JP2005200118A - 搬送装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ジャム処理において確実に残留紙幣を排除することができる搬送装置の提供。
【解決手段】 ジャム検出手段61〜73によって搬送路31,35,36,43,45,50〜52,55,58上における搬送物のジャムが検出されると停止制御手段によって搬送手段の駆動を停止させ、該停止後、搬送手段を駆動して搬送路31,35,36上の残留搬送物を排除部23に強制排除する強制排除動作中に残留搬送物が複数のセンサ61〜73のいずれか一つで検出されると、当該残留搬送物が複数のセンサのうち最も排除部23側にあるセンサ73で検出されるタイミングに基づいて搬送手段を停止させる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、搬送装置に関し、特にそのジャム処理後の残留搬送物の排除処理に関するものである。
搬送装置において、ジャムの発生を検出し搬送を停止させると、ジャムを起こした搬送物以外の搬送物も搬送路に残留してしまう。このため、ジャムを起こした搬送物を取り除いた後、搬送物の数を正確に把握する等のために搬送路にある残留搬送物を排出する必要が生じてくる。紙幣入出金機に代表される紙葉類処理機において、このようなジャム処理についての技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
この技術では、搬送路上でジャムが発生した場合に、すべての搬送路の駆動を停止させることになり、操作者がジャム紙幣を取り除いた後、回収指令操作を行うと、残留紙幣をすべて排除部に排除できると予測される所定量搬送路を駆動し、この駆動後の時点で搬送路上に設けられたセンサが紙幣を検出しなければ、搬送路上に残留紙幣がないものとしてジャム処理を完了する。
特許第3211926号公報
上記のように、残留紙幣をすべて排除部に排除できると予測される所定量搬送路を駆動し、この駆動後の時点で搬送路上に設けられたセンサが紙幣を検出しなければ、搬送路上に残留紙幣がないものとするのでは、搬送路において何らかの理由で一時的に滞留してから移動を始める紙幣があってもこれを残留紙幣として認識できずにジャム処理を完了してしまう可能性があった。
したがって、本発明は、ジャム処理において確実に残留紙幣を排除することができる搬送装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、搬送路に沿って搬送物を搬送する搬送手段と、前記搬送路上に間隔をあけて設けられて搬送物を検出する複数のセンサと、前記搬送路における搬送物のジャムを検出するジャム検出手段と、該ジャム検出手段でジャムが検出されたとき前記搬送手段の駆動を停止させる停止制御手段と、搬送物を排除可能に前記搬送路を開放可能とする搬送路開放手段とを有し、前記ジャム検出手段によって前記搬送路上における搬送物のジャムが検出されると前記停止制御手段によって前記搬送手段の駆動を停止させ、該停止後、前記ジャムが解消された状態で、前記搬送手段を駆動して前記搬送路上の残留搬送物を排除部に強制排除する強制排除動作を行う搬送装置において、前記強制排除動作中に残留搬送物が前記複数のセンサのいずれか一つで検出されると、当該残留搬送物が前記複数のセンサのうち最も前記排除部側にあるセンサで検出されるタイミングに基づいて前記搬送手段を停止させることを特徴としている。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記強制排除動作中に残留搬送物が前記複数のセンサのいずれか一つで検出され、該センサよりも下流側のセンサで所定時間経過しても検出されない場合に前記搬送手段の駆動を停止させて報知を行うことを特徴としている。
請求項3に係る発明は、請求項1または2に係る発明において、前記強制排除動作中に残留搬送物が所定の検出禁止のセンサで検出された場合に直ちに前記搬送手段の駆動を停止させて報知を行うことを特徴としている。
請求項4に係る発明は、請求項3に係る発明において、前記検出禁止のセンサは、搬送物を収納する収納部にのみ搬送物を案内する搬送路に設けられているセンサであることを特徴としている。
請求項5に係る発明は、請求項1乃至4のいずれか一項に係る発明において、前記搬送物は紙葉類であることを特徴としている。
請求項1に係る発明によれば、ジャム検出手段によって搬送路上における搬送物のジャムが検出されると停止制御手段が搬送手段の駆動を停止させることになる。そして、操作者によりジャムを発生させた搬送物が取り除かれた後、搬送手段を駆動して搬送路上の残留搬送物を排除部に強制排除する強制排除動作を行うことになる。そして、この強制排除動作中に残留搬送物が複数のセンサのいずれか一つで検出されると、当該残留搬送物が複数のセンサのうち最も排除部側にあるセンサで検出されるタイミングに基づいて搬送手段を停止させることになる。このため、搬送路において何らかの理由で一時的に滞留してから移動を始める搬送物があってもこれがいずれかのセンサで検出された後は、この搬送物が最も排除部側にあるセンサで検出されて排除部に排除されるタイミングまでは搬送手段が停止させられずに駆動状態が維持されることになる。したがって、ジャム処理において確実に残留紙幣を排除することができる。
請求項2に係る発明によれば、強制排除動作中に残留搬送物が複数のセンサのいずれか一つで検出され、該残留搬送物を検出したセンサよりも下流側のセンサで所定時間経過しても検出されない場合、つまり残留搬送物がジャム等の何らかの原因で搬送不能になった場合に、搬送手段の駆動を停止させて報知を行うことで、搬送手段が無駄に駆動し続けられてしまうことを防止できる。
請求項3に係る発明によれば、強制排除動作中に残留搬送物が所定の検出禁止のセンサで検出された場合に搬送手段の駆動を直ちに停止させて報知を行うため、例えば残留搬送物が排除部以外の場所に搬送されてしまうことを防止できる。
