JPH09241489A - 強化ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

強化ポリエステル樹脂組成物

Info

Publication number
JPH09241489A
JPH09241489A JP4769696A JP4769696A JPH09241489A JP H09241489 A JPH09241489 A JP H09241489A JP 4769696 A JP4769696 A JP 4769696A JP 4769696 A JP4769696 A JP 4769696A JP H09241489 A JPH09241489 A JP H09241489A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyester resin
resin composition
weight
reinforced polyester
composition according
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4769696A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiromitsu Ishii
博光 石井
Motonori Hiratsuka
元紀 平塚
Kenichi Utazaki
憲一 歌崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP4769696A priority Critical patent/JPH09241489A/ja
Publication of JPH09241489A publication Critical patent/JPH09241489A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】機械特性が良好でかつ成形品の異方性が極めて
小さく、機械特性に優れ、不良率の少ない強化ポリエス
テル樹脂組成物を得ること。 【解決手段】(A)ポリブチレンテレフタレート100
重量部に対して、(B)軟化温度が50℃以下のポリオ
レフィン共重合体2〜30重量部、(C)平均繊維径2
〜50μmの繊維状無機充填剤2〜100重量部および
(D)平均粒子径300〜3000μmの板状無機物2
〜100重量部からなり、(C)成分量は(D)成分の
0.25〜4倍量の範囲となる強化ポリエステル樹脂組
成物およびその成形品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機械特性が良好で
かつ成形品の異方性が極めて小さく、その優れた性能が
安定して得られる強化ポリエステル樹脂組成物および不
良率の少ない成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリブチレンテレフタレート(PBT)
は機械的性質、耐熱性および耐薬品性に優れることから
最近、電気・電子機器部品、自動車部品および機械・機
構部品などの用途に展開されている。さらに、これらの
用途に対する要求特性として、例えば、電子コネクター
などの分野においては、さらにコネクターをアセンブリ
ーする際にピンを圧入することが多いため、良好な機械
的特性とコネクター結合時に密着性を高めるために異方
性の小さな成形品が要求されている。また、不良率の少
ない成形品が求められていた。
【0003】特公昭62−29450号公報および特公
昭61−59347号公報に示されるポリエステル樹脂
にガラス繊維およびガラスパウダーを併用使用する方
法、特公昭62−3869号公報に示されるPBTにポ
リエーテルエステルまたはアクリロニトリル−スチレン
共重合体などにガラス繊維と特定粒子径の無機充填剤を
用いる方法、特公昭55−41699や特公昭55−4
1700号公報に示されるガラスフレークや無機固体と
エポキシ化合物を用いる方法などが開示されている。
【0004】しかしながら、これらのポリマや充填剤は
異方性を満足する材料は得られるものの、良好な機械的
特性と不良率の少ない成形品が安定して得られる方法と
しては十分でなかった。
【0005】また、特開昭59−189170号公報に
示されるPBTにポリカーボネート樹脂、繊維状充填剤
および板状充填剤を用いる方法は、衝撃強度と異方性に
優れるものの、PBT固有の優れた性質である耐薬品性
を低下させる問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明は、機械
特性が良好でかつ成形品の異方性が極めて小さく、その
優れた性能が安定して得られる強化ポリエステル樹脂組
