JP4686252B2 - 波形等化装置、波形等化方法および集積回路 - Google Patents
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Description
を例に説明する。
8値VSB変調されたDTV信号がAD変換器311でディジタルデータに変換された後、AGC315および、AFC316にそれぞれ入力される。AGC315では、チューナ302の出力を一定レベルにするように、信号レベル調整信号をチューナ302に出力する。AFC316では、受信信号をベースバンドに変換する。AFC316によってベースバンドに変換された信号は、同期検出部314および波形等化部312にそれぞれ入力される。同期検出部314は入力されたDTV信号からセグメント同期信号360、フィールド同期信号370を検出し、波形等化部312へタイミング信号を供給する。波形等化部312は同期検出回路314からのタイミング信号をもとにAD変換器311から入力されたDTV信号に対し波形等化処理を施し、誤り訂正部313に出力する。誤り訂正部313は波形等化部312によって歪みの除去されたDTV信号に対して誤り訂正処理を行い、後段のデコード部304へ出力する。図9に示したAD変換器311によってディジタル信号に変換されたDTV信号は、伝送路の影響をうけて歪み成分を含んでおり、この歪みは前記波形等化部312によって除去される。
e(n)=y(n)×(|y(n)|^2−R) …式2
図5は、y(n)と^y(n)の関係を2値振幅変調の例で示している。図5(a)は歪みのない受信信号として考えられる受信信号点の2点である+1と−1を表している。これに対して、歪みが付加され完全に除去されていない出力信号y(n)の場合、y(n)にもっとも近い図5(a)の信号点を^y(n)として選択する。すなわち、図5(b)の例では+1を、図5(c)の例では−1を^y(n)として選択し、LMSアルゴリズムにおいてはこの^y(n)を用いてe(n)を計算する。
ΔCi(n)=u×e(n)×x*(n−i) …式3
ここでx*(n−i)はx(n−i)の複素共役をあらわす。uはタップ係数の更新速度を決定するステップサイズで定数である。なお、ステップサイズは係数更新修正量と呼ぶこともある。
タップ係数記憶部12は記憶しているタップ係数Ci(n−1)とタップ係数更新量演算部10の出力であるΔCi(n)から、式4に基づいてCi(n)を計算する。
このタップ係数更新処理をi=0〜k−1の全タップに関して行うことにより、イタレーションnにおけるタップ係数更新処理が完了する。このようなイタレーションを繰り返して、徐々に波形等化を行い、入力信号の伝送路歪みを除去する。
このような逐次更新型のアルゴリズムにおいてはステップサイズuが波形等化の収束速度と収束後の残留誤差を決定する大きな要因となる。一般にステップサイズuの値を大きくすると、収束速度は向上し、残留誤差は増加する。逆に、ステップサイズuの値を小さくすると、収束速度は遅くなるが、残留誤差は減少する。
図28は特許文献2に開示している波形等化装置を示している。この波形等化装置は、入力端子201、トランスバーサルフィルタ202、歪み検出器203、係数更新器204および歪み変動量検出器205から構成されている。
しかしながら特許文献2における従来の方法では、歪み検出器にCMA(The constant modulus algorithm)のような、符号点からのずれが同じでも符号点によって歪み検出量が異なる(図29参照)アルゴリズムを利用すると、高速に変動するダイナミックゴーストが存在しない時にも残留変動量監視手段が変動を検出してしまうという問題点があった。
さらに、波形等化処理の出力における歪みの時間変動でステップサイズを制御しているため、ダイナミックに変動するマルチパス干渉が存在する時に、歪みの時間変動を検出してステップサイズを大きくするが、それによって歪みの時間変動がなくなるために、ステップサイズを小さくし、すると、再び歪みの時間変動が大きくなるという処理の繰り返しに陥る可能性もあった。
