JPH1060240A - 強化ポリエステル樹脂組成物およびその成形品 - Google Patents

強化ポリエステル樹脂組成物およびその成形品

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JPH1060240A
JPH1060240A JP22023296A JP22023296A JPH1060240A JP H1060240 A JPH1060240 A JP H1060240A JP 22023296 A JP22023296 A JP 22023296A JP 22023296 A JP22023296 A JP 22023296A JP H1060240 A JPH1060240 A JP H1060240A
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polyester resin
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reinforced polyester
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Application number
JP22023296A
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English (en)
Inventor
Hiromitsu Ishii
博光 石井
Motonori Hiratsuka
元紀 平塚
Kenichi Utazaki
憲一 歌崎
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、良好な機械特性を持ち、成形品の異
方性が極めて小さく、かつ軽量でそりの少ない強化ポリ
エステル樹脂組成物およびその成形品の提供。 【解決手段】(A)ポリブチレンテレフタレート100
重量部に対して、(B)スチレン系樹脂2〜95重量
部、必要に応じて(C)ポリオレフィン共重合体1〜3
0重量部、(D)繊維径2〜50μmの繊維状無機充填
剤2〜150重量部および(E)平均粒子径300〜3
000μmの板状無機物2〜150重量部からなり、
(D)成分量は(E)成分の0.25〜4倍量の範囲と
なる強化ポリエステル樹脂組成物およびその成形品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機械特性に優れ、
成形品の異方性が極めて小さく、かつ軽量でそりの少な
い強化ポリエステル樹脂組成物およびその成形品に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】ポリブチレンテレフタレート(PBT)
は、機械的性質、耐熱性および耐薬品性に優れることか
ら最近、電気・電子機器部品、自動車部品および機械・
機構部品などの用途に展開されている。さらに、これら
の用途に対する要求特性として、例えば、電子コネクタ
ーなどの分野においては、さらにコネクターをアセンブ
リーする際にピンを圧入することが多いため、良好な機
械的特性とコネクター結合時の密着性を高めるために異
方性の小さな成形品が要求されている。さらに、軽量で
そりの少ない成形品が求められていた。
【0003】特公昭58−19697号公報、特公昭6
2−29450号公報および特公昭61−59347号
公報に示されるポリエステル樹脂にガラス繊維およびガ
ラスパウダーを併用使用する方法、特公昭62−386
9号公報にはPBTにポリエーテルエステルまたはアク
リロニトリル−スチレン共重合体などにガラス繊維と特
定粒子径の無機充填剤を用いる方法、特公昭55−41
699号公報、特公昭55−41700号公報および特
公昭57−57059号公報には、ガラスフレークや無
機固体とエポキシ化合物を用いる方法、特公平4−10
28号公報、特公平5−46382号公報、特公平2−
33067号公報、特開平4−1260号公報、特開平
4−239546号公報、および特開平5−98138
号公報にはポリエステル樹脂にスチレン系樹脂、繊維状
強化剤および板状もしくは球状強化剤を併用使用する方
法などが開示されている。
【0004】しかしながら、これらのポリマや充填剤は
異方性を満足する材料は得られるものの、良好な機械的
特性とそりの少ない成形品が安定して得られる方法とし
ては十分でなかった。
【0005】また、特開昭59−189170号公報に
示されるPBTにポリカーボネート樹脂、繊維状充填剤
