JP2005200727A - 半導体素子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 メッキ処理時における薄板型ウェハの破損を回避し、メッキ処理を伴う薄板型半導体ウェハをベースとする半導体素子を効率よく製造する方法を提供すること。
【解決手段】 上記課題を解決するメッキ層(6)を備える半導体素子(10)の製造方法は、少なくとも一方の面に前記半導体素子(10)の回路パターン(2,4)が複数配列する半導体ウェハ(5)を用意する工程と、前記ウェハ(5)を所定の回路パターンを備える複数のチップ(10)にダイシングする工程と、前記チップ(10)の少なくとも一方の表面にメッキ層(6)を形成する工程とを含む。
【選択図】 図1

Description

本発明は、メッキ処理された半導体素子の製造方法に関し、特に半導体素子製造プロセスにおけるメッキ処理に関する。
半導体素子(デバイス)の高密度化、高性能化に伴い、そのベースとなる半導体ウェハの大型化及び薄型化が進行している。しかし、半導体ウェハを大型化及び/又は薄型化すればするほど該ウェハの機械的強度は低下する。それゆえ、かかる大型及び/又は薄型の半導体ウェハを使用する場合には、従来にもましてその取り扱いを慎重にする必要がある。また、半導体素子の製造プロセスにおいて、かかる大型及び/又は薄型のウェハの破損を防止する工夫が必要となる。
特に、半導体ウェハをベースとする種々の素子(デバイス)、例えば薄板状の半導体ウェハに所定の回路パターンを碁盤の目状に配列して成る半導体素子基板(即ちダイシング前のICチップ等の素子の集合体を構成するウェハ)の表面をメッキ処理する際、ウェハ破損の防止に留意する必要がある。すなわち、前記半導体素子基板の表面をメッキ処理(例えばハンダ付け性の付与等を目的とする無電解ニッケルメッキ)するには、内容の異なる数多くの処理を連続的に行う必要があり、その過程においてウェハの破損が生じ易い。従って、大型及び/又は薄型の半導体ウェハ(以下「薄板型ウェハ」と略称する。)を使用する場合には、かかるメッキ処理時における該ウェハの取り扱いにとりわけ注意が必要である。
このことに関し、特許文献1には、半導体素子の製造プロセスにおける薄板型ウェハの破損防止対策として、半導体素子基板にダミー基板(補強板)を熱発泡性接着シートで接着し、半導体素子基板とダミー基板とを一体化した状態でメッキ処理を行う方法が記載されている。また、特許文献2には、薄板型ウェハの無電解メッキ処理時における破損を防止すべく、ウェハを無電解メッキ処理する際に当該ウェハを収容する薄板装着治具(薄板保持用治具)が記載されている。
特開2002−151442号公報 特開2000−119899号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、メッキ処理後にダミー基板を薄型ウェハ(素子)から剥離するプロセスを追加する必要がある。また、より薄いウェハを使用した場合にはウェハを破損させないため、かかる剥離の際に非常にデリケートな操作が要求される。また、特許文献2に記載の方法では、メッキ処理前及び処理後の薄板保持用治具への出し入れの際に薄板型ウェハを破損してしまう虞があり、根本的な破損防止策にはなっていない。
そこで本発明は、かかる従来の課題を根本から解決すべく開発されたものであり、その目的とするところは、メッキ処理を伴う薄板型半導体ウェハをベースとする半導体素子の製造方法であってメッキ処理時における薄板型ウェハの破損を回避し得る製造方法を提供することである。また、そのような製造方法によって製造された半導体素子を提供することである。
本発明により、メッキ層を備える半導体素子を製造する方法であって、少なくとも一方の面に前記半導体素子の回路パターン(電極層である場合を含む。以下同じ。)が複数配列する半導体ウェハを用意する工程と、前記ウェハを所定の回路パターンを備える複数のチップにダイシングする工程と、前記チップの少なくとも一方の表面にメッキ層を形成する工程とを含む方法が提供される。
ここで「半導体素子」とは、シリコンウェハ等の半導体ウェハをベースに製造される電子デバイス(素子)を総称する用語であり、特定の用途・形状に限定されない。ウェハから切り出されるICチップ、パワーデバイス等の半導体装置は、ここでいう半導体素子に包含される典型例である。
かかる構成の製造方法は、所定の回路パターンが多数配列(形成)された半導体ウェハ(典型的には素子集合体を構成するウェハ)の表面をメッキ処理する従来の方法とは異なり、先ず該ウェハをダイシングしていくつかのチップ(典型的には、個々のチップがそれぞれ半導体素子を構成する。)に分断し、然る後に各チップに対してメッキ処理を行う。このため、繁雑な操作が要求されるメッキ処理時において、機械的強度の低い薄板型ウェハをそのままの形状で取り扱う必要が無い。その一方において、分断された個々のチップは、その小サイズゆえに機械的強度が高く破損し難い。
従って、ここで開示される方法によると、メッキ処理時(典型的には多くの液剤処理を要する無電解メッキ処理)におけるウェハの破損を回避し、該破損に起因する不良品の発生を抑止して高い生産効率でメッキ層を有する半導体素子を製造することができる。また本発明は他の側面として、ここで開示されたいずれかの方法によって製造された半導体素子を提供する。ここで開示された方法では、ウェハの破損が防止され、信頼性の高い半導体素子を安定的に製造することができる。
また、ここで開示される方法では、ウェハの端部で所定の回路パターンが形成されていない部分(即ち半導体素子を構成しない部分)をメッキ処理に供しない。このため、無駄な部分をメッキ処理するに要する時間及び薬剤等を節約することができる。
