JP2005203675A - 電気光学装置とその製造方法、及び電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 サンプルホールド回路などの周辺駆動回路を構成する薄膜トランジスタの、金属配線との接続部におけるコンタクト抵抗を、非線形性を十分少なくしてオーミックな特性を有する構造とした電気光学装置と、その製造方法、及びこの電気光学装置を備えた電子機器を提供する。
【解決手段】 表示領域と、表示領域の周辺部に設けられた周辺駆動回路とを備えてなる電気光学装置である。周辺駆動回路を構成する薄膜トランジスタ402のソースまたはドレインを形成する半導体層(420s、420d)が、この半導体層と同じ導電型の半導体材料からなる接続部423、424を介して、金属配線(422、406)に接続されている。
【選択図】 図5

Description

本発明は、表示領域をマトリクス駆動するための周辺駆動回路を備えた駆動回路内蔵型の電気光学装置と、その製造方法、及び電子機器に関する。
液晶装置等の電気光学装置に用いられるアクティブマトリクス基板としては、走査線駆動回路やデータ線駆動回路などの表示領域(画素領域)を駆動するための周辺駆動回路を、基板上に作り込んだ駆動回路内蔵型のものが開発されている(例えば、特許文献1参照)。
周辺駆動回路のうちのデータ線駆動回路は、所定の信号線を選択する水平シフトレジスタと、選択された信号線にサンプリングされた表示信号(画像信号)を所定のタイミングで供給するサンプルホールド回路とから構成されており、前記の走査線駆動回路、および水平シフトレジスタによってそれぞれ所定の走査線、信号線が選択されると、選択されたこれらのラインの交差部に位置する画素部に表示信号が供給されるようになっている。
ところで、このような周辺駆動回路では特許文献1(図15参照)にあるように、通常、薄膜トランジスタを形成する半導体層(Si層)におけるソース・ドレイン部が、Al等の低抵抗材料からなる金属配線に直接接続されている。
特開2002−108244号公報
しかしながら、このような接続では、半導体層の厚さが30〜150nm、特に70nm以下の薄い厚さになると、例えば金属配線としてのAlとソース・ドレイン部のSiとが反応して化合物化し、いわゆる「食われた」状態となってしまうことで半導体層の厚さが極端に薄くなってしまい、結果として半導体層と金属配線との接続部分における抵抗、すなわちコンタクト抵抗がオーミックな特性でなく、非線形性を示す特性となってしまう。また、特に薄膜トランジスタが、そのソース・ドレイン部を形成する半導体層がN型のN型トランジスタ(Nチャネル型トランジスタ)である場合、Alと反応した半導体層がP型となることでここにPN接合が形成されてしまい、コンタクト抵抗が益々オーミック特性とは異なる傾向を示すようになってしまう。
このように、薄膜トランジスタのソース・ドレイン部におけるコンタクト抵抗が非線形性を示すと、特にサンプルホールド回路における薄膜トランジスタでは、これが0〜12Vの範囲で所望の電圧を印加するアナログ駆動のトランジスタであるため、以下の不都合が生じてしまう。
コンタクト抵抗が非線形性を示すと、ある程度の電圧が印加され、ソース・ドレイン間の電位差が小さくなったとき、コンタクト抵抗の非線形性がトランジスタの電流−電圧特性にのってしまい、所望する値の電圧がこのトランジスタを介して十分に印加できなくなってしまう。すると、アナログ駆動のトランジスタとしてその機能が良好に果たせなくなり、サンプルホールド回路は、信号線(データ線)に表示信号を必要な電圧値で印加できなくなってしまう。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、サンプルホールド回路などの周辺駆動回路を構成する薄膜トランジスタの、金属配線との接続部におけるコンタクト抵抗を、非線形性を十分少なくしてオーミックな特性を有する構造とした電気光学装置と、その製造方法、及びこの電気光学装置を備えた電子機器を提供することにある。
前記目的を達成するため本発明の電気光学装置は、表示領域と、該表示領域の周辺部に設けられた周辺駆動回路とを備えてなり、前記周辺駆動回路を構成する薄膜トランジスタのソースまたはドレインを形成する半導体層が、該半導体層と同じ導電型の半導体材料からなる接続部を介して、金属配線に接続されていることを特徴としている。
この電気光学装置によれば、周辺駆動回路を構成する薄膜トランジスタの半導体層が、これと同じ導電型の半導体材料からなる接続部を介して金属配線に接続されているので、前記半導体層が金属配線と直接接続することで反応が起こり、いわゆる「食われ」が起こることで半導体層の厚さが極端に薄くなってしまうことが回避される。したがって、半導体層の厚さが極端に薄くなることでコンタクト抵抗が非線形性を示す特性となることなく、オーミック特性のままに保持される。よって、前記薄膜トランジスタは、トランジスタとしての機能を良好に発揮するものとなる。
また、前記の「食われ」を防止できるため、半導体層を例えば10〜30nm程度の十分な薄さに形成することが可能となる。よって、このようにして形成したトランジスタのVI特性を向上し、低消費電流化やリーク電流の低下を図ることが可能になる。
なお、接続部と金属配線との間では反応による「食われ」が起こるものの、接続部の厚さは任意に設定できるので、この接続部の厚さを半導体層に「食われ」が及ばない厚さに形成しておけば、コンタクト抵抗の非線形性を十分に回避することができる。
また、前記電気光学装置においては、前記半導体材料が、不純物を拡散させてなるポリシリコンからなっているのが好ましい。
このようにすれば、半導体層がポリシリコンからなる場合に、特に前記の「食われ」の問題が顕著になるものの、この半導体層と金属配線とを直接接続することなく接続部を介して接続しているので、前述したように半導体層の厚さが薄くなることなく、したがってそのオーミック特性が保持される。
また、前記電気光学装置においては、前記薄膜トランジスタが、アナログ回路を構成するものであってもよい。