および板状充填剤を用いる方法は、衝撃強度と異方性に
優れるものの、PBT固有の優れた性質である耐薬品性
を低下させる問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明は、引張
強度および衝撃強度に代表される機械特性を向上させ、
得られた成形品の異方性が極めて小さく、かつ軽量で、
その優れた性能が安定して得られるそりの少ない強化ポ
リエステル樹脂組成物およびその成形品を得ることを課
題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは上記
課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達し
た。すなわち、本発明は「(A)ポリブチレンテレフタ
レートを必須含有成分とする熱可塑性ポリエステル樹脂
100重量部に対して、(B)スチレン系樹脂2〜95
重量部、(D)繊維径2〜50μmの繊維状無機充填剤
2〜150重量部および(E)板状無機物2〜150重
量部を含有し、(D)成分量が(E)成分の0.25〜
4倍量の範囲であり、(E)板状無機物平均粒子径30
0〜3000μmである強化ポリエステル樹脂組成
物。」からなるものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。本発明において「重量」とは「質量」を意
味する。
【0009】本発明の(A)成分では、熱可塑性ポリエ
ステル樹脂はポリブチレンテレフタレートまたはその共
重合体を必須成分とする。このような重合体は、テレフ
タル酸あるいはそのエステル形成性誘導体と1,4−ブ
タンジオールあるいはそのエステル形成性誘導体とを主
成分とし重縮合反応によって得られる重合体あるいは共
重合体である。これら重合体および共重合体の好ましい
例としては、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレ
ン(テレフタレート/イソフタレート)、ポリブチレン
(テレフタレート/アジペート)、ポリブチレン(テレ
フタレート/セバケート)、ポリブチレン(テレフタレ
ート/デカンジカルボキシレート)、ポリブチレン(テ
レフタレート/ナフタレート)ポリ(ブチレン/エチレ
ン)テレフタレート等が挙げられ、単独で用いても2種
以上混合して用いても良い。ポリブチレンテレフタレー
ト構造単位が重合体中に50重量%以上含有するものが
好ましく使用される。なおここで「/」は共重合してい
ることを意味する。
【0010】(A)熱可塑性ポリエステル樹脂における
その他の成分は、上記ポリブチレンテレフタレートまた
はその共重合体以外のものであり、必須成分ではない。
このような重合体としては、ジカルボン酸あるいは、そ
のエステル形成性誘導体とジオールあるいはそのエステ
ル形成性誘導体とを主成分とする重縮合反応により得ら
れる重合体ないしは共重合体である。
【0011】上記ジカルボン酸としては、テレフタル
酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、ビス(p
−カルボキシフェニル)メタン、アントラセンジカルボ
ン酸、4,4´−ジフェニルエーテルジカルボン酸、5
−ナトリウムスルホイソフタル酸などの芳香族ジカルボ
ン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカ
ンジオン酸などの脂肪族ジカルボン酸、1,3−シクロ
ヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカル
ボン酸などの脂環式ジカルボン酸およびこれらのエステ
ル形成性誘導体などが挙げられる。
【0012】また、ジオール成分としては炭素数2〜2
0の脂肪族グリコールすなわち、エチレングリコール、
プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオ
ペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,
6−ヘキサンジオール、デカメチレングリコール、シク
ロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオールな
ど、あるいは分子量400〜6000の長鎖グリコー
ル、すなわちポリエチレングリコール、ポリ−1,3−
プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール
などおよびこれらのエステル形成性誘導体などが挙げら
れる。これらの重合体ないしは共重合体の例としては、
ポリブチレン(テレフタレート/イソフタレート)、ポ
リブチレン(テレフタレート/イソフタレート)、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリエチレン(テレフタレー
ト/イソフタレート)、ポリエチレン(テレフタレート
/アジペート)、ビスフェノールA(テレフタレート/
イソフタレート)、ポリブチレン(テレフタレート/ナ
フタレ−ト)、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロ
ヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサ
ンジメチレン(テレフタレート/イソフタレート)、ポ
リ(シクロヘキサンジメチレン/エチレン)テレフタレ
ート、ポリ(シクロヘキサンジメチレン/エチレン)
(テレフタレート/イソフタレート)などが挙げられ
る。
【0013】これらの中で、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポ
リ(シクロヘキサンジメチレン/エチレン)テレフタレ
ートが好ましく用いられる。
【0014】また、上記の熱可塑性ポリエステル樹脂の
メルトフローレイト(MFR)は、示差熱量計で求めら
れる結晶融点プラス20℃の測定条件において測定され
たメルトフローレイト(MFR)が1〜100、とくに
2〜80の範囲にあるものが機械的特性、成形性の点か
ら好適である。MFRが1未満では成形時の流動性を低
下させる傾向がある。また、MFRが80越えると衝撃
強度が低下する傾向がある。また、(A)熱可塑性ポリ
エステル樹脂におけるポリブチレンテレフタレートまた
はその共重合体の含有量の和は、50〜100重量%、
さらに50〜99重量%、さらに60〜99重量%が好
ましい。配合量が少ないとポリブチレンテレフタレート
固有の耐熱性、耐薬品性を損なう傾向がある。
【0015】また、これら重合体および共重合体は、O
−クロロフェノール溶液を25℃で測定したときの固有
粘度が0.36〜1.60、特に0.52〜1.25の
範囲にあるものが好適である。固有粘度が0.36未満
では機械的特性が不良であり、固有粘度が1.60を越
えると成形性が不良になりいずれも好ましくない。
【0016】さらにこれらの熱可塑性ポリエステルは、
m−クレゾール溶液をアルカリ溶液で電位差滴定して求
めたCOOH末端基量が1〜50eq/t(ポリマ1ト
ン当りの末端基量)の範囲にあるものが耐久性、異方性
抑制効果の点から好ましく使用できる。
【0017】本発明で用いられる(B)スチレン系樹脂
とは、スチレン構造単位、すなわち芳香族ビニル単位を
含有する重合体であれば任意である。
【0018】例えば、(イ)ポリブタジエン、ブタジエ
ン/スチレン共重合体、ブタジエン/アクリロニトリル
共重合体などの共役ジエン系ゴムニスチレン、α−メチ
ルスチレンジメチルスチレン、ビニルトルエンなどの芳
香族ビニルおよびアクリロニトリル、メタクリロニトリ
ルなどのシアン化ビニル、必要に応じてメチルアクリレ
ート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、メチ
ルメタクリレート、エチルメタクリレートおよびブチル
メタクリレートなどの他の重合性単量体をグラフト重合
して得られるABS樹脂、(ロ)上記に例示した芳香族
ビニルとシアン化ビニルの共重合によるAS樹脂、
(ハ)上記に例示した共役ジエン系ゴムと芳香族ビニル
の共重合によるHI(ハイインパクト)−ポリスチレン
樹脂、(ニ)上記に例示した芳香族ビニルからなるポリ
スチレン樹脂、(ホ)上記の芳香族ビニルとジエンとの
ブロック共重合体である。
【0019】上記(ホ)ブロック共重合体としては、そ
の構成単位がジエンが水添されていても未水添であって
もよい。このようなジエンとは、1,3−ブタジエン、
イソプレン(2−メチル−1,3−ブタジエン)、2,
3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ブタジエ
ンおよび1,3−ペンタジエンなどの1種または2種以
上の水添または未水添共役ジエンであり、未水添のもの
としては1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましく使