また、本発明により、メッキ層を備える半導体素子を製造する方法であって、少なくとも一方の面に前記半導体素子の回路パターンが複数配列する半導体ウェハを用意する工程と、前記ウェハを所定の回路パターンを備える複数のチップにダイシングする工程と、前記ダイシングされたチップを所定の基板に実装する工程と、前記基板に実装された状態のチップの表面にメッキ層を形成する工程とを含む、所定の回路パターンを備える半導体素子を所定の基板に実装した状態で製造する方法が提供される。
ここで「基板」とは、少なくとも一つの半導体素子を実装し得る基板(フレーム)であって該半導体素子(チップ)とともにメッキ処理を施して差し支えないものをいい、特定の用途・形状に限定されない。
かかる構成の製造方法では、所定の回路パターンが多数配列(形成)された半導体ウェハをダイシングしていくつかのチップに分断し、更に該チップを所定の基板に実装した後にメッキ処理を行う。このため、前述の方法と同様、繁雑な操作が要求されるメッキ処理時において、機械的強度の低い薄板型ウェハをそのままの形状で取り扱う必要が無い。その一方において、分断された個々のチップを実装する基板は薄板型ウェハよりも機械的強度が高く、チップの補強板としても機能し得る。また、小さいチップ単独よりもチップを実装した基板のほうが取扱いが容易である。このため、メッキ処理等を行う場合の作業効率を向上させることができる。
従って、この態様の方法によると、メッキ処理時(典型的には多くの液剤処理を要する無電解メッキ処理)におけるウェハの破損を回避し、該破損に起因する不良品の発生を抑止して高い生産効率でメッキ層を有する半導体素子を所定の基板に実装した状態で製造することができる。また、この方法では、典型的には前記実装したチップ(半導体素子)の表面と基板表面とを同時にメッキすることが可能となり、当該基板表面のメッキ工程を省略または簡素化することができる。このため、半導体素子実装品の生産工程が簡略化され、より低コストに半導体素子実装品、典型的には該半導体素子を実装した回路基板その他のモジュールを提供することができる。
なお、ここで「回路基板」とは、所定の電子回路を構成する基板を総称する用語であり、特定の用途・形状に限定されない。種々のプリント配線板(例えば片面プリント配線板、両面プリント配線板、多層プリント配線板、ビルドアップ多層配線板)、或いは種々のモジュール基板(例えばBGA基板、フリップチップ基板、COB基板、TAB基板、COF基板)は、ここでいう回路基板に包含される典型例である。
好ましい一態様は、前記メッキ工程において、前記チップをその被メッキ処理面が外部に露出した状態で1個又は複数個保持し得る保持具を用意し、該保持具にチップを保持するとともに、該保持具ごとチップをメッキ処理に要する複数の液剤に順次浸積していくことによって前記メッキ層の形成を行う。或いは、前記チップを実装した基板をそのチップ表面(即ち被メッキ処理面)が外部に露出した状態で1個又は複数個保持し得る保持具を用意し、該保持具に該基板を保持するとともに、該保持具ごと基板をメッキ処理に要する複数の液剤に順次浸積していくことによって前記チップ表面にメッキ層の形成を行う。
本態様の方法では適当な保持具を用意し、該保持具に前記チップ或いはチップ実装基板を1個又は複数個(典型的には1個)保持した状態でメッキ処理を行うことにより、メッキ処理時におけるチップ或いはチップ実装基板の取扱いが容易となる。このため、作業効率を向上させることができる。また、保持具を使用することにより、個々のチップ或いはチップ実装基板に対して同様の条件でメッキ処理を行うことが容易となり、結果、数多くのチップ或いはチップ実装基板を一度にメッキ処理した場合にも均質にむらなく個々のチップ(又は該チップと基板)に対してメッキ処理を施すことができる。このため、高品質の半導体素子を効率よく製造することができる。
好ましくは、前記保持具を複数個用意するとともに該複数の保持具を実質的に同時移動可能となるように相互に連関させた構成で配列させ、前記チップ或いは前記チップ実装基板を保持した状態の該配列した保持具をメッキ処理に要する複数の液剤をそれぞれ貯留する複数の貯留槽内に順次誘導していくことによって前記メッキ層の形成を連続的に行う。
このような構成でメッキ処理を行うことにより、薄板型ウェハをダイシングすることによって得られた数多くのチップ(又は該チップと基板)を次々に効率よくメッキ処理し得、延いては半導体素子製造プロセスを効率よく実施することができる。
また、前記態様において特に好ましくは、前記複数個の保持具は相互に隣接して一体となる連続構造体を構成しており、前記複数の貯留槽それぞれの側面には該連続構造体が通過可能な溝が設けてあり、該連続構造体を構成する各保持具に前記チップ或いはチップ実装基板を保持するとともに、該連続構造体をほぼ水平方向に移動させて該溝を介して前記複数の貯留槽内に順次誘導していくことによって前記メッキ層の形成を連続的に行う。
このような構成でメッキ処理(典型的には無電解メッキ処理)を行うことにより、前記複数の貯留槽のそれぞれにおいて各保持具を出し入れする操作が著しく簡便化される。このため、薄板型ウェハをダイシングすることによって得られた数多くのチップ(又は該チップと基板)をより効率よく連続してメッキ処理することができる。
また、ここで開示される好ましい他の一態様は、前記メッキ工程において、前記チップ或いはチップ実装基板を1個又は複数個収容し得るメッキ処理容器を用意し、前記チップ或いはチップ実装基板を保持した状態の該容器に、メッキ処理に要する複数の液剤を順次供給していくことによって前記メッキ層の形成を行う。