このようにすれば、コンタクト抵抗がオーミック特性を保持しているので、この薄膜トランジスタによって所望の電圧値をそのまま印加することが可能になる。
また、前記電気光学装置においては、前記薄膜トランジスタが、前記表示領域に表示信号(画像信号)を所定のタイミングで入力するサンプルホールド回路を構成するものであってもよい。
このようにすれば、前記薄膜トランジスタがアナログ駆動のトランジスタとしてその機能を良好に果たすことから、サンプルホールド回路は、信号線(データ線)に表示信号を必要な電圧値で良好に印加し得るものとなる。
また、前記電気光学装置においては、前記接続部は薄膜状に形成されてなるのが好ましく、その場合にこの接続部は、前記表示領域に入力された表示信号を保持する蓄積容量の下部電極と同じ材料からなっているのが好ましい。
このようにすれば、製造時に、前記接続部上に金属配線を形成する工程と、前記蓄積容量の下部電極を形成する工程とを同一工程で行うことができ、したがって工程を増やすことなく、前述したようにコンタクト抵抗についてオーミック特性を保持することが可能になる。
本発明の電気光学装置の製造方法は、表示領域と、該表示領域の周辺部に設けられた周辺駆動回路とを備えた電気光学装置の製造方法において、前記周辺駆動回路を構成する薄膜トランジスタのソースまたはドレインを形成する半導体層の上に、該半導体層に接続した状態で該半導体層と同じ導電型の半導体材料からなる接続部を形成する工程と、前記接続部上に、該接続部に接続した状態で金属配線を形成する工程と、を有し、前記接続部を形成する工程を、前記表示領域に入力された表示信号を保持する蓄積容量の下部電極を形成する工程と同一工程で行うことを特徴としている。
この電気光学装置の製造方法によれば、工程を増やすことなく、前述したようにコンタクト抵抗についてオーミック特性を保持する薄膜トランジスタを有した電気光学装置を製造することが可能になる。
本発明の電子機器は、前記の製造方法によって得られた電気光学装置、あるいは前記の電気光学装置を備えたことを特徴としている。
この電子機器によれば、前述したようにコンタクト抵抗についてオーミック特性を保持する薄膜トランジスタを有した電気光学装置を備えているので、この電子機器自体も信頼性が高い良好なものとなる。
以下、本発明を詳しく説明する。
図1は、本実施形態の電気光学装置の一例としての液晶装置のアクティブマトリクス基板を、その上に形成された各構成要素と共に対向基板の側から見た平面図であり、図2は、対向基板を含めて示す図1のH−H'断面図であり、図3は、アクティブマトリクス基板上に設けられた各種配線や周辺回路等の電気的な構成を示すブロック図である。
本実施形態の液晶装置は、周辺駆動回路が一体に形成された周辺回路内蔵型の電気光学装置として構成されたもので、図3に示すように、ハードガラスや石英等からなる基板100の中央部に矩形の表示領域150を形成し、この表示領域150の外側周辺部に、走査線駆動回路120と、データ線駆動回路110と、これら回路110、120にクロック信号や表示信号(画像信号)等の所定の信号を供給する各種配線(図示略)と、からなる周辺駆動回路を形成したものである。
表示領域150には、走査線155、信号線(データ線)156がそれぞれX方向,Y方向に複数形成されており、各走査線155、信号線156の交差部には、TFT(薄膜トランジスタ)152と矩形の画素電極151とからなる画素部が形成されている。このTFT152のゲート及びソースはそれぞれ走査線155、信号線156に接続され、ドレインは画素電極151に接続されている。また、保持特性を高めるために、ドレインには画素電極151と並列に蓄積容量151aが接続されている。
走査線駆動回路120は、主に垂直シフトレジスタから構成されたもので、一垂直走査期間内に、クロック信号線(図示略)を介して外部制御装置から供給される基準クロック等に基づき、走査線155に対してパルス状の走査信号G1,G2,・・・,Gmを線順次で印加するようになっている。
データ線駆動回路110は、クロック信号線(図示略)を介して外部制御装置から供給される基準クロックに基づき、各サンプリング駆動信号線111にサンプリング駆動信号S1,S2,・・・Snを順次供給する水平シフトレジスタ170と、表示信号線112を介して供給された表示信号VID1〜VID6をサンプリングするサンプルホールド回路130とから構成されている。
サンプルホールド回路130は、信号線毎に設けられたサンプリングスイッチ(TFT)131を備えたもので、前記表示領域150に表示信号を所定のタイミングで入力するよう構成されたものである。各サンプリングスイッチ131は、水平シフトレジスタ110からサンプリング駆動信号S1,S2,・・・,Snが入力されると、六つの表示信号線112のそれぞれについてサンプリングされた表示信号VID1〜VID6を六つの隣接する信号線156からなるグループ毎に順次印加するようになっている。これにより、一水平走査期間(すなわち、走査線駆動回路120により1本の走査線155に走査信号が供給されている期間)に、各信号線156に対してサンプリングされた表示信号が供給されるようになっている。
また、図1に示すように、基板100の下辺側の端部には、外部制御装置を実装するための実装端子140が設けられており、この実装端子140を介して外部制御装置から走査線駆動回路120、データ線駆動回路110に対して各種信号が供給されるようになっている。
また、上述のように構成された基板100上にはポリイミド等からなる配向膜(図示略)が形成され、さらに、表示領域150を囲むようにシール材160が矩形枠状に塗布される。
ここで、前述の各周辺駆動回路を構成するTFTと、表示領域150の各画素部を構成するTFT152とは、後述するように共通のプロセスで製造されている。
すなわち、前記表示領域150についてその構成を詳細に説明すると、表示領域150の各画素部には、図4に示すように、画素電極151と該画素電極151をスイッチング制御するためのTFT152とが形成されており、表示信号が供給される信号線156が該TFT152のソースに電気的に接続されている。