成物であって、不良率の少ない成形品を得ることを課題
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは上記
課題を解決すべく鋭意検討した結果、ポリブチレンテレ
フタレートにポリオレフィン系重合体、平均繊維径2〜
50μmの繊維状無機充填剤、平均粒子径300〜30
00μmの板状無機物からなり、平均繊維径2〜50μ
mの繊維状無機充填剤と平均粒子径300〜3000μ
mの板状無機物の成分量は0.25〜4倍量の範囲の特
定量を配合せしめることによって、良好な機械特性と異
方性が極めて小さい不良率の少ない成形品が安定して得
られることを見い出し、本発明に到達した。
【0008】すなわち本発明は、(A)ポリブチレンテ
レフタレートを必須成分とする熱可塑性ポリエステル1
00重量部(B)ポリオレフィン系重合体2〜30重量
部(C)平均繊維径2〜50μmの繊維状無機充填剤2
〜100重量部(D)平均粒子径300〜3000μm
の板状無機物2〜100重量部((C)成分量は(D)
成分の0.25〜4倍量)を配合してなる強化ポリエス
テル樹脂組成物およびその成形品を提供するものであ
る。
【0009】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。本
発明において「重量」とは「質量」を意味する。
【0010】本発明の熱可塑性ポリエステル(A)に必
須成分として配合されるポリブチレンテレフタレートと
は、テレフタル酸あるいはそのエステル形成性誘導体と
1,4−ブタンジオールあるいはそのエステル形成性誘
導体とを主成分とし重縮合反応によって得られる重合体
あるいは共重合体である。これら重合体および共重合体
の好ましい例としては、ポリブチレンテレフタレート、
ポリブチレン(テレフタレート/イソフタレート)、ポ
リブチレン(テレフタレート/アジペート)、ポリブチ
レン(テレフタレート/セバケート)、ポリブチレン
(テレフタレート/デカンジカルボキシレート)、ポリ
ブチレン(テレフタレート/ナフタレート)ポリ(ブチ
レン/エチレン)テレフタレート等が挙げられ、単独で
用いても2種以上混合して用いても良い。
【0011】またこれら重合体および共重合体は、O−
クロロフェノール溶液を25℃で測定したときの固有粘
度が0.36〜1.60、特に0.52〜1.25の範
囲にあるものが好適である。固有粘度が0.36未満で
は機械的特性が不良であり、固有粘度が1.60を越え
ると成形性が不良になりいずれも好ましくない。
【0012】さらにこれらポリブチレンテレフタレート
重合体または共重合体は、m−クレゾール溶液をアルカ
リ溶液で電位差滴定して求めたCOOH末端基量が1〜
50eq/t(ポリマ1トン当りの末端基量)の範囲に
あるものが耐久性、異方性抑制効果の点から好ましく使
用できる。COOH末端基量が1未満では異方性抑制効
果が充分でなく、またCOOH末端基量が50を越える
と耐久性が不良になりいずれも好ましくない。またポリ
ブチレンテレフタレートの配合量は、熱可塑性ポリエス
テルに対して50%以上、60%以上であることが好ま
しい。
【0013】本発明の熱可塑性ポリエステルで必須成分
とされるポリブチレンテレフタレート以外に熱可塑性ポ
リエステル樹脂A´が配合できる。このような熱可塑性
ポリエステルとは、通常はジカルボン酸あるいは、その
エステル形成性誘導体とジオールあるいはそのエステル
形成性誘導体とを主成分とする重縮合反応により得られ
る重合体ないしは共重合体である。
【0014】上記ジカルボン酸としてはテレフタル酸、
イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、ビス(p−カ
ルボキシフェニル)メタン、アントラセンジカルボン
酸、4,4´−ジフェニルエーテルジカルボン酸、5−
ナトリウムスルホイソフタル酸などの芳香族ジカルボン
酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカン
ジオン酸などの脂肪族ジカルボン酸、1,3−シクロヘ
キサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボ
ン酸などの脂環式ジカルボン酸およびこれらのエステル
形成性誘導体などが挙げられる。
【0015】また、ジオール成分としては炭素数2〜2
0の脂肪族グリコールすなわち、エチレングリコール、
プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオ
ペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,
6−ヘキサンジオール、デカメチレングリコール、シク
ロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオールな
ど、あるいは分子量400〜6000の長鎖グリコー
ル、すなわちポリエチレングリコール、ポリ−1,3−
プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール
などおよびこれらのエステル形成性誘導体などが挙げら
れる。これらの重合体ないしは共重合体の例としては、
ポリブチレン(テレフタレート/イソフタレート)、ポ
リブチレン(テレフタレート/イソフタレート)、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリエチレン(テレフタレー
ト/イソフタレート)、ポリエチレン(テレフタレート
/アジペート)、ビスフェノールA(テレフタレート/
イソフタレート)、ポリブチレン(テレフタレート/ナ
フタレ−ト)、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロ
ヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサ
ンジメチレン(テレフタレート/イソフタレート)、ポ
リ(シクロヘキサンジメチレン/エチレン)テレフタレ
ート、ポリ(シクロヘキサンジメチレン/エチレン)
(テレフタレート/イソフタレート)などが挙げられ
る。
【0016】また、ポリエーテル成分あるいは脂肪族ポ
リエステル成分をさらに共重合した共重合体が挙げられ
る。例えば、ポリブチレンテレフタレート・ポリ(テト
ラメチレンオキシド)グリコールブロック共重合体、ポ
リブチレンテレフタレート/イソフタレート・ポリ(テ
トラメチレンオキシド)グリコールブロック共重合体、
ポリブチレンテレフタレート・ポリ(プロピレンオキシ
ド/エチレンオキシド)グリコールブロック共重合体、
ポリブチレンテレフタレート/イソフタレート・ポリ
(プロピレンオキシド/エチレンオキシド)グリコール
ブロック共重合体、ポリブチレンテレフタレート・ポリ
ブチレンアジペートブロック共重合体、ポリブチレンテ
レフタレート・ポリ−ε−カプロラクトンブロック共重
合体などが挙げられる。
【0017】これらの中で、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポ
リ(シクロヘキサンジメチレン/エチレン)テレフタレ
ート、ポリブチレンテレフタレート・ポリ(テトラメチ
レンオキシド)グリコールのポリエーテルエステル共重
合体およびポリブチレンテレフタレート/イソフタレー
ト・ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコールのポリ
エーテルエステル共重合体が好ましく用いられる。ま
た、上記の熱可塑性ポリエステル樹脂のメルトフローレ
イト(MFR)は、示差熱量計で求められる結晶融点プ
ラス20℃の測定条件において測定されたメルトフロー
レイト(MFR)が1〜100、とくに2〜80の範囲
にあるものが機械的特性、成形性の点から好適である。
MFRが1未満では成形時の流動性を低下させるため、
好ましくない。また、MFRが80越えると衝撃強度が
低下するため好ましくない。また、(A)熱可塑性ポリ
エステルに含有できる熱可塑性ポリエステル樹脂A´の
配合量は、(A)熱可塑性ポリエステルに対して、1〜
50重量%、好ましくは1〜40重量%であり、50重
量%を越えるとPBT固有の耐熱性、耐薬品性を損なう
傾向がある。
【0018】本発明では(B)ポリオレフィン系重合体
が配合される。このようなものとしては、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン例示されるが、その他に軟化温度が
50℃以下のポリオレフィン共重合体が好ましく使用さ
れる。このような共重合体としてはJISK6730で
測定されるビカット軟化温度が50℃以下のポリオレフ
ィン共重合体であり、(i)αーオレフィンとエポキシ
基含有不飽和単量体とからなるエポキシ基含有共重合
体、(ii)エチレンと炭素数3以上のαーオレフィン
および/またはビニル系単量体からなるエチレン共重合
体、(iii)水添または未水添の共役ジエンと芳香族
ビニルのブロック共重合体などをが挙げられ、高圧ラジ
カル重合法、溶液重合法、乳化重合法などの公知の方法
で製造することができる。また、軟化温度が50℃以下
のポリオレフィン共重合体を得る方法としては、上記の
(i)エポキシ基含有不飽和単量体、(ii)炭素数3
以上のαーオレフィンおよび/またはビニル系単量体お
よび(iii)水添または未水添の共役ジエンと芳香族
ビニルの共重合成分量を多くするなどの方法で達成でき