共通する課題である。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、収束速度が速く、かつ、残留誤差が小さく、かつ、小さなマルチパスも除去できる波形等化装置を提供することを第1の目的とする。
本発明の第2の目的は、受信信号に応じてステップサイズを制御することが可能である波形等化装置を提供することにある。
定数uと、前記誤差e(n)と、前記入力信号の遅延信号x(n−i)の複素共役信号x*(n−i)と、Ci(n−1)の関数であるαi(n)を用いて、タップ係数更新量ΔCi(n)=αi(n)×u×e(n)×x*(n−i)なる演算でタップ係数更新量を求める、
という構成にしている。
また、前記αi(n)は、
Ci(n−1)の大きさに応じて0<αi(n)≦1で単調増加する関数とするのが望ましい。
さらに、前記Ci(n−1)の大きさは|Ci(n−1)|であり、前記αi(n)は、|Ci(n−1)|<bの場合はαi(n)=a(a<1)となり、それ以外(|Ci(n−1)|≧b)の場合はαi(n)=1となる。
さらに、前記受信信号変動検出部は、送信信号に挿入される既知信号と受信信号から算出された相関値の絶対値のうち、1番目に大きな値からN番目に大きな値のうち、m個(mは自然数)を入力信号とし、前記m個のそれぞれの入力信号の統計的数量を算出するm個の統計量演算部を有し、前記m個の統計量演算部で算出したm個の統計的数量に対し、それぞれ所定の閾値と比較を行うm個の比較判定部を有し、前記m個の比較判定部におけるm個の比較判定を用いて、受信信号に含まれるマルチパス干渉が動的(ダイナミック)であるか静的(スタティック)であるかの判定をするという構成とすることができる。
さらに、Ci(n−1)の関数である前記αi(n)を、前記定数uの大きさによって可変するという構成とすることができる。
この構成とすれば、αi(n)を定数uによって可変することで、定数uを変えても、その定数uに最適な関数αi(n)にすることができる。
(実施の形態1)
図1は本実施の形態1における波形等化装置のブロック図である。図1において、図4と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。また、本波形等化装置は、図9の受信装置において、波形等化部312に適用することができる。
ΔC’i(n)=e(n)×x*(n−i) …式5
14はタップ係数更新量決定部であり、式6に基づいてi番目のタップ係数の更新量ΔCi(n)を決定して出力する。また13と14で本実施の形態のタップ係数更新量演算部15を構成する。
ここで、αi(n)はイタレーションnにおけるi番目のタップ係数の更新量における重み付けであり(0<αi(n)≦1)、図2に示すようにタップ係数記憶部12が記憶しているイタレーション(n−1)で計算したタップ係数Ci(n−1)の大きさに応じて単調増加する関数f(Ci(n−1))である。f(Ci(n−1))としては、例えば図3(a)〜(f)に示すような関数が考えられる。いずれも、Ci(n−1)の電力や絶対値など、Ci(n−1)の大きさを表す指標がおおきくなるほど、αi(n)は大きくなって、その値は1に近づく。
図10は、この実施の形態の効果を表すシミュレーション結果である。シミュレーションの入力信号としては、AWGN環境下(C/N=15dB)に静的なマルチパス干渉(マルチパス干渉波の遅延、位相、D/U値は図33参照)を付加したものを利用した。図10では、横軸をステップサイズとしており、あるステップサイズu_0から、その8倍の8u_0までシミュレーションをしている。縦軸は、波形等化後の信号と正しい信号とのMSE(Mean Suquare Error)をデシベル換算したものであり、縦軸において、値が小さいほど、波形等化後の信号に残留する誤差が小さいことを意味している。図10より、本発明が適用された波形等化装置では、残留誤差が小さくなっていることがわかる。また、本発明が適用された波形等化装置と適用されていない従来の波形等化装置の両者ともステップサイズを大きくすると残留誤差が大きくなる傾向があるが、同じ残留誤差、例えばMSE=−14dBで考えると、本発明を適用しない場合には、ステップサイズは2u_0あたりに抑える必要があるが、本発明を適用すると、ステップサイズを8u_0にすることができる。つまり、本発明では、従来に比べ、ステップサイズを大きくすることができるので、波形等化の追従性が向上することとなる。
