次に、図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態によるスロットマシン(遊技機)10の外観を示す正面図である。
(スロットマシンの概略構成)
図1に示すように、スロットマシン10の筐体は、基体11と、基体11の前面に取り付けられるフロントパネル12とから構成されている。なお、図1では、基体11の詳細な構成を省略している。
また、スロットマシン10の筐体の内部には、遊技用リールユニット30及び演出用リールユニット50が配置されている。
基体11は、前面が開口された箱形に形成されている。この基体11の内部において、下方部には、電源ユニット及びメダルを貯留しておくホッパーを含むメダル払出装置47(図12を参照)が設けられている。
また、これらの電源ユニット及びメダル払出装置47の上方には、支持板が設けられており、この支持板の上に演出用リールユニット50が搭載されている。
一方、フロントパネル12は、基体11の前面を覆うように基体11に開閉可能に取り付けられたものである。
フロントパネル12の前面側(遊技者側)には、スタートスイッチ41と、ストップスイッチ42L、42C、及び42Rと、ベットスイッチ45と、貯留解除スイッチ46とを備えた操作スイッチ40や、メダル投入口43や、メダル受け皿44等が配置されている。また、操作スイッチ40の上方部であってフロントパネル12の中央部には、透明な第2表示窓12bが設けられている。この第2表示窓12bから、基体11内部の演出用リール51L、51C、及び51Rの一部が透視できるように構成されている。また、図1において、第2表示窓12bの右側には、液晶表示装置13が設けられている。
さらに、図1に示すように、フロントパネル12の上方部、特に本実施形態では、第2表示窓12bに対して操作スイッチ40から遠ざかる側には、第1表示窓12aが設けられている。遊技用リールユニット30は、フロントパネル12の裏面側において、第1表示窓12aが形成された領域の後方に配置されている。
(操作スイッチ)
本実施形態では、スタートスイッチは、遊技者により操作可能な位置に配設されており、遊技用リール31L、31C、及び31Rと、演出用リール51L、51C、及び51Rとを回転させるとき、又は図8に示す演出選択画像13aや図11に示すデモ選択用画像13bに基づいて演出を選択するとき等に操作される。なお、本実施形態では、レバー形態のものをスタートスイッチとして採用している。以下の説明では、スタートスイッチをスタートレバーと称する。
ここで、本実施形態のスタートレバーの構成について説明する。
このスタートレバー41は、複数の異なる方向に変位自在とされており、これら複数の異なる方向のうち、少なくとも2箇所に変位を検出可能な変位検出部を備えて構成されている。以下、変位検出部が上下左右の4箇所に設けられる場合を例示するが、例えば8箇所に設けたり、或いはスタートレバー41は上下左右に変位可能であるが、変位検出部を上下の2箇所に設ける等の構成を採ることもできる。
このスタートレバー41の具体的構成例を図2に示す。ここで、図2(a)は右側断面図であり、図2(b)は(a)の破線V−Vに沿った正断面図である。
スタートレバー41はシャフト部41aを有しており、シャフト部41aの一端には遊技者が把持し又は叩く等の操作をする略球状の突起部41bが、シャフト部41aの他端には円盤状に形成された被検出部材41cがそれぞれ設けられるとともに、シャフト部41aの中央部位には弾性部材41dが設けられており、遊技者が突起部41bを操作し、その後遊技者が突起部41bを離した際に、シャフト部41aを中心位置(以下、初期位置と称す)に復帰させるための弾性部材41dによりシャフト部41aが初期位置に復帰するように構成されている。更に、被検出部材41cに対応するように、ここでは上述の変位検出部が図2(b)の上下左右の4箇所に変位検出部111a〜111dとして設けられている。
本実施形態における変位検出部111a〜111dは光センサを採用しており、窪み部112には、受光部115と発光部116とが、互いに対向するように形成され、発光部116から受光部115に赤外光が照射されている。