ここで「容器」とは、前記チップ或いはチップ実装基板をメッキ処理に要する液剤とともに収容し得る道具(入れ物)を意味する用語であり、特定の形状に限定されない。また、容器はそれ単独で独立した物品であるか他の物品の一部であるかを問わない。例えば、所定容積のカップ状容器の他、ある物品の表面の一部に設けられた窪み形成部分(凹部)は、メッキ処理に要する液剤を貯留可能であって所定サイズのチップを少なくとも1個収容し得る容積・形状であれば、ここにいう容器に包含される典型例である。
本態様の方法では適当な容器を用意し該容器に前記チップ或いはチップ実装基板を収容した状態でメッキ処理を行うため、メッキ処理の際にチップ或いはチップ実装基板を頻繁に取扱う必要がない。即ち、本方法では、一の容器にメッキ処理に要する複数の液剤を順次供給することから、液剤を変える度にチップ或いはチップ実装基板を出し入れする必要がない。このため、作業効率を向上させることができる。また、ここで使用する容器は、ダイシング後のチップ或いはチップ実装基板を1個又は複数個(典型的には1個)収容し得るものであればよいから、従来のウェハを直接浸漬するタイプの液剤貯留槽と比べ、その容積を大幅に小さくすることができる。このため、チップ1個あたりの液剤使用量を低減し得、延いてはメッキ処理コスト(材料費)を下げることができる。また、容器に常に新鮮な液剤を供給しつつメッキ処理を行えるため、高品質なメッキ層を安定的に形成することができる。
また、前記態様において好ましくは、前記メッキ処理容器を複数個用意するとともに該複数の容器を実質的に同時移動可能となるように相互に連関させた構成で配列させ、前記配列を維持しつつ前記複数のメッキ処理容器を所定のルートで移動させ、ここでメッキ処理に要する複数の液剤それぞれの各メッキ処理容器への供給又は交換は、液剤ごとに前記ルート内の相互に異なる位置においてそれぞれ独立に該位置に到達した容器に対して行う。
このような構成でメッキ処理(典型的には無電解メッキ処理)を流れ作業で行うことにより、数多くのチップ(又は該チップと基板)をより効率よく連続してメッキ処理することができる。また、前記配列した複数の容器の移動速度を一定に保ち、各液剤毎に移動距離を調整することによって、各液剤毎に処理時間を制御し、これを繰り返して処理する。このため、品質に差のないメッキ層を効率よく各チップ(又は該チップと基板)の表面に形成することができる。かかる観点からは、前記メッキ処理に要する各液剤の各メッキ処理容器への供給又は交換に加えて、各メッキ処理容器へのチップ或いはチップ実装基板の投入、及び/又は、メッキ処理後の各メッキ処理容器からのチップ或いはチップ実装基板の回収についても、前記ルート内のいずれかの位置において該位置に到達した容器に対して行うことが特に好ましい。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項(例えば前記保持具又はメッキ処理容器の構成、メッキ処理に必要な液剤の被メッキ物への供給方法、等)以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えばウェハの作製方法、ウェハ上に回路パターンを形成する方法、メッキ処理に要する液剤の組成)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
本発明の半導体素子製造方法は、目的とする半導体素子に含まれるべき回路パターンが複数配列するウェハをダイシングし、その後にメッキ処理を施すという実施工程によって特徴付けられるものであり、該方法に用いられるウェハの種類や形状、或いはウェハに形成された電子回路パターンの構造やその内容は特に限定されない。同様に、本発明の方法によって製造される半導体素子は、最終的に少なくとも一部にメッキ層を有するものであればよく、本発明の方法を特定の目的・用途、特定のタイプ・形状の素子の製造に限定して適用することを意図していない。例えば、表面にハンダ付け性改善等を目的としてメッキ層を有する半導体素子(例えば多層(電子部品内蔵)基板/モジュールに実装されるICチップ、MOS型FETのようなパワーデバイス)は、ここで開示されるいずれかの製造方法によって好適に製造される半導体素子の一例である。
本発明の半導体素子製造方法は、本発明を特徴付ける前述の各工程以外に、製造すべき半導体素子の内容(構造)に応じて種々の工程を含み得る。かかる付加的工程として、不純物をドープする工程、ウェハの表面に所定パターンの配線(電極層)や酸化膜を形成する工程、ウェハを薄く研削する工程、メッキ前又はメッキ後に素子(チップ)に電極を形成する工程、得られた素子の導電性をチェックする工程、等が挙げられる。これら工程(プロセス)は、一般的な半導体素子の製造において目的に応じて適宜行われているものと同様でよく、本発明の実施にあたって特殊な技法を採用する必要はない。
ここで開示される製造方法の好適な一態様の処理フローを図1に模式的に示す。この図の(1)乃至(5)は、本発明の実施に用いられる少なくとも一方の面に前記半導体素子の回路パターンが複数配列する半導体ウェハ製品(以下「素子集合基板」という。)5の作製に関する。すなわち、先ず、所定のサイズ・厚さのウェハ1をスパッタリングその他の蒸着法によって、ウェハの一方の面(表面)に金属薄膜(電極層)2を形成し、さらにフォトリソグラフィ法、レーザー法(ドライプロセス)等の採用により所定の回路パターンを形成する(1)。次いで、所定の回路パターンを構成する電極層2を形成した側に補強シール3を貼り付け(2)、ウェハ1を研削して薄型化する(3)。そして、所望により、ウェハ1の研削面(裏面)側にも、表面側と同様の手法により、金属薄膜(電極層)4を形成し、所定の回路パターンを形成する(4)。その後、前記補強シール3を剥がし、目的の半導体素子を構成する回路パターンが複数配列するウェハ1から成る素子集合基板5が得られる(5)。