αi(n)の上限を1としたが、これはステップサイズuとの関係で決まるものであり、この値に限るものではない。
また、重み付け関数αi(n)を、ステップサイズuによって、異なる関数に変えるようにしてもよい。例えば、αi(n)を図3(b)のようにした場合について図11に示す。あるステップサイズu0では、図11(a)のように、αi(n)のパラメータであるaがa0、bがb0とし、あるステップサイズu1では、図11(b)のように、aがa1、bがb1という様にαi(n)をステップサイズuによって変えるようにしてもよい。ここでは一例として図3(b)の関数のパラメータを変更したものを示したが、これに限らず、あるステップサイズu0で図3(b)とし、ステップサイズu1で図3(c)とするという様にステップサイズuに応じて関数αi(n)を全く異なる関数にしてもよい。ステップサイズuが変わることで、Ci(n)の更新速度や大きさも変わり、比較的小さなタップ係数を持つタップの係数を0に近づけさせるのに適切なゲインも変わってしまう。ステップサイズuに応じて、小さなタップ係数を0に近づけさせるゲインである関数αi(n)を変えることで、ステップサイズに応じて、最適な残留誤差の最小化が可能
となる。
本発明の波形等化装置の実施の形態2について、図12、図13、図25を参照して説明する。
図12は、本発明の実施の形態2における波形等化装置のブロック図であり、図13はマルチパス干渉検出部120のブロック図である。
波形等化主要部161の受信信号は、トランスバーサルフィルタ151および係数更新器152に送られる。歪み検出器153は、トランスバーサルフィルタ151の出力信号を入力し、トランスバーサルフィルタ151の出力信号に含まれる誤差を推定する。誤差の推定方法は、従来技術のところで述べたLMSあるいはCMAアルゴリズムで実現できる。したがって、歪み検出器153は、図4に示した誤差推定部と同様な構成で実現できる。
マルチパス干渉検出部120は、受信信号と送信信号に挿入される同期信号との相関値を算出する図示しない相関算出部から、算出された相関値の絶対値のうち、一番大きな値101(以下、第一位の相関値101と称す)を入力する。比較判定器111に、第一位の相関値101と第一の閾値102とを入力し、比較判定を行う。比較判定器111では、第一位の相関値101が第一の閾値102以上であれば、マルチパス干渉は存在しないと判定し、図12における波形等化主要部161の係数更新器152へステップサイズAを選択するよう制御するステップサイズ選択信号129を出力し、第一位の相関値101が第一の閾値102よりも小さければ、マルチパス干渉が存在すると判定し、ステップサイズBを選択するよう制御するステップサイズ選択信号129を出力する。
図25に一例としてAWGN環境(C/N=15dB)下とマルチパス干渉環境(遅延0.1μs、ドップラー周波数1Hz、D/U=2dB)下における第一位の相関値の分布を示す(データ数:2500)。図25からマルチパス干渉環境下では、AWGN環境下よりも小さな値となる頻度が多く、分布に違いがあるといえる。このことから、第一の閾値102を0.9に設定して、第一位の相関値101を第一の閾値102と比較することにより、マルチパス干渉の有無を判定することができる。
なお、マルチパス干渉検出部120の比較判定器111において、第一の閾値102を一つではなくN個入力し、マルチパス干渉の度合いをN+1段階で判定してもよい。そのような構成を図46に示す。図中、501、502・・・503はN個の比較判定器で、それぞれに異なる閾値102(1)、102(2)・・・102(N)を入力して、もう一方の入力である第一位の相関値101と比較判定を行う。511は、加算器で、前記N