例えば図3(a)に示すように、遊技者が突起部41bを下方向に操作すると、上部位に設けられた検出部111aの窪み部112に被検出部材41cが進入して赤外光が遮断される。これにより、下方向への操作として検出部111aにおいて入力が検出される。同様に、遊技者が突起部41bを上方向に操作した場合には、図3(b)に示すように、下部位に設けられた検出部111bにおいて入力が検出され、遊技者が突起部41bを右方向に操作した場合には、図3(c)に示すように、左部位に設けられた検出部111cにおいて入力が検出され、遊技者が突起部41bを左方向に操作した場合には、図3(d)に示すように、右部位に設けられた検出部111dにおいて入力が検出される。
なお、変位検出部としては、上述のように光センサで構成する替わりに、機械的センサを設けても良い。
例えば、図4に示すように、上下左右の4箇所にアクチュエータロットタイプのセンサを取着し、このセンサには検出部113a〜113dが設けられる。検出部113a〜113dは、それぞれ例えば板バネ状の押圧スイッチ114を有しており、被検出部材41cが押圧スイッチ114に当接し押圧することにより押圧スイッチ114が当接部115と接することにより電気的に導通し、入力が検出される。このように構成することで、遊技者は、スタートレバーを操作した時にクリック感を得ることができ、遊技者に対してスタートレバーの操作方向を認識させ易くすることができる。
そして、本実施形態のスロットマシンでは、スタートレバー41が遊技のスタート指示機能に加えて遊技価値付与機能、即ちこれら変位検出部111a〜111d(又は113a〜113d)からの入力信号に基づいて所要の遊技価値を付与可能な遊技価値付与手段が設けられている。本実施形態のスロットマシンには、スタートレバー41の各方向へ変位に応じて、各種の演出を表出するための演出表示手段、例えば後述する演出用リール51L,51C,51Rの各回転方向を遊技者に選択させる演出をしたり、更には遊技者の選択により演出のデモンストレーションを行う手段が付与されている。
ストップスイッチ42L、42C、及び42Rは、遊技用リール31L、31C、及び31Rと、演出用リール51L、51C、及び51Rとの回転動作を停止させるとき、又は演出選択画像13aやデモ選択用画像13b等を液晶表示装置13に表示させるときに遊技者により操作されるスイッチである。このストップスイッチ42L、42C、及び42Rは、遊技用リール31L、31C、及び31Rと、演出用リール51L、51C、及び51Rとに対応して設けられている。
なお、後述するように、本実施形態においては、デモンストレーションを行うことが可能な演出を液晶表示装置13に表示し、表示した演出の中から遊技者により選択された演出のデモンストレーションを行うようにしている。そこで、デモンストレーションを行うことが可能な演出を液晶表示装置13に表示させる際にもストップスイッチ42L、42C、及び42Rが使用されるようにしている。
ベットスイッチ45は、メダル投入口43から投入された貯留中のメダル、又は入賞によって払い出された貯留中のメダルによって遊技を開始するときに遊技者により操作されるスイッチである。
貯留解除スイッチ46は、貯留中のメダルを払い出す際に、遊技者により操作されるスイッチである。
(遊技用リールユニット)
遊技用リールユニット30は、リング状の3つの遊技用リール31L、31C、及び31Rを並設したものを備える。また、遊技用リール31L、31C、及び31Rの回転中心部には、それぞれステッピングモータが連結されており、このステッピングモータの駆動制御によって、遊技用リール31L、31C、及び31Rの回転が制御される。また、各遊技用リール31L、31C、及び31Rの内周の内側には、1つの図柄を背後から照光するためのバックランプ33が固定されている(図1を参照)。
このようにしてスロットマシン10内に設けられた各遊技用リール31L、31C、及び31Rには、複数種類の図柄(役を構成する図柄等)が印刷されたリールテープが貼付されている。
図5は、正面から見て、左、中及び右の各遊技用リール31L、31C、及び31Rの外周面に表示された図柄の配列をそれぞれ展開して示す平面図である。