信号線156に書き込む表示信号S1、S2、…、Snは、この順で線順次に供給しても構わないし、相隣接する複数の信号線156同士に対して、グループ毎に供給するようにしてもよい。また、TFT152のゲートに走査線155が電気的に接続されており、所定のタイミングで、走査線155にパルス的に走査信号G1、G2、…、Gmを、この順で線順次で印加するように構成されている。画素電極151は、TFT152のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT152を一定期間だけそのスイッチを閉じることにより、信号線156から供給される表示信号S1、S2、…、Snを所定のタイミングで書き込む。画素電極151を介して電気光学物質の一例としての液晶に書き込まれた所定レベルの表示信号S1、S2、…、Snは、対向基板200(図2参照)に形成された共通電極220(図2参照)との間で一定期間保持される。
液晶は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能にする。ノーマリーホワイトモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が減少し、ノーマリーブラックモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が増加され、全体として電気光学装置からは表示信号に応じたコントラストを持つ光が出射する。ここで、保持された表示信号がリークするのを防ぐため、画素電極151と対向電極との間に形成される液晶容量と並列に、蓄積容量151aが付加されている。なお、画素電極151は、各画素毎にマトリクス状に設けられた透明性のもので、画素電極151の縦横の境界に各々沿って信号線156及び走査線155が設けられている。
また、半導体層1aのうちのチャネル領域1a’に対向するように走査線155が配置されており、走査線155はゲート電極として機能するようになっている。このように、走査線155と信号線156との交差する個所にはそれぞれ、チャネル領域1a’に走査線155がゲート電極として対向配置された画素スイッチング用のTFT152が設けられているのである。
容量線300は、本実施形態では内蔵遮光膜としても機能するものとなっており、導電性のポリシリコン膜等からなる第1膜72と、高融点金属を含む金属シリサイド膜等からなる第2膜73とが積層された多層構造を有するものである。このうち第2膜73は、容量線300あるいは蓄積容量151aの固定電位側容量電極(上部電極)としての機能の他、TFT152の上側において入射光からTFT152を遮光する遮光層としての機能を有している。また、第1膜72は、容量線300あるいは蓄積容量151aの固定電位側容量電極としての機能の他、遮光層としての第2膜73とTFT152との間に配置された光吸収層としての機能を有している。他方、容量線300に対して、誘電体膜75を介して対向配置される画素電極接続層71aは、蓄積容量151aの画素電位側容量電極(下部電極)としての機能の他、遮光層としての第2膜73とTFT152との間に配置される光吸収層としての機能を有し、さらに、画素電極151とTFT152の高濃度ドレイン領域1eとを中継接続する機能を有している。
蓄積容量151aは、TFT152の高濃度ドレイン領域1e(及び画素電極151)に接続された画素電位側容量電極(下部電極)としての画素電極接続層71aと、固定電位側容量電極(上部電極)としての容量線300の一部とが、誘電体膜75を介して対向配置されることにより形成されている。
基板100上におけるTFT152の下側には、下側遮光膜11aが格子状に設けられている。
遮光層を構成する第2膜73及び下側遮光膜11aはそれぞれ、例えばTi(チタン)、Cr(クロム)、W(タングステン)、Ta(タンタル)、Mo(モリブデン)、Pb(鉛)等の高融点金属のうちの少なくとも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリサイド、これらを積層したもの等からなっている。なお、このような第2膜73を含んでなる容量線300は、多層構造を有し、その第1膜72が導電性のポリシリコン膜であるため、係る第2膜73については、導電性材料から形成する必要はないが、第1膜72だけでなく第2膜73をも導電膜から形成すれば、容量線300をより低抵抗化できるため好ましい。
また、容量電極としての画素電極接続層71aと容量線300との間に配置される誘電体膜75は、例えば膜厚5〜200nm程度の比較的薄いHTO膜、LTO膜等の酸化シリコン膜、窒化酸化膜、あるいは窒化シリコン膜等から形成されている。蓄積容量151aを増大させる観点からは、膜の信頼性が十分に得られる限りにおいて、誘電体膜75は薄い程良い。
光吸収層として機能するのみならず容量線300の一部を構成する第1膜72は、例えば膜厚150nm程度のポリシリコン膜からなる。また、遮光層として機能するのみならず容量線300の他の一部を構成する第2膜73は、例えば膜厚150nm程度のタングステンシリサイド膜からなる。このように誘電体膜75に接する側に配置される第1膜72をポリシリコン膜から構成し、誘電体膜75に接する画素電極接続層71aをポリシリコン膜から構成することにより、誘電体膜75の劣化を阻止できる。例えば、仮に金属シリサイド膜を誘電体膜75に接触させる構成を採ると、誘電体膜75に重金属等の金属が入り込んで、誘電体膜75の性能を劣化させてしまう。さらに、このような容量線300を誘電体膜75上に形成する際に、誘電体膜75の形成後にフォトレジスト工程を入れることなく、連続で容量線300を形成すれば、誘電体膜75の品質を高められるので、当該誘電体膜75を薄く成膜することが可能となり、最終的に蓄積容量151aを増大できる。