個の比較判定器501、502・・・503の判定結果を全て加算する。各比較判定器501・・・503が、第一位の相関値101が閾値未満のとき“0”、閾値以上のとき“1”を出力するとしたら、加算器511の出力はN+1通りの値が得られる。この加算器511の出力をステップサイズ選択信号129として図12における係数更新器152に出力する。
また、相関算出部における相関算出においては、使用する信号は、同期信号でなくても、送信信号に挿入される既知信号であればなんでもよい。
図14の波形等化主要部の構成は、一般的に、DFE(Decision Feedback Equalizer:判定帰還等化器)と呼ばれており、公知であるので、詳細な説明は省略し、簡単に説明する。
受信信号は、トランスバーサルフィルタ154と係数更新器158に送られる。加算器157においてトランスバーサルフィルタ154の出力とトランスバーサルフィルタ155の出力とを加算し、スライサ156および歪み検出器153へ入力する。
トランスバーサルフィルタ154はセンタータップ(時間軸の基準となるタップ。図6のグラフの横軸でいう0の位置のタップのこと)から見て現在あるいは未来のデータを合成するタップであり、他方、トランスバーサルフィルタ155はセンタータップから見て、過去のデータを合成するタップである。
両フィルタは、受信信号に含まれるマルチパス干渉波の遅延時間によって、フィルタによる波形等化の過程を異にする。すなわち、直接波の方が大きい場合は、トランスバーサルフィルタ155は波形等化出力の直接波から、遅延波のレプリカを作成し、トランスバーサルフィルタ154とトランスバーサルフィルタ155との出力信号を加算器157で足し合わせることにより、波形等化を実行する。直接波が遅延波よりも小さい場合は、マルチパス干渉波は主波よりも早く到着していることとなり、マルチパス干渉を取り除き、それによって新たに生成した歪を、順次打ち消すようにトランスバーサルフィルタ154のタップ係数を変化させる。
さらに、図12で示す波形等化主要部161を、実施の形態1で示した構成としてもよい。図41は、波形等化主要部として、実施の形態1を用いた構成を示している。ここでは、ステップサイズ制御部20が新たに加えられている。マルチパス干渉検出部120によってステップサイズ選択信号が出力され、そのステップサイズ選択信号により、ステップサイズ制御部20において、ステップサイズを切り替えている。
本発明の波形等化装置の実施の形態3について、図15、図16、図25を参照して説明する。
図15は、実施の形態3における波形等化装置を表すブロック図であり、図16はマルチパス干渉検出部121のブロック図である。図12、図13と同じ構成要素については同じ符号を使い、説明を省略する。図15における波形等化主要部161は図12における波形等化主要部161と同一の構成である。
マルチパス干渉検出部121は、平均算出器112と比較判定器111から構成されている。平均算出器112としては、積分回路などが用いられる。マルチパス干渉検出部121は、受信信号と送信信号に挿入される同期信号との相関値を算出する図示しない相関算出部から、第一位の相関値101が入力される。平均算出器112において、第一位の相関値101の平均値を算出し、算出した平均値と第一の閾値102を比較判定器111に入力し、マルチパス干渉の有無の検出を行う。
また、マルチパス干渉検出部121の比較判定器111において、第一の閾値102を一つではなくN個入力し、マルチパス干渉の度合いをN+1段階で判定してもよい。そのような構成は、実施の形態2で、図46を用いて説明したものと同一であるので、説明は省略する。係数更新器152では、ステップサイズAとステップサイズBとの二つではなく、N+1個のステップサイズを持ち、ステップサイズ選択信号129に応じてN+1個のステップサイズから1つを選択し、トランスバーサルフィルタ151の係数更新の演算を行う。
(実施の形態4)
本発明の波形等化装置の実施の形態4について、図18、図19、図25を参照して説明する。図18は、本発明の実施の形態4における波形等化装置を表すブロック図であり、図19はマルチパス干渉検出部122を表すブロック図である。図12、図13と同じ構成要素については同じ符号を使い、説明は省略する。