請求項4に係る発明によれば、検出禁止のセンサが、搬送物を収納する収納部にのみ搬送物を案内する搬送路に設けられているセンサであるため、残留搬送物が排除部ではない収納部に搬送されてしまうことを防止でき、管理上好ましい。
請求項5に係る発明によれば、搬送物が紙葉類であり、ジャムを発生しやすいものであるため、より高い効果が得られる。
本発明の一実施形態の搬送装置が設けられた貨幣入出金機を図面を参照して以下に説明する。
図1に示すように、貨幣入出金機10は、硬貨入出金装置11と紙幣入出金装置12とが一体に並設されたもので、例えばPOSレジ等の上位機に接続されて釣銭機として用いられるものである。なお、以下の説明において、前は貨幣入出金機10の操作者側、後は貨幣入出金機10の操作者に対し反対側、左は貨幣入出金機10の操作者から見て左、右は貨幣入出金機10の操作者から見て右である。
硬貨入出金装置11は貨幣入出金機10の左右方向における一側具体的には右側に設けられており、紙幣入出金装置12は左右方向における逆側具体的には左側に設けられている。
硬貨入出金装置11には、前側つまり操作者側の上部の右側に、機外からバラ硬貨が金種が混在する状態で一括して投入される硬貨入金口15が設けられ、この硬貨入金口15の左側に、操作者による操作入力が行われる操作部16および操作者への表示を行う案内表示部(案内手段)17が前後に並んで設けられている。また、硬貨入出金装置11には、これら硬貨入金口15、操作部16および案内表示部17の下側つまり前側の中間部の右側に、内部からバラ硬貨が機外に取出可能に出金される硬貨出金口18が設けられ、この硬貨出金口18の左側にリジェクトされたリジェクト硬貨が排出される硬貨リジェクト口19が設けられている。さらに、硬貨入出金装置11には、これら硬貨出金口18および硬貨リジェクト口19の下側に硬貨回収庫20が着脱可能に設けられている。
紙幣入出金装置12は、前側つまり操作者側の上部に、バラ紙幣が金種が混在する状態で機外から一括して投入される紙幣入金口(入金口)22が設けられており、その下側つまり前側の中間部に内部からバラ紙幣が金種が混在する状態で出金される紙幣出金口(出金部,排除部)23が設けられていて、この紙幣出金口23の下側に、着脱可能な紙幣回収庫(収納部)24が設けられている。
本実施形態の搬送装置25は搬送物として紙葉類である紙幣を取り扱う紙幣入出金装置12に適用されており、この紙幣入出金装置について説明する。
紙幣入出金装置12は、図2に示すように、紙幣入金口22に投入された紙幣を一枚ずつに分離して繰り出す入金紙幣繰出部(繰出部,搬送手段)30と、この入金紙幣繰出部30で繰り出された紙幣を搬送する入金紙幣搬送路(搬送路)31と、入金紙幣搬送路31の途中に設けられて紙幣の真偽、金種および正損等を識別しかつ真紙幣を金種毎に計数する紙幣識別部(識別部)32とを有している。
また、紙幣入出金装置12は、入金紙幣搬送路31の紙幣識別部32よりも下流側に設けられた振分部(搬送手段)34と、入金紙幣搬送路31の振分部34の位置から分岐するリジェクト紙幣搬送路(搬送路)35とを有している。リジェクト紙幣搬送路35は紙幣出金口23に接続されており、その途中に出金紙幣搬送路(搬送路)36が合流している。振分部34は、紙幣識別部32の識別結果に応じて、偽券、汚損券および判別不能とされた紙幣を振分部材34Aによってリジェクト紙幣搬送路35側へと振り分ける。そして、該偽券、汚損券および判別不能とされた紙幣は、入金紙幣搬送路31からリジェクト紙幣搬送路35へと搬送され、機外へ取出可能となるように紙幣出金口23に繰り出される。一方、振分部34は、真券でありかつ汚損のない正券とされた紙幣を振分部材34Aによってそのまま入金紙幣搬送路31の下流側へと導く。紙幣入出金装置12は、この入金紙幣搬送路31の振分部34よりも下流側に、紙幣識別部32の識別結果に基づいて紙幣を選別収納する入出金可能な複数具体的には三つの収納部としてのスタッカ(収納部)38〜40を有している。
つまり、紙幣入出金装置12は、入金紙幣搬送路31の振分部34よりも下流側に、振分部材42Aによって紙幣を分岐紙幣搬送路(搬送路)43側に振り分けて最も上流側のスタッカ38へと導く振分部(搬送手段)42を有しており、入金紙幣搬送路31の振分部42よりも下流側に、振分部材44Aによって紙幣を分岐紙幣搬送路(搬送路)45側に振り分けて中間のスタッカ39へと導く振分部(搬送手段)44を有している。そして、入金紙幣搬送路31の振分部44よりも下流側には最も下流側のスタッカ40が接続されている。
スタッカ38は、上部の受入口38aから紙幣が一枚ずつ入金され、出金紙幣繰出部(搬送手段)38bが下部の繰出口38cから紙幣を一枚ずつ分離して出金させる。スタッカ39も、上部の受入口39aから紙幣が一枚ずつ入金され、出金紙幣繰出部(搬送手段)39bが下部の繰出口39cから紙幣を一枚ずつ分離して出金させる。スタッカ40も、上部の受入口40aから紙幣が一枚ずつ入金され、出金紙幣繰出部(搬送手段)40bが下部の繰出口40cから紙幣を一枚ずつ分離して出金させる。
スタッカ38の下部の繰出口38cは繰出紙幣搬送路(搬送路)50を介して、上記した出金紙幣搬送路36に接続されている。スタッカ39の下部の繰出口39cは繰出紙幣搬送路(搬送路)51を介して出金紙幣搬送路36に接続されており、スタッカ40の下部の繰出口40cは繰出紙幣搬送路(搬送路)52を介して出金紙幣搬送路36に接続されている。
紙幣入出金装置12は、リジェクト紙幣搬送路35における出金紙幣搬送路36の合流位置よりも下流側に設けられた振分部(搬送手段)54と、リジェクト紙幣搬送路35の振分部54の位置から分岐する分岐紙幣搬送路(搬送路)55とを有しており、この分岐紙幣搬送路55には入金のみが可能な上記した紙幣回収庫(収納部)24が接続されている。振分部54は、振分部材54Aによって紙幣回収庫24に収納させるべき紙幣を分岐紙幣搬送路55側へ、またそれ以外の紙幣をそのままリジェクト紙幣搬送路35の下流側へと振り分ける。
