JP2005204186A - 波形等化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 トレーニング信号が歪んでいたとしても適応アルゴリズムの収束時間の増大を防止する技術を提供することを目的とする。
【解決手段】 相関演算部105は、入力信号から抽出されたトレーニング信号と、自己が生成したトレーニング信号との相関演算により、フィルタ部101の各タップに対応する相関値をそれぞれ導出する。初期タップ係数生成部106は、最大の相関値以外の各相関値の最大の相関値に対する比率を、導出時における比率よりも小さくなるように変換した後に、全ての相関値を各タップ係数の初期値としてタップ係数演算部103に供給する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、放送や無線通信におけるマルチパス妨害を除去する波形等化装置に関し、特に、適応アルゴリズムの収束時間の増大を防止する技術に関する。
従来から放送や無線通信の受信機は、マルチパス妨害を除去するため波形等化装置を搭載している。マルチパス妨害とは、放送波が主たる経路とその他の経路とを別個に経由して受信機に到達することで、受信機においてそれらの干渉波が観測される現象である。波形等化装置は、マルチパス妨害による干渉波から希望波のみを復元することができる。
図22は、一般的な波形等化装置に、特許文献1が開示する初期タップ係数推定機能を付加した構成を示す図である。
フィルタ部101は、いわゆるFIR(Finite Impulse Response)フィルタである。D1、D2・・・DNはそれぞれ遅延素子であり、M0、M1・・・MNはそれぞれ乗算器である。乗算器に与えられているタップ係数Ci(k)が最適値であれば、干渉波である入力信号x(k)から希望波が復元されて出力信号y(k)として出力される。
タップ係数の最適値は、適応アルゴリズム(ここでは、LMS(Least Mean Square)アルゴリズム)により探し出される。LMSアルゴリズムは、前回のタップ係数から次回のタップ係数を生成するアルゴリズムであり、タップ係数は更新を重ねるにつれて徐々に最適値に近づいていく。したがって、タップ係数の初期値が最適値に近いほどLMSアルゴリズムの収束時間が短縮される。
そこで、特許文献1は、タップ係数の最適値を推定し、それを初期値とする技術を開示している。最適値の推定には、放送データに一定間隔で挿入されているトレーニング信号が用いられる。トレーニング信号は、予め定められた特定パターンの信号である。受信機は、入力信号x(k)に含まれているトレーニング信号を抽出すると共に(トレーニング信号抽出部104)、自らトレーニング信号を生成する(トレーニング信号生成部102)。相関演算部105は、これらのトレーニング信号の相互相関を求め、その各相関値(R0、R1、・・・RN)をタップ係数の初期値としてタップ係数演算部103に与える。
以下に、トレーニング信号としてインパルスを用いた例を示す。
図23(a)は、理想的なインパルスの場合に相関演算部105が出力する各相関値を示す図である。
これによれば、遅延時間0には相関値1100、遅延時間−10には相関値270、遅延時間8には相関値381がそれぞれ出力される。これらをタップ係数の初期値とすることにより、LMSアルゴリズムの収束時間を短縮することができる。
特開平11−313013号公報
しかしながら、現実のトレーニング信号はノイズや寄生容量などにより歪んでいる。この場合には、各相関値は、歪みの影響を受けるので、必ずしもタップ係数の初期値として適切でない場合がある。
図23(b)は、図23(a)と同じマルチパス環境で、インパルスが歪んでいる場合に相関演算部105が出力する各相関値を示す図である。
これによると、トレーニング信号の歪みの影響により、各相関値に誤差成分が現れて図23(a)とは異なる相関値となっているのがわかる。この各相関値をタップ係数の初期値として利用すれば、最適値より大きなタップ係数となるタップや、本来ゼロであるべきタップ係数に有限値が与えられるタップが出現する。このような最適値よりも大きなタップ係数や、ゼロであるべきなのに有限値が出現しているタップ係数は、LMSアルゴリズムの収束時間をかえって増大させ、場合によっては発散させてしまうことがある。
そこで、本発明は、トレーニング信号が歪んでいたとしても適応アルゴリズムの収束時間の増大を防止する技術を提供することを目的とする。
本発明に係る波形等化装置は、適応フィルタを用いて入力信号の波形等化を行う波形等化装置であって、入力信号からトレーニング信号を抽出する抽出手段と、基準となるトレーニング信号を生成する生成手段と、前記抽出手段により抽出されたトレーニング信号と、前記生成手段により生成されたトレーニング信号との相関演算により、前記適応フィルタの各タップに対応する相関値をそれぞれ導出する導出手段と、前記導出手段により導出された最大の相関値以外の各相関値の最大の相関値に対する比率を、導出時における比率よりも小さくなるように変換した後に、全ての相関値を各タップ係数の初期値として前記適応フィルタに供給する供給手段とを備える。
上記構成によれば、最大の相関値以外の各相関値は、最大の相関値に対する比率がもとよりも小さくなるように変換される。これにより、最適値よりも大きなタップ係数に起因するLMSアルゴリズムの収束時間の増大が防止される。
なお、本発明によれば、最適値よりも小さな相関値も、それより小さく変換されてからタップ係数の初期値として与えられる。これは、かえって最適値から乖離することとなる。しかし、シミュレーションによると、このことによる弊害は、最適値よりも大きな相関値をそのまま初期値として利用する場合の弊害よりも大きくないという結果が得られている。発明者は、以下の3つの環境でシミュレーションを行った。
(1)1波マルチパス環境で、D/U比=0dBとする。遅延時間は、−20μsecから+40μsecとする。
(2)6波マルチパス(Ensemble A)環境に、さらに、ノイズ(C/N=15dB)を付加する。
(3)ノイズ妨害のみの環境(C/N=10dB、15dB)。
シミュレーションの結果によれば、本発明により適応アルゴリズムが発散する確率が低くなる傾向が現れている。これは、収束時間が無限大になる確率が低くなること、即ち、適応アルゴリズムの収束時間の増大が防止されることを意味する。
また、前記供給手段は、最大の相関値以外の各相関値に0.5以上1未満の係数を乗じることにより前記変換を行うこととしてもよい。
上記構成によれば、最大の相関値以外の各相関値は、0.5以上1未満の所定の係数が乗じられる。シミュレーション結果によれば、所定の係数が0.5未満であれば発散の確率がゼロとなる。一方、所定の係数が0.5よりも小さくなるに従って、発散しなかった場合の収束時間は長くなる傾向にある。これらを総合して勘案すると、適応アルゴリズムの収束時間の増大を防止し、かつ、収束時間を平均的に短縮するには、所定の係数が0.5以上1未満であることが望ましい。
また、前記供給手段は、最大の相関値のみに1より大きく2以下の係数を乗じることにより前記変換を行うこととしてもよい。
上記構成によれば、最大の相関値のみは、1より大きく2以下の所定の係数が乗じられる。これも、最大の相関値以外の各相関値を、最大の相関値に対する比率が小さくなるようにする変換の一種である。したがって、最大の相関値以外の各相関値に0.5以上1未満の所定の係数を乗じる変換と同様の効果を得ることができる。
また、前記供給手段は、さらに、最大の相関値に対する比率が閾値未満の各相関値を不要成分とみなして除去することとしてもよい。
上記構成によれば、閾値未満の各相関値は、ゼロに丸め込まれる。トレーニング信号が歪んでいれば、各相関値には歪みによる不要成分が現れる。また、トレーニング信号の種類によっても各相関値に不要成分が現れることがある。波形等化装置は、閾値を適当に設定することにより、これらの不要成分を除去することができる。これにより、本来ゼロであるべきなのに有限値となるタップ係数に起因するLMSアルゴリズムの収束時間の増大が防止される。
また、前記閾値は、0.05以上0.1以下であることとしてもよい。
