JP2005200509A - 樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の樹脂組成物は、
(a)ホモポリエステル 25〜75重量部、および
(b)共重合ポリエステル系樹脂 75〜25重量部
の合計100重量部、ならびに
(c)200℃で10分間における揮発減量が5重量%以下の滑剤 1〜7重量部
を含む。
【選択図】なし
Description
(a)ホモポリエステル 25〜75重量部、および
(b)共重合ポリエステル系樹脂 75〜25重量部
の合計100重量部、ならびに
(c)200℃で10分間における揮発減量が5重量%以下の滑剤 1〜7重量部
を含む樹脂組成物を提供する。
本発明の好ましい実施態様によれば、上記樹脂組成物が、上記成分(a)〜(c)に加えて、
(d)極性基含有樹脂 1〜30重量部
をさらに含み、該極性基含有樹脂が、エチレン−酢酸ビニル共重合体;エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体;エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体;ならびにカルボキシル基、カルボニル基、酸無水物基、アミノ基、エポキシ基、ヒドロキシル基、グリシジル基およびオキサゾリル基の少なくとも1種を含有する化合物で変性されたポリオレフィンおよび芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物との共重合体またはその水添物から成る群から選択される少なくとも1種である。
本発明の別の好ましい実施態様によれば、上記樹脂組成物が、上記成分(a)〜(c)に加えて、
(e)ABS(アクリルニトリル/ブタジエンゴム/スチレン共重合体)、AES(アクリルニトリル−スチレン/エチレン−プロピレンゴムグラフト共重合体)、ASA(アクリルニトリル−スチレン/アクリル酸エステルグラフト共重合体)、スチレン−アクリル共重合体、MBS(メチル(メタ)アクリレート/ブタジエンゴム/スチレン共重合体)、メタクリル酸エステル−アクリルニトリル/アクリル酸エステルゴムグラフト共重合体、メタクリル酸エステル/アクリル酸エステルゴムグラフト共重合体、熱可塑性ポリエステルエラストマー、熱可塑性ポリアミドエラストマー、熱可塑性ポリウレタンエラストマーおよび塩素化ポリエチレンから成る群から選ばれる少なくとも1種の樹脂 1〜30重量部
をさらに含む。
本発明のさらに別の好ましい実施態様によれば、上記樹脂組成物が、上記成分(a)〜(c)に加えて、成分(d)1〜29重量部および成分(e)29〜1重量部(但し、(d)+(e)は2〜30重量部)をさらに含む。
(a)ホモポリエステル 25〜75重量部、および
(b)共重合ポリエステル系樹脂 75〜25重量部
の合計100重量部、ならびに
(d−1)ガラス転移温度が23℃以下であり、かつ重量平均分子量が20,000〜500,000である極性基含有樹脂 1〜30重量部
を含み、該極性基含有樹脂が、エチレン−酢酸ビニル共重合体;エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体;エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体;ならびにカルボキシル基、カルボニル基、酸無水物基、アミノ基、エポキシ基、ヒドロキシル基、グリシジル基およびオキサゾリル基の少なくとも1種を含有する化合物で変性されたポリオレフィンおよび芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物との共重合体またはその水添物から成る群から選択される少なくとも1種である樹脂組成物をも提供する。
成分(a)ホモポリエステル
本明細書において、「ホモポリエステル」は、ポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレートを包含する。ポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレートは、ジカルボン酸成分(テレフタル酸、ジメチルテレフタレート)とジオール成分(エチレングリコール、テトラメチレングリコール)とを等モルで、公知の方法により縮重合させることによって得られるものである。