る。 上記(i)エポキシ基含有共重合体のα−オレフ
ィンとしては、エチレン、プロピレン、ブテン−1など
であり、エポキシ基含有不飽和単量体の具体例として
は、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、
エタクリル酸グリシジル、イタコン酸グリシジルなどで
あり、さらに、ビニルエーテル類、酢酸ビニル、プロピ
オン酸ビニル等のビニルエステル類、メチル、エチル、
プロピル、ブチルなどのアクリル酸およびメタクリル酸
エステル類などを共重合したグリシジルエ−テル類およ
びグリシジルエステル類が挙げられる。
【0019】エポキシ基含有共重合体の好ましい例とし
ては、エチレン/メタクリル酸グリシジル共重合体、エ
チレン/酢酸ビニル/メタクリル酸グリシジル共重合
体、エチレン/メタクリル酸メチル/メタクリル酸グリ
シジル共重合体、エチレン/アクリル酸グリシジル共重
合体、エチレン/酢酸ビニル/アクリル酸グリシジル共
重合体、エチレン/グリシジルエーテル共重合体などが
挙げられ、なかでもエチレン/メタクリル酸グリシジル
共重合体が最も好ましく、エチレン/メタクリル酸グリ
シジル共重合体中のメタクリル酸グリシジル共重合成分
が約20重量%以上であるとき軟化温度は50℃以下と
なる。
【0020】上記(ii)エチレンと炭素数3以上のα
−オレフィンおよび/またはビニル系単量体を共重合し
てなるエチレン系共重合体における炭素数3以上のα−
オレフィンとは、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−
1、3−メチルペンテン−1、オクタセン−1などが挙
げられ、ビニル系モノマーとしては、メチル、エチル、
プロピル、ブチルなどのアクリル酸またはメタクリル酸
エステルなどが挙げられる。具体例としてはエチレン/
プロピレン共重合体、エチレン/ブテン−1共重合体、
エチレン/ペンテン−1共重合体、エチレン/プロピレ
ン/ブテン−1共重合体、エチレン/プロピレン/ジシ
クロペンタジエン共重合体、エチレン/プロピレン/5
−エチリデン−2−ノルボーネン共重合体、エチレン/
プロピレン/ジシクロペンタジエン共重合体、エチレン
/アクリル酸メチル共重合体、エチレン/アクリル酸エ
チル共重合体などが挙げられ、なかでもエチレン/プロ
ピレン共重合体、エチレン/ブテン−1共重合体、エチ
レン/メタクリル酸メチル共重合体およびエチレン/ア
クリル酸エチル共重合体が好ましく使用でき、1種以上
併用して用いても良い。さらに、エポキシ化合物、酸無
水物、イミドなどをグラフト反応して得た変性共重合体
が挙げられる。また、軟化温度は50℃以下にする具体
例として、例えばエチレン/アクリル酸エチル共重合体
の場合、アクリル酸エチル共重合成分が約20重量%以
上であるとき軟化温度は50℃以下となる。
【0021】上記(iii)水添または未水添の共役ジ
エンと芳香族ビニルのブロック共重合体の水添または未
水添の共役ジエンとは、1,3−ブタジエン、イソプレ
ン(2−メチル−1,3−ブタジエン)、2,3−ジメ
チル−1,3−ブタジエン、1,3−ブタジエンおよび
1,3−ペンタジエンなどの1種または2種以上の水添
または未水添共役ジエンであり、1,3−ブタジエン、
イソプレンが好ましく使用できる。また、芳香族ビニル
とは、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチ
レン、p−メチルスチレン、1,3−ジメチルスチレ
ン、ビニルナフタレン等の1種または2種以上であり、
スチレン、α−メチルスチレンが好ましく使用できる。
水添または未水添の共役ジエンと芳香族ビニルのブロッ
ク共重合体の具体例としては、水添または未水添スチレ
ン/ブタジエン/スチレントリブロック共重合体および
水添または未水添スチレン/イソプレン/スチレントリ
ブロック共重合体などが挙げられ、水添スチレン/ブタ
ジエン/スチレントリブロック共重合体が好ましく用い
られ、共役ジエンの共重合成分が約25重量%以上であ
るとき軟化温度は50℃以下となる。さらに、エポキシ
化合物、酸無水物、イミドなどをグラフト反応して得た
変性共重合体および可塑剤を含有する共重合体が挙げら
れる。
【0022】上記の軟化温度が50℃以下のポリオレフ
ィン共重合体の配合量は、(A)100重量部に対し
て、2〜30重量部が好ましく、2重量部未満では、本
発明の効果が少なく、また、30重量部を越すとPBT
固有の耐熱性を損なう傾向がある。
【0023】本発明では(C)平均繊維径が2〜50μ
mの繊維状無機充填剤が配合される、このようなものと
しては、ガラス繊維、炭素繊維および金属繊維などが例
示される。一般に樹脂の強化用に用いられるものなら特