これは、シミュレーションの結果から導き出されている。シミュレーションによれば、閾値が0.1よりも大きければ、適応アルゴリズムの収束時間が長くなる傾向が現れている。また閾値が0.05よりも小さければ、適応アルゴリズムが発散する確率が5割以上と極端に高くなる傾向が現れている。これらを総合すれば、閾値は0.05以上0.1以下であるのが望ましい。
また、前記適応フィルタは、適応アルゴリズムにより各タップ係数を更新し、前記波形等化装置は、さらに、各タップ係数に相当するデフォルト値を予め保持している保持手段と、前記供給手段が前記適応フィルタにタップ係数の初期値を供給してから所定時間後に、前記適応フィルタの出力信号に基づいて適応アルゴリズムが収束しているか否かを判定する判定手段と、前記判定手段が否定的な判定をした場合に、前記保持手段に保持されている各デフォルト値を各タップ係数の初期値として前記適応フィルタに供給させる制御手段とを備えることとしてもよい。
上記構成によれば、波形等化装置は、適応フィルタに初期値を与えてから所定時間後に、適応アルゴリズムが収束していなければ、改めて別の初期値を適応フィルタに与える。ここで所定時間とは、適応アルゴリズムが走り出してから収束するのに十分であると考えられる時間とする。これにより、波形等化装置は、適応アルゴリズムが発散に向かっている場合に、それを検知し、改めて別の初期値から適応アルゴリズムを開始することができる。したがって、適応アルゴリズムの収束時間が決定的に増大することを防止することができる。
また、前記適応フィルタは、適応アルゴリズムにより各タップ係数を更新し、前記波形等化装置は、さらに、予め定められた各デフォルト値を各タップ係数の初期値として前記適応フィルタに与えてから所定時間後に、前記適応フィルタの出力信号に基づいて適応アルゴリズムが収束しているか否かを判定する判定手段と、前記判定手段が否定的な判定をした場合に、前記供給手段に各タップ係数の初期値を供給させる制御手段とを備えることとしてもよい。
上記構成によれば、波形等化装置は、上述の波形等化装置と同様に、適応アルゴリズムが発散に向かっている場合に、それを検知し、改めて別の初期値から適応アルゴリズムを開始することができる。
ただし、ここでは、各タップ係数の初期値として、まずデフォルト値を与え、それで収束しなければ、各相関値を与える。一般的にはトレーニング信号は、入力信号に一定間隔で挿入されている。そのため、各相関値の導出が開始されるまでの平均的な待ち時間は、その一定間隔の半分の時間となる。上記構成の波形等化装置は、まずデフォルト値を各タップ係数の初期値として与えて適応アルゴリズムを走らせる。それで収束すればそのまま適応アルゴリズムを継続する。収束しなければ、各相関値を初期値として適応アルゴリズムを改めて走らせる。この各相関値は、デフォルト値から適応アルゴリズムを走らせている間に導出することができる。したがって、波形等化装置は、効率的に適応アルゴリズムの収束時間の増大を防止することができる。
また、前記デフォルト値は、入力信号が前記適応フィルタを通過しても当該入力信号を変化させない値であることとしてもよい。
上記構成によれば、デフォルト値は、マルチパス妨害がない場合にタップ係数として最適値となる値である。したがって、マルチパス妨害が無視できるほどの環境であれば、このデフォルト値をタップ係数の初期値とすることによりLMSアルゴリズムの収束時間の増大を防止することができる。
また、前記適応フィルタは、適応アルゴリズムにより各タップ係数を更新し、前記供給手段は、最大の相関値以外の各相関値を、最大の相関値に対する比率を第1の割合で小さくなるように変換し、前記波形等化装置は、さらに、前記供給手段が前記適応フィルタにタップ係数の初期値を供給してから所定時間後に、前記適応フィルタの出力信号に基づいて適応フィルタが収束しているか否かを判定する判定手段と、前記判定手段が否定的な判定をした場合に、前記供給手段に第1の割合とは異なる第2の割合で小さくなるように変換させて各タップ係数の初期値として供給させる制御手段とを備えることとしてもよい。
上記構成によれば、波形等化装置は、上述の波形等化装置と同様に、適応アルゴリズムが発散に向かっている場合に、それを検知し、改めて別の初期値から適応アルゴリズムを開始することができる。
ただし、ここでは、各タップ係数の初期値として、第1の割合で小さくした各相関値を与え、それで収束しなければ、第2の割合で小さくした各相関値を与えている。このように、当初の初期値とその次の初期値のどちらも各相関値を利用しているため、いずれかをデフォルト値とする場合に比べて収束する確率を高くすることができる。したがって、波形等化装置は、より効率的にLMSアルゴリズムの収束時間の増大を防止することができる。
また、前記入力信号は、複数のトレーニング信号を含んでおり、前記波形等化装置は、さらに、前記導出手段により導出された各相関値のうち最大の相関値に対応するタップを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に所定回数だけ同じタップが記憶されるまで、前記供給手段が各タップ係数の初期値を供給することを抑制する制御手段とを備えることとしてもよい。
上記構成によれば、波形等化装置は、復調部における搬送波再生及びクロック再生が完了してから得られる各相関値を、適応フィルタにタップ係数の初期値として与える。ここで、搬送波再生及びクロック再生が完了していることは、最大の相関値に対応するタップが所定回数だけ同一であることから知ることができる。
これにより、波形等化装置は、信頼性の低い初期値を用いることにより適応アルゴリズムの収束時間が増大することを防止することができる。
また、前記波形等化装置は、さらに、前記導出手段により導出された各相関値のうちの最大の相関値が、所定値を超えるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段が肯定的な判定をするまで、前記供給手段が各タップ係数の初期値を供給することを抑制する制御手段とを備えることとしてもよい。
上記構成によれば、波形等化装置は、復調部における搬送波再生及びクロック再生が完了してから得られる各相関値を、適応フィルタにタップ係数の初期値として与える。ここで、搬送波再生及びクロック再生が完了していることは、最大の相関値が所定値よりも大きいことから知ることができる。
これにより、波形等化装置は、信頼性の低い初期値を用いることにより適応アルゴリズムの収束時間が増大することを防止することができる。
また、前記入力信号は、受信信号を復調する復調部において復調された後の信号であり、前記波形等化装置は、さらに、前記復調部における搬送波再生及びクロック再生が完了しているか否かを、搬送波再生における周波数の誤差、及びクロック再生における位相の誤差に基づいて判定する判定手段と、前記判定手段が肯定的な判定をするまで、前記供給手段が各タップ係数の初期値を供給することを抑制する制御手段とを備えることとしてもよい。
上記構成によれば、波形等化装置は、復調部における搬送波再生及びクロック再生が完了してから得られる各相関値を、適応フィルタにタップ係数の初期値として与える。ここで、搬送波再生及びクロック再生が完了していることは、フィードバック信号から知ることができる。
これにより、波形等化装置は、信頼性の低い初期値を用いることにより適応アルゴリズムの収束時間が増大することを防止することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて詳細に説明する。
(実施の形態1)
<概要>
実施の形態1では、波形等化部は、相関演算部105が得た各相関値をそのままタップ係数の初期値とするのではなく、最大の相関値以外の相関値に係数0.5を乗じたものを初期値とする。これにより、トレーニング信号の歪みにより最適値より大きくなった相関値は、適切な値に調整される。
<構成>
図1は、放送受信装置の一般的な構成を示す図である。