信号線156は、コンタクトホール81を介して中継接続用のデータ線接続層71bに接続されており、さらにデータ線接続層71bは、コンタクトホール82を介して、例えばポリシリコン膜からなる半導体層1aのうち高濃度ソース領域1dに電気的に接続されている。ここで、データ線接続層71bは、高濃度ソース領域1dに電気的に接続されることから、このデータ線接続層71b自体も不純物がドープされ拡散させられたポリシリコンからなっている。また、このデータ線接続層71bは、前述した諸機能を持つ画素電極接続層71aと同一の材料によって同時に形成されており、さらに、後述するサンプルホールド回路130を構成するTFTに接続する接続部とも同一の材料によって同時に形成されている。
なお、本実施形態では、コンタクトホール81及び82は共に同一平面位置に開孔されているが、これらは若干ずれて開孔されていてもよい。
また、容量線300は、画素電極151が配置された表示領域150からその周囲に延設され、定電位源と電気的に接続されて固定電位とされている。係る定電位源としては、TFT152を駆動するための走査信号を走査線155に供給するための走査線駆動回路120や表示信号を信号線156に供給するサンプリング回路を制御するデータ線駆動回路110に供給される正電源や負電源の定電位源でもよいし、対向基板20の対向電極21に供給される定電位でも構わない。さらに、下側遮光膜11aについても、その電位変動がTFT152に対して悪影響を及ぼすことを避けるため、容量線300と同様に、表示領域150からその周囲に延設して定電位源に接続してもよい。
画素電極151は、画素電極接続層71aを中継することにより、コンタクトホール83及び85を介して半導体層1aのうち高濃度ドレイン領域1eに電気的に接続されている。このように画素電極接続層71a及びデータ線接続層71bを接続層として利用すれば、層間距離が例えば2000nm程度に長くても、両者間を一つのコンタクトホールで接続する技術的困難性を回避しつつ比較的小径の二つ以上の直列なコンタクトホールで両者間を良好に接続でき、画素開口率を高めること可能となり、コンタクトホール開孔時におけるエッチングの突き抜け防止にも役立つ。
次に、前述の各周辺駆動回路を構成するTFTとして、サンプルホールド回路130を構成するTFTの部分についてその構成を詳細に説明する。図5に示すようにサンプルホールド回路130を構成するTFTは、本実施形態ではNチャネル型のTFT402によって構成されている。
Nチャネル型のTFT402は、半導体層420中にNチャネル領域420nを有し、また、ゲート電極116及びドレイン電極406を有し、さらに、画素部における信号線156(図4参照)と同一膜(すなわち、Al膜)からなるソース電極422を有して構成されたものである。ここで、ソース電極422は、半導体層420中のソース領域420sに接続部423を介して接続されたものである。なお、ドレイン電極406も、本実施形態ではAl膜からなっており、このドレイン電極406もソース電極422と同様、半導体層420中のドレイン領域420dに接続部424を介して接続されたものである。
すなわち、このTFT402では、第1層間絶縁膜41に形成されたコンタクトホール183の内部を覆って薄膜状の接続部423、424が設けられ、さらに前記コンタクトホール183、及び誘電体膜75、第2層間絶縁膜42に開孔された一連のコンタクトホール184にAl膜からなる電極材料が埋め込まれてソース電極422及びドレイン電極406とされることにより、これらソース電極422及びドレイン電極406は、前記接続部423、424を介してソース領域420sあるいはドレイン領域420dに接続されたものとなっている。
なお、このTFT402は、前述した画素スイッチング用のTFT152と同様に、LDD構造を有するものとする。
また、前述の各周辺駆動回路を構成するTFTとして、走査線駆動回路120を構成するTFTとしては、例えば図5に示したNチャネル型のTFT402と、これの一部(ドレイン電極406)を共有するPチャネル型のTFT(図示せず)とからなる相補型トランジスタによって構成される。
次に、前記電気光学装置の製造方法の全体について、図6から図10を参照して説明する。なお、ここでは表示領域150の各画素部を構成するTFT152の製造プロセスを中心に説明する。ただし、特に本発明においては、蓄積容量151aの画素電位側容量電極(下部電極)として機能する画素電極接続層71a、TFT152におけるデータ線接続層71b及び信号線156の形成工程と、TFT402における接続層423及びソース電極422の形成工程とを共通化することを発明の特徴の一つとしていることから、これらの工程については両方の工程図を併記し、説明を行う。図6から図10において、その左側に示した図は、本実施形態の製造プロセスの各工程における基板100側の各層を、図4に示した側断面での要部を示しており、右側に示した図は、図5に示した側断面の要部を示している。ただし、これらの工程図はその縮尺を互いに異ならせて記載している。
まず、図6の工程(1)に示すように、石英基板、ハードガラス、シリコン基板等の基板100を用意し、フォトリソグラフィ並びにドライ及びウエットエッチングにより、例えば深度870nm程度の凹部を形成する。ここで、好ましくはN(窒素)等の不活性ガス雰囲気且つ約900〜1300℃の高温でアニール処理し、後に実施される高温プロセスにおける基板100に生じる歪みが少なくなるように前処理しておく。
次に、図6の工程(2)では、このように処理された基板100の全面に、Ti、Cr、W、Ta、Mo及びPd等の金属や金属シリサイド等の金属合金膜を、スパッタリングによって100〜500nm程度の膜厚、好ましくは約200nmの膜厚の遮光膜を形成する。そして、フォトリソグラフィ及びエッチングにより、所定パターンの下側遮光膜11aを形成する。