に限定はないが、ガラス繊維が好ましく用いられ、例え
ば長繊維タイプや短繊維タイプのチョップドストランド
などから選択して用いることができる。また、ガラス繊
維はエチレン/酢酸ビニル共重合体などの熱可塑性樹
脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂で被覆または集束
されていてもよい。ガラス繊維の種類は、一般に樹脂の
強化用に用いるものなら特に限定はないが、平均繊維径
が2〜50μmのものが好ましく使用でき、通常アミノ
シランやエポキシシランで表面処理したものがより効果
を発現する。また、平均繊維径が2〜50μmの繊維状
無機充填剤の配合量は、(A)ポリブチレンテレフタレ
ート100重量部に対して、2〜100重量部が好まし
い。2重量部未満では、機械特性の改良効果が十分発現
しないため好ましくなく、100重量部を越すと成形性
を損なうため好ましくない。
【0024】本発明で(D)平均粒径が300〜300
0μm板状無機充填剤が配合される例えばガラスフレー
ク、雲母および金属箔が例示される。一般に樹脂の強化
用に用いるものなら特に限定はないが、ガラスフレーク
が好ましく用いられる。上記のガラスフレークとは、一
般に樹脂の強化用に用いるものなら特に限定はなく、エ
チレン/酢酸ビニル共重合体などの熱可塑性樹脂、エポ
キシ樹脂などの熱硬化性樹脂で被覆または集束されてい
てもよく、平均粒径が300〜3000μmにものが好
ましく使用でき、通常アミノシランやエポキシシランで
表面処理したものがより効果を発現する。また、平均粒
径300〜3000μmの板状無機充填剤の配合量は、
(A)ポリブチレンテレフタレート100重量部に対し
て、2〜100重量部が好ましい。2重量部未満では、
機械特性の改良効果が十分発現しないため好ましくな
く、100重量部を越すと成形性を損なうため好ましく
ない。
【0025】本発明の上記の(C)平均繊維径が2〜5
0μmの繊維状無機充填剤と(D)平均粒径300〜3
000μmの板状無機充填剤の併用比率は、(C)成分
量に対して、(D)成分量が0.25〜4倍量の範囲で
使用され、さらに1/3〜3,さらに3/7〜7/3と
することにより機能はより向上する。この値が小さい時
は、強化ポリエステル組成物の異方性が大きく好ましく
ない、また、大きいと機械特性の改良効果が十分発現し
ないため好ましくない。
【0026】本発明に対して、難燃化剤を1種以上含有
することができる。難燃化剤の具体例としては、臭素ま
たは塩素を含有するハロゲン系化合物、三酸化アンチモ
ンなどのアンチモン化合物、無機水和物およびリン化合
物などであり、配合量は、プラスチックの燃焼試験であ
るUL94規格などを満たす量が配合される。 本発明
に対して、本発明の目的を損なわない範囲で充填剤(セ
ラミックスファイバー、セラミックビーズ、アスベス
ト、ワラステナイト、タルク、クレー、マイカ、セリサ
イト、ゼオライト、ベントナイト、ドロマイト、カオリ
ン、微粉ケイ酸、長石粉、チタン酸カリウム、シラスバ
ルーン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリ
ウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化チタ
ン、ケイ酸アルミニウム、酸化ケイ素、石膏、ノバキュ
ライト、ドーソナイトおよび白土など)、酸化防止剤、
紫外線吸収剤、熱安定剤、核剤、滑剤、離形剤、染料お
よび顔料を含む着色剤、核化剤、他の熱可塑性樹脂(例
えばポリエチレン、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリフ
ェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルエーテルケト
ン樹脂、液晶ポリエステル樹脂、ポリアセタール、ポリ
スルホン、ポリフェニレンオキサイドなど)および熱硬
化性樹脂(例えばフェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリ
エステル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂など)な
どの少なくとも1種以上をさらに含有することができ
る。
【0027】本発明組成物の製造方法は特に限定される
ものではないが、例えばポリブチレンテレフタレート、
ポリオレフィン系樹脂、必要に応じて他の熱可塑性リエ
ステル樹脂および必要に応じてその他の添加剤を予めブ
レンドした後、ポリブチレンテレフタレートの融点以上
において、ニーデングブロックを1ゾーン以上有する2
軸押出機のホッパーに供給し、サイドフィーダから平均
繊維径が2〜50μmの繊維状無機充填剤と平均粒径が
