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