また、紙幣入出金装置12は、リジェクト搬送路35における振分部54よりも下流側に設けられた振分部(搬送手段)57と、リジェクト搬送路35の振分部57の位置から分岐する分岐紙幣搬送路(搬送路)58とを有しており、この分岐紙幣搬送路58には入金のみが可能な紙幣リジェクト庫(収納部)59が接続されている。振分部57は、振分部材57Aによって紙幣リジェクト庫59に収納させるべき紙幣を分岐紙幣搬送路58側へ、またそれ以外の紙幣をそのままリジェクト搬送路35の下流側つまり紙幣出金口23側へと振り分ける。
ここで、紙幣回収庫24は、貨幣入出金機10から取り外されると、分岐紙幣搬送路55に接続される図示せぬ入金口シャッタがこの取り外し動作に連動して閉じられることになる。この状態から図示せぬキーのキー操作によって図示せぬ扉を開くことにより中に収納された紙幣が取り出し可能となる。
紙幣搬送路31,35,36,43,45,50〜52,55,58には、搬送物である紙幣の状態や通過のタイミングを確認するための複数のセンサ(ジャム検出手段)61〜73が間隔をあけて設けられている。
センサ61は、入金紙幣搬送路31における入金紙幣繰出部30と紙幣識別部32との間にあって、入金紙幣繰出部30によって入金紙幣搬送路31上に一枚ずつ繰り出された紙幣を確認するものであり、センサ62は、入金紙幣搬送路31における紙幣識別部32の位置にあって紙幣識別部32を通過する紙幣を確認するものであって、センサ63は、リジェクト紙幣搬送路35における振分部34の直後位置にあって振分部34でリジェクト紙幣搬送路35に振り分けられた紙幣を確認するものである。
また、センサ64はスタッカ38の受入口38aの直前位置の分岐紙幣搬送路43にあって振分部42で振り分けられてスタッカ38に入金される紙幣を確認するものであり、センサ65はスタッカ39の受入口39aの直前位置の分岐紙幣搬送路45にあって振分部44で振り分けられてスタッカ39に入金される紙幣を確認するものであって、センサ66はスタッカ40の受入口40aの直前位置の入金紙幣搬送路31にあってスタッカ40に入金される紙幣を確認するものである。
さらに、センサ67はスタッカ38の繰出口38cの直後位置の繰出紙幣搬送路50にあってスタッカ38から繰り出された紙幣を確認するものであり、センサ68はスタッカ39の繰出口39cの直後位置の繰出紙幣搬送路51にあってスタッカ39から繰り出された紙幣を確認するものであり、センサ69はスタッカ40の繰出口40cの直後位置の繰出紙幣搬送路52にあってスタッカ40から繰り出された紙幣を確認するものである。
加えて、センサ70は出金紙幣搬送路36の繰出紙幣搬送路50〜52よりも下流側にあってすべてのスタッカ38〜40から繰り出された紙幣を確認するものであり、センサ71は紙幣回収庫24の直前位置の分岐紙幣搬送路55にあって振分部54で振り分けられて紙幣回収庫24に導入される紙幣を確認するものであって、センサ72は紙幣リジェクト庫59の直前位置の分岐紙幣搬送路58にあって振分部57で振り分けられて紙幣リジェクト庫59に導入される紙幣を確認するものである。さらに、センサ73は、リジェクト搬送路35の紙幣出金口23の直前位置(振分部57との間位置)にあって紙幣出金口23に繰り出される紙幣を確認するものである。
センサ61〜73は、光学式センサであって、配置された場所における紙幣の残留検知のみならず、タイミングを計ったり、搬送の状況(重送、斜行等)を見たり、計数を行ったりと、複数の機能を有する。また、紙幣出金口23には、紙幣出金口23に残存する紙幣を検出するセンサ23aが設けられており、紙幣入金口22にも、紙幣入金口22に残存する紙幣を検出するセンサ22aが設けられている。さらにスタッカ38に内部の紙幣を検出するセンサ38dが、スタッカ39に内部の紙幣を検出するセンサ39dが、スタッカ40に内部の紙幣を検出するセンサ40dがそれぞれ設けられている。
貨幣入出金機10の制御部(ジャム検出手段,停止制御手段)75は、硬貨入出金装置11と紙幣入出金装置12とを制御するもので、図3に示すように、制御プログラムが記憶されたROM76と、紙幣識別部32の識別に基づく金種別の紙幣枚数等を記憶するRAM(記憶手段)77と、入金紙幣繰出部30と、入金紙幣搬送路31および分岐紙幣搬送路43,45を駆動する入金紙幣搬送駆動部(搬送手段)78と、各スタッカ38〜40の出金紙幣繰出部38b,39b,40bと、出金紙幣搬送路36および繰出紙幣搬送路50〜52を駆動する出金紙幣搬送駆動部(搬送手段)79と、リジェクト紙幣搬送路35を駆動するリジェクト紙幣搬送駆動部(搬送手段)80と、紙幣識別部32と、振分部34,42,44,54,57と、センサ61〜73,22a,23a,38d,39d,40dと、操作部16と、案内表示部17とが通信可能に接続されている。
ここで、制御部75は、センサ61〜73の紙幣のタイミング等から搬送物である紙幣のジャムを検出する。例えば、センサ61〜73のうち、搬送方向において隣り合うセンサ同士では、搬送速度から搬送方向上流側のセンサにおける紙幣の検出タイミング(遮光タイミング)に対し搬送方向下流側に隣り合うセンサにおける紙幣の検出タイミング(遮光タイミング)は既知であり、この検出タイミングに対し許容を含む所定時間以上経過しても紙幣を検出できない場合は、これらセンサの間で紙幣にジャムが生じたと判定する。また、センサ61〜73のいずれかにおいて紙幣が検出された状態(遮光状態)が許容時間を含む所定時間以上維持されている場合には、このセンサの位置において紙幣にジャムが生じたと判定する。
そして、制御部75は、このようにジャムが検出されたとき、入金紙幣繰出部30と入金紙幣搬送駆動部78と出金紙幣繰出部38b,39b,40bと出金紙幣搬送駆動部79とリジェクト紙幣搬送駆動部80とのうち、駆動中のものを停止させる。ここで、上記した入金紙幣搬送路31、リジェクト紙幣搬送路35、出金紙幣搬送路36、分岐紙幣搬送路43,45および出金紙幣搬送路50〜52は、図示は略すが搬送ベルトあるいは搬送ローラ等で構成されており、それぞれがジャム紙幣を排除可能な図示略の搬送路開放構造部(搬送路開放手段)を有している。操作者は対応する搬送路開放構造部を開放してジャム紙幣を取り除くことになる。