放送受信装置10は、デジタル放送波を受信し、復調、復号を経て、ビデオ信号を出力する。デジタル放送波は、アンテナ20からフロントエンド部に伝送される。フロントエンド部は、チューナ11、復調部12、波形等化部13、誤り訂正部14からなり、デジタル放送波をベースバンド信号に変換する。ベースバンド信号は、バックエンド部に伝送されて、さらにビデオ信号にデコードされる。バックエンド部は、TSデコーダ15、MPEGデコーダ16、CPU17、グラフィックス18を備えている。
デジタル放送波は、マルチパス妨害により希望波と非希望波との干渉波となっている。干渉波は、そのままでは符号間干渉により適正に復号できない。波形等化部13は、干渉波から希望波を復元する。波形等化部13は、放送データに含まれるトレーニング信号を利用して波形等化を行う。
図2は、米国ATSC規格における放送データのデータ構造を示す図である。
放送データの基本単位はセグメントである。図示するように313セグメントが1フィールドとなり、2フィールドが1フレームとなる。
トレーニング信号は、各フィールドの先頭セグメントに含まれている。それ以外のセグメントには、放送データが含まれている。1フィールドの送出レートは、24.2msecなので、トレーニング信号も24.2msecに1回送出されることになる。
図3は、実施の形態1に係る波形等化部13の構成を示す図である。
波形等化部13は、フィルタ部101、トレーニング信号生成部102、タップ係数演算部103、トレーニング信号抽出部104、相関演算部105及び初期タップ係数生成部106を備える。
初期タップ係数生成部106以外の構成要素については、従来技術と同様である。
フィルタ部101は、いわゆるFIRフィルタであり、入力信号x(k)を出力信号y(k)に変換する。各タップ係数Ci(k)が最適値であればフィルタ部101は、干渉波から希望波を復元することができる。
トレーニング信号生成部102は、予め定められているトレーニング信号d(k)を生成する。
タップ係数演算部103は、以下に示すLMSアルゴリズムにより得られる各タップ係数をフィルタ部101に与える。

Ci(k+1)=Ci(k)−α×e(k)×xi(k)

ここで、e(k)は、トレーニング信号d(k)から出力信号y(k)を差し引いた誤差信号である。フィルタ部101が希望波を完全に復元した場合には、出力信号y(k)はトレーニング信号d(k)と等しくなるので誤差信号e(k)はゼロとなる。また、出力信号y(k)がトレーニング信号ではなく、放送データの場合には、放送データがとり得る値のうち最も近い値との差分をe(k)とする。xi(k)は、タップiにおける入力信号である。αは、収束速度と残留誤差とを決定するステップサイズであり、適当な値が予め設定されている。上記のフィルタ部101とタップ係数演算部103とで適応フィルタが構成される。
トレーニング信号抽出部104は、入力信号x(k)に含まれるトレーニング信号をパターンマッチングにより抽出する。抽出されたトレーニング信号は相関演算部105に送出される。
相関演算部105は、トレーニング信号生成部102が生成したトレーニング信号と、トレーニング信号抽出部104が抽出したトレーニング信号との相関演算により相関値を得る。相関演算は、フィルタ部101の1つの遅延素子に相当する遅延時間ごとに行われ、その都度、相関値が初期タップ係数生成部106に出力される。これがN+1回行われると各相関値R0、R1・・・RNが得られる。入力信号x(k)が干渉波であればトレーニング信号抽出部104が抽出したトレーニング信号にも符号間干渉が生じている。したがって、相関演算部105は、相関演算により遅延時間0には希望波の相関値が現れると共に、その他の遅延時間にもゼロ以外の相関値が現れる。
初期タップ係数生成部106は、相関演算部105からシリアルに送出される各相関値R0、R1・・・RNに基づいてタップ係数の初期値Ci(0)を生成する。初期値Ci(0)は、タップ係数演算部103に送出され、タップ係数演算部103は、その初期値Ci(0)からLMSアルゴリズムを開始する。
本発明は、各相関値R0、R1・・・RNをそのままではなく、初期タップ係数生成部106により変換し、その結果をタップ係数の初期値とすることを特徴とする。以下に、その詳細を述べる。
図4は、初期タップ係数生成部の詳細な構成を示す図である。
初期タップ係数生成部106は、正規化部110、不要成分除去部120、レベル調整部130を備える。
正規化部110は、各相関値R0、R1・・・RNのうちの最大の相関値が1となるように各相関値を正規化する。ピーク検出部111は、シリアルに入力される各相関値のうちの最大の相関値と、それに対応する遅延時間とを検出する。遅延部112は、各相関値R0、R1・・・RNを一定期間だけ遅延させて出力する。演算部113は、遅延部112からシリアルに入力される各相関値を、最大の相関値で割り、その結果を出力する。これにより、正規化部110は、正規化を実現することができる。
不要成分除去部120は、正規化された各相関値のうちの閾値よりも小さな相関値を不要成分として除去する。閾値保持部121は、閾値(=0.1)を保持している。比較部122は、正規化された各相関値と閾値とを比較して、その比較結果をセレクタ123に入力する。セレクタ123は、入力された相関値が閾値よりも小さい場合にはゼロを出力し、閾値よりも小さくない場合にはそのまま相関値を出力する。このように、不要成分除去部120は、閾値よりも小さな相関値をゼロとして出力することにより、不要成分除去を実現することができる。
レベル調整部130は、正規化された各相関値のうちの最大の相関値(即ち、相関値が1)についてはそのまま出力し、それ以外の各相関値についてはレベル調整係数(=0.5)を乗じて出力する。演算部131は、各相関値にレベル調整係数を乗じて、その結果をセレクタ132に出力する。セレクタ132は、ピーク検出部111から相関値が最大を示す遅延時間を得て、最大の相関値についてはそのまま出力し、それ以外の各相関値については、演算部131によりレベル調整された結果を出力する。これにより、レベル調整部130は、各相関値のうちの最大の相関値以外の相関値について、最大の相関値に対する比率を小さくなるように変換して出力することができる。
このような初期タップ係数生成部106の各部の作用を図5を用いて説明する。
実際の米国ATSC規格では、トレーニング信号としてM系列を利用しているが、ここでは説明を簡単にするため、トレーニング信号としてインパルスを利用した例を示す。なお、従来の技術との比較のため、放送受信装置10は、背景技術の欄で想定したマルチパス妨害と同様のマルチパス妨害を受けているものとして説明する。
図5(a)は、相関演算部105が出力する各相関値を示す図である。
各相関値は、図23(b)に示す各相関値と同一である。
図5(b)は、正規化部110が出力する各相関値を示す図である。
各相関値は、最大の相関値(相関値1100)が1となるように正規化されている。
図5(c)は、不要成分除去部120が出力する各相関値を示す図である。
この例では、遅延時間3に現れていた相関値0.07は、閾値(=0.1)よりも小さいのでゼロに丸め込まれている。
図5(d)は、レベル調整部130が出力する各相関値を示す図である。
遅延時間0に現れている最大の相関値1はそのまま出力されている。一方、遅延時間−10に現れていた相関値0.20は、レベル調整係数0.5により0.10が出力される。また、遅延時間8に現れていた相関値0.45は、レベル調整係数0.5により0.23が出力される。
これによると、正規化部110と不要成分除去部120とにより、最大の相関値に対する大きさが10%未満の相関値は丸め込まれることがわかる。また、レベル調整部120により、最大の相関値以外の相関値は、最大の相関値に対する比率がもとよりも小さくなるように変換されることがわかる。
このように、本発明は、波形等化部13が相関演算部105が得た各相関値をそのままタップ係数の初期値とするのではなく、初期タップ係数生成部106により変換された各相関値をタップ係数の初期値とすることを特徴とする。
なお、トレーニング信号としてM系列を利用した場合には、最大の相関値以外の各相関値においても、最大の相関値に比べて非常に小さな有限値をとる。これらは、不要成分除去部120により除去可能である。