なお、本発明の実施にあたっては、目的の回路パターンが形成された素子集合基板5を後の工程のために用意(例えば購入)すればよく、図1(1)〜(5)に示す工程を本発明の実施の際に同時に行う必要はない。
得られた素子集合基板5を適当なダイシング装置により回路パターン毎に分断することにより、半導体素子に対応する個々のチップ10を得る(6)。なお、ダイシング操作時の破損を防止するため、素子集合基板5の一方の面に補強シート(図示しない)を貼り付けてからダイシングすることが好ましい。
次いで、個々のチップ10の少なくとも一方の表面に対してメッキ層6を形成する(7)。なお、チップ10の端面には表面電極層2の形成がないため、無電解メッキ液と反応せず、メッキ層は形成されない。ここでは、得られる半導体素子10の表面にハンダ付け性を付与するべく、表面電極層2側にメッキ層6を形成する。なお、この例ではダイシング後のチップ10の片面のみにメッキ層6が形成されているが製造物のタイプや用途に応じて両面(又は全面)にメッキ層を形成してもよい。
メッキ処理の内容は特に限定されず、従来公知の方法である電解メッキ法、真空メッキ法、無電解メッキ法等を採用して行うことができる。本発明の方法では、ダイシング後の小さいチップ10を取り扱うため、メッキするために電極(導電体)をチップに装備することが必要な電解メッキ方式よりも、電源、電極等を用意する必要がなく所定の液剤に浸漬することによって均質なメッキ層を形成し得る無電解メッキ方式を採用することが好ましい。例えば、少なくとも被メッキ処理面をメッキ処理に要する複数の液剤に順次浸漬することによってメッキ処理(典型的には無電解メッキ処理)を行うことができる。この場合、後述するような形態の保持具にチップ10を保持した状態でメッキ処理を行うことが好ましい。或いは、ダイシング後の各チップ10をその被メッキ処理面が露出するようにして吸着チャック(例えば静電吸着チャック、真空吸着チャック)で吸着し、その状態で各種の真空メッキ(蒸着)処理を行ってもよい。
素子集合基板5よりも格段に小さいチップ10は、ウェハ1の場合のように慎重に取り扱わなくてもメッキ処理時における素子の破損の発生頻度は極めて低い。このため、メッキ処理時における損失を抑え、一枚のウェハからより多くの素子を効率的に作製することができる。
前述のようにしてメッキ層6が形成された半導体素子10を、典型的には所定の回路基板14にハンダ12を用いて実装(ハンダ付け)する(8)。さらにメッキ層6が付与された面側にも基板、電極等の電子部品18をハンダ13を用いて実装する(9)。以上のプロセスにより、半導体素子10単体(例えばICチップ単品)のほか、該素子10を他の電子部品とともに実装して成る部品内蔵基板その他の機能モジュールを作製することができる。
また、ここで開示される製造方法の他の好適な一態様の処理フローを図2に模式的に示す。この図の(1)乃至(6)は、目的の半導体素子10の回路パターンが複数配列する半導体ウェハ製品(素子集合基板)5の作製及びダイシングに関するものであり、前述の図1に示す態様と全く同様であるため、重複した説明は省略する。
次いで、この方法では、個々のチップ10にめっき処理を施す前に所定の回路基板14にハンダ12を用いて実装(ハンダ付け)し(7)、その後、回路基板14ごと素子10の表面にメッキ層6を形成する(8)。この方法では、典型的には無電解メッキ処理によって、素子10の表面のみならず基板14の表面にも同様のメッキ層16を形成することができる(8)。なお、チップ10の端面には表面電極層2の形成がなく、無電解メッキ液が反応しないため、メッキ層は形成されない。
素子集合基板5よりも機械的強度が比較的高い基板14にチップ(素子)10を実装させることにより、ウェハ1の場合のように慎重に取り扱わなくてもメッキ処理時における素子の破損の発生頻度は極めて低い。このため、メッキ処理時における損失を抑え、一枚のウェハからより多くの素子を基板に実装した状態で効率的に作製することができる。
そして、前述の図1に示す態様と同様、素子10のメッキ層6が付与された面側に基板、電極等の電子部品18をハンダ13を用いて実装してもよい(9)。このことによって、該素子10を他の電子部品とともに実装して成る部品内蔵基板その他の機能モジュールを作製することができる。
以下、ここで開示される半導体素子製造方法において行われる、本発明によって提供されるメッキ処理方法の好適ないくつかの実施形態を図面を参照しつつ説明するが、本発明をそれら形態のメッキ処理方法に限定することを意図したものではない。また、以下の形態は、ダイシング後のチップ或いは該チップを実装した基板に対してジンケート法等に基づく無電解メッキ処理(例えば無電解ニッケルメッキ処理)を施す場合について説明するが、以下に説明する事項・装置を例えば電解メッキ処理における前処理に適用することもできる。
第一の好適な実施形態を図3〜図5を参照しつつ説明する。本実施形態では、チップ10をその被メッキ処理面が外部に露出した状態で保持し得る保持具22を用意し、その保持具22ごとチップ10を無電解メッキ処理に要する複数の液剤に順次浸積していくことによってメッキ層6の形成を行うことを特徴とする。