マルチパス干渉検出部122は、クリップ演算部113と比較判定器111から構成されている。マルチパス干渉検出部122は、受信信号と送信信号に挿入される同期信号との相関値を算出する図示しない相関算出部から、第一位の相関値101が入力される。第一の相関値101と第二の閾値103はクリップ演算部113に入力される。クリップ演算部113は、例えば、図44に示すように第一位の相関値と第二位の相関値を比較する回路211と、比較結果に基づき第一位の相関値と第二位の相関値のいずれかを選択するセレクタ212とから構成される。
さらに、本実施の形態は波形等化主要部を図18で示す構成としたが、図14で示す構成としてもよいし、図41で示すように、実施の形態1のものを用いた構成としてもよい。
本発明の波形等化装置の実施の形態5について、図20、図21、図26を参照して説明する。図20は、本発明の実施の形態5における波形等化装置を表すブロック図であり、図21はマルチパス干渉検出部123を表すブロック図である。図18、図19と同じ構成要素については同じ符号を使い、説明は省略する。
また、図17で示したように、本実施の形態においても、マルチパス干渉検出部123において、平均算出器112を用いず、保護部131を比較判定器111の後段に使用してもよい。
さらに、本実施の形態は波形等化主要部を図20で示す構成としたが、図14で示す構成としてもよいし、図41で示すように、実施の形態1のものを用いた構成としてもよい。
本発明の波形等化装置の実施の形態6について、図23、図24、図25、図26を参照して説明する。図20、図21と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。図23は実施の形態6の波形等化装置を表すブロック図であり、図24はマルチパス干渉検出部124を表すブロック図である。本形態は、実施の形態5と比較して、マルチパス干渉検出部124において、第一位の相関値101と第二位の相関値104にそれぞれクリップ処理とマスク処理を行うクリップ演算部113とマスク演算部115を有する点が相違する。
マルチパス干渉検出部124は、受信信号と送信信号に挿入される同期信号との相関値を算出する図示しない相関算出部から、第一位の相関値101と、第二位の相関値104を入力する。クリップ演算部113には、第一位の相関値101と第二の閾値103が入力される。クリップ演算部113は、第一位の相関値101が第二の閾値103よりも小さければ、第一位の相関値101をそのまま出力し、第一位の相関値101が第二の閾値103以上であれば第二の閾値103を出力する。マスク演算部115には、相関算出部から出力された第二位の相関値104と第三の閾値105が入力される。マスク演算部115は、第二位の相関値104が第三の閾値105以上であれば、第二位の相関値104をそのまま出力し、第二位の相関値104が第三の閾値105より小さければ0を出力する。
図25で示す第一位の相関値101の分布を見てみると、マルチパス干渉環境下では、AWGN環境下における分布の上限値よりも大きな値が出現していることが分かる。平均算出器112において平均値を算出する際に、この大きな値により、平均値がAWGN環境時と同等になってしまうことがある。クリップ演算部113において、0.9といった値を第二の閾値102に与え、この第一位の相関値101をクリップすることで、平均値がAWGNと同等になることを抑えることができる。
また、図17で示したように、本実施の形態においても、平均算出器112を用いず、保護部131を比較判定器111の後段に使用してもよい。
さらに、本実施の形態は波形等化所要部を図23で示す構成としたが、図14で示す構成としてもよいし、図41で示すように、実施の形態1で示した構成としてもよい。
(実施の形態7)
本発明の波形等化装置の実施の形態7について、図30、図31、図32、図33を参照して説明する。図30は実施の形態7における波形等化装置を表すブロック図であり、図31は図30における受信信号変動検出部140を表すブロック図である。