初期タップ係数生成部106における変換の度合いとLMSアルゴリズムの収束時間との関係については、図6に示すシミュレーション結果が得られている。
図6(a)は、閾値をパラメータとして発散の確率及び発散しなかった場合の収束時間をシミュレートした結果を示す図である。
このシミュレーション結果から、実施の形態1の波形等化部13においては、閾値が0.1に設定されている。
閾値を0.1より大きくすると、発散の確率はほとんどないが、発散しなかった場合の収束時間は、長くなる傾向にある。これは、D/U比の大きなパスに対してもタップ係数の初期値としてゼロが与えられるからと考えられる。
また、閾値を0.1より小さくすると、発散の確率は高くなるが、発散しなかった場合の収束時間は、短くなる傾向にある。しかし、閾値を0.05未満にすると発散の確率が5割以上と極端に高くなる。これらを総合すると、閾値は0.05以上0.1以下であることが望ましい。
図6(b)は、レベル調整係数をパラメータとして発散の確率及び発散しなかった場合の収束時間をシミュレートした結果を示す図である。
このシミュレーション結果から、実施の形態1の波形等化部13においては、レベル調整係数が0.5に設定されている。
レベル調整係数を0.5より大きくすると、発散の確率は高くなるが、収束時間は短くなる傾向にある。レベル調整係数が0.8付近が最も収束時間が短く、それ以上(0.8〜1.0)では収束時間が長くなる傾向にある。これは、相関演算の誤差の影響によるものと考えられる。
また、レベル調整係数を0.5より小さくすると、発散の確率はほとんどゼロとなり、収束時間は長くなる傾向にある。今回のシミュレーションでは、レベル調整係数を0.5にした場合でも、一度も発散することはなかった。したがって、レベル調整係数は、0以上1未満とすれば効果を得られるが、特に、0.5以上1未満の場合に効果が大きいと考えられる。
上述のシミュレーションは、以下の3つの環境でそれぞれ行われている。
(1)1波マルチパス環境で、D/U比=0dBとする。遅延時間は、−20μsecから+40μsecとする。
(2)6波マルチパス(Ensemble A)環境に、さらに、ノイズ(C/N=15dB)を付加する。
(3)ノイズ妨害のみの環境(C/N=10dB、15dB)。
なお、Ensemble A環境は、米国のATTC(Advanced Television Technology Center)が発行する資料「Evaluation of ATSC 8-VSB Receiver Performance in the Presence of Simulated Multipath and Noise」のAppendix Aに記載されている。
図7は、ATTCが発行する資料から、Ensemble A環境を規定する箇所の抜粋である。
また、米国地上波デジタル放送では、ノイズ妨害のみの環境の場合、C/N比=15dBが受信限界の目安とされている。
以上説明したように、実施の形態1に係る波形等化部は、相関演算部からの各相関値をそのままタップ係数の初期値とするのではなく、初期タップ係数生成部106により変換された各相関値をタップ係数の初期値とする。
シミュレーションの結果によれば、最大の相関値以外の各相関値を上述のように変換することにより、適応アルゴリズムが発散する確率が低くなる傾向が現れている。したがって、波形等化装置は、適応アルゴリズムの収束時間の増大を防止することができる。
また、波形等化部は、トレーニング信号としてインパルスやM系列以外を採用した場合でも、適応アルゴリズムの収束時間の増大を防止することができる。インパルスやM系列以外の信号とは、例えば、無線LANのプリアンブルのように完全な(ROMテーブルでしか発生できないような)ランダム信号や、アナログテレビのGCR信号のように微分などのある操作を施すことによりインパルスに変換できるような信号などのことである。インパルスやM系列であれば、自己相関に明確な最大値が現れ、マルチパス妨害がない場合には、最大値の部分以外は比較的小さな値をとる。一方、これらのランダム信号などでは、マルチパス妨害がない場合にも最大値以外にインパルスなどと比べて大きな値が現れることがある。実施の形態1に係る波形等化装置は、このような場合でも、最大値以外の相関値をレベル調整し、また不要成分を除去することにより、最大値を明確にするとともに、マルチパス妨害の成分も明確にすることができるからである。
なお、実施の形態1では、閾値を0.1、レベル調整係数を0.5としているが、これらの値に限るものではない。
なお、初期タップ係数生成部106の内部は、正規化部110、不要成分除去部120、レベル調整部130という順番で配置されているが、これに限らず、配置の変換が行われてもよい。
なお、レベル調整部130では、最大の相関値はそのまま出力され、それ以外の相関値は0.5が乗じられた結果が出力されているが、この例には限らない。本発明は、最大の相関値以外の各相関値の最大の相関値に対する比率をもとよりも小さくなるように変更することを特徴とするからである。例えば、レベル調整部130が、最大の相関値を2倍して出力し、それ以外の相関値をそのまま出力しても、同様の効果を得ることができる。
(実施の形態2)
<概要>
実施の形態2では、波形等化部は、初期タップ係数生成部が生成した各相関値、及び、インパルス生成部が生成したインパルスのいずれかをタップ係数の初期値として選択する。波形等化部は、まず一方を選択してLMSアルゴリズムを走らせて、それで収束しなければ、他方を選択して改めてLMSアルゴリズムを走らせる。
<構成>
図8は、実施の形態2に係る波形等化部13の構成を示す図である。
波形等化部13は、フィルタ部101、トレーニング信号生成部102、タップ係数演算部103、トレーニング信号抽出部104、相関演算部105、初期タップ係数生成部106、選択部207、インパルス生成部208、収束判定部209及び制御部210を備える。
図8の波形等化部は、図3の波形等化部に、選択部207、インパルス生成部208、収束判定部209及び制御部210を追加した構成となっている。これら以外の構成要素は、図3と同様なので説明を省略する。
選択部207は、初期タップ係数生成部106からと、インパルス生成部208からとの入力を受け付け、いずれかをタップ係数演算部103に出力する。いずれを接続するかは、制御部210により決定される。
インパルス生成部208は、インパルスを生成する。インパルスは、遅延時間0の相関値が1であり、それ以外の全ての遅延時間では相関値がゼロとなる信号である。したがって、タップ係数としてインパルスが採用される場合、入力信号x(k)は、フィルタ部101を通過してもそのまま出力される。すなわち、入力信号x(k)と出力信号y(k)とが等しい。また、これは、マルチパス妨害が全くない場合のタップ係数の最適値であるともいえる。
収束判定部209は、出力信号y(k)を監視しており、LMSアルゴリズムが収束したか否かを判定する。収束したか否かは、出力信号y(k)の値と、それが本来とるべき値との差分が所定値を下回るか否かにより判定する。判定結果は、収束していればハイレベルを示し、収束していなければローレベルを示す信号電圧により制御部210へと送出される。
制御部210は、判定結果に基づいて、選択部207の接続を決定すると共に、タップ係数演算部103にロード命令を与える。タップ係数演算部103は、ロード命令をトリガとして、選択部207からタップ係数の初期値を受け付ける。
<制御部の動作>
上記構成によれば、タップ係数演算部103は、初期タップ係数生成部106又はインパルス生成部208からタップ係数の初期値を得ることができる。先にどちらから初期値を得るかは、波形等化部13の仕様により異なる。以下に、2通りの仕様における制御部210の動作をそれぞれ説明する。
図9は、制御部210の動作における第1の例を示す図である。
制御部210は、最初に初期タップ係数生成部106からの各相関値をタップ係数演算部103に読み込ませる(ステップS201)。そのために、制御部210は、初期タップ係数生成部106とタップ係数演算部103とが接続されるように選択部207を制御する。それと共に、制御部210は、タップ係数演算部103に初期値の読み込みを促すロード命令を出力する。これにより、LMSアルゴリズムが開始される。