図3及び図4に示すメッキ処理装置は、複数個の保持具22が相互に連なった連続構造体20(以下「保持具チェーン20」という。)を備える。すなわち、この保持具チェーン20は、複数の保持具22が連結した環状体を構成しており、各保持具22が同時移動可能な構成である。具体的には、図4に示すように、各保持具22は、一方(上方)が開放された矩形状の枠体を構成しており、その開放された部分から枠内スペース23にチップ10の両面が露出した状態で1個のチップ10を収容・保持することができる。この保持具22(枠)の側壁内面24は断面V状に窄んでおり、そこに収容されたチップ10の側部を挟み易い。このため、枠内スペース23に収容したチップ10のがたつきを防止し得る。保持具22の材質は特に制限はないが、メッキ処理に使用する液剤によって腐蝕され難い材質が好ましい。例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のような、耐化学性の高い合成樹脂製のものがよい。
図4に示すように、保持具22の両側壁外面には、長手方向に突出した可撓性のある合成樹脂(エラストマー等)製の連結片25がそれぞれ設けられている。そして、図示するように長手(両サイド)方向に隣接する保持具22の連結片25同士を連結軸26等の接続手段を介して連結することによって、任意の数の保持具22が同時移動可能に配列した前記環状体構造の保持具チェーン20(図3)が形成される。
而して、図3に示すように、本実施形態では、保持具チェーン20に対してスプロケット(鎖車)として機能し得る複数の放射状に張り出した動力伝達片29を備えた回転可能なガイド部材28を一対用意し、それらガイド部材28の動力伝達片29と前記保持具チェーン20の一部(好ましくは連結部25の底面)とを係合させている。ガイド部材28の少なくとも一方は図示しないモータに連結しており、該モータを作動させることによって、かかるガイド部材28を所望の回転速度で回転させることができる。すなわち、保持具チェーン20に対してスプロケットとして機能し得るガイド部材28の回転に伴い、動力伝達片29の一部がそこに係合(当接)する保持具22を回転方向に押し出す。これにより、図示するように保持具チェーン20(換言すれば配列した各保持具)を所定のルートで回転・循環させることができる(図中の矢印参照)。
一方、前述のようにガイド部材28に係合した保持具チェーン20の循環ルート上には、無電解メッキ処理に要する複数の液剤をそれぞれ貯留する複数の貯留槽30a〜30hが相互に異なる位置に配置されている。本明細書において「メッキ処理に要する複数の液剤」には、従来行われてきたメッキ処理に用いられ得るいずれの処理液、メッキ液も包含され得る。例えば、洗浄液(水を含む)、種々のジンケート処理液や表面活性化処理液(種々の酸)、所定のメッキ金属成分(ニッケル、金等)を含む所謂メッキ液は、ここでいうメッキ処理(無電解メッキ処理)に要する液剤に包含され得る液剤の典型例である。
本実施形態では、保持具チェーン20の進行方向に沿って、無電解メッキ処理に要する液剤をその使用順に各貯留槽30a〜30hに分別・貯留している。なお、図3では、計8個の貯留槽30a〜30hが記載されているが、これは説明のための例示であって実際に使用する貯留槽の数はメッキ処理内容によって異なることは当業者には容易に理解される。
図5は、本実施形態で使用する貯留槽30aの好適な形態を模式的に示した斜視図である。すなわち、本形態の貯留槽30aは、保持具チェーン20が誘導される処理槽34aと、該処理槽34aから流出した液剤を堰き止めて一時的に貯えるために処理槽34a周囲に設けられた回収槽32aとから構成されている。
図示されるように、処理槽34aの対向する二つの側壁には保持具チェーン20の通行ルート上に該保持具チェーン20(各保持具22)が通過可能な溝35,36が形成されている。これにより、本実施形態では、前述のガイド部材28を回転させてそれに係合した保持具チェーン20を循環ルートに沿って単に移動させるだけの操作によって、前記溝35,36を通過させて各保持具22及びそこに収容されているチップ10を各貯留槽30a〜30h(図3)に順次導入することができる。なお、溝35,36から流出して回収槽32aに貯まった液剤は、ポンプ38によって汲み上げられ、再度処理槽34aに供給される。これにより、液剤の消費量を抑えるとともに、処理槽34a内において液剤の流動を維持することができる。このため、該処理槽34aに導入されたチップ10の被メッキ表面近傍に液剤が滞留するのを防止し、該表面における液剤の交換を促進して効率よいメッキ処理を行うことができる。なお、本実施形態では、保持具チェーン20の移動によっても保持具22に収容されたチップ10表面における液剤の交換を促すことができる。
また、各貯留槽30a〜30hには図示しない温度モニタリング装置とヒータが内蔵されており、液剤の温度を所望するレベルに制御することができる。
以上の構成により、所定の速度で保持具チェーン20を移動(循環)させつつ、無電解メッキ処理に要する液剤をその使用順に貯留する各貯留槽30a〜30hに、チップ10を収容した保持具22を順次誘導し、各貯留槽において所定時間浸漬することにより、1枚のウェハのダイシングで得た多数のチップ10を、流れ作業で次々と効率よくメッキ処理していくことができる。液剤の種類(すなわちその液剤を使用する処理内容)によってチップの浸漬時間は異なり得るが、各貯留槽の長さ(即ち、支持具22の入り口に相当する溝35と出口に相当する溝36との距離)を適宜調整することによって浸漬時間の長短に容易に対応することができる。