波形等化主要部161の受信信号は、トランスバーサルフィルタ151および係数更新器152に送られる。歪み検出器153は、トランスバーサルフィルタ151の出力信号を入力し、トランスバーサルフィルタ151の出力信号に含まれる誤差を推定する。歪み検出器153の出力は、係数更新器152へと入力される。係数更新器152では、入力された歪み検出器153の出力信号と、波形等化主要部161へ入力される受信信号と、ステップサイズからトランスバーサルフィルタ151の係数の更新量の算出および更新を行い、この処理を繰り返すことにより、歪みを取り除き、波形等化を実現している。ここで、係数更新器152は、ステップサイズAとステップサイズBとを持ち、ステップサイズAは小さな値が、ステップサイズBは大きな値が設定されており、係数更新の演算はステップサイズAもしくはステップサイズBを用いて行う。
図32に一例として、複合マルチパス干渉環境(マルチパス干渉波の遅延、位相、D/U値は図33参照(文献2)。全て静的である)における第一位の相関値101の分布を示す。図25における動的なマルチパス干渉(遅延0.1μs、ドップラー周波数1Hz、D/U=2dB)である第一位の相関値の分布と明らかにばらつきが異なっているのがわかる。このことから、適切な第四の閾値106を与え、第一位の相関値101の分散値と比較することにより、マルチパス干渉が動的なものか静的なものかを判定することができる。
なお、受信信号変動検出部140は、図34に示すように、保護部170を比較判定器133に接続した受信信号変動検出部141としてもよい。図34は、保護部170を挿入した受信信号変動検出部141を表すブロック図である。このとき、保護部170は、比較判定器133から同じ判定結果がある複数回続いて入力されたときのみ、出力信号をその複数続いた判定結果に更新する。このことで、マルチパス干渉が動的であるか静的であるかの誤判定を抑えることができる。
また、図30で示す波形等化主要部161は、図14のような構成にしてもよいし、図41で示すように、実施の形態1を用いた構成としてもよい。
さらに、受信信号変動検出部140の分散演算器132は、第一位の相関値101の標準偏差をもとめる標準偏差演算器としてもよく、第一位の相関値101の統計的数量・ばらつき具合を求めるものであれば何でもよい。
本発明の波形等化装置の実施の形態8について、図35、図36、図37を参照して説明する。図30と同じ構成要素は同じ符号を使い、説明は省略する。図35は波形等化装置の構成を表すブロック図であり、図36は受信信号変動検出部142を表すブロック図である。図35における波形等化主要部161は図30の構成と同じものである。本実施の形態8は実施の形態7と比較して、受信信号変動検出部142の入力が第一位の相関値101だけでなく、第二位の相関値104を入力することが相違する。
受信信号検出部141は、受信信号と送信信号に挿入される同期信号との相関値を算出する図示しない相関算出部から算出された相関値の絶対値のうち、第一位の相関値101および第二位の相関値104を入力する。入力された第一位の相関値101を第一の分散演算器134に入力し、第一位の相関値101のばらつきを算出する。算出された分散値と第四の閾値106を第一の比較判定器135に入力し、比較判定を行う。また、第二位の相関値104を第二の分散演算器136に入力し、第二位の相関値104のばらつきを算出する。算出された分散値と第五の閾値107を第二の比較判定器137に入力し、比較判定を行う。第一の比較判定器135の出力および第二の比較判定器137の出力は判定器138に入力される。判定器138では、第一の比較判定器135および第二の比較判定器137が、どちらともそれぞれの閾値よりも大きいと判定すると、受信信号が変動していると判定し、図35における波形等化主要部161の係数更新器152へステップサイズBを選択するよう制御するステップサイズ選択信号を出力し、どちらかがそれぞれの閾値よりも小さければ、受信信号が変動していないと判定し、ステップサイズAを選択するよう制御するステップサイズ選択信号を出力する。