300〜3000μm板状無機充填剤を押出機に供給し
て均一に溶融混練する方法、あるいは全配合組成物を予
めブレンドした後、ポリブチレンテレフタレートの融点
以上において、スクリュ形状は特に限定されないが例え
ばダルメージスクリュを挿入した単軸押出機のホッパー
に供給して均一に溶融混練する方法などが好ましく用い
られる。
【0028】得られた強化ポリエステル樹脂組成物は、
通常公知の射出成形、押出成形などの任意の方法で成形
できる。
【0029】本発明の組成物から得られた成形品は、機
械特性が良好でかつ成形品の異方性が極めて小さく、そ
の優れた性能が安定して得られるため、不良率の少ない
成形材料として電気・電子コネクター部品、自動車部
品、機械部品などの精密機器部品等種々の用途に使用す
ることができる。
【0030】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳述す
る。なお、実施例中の部数は、全て重量基準である。実
施例に使用した配合組成物の内容を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】強化ポリエステル樹脂組成物の製造方法 日本製鋼所製TEX44・2軸押出機の元込め部とサイ
ドフィーダの間にニーディングブロックを2ゾーン、サ
イドフィーダと吐出口であるダイスの間にニーディング
ブロックを1ゾーンを組み込み、加工温度を260℃に
設定後、元込め部のホッパーに固有粘度0.92のポリ
ブチレンテレフタレート、熱可塑性ポリエステル樹脂お
よびエチレン/アクリル酸エチル共重合体を配合したブ
レンド物を供給し、サイドフィーダからガラス繊維とガ
ラスフレーク供給して溶融混練を行い、ダイスから吐出
されたストランドを冷却バスを通し、ストランドカッタ
ーでペレット化した。
【0033】強化ポリエステル樹脂組成物の成形品の評
価方法 上記の2軸押出機で得られたペレットを用いて、加工温
度250℃、金型温度80℃、成形サイクル(射出時間
/冷却時間/中間時間)8/10/5秒で1/8”厚み
の引張試験片とアイゾット試験片を成形しASTM D
638に従い引張試験、ASTM D265に従いアイ
ゾット衝撃試験を行ない、機械特性の評価を行った。
【0034】続けて、厚さ1mm、縦80mm×横80
mm角板をフィルムゲート金型で成形し、万能投影機に
より、流れ方向と流れと直角方向の成形収縮率を測定
し、流れ方向と流れと直角方向の成形収縮率の差が大き
い材料ほど異方性が大きいと判断される。
【0035】また、上記の厚さ1mm、縦80mm、横
80mm角板を幅80mm、高さ1.35mmの空間を
持つ長さ50mmの金属製の治具を通過させ、治具を通
過しないものは不良品として取り扱い、上記の角板50
個を通過させ、不良率を算出した。なお、本試験は、均
一な成形品が安定して得られているかどうかを試験する
のに有用な試験である。
【0036】実施例1〜6、比較例1〜7 上記の強化ポリエステル樹脂組成物の製造方法に従い、
表2と表3に示す配合組成の実施例1〜6、比較例1〜
7の強化ポリエステル樹脂組成物を得た。また、強化ポ
リエステル樹脂組成物の成形品の評価方法に従い、実施
例1〜6、比較例1〜7の強化ポリエステル樹脂組成物
の成形品の評価を行い、得られた評価結果を配合組成と
同じく表2と表3に示す。
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】表2と表3の実施例と比較例の結果から、
本発明のポリブチレンテレフタレートに軟化温度が50
℃以下のポリオレフィン、平均繊維径2〜20μmの繊
維状無機充填剤および平均径300〜3000μmの板
状無機充填剤からなる強化ポリエステル樹脂組成物は、
比較例に比べ良好な機械特性を持ち、異方性が小さく、
かつ不良率の少ない成形品が安定して得られることが明
白である。
【0040】
【発明の効果】本発明の強化ポリエステル樹脂組成物
は、良好な機械特性と成形品の異方性が極めて小さく、
かつその優れた性能が安定しているため不良率の少ない
成形品が得られることから、寸法精度の厳しいコネクタ
ーなどの電気・電子部品および精密成形部品の用途に有
用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C08L 67/02 23:00)

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ポリブチレンテレフタレートを必須
    成分とする熱可塑性ポリエステル100重量部に対し
    て、(B)軟化温度が50℃以下のポリオレフィン共重
    合体2〜30重量部、(C)平均繊維径2〜50μmの
    繊維状無機充填剤2〜100重量部および(D)平均粒