次に、図6の工程(3)では、下側遮光膜11a上に、例えば、常圧又は減圧CVD法等によりTEOS(テトラ・エチル・オルソ・シリケート)ガス、TEB(テトラ・エチル・ボートレート)ガス、TMOP(テトラ・メチル・オキシ・フォスレート)ガス等を用いて、NSG、PSG、BSG、BPSGなどのシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等からなる下地絶縁膜12を形成する。この下地絶縁膜12の膜厚は、例えば約500〜2000nm程度とする。
次に、図6の工程(4)では、下地絶縁膜12上に、約450〜550℃、好ましくは約500℃の比較的低温環境中で、流量約400〜600cc/minのモノシランガス、ジシランガス等を用いた減圧CVD(例えば、圧力約20〜40PaのCVD)により、アモルファスシリコン膜を形成する。その後、窒素雰囲気中で、約600〜700℃にて約1〜10時間、好ましくは、4〜6時間のアニール処理を施することにより、ポリシリコン膜1を約50〜200nmの粒径、好ましくは約100nmの粒径となるまで固相成長させる。固相成長させる方法としては、RTA(Rapid Thermal Anneal)を使ったアニール処理でも良いし、エキシマレーザー等を用いたレーザーアニールでも良い。この際、画素スイッチング用のTFT152を、Nチャネル型とするかPチャネル型にするかに応じて、V族元素やIII族元素のドーパントを僅かにイオン注入等によりドープしてもよい。そして、フォトリソグラフィ及びエッチングにより、所定パターンを有する半導体層1aを形成する。
次に、図6の工程(5)及び図7の工程(6)では、TFT152を構成する半導体層1aを約900〜1300℃の温度、好ましくは約1000℃の温度により熱酸化して下層ゲート絶縁膜2aを形成し、続けて減圧CVD法等により、若しくは両者を続けて行うことにより、上層ゲート絶縁膜2bを形成する、これにより、多層の高温酸化シリコン膜(HTO膜)や窒化シリコン膜からなる(ゲート絶縁膜を含む)絶縁膜2を形成する。この結果、半導体層1aの厚さは、約30〜150nmの厚さ、好ましくは約35〜50nmの厚さとなり、絶縁膜2の厚さは、約20〜150nmの厚さ、好ましくは約30〜100nmの厚さとなる。
ここで、画素スイッチング用のTFT152のスレッシュホールド電圧Vthを制御するため、半導体層1aのうちNチャネル領域あるいはPチャネル領域に、ボロン等のドーパントを予め設定された所定量だけイオン注入等によりドープしてもよい。
次に、図7の工程(7)では、減圧CVD法等によりポリシリコン膜を堆積し、さらにリン(P)を熱拡散し、このポリシリコン膜を導電化する。又は、Pイオンをこのポリシリコン膜の成膜と同時に導入したドープトシリコン膜を用いてもよい。このポリシリコン膜の膜厚は、約100〜500nmの厚さ、好ましくは約350nm程度である。そして、フォトリソグラフィ及びエッチングにより、TFT152のゲート電極を含む所定パターンの走査線155を形成する。
次に、図7の工程(8)では、表示領域150(画素部)をレジスト600で覆い、周辺領域で周辺回路を構成するPチャネルTFTの半導体層の所定領域に、例えばBFガスを用いてBイオンを3×1014/cm程度のドーズ量にてドープする。これにより周辺領域におけるPチャネルTFTのソース及びドレイン領域を形成する。
より具体的には、本実施形態では特に、TFT152の素子形成工程と並行して、Nチャネル型TFT及びPチャネル型TFTから構成される相補型構造を持つデータ線駆動回路、走査線駆動回路等の周辺回路を基板100上の周辺部に形成する。ただし、サンプルホールド回路130を構成するTFT402については、前述したようにNチャネル型とすることから、ここでは前記レジスト600を用いてその半導体層を覆っておくようにする。
次に、図7の工程(9)では、TFT152を、LDD構造を持つNチャネル型のTFTとするべく、半導体層1aに、まず低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1cを形成するため、走査線155(ゲート電極)をマスクとして、PなどのV族元素のドーパントを低濃度で(例えば、Pイオンを1〜3×1013/cmのドーズ量にて)ドープする。これにより、走査線155の下の半導体層1aはチャネル領域1a’となる。なお、この工程では、図示しないものの、特に基板100上の周辺部に形成するサンプルホールド回路130を構成するTFT402についても、共通の処理によってチャネル領域を形成する。
さらに、図8の工程(10)では、画素スイッチング用TFT152を構成する高濃度ソース領域1d及び高濃度ドレイン領域1eを形成するため、走査線155よりも幅の広い平面パターンを有するレジスト層601を走査線155上に形成する。その後、PなどのV族元素のドーパントを高濃度で(例えば、Pイオンを1〜3×1015/cmのドーズ量にて)ドープする。なお、例えば、低濃度のドープを行わずに、オフセット構造のTFTとしてもよく、走査線155をマスクとして、Pイオン、Bイオン等を用いたイオン注入技術によりセルフアライン型のTFTとしてもよい。この不純物のドープにより走査線155はさらに低抵抗化される。また、この工程についても、前記のサンプルホールド回路130を構成するTFT402に対する処理と共通とする。
次に、図8の工程(11)では、レジスト601を剥離後、走査線155上に、例えば、常圧又は減圧CVD法等によりTEOSガス、TEBガス、TMOPガス等を用いて、NSG、PSG、BSG、BPSGなどのシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等からなる第1層間絶縁膜41を形成する。この第1層間絶縁膜41の膜厚は、例えば約500〜2000nm程度とする。ここで好ましくは、800℃の程度の高温でアニール処理し、層間絶縁膜41の膜質を向上させておく。
また、この図8の工程(11)では、前記のサンプルホールド回路130を構成するTFT402におけるソース領域420s上においても同様に処理することにより、絶縁膜2を覆って第1層間絶縁膜41を形成する。
次に、図8の工程(12)では、層間絶縁薄膜41に対する反応性イオンエッチング、反応性イオンビームエッチング等のドライエッチングにより、コンタクトホール82及び83を同時開孔する。