また、相関算出部における相関算出においては、使用する信号は、同期信号でなくても、送信信号に挿入される既知信号であればなんでもよい。
さらに、第一の分散演算器134および第二の分散演算器136は、標準偏差を算出する、第一の標準偏差演算器、第二の標準偏差演算器としてもよく、統計的数量・ばらつきを算出するものであればよい。
本発明の波形等化装置の実施の形態9について、図39、40を参照して説明する。図39は実施の形態9の波形等化装置を表すブロック図である。
実施の形態9における波形等化装置は、波形等化主要部161と、マルチパス干渉検出部120と、受信信号変動検出部140と、判定器139から構成される。図39における波形等化主要部161は図12、図30における波形等化主要部161と同じ構成であり、図39におけるマルチパス干渉検出部120は、図13におけるマルチパス干渉検出部120と同じ構成であり、図37における受信信号変動検出部140は、図31おける受信信号変動検出部140と同じ構成である。
判定してもよい。このとき、判定器139は、マルチパス干渉検出部120および受信信号変動検出部140の判定からL個(Lは自然数)の判定結果を出力し、係数更新器152では、ステップサイズAとステップサイズBとの二つではなく、L個のステップサイズを持ち、ステップサイズ選択信号に応じてL個のステップサイズから1つを選択し、トランスバーサルフィルタ151の係数更新の演算を行う。
また、図39で示す波形等化主要部161は、図14のような構成にしてもよいし、図41で示すように、実施の形態1を用いた構成としてもよい。
さらに、マルチパス干渉検出部120は、図16、図17、図19、図21、図22、図24のマルチパス干渉検出部でもよく、受信信号変動検出部140は図34、図36、図38の受信信号変動検出部としてもよい。
ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと称呼されることもある。
更には、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行っても良い。バイオ技術の適応等が可能性としてありえる。
2 誤差推定部
12 タップ係数記憶部
13 タップ係数更新量1次演算部
14 タップ係数更新量決定部
10、15 タップ係数更新量演算部
20 ステップサイズ制御部
101 第一位の相関値
102 第一の閾値
103 第二の閾値
104 第二位の相関値
105 第三の閾値
106 第四の閾値
107 第五の閾値
111 比較判定器
112 平均算出器
113 クリップ演算部
114 減算器
115 マスク演算部
117 平均算出器
118 平均算出器
120 マルチパス干渉検出部
121 マルチパス干渉検出部
122 マルチパス干渉検出部
123 マルチパス干渉検出部
124 マルチパス干渉検出部
125 マルチパス干渉検出部
126 マルチパス干渉検出部
129 ステップサイズ選択信号
131 保護部
132 分散演算器
133 比較判定器
134 第一の分散演算器
135 第一の比較判定器
136 第一の分散演算器
137 第二の比較判定器
138 判定器
139 判定器
140 受信信号変動検出部
141 受信信号変動検出部
142 受信信号変動検出部
143 受信信号変動検出部
151 トランスバーサルフィルタ
152 係数更新器
153 歪み検出器
154 トランスバーサルフィルタ
155 トランスバーサルフィルタ
156 スライサ
157 加算器
158 係数更新器
161 波形等化部
162 波形等化部
170 保護部
171 第一の保護部
172 第二の保護部
201 入力端子
202 トランスバーサルフィルタ
203 歪み検出器
204 係数更新器
205 歪み変動量検出器
206 出力端子
301 アンテナ
302 チューナ
303 復調部
304 デコード部
305 表示部
311 AD変換部
312 波形等化部
313 誤り訂正部
314 同期検出部
360 セグメント同期信号
370 フィールド同期信号