    子径300〜3000μmの板状無機物2〜100重量
    部((C)成分量は(D)成分の0.25〜4倍量)を
    配合してなる7強化ポリエステル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】(A)ポリブチレンテレフタレートが、C
    OOH末端基1〜50eq/t、固有粘度0.36〜
    1.60であることを特徴とする請求項1記載の強化ポ
    リエステル樹脂組成物。
  3. 【請求項3】熱可塑性ポリエステルにおけるポリブチレ
    ンテレフタレートが50重量%以上である請求項1記載
    の化ポリエステル樹脂組成物。
  4. 【請求項4】(A)熱可塑性ポリエステルにおいてポリ
    ブチレンテレフタレート以外の熱可塑性ポリエステル樹
    脂A´が1〜50重量%である請求項1記載の強化ポリ
    エステル樹脂組成物。
  5. 【請求項5】(C)平均繊維径2〜50μmの繊維状無
    機充填剤が、ガラス繊維、炭素繊維および金属繊維の1
    種以上からなることを特徴とする請求項1記載の強化ポ
    リエステル樹脂組成物。
  6. 【請求項6】熱可塑性ポリエステル樹脂A´が、ポリシ
    クロヘキサンジメチレンテレフタレートであることを特
    徴とする請求項4記載の強化ポリエステル樹脂組成物。
  7. 【請求項7】熱可塑性ポリエステル樹脂A´が、ポリエ
    チレンテレフタレートであることを特徴とする請求項4
    記載の強化ポリエステル樹脂組成物。
  8. 【請求項8】熱可塑性ポリエステル樹脂A´が、ポリエ
    −テルエステル共重合体であることを特徴とする請求項
    4記載の強化ポリエステル樹脂組成物。
  9. 【請求項9】請求項1〜8何れかの強化ポリエステル樹
    脂組成物を成形してなる強化ポリエステル成形品。
  10. 【請求項10】(A)ポリブチレンテレフタレートを必
    須成分とする熱可塑性ポリエステル100重量部に対し
    て、(B)軟化温度が50℃以下のポリオレフィン共重
    合体2〜30重量部、(C)平均繊維径2〜50μmの
    繊維状無機充填剤2〜100重量部および(D)平均粒
    子径300〜3000μmの板状無機物2〜100重量
    部((C)成分量は(D)成分の0.25〜4倍量)を
    混合することを特徴とする強化ポリエステル樹脂組成物
    の製造方法。
  11. 【請求項11】熱可塑性ポリエステルにおけるポリブチ
    レンテレフタレートが50重量%以上である請求項10
    記載の強化ポリエステル樹脂組成物。
  12. 【請求項12】熱可塑性ポリエステルに対して、ポリブ
    チレンテレフタレート以外の熱可塑性ポリエステル樹脂
    A´が1〜50重量%が配合される請求項10記載の強
    化ポリエステル樹脂組成物の製造方法。
  13. 【請求項13】(C)平均繊維径2〜50μmの繊維状
    無機充填剤が、ガラス繊維、炭素繊維および金属繊維の
    1種以上からなることを特徴とする請求項10記載の強
    化ポリエステル樹脂組成物の製造方法。
  14. 【請求項14】熱可塑性ポリエステル樹脂A´が、ポリ
    シクロヘキサンジメチレンテレフタレートであることを
    特徴とする請求項12記載の強化ポリエステル樹脂組成
    物の製造方法。
  15. 【請求項15】熱可塑性ポリエステル樹脂A´が、ポリ
    エチレンテレフタレートであることを特徴とする請求項
    12記載の強化ポリエステル樹脂組成物の製造方法。
  16. 【請求項16】熱可塑性ポリエステル樹脂A´が、ポリ
    エ−テルエステル共重合体であることを特徴とする請求
    項12記載の強化ポリエステル樹脂組成物の製造方法。
  17. 【請求項17】請求項10〜16いずれかの方法で強化
    ポリエステル樹脂組成物を得た後、当該強化ポリエステ
    ル樹脂組成物を成形することを特徴とする成形品の製造
    方法。
JP4769696A 1996-03-05 1996-03-05 強化ポリエステル樹脂組成物 Pending JPH09241489A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4769696A JPH09241489A (ja) 1996-03-05 1996-03-05 強化ポリエステル樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4769696A JPH09241489A (ja) 1996-03-05 1996-03-05 強化ポリエステル樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09241489A true JPH09241489A (ja) 1997-09-16