本実施形態の遊技用リール31L、31C、及び31Rには、それぞれ13個の図柄が表示されている。そして、フロントパネル12の第1表示窓12aから、1つの図柄が見えるように、各遊技用リール31L、31C、及び31Rが配置されている。すなわち、フロントパネル12の第1表示窓12aから、遊技用リール31L、31C、及び31Rの合計3個の図柄が透視できるようにしている。
図1では、各遊技用リール31L、31C、及び31Rの内周の内側で固定されているバックランプ33を、破線の円によって示している。これらバックランプ33の前方に位置する図柄が、それぞれ第1表示窓12aから透視できる図柄に相当する。
また、第1表示窓12aを含む部分には、図柄組合せラインL1が設けられている。図1では、この図柄組合せラインL1を2点鎖線で示している。
ここで、「図柄組合せラインL1」とは、遊技用リール31L、31C、及び31Rの停止時における図柄の並びラインであって、図柄の組合せを形成させるラインである。本実施形態では、水平方向の1本が図柄組合せラインL1として設けられている。
このように、本実施形態では、第1表示窓12aから1つの図柄が見えるように、各遊技用リール31L、31C、及び31Rを配置しているので、図柄組合せラインL1は、1本に設定されている。ただし、図柄組合せラインL1は1本に限定されない。例えば、第1表示窓12aから、上下に連続する複数の図柄が見えるように各遊技用リール31L、及び31C、31Rを配置した場合には、図柄組合せラインL1の数が増加することとなる。
さらに、図柄組合せラインL1は、メダル投入口43からのメダルの投入、又はベットスイッチ45の操作によって有効ラインとして設定される。
ここで、「有効ライン」とは、遊技用リール31L、31C、及び31Rの停止時に、いずれかの役に対応する図柄の組合せであるか否かの判別対象となるラインである。この有効ラインに、いずれかの役に対応する図柄の組合せが停止したときには、その役に応じた利益が付与される。ここで、役に応じた利益とは、メダルの払出し等である。
そして、本実施形態では、1回の遊技で遊技者によって投入されるメダルの枚数(賭数)は、一律3枚に設定されており、1枚又は2枚のメダルでは遊技を行うことができないようにしている。したがって、3枚のメダルの投入によって、図柄組合せラインL1が有効ラインとして設定される。
ただし、前述したようにして複数の図柄組合せラインL1を設けた場合には、投入されたメダルの枚数が1枚又は2枚のときでも遊技を行うことが可能になるようにしても良い。この場合には、投入されたメダルの枚数に応じて、複数の図柄組合せラインL1の中から、有効ラインと無効ラインとを設定すれば良い。
なお、「無効ライン」とは、有効ラインとして設定されない図柄組合せラインL1であって、図柄の組合せの成立対象にならないラインをいう。
(演出用リールユニット)
本実施形態における演出用リールユニット50は、リング状の3つの演出用リール51L、51C、及び51Rを並設したものを備える。また、各演出用リール51L、51C、及び51Rの回転中心部には、それぞれステッピングモータ52L、52C、及び52R(図13を参照)が連結されており、このステッピングモータ52L、52C、及び52Rの駆動制御によって、演出用リール51L、51C、及び51Rの回転が制御される。さらに、各演出用リール51L、51C、及び51Rの内周の内側には、上下に連続する図柄を背後から照光するためのバックランプ53が固定されている(図1を参照)。
このようにしてスロットマシン10内に設けられた各演出用リール51L、51C、及び51Rには、複数種類の図柄(役を構成する図柄等)が印刷されたリールテープが貼付されている。
図6は、正面から見て、左、中及び右の各演出用リール51L、51C、及び51Rの外周面に表示された図柄の配列をそれぞれ展開して示す平面図である。
本実施形態の各演出用リール51L、51C、及び51Rには、それぞれ21個の図柄が表示されている。そして、フロントパネル12の第2表示窓12bから、上下に連続する3つの図柄が見えるように、各演出用リール51L、51C、及び51Rが配置されている。すなわち、フロントパネル12の第2表示窓12bから、演出用リール51L、51C、及び51Rの合計9個の図柄が透視できるようにしている。