制御部210は、LMSアルゴリズムの開始から500msecが経過するまで待つ(ステップS202)。
制御部210は、収束判定部209の判定結果を示す信号電圧を受け付けており、LMSアルゴリズムの開始から500msec経過後にLMSアルゴリズムが収束しているか否かを判定する(ステップS203)。
LMSアルゴリズムが収束していれば(ステップS203、Y)、制御部210の動作は終了する。
LMSアルゴリズムが収束していなければ(ステップS203、N)、制御部210は、次にインパルス生成部208からのインパルスをタップ係数演算部103に読み込ませる(ステップS204)。そのために、制御部210は、インパルス生成部208とタップ係数演算部103とが接続されるように選択部207を制御する。それと共に、制御部210は、タップ係数演算部103に初期値の読み込みを促すロード命令を出力する。これらにより、LMSアルゴリズムが改めて開始される。
フィルタ部101のタップ係数の最適値は、放送受信装置10が置かれた受信環境により変動する。したがって、同じ放送局を選局する場合であっても、タップ係数の最適値は異なることがある。これに伴い、初期タップ係数生成部106が出力する各相関値も毎回変動する。これに対して、インパルスは予め決められているデフォルト値である。
初期タップ係数生成部106は、ほとんどの場合に収束時間の増大の防止に寄与すると考えられる。しかし、必ずしもタップ係数の最適値を与えるものではないので、LMSアルゴリズムが発散しないとも限らない。そこで、実施の形態2に係る波形等化部13は、500msec経過後に未だ収束していなければ、デフォルト値を初期値として与えて改めてLMSアルゴリズムを開始する。これにより、波形等化部13は、収束時間が決定的に長くなる事態を回避することができる。
図10は、制御部210の動作における第2の例を示す図である。
制御部210は、最初にインパルス生成部208からのインパルスをタップ係数演算部103に読み込ませる(ステップS211)。そのために、制御部210は、インパルス生成部208とタップ係数演算部103とが接続されるように選択部207を制御する。それと共に、制御部210は、タップ係数演算部103に初期値の読み込みを促すロード命令を出力する。これらにより、LMSアルゴリズムが開始される。
制御部210は、LMSアルゴリズムの開始から500msecが経過するまで待つ(ステップS212)。
制御部210は、収束判定部209の判定結果を示す信号電圧を受け付けており、LMSアルゴリズムの開始から500msec経過後にLMSアルゴリズムが収束しているか否かを判定する(ステップS213)。
LMSアルゴリズムが収束していれば(ステップS213、Y)、制御部210の動作は終了する。
LMSアルゴリズムが収束していなければ(ステップS213、N)、制御部210は、次に初期タップ係数生成部106からの各相関値をタップ係数演算部103に読み込ませる(ステップS214)。そのために、制御部210は、初期タップ係数生成部106とタップ係数演算部103とが接続されるように選択部207を制御する。それと共に、制御部210は、タップ係数演算部103に初期値の読み込みを促すロード命令を出力する。これらにより、LMSアルゴリズムが改めて開始される。
実施の形態2に係る波形等化部13は、第1の例、第2の例のいずれであっても、LMSアルゴリズムの収束時間が決定的に長くなることを防止することができる。
相関演算部105は、24.2msec毎に定期的に送出されてくるトレーニング信号を抽出して初めて各相関値を導出することができる。これは、タップ係数演算部103がタップ係数の初期値を得るのに、最大24.2msecが必要なことを意味する。したがって、第1の例では、タップ係数の初期値が与えられるまで、最大24.2msecの待ち時間が必要となる。第2の例では、そのような待ち時間が必要ない。
なお、実施の形態2では、ステップS202又はS212において待ち時間を500msecに設定しているが、これに限られるものではない。
また、ステップS204又はS214において改めてLMSアルゴリズムが開始されるが、これでも収束しなければ、再度、ステップS201又はS211に戻ってもよい。
(実施の形態3)
<概要>
実施の形態3では、波形等化部は、初期タップ係数生成部におけるレベル調整係数を変更することができる。波形等化部は、あるレベル調整係数を用いてLMSアルゴリズムを開始し、それで収束しなければ、レベル調整係数を変更してLMSアルゴリズムを改めて開始する。
<構成>
図11は、実施の形態3に係る波形等化部13の構成を示す図である。
波形等化部13は、フィルタ部101、トレーニング信号生成部102、タップ係数演算部103、トレーニング信号抽出部104、相関演算部105、初期タップ係数生成部306、収束判定部209及び制御部310を備える。
図11の波形等化部は、図3の波形等化部に、収束判定部209及び制御部310を追加した構成となっている。また、初期タップ係数生成部306の内部構成が若干異なる。これら以外の構成要素は、図3と同様なので説明を省略する。
収束判定部209は、出力信号y(k)を監視しており、LMSアルゴリズムが収束したか否かを判定する。収束したか否かは、出力信号y(k)の値と、それが本来とるべき値との差分が所定値を下回るか否かにより判定する。判定結果は、収束していればハイレベルを示し、収束していなければローレベルを示す信号電圧により制御部310へと送出される。
制御部310は、判定結果に基づいて、初期タップ係数生成部306のレベル調整係数を決定すると共に、タップ係数演算部103にロード命令を与える。レベル調整係数は、制御部310内部のROMに予め複数種類格納されており、一定の順番に従っていずれかが選択される。タップ係数演算部103は、ロード命令をトリガとして、初期タップ係数生成部306からタップ係数の初期値を受け付ける。
図12は、初期タップ係数生成部の詳細な構成を示す図である。
初期タップ係数生成部306は、正規化部110、不要成分除去部120、レベル調整部330を備える。
図12の初期タップ係数生成部は、図4の初期タップ係数生成部と、レベル調整部の構成が若干異なる。これら以外の構成要素は、図4と同様なので説明を省略する。
レベル調整部330は、正規化された各相関値のうちの最大の相関値(即ち、相関値が1)についてはそのまま出力し、それ以外の各相関値についてはレベル調整係数(=B)を乗じて出力する。ここで、レベル調整係数は、制御部310から与えられる。
<制御部の動作>
図13は、制御部310の動作を示す図である。
制御部310は、複数のレベル調整係数のうちのひとつを一定の順番に従って選択し、初期タップ係数生成部306に与える(ステップS301)。これにより、初期タップ係数生成部306にそのレベル調整係数が設定される。
制御部310は、初期タップ係数生成部306からの各相関値をタップ係数演算部103に読み込ませる(ステップS302)。そのために、制御部310は、タップ係数演算部103に初期値の読み込みを促すロード命令を出力する。これにより、LMSアルゴリズムが開始される。
制御部310は、LMSアルゴリズムの開始から500msecが経過するまで待つ(ステップS303)。
制御部310は、収束判定部209の判定結果を示す信号電圧を受け付けており、LMSアルゴリズムの開始から500msec経過後にLMSアルゴリズムが収束しているか否かを判定する(ステップS304)。
LMSアルゴリズムが収束していれば(ステップS304、Y)、制御部310の動作は終了する。
LMSアルゴリズムが収束していなければ(ステップS304、N)、制御部310は、レベル調整係数を一定の順番に従って変更し、初期タップ係数生成部306に与える(ステップS305)。これにより、初期タップ係数生成部306にそのレベル調整係数が設定される。
例えば、レベル調整係数として「0.8」「0.5」「0」が格納され、大きい順に選択するという規則があるとする。この場合、初期タップ係数生成部306のレベル調整係数は、最初に「0.8」が設定され、これで収束しなければ、次に「0.5」が設定される。あとは同様に設定されて「0」に達する。ちなみに、実施の形態2は、レベル調整係数として、「0.5」と「0」とが設定される、実施の形態3の特殊な場合といえる。