各保持具22へのチップ10の取り付け及び取り外しは、循環ルートのうち、メッキ処理の最初に使用する液剤の入った貯留槽30aよりも上流側であって、メッキ処理の最後に使用する液剤の入った貯留槽30hよりも下流側で行われる(図では左下の領域)。かかるチップの着脱操作は作業者の手作業で行えばよくその態様に制限はないが、より効率的に流れ作業を行うため、かかる着脱作業を機械に置き換えて自動化してもよい。例えば、図3に模式的に示すように、チップ着脱位置にチップ着脱用ロボット40を配置しておき、その操作アーム42の先端に吸着チャック44を配備する。そして、図示しない位置センサ、画像認識、機械的スイッチ等の位置決め手段によって決定された所定の着脱位置において、該ロボット40のアーム42を操作して自動的にチップの着脱を行うことができる。例えば、保持具22の外面の一部にチップ着脱位置判定用凸部を設けておき、別途所定のルート上に該凸部と接触可能なスイッチを設けておく。そして、保持具チェーン20の移動中、いずれかの保持具22の凸部の接触により該スイッチがオンされたときに保持具チェーン20の移動を止め、アーム42の操作により所定の保持具22からメッキ処理済みのチップ10を取り出して所定の回収トレー48に回収し、次いでメッキ処理前のチップ10を所定の準備トレー46から取り出して該保持具22に装着する。着脱操作が終了後、保持具チェーン20の移動を再開する。この一連の操作を繰り返すことにより、常に同じ位置においてロボット40によるチップ10の自動着脱を行うことができる。なお、このようなチップ自動着脱機構は例示するまでもなく、一般的な機械・装置の組立て工場において部品の取り付け及び取り外しに行われているオートメーション機構を適宜修正して採用すればよく、これ以上の詳細な説明は省略する。
以上に説明した実施形態は、図2に例示したチップ実装基板14についても好適に適用することができる。すなわち、図6に示すように、保持具22の枠内スペース(収容部分)23を保持したい基板14の大きさに対応するように保持具の形状22を変更することによって、図3〜図5に示す前述の実施形態と全く同様に、多数のチップ実装基板14の表面(即ちチップ10の表面と基板14の表面)を連続的に効率よくメッキ処理することができる。
或いは、基板の形状や強度によっては、図7に示すような保持構造を採用することができる。すなわち、基板14の一部に係合穴14aを設ける。一方、前述の保持具チェーン20と同様に所定のルートで循環するベルト状の環状連続構造体27の表面に棒状保持具27aを所定の間隔で配列させておく。そして、かかる棒状保持具27aのそれぞれに係合穴14aを介してチップ実装基板14を保持(係合)させる。このような引っ掛けによる保持構造はチップ実装基板14の保持具27aへの着脱操作が容易であり、迅速に行うことができる。
なお、図示されるような保持具22,27aの構造では、そこに保持されるチップ10或いはチップ実装基板14の両面ともメッキされるが、チップ10或いはチップ実装基板14の片面のみ或いは一部分のみをメッキしたい場合には、その部位のみが液剤に曝されるように保持具22の構造を変更すればよい。
次に、第二の好適な実施形態を図8を参照しつつ説明する。本実施形態では、チップ10を1個又は複数個(好ましくは1個)収容し得るメッキ処理容器51を用意し、チップ10を収容した状態の該容器51に、メッキ処理に要する複数の液剤を順次供給していくことによってメッキ層6の形成を行うことを特徴とする。また、そのようなメッキ処理容器51を複数個用意するとともに該複数の容器を実質的に同時移動可能となるように相互に連関させた構成で配列させたことを特徴とする。
すなわち、図8に示すメッキ処理装置は、図示しない駆動手段により所定の速度で循環するコンベア50と、その上面に所定の間隔で複数設置された前記メッキ処理容器51とを備えている。すなわち、コンベア50の移動に伴って、各容器51は同時にコンベア移動方向に移動する構成である。
他方、本実施形態では、無電解メッキ処理に要する液剤を個々別々に貯留するいくつかの液剤槽55a〜55dを備える。なお、図8では、計4個の液剤槽55a〜55dが記載されているが、これは説明のための例示であって実際に使用する液剤槽の数はメッキ処理内容によって異なることは当業者には容易に理解される。
各液剤槽55a〜55dには、それぞれバルブ57a〜57dを備えた供給ノズル56a〜56dが接続されており、このバルブ57a〜57dの開閉操作により各液剤槽55a〜55dからの液剤の供給ノズル56a〜56dからの供給及び停止を制御可能としている。図示するように、各供給ノズル56a〜56dは、それぞれコンベア50の異なる位置において、その位置を通過する容器51に対して液剤を供給し得るように配置されている。本実施形態では、コンベア50の進行方向(図中矢印参照)に沿って、無電解メッキ処理に要する液剤がその使用順に各処理容器51に供給されるように、各液剤槽55a〜55dと供給ノズル56a〜56dの位置が決定され、配備されている。
また、コンベア50の周囲(図に示す形態ではコンベア50の下面側)には、その近くを通過する処理容器51内の液剤の温度を制御するためのヒータ59が設置されている。或いは各容器50に個別にヒータを設けてもよい。
以上の構成により、図8に示すように、所定の速度でコンベア20を移動(循環)させつつ、所定のタイミングで各液剤槽55a〜55dから各供給ノズル56a〜56dを介して所定の位置に来た容器51内に所定量の液剤を供給する。具体的には、予めチップ10を収容した処理容器51がコンベア50とともに移動して第一の液剤供給地点に達したとき、第一の液剤槽(図では55a)から所定量の第一の液剤が供給される。そして、コンベア50とともに移動する過程において当該容器内のチップ10は第一の液剤で処理される。所定時間後、当該容器51がコンベア50とともに移動して第二の液剤供給地点に達したとき、第二の液剤槽(図では55b)から所定量の第二の液剤を供給して容器内の液剤を置換する。このとき、第二の液剤を過剰に供給して容器51内の第一の液剤を溢れさせつつ容器51内の液剤を置換してもよいし、容器51の底面に別途設けた排出口(図示せず)を開けて、或いは別途用意したアスピレータの排出用チューブ(図示せず)を容器内に挿入することにより、第二の液剤供給前又は供給と同時に第一の液剤を積極的に排出してもよい。そして、コンベア50とともに移動する過程において当該容器内のチップ10は第二の液剤で処理される。また処理の内容に応じてヒータ59を作動させ、好適な処理温度を実現することができる。図示しないが、最後の液剤を供給して所定時間の処理が終了した後の乾燥工程についてもコンベア50上(即ち容器51内)で行ってもよい。これにより、容器51から取り出す前に全てのメッキ処理を完了することができる。