駆動停止後、上記のようにしてジャム紙幣が取り除かれ、ジャムが解消された状態で、操作部16に動作再開の操作入力がなされると、制御部75は、入金紙幣搬送駆動部78、出金紙幣搬送駆動部79およびリジェクト紙幣搬送駆動部80のうち、停止前に駆動中であったものの駆動を再開して、入金紙幣搬送路31、リジェクト紙幣搬送路35および出金紙幣搬送路36のうち停止前に紙幣を搬送中であったものにおける残留紙幣を紙幣出金口18に強制排除する強制排除動作を行う(後述する)。
そして、本実施形態において、制御部75は、この強制排除動作中に残留紙幣が、複数のセンサ61〜63,67〜70のいずれか一つで検出されると、この残留紙幣が最も紙幣出金口18側にあるセンサ73で検出されるタイミングに基づく紙幣出金口18に確実に排除できるタイミングで入金紙幣搬送駆動部78、出金紙幣搬送駆動部79およびリジェクト紙幣搬送駆動部80のうち駆動中のものを停止させる(後述する)。
また、制御部75は、上記した強制排除動作中に残留紙幣が複数のセンサ61〜63,67〜70のいずれか一つで検出され、この検出したセンサよりも下流側のセンサで所定時間経過しても検出されない場合に、入金紙幣搬送駆動部78、出金紙幣搬送駆動部79およびリジェクト紙幣搬送駆動部80のうち駆動中であったものの駆動を停止させて案内表示部17および図示せぬ警報音発生装置で報知を行う(後述する)。
さらに、制御部75は、上記した強制排除動作中に残留紙幣が所定の検出禁止のセンサ64,65,66,71,72のいずれかで検出された場合に、入金紙幣搬送駆動部78、出金紙幣搬送駆動部79およびリジェクト紙幣搬送駆動部80のうち駆動中であったものの駆動を直ちに停止させて案内表示部17および図示せぬ警報音発生装置で報知を行う(後述する)。ここで、検出禁止のセンサ64,65,66,71,72は、紙幣を収納するスタッカ38〜40、紙幣回収庫24および紙幣リジェクト庫59のうちの対応するものにのみ紙幣を案内する搬送路に設けられているセンサである。
なお、紙幣入出金装置12は、入金された紙幣を出金用として使用する還流式のものであり、制御部75は、入金および出金が可能な三つのスタッカ38〜40をすべて金種別の収納部として用い、例えば、五千円券をスタッカ38に、千円券をスタッカ39に、万円券をスタッカ40にそれぞれ収納させるようになっている。また、紙幣入出金装置12は、スタッカ38〜40の上流側に一時貯留部は設けられておらず、紙幣識別部32で真券でありかつ汚損のない正券と判定された紙幣をそのままスタッカ38〜40に収納させる。なお、取り扱い数が最少の二千円券については、入金のみが可能な紙幣回収庫24に収納させ、還流させない。ここで、スタッカ38〜40の金種設定はこれに限らず変更可能である。
上記した紙幣搬送路31,35,36,43,45,50〜52,55,58、制御部75、ROM76、RAM77、入金紙幣繰出部30、入金紙幣搬送駆動部78、出金紙幣繰出部38b,39b,40b、出金紙幣搬送駆動部79、リジェクト紙幣搬送駆動部80、振分部34,42,44,54,57、センサ61〜73、操作部16および案内表示部17が、紙幣入出金装置12内に設けられた本実施形態の搬送装置25を構成している。
以下、紙幣入出金装置12の作動を説明する。
紙幣入金口22に紙幣が投入された状態で操作部16に入金操作が入力されると、制御部75は、入金動作を開始させる。つまり、入金紙幣繰出部30、入金紙幣搬送駆動部78およびリジェクト紙幣搬送駆動部80を駆動し、図4に太線で示すように、紙幣入金口22の紙幣を入金紙幣繰出部30で一枚ずつ分離して入金紙幣搬送路31に繰り出し、入金紙幣搬送路31で搬送中に紙幣識別部32で識別する。そして、紙幣識別部32の識別結果に基づき、偽券、損券および判別不能とされた紙幣は、振分部34にて入金紙幣搬送路31からリジェクト紙幣搬送路35に振り分けられ、さらに振分部54および振分部57にてそのままリジェクト紙幣搬送路35を介して紙幣出金口23に繰り出されることで、機外にリジェクトされる。
他方、紙幣識別部32の識別結果に基づき、振分部34は、真券かつ正券とされた紙幣をそのまま入金紙幣搬送路31の下流側に搬送させて、スタッカ38〜40のうちの金種に応じたいずれかに上部から収納させる。つまり、五千円券であれば、振分部42で振り分けられて分岐紙幣搬送路43からスタッカ38に案内され、千円券であれば、振分部42および振分部44で振り分けられて分岐紙幣搬送路45からスタッカ39に案内され、万円券であれば、振分部42および振分部44で振り分けられて入金紙幣搬送路31を介してスタッカ40に案内される。なお、制御部75は、各スタッカ38〜40に収納された紙幣の数を把握しておりこの紙幣数から割り出されるスタッカ38〜40に収納しきれないオーバーフロー紙幣と、二千円券とについては、振分部34にて入金紙幣搬送路31からリジェクト紙幣搬送路35に振り分けられ、さらに振分部54にて分岐紙幣搬送路55に振り分けられて、紙幣回収庫24に収納される。
ここで、制御部75は、紙幣識別部32の識別結果つまり金種毎の計数値をRAM77に一時的に記憶させており、紙幣入金口22に投入されたすべての紙幣がスタッカ38〜40、紙幣出金口23および紙幣回収庫24のいずれかに案内されると、案内表示部17に紙幣識別部32の計数結果を表示させるとともに、その後の処理を促す表示を行う。すなわち、追加入金をするか、入金取消をするか、入金確定をするかを問う。
追加入金のために、紙幣入金口22に紙幣が投入されて操作部16に追加入金操作が入力されると、制御部75は、上記と同様にして、入金紙幣繰出部30で紙幣を入金紙幣搬送路31に繰り出し、紙幣識別部32で識別して、紙幣識別部32の識別結果に基づき、紙幣出金口23、スタッカ38〜40および紙幣回収庫24のいずれかに導き、案内表示部17に紙幣識別部32の計数結果を表示させて、その後の処理を促す表示を行う。
操作者が入金確定操作を操作部16に入力すると、制御部75は、入金を確定し、入金動作を終了する。ただし、このときは制御部75の処理上において入金が確定するのみで、紙幣の移動はない。