以上説明したように、実施の形態3に係る波形等化部は、実施の形態2と同様の理由により、LMSアルゴリズムの収束時間の増大が決定的に長くなることを防止することができる。
(実施の形態4)
<概要>
図1に示すように、波形等化部は、復調部の後段に配置される。復調部は、搬送波再生及びクロック再生を行うことにより、搬送波を復調してベースバンド信号を得る。このベースバンド信号が波形等化部の入力信号として入力される。
従来の波形等化部は、タップ係数の初期値のロードをどのようなタイミングで行うかが規定されていない。そのため、復調部での搬送波再生及びクロック再生が完了していない状態でタップ係数の初期値をロードすることがあり得る。しかし、搬送波再生及びクロック再生が完了していなければ、入力信号の信頼性が低く、そのような入力信号を基に生成されたタップ係数の初期値も信頼性は低い。信頼性の低い初期値は、LMSアルゴリズムの収束時間を増大させるおそれがある。そこで、波形等化部13は、復調部12における搬送波再生及びクロック再生が完了してからタップ係数の初期値を生成する。これにより、波形等化部は、信頼性の低い初期値を用いることにより適応アルゴリズムの収束時間が増大することを防止することができる。
なお、実施の形態4に係る波形等化部は、搬送波再生及びクロック再生が完了していることを、最大の相関値に対応するタップが所定回数だけ同一であるか否かにより判定する。
<構成>
図14は、実施の形態4に係る波形等化部13の構成を示す図である。
波形等化部13は、フィルタ部101、トレーニング信号生成部102、タップ係数演算部103、トレーニング信号抽出部104、相関演算部105、初期タップ係数生成部106、ピーク検出部411及び制御部410を備える。
図14の波形等化部は、図3の波形等化部に、ピーク検出部411及び制御部410を追加した構成となっている。これら以外の構成要素は、図3と同様なので説明を省略する。
ピーク検出部411は、相関演算部105が出力する各相関値のうちの最大の相関値と、それに対応するタップ番号とを検出する。検出されたタップ番号は、制御部410に送出される。
制御部410は、ピーク検出部411から送出されたタップ番号を複数回取得し、それが3回一致すれば、タップ係数演算部103にロード命令を与える。タップ係数演算部103は、ロード命令をトリガとして、初期タップ係数生成部106からタップ係数の初期値を受け付ける。
<制御部の動作>
図15は、制御部410の動作を示す図である。
制御部410は、カウンタの値「COUNT」をゼロに初期化する(ステップS401)。
トレーニング信号は、24.2msec毎に定期的に送出されている。制御部410は、トレーニング信号が抽出されるまで待機する(ステップS402)。
トレーニング信号が抽出されると、相関演算部105は相関演算を行う。ピーク検出部411は、相関演算部105が出力する各相関値のうちの最大の相関値と、それに対応するタップ番号とを検出する。検出されたタップ番号は、制御部410に送出される。制御部410は、送出されたタップ番号を記憶する(ステップS403)。
制御部410は、次のトレーニング信号が抽出されるまで待機する(ステップS404)。
次のトレーニング信号が抽出されると、ステップS403と同様の処理により、タップ番号が制御部410に送出される。制御部410は、送出されたタップ番号を受けて、ステップS403で記憶したタップ番号と一致するか否か判定する(ステップS405)。
一致しない場合には(ステップS405、N)、制御部410は、処理をステップS401に戻す。
一致する場合には(ステップS405、Y)、制御部410は、カウンタの値「COUNT」をインクリメントする(ステップS406)。
制御部410は、カウンタの値「COUNT」が3以上であるか否か判定する(ステップS407)。
カウンタの値「COUNT」が3以上でなければ(ステップS407、N)、制御部410は、3以上になるまでステップS404からの処理を繰り返す。
カウンタの値「COUNT」が3以上であれば(ステップS407、Y)、制御部410は、初期タップ係数生成部106からの各相関値をタップ係数演算部103に読み込ませる(ステップS408)。そのために、制御部410は、タップ係数演算部103に初期値の読み込みを促すロード命令を出力する。これらにより、LMSアルゴリズムが開始される。
以上説明したように、実施の形態4に係る波形等化部は、復調部における搬送波再生及びクロック再生が完了してからタップ係数の初期値を生成する。ここで、搬送波再生及びクロック再生が完了していることは、最大の相関値に対応するタップが所定回数だけ同一であるか否かにより判定することができる。これは、搬送波再生及びクロック再生が完了していれば、入力信号の信頼性が高く、最大の相関値に対応するタップが毎回同一になるからである。逆に、搬送波再生及びクロック再生が完了していなければ、入力信号の信頼性が低く、最大の相関値に対応するタップが毎回異なる。
これにより、波形等化部は、信頼性の低い初期値を用いることにより適応アルゴリズムの収束時間が増大することを防止することができる。
なお、実施の形態4では、信頼性の有無を判定するカウンタの閾値を3としているが、この値に限るものではない。
なお、実施の形態4では、実施の形態1との組み合わせで説明しているが、この組み合わせに限らず、実施の形態2、3との組み合わせを採用してもよい。
(実施の形態5)
<概要>
実施の形態5に係る波形等化部は、搬送波再生及びクロック再生が完了していることを、最大の相関値が閾値を超えているか否かにより判定する。
<構成>
図16は、実施の形態5に係る波形等化部13の構成を示す図である。
波形等化部13は、フィルタ部101、トレーニング信号生成部102、タップ係数演算部103、トレーニング信号抽出部104、相関演算部105、初期タップ係数生成部106、ピーク検出部511及び制御部510を備える。
図16の波形等化部は、図3の波形等化部に、ピーク検出部511及び制御部510を追加した構成となっている。これら以外の構成要素は、図3と同様なので説明を省略する。
ピーク検出部511は、相関演算部105が出力する各相関値のうちの最大の相関値と、それに対応するタップ番号とを検出する。検出されたタップ番号は、制御部510に送出される。
制御部510は、相関演算部105が出力する各相関値を取得している。また、ピーク検出部511からのタップ番号により、最大の相関値を知ることができる。制御部510は、最大の相関値が800を超えていれば、タップ係数演算部103にロード命令を与える。タップ係数演算部103は、ロード命令をトリガとして、初期タップ係数生成部106からタップ係数の初期値を受け付ける。
<制御部の動作>
図17は、制御部510の動作を示す図である。
トレーニング信号は、24.2msec毎に定期的に送出されている。制御部510は、トレーニング信号が抽出されるまで待機する(ステップS501)。
トレーニング信号が抽出されると、相関演算部105は相関演算を行う。ピーク検出部511は、相関演算部105が出力する各相関値のうちの最大の相関値と、それに対応するタップ番号とを検出する。タップ番号は、制御部510に送出される。制御部510は、そのタップ番号により最大の相関値を知ることができる。そして最大の相関値が、800を超えているか否か判定する(ステップS502)。
最大の相関値が800を超えていない場合には(ステップS502、N)、制御部510は、ステップS501の処理に戻り、次のトレーニング信号まで待機する。
最大の相関値が800を超えている場合には(ステップS502、Y)、制御部510は、初期タップ係数生成部106からの各相関値をタップ係数演算部103に読み込ませる(ステップS503)。そのために、制御部510は、タップ係数演算部103に初期値の読み込みを促すロード命令を出力する。これにより、LMSアルゴリズムが開始される。