このような液剤の供給又は交換をメッキ処理に要する全ての液剤が順次供給されるように繰り返すことによって、1枚のウェハのダイシングで得た多数のチップ10を、流れ作業で次々と効率よくメッキ処理していくことができる。本実施形態では、個々の処理容器51の容積を小さくし得るので、各液剤の消費量を抑え、メッキ処理コスト(主として材料費)を節約することができる。また、常に新しい液剤を供給しつつメッキ処理を行うため、高品質のメッキ処理を安定的に行うことができる。
なお、液剤の種類(すなわちその液剤を使用する処理内容)によってチップ10の浸漬時間は異なり得るが、図8に示すように、比較的短時間の処理でよい場合(例えば洗浄水による洗浄処理)には、当該液剤を供給する供給ノズル57a(即ち供給地点)とその次に供給する液剤の供給ノズル57b(供給地点)との距離を短くし、反対に、長時間の処理を要する場合(例えばニッケルメッキ液によるメッキ処理)には、当該液剤を供給する供給ノズル57c(供給地点)とその次に供給する液剤の供給ノズル57d(供給地点)との距離を長くすればよい。このような液剤供給地点間の距離を適宜調整することによって、コンベア50の移動速度を一定に保ちつつ、液剤の浸漬時間の長短に容易に対応することができる。
前述の実施形態と同様、各容器51へのチップ10の出し入れは、メッキ処理の最初に使用する液剤を供給する前のコンベア50上流側で各容器51にチップ10を入れ、他方、メッキ処理の最後に使用する液剤を供給してその処理が終わる地点よりもコンベア50下流側で各容器51からチップ10を出せばよい。或いは、コンベア50が環状に繋がれた環状搬送帯である場合には、前述の図3に示す保持具チェーン20の場合と同様、容器51にチップを入れる作業とメッキ処理後に容器51からチップを取り出す作業とを同じ位置で同時に行うことができる。かかるチップ10の出し入れ操作は作業者の手作業で行えばよくその態様に制限はないが、より効率的に流れ作業を行うため、かかる着脱作業を機械に置き換えて自動化してもよい。例えば、前述した図3に模式的に示すようなロボットアーム操作を採用することができる。
また、容器51内におけるチップ10の収容の態様に特に制限はなく、被メッキ処理面が液剤に曝される状態であればよい。例えば、チップ10の被メッキ処理面が上面となるように容器51の底面にチップを配置するだけでもよい。但し、この場合には容器51の底面に接するチップ10の裏面側にメッキ層を形成し難い。従って、チップ10の表裏両面或いは全面にメッキ層を形成したい場合には、所定の保持具(例えば図4に示す保持具22のような枠体)を容器内に配置したり或いは容器の内壁構造を枠体のように形成することにより、被メッキ処理面が全て液剤に曝されるようにするとよい。例えば、図8に示すように、容器51内においてチップ10の両面が液剤に曝されるような状態を構成すればよい。このような構成は当業者の設計事項にすぎない。
以上に説明した実施形態は、図2に例示したチップ実装基板14についても好適に適用することができる。すなわち、図9に示すように、容器51の容積を保持したい基板14の大きさに対応するように変更することによって、図8に示す前述の実施形態と全く同様に、多数のチップ実装基板14の表面(即ちチップ10の表面と基板14の表面)を効率よく連続的にメッキ処理することができる。
以上、本発明の好適な実施形態を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した態様を様々に変形、変更したものが含まれる。例えば、ここに開示される製造方法では、薄板型ウェハをダイシング後にメッキ処理すればよく、例えば図10に示すように、ダイシング後のチップ10を所定の保持具(枠体)60に保持し、それをメッキ処理に要する各液剤をそれぞれ貯留する処理槽65a〜65eに順次手作業で浸漬しながらメッキ処理(無電解メッキ処理)を行ってもよい。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
一実施形態に係る本発明の製造方法の製造工程を模式的に示す説明図。 一実施形態に係る本発明の製造方法の製造工程を模式的に示す説明図。 本発明の製造方法において実施されるメッキ処理の内容を模式的に示す説明図。 メッキ処理に用いられる保持具の構成を模式的に示す斜視図。 メッキ処理に用いられる処理槽の構成を模式的に示す斜視図。 メッキ処理に用いられる保持具の構成を模式的に示す斜視図。 メッキ処理に用いられる保持具の構成を模式的に示す斜視図。 本発明の製造方法において実施されるメッキ処理の内容を模式的に示す説明図。 メッキ処理に用いられる処理容器の構成を模式的に示す斜視図。 本発明の製造方法において実施されるメッキ処理の内容を模式的に示す説明図。
符号の説明
1 ウェハ
2,4 電極槽
5 素子集合基板(回路パターンが形成されたウェハ)
6,16 メッキ層
10 チップ(素子)
14,18 基板
22,27a,60 保持具
30a,30b,30c,30d,30e,30f,30g,30h 貯留槽
34a,65a,65b,65c,65d,65e 処理槽
35,36 溝