本明細書において、「共重合ポリエステル系樹脂」は、ジカルボン酸成分とジオール成分とを等モルで縮重合させることによって得られるものであり、かつ上記ジカルボン酸成分が2種以上のジカルボン酸成分を含みおよび/または上記ジオール成分が2種以上のジオール成分を含む。
成分(c)は、200℃雰囲気中で10分間における揮発減量が5重量%以下の滑剤である。揮発減量が5重量%を超える滑剤は、成形品表面からブリードするので好ましくない。成分(c)としては、例えば、重量平均分子量2000のポリエチレンワックスである三井ハイワックス220P(商標)(三井化学社製)、重量平均分子量3200の酸化型ポリエチレンワックスである三井ハイワックス4052E(商標)(三井化学社製)、モンタン酸エステルであるLicowaxE(商標)(クラリアントジャパン製)、およびモンタン酸と1,4−ブタンジオールとの縮合物の一部カルシウム塩(モンタン酸カルシウム塩含有量約25重量%)であるLicowaxOP(商標)(クラリアントジャパン製)が挙げられる。
成分(d)は任意成分であり、成形温度の低下、および表面性および耐衝撃性の向上を目的として添加される。成分(d)は、エチレン−酢酸ビニル共重合体;エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体;エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体;ならびにカルボキシル基、カルボニル基、酸無水物基、アミノ基、エポキシ基、ヒドロキシル基、グリシジル基およびオキサゾリル基の少なくとも1を含有する化合物で変性されたポリオレフィンおよび芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物との共重合体またはその水添物から成る群から選択される少なくとも1種である。成分(d)は、極性基を有することにより成分(a)と(b)との相溶性を高め、その結果、上記効果が得られると考えられる。
成分(e)は任意成分であり、衝撃強度の向上を目的として添加される。成分(d)は、ABS(アクリルニトリル/ブタジエンゴム/スチレン共重合体)、AES(アクリルニトリル−スチレン/エチレン−プロピレンゴムグラフト共重合体)、ASA(アクリルニトリル−スチレン/アクリル酸エステルグラフト共重合体)、スチレン−アクリル共重合体、MBS(メチル(メタ)アクリレート/ブタジエンゴム/スチレン共重合体)、メタクリル酸エステル−アクリルニトリル/アクリル酸エステルゴムグラフト共重合体、メタクリル酸エステル/アクリル酸エステルゴムグラフト共重合体、熱可塑性ポリエステルエラストマー、熱可塑性ポリアミドエラストマー、熱可塑性ポリウレタンエラストマーおよび塩素化ポリエチレンから成る群から選ばれる少なくとも1種の樹脂である。
本発明の、第2の局面による樹脂組成物は、上記成分(a)および(b)、ならびに成分(d−1)を含む。成分(d−1)は、成分(a)と(b)との相容性向上による成形温度低下効果と耐衝撃性を付与する効果を有する。成分(d−1)は、上記成分(d)に関して記載した極性基含有樹脂のうち、ガラス転移温度が23℃以下であり、かつ重量平均分子量が20,000〜500,000のものである。ガラス転移温度が23℃を超えると充分な耐衝撃性改善効果が得られない。また、重量平均分子量20,000〜500,000の上限を超えると充分な成形温度低下効果が得られず、下限未満では充分な耐衝撃性改善効果が得られない。ガラス転移温度は好ましくは、0℃以下であり、さらに好ましくは−20℃以下、よりさらに好ましくは−40℃以下である。