操作者が追加入金操作および入金確定操作ではなく入金取消操作を操作部16に入力すると、制御部75は、返却動作を行わせる。つまり、出金紙幣繰出部38b,39b,40bの必要なもの、出金紙幣搬送駆動部79およびリジェクト紙幣搬送駆動部80を駆動し、図5に太線で示すように、入金された金額と同金額の紙幣をスタッカ38〜40から出金紙幣繰出部38b,39b,40bによって出金紙幣搬送路36に繰り出させ、リジェクト紙幣搬送路35を介して振分部54および振分部57で振り分けて紙幣出金口23に繰り出させる。その後、紙幣出金口23から紙幣が取り除かれたことがセンサ23aで検出されると制御部75は返却動作を含む入金動作を終了する。なお、返却動作中にセンサ67〜70で多重搬送等の搬送不良紙幣が検出されると、搬送不良紙幣を振分部57で振り分けて紙幣リジェクト庫59に収納させる。
以上の入金動作において、入金確定操作および入金取消操作が操作される前の時点で、センサ61〜66,71,73のいずれかによって、上記した紙幣のジャムの発生を検出すると、制御部75は、入金系の入金紙幣繰出部30、入金紙幣搬送駆動部78およびリジェクト紙幣搬送駆動部80の駆動を全て停止させるとともに、操作者へのジャム紙幣を取り除く旨の指示を案内表示部17で表示させる。
つまり、ジャムが発生している場所を案内表示部17に表示させ、操作者にその位置を知らせる。これにより、操作者は、その案内にしたがってジャムが発生している場所を容易に発見することができ、その位置が含まれるユニットを引き出し、その位置の図示せぬ搬送路開放構造部を開放してジャム紙幣を取り除く。
例えば、センサ62で紙幣の滞留が検出された場合、制御部75はセンサ62の位置でジャムが発生したとして、案内表示部17にセンサ62の位置を表示させる。すると、その案内にしたがって操作者はセンサ62が含まれるユニットを引き出して搬送路開放構造部を開放してジャム紙幣を取り除く。
また、例えば、紙幣識別部32の識別結果より、機外にリジェクトされるべき紙幣をセンサ63で、その通過(遮光)を検出した後、所定時間を過ぎても次のセンサ73で通過(遮光)を検出できない場合、制御部75はセンサ63とセンサ73との間でジャムが発生したとして、案内表示部17にセンサ63とセンサ73との間の位置を表示させる。すると、その案内にしたがって操作者はセンサ63とセンサ73との間の位置が含まれるユニットを引き出して搬送路開放構造部を開放してジャム紙幣を取り除く。
なお、センサ64〜66,71以外の位置でジャムが発生したことを検出した場合に、その時点でセンサ64〜66,71のいずれかで紙幣を検出していると、制御部75は、この検出している紙幣を、センサ64〜66,71のうち紙幣を検出しているものの下流側にある、スタッカ38〜40および紙幣回収庫24の対応するものに収納させた後に、入金紙幣繰出部30、入金紙幣搬送駆動部78およびリジェクト紙幣搬送駆動部80の駆動を停止させることになる。これは、一時貯留部を持たない紙幣入出金装置12であるため、紙幣識別部32で真券でありかつ正券であると識別された紙幣の金種情報がRAM77に記憶され、かつこの記憶情報に基づいて振り分けが行われ、そして、各スタッカ38〜40および紙幣回収庫24の直前のセンサで検出され、これを通過したことが確認されて初めて入金額として加算されるものであり、入金額として加算し得る紙幣をセンサ上で止めてしまうと、再度紙幣入金口22に入金しなおさなければならなくなって処理効率が悪くなってしまうためである。また、センサ上にあっても、搬送路開放構造部の開放時に多少移動することがあり、センサ上にあったのかセンサを通過した紙幣であるかが不明となり、後に合計金額が変わってしまう可能性があるからである。
例えば、センサ64〜66,71のいずれかで紙幣を検出してから同じセンサで所定時間以上同じ紙幣を検出し続けることを検出してジャム検出を行った場合、制御部75はこの検出が行われたセンサの場所でジャムが発生したとして、案内表示部17にこのセンサの位置を表示させる。すると、その案内にしたがって操作者はこのセンサの位置が含まれるユニットを引き出して搬送路開放構造部を開放してジャム紙幣を取り除く。この場合、ジャムになった紙幣は入金額として加算されることはない。
また、例えば、紙幣識別部32の識別結果より、スタッカ38〜40のいずれかに収納されるべき紙幣をセンサ62で、その通過(遮光)を検出した後、所定時間を過ぎても下流側のセンサ64〜66で通過(遮光)を検出できない場合、制御部75はセンサ62とセンサ64〜66のうち検出できないセンサとの間でジャムが発生したとして、案内表示部17にこれらセンサの間の位置を表示させる。さらに、紙幣識別部32の識別結果より、紙幣回収庫24に収納されるべき紙幣をセンサ63で、その通過(遮光)を検出した後、所定時間を過ぎても下流側のセンサ71で通過(遮光)を検出できない場合も、制御部75はセンサ63とセンサ71との間でジャムが発生したとして、案内表示部17にこれらセンサ63,71の間の位置を表示させる。その案内にしたがって操作者は対応位置が含まれるユニットを引き出して搬送路開放構造部を開放してジャム紙幣を取り除く。
なお、ジャムの発生を検出した時点で、センサ64〜66,71に検出されなかった、センサ64〜66,71の直前位置に位置する紙幣に関しては、全て未確定の紙幣として後述するエラー処理を受ける。
上記のようにして、操作者がジャム紙幣を取り除いた後、開放させた搬送路開放構造部を閉じてユニットを戻し、紙幣入出金装置12内の入金紙幣搬送路31およびリジェクト紙幣搬送路35に残留する残留紙幣を回収するための操作(リセットスイッチの押下等)を操作部16に入力すると、制御部75は、紙幣入出金装置12に強制排除動作を行わせる。つまり、振分部34によって振分部材34Aを、紙幣がリジェクト紙幣搬送路35に導かれるように駆動させ、さらに振分部54,57によって振分部材54A,57Aを、紙幣が紙幣出金口23に導かれるように駆動させる。その後、制御部75は、入金紙幣搬送駆動部78およびリジェクト紙幣搬送駆動部80の駆動を再開させることになる。