Family

ID=12782457

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4769696A Pending JPH09241489A (ja) 1996-03-05 1996-03-05 強化ポリエステル樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09241489A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010095553A (ja) * 2008-10-14 2010-04-30 Toray Ind Inc 熱可塑性樹脂組成物および成形品
JP2013234326A (ja) * 2012-05-10 2013-11-21 E I Du Pont De Nemours & Co ポリエステル組成物
CN114479389A (zh) * 2022-03-28 2022-05-13 金发科技股份有限公司 一种纳米纤维改性pbt复合材料及其制备方法和应用

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010095553A (ja) * 2008-10-14 2010-04-30 Toray Ind Inc 熱可塑性樹脂組成物および成形品
JP2013234326A (ja) * 2012-05-10 2013-11-21 E I Du Pont De Nemours & Co ポリエステル組成物
CN114479389A (zh) * 2022-03-28 2022-05-13 金发科技股份有限公司 一种纳米纤维改性pbt复合材料及其制备方法和应用
CN114479389B (zh) * 2022-03-28 2023-05-23 金发科技股份有限公司 一种纳米纤维改性pbt复合材料及其制备方法和应用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3605957B2 (ja) 強化ポリエステル樹脂組成物およびその成形品
JPH05112701A (ja) ブロー又は押出成形用ポリエステル樹脂組成物及びその成形品
JP3605956B2 (ja) 強化ポリエステル樹脂組成物およびその成形品
JPH05214244A (ja) 成形用樹脂組成物
JPH11199667A (ja) ポリエーテルエステルアミド、帯電防止剤および熱可塑性樹脂組成物
JPH064757B2 (ja) ポリエステル樹脂組成物の製造方法
JPH08183896A (ja) 難燃性ポリエステル樹脂組成物
JPH0721100B2 (ja) 熱可塑性ポリエステル樹脂組成物
JPH09241489A (ja) 強化ポリエステル樹脂組成物
JP3399133B2 (ja) 難燃性熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物の製造方法
JPH0613631B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JPH1060240A (ja) 強化ポリエステル樹脂組成物およびその成形品
JPS61204270A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JPH0940852A (ja) ポリエステル樹脂組成物およびその成形品
JP3316151B2 (ja) 難燃性ポリエステル樹脂組成物およびその製造方法
JP4374685B2 (ja) ポリエステル樹脂組成物
JPH0627246B2 (ja) 難燃性芳香族ポリエステル樹脂組成物
JP2597668B2 (ja) 難燃性ポリエステル組成物
JP2003119362A (ja) 難燃性強化ポリトリメチレンテレフタレート樹脂組成物
JP2671487B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物およびその製造方法
JPH04146956A (ja) ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物
JPH08225729A (ja) 難燃性ポリエステル系樹脂組成物
JP2000067986A (ja) コネクター材料
JPH05320487A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JPH0267367A (ja) 熱可塑性樹脂組成物