本発明の樹脂組成物は、上記成分の他に、成形性向上を目的として、無機充填剤を添加することもできる。無機充填剤の具体例としては、タルク、炭酸カルシウム、カオリン、酸化チタン、マイカ、クレー、硫酸バリウム、天然けい酸、合成けい酸(ホワイトカーボン)、カーボンブラック、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、ガラス繊維、ウォラストナイト、などが挙げられる。
成分(a)ホモポリエステル:
(1)NEH−2050:ポリエチレンテレフタレート、ユニチカ社製
成分(b)共重合ポリエステル系樹脂:
(2)Eastar PETG 6763:テレフタル酸から成るジカルボン酸成分と、エチレングリコール50〜90モル%および1,4−シクロヘキサンジメタノール成分10〜50モル%から成るジオール成分との共重合ポリエステル樹脂、極限粘度0.81、イーストマンケミカル社製
成分(c)滑剤:
(3)Licowax OP:揮発減量(200℃、10分)0.1重量%以下、クリアント・ジャパン社製
(4)三井ハイワックス 4052E:揮発減量(200℃、10分)0.2重量%以下、三井化学社製
比較成分(c):
(5)アデカSA−200:ステアリン酸、揮発減量(200℃、10分)7重量%、旭電化工業社製
成分(d)および(d−1)極性基含有樹脂:
(6)セプトンHG−252:末端水酸基含有スチレン系エラストマー(末端水酸基含有スチレン−エチレン・エチレン・プロピレン−スチレン共重合体)、クラレ社製、ガラス転移温度−55℃、重量平均分子量62,000、数平均分子量57,000、Mw/Mn=1.1(GPCモードの測定によるスチレン換算分子量であり、HPLC装置は東ソー社製 HLC8020、カラムは東ソー社製ポリスチレンゲル TSK−GEL GMHXLミックスゲル、内径7.8mm、長さ0.3m、2本連結、サンプル濃度:サンプル10mg/THF10mlの条件で測定した。)
成分(e):
(7)カネエースB−56:メチルメタクリレート/ブタジエンゴム/スチレン共重合体、鐘淵化学社製
比較成分(d−1):
(8)スチレン(40モル%)/グリシジルメタクリレート(30モル%)/メチルメタクリレート(30モル%)共重合体、ガラス転移温度50℃、重量平均分子量25000
(9)スチレン(75%)/ブチルメタクリレート(21%)/グリシジルメタクリレート(4%)共重合体、重量平均分子量250万
(1) 押出成形温度
40mm、L/D=20の単軸押出成形機に1mm×30mmテープ状の平ダイスを取り付け、上記で得られたペレットの押出成形を行った。巾30mm、厚さ1mmの金型を取り付けた40mm単軸押出機を用い、テープ状に押出した。スクリューは圧縮比2.0のものを用いた。シリンダーおよびダイスを同温度とし、270℃から5℃きざみで下げていって、テープ状に押出すことのできる最低温度を押出成形温度とした。
上記試験(1)で得られたテープを試験片とし、その表面性を確認した。表面性は、下記の規準で評価した。なお、グロスは、堀場製作所製 GLOSS CHECKER IG−320を用いて測定された。
◎:テープ表面が平滑性に優れる(グロス40以上)。
○:テープ表面が平滑である(グロス20以上40未満)。
○△:テープ表面がほぼ平滑である(グロス7以上20未満)。
△:テープ表面が平滑であるが、若干難が有る(グロスが部分的に3未満のところが有る。または、プレートアウト物が付着している)。
×:テープ表面が平滑でない。または、幅10mm以上のテープが得られなかった。(グロス3未満)
上記試験(1)で得られたテープの表面にアセトンをスポイトにて垂らして、10分後に布にて拭き取り、表面を観察した。
○:表面に変化がない。
△:跡が認められたが、変形はしていない。
×:膨潤して変形した。
実施例1で得られたペレットを射出成形した厚み40mm、ノッチ付きの試験片を使用して、シャルピー衝撃強度(KJ/m2)をJIS K 7111に準じて測定した。
実施例1で得られたペレットを射出成形した40mm試験片を25℃、50%RH中にて24時間調整し、JIS K 7111に準拠して曲げ弾性率(MPa)の測定を行った。
上記試験(1)で得られたテープを試験片とし、70℃、70%RH恒湿恒温槽に120時間放置して、表面のブリードの有無を目視にて確認した.