図1では、各演出用リール51L、51C、及び51Rの内周の内側で固定されているバックランプ53を破線の円によって示している。これらのバックランプ53の前方に位置する図柄が、それぞれ第2表示窓12bから透視できる図柄に相当する。
また、図1において、フロントパネル12の第2表示窓12bを含む部分には、図柄組合せラインL2が設けられている。図1では、この図柄組合せラインL2を2点鎖線で示している。
ここで、「図柄組合せラインL2」とは、演出用リール51L、51C、及び51Rの停止時における図柄の並びラインであって、図柄の組合せを形成させるラインである。図1に示すように、本実施形態では、水平方向の中段、上段及び下段にそれぞれ設けられた3つのラインと、右下がりの斜め方向のラインと、左下がりの斜め方向のラインとの合計5本のラインが、図柄組合せラインL2として設けられている。そして、各演出用リール51L、51C、及び51Rの上下に連続する3つ図柄は、それぞれ1つ以上の図柄組合せラインL2上に位置している。
このように、本実施形態では、第2表示窓12bから上下に連続する3つの図柄が見えるように、各演出用リール51L、51C、及び51Rを配置しているので、図柄組合せラインL2は、5本に設定されている。ただし、図柄組合せラインL2は5本に限定されない。例えば、第2表示窓12bから、上下に連続する4つの図柄が見えるように各遊技用リール51L、51C、及び51Rを配置した場合には、図柄組合せラインL2の数が増加することになる。このように、上下に連続する4つの図柄が見えるように、各演出用リール51L、51C、及び51Rを配置した場合には、水平方向における図柄組合せラインL2の数は、4本となる。さらに、右下がり及び左下がりの斜め方向の各図柄組合せラインL2は、それぞれ2本となる。よって、合計で8本の図柄組合せラインL2が形成されるようになる。
図1に示した5本の図柄組合せラインL2のうち、所定の図柄組合せラインL2が有効ラインに設定される。前述したように、本実施形態では、1回の遊技で遊技者によって投入されるメダルの枚数(賭数)は、一律3枚に設定されている。すなわち、メダルの投入枚数が、1枚又は2枚では遊技を行うことができないようにしている。そして、3枚のメダルの投入によって、全ての(5本の)図柄組合せラインL2を有効ラインに設定している。このときは、遊技用リールユニット30の図柄組合せラインL1も、役の入賞に係わるラインとして有効ラインに設定される。
ただし、投入されたメダルの枚数が1枚又は2枚のときでも、遊技を行うことが可能になるようにしても良い。この場合には、投入されたメダル枚数に応じて、複数の図柄組合せラインL2の中から、有効ラインと無効ラインとが設定される。
ここで、図柄組合せラインL2の有効ラインとは、演出用リール51L、51C、及び51Rの停止時に、遊技者に対して何らかの利益を付与する図柄の組合せであるか否かの判別対象となるラインである。
一方、図柄組合せラインL2の無効ラインとは、例えばメダルの投入枚数が1枚又は2枚のときに生じ、前記有効ラインとして設定されない図柄組合せラインであって、図柄の組合せの成立対象にならないラインをいう。
また、図柄組合せラインL2に対する有効ラインの数を、メダルの投入枚数に応じて変化させる場合には、例えば、以下のようにして有効ラインと無効ラインとを設定すればよい。
先ず、メダルの投入枚数が1枚であるときには、水平方向中段の図柄組合せラインL2(1本)を有効ラインに設定するとともに、残りの4本の図柄組合せラインL2を無効ラインに設定する。また、メダルの投入枚数が2枚であるときには、水平方向中段、上段及び下段の図柄組合せラインL2(合計3本)を有効ラインに設定するとともに、他の2本の図柄組合せラインL2を無効ラインに設定する。さらに、本実施形態のように、メダルの投入枚数が3枚であるときには、全ての図柄組合せラインL2(合計5本)を有効ラインに設定し、無効ラインは存在しないようにする。
(遊技用リールと演出用リールとの関係)
続いて、遊技用リール31L、31C、及び31Rと、演出用リール51L、51C、及び51Rとの関係について説明する。