このとき、サンプルホールド回路130を構成するTFT402側においても、コンタクトホール183を開孔する。
次に、図8の工程(13)では、減圧CVD法等によりポリシリコン膜を堆積し、さらにリン(P)を熱拡散し、このポリシリコン膜を導電化する。又は、Pイオンをこのポリシリコン膜の成膜と同時に導入したドープトシリコン膜を用いてもよい。このポリシリコン膜の膜厚は、約100〜500nmの厚さ、好ましくは約150nm程度である。そして、フォトリソグラフィ及びエッチングにより、画素電極接続層71a及びデータ線接続層71bを形成する。
このとき、サンプルホールド回路130を構成するTFT402側においても、同一の材料を用いて同様にドープドポリシリコン膜を形成し、さらに同時に行うフォトリソグラフィ及びエッチングにより、接続部423を形成する。
このように、本実施形態においては、接続部423を形成する工程と、前記の画素電極接続層71a、すなわち蓄積容量151aの下部電極を形成する工程が共通化され、同一の工程でなされるようになっている。
次に、図9の工程(14)では、画素電位側容量電極(下部電極)を兼ねる画素電極接続層71a及び第1層間絶縁膜41上に、減圧CVD法、プラズマCVD法等により高温酸化シリコン膜(HTO膜)や窒化シリコン膜からなる誘電体膜75を、膜厚50nm程度の比較的薄い厚さに堆積する。ただし、誘電体膜75は、絶縁膜2の場合と同様に、単層膜あるいは多層膜のいずれから構成してもよく、一般にTFTのゲート絶縁膜を形成するのに用いられる各種の公知技術により形成可能である。そして、誘電体膜75を薄くする程、蓄積容量151aは大きくなるので、結局、膜破れなどの欠陥が生じないことを条件に、膜厚50nm以下の極薄い絶縁膜となるように誘電体膜75を形成するのが好ましい。なお、サンプルホールド回路130を構成するTFT402側においても、同一の材料を用いて同様に誘電体膜75を形成する(図示せず)。
次に、図9の工程(15)では、誘電体膜75上に減圧CVD法等によりポリシリコン膜を堆積し、さらにリン(P)を熱拡散し、このポリシリコン膜を導電化して第1膜72を形成する。または、Pイオンをこのポリシリコン膜の成膜と同時に導入したドープトシリコン膜を用いてもよい。このポリシリコン膜の膜厚は、約100〜500nmの厚さ、好ましくは約150nm程度である。この上にさらに、Ti、Cr、W、Ta、Mo及びPd等の金属や金属シリサイド等の金属合金膜を、スパッタリングにより、100〜500nm程度の膜厚の第2膜73を形成する。そして、フォトリソグラフィ及びエッチングにより、所定パターンを持つ第1膜72及び第2膜73からなる容量線300を形成する。なお、サンプルホールド回路130を構成するTFT402側においては、容量線300を形成しないので、この工程(15)についても図示を省略する。
次に、図9の工程(16)では、レジスト500を除去した後に、例えば常圧又は減圧CVD法やTEOSガス等を用い、NSG、PSG、BSG、BPSGなどのシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等からなる第2層間絶縁膜42を形成する。第1層間絶縁膜42の膜厚は、例えば500〜1500nm程度である。なお、サンプルホールド回路130を構成するTFT402側においても、同一の材料を用いて同様に第2層間絶縁膜42を形成する。
次に、図9の工程(17)では、第2層間絶縁膜42に対する反応性イオンエッチング、反応性イオンビームエッチング等のドライエッチングにより、コンタクトホール81を開孔する。このとき、サンプルホールド回路130を構成するTFT402側においても、コンタクトホール184を開孔する。
次に、図10の工程(18)では、第2層間絶縁膜42上の全面に、スパッタリング等によって遮光性のAl等の低抵抗金属や金属シリサイド等を金属膜として堆積する。本実施形態ではAlを約100〜500nmの厚さ、好ましくは約300nmに堆積する。そして、フォトリソグラフィ及びエッチングにより、所定パターンを有する金属配線としての信号線156を形成する。このとき、サンプルホールド回路130を構成するTFT402側においても、金属膜としてAlを堆積し、これをコンタクトホール184内に部分的に埋め込み、その後パターニングすることにより、ソース電極422を形成する。
次に、図10の工程(19)に示すように、信号線156上を覆うように、例えば、常圧又は減圧CVD法やTEOSガス等を用いて、NSG、PSG、BSG、BPSGなどのシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等からなる第3層間絶縁膜43を形成する。第3層間絶縁膜43の膜厚は、例えば500〜1500nm程度である。なお、サンプルホールド回路130を構成するTFT402側においても、同様にして第3層間絶縁膜43を形成する(図示せず。以下の工程も同様)。
次に、図10の工程(20)に示すように、第3層間絶縁膜43に対する反応性イオンエッチング、反応性イオンビームエッチング等のドライエッチングにより、コンタクトホール85を開孔する。
その後、図10の工程(21)に示すように、スパッタ処理等によって第3層間絶縁膜43上にITO膜等の透明導電性膜を、約50〜200nmの厚さに堆積する。そして、フォトリソグラフィ及びエッチングにより、所定パターンの画素電極151を形成する。なお、本実施形態の液晶装置を反射型の液晶装置に用いる場合には、Al等の反射率の高い不透明な材料から画素電極151を形成してもよい。