用でき、ブロック共重合体の具体例としては、水添また
は未水添SBS樹脂(スチレン/ブタジエン/スチレン
トリブロック共重合体)および水添または未水添SIS
樹脂(スチレン/イソプレン/スチレントリブロック共
重合体)などが挙げられ、水添スチレン/ブタジエン/
スチレントリブロック共重合体(SEBS樹脂)が好ま
しく用いられ、それらの量はそれぞれスチレン系樹脂
(B)に対して50重量%以上、さらに70重量%以上
の範囲が好ましく使用される。。
【0020】上記のスチレン系樹脂(B)の配合量は、
(A)熱可塑性ポリエステル樹脂100重量部に対し
て、2〜95重量部、さらに5〜95重量部が好まし
く、2重量部未満では、本発明の効果がなく、95重量
部を越すとポリブチレンフタレートの固有の耐熱性およ
び耐薬品性などの性能を損なう傾向がある。
【0021】本発明の組成物では、必須成分ではない
が、(C)ポリオレフィン系重合体を配合することがで
きる。ポリオレフィン系重合体としては、エチレンなら
びにプロピレン、1−ブテンなどのα−オレフィンの
(共)重合体が通常使用される。さらに、エポキシ基、
酸、エステルなどの官能基をもつものが好ましく用いら
れる。このような重合体としては、(ヘ)αーオレフィ
ンとエポキシ基含有不飽和単量体とからなるエポキシ基
含有共重合体、(ト)エチレンと炭素数3以上のαーオ
レフィンおよび/またはビニル系単量体からなるエチレ
ン共重合体のブロック共重合体などをが挙げられ、高圧
ラジカル重合法、溶液重合法、乳化重合法などの公知の
方法で製造することができる。上記(ヘ)エポキシ基含
有共重合体のα−オレフィンとしては、エチレン、プロ
ピレン、ブテン−1などであり、エポキシ基含有不飽和
単量体の具体例としては、アクリル酸グリシジル、メタ
クリル酸グリシジル、エタクリル酸グリシジル、イタコ
ン酸グリシジルなどであり、さらに、ビニルエーテル
類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステ
ル類、メチル、エチル、プロピル、ブチルなどのアクリ
ル酸およびメタクリル酸エステル類などを共重合したグ
リシジルエ−テル類およびグリシジルエステル類が挙げ
られ、具体例としては、エチレン/メタクリル酸グリシ
ジル共重合体、エチレン/酢酸ビニル/メタクリル酸グ
リシジル共重合体、エチレン/メタクリル酸メチル/メ
タクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/アクリル酸
グリシジル共重合体、エチレン/酢酸ビニル/アクリル
酸グリシジル共重合体、エチレン/グリシジルエーテル
共重合体などが挙げられる。なかでもエチレン/メタク
リル酸グリシジル共重合体が最も好ましい。
【0022】上記(ト)エチレンと炭素数3以上のα−
オレフィンおよび/またはビニル系単量体を共重合して
なるエチレン系共重合体における炭素数3以上のα−オ
レフィンとは、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−
1、3−メチルペンテン−1、オクタセン−1などが挙
げられ、ビニル系モノマーとしては、メチル、エチル、
プロピル、ブチルなどのアクリル酸またはメタクリル酸
エステルなどが挙げられる。具体例としては、エチレン
/プロピレン共重合体、エチレン/ブテン−1共重合
体、エチレン/ペンテン−1共重合体、エチレン/プロ
ピレン/ブテン−1共重合体、エチレン/プロピレン/
ジシクロペンタジエン共重合体、エチレン/プロピレン
/5−エチリデン−2−ノルボーネン共重合体、エチレ
ン/プロピレン/ジシクロペンタジエン共重合体、エチ
レン/アクリル酸メチル共重合体、エチレン/アクリル
酸エチル共重合体などが挙げられ、なかでもエチレン/
プロピレン共重合体、エチレン/ブテン−1共重合体、
エチレン/メタクリル酸メチル共重合体およびエチレン
/アクリル酸エチル共重合体が好ましく使用でき、1種
以上併用して用いても良い。さらに、エポキシ化合物、
酸無水物、イミドなどをグラフト反応して得た変性共重
合体が挙げられる。
【0023】上記のポリオレフィン共重合体はポリブチ
レンテレフタレートとスチレン系樹脂の相溶性の改善お
よび衝撃強度をさらに向上させるため配合でき、その配
合は必須ではないが、配合する場合には、(A)100
重量部に対して、1〜30重量部、さらに5〜25重量
部が好ましい。量が多いとPBT固有の耐熱性を損なう
ため好ましくない。
【0024】本発明で(D)繊維径が2〜50μmの繊