そして、強制排除動作中、入金紙幣搬送路31およびリジェクト紙幣搬送路35に残留紙幣があると、入金紙幣搬送駆動部78およびリジェクト紙幣搬送駆動部80の駆動により、残留紙幣は順次下流へと搬送され紙幣出金口23へと向かうが、この時、センサ61,62,63のいずれかで残留紙幣が検出されると、残留紙幣は順次下流側のセンサで検出されることになる。制御部75は、最も上流側にある残留紙幣が紙幣出金口23の直前に設置されたセンサ73によって検出されると、この検出タイミングからこの残留紙幣が紙幣出金口23に放出されるのに十分な時間が経過した時点で入金紙幣搬送駆動部78およびリジェクト紙幣搬送駆動部80の駆動を停止させる。つまり、制御部75は、最も上流側にある残留紙幣が紙幣出金口23の直前に設置されたセンサ73によって検出されるまで入金紙幣搬送駆動部78およびリジェクト紙幣搬送駆動部80の駆動を継続させる。
なお、この強制排除動作中においても、制御部75は上記と同様にジャムを検出しており、ジャムが検出されると、入金紙幣搬送駆動部78およびリジェクト紙幣搬送駆動部80の駆動を停止させるとともに案内表示部17に表示を行う。つまり、センサ61〜63のうちのいずれか上流側のもので紙幣が検出されてから所定時間以上経過しても下流側のもので紙幣が検出されない場合、およびセンサ61〜63,73のいずれかで同じ紙幣が所定時間以上検出し続けられている場合、制御部75は、入金紙幣搬送駆動部78およびリジェクト紙幣搬送駆動部80の駆動を停止させる。
また、強制排除動作前において、センサ64〜66のいずれでも紙幣が検出されない状態で強制排除動作開始後にセンサ64〜66のいずれかで紙幣が検出されると、制御部75は、入金紙幣搬送駆動部78およびリジェクト紙幣搬送駆動部80の駆動を停止させるとともに案内表示部17にその旨表示させるエラー処理を行う。その案内にしたがって操作者は対応位置が含まれるユニットを引き出して搬送路開放構造部を開放して対応紙幣を手作業で排除する。これは、強制排除動作前に入金紙幣搬送路31において振分部34を通過していた残留紙幣は、紙幣出金口23に排除するのは構造上不可能であり、そのまま搬送し続けるとスタッカ38〜40の対応するものに収納されてしまうからである。つまり、上述の理由から、紙幣はセンサ64〜66のいずれかを通過して初めて入金額として加算されるものであり、加算されずにジャムの検出により停止した後の残留紙幣は、動作が中断されることによって、正確な振り分けが期待できない状態のものとなるため、スタッカ38〜40に収納させることはできないのである。
上記した強制排除動作後に、操作者は、紙幣出金口23に排除された紙幣、ジャム紙幣およびエラー処理で排除した紙幣を再び紙幣入金口22にセットし、操作部16に入金動作の続きを行うための操作を入力する。
なお、以上に述べたジャム処理において、ジャム発生前に紙幣入出金装置12内に投入されスタッカ38〜40内に収納された紙幣に関しては、その投入金額データがRAM77に一時的に記憶されており、ジャム処理後の投入紙幣は、RAM77のデータに加算されることになる。
操作部16に出金操作が入力されると、制御部75は、出金動作を行わせる。すなわち、出金紙幣繰出部38b,39b,40bのうちの対応するもの、出金紙幣搬送駆動部79およびリジェクト紙幣搬送駆動部80を駆動し、図5に太線で示すように、操作部16に入力された金額の紙幣をスタッカ38〜40からセンサ67〜69で計数しつつ出金紙幣繰出部38b,39b,40bによって出金紙幣搬送路36に繰り出させ、リジェクト紙幣搬送路35を介して振分部54および振分部57で振り分けて紙幣出金口23に繰り出させる。その後、紙幣出金口23から紙幣が取り除かれたことがセンサ23aで検出されると制御部75は出金動作を終了する。なお、出金動作中にセンサ67〜70で多重搬送等の搬送不良紙幣が検出されると、この搬送不良紙幣を振分部57で振り分けて紙幣リジェクト庫59に収納させる。
この出金動作および上記した返却動作において、センサ67〜70,72,73のいずれかによって、上記した紙幣のジャムの発生を検出すると、制御部75は、出金系の出金紙幣繰出部38b,39b,40b、出金紙幣搬送駆動部79およびリジェクト紙幣搬送駆動部80の駆動を全て停止させるとともに、案内表示部17に操作者にジャム紙幣を取り除く旨の指示を出す。
つまり、ジャムが発生している場所を案内表示部17に表示させ、操作者にその位置を知らせる。これにより、操作者は、その案内にしたがってジャムが発生している場所を容易に発見することができ、その位置が含まれるユニットを引き出し、その位置の図示せぬ搬送路開放構造部を開放してジャム紙幣を取り除く。なお、ジャム発生の検出方法、発生位置の案内方法、ジャム処理の方法は、上記入金動作時と同様である。
なお、ジャムが発生した時点でセンサ72,73のいずれかで紙幣を検出していると、制御部75は、この検出している紙幣が、センサ72.73のうち紙幣を検出しているものの下流側にある、紙幣出金口23および紙幣リジェクト庫59の対応するものに繰り出させた後に、出金紙幣搬送駆動部79およびリジェクト紙幣搬送駆動部80の駆動を停止させる。
上記のようにして、操作者がジャム紙幣を取り除いた後、開放させた搬送路開放構造部を閉じてユニットを戻し、紙幣入出金装置12内の出金紙幣搬送路36およびリジェクト紙幣搬送路35に残留する残留紙幣を回収するための操作(リセットスイッチの押下等)を操作部16に入力すると、制御部75は、紙幣入出金装置12に強制排除動作を行わせる。つまり、制御部75は、振分部54,57によって振分部材54A,57Aを、紙幣が紙幣出金口23に導かれるように駆動させ、その後、出金紙幣搬送駆動部79およびリジェクト紙幣搬送駆動部80の駆動を再開させることになる。