○:ブリードは認められない。
△:わずかにブリードが認められる。
×:ブリードが認められる。
Claims (17)
- (a)ホモポリエステル 25〜75重量部、および
(b)共重合ポリエステル系樹脂 75〜25重量部
の合計100重量部、ならびに
(c)200℃で10分間における揮発減量が5重量%以下の滑剤 1〜7重量部
を含む樹脂組成物。 - (d)極性基含有樹脂 1〜30重量部
をさらに含み、該極性基含有樹脂が、エチレン−酢酸ビニル共重合体;エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体;エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体;ならびにカルボキシル基、カルボニル基、酸無水物基、アミノ基、エポキシ基、ヒドロキシル基、グリシジル基およびオキサゾリル基の少なくとも1種を含有する化合物で変性されたポリオレフィンおよび芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物との共重合体またはその水添物から成る群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。 - ポリオレフィンが、ポリプロピレン、ポリエチレンおよびエチレン系共重合体から成る群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項2に記載の樹脂組成物。
- 芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物との共重合体またはその水添物が、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS)、スチレン−エチレン・ブテン−スチレン共重合体(SEBS)、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体(SIS)、スチレン−イソプレン・ブタジエン−スチレン共重合体(SIBS)、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレン共重合体(SEPS)、スチレン−エチレン・エチレン・プロピレン−スチレン共重合体(SEEPS)、スチレン−ブタジエン・ブチレン−スチレン共重合体(部分水添スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、SBBS)、およびスチレン−ブタジエンランダム共重合体の水素添加物(H−SBR)から成る群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項2に記載の樹脂組成物。
- (e)ABS(アクリルニトリル/ブタジエンゴム/スチレン共重合体)、AES(アクリルニトリル−スチレン/エチレン−プロピレンゴムグラフト共重合体)、ASA(アクリルニトリル−スチレン/アクリル酸エステルグラフト共重合体)、スチレン−アクリル共重合体、MBS(メチル(メタ)アクリレート/ブタジエンゴム/スチレン共重合体)、メタクリル酸エステル−アクリルニトリル/アクリル酸エステルゴムグラフト共重合体、メタクリル酸エステル/アクリル酸エステルゴムグラフト共重合体、熱可塑性ポリエステルエラストマー、熱可塑性ポリアミドエラストマー、熱可塑性ポリウレタンエラストマーおよび塩素化ポリエチレンから成る群から選ばれる少なくとも1種の樹脂 1〜30重量部
をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。 - 成分(d)1〜29重量部および成分(e)29〜1重量部(但し、(d)+(e)は2〜30重量部)をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
- シャルピー衝撃試験値が2.5KJ/m2以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 曲げ弾性率が2000MPa以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 押出成形用であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の樹脂組成物からなる成形体。
- (a)ホモポリエステル 25〜75重量部、および
(b)共重合ポリエステル系樹脂 75〜25重量部
の合計100重量部、ならびに
(d−1)ガラス転移温度が23℃以下であり、かつ重量平均分子量が20,000〜500,000である極性基含有樹脂 1〜30重量部
を含み、該極性基含有樹脂が、エチレン−酢酸ビニル共重合体;エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体;エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体;ならびにカルボキシル基、カルボニル基、酸無水物基、アミノ基、エポキシ基、ヒドロキシル基、グリシジル基およびオキサゾリル基の少なくとも1種を含有する化合物で変性されたポリオレフィンおよび芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物との共重合体またはその水添物から成る群から選択される少なくとも1種である樹脂組成物。 - ポリオレフィンが、ポリプロピレン、ポリエチレンおよびエチレン系共重合体から成る群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項11に記載の樹脂組成物。
- 芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物との共重合体またはその水添物が、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS)、スチレン−エチレン・ブテン−スチレン共重合体(SEBS)、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体(SIS)、スチレン−イソプレン・ブタジエン−スチレン共重合体(SIBS)、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレン共重合体(SEPS)、スチレン−エチレン・エチレン・プロピレン−スチレン共重合体(SEEPS)、スチレン−ブタジエン・ブチレン−スチレン共重合体(部分水添スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、SBBS)、およびスチレン−ブタジエンランダム共重合体の水素添加物(H−SBR)から成る群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項11に記載の樹脂組成物。
- シャルピー衝撃試験値が2.5KJ/m2以上であることを特徴とする請求項11〜13のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 曲げ弾性率が2000MPa以上であることを特徴とする請求項11〜14のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 押出成形用であることを特徴とする請求項11〜15のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 請求項11〜16のいずれか1項に記載の樹脂組成物からなる成形体。
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