維状無機充填剤が配合される。繊維状無機充填剤として
は、一般に樹脂の強化用に用いられるものなら特に限定
はないが、ガラス繊維、炭素繊維および金属繊維が例示
され、なかでもガラス繊維が好ましく用いられる。繊維
状無機充填剤におけるガラス繊維の割合は、50重量%
以上、さらに80重量%以上、さらに90重量%以上の
範囲が好ましい。上記のガラス繊維としては、例えば長
繊維タイプや短繊維タイプのチョップドストランドなど
を用いることができる。また、ガラス繊維は熱可塑性樹
脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂で被覆または集束
されていてもよい。繊維状無機充填剤の大きさは、一般
に樹脂の強化用に用いるものなら特に限定はないが、繊
維径が2〜50μmのものが好ましく使用でき、通常ア
ミノシランやエポキシシランで表面処理したものがより
効果を発現する。また、繊維径が2〜50μmの繊維状
無機充填剤の配合量は、(A)熱可塑性ポリエステル1
00重量部に対して、2〜150重量部、さらに、さら
に3〜100重量部,またさらに5〜80重量部重量部
が好ましい。少ないと機械特性の改良効果が十分発現し
にくく、多いと成形性を損なう傾向がある。
【0025】本発明では、(E)板状無機充填剤が配合
される。その平均粒径は300〜3000μmである。
ここでいう平均粒径とは、粒度分布で測定される重量平
均粒子径を意味する、板状無機充填剤としては、一般に
樹脂の強化用に用いるものなら特に限定はないが、ガラ
スフレーク、雲母、金属箔が好ましく使用され、なかで
もガラスフレークが好ましく用いられる。上記のガラス
フレークとは、一般に樹脂の強化用に用いるものなら特
に限定はなく、熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬
化性樹脂で被覆または集束されていてもよく、アミノシ
ランやエポキシシランで表面処理したものも好ましく使
用される。板状無機充填剤におけるガラスフレークの配
合量としては50重量%以上、さらに80重量%以上、
さらに90重量%以上の範囲が好ましい。また、(E)
板状無機充填剤の配合量は、(A)熱可塑性ポリエステ
ル100重量部に対して、2〜150重量部、さらに3
〜100重量部,またさらに5〜90重量部が好まし
い。2重量部未満では、機械特性の改良効果が十分発現
せず、100重量部を越すと成形性を損なう傾向があ
る。
【0026】本発明では、前に具体的に例示した無機充
填剤の他に、(D)繊維状無機充填剤、(E)板状無機
充填剤またはその他の充填剤として、セラミックスファ
イバー、セラミックビーズ、アスベスト、ワラステナイ
ト、タルク、クレー、マイカ、セリサイト、ゼオライ
ト、ベントナイト、ドロマイト、カオリン、微粉ケイ
酸、長石粉、チタン酸カリウム、シラスバルーン、炭酸
カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、酸化カ
ルシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、ケイ酸アル
ミニウム、酸化ケイ素、石膏、ノバキュライト、ドーソ
ナイトおよび白土なども配合できる。
【0027】本発明の上記の(D)繊維径が2〜50μ
mの繊維状無機充填剤と(E)の板状無機充填剤の併用
比率は、(D)成分量に対して、(E)成分量が0.2
5〜4倍量、さらにはは0.3〜3.5倍料の範囲で使
用することにより機能はより向上する。0.25倍量未
満の時は、強化ポリエステル組成物の異方性が大きく好
ましくない、また、4倍量を越すと機械特性の改良効果
が十分発現しないため好ましくない。
【0028】本発明の樹脂組成物では、公知の難燃化
剤、難燃助剤を含有することができる。本発明の組成物
に対して、本発明の目的を損なわない範囲で、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、核剤、滑剤、離形剤、染
料および顔料を含む着色剤、核化剤、先に示したもの以
外の熱可塑性樹脂(例えばアクリル樹脂、ポリアミド、
ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルエーテ
ルケトン樹脂、液晶ポリエステル樹脂、ポリアセター
ル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイドなど)お
よび熱硬化性樹脂(例えばフェノール樹脂、メラミン樹
脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂
など)などの少なくとも1種以上をさらに含有すること
ができる。
【0029】本発明組成物の製造方法は、特に限定され
るものではないが、例えば熱可塑性ポリエステル、スチ
レン系樹脂、必要に応じてポリオレフィン系重合体、必
要に応じて熱可塑性樹脂および必要に応じてその他の添
加剤を予めブレンドした後、熱可塑性ポリエステルの融
点以上において、ニーデングブロックを1ゾーン以上有
する2軸押出機のホッパーに供給し、サイドフィーダか
ら本発明の繊維状無機充填剤と板状無機充填剤を押出機
に供給して均一に溶融混練する方法、全配合組成物を予
めブレンドした後、熱可塑性ポリエステルの融点以上の
温度で、スクリュ形状は特に限定されないが、例えばダ
ルメージスクリュを挿入した単軸押出機のホッパーに供
給して均一に溶融混練する方法などが好ましく用いられ
る。
【0030】得られた強化ポリエステル樹脂組成物は、
通常公知の射出成形、押出成形などの任意の方法で成形
できる。
【0031】本発明の組成物から得られた成形品は、良
好な機械特性を持ち、特に射出成形して得られた成形品
は異方性が極めて小さく、かつ軽量でそりの不良率の少
ない成形品が安定して得られる成形材料として電気・電
子コネクター部品、自動車部品、機械部品などの精密機
器部品などの用途に使用することができる。
【0032】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳述す
る。なお、実施例中の部数は、全て重量基準である。実
施例に使用した配合組成物の内容を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】<強化ポリエステル樹脂組成物の製造方法
>日本製鋼所製TEX44・2軸押出機の元込め部とサ
イドフィーダの間にニーディングブロックを2ゾーン、
サイドフィーダと吐出口であるダイスの間にニーディン
グブロックを1ゾーンを組み込み、加工温度を260℃
に設定後、元込め部のホッパーに固有粘度0.92のポ
リブチレンテレフタレート、熱可塑性ポリエステル樹
脂、ABS樹脂および必要に応じてエチレン/アクリル
酸エチル共重合体などのポリオレフィン共重合体を配合
したブレンド物を供給し、サイドフィーダからガラス繊
維とガラスフレーク供給して溶融混練を行い、ダイスか
ら吐出されたストランドを冷却バスを通し、ストランド
カッターでペレット化した。
【0035】<強化ポリエステル樹脂組成物の成形品の
評価方法>上記の2軸押出機で得られたペレットを用い
て、加工温度250℃、金型温度80℃、成形サイクル
(射出時間/冷却時間/中間時間)8/10/5秒で1
/8”厚みの引張試験片とアイゾット試験片とを射出成
形し、ASTM D638に従い引張試験、ASTM
D265に従いアイゾット衝撃試験を行ない、機械特性
の評価を行った。
【0036】また、別にペレットから、厚さ1mm、縦
80mm×横80mm角板をフィルムゲート金型で射出
成形し、万能投影機により、流れ方向と流れと直角方向
の成形収縮率を測定し、流れ方向と流れと直角方向の成
形収縮率の差が大きい材料ほど異方性が大きいと判断さ
れる。
【0037】また、上記の厚さ1mm、縦80mm、横
80mm角板を幅80mm、高さ1.35mmの空間を
持つ長さ50mmの金属製の治具を通過させ、治具を通
過しないものは不良品として取り扱い、上記の角板50
個を通過させ、不良率を算出した。なお、本試験は、角
板のそりの判定に有用な試験であり、そりの少ない角板
は上記の治具を通過する。
【0038】<実施例1〜14、比較例1〜9>上記の
強化ポリエステル樹脂組成物の製造方法に従い、表2〜
4に示す配合組成の実施例1〜14、比較例1〜9の強
化ポリエステル樹脂組成物を得た。また、強化ポリエス
テル樹脂組成物の成形品の評価方法に従い、実施例1〜
14、比較例1〜8の強化ポリエステル樹脂組成物の成
形品の評価を行い、得られた評価結果を配合組成と同じ
く表2〜4に示す。
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【0042】表2〜4の実施例と比較例の結果から、本
発明のポリブチレンテレフタレートにスチレン系樹脂、
必要に応じてポリオレフィン共重合体、繊維径2〜50
μmの繊維状無機充填剤および平均径300〜3000
μmである板状無機充填剤からなる強化ポリエステル樹