このようにして得られた電気光学装置にあっては、周辺駆動回路としてのサンプルホールド回路130を構成するTFT402のソース領域420s、ドレイン領域420dが、これと同じ導電型のポリシリコンからなる接続部423、424を介してAl等からなるソース電極422、ドレイン電極406に接続されているので、ソース領域420sやドレイン領域420dがAl等の金属配線となるソース電極422、ドレイン電極406に直接接続することでこれらの間に反応が起こり、いわゆる「食われ」が起こることでソース領域420sやドレイン領域420dの厚さが極端に薄くなってしまうことを防止することができる。したがって、ソース領域420sやドレイン領域420dの厚さが極端に薄くなることでコンタクト抵抗が非線形性を示す特性となることなく、オーミック特性のままに保持することができ、これによりTFT402のトランジスタとしての機能を良好に発揮させることができる。
また、前記の「食われ」を防止できるため、ソース領域420sやドレイン領域420dを例えば10〜30nm程度の十分な薄さに形成することができる。その場合に、このようにソース領域420sやドレイン領域420dを十分な薄さに形成したTFT402のVI特性を向上し、低消費電流化やリーク電流の低下を図ることができる。
なお、接続部423、424と金属配線としてのソース電極422、ドレイン電極406との間では反応による「食われ」が起こるものの、接続部423、424の厚さは任意に設定できるので、これら接続部423、424の厚さをソース領域420sやドレイン領域420dに「食われ」が及ばない厚さに形成しておけば、コンタクト抵抗の非線形性を十分に回避することができる。
また、前記電気光学装置においては、アナログ回路であるサンプルホールド回路130を構成するTFT402について、前述したようにそのソース領域420s、ドレイン領域420dに接続部423、424を介してソース電極422、ドレイン電極406を接続しているので、TFT402がオーミック特性を保持して所望の電圧値をそのまま印加することができるようになっており、したがってアナログ駆動のトランジスタとしてその機能を良好に果たすことから、サンプルホールド回路130が、信号線(データ線)156に表示信号を必要な電圧値で良好に印加し得るものとなる。
また、このような電気光学装置の製造方法にあっては、前記の接続部423、424を形成する工程を、前記表示領域150に入力された表示信号(画像信号)を保持する蓄積容量151aにおける、画素電位側容量電極(下部電極)として機能する画素電極接続層71aを形成する工程と同一工程で行うようにしたので、工程を増やすことなく、前述したようにコンタクト抵抗についてオーミック特性を保持するTFT402を有した電気光学装置を製造することができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、前記実施形態では接続部423、424を介して金属配線に接続するTFTを、サンプルホールド回路130を構成するTFT402としたが、周辺駆動回路を構成するTFT(薄膜トランジスタ)であればこれに限定されることなく、例えば走査線駆動回路120やデータ線駆動回路110における水平シフトレジスタ170を構成するTFTについて、前述したような接続部を介して金属配線に接続する構成としてもよい。
また、前記実施形態では、接続部423、424を薄膜状に形成したが、本発明はこれに限定されることなく、例えば接続部423、424を、コンタクトホールに埋め込まれてなるプラグ状に形成してもよい。このようにすれば、薄膜状のものに比べて接続部と半導体層(ソース・ドレイン領域)との間の接触をより良好に確保することができるため、コンタクトホールの径を小さくすることができ、設計の自由度を高めることができる。また、薄膜状のものに比べて当然厚くできることから、「食われ」に対してより有利となり、したがってマージンを大きくとることができる。
さらに、電気光学装置の液晶層50には、TN液晶,STN液晶等のように初期の配向状態を配向膜によって規定されるものの他、高分子中に液晶分子を、配向状態がランダムとなるように分散させた高分子分散型液晶を用いることもできる。
また、以上の説明においては、電気光学装置を液晶装置として説明したが、本発明はこれに限るものではなく、エレクトロルミネッセンス(EL)、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、あるいはプラズマ発光や電子放出による蛍光等を用いた様々な電気光学素子を用いた電気光学装置にも適用可能である。
次に、以上に説明した電気光学装置を備えた電子機器の実施の形態について図10〜図15を参照して説明する。
まず、図11に、前記の電気光学装置を備えた電子機器の概略構成を示す。
図11において電子機器は、表示情報出力源1000、表示情報処理回路1002、前述の電気光学装置としての液晶パネル10、クロック発生回路1008並びに電源回路1010を備えて構成されている。
表示情報出力源1000は、ROM(Read OnlyMemory)、RAM(Random Access Memory)、光ディスク装置などのメモリ、同調回路等を含み、クロック発生回路1008からのクロック信号に基づいて、所定フォーマットの画像信号(表示信号)などの表示情報を表示情報処理回路1002に出力する。表示情報処理回路1002は、増幅・極性反転回路、相展開回路、ローテーション回路、ガンマ補正回路、クランプ回路等の周知の各種処理回路を含んで構成されており、クロック信号に基づいて入力された表示情報からデジタル信号を順次生成し、クロック信号CLKと共に駆動回路1004に出力する。
駆動回路1004は、走査線駆動回路120及びデータ線駆動回路110によって前述の駆動方法により液晶パネル10を駆動する。電源回路1010は、上述の各回路に所定電源を供給する。なお、液晶パネル10を構成するTFTアレイ基板の上に、駆動回路1004を搭載してもよく、これに加えて表示情報処理回路1002を搭載してもよい。
次に、図12〜図15に、このように構成された電子機器の具体例をそれぞれ示す。