以上説明したように、実施の形態5に係る波形等化部は、復調部における搬送波再生及びクロック再生が完了してからタップ係数の初期値を生成する。ここで、搬送波再生及びクロック再生が完了していることは、最大の相関値が閾値を超えているか否かにより判定することができる。これは、搬送波再生及びクロック再生が完了していれば、抽出されたトレーニング信号と生成されたトレーニング信号とに強い相関関係が観測されるからである。逆に、搬送波再生及びクロック再生が完了していなければ、強い相関関係が観測されない。
これにより、波形等化部は、信頼性の低い初期値を用いることにより適応アルゴリズムの収束時間が増大することを防止することができる。
なお、実施の形態4に係る波形等化部は、搬送波再生及びクロック再生の完了後、少なくとも3回のトレーニング信号を得なければならない。一方、実施の形態5に係る波形等化部は、搬送波再生及びクロック再生が完了すれば、1回のトレーニング信号によりLMSアルゴリズムを開始することができる。したがって、実施の形態5が、実施の形態4よりも収束時間の短縮を図ることができる。
なお、実施の形態5では、信頼性の有無を判定する相関値を800としているが、この値に限るものではない。
なお、実施の形態5では、実施の形態1との組み合わせで説明しているが、この組み合わせに限らず、実施の形態2、3との組み合わせを採用してもよい。
(実施の形態6)
<概要>
実施の形態6に係る波形等化部は、搬送波再生が完了していることを、搬送波再生に係るフィードバック信号に基づいて判定し、クロック再生が完了していることをクロック再生に係るフィードバック信号に基づいて判定する。
<構成>
図18は、復調部12の構成を示す図である。
復調部12は、ADコンバータ30、搬送波再生部40及びクロック再生部50を備える。
搬送波再生部40は、ミキサ41、NCO(Numerical Controlled Oscillator)42、周波数誤差検出部43及びローパスフィルタ44からなり、同期検波を行う。周波数誤差検出部43は、NCO42の発振周波数と、搬送波の周波数との誤差を検出する。誤差は、ローパスフィルタ44により高周波成分が取り除かれ、フィードバック信号としてNCO42に入力される。NCO42は、フィードバック信号に基づき、発振周波数を搬送波の周波数に近づけるように調整する。このフィードバック信号が、搬送波再生において周波数の誤差を表す周波数誤差情報である。
クロック再生部50は、サンプリング周波数変換部51、リサンプリングタイミング発生部52、位相誤差検出部53及びローパスフィルタ54からなる。
位相誤差検出部53は、リサンプリングタイミング発生部52のクロック位相と、搬送波の位相との誤差を検出する。誤差は、ローパスフィルタ54により高周波成分が取り除かれ、フィードバック信号としてリサンプリングタイミング発生部52に入力される。リサンプリングタイミング発生部52は、フィードバック信号に基づき、クロック位相を搬送波の位相に近づけるように調整する。このフィードバック信号が、クロック再生において位相の誤差を表す位相誤差情報である。
上述の周波数誤差情報と位相誤差情報とは、波形等化部13に送出される。
図19は、実施の形態6に係る波形等化部13の構成を示す図である。
波形等化部13は、フィルタ部101、トレーニング信号生成部102、タップ係数演算部103、トレーニング信号抽出部104、相関演算部105、初期タップ係数生成部106、及び制御部610を備える。
図19の波形等化部は、図3の波形等化部に、制御部610を追加した構成となっている。これら以外の構成要素は、図3と同様なので説明を省略する。
制御部610は、搬送波再生部40からの周波数誤差情報と、クロック再生部50からの位相誤差情報とを10msec間隔で監視して、これらの変化率が10ppm未満になれば、タップ係数演算部103にロード命令を与える。タップ係数演算部103は、ロード命令をトリガとして、初期タップ係数生成部106からタップ係数の初期値を受け付ける。
ここで、10ppmとは、搬送波再生の場合、5MHz程度の周波数に対する10ppmであり、クロック再生の場合、10.76MHz(米国地上波DTVのシンボルレート)の10ppmである。
図20(a)は、周波数誤差情報の挙動を示す図である。
処理開始時には、NCO42の発振周波数は、搬送波の周波数と乖離しているが、処理時間が経過するに従い近づいてくる。それとともに、発振周波数の変化率も小さくなる。この変化率が10ppm未満になれば、周波数再生が完了したとみなすことができる。
図20(b)は、位相誤差情報の挙動を示す図である。
処理開始時には、リサンプリングタイミング発生部52の位相は、搬送波の位相と乖離しているが、処理時間が経過するに従い近づいてくる。それとともに、クロック位相の変化率も小さくなる。この変化率が10ppm未満になれば、クロック再生が完了したとみなすことができる。
<制御部の動作>
図21は、制御部610の動作を示す図である。
制御部610は、周波数誤差情報及び位相誤差情報を10msec間隔で監視している。制御部610は、周波数誤差情報の変化率が10ppm未満となるか否かを判定する(ステップS601)。
周波数誤差情報の変化率が10ppm未満とならなければ(ステップS601、N)、制御部610は、その変化率が10ppm未満となるまで待機する。
周波数誤差情報の変化率が10ppm未満となれば(ステップS601、Y)、制御部610は、位相誤差情報の変化率が10ppm未満となるか否かを判定する(ステップS602)。
位相誤差情報の変化率が10ppm未満とならなければ(ステップS602、N)、制御部610は、その変化率が10ppm未満となるまで待機する。
位相誤差情報の変化率が10ppm未満となれば(ステップS602、Y)、制御部610は、初期タップ係数生成部106からの各相関値をタップ係数演算部103に読み込ませる(ステップS603)。そのために、制御部610は、タップ係数演算部103に初期値の読み込みを促すロード命令を出力する。これにより、LMSアルゴリズムが開始される。
以上説明したように、実施の形態6に係る波形等化部は、復調部における搬送波再生及びクロック再生が完了してからタップ係数の初期値を生成する。ここで、搬送波再生及びクロック再生が完了していることは、周波数誤差情報の変化率及び位相誤差情報の変化率が閾値よりも小さいか否かにより判定することができる。これは、搬送波再生及びクロック再生が完了していれば、周波数誤差情報及び位相誤差情報の変化率が小さくなるからである。逆に、搬送波再生及びクロック再生が完了していなければ、それらの変化率は大きい。
これにより、波形等化部は、信頼性の低い初期値を用いることにより適応アルゴリズムの収束時間が増大することを防止することができる。
なお、実施の形態6では、搬送波再生の完了を待った後に、クロック再生の完了を待っているが、これに限らない。例えば、これらの順番を逆にしてもよい。
なお、実施の形態6では、実施の形態1との組み合わせで説明しているが、この組み合わせに限らず、実施の形態2、3との組み合わせを採用してもよい。
なお、本明細書では、放送受信装置における波形等化部について説明しているが、本発明の適用はこれに限らない。例えば、無線通信あるいは有線通信の受信装置にも適用可能である。
また、本明細書では、LMSアルゴリズムについて説明しているが、本発明の適用はこれに限らない。例えば、改良型のLMSアルゴリズムや、CMAアルゴリズムなど、他の適応アルゴリズムを用いてもよい。
本発明の波形等化装置は、放送受信装置における波形等化手段として有用である。また、放送に限らず、無線通信の受信装置における波形等化手段として利用可能である。