脂組成物からの成形品は、比較例に比べ良好な機械特性
を持ち、異方性が極めて小さく、かつ軽量で不良率の少
ない成形品が安定して得られることがわかる。
【0043】
【発明の効果】本発明の強化ポリエステル樹脂組成物
は、良好な機械特性と成形品の異方性が極めて小さく、
かつ軽量で、そりが少ないことから、寸法精度の厳しい
コネクターなどの電気・電子部品および精密成形部品の
用途に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 3/08 C08K 3/08 3/34 3/34 3/40 KJS 3/40 KJS 7/04 KKF 7/04 KKF 7/06 7/06 7/14 7/14 //(C08L 67/02 25:04 23:00) (C08L 67/02 55:02 23:00) (C08L 67/02 53:02 23:00) B29K 67:00

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ポリブチレンテレフタレートを必須
    含有成分とする熱可塑性ポリエステル樹脂100重量部
    に対して、(B)スチレン系樹脂2〜95重量部、
    (D)繊維径2〜50μmの繊維状無機充填剤2〜15
    0重量部および(E)板状無機物2〜150重量部を含
    有し、(D)成分量が(E)成分の0.25〜4倍量の
    範囲であり、(E)板状無機物平均粒子径300〜30
    00μmである強化ポリエステル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】(D)繊維状無機充填剤がガラス繊維、炭
    素繊維および金属繊維から選ばれる1種以上を必須成分
    とする請求項1記載の強化ポリエステル樹脂組成物。
  3. 【請求項3】(E)板状無機物がガラスフレーク、雲母
    および金属箔から選ばれる1種以上を必須成分とする請
    求項1または2記載の強化ポリエステル樹脂組成物。
  4. 【請求項4】さらに、(C)ポリオレフィン系重合体1
    〜30重量部を含有する請求項1〜3いずれかに記載の
    強化ポリエステル樹脂組成物。
  5. 【請求項5】(A)熱可塑性ポリエステル樹脂における
    ポリブチレンテレフタレートの含有量が50〜99重量
    %である請求項1〜4いずれかに記載の強化ポリエステ
    ル樹脂組成物およびその成形品。
  6. 【請求項6】(B)スチレン系樹脂がABS樹脂または
    AS樹脂を必須成分とすることを特徴とする請求項1〜
    5いずれかに記載の強化ポリエステル樹脂組成物。
  7. 【請求項7】(B)スチレン系樹脂がHI−ポリスチレ
    ンまたはポリスチレン樹脂を必須成分とする請求項1〜
    5いずれかに記載の強化ポリエステル樹脂組成物。
  8. 【請求項8】(B)スチレン系樹脂がスチレン/ジエン
    ブロック共重合体を必須成分とするものであることを特
    徴とする請求項1〜5いずれかに記載の強化ポリエステ
    ル樹脂組成物。
  9. 【請求項9】(A)成分がポリシクロヘキサンジメチレ
    ンテレフタレートまたはその共重合体を必須成分とする
    請求項1〜8いずれかに記載の強化ポリエステル樹脂組
    成物。
  10. 【請求項10】(A)成分がポリエチレンテレフタレー
    トまたはその共重合体を必須成分とする請求項1〜8い
    ずれかに記載の強化ポリエステル樹脂組成物。
  11. 【請求項11】請求項1〜11いずれかの強化ポリエス
    テル樹脂組成物を射出成形してなる成形品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005200509A (ja) * 2004-01-14 2005-07-28 Riken Technos Corp 樹脂組成物
JP2007062118A (ja) * 2005-08-30 2007-03-15 Techno Polymer Co Ltd 複合体の製造方法
WO2008001790A1 (en) 2006-06-30 2008-01-03 Toray Industries, Inc. Thermoplastic resin composition and molded article thereof

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