図12は、液晶プロジェクタの一例を示す断面図である。この液晶プロジェクタ1100は、前述の電気光学装置10をRGB用のライトバルブ10R、10G及び10Bとして備えた投写型プロジェクタとして構成されている。液晶プロジェクタ1100では、白色光源のランプユニット1102から投射された白色光は、ライトガイド1104の内部で複数のミラー1106に誘導され、2枚のダイクロイックミラー1108によってRGBの3原色に対応する光成分R,G,Bに分けられる。そして、これらの光成分R,G,Bはそれぞれ各色に対応するライトバルブ10R,10G,10Bにより変調され、ダイクロイックプリズム1112により再度合成された後、投写レンズ1114を介してスクリーン等に投写される。
図13は、ラップトップ型のパーソナルコンピュータの一例を示す正面図である。このパーソナルコンピュータ1200は、本体1204にCPU,メモリ,モデム,キーボード1202を備え、さらに、上述した電気光学装置10を表示部としてトップカバーケース内に備えている。
図14は、ページャの一例を示す分解斜視図である。ページャ1300は、前述の電気光学装置10を表示部として備え、この電気光学装置10は、バックライト1306aを含むライトガイド1306、回路基板1308、第1及び第2のシールド板1310及び1312、二つの弾性導電体1314及び1316、並びにフィルムキャリアテープ1318と共に金属フレーム1302内に収容されている。
なお、このページャ1300は、図15に示すように、回路部を外付けすることもできる。例えば、このようなページャでは、表示情報処理回路1002を含むIC1324がポリイミドテープ1322上に実装されたTCP(Tape Carrier Package)1320が、異方性導電フィルムを介して、アクティブマトリクス基板1に物理的且つ電気的に接続されている。
このような電子機器にあっては、前述したようにコンタクト抵抗についてオーミック特性を保持する薄膜トランジスタを有した電気光学装置を備えているので、これら電子機器自体も信頼性が高い良好なものとなる。
なお、本実施形態の電気光学装置は、図12〜図15に示した電子機器の他にも、液晶テレビ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、携帯電話、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた装置等の表示部として用いることができる。
本発明の一実施形態としてのアクティブマトリクス基板の平面図である。 本発明の一実施形態の液晶装置の断面図である。 本発明の一実施形態の液晶装置の電気的回路構成を示すブロック図である。 図1に示した液晶装置の表示領域を示す側断面図である。 サンプルホールド回路を構成するTFTの側断面図である。 電気光学装置の製造方法を工程順に示す側断面図である。 電気光学装置の製造方法を工程順に示す側断面図である。 電気光学装置の製造方法を工程順に示す側断面図である。 電気光学装置の製造方法を工程順に示す側断面図である。 電気光学装置の製造方法を工程順に示す側断面図である。 本発明の電子機器の機能的な構成を示すブロック図である。 電子機器の一例としての液晶プロジェクタを示す断面図である。 電子機器の他の例としてのパーソナルコンピュータを示す正面図である。 電子機器の他の例としてのページャを示す分解斜視図である。 電子機器の他の例としてのTCPを用いた液晶装置を示す斜視図である。
符号の説明
71a…画素電極接続層(下部電極)、71b…データ線接続層、100…基板、
110…データ線駆動回路、111…サンプリング駆動信号線(表示信号選択線)、
112…画像信号線、130…サンプルホールド回路、150…表示領域、
151a…蓄積容量、155…走査線、156…信号線、
402…TFT(薄膜トランジスタ)、406…ドレイン電極(金属配線)、
423、424…接続部、420s…ソース領域(半導体層)、
420d…ドレイン領域(半導体層)、422…ソース電極(金属配線)

Claims (8)

  1. 表示領域と、該表示領域の周辺部に設けられた周辺駆動回路とを備えてなり、
    前記周辺駆動回路を構成する薄膜トランジスタのソースまたはドレインを形成する半導体層が、該半導体層と同じ導電型の半導体材料からなる接続部を介して、金属配線に接続されていることを特徴とする電気光学装置。
  2. 前記半導体材料は、不純物を拡散させてなるポリシリコンからなることを特徴とする請求項1記載の電気光学装置。
  3. 前記薄膜トランジスタは、アナログ回路を構成するものであることを特徴とする請求項1又は2記載の電気光学装置。
  4. 前記薄膜トランジスタは、前記表示領域に表示信号を所定のタイミングで入力するサンプルホールド回路を構成するものであることを特徴とする請求項1又は2記載の電気光学装置。
  5. 前記接続部は、薄膜状に形成されてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  6. 前記接続部は、前記表示領域に入力された表示信号を保持する蓄積容量の下部電極と同じ材料からなることを特徴とする請求項5記載の電気光学装置。
  7. 表示領域と、該表示領域の周辺部に設けられた周辺駆動回路とを備えた電気光学装置の製造方法において、
    前記周辺駆動回路を構成する薄膜トランジスタのソースまたはドレインを形成する半導体層の上に、該半導体層に接続した状態で該半導体層と同じ導電型の半導体材料からなる接続部を形成する工程と、
    前記接続部上に、該接続部に接続した状態で金属配線を形成する工程と、を有し、
    前記接続部を形成する工程を、前記表示領域に入力された表示信号を保持する蓄積容量の下部電極を形成する工程と同一工程で行うことを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  8. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の製造方法によって得られた電気光学装置、あるいは請求項7記載の電気光学装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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