そして、強制排除動作中、出金紙幣搬送路36およびリジェクト紙幣搬送路35に残留紙幣があると、出金紙幣搬送駆動部79およびリジェクト紙幣搬送駆動部80の駆動により、残留紙幣は順次下流へと搬送され紙幣出金口23へと向かうが、この時、センサ67〜69,70で残留紙幣が検出されると、残留紙幣は順次下流側のセンサで検出されることになる。制御部75は、最も上流側にある残留紙幣が紙幣出金口23の直前に設置されたセンサ73によって検出されると、この検出タイミングからこの残留紙幣が紙幣出金口23に放出されるのに十分な時間が経過した時点で出金紙幣搬送駆動部79およびリジェクト紙幣搬送駆動部80の駆動を停止させる。つまり、制御部75は、最も上流側にある残留紙幣が紙幣出金口23の直前に設置されたセンサ73によって検出されるまで出金紙幣搬送駆動部79およびリジェクト紙幣搬送駆動部80の駆動を継続させる。
なお、この強制排除動作中においても、制御部75はジャムを検出しており、ジャムが検出されると、出金紙幣搬送駆動部79およびリジェクト紙幣搬送駆動部80の駆動を停止させるとともに案内表示部17に表示を行う。つまり、センサ67〜69,70のうちのいずれか上流側のもので紙幣が検出されてから所定時間経過しても下流側のもので紙幣が検出されない場合、およびセンサ67〜69,70,73のいずれかで同じ紙幣が所定時間以上検出し続けられている場合、制御部75は、出金紙幣搬送駆動部79およびリジェクト紙幣搬送駆動部80の駆動を停止させる。
また、強制排除動作前において、センサ72で紙幣が検出されない状態で強制排除動作開始後にセンサ72で紙幣が検出されると、制御部75は、出金紙幣搬送駆動部79およびリジェクト紙幣搬送駆動部80の駆動を即座に停止させるとともに案内表示部17にその旨表示させるエラー処理を行う。その案内にしたがって操作者は対応位置が含まれるユニットを引き出して搬送路開放構造部を開放して対応紙幣を手作業で排除する。
上記した強制排除動作後に、操作者は、紙幣出金口23に排除された紙幣、ジャム紙幣およびエラー処理で排除した紙幣を紙幣入金口22にセットし、操作部16に入金動作を行うための操作を入力して、紙幣入出金装置12に入金動作とほぼ同様の動作をさせる。これは、出金動作および返却動作時にジャムが発生した場合には処理を無効にする必要があるためである。この場合、通常の入金動作とは異なり、ジャム処理の一環としての入金動作であるため、制御部75は紙幣入出金装置12内の在高が変わらないように計数を制御する。こうして、紙幣出金口23に排除された紙幣、ジャム紙幣およびエラー処理で排除した紙幣をすべて紙幣入出金装置12内に収納し終わった後、一連のジャム処理が終了し、新たに出金動作あるいは返却動作を再開させる。
紙幣入金口22に補充紙幣が投入されて操作部16に補充操作が入力されると、制御部75は、補充動作を行わせる。すなわち、図4に太線で示すように、上記した入金動作と同様にして紙幣入金口22からスタッカ38〜40に紙幣を補充する。なお、この補充動作時にジャムが発生した場合も、上記した入金動作時にジャムが発生した場合と同様の処理が行われる。
操作部16に回収指示操作が入力されると、制御部75は、回収動作を行わせる。すなわち、図6に太線で示すように、すべてのスタッカ38〜40において出金紙幣繰出部38b,39b,40bによって全紙幣を出金紙幣搬送路36に繰り出させ、リジェクト紙幣搬送路35を介して振分部54で振り分けて紙幣回収庫24に案内する。スタッカ38〜40内のすべての紙幣が紙幣回収庫24に収納されたことが検出されると制御部75は回収動作を終了する。その後、操作者は紙幣回収庫24を取り外して紙幣を取り出す。なお、回収動作においてすべての紙幣を紙幣出金口23に繰り出すようにしても良い。この場合、各金種別に回収することができる。また、いずれの回収動作においても、回収動作中にセンサ67〜70で多重搬送等の搬送不良紙幣が検出されると、この搬送不良紙幣を振分部57で振り分けて紙幣リジェクト庫59に収納させる。ここで、いずれの回収動作時においてもジャムが発生した場合は、上記した出金動作時にジャムが発生した場合とほぼ同様の処理が行われる。
紙幣入金口22に紙幣が投入された状態で操作部16に整理計数操作が入力されると、制御部75は、整理計数動作を開始させる。すなわち、図7に太線で示すように、入金紙幣繰出部30で紙幣入金口22の紙幣を一枚ずつ分離して入金紙幣搬送路31に繰り出し、紙幣識別部32で識別する。そして、すべての紙幣を振分部34で振り分けてリジェクト搬送路35に搬送するとともに、紙幣識別部32の識別結果に基づき、指定金種が無い場合には、偽券、損券および判別不能とされた紙幣を振分部54および振分部57で振り分けて出金紙幣搬送路36を介して紙幣出金口23に繰り出させ、また、真券かつ正券とされた紙幣をすべて振分部54で振り分けて紙幣回収庫24に収納させる。他方、指定金種がある場合には、操作部16にて金種指定を行った指定金種の真券かつ正券とされた紙幣を振分部54で振り分けて紙幣回収庫24に収納させ、それ以外の紙幣をすべて振分部54および振分部57で振り分けて出金紙幣搬送路36を介して紙幣出金口23に繰り出させる。そして、案内表示部17に紙幣識別部32の計数結果を表示させる。なお、この整理計数動作時にジャムが発生した場合も、上記した入金動作時にジャムが発生した場合とほぼ同様の処理が行われる。
以上に述べた本実施形態の搬送装置25が設けられた紙幣入出金装置12によれば、センサ61〜73のいずれかによって紙幣搬送路31,35,36,43,45,50〜52,55,58のいずれかにおける紙幣のジャムが検出されると、制御部75が入金紙幣繰出部30、入金紙幣搬送駆動部78、出金紙幣搬送駆動部79、リジェクト紙幣搬送駆動部80および出金紙幣繰出部38b,39b,40bのそれまで駆動されていたものの駆動を停止させることになる。そして、操作者によりジャムを発生させた紙幣が取り除かれた後、入金紙幣搬送駆動部78、出金紙幣搬送駆動部79およびリジェクト紙幣搬送駆動部80のうち停止前に駆動されていたものを駆動して、紙幣搬送路31,35,36のうち停止前に紙幣が搬送されていたものに残留する紙幣を紙幣出金口23に強制排除する強制排除動作を行うことになる。