371 511シンボルのPN信号
372 63シンボルのPN信号
373 Control信号
380 データ信号
Claims (11)
- 入力信号x(n)を波形等化し出力信号y(n)を生成するフィルタ部と、
前記出力信号y(n)から波形等化の誤差e(n)を推定して出力する誤差推定部と、
前記誤差e(n)と前記入力信号の遅延信号x(n−i)とタップ係数Ci(n−1)からi番目のタップ係数更新量ΔCi(n)を求めるタップ係数更新量演算部と、
前記タップ係数更新量ΔCi(n)と前記タップ係数Ci(n−1)から前記タップ係数Ci(n)を求めて記憶するタップ係数記憶部と、
を備え、
前記タップ係数更新量演算部は、定数uと、前記誤差e(n)と、前記入力信号の遅延信号x(n−i)の複素共役信号x*(n−i)と、Ci(n−1)の関数であるαi(n)を用いて、タップ係数更新量ΔCi(n)=αi(n)×u×e(n)×x*(n−i)なる演算でタップ係数更新量を求め、
前記αi(n)は、Ci(n−1)の大きさが大きくなるに従って、0<αi(n)≦1の範囲で単調増加する関数である
波形等化装置。 - 前記Ci(n−1)の大きさは|Ci(n−1)|であり、前記αi(n)は、|Ci(n−1)|<bの場合はαi(n)=a(a<1)となり、それ以外(|Ci(n−1)|≧b)の場合はαi(n)=1となる
請求項1記載の波形等化装置。 - さらに、マルチパス干渉の有無の判定を行うマルチパス干渉検出部を有し、
前記マルチパス干渉検出部の出力信号を用いて前記定数uを制御する
請求項1記載の波形等化装置。 - 前記波形等化装置は、受信信号に含まれるマルチパス干渉が動的(ダイナミック)であるか静的(スタティック)であるかを判定する受信信号変動検出部をさらに有し、
前記受信信号変動検出部の出力信号を用いて前記定数uを制御する
請求項1記載の波形等化装置。 - Ci(n−1)の関数である前記αi(n)を、前記定数uの大きさによって可変する
請求項1記載の波形等化装置。 - 入力信号x(n)を波形等化し出力信号y(n)を生成するフィルタステップと、
前記出力信号y(n)から波形等化の誤差e(n)を推定して出力する誤差推定ステップと、
前記誤差e(n)と前記入力信号の遅延信号x(n−i)とタップ係数Ci(n−1)からi番目のタップ係数更新量ΔCi(n)を求めるタップ係数更新量演算ステップと、前記タップ係数更新量ΔCi(n)と前記タップ係数Ci(n−1)から前記タップ係数Ci(n)を求めて記憶するタップ係数記憶ステップと、
を備え、
前記タップ係数更新量演算ステップは、定数uと、前記誤差e(n)と、前記入力信号の遅延信号x(n−i)の複素共役信号x*(n−i)と、Ci(n−1)の関数であるαi(n)を用いて、タップ係数更新量ΔCi(n)=αi(n)×u×e(n)×x*(n−i)なる演算でタップ係数更新量を求め、
前記αi(n)は、Ci(n−1)の大きさに応じて0<αi(n)≦1で単調増加する関数である
波形等化方法。 - 前記Ci(n−1)の大きさは|Ci(n−1)|であり、前記αi(n)は、|Ci(n−1)|<bの場合はαi(n)=a(a<1)となり、それ以外(|Ci(n−1)|≧b)の場合はαi(n)=1となる
請求項6記載の波形等化方法。 - さらに、マルチパス干渉の有無の判定を行うマルチパス干渉検出ステップを有し、
前記マルチパス干渉検出ステップの出力信号を用いて前記定数uを制御する
請求項7記載の波形等化方法。 - さらに、受信信号に含まれるマルチパス干渉が動的(ダイナミック)であるか静的(スタティック)であるかを判定する受信信号変動検出ステップを有し、
前記受信信号変動検出ステップの出力信号を用いて前記定数uを制御する
請求項7記載の波形等化方法。 - Ci(n−1)の関数である前記αi(n)を、前記定数uの大きさによって可変する、
請求項6記載の波形等化方法。 - 請求項5〜10のいずれか1項記載の波形等化方法を実行するための信号処理部を実装した集積回路。
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