放送受信装置の一般的な構成を示す図である。 米国ATSC規格における放送データのデータ構造を示す図である。 実施の形態1に係る波形等化部13の構成を示す図である。 初期タップ係数生成部の詳細な構成を示す図である。 (a)は、相関演算部105が出力する各相関値を示す図である。 (b)は、正規化部110が出力する各相関値を示す図である。 (c)は、不要成分除去部120が出力する各相関値を示す図である。 (d)は、レベル調整部130が出力する各相関値を示す図である。 (a)は、閾値をパラメータとして発散の確率及び収束時間をシミュレートした結果を示す図である。 (b)は、レベル調整係数をパラメータとして発散の確率及び収束時間をシミュレートした結果を示す図である。 ATTCが発行する資料から、Ensemble A環境を規定する箇所の抜粋である。 実施の形態2に係る波形等化部13の構成を示す図である。 制御部210の動作における第1の例を示す図である。 制御部210の動作における第2の例を示す図である。 実施の形態3に係る波形等化部13の構成を示す図である。 初期タップ係数生成部の詳細な構成を示す図である。 制御部310の動作を示す図である。 実施の形態4に係る波形等化部13の構成を示す図である。 制御部410の動作を示す図である。 実施の形態5に係る波形等化部13の構成を示す図である。 制御部510の動作を示す図である。 復調部12の構成を示す図である。 実施の形態6に係る波形等化部13の構成を示す図である。 (a)は、周波数誤差情報の挙動を示す図である。 (b)は、位相誤差情報の挙動を示す図である。 制御部610の動作を示す図である。 一般的な波形等化装置に、特許文献1が開示する初期タップ係数推定機能を付加した構成を示す図である。 (a)は、理想的なインパルスの場合に相関演算部105が出力する各相関値を示す図である。 (b)は、インパルスが歪んでいる場合に相関演算部105が出力する各相関値を示す図である。
符号の説明
101 フィルタ部
102 トレーニング信号生成部
103 タップ係数演算部
104 トレーニング信号抽出部
105 相関演算部
106、306 初期タップ係数生成部
110 正規化部
111 ピーク検出部
112 遅延部
113 演算部
120 レベル調整部
120 不要成分除去部
121 閾値保持部
122 比較部
123 セレクタ
130、330 レベル調整部
131 演算部
132 セレクタ
207 選択部
208 インパルス生成部
209 収束判定部
210、310、410、510、610 制御部
411、511 ピーク検出部

Claims (13)

  1. 適応フィルタを用いて入力信号の波形等化を行う波形等化装置であって、
    入力信号からトレーニング信号を抽出する抽出手段と、
    基準となるトレーニング信号を生成する生成手段と、
    前記抽出手段により抽出されたトレーニング信号と、前記生成手段により生成されたトレーニング信号との相関演算により、前記適応フィルタの各タップに対応する相関値をそれぞれ導出する導出手段と、
    前記導出手段により導出された最大の相関値以外の各相関値の最大の相関値に対する比率を、導出時における比率よりも小さくなるように変換した後に、全ての相関値を各タップ係数の初期値として前記適応フィルタに供給する供給手段と
    を備えることを特徴とする波形等化装置。
  2. 前記供給手段は、
    最大の相関値以外の各相関値に0.5以上1未満の係数を乗じることにより前記変換を行うこと
    を特徴とする請求項1に記載の波形等化装置。
  3. 前記供給手段は、
    最大の相関値のみに1より大きく2以下の係数を乗じることにより前記変換を行うこと
    を特徴とする請求項1に記載の波形等化装置。
  4. 前記供給手段は、さらに、
    最大の相関値に対する比率が閾値未満の各相関値を不要成分とみなして除去すること
    を特徴とする請求項1に記載の波形等化装置。
  5. 前記閾値は、
    0.05以上0.1以下であること
    を特徴とする請求項4に記載の波形等化装置。
  6. 前記適応フィルタは、適応アルゴリズムにより各タップ係数を更新し、
    前記波形等化装置は、さらに、
    各タップ係数に相当するデフォルト値を予め保持している保持手段と、
    前記供給手段が前記適応フィルタにタップ係数の初期値を供給してから所定時間後に、前記適応フィルタの出力信号に基づいて適応アルゴリズムが収束しているか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段が否定的な判定をした場合に、前記保持手段に保持されている各デフォルト値を各タップ係数の初期値として前記適応フィルタに供給させる制御手段と
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の波形等化装置。
  7. 前記デフォルト値は、入力信号が前記適応フィルタを通過しても当該入力信号を変化させない値であること
    を特徴とする請求項6に記載の波形等化装置。
  8. 前記適応フィルタは、適応アルゴリズムにより各タップ係数を更新し、
    前記波形等化装置は、さらに、
    予め定められた各デフォルト値を各タップ係数の初期値として前記適応フィルタに与えてから所定時間後に、前記適応フィルタの出力信号に基づいて適応アルゴリズムが収束しているか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段が否定的な判定をした場合に、前記供給手段に各タップ係数の初期値を供給させる制御手段と
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の波形等化装置。
  9. 前記デフォルト値は、入力信号が前記適応フィルタを通過しても当該入力信号を変化させない値であること
    を特徴とする請求項8に記載の波形等化装置。
  10. 前記適応フィルタは、適応アルゴリズムにより各タップ係数を更新し、
    前記供給手段は、最大の相関値以外の各相関値を、最大の相関値に対する比率を第1の割合で小さくなるように変換し、
    前記波形等化装置は、さらに、
    前記供給手段が前記適応フィルタにタップ係数の初期値を供給してから所定時間後に、前記適応フィルタの出力信号に基づいて適応フィルタが収束しているか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段が否定的な判定をした場合に、前記供給手段に第1の割合とは異なる第2の割合で小さくなるように変換させて各タップ係数の初期値として供給させる制御手段と
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の波形等化装置。
  11. 前記入力信号は、複数のトレーニング信号を含んでおり、
    前記波形等化装置は、さらに、
    前記導出手段により導出された各相関値のうち最大の相関値に対応するタップを記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に所定回数だけ同じタップが記憶されるまで、前記供給手段が各タップ係数の初期値を供給することを抑制する制御手段と
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の波形等化装置。
  12. 前記波形等化装置は、さらに、
    前記導出手段により導出された各相関値のうちの最大の相関値が、所定値を超えるか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段が肯定的な判定をするまで、前記供給手段が各タップ係数の初期値を供給することを抑制する制御手段と
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の波形等化装置。
  13. 前記入力信号は、受信信号を復調する復調部において復調された後の信号であり、
    前記波形等化装置は、さらに、
    前記復調部における搬送波再生及びクロック再生が完了しているか否かを、搬送波再生における周波数の誤差、及びクロック再生における位相の誤差に基づいて判定する判定手段と、
    前記判定手段が肯定的な判定をするまで、前記供給手段が各タップ係数の初期値を供給することを抑制する制御手段と
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の波形等化装置。
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