そして、この強制排除動作中に残留紙幣が、複数のセンサ61〜63,67〜70のうち、停止前に紙幣が搬送されていた搬送路に設けられたいずれか一つで検出されると、この残留紙幣が最も紙幣出金口23側にあるセンサ73で検出されるタイミングに基づいて入金紙幣搬送駆動部78、出金紙幣搬送駆動部79およびリジェクト紙幣搬送駆動部80のうち駆動されていたものを停止させることになる。このため、入金紙幣搬送駆動部78、出金紙幣搬送駆動部79およびリジェクト紙幣搬送駆動部80において何らかの理由で一時的に滞留してから移動を始める残留紙幣があってもこれがセンサ61〜63,67〜70のいずれかで検出された後は、この残留紙幣が最も紙幣出金口23側にあるセンサ73で検出されて紙幣出金口23に排除されるタイミングまでは入金紙幣搬送駆動部78、出金紙幣搬送駆動部79およびリジェクト紙幣搬送駆動部80が停止させられずに駆動状態が維持されることになる。したがって、ジャム処理において確実に残留紙幣を排除することができる。
また、強制排除動作中に残留紙幣が複数のセンサ61〜63,67〜70のいずれか一つで検出され、このセンサよりも下流側のセンサで所定時間経過しても検出されない場合、つまり残留紙幣がジャム等の何らかの原因で搬送不能になった場合に、入金紙幣搬送駆動部78、出金紙幣搬送駆動部79およびリジェクト紙幣搬送駆動部80のうち駆動されていたものの駆動を停止させて報知を行うことで、入金紙幣搬送駆動部78、出金紙幣搬送駆動部79およびリジェクト紙幣搬送駆動部80が無駄に駆動し続けられてしまうことを防止できる。
さらに、強制排除動作中に残留紙幣が所定の検出禁止のセンサ64〜66,71,72で検出された場合に入金紙幣搬送駆動部78、出金紙幣搬送駆動部79およびリジェクト紙幣搬送駆動部80のうち駆動されていたものの駆動を停止させて報知を行うため、例えば残留紙幣が紙幣出金口23以外の場所に搬送されてしまうことを防止できる。つまり、検出禁止のセンサ64〜66,71,72が、紙幣を収納するスタッカ38〜40、紙幣回収庫24および紙幣リジェクト庫59のうちの対応する一つにのみ紙幣を案内する搬送路に設けられているセンサであるため、残留紙幣が紙幣出金口23ではないスタッカ38〜40、紙幣回収庫24および紙幣リジェクト庫59等に搬送されてしまうことを防止でき、管理上好ましい。
さらに、搬送物が紙幣つまり紙葉類であり、ジャムを発生しやすいものであるため、より高い効果が得られる。勿論、搬送物として紙幣つまり紙葉類を搬送する以外の搬送装置にも適用可能である。
本発明の一実施形態の搬送装置が設けられた紙幣入出金装置を有する貨幣入出金機を示す斜視図である。 本発明の一実施形態の搬送装置が設けられた紙幣入出金装置を概略的に示す側断面図である。 本発明の一実施形態の搬送装置が設けられた紙幣入出金装置側の制御系ブロック図である。 本発明の一実施形態の搬送装置が設けられた紙幣入出金装置を概略的に示す側断面図であって、入金動作時の入金確定操作前の紙幣の搬送ルートを太線で示すものである。 本発明の一実施形態の搬送装置が設けられた紙幣入出金装置を概略的に示す側断面図であって、返却動作時および出金動作時の紙幣の搬送ルートを太線で示すものである。 本発明の一実施形態の搬送装置が設けられた紙幣入出金装置を概略的に示す側断面図であって、回収動作時の紙幣の搬送ルートを太線で示すものである。 本発明の一実施形態の搬送装置が設けられた紙幣入出金装置を概略的に示す側断面図であって、整理計数動作時の紙幣の搬送ルートを太線で示すものである。
符号の説明
23 紙幣出金口(排除口)
25 搬送装置
30 入金紙幣繰出部(搬送手段)
31 入金紙幣搬送路(搬送路)
34,42,44,54,57 振分部(搬送手段)
35 リジェクト紙幣搬送路(搬送路)
36 出金紙幣搬送路(搬送路)
38b,39b,40b 出金紙幣繰出部(搬送手段)
43,45 分岐紙幣搬送路(搬送路)
50〜52 繰出紙幣搬送路(搬送路)
61〜73 センサ(ジャム検出手段)
75 制御部(ジャム検出手段,停止制御手段)
78 入金紙幣搬送駆動部(搬送手段)
79 出金紙幣搬送駆動部(搬送手段)
80 リジェクト紙幣搬送駆動部(搬送手段)

Claims (5)

  1. 搬送路に沿って搬送物を搬送する搬送手段と、前記搬送路上に間隔をあけて設けられて搬送物を検出する複数のセンサと、前記搬送路における搬送物のジャムを検出するジャム検出手段と、該ジャム検出手段でジャムが検出されたとき前記搬送手段の駆動を停止させる停止制御手段と、搬送物を排除可能に前記搬送路を開放可能とする搬送路開放手段とを有し、
    前記ジャム検出手段によって前記搬送路上における搬送物のジャムが検出されると前記停止制御手段によって前記搬送手段の駆動を停止させ、該停止後、前記ジャムが解消された状態で、前記搬送手段を駆動して前記搬送路上の残留搬送物を排除部に強制排除する強制排除動作を行う搬送装置において、
    前記強制排除動作中に残留搬送物が前記複数のセンサのいずれか一つで検出されると、当該残留搬送物が前記複数のセンサのうち最も前記排除部側にあるセンサで検出されるタイミングに基づいて前記搬送手段を停止させることを特徴とする搬送装置。
  2. 前記強制排除動作中に残留搬送物が前記複数のセンサのいずれか一つで検出され、該センサよりも下流側のセンサで所定時間経過しても検出されない場合に前記搬送手段の駆動を停止させて報知を行うことを特徴とする請求項1記載の搬送装置。
  3. 前記強制排除動作中に残留搬送物が所定の検出禁止のセンサで検出された場合に直ちに前記搬送手段の駆動を停止させて報知を行うことを特徴とする請求項1または2記載の搬送装置。
  4. 前記検出禁止のセンサは、搬送物を収納する収納部にのみ搬送物を案内する搬送路に設けられているセンサであることを特徴とする請求項3記載の搬送装置。
  5. 前記搬送物は紙葉類であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項記載の搬送装置。
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