50 コンベア(搬送帯)
51 メッキ処理容器

Claims (13)

  1. メッキ層を備える半導体素子を製造する方法であって、
    少なくとも一方の面に前記半導体素子の回路パターンが複数配列する半導体ウェハを用意する工程と、
    前記ウェハを、所定の回路パターンを備える複数のチップにダイシングする工程と、
    前記チップの少なくとも一方の表面にメッキ層を形成する工程と、
    を含む、製造方法。
  2. 前記チップをその被メッキ処理面が外部に露出した状態で1個又は複数個保持し得る保持具を用意し、
    該保持具にチップを保持するとともに、該保持具ごとチップをメッキ処理に要する複数の液剤に順次浸積していくことによって前記メッキ層の形成を行う、請求項1に記載の方法。
  3. 前記保持具を複数個用意するとともに該複数の保持具を実質的に同時移動可能となるように相互に連関させた構成で配列させ、
    前記チップを保持した状態の該配列した保持具をメッキ処理に要する複数の液剤をそれぞれ貯留する複数の貯留槽内に順次誘導していくことによって前記メッキ層の形成を連続的に行う、請求項2に記載の方法。
  4. 前記複数個の保持具は相互に隣接して一体となる連続構造体を構成しており、
    前記複数の貯留槽それぞれの側面には該連続構造体が通過可能な溝が設けてあり、
    該連続構造体を構成する各保持具に前記チップを保持するとともに、該連続構造体をほぼ水平方向に移動させて該溝を介して前記複数の貯留槽内に順次誘導していくことによって前記メッキ層の形成を連続的に行う、請求項3に記載の方法。
  5. 前記チップを1個又は複数個収容し得るメッキ処理容器を用意し、
    前記チップを収容した状態の該容器に、メッキ処理に要する複数の液剤を順次供給していくことによって前記メッキ層の形成を行う、請求項1に記載の方法。
  6. 前記メッキ処理容器を複数個用意するとともに該複数の容器を実質的に同時移動可能となるように相互に連関させた構成で配列させ、前記配列を維持しつつ前記複数のメッキ処理容器を所定のルートで移動させ、
    メッキ処理に要する複数の液剤それぞれの各メッキ処理容器への供給又は交換は、液剤ごとに前記ルート内の相互に異なる位置においてそれぞれ独立に該位置に到達した容器に対して行う、請求項5に記載の方法。
  7. メッキ層を備える半導体素子を製造する方法であって、
    少なくとも一方の面に前記半導体素子の回路パターンが複数配列する半導体ウェハを用意する工程と、
    前記ウェハを、所定の回路パターンを備える複数のチップにダイシングする工程と、
    前記ダイシングされたチップを所定の基板に実装する工程と、
    前記基板に実装された状態のチップの表面にメッキ層を形成する工程と、
    を含む、所定の回路パターンを備える半導体素子を所定の基板に実装した状態で製造する方法。
  8. 前記チップを実装した基板をそのチップ表面が外部に露出した状態で1個又は複数個保持し得る保持具を用意し、
    該保持具に該基板を保持するとともに、該保持具ごと基板をメッキ処理に要する複数の液剤に順次浸積していくことによって前記チップ表面にメッキ層の形成を行う、請求項7に記載の方法。
  9. 前記保持具を複数個用意するとともに該複数の保持具を実質的に同時移動可能となるように相互に連関させた構成で配列させ、
    前記チップを実装した基板を保持した状態の該配列した保持具をメッキ処理に要する複数の液剤をそれぞれ貯留する複数の貯留槽内に順次誘導していくことによって前記メッキ層の形成を連続的に行う、請求項8に記載の方法。
  10. 前記複数個の保持具は相互に隣接して一体となる連続構造体を構成しており、
    前記複数の貯留槽それぞれの側面には該連続構造体が通過可能な溝が設けてあり、
    該連続構造体を構成する各保持具に前記チップを実装した基板を保持するとともに、該連続構造体をほぼ水平方向に移動させて該溝を介して前記複数の貯留槽内に順次誘導していくことによって前記メッキ層の形成を連続的に行う、請求項9に記載の方法。
  11. 前記チップを実装した基板を1個又は複数個収容し得るメッキ処理容器を用意し、
    前記チップを実装した基板を収容した状態の該容器に、メッキ処理に要する複数の液剤を順次供給していくことによって前記メッキ層の形成を行う、請求項7に記載の方法。
  12. 前記メッキ処理容器を複数個用意するとともに該複数の容器を実質的に同時移動可能となるように相互に連関させた構成で配列させ、前記配列を維持しつつ前記複数のメッキ処理容器を所定のルートで移動させ、
    メッキ処理に要する複数の液剤それぞれの各メッキ処理容器への供給又は交換は、前記ルート内の相互に異なる位置においてそれぞれ独立に該位置に到達した容器に対して行う、請求項11に記載の方法。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載の方法によって製造された半導体素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008223094A (ja) * 2007-03-13 2008-09-25 I Plant:Kk メッキ処理システム
JP2015014045A (ja) * 2013-06-03 2015-01-22 新日鉄住金エンジニアリング株式会社 連続メッキ処理設備及び連続メッキ処理方法
WO2019078063A1 (ja) * 2017-10-20 2019-04-25 アルメックスPe株式会社 表面処理装置

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