本実施形態では、従来のスロットマシンにおいて通常の遊技用リールが配置されている位置に、演出用リール51L、51C、及び51Rを配置している。また、従来のスロットマシンにおいて液晶表示装置等の演出表示装置が配置されている、スロットマシン内の上方部に、遊技用リール31L、31C、及び31Rを配置している。
本実施形態の演出用リールユニット50の各演出用リール51L、51C、及び51Rは、その回転動作と、その停止動作と、最終的位置での各演出用リール51L、51C、及び51Rの図柄の組合せとのうち、少なくとも1つによって、演出を行うものである。また、遊技用リールユニット30の各遊技用リール31L、31C、及び31Rは、従来の一般的なスロットマシンに設けられているリールと同等の機能を果たすものであり、停止時の各遊技用リール31L、31C、及び31Rの図柄の組合せにより、遊技の結果を表示するものである。
本実施形態の遊技用リール31L、31C、及び31Rは、演出用リール51L、51C、及び51Rよりも小さく形成されている。すなわち、各遊技用リール31L、31C、及び31Rの直径をL、各演出用リール51L、51C、及び51Rの直径をL´としたとき、
L'>L
としている。
本実施形態では、遊技用リール31L、31C、及び31Rの直径を約120mm、横幅を約44.5mmとした。これに対し、演出用リール51L、51C、及び51Rの直径を約230mm、横幅を約80mmとした。すなわち、遊技用リール31L、及び31C、31Rの直径及び横幅の双方が、それぞれ演出用リール51L、51C、及び51Rの直径及び横幅よりも小さく形成されるようにした。これに伴い、第1表示窓12aの領域は、第2表示窓12bの領域よりも小さく形成される。
従来のスロットマシンでは、演出表示装置の表示領域は、遊技の結果を表示するリール上の図柄の表示領域よりも小さいのが普通である。これは、スロットマシンでの遊技の結果は、本実施形態の遊技用リール31L、31C、及び31Rに相当するリールが停止したときの図柄の組合せにより決定されるのであって、演出表示装置の表示内容によって決定されるものではないからである。すなわち、演出表示装置は、遊技の結果が決定するまで(少なくとも1つのリールの回転中)、あるいは遊技の結果が決定した後(全てのリールの停止後)に、役が当選する可能性がどの程度あるのか等を報知する装置であり、遊技の進行において補助的な役割を有する装置だからである。
これに対し、本実施形態では、遊技用リール31L、31C、及び31Rと、演出用リール51L、51C、及び51Rとの大きさの関係、及び第1表示窓12aと、第2表示窓12bとの大きさの関係を前述のようにする。さらに、図1に示したように、前面側から見て、操作スイッチ40の上部に演出用リールユニット50(第2表示窓12b)を配置し、演出用リールユニット50から操作スイッチ40に対して遠ざかる側に遊技用リールユニット30(第1表示窓12a)を配置している。
言い換えれば、前面側から見て、遊技用リールユニット30(第1表示窓12a)と、操作スイッチ40との間に、演出用リールユニット50(第2表示窓12b)を配置している。
このような構成とすることにより、前面側から見て、スロットマシン10の略中央に、すなわち、遊技者が遊技を行っているときに最も見やすく、且つ遊技用リール31L、31C、及び31Rよりも視界に入りやすい位置にある演出用リール51L、51C、及び51Rを、演出のためのリールにすることできる。これにより、リールの停止状況を見ながら遊技が進行することを維持しつつ、演出が中心となって遊技を進行させることができる。
詳細は後述するが、スロットマシン10の略中央にあるリールを、演出のための演出用リール51L、51C、及び51Rにすることによって、遊技の結果を表示するための従来のリールでは実現することができなかった多種多様な動きを、遊技者にとって見易い位置にあるリールに行わせることができる。
本実施形態では、遊技用リール31L、31C、及び31Rの直径をL、演出用リール51L、51C、及び51Rの直径をL´としたときに、
L≧L'/2
を満たすようにした。
また、遊技用リール31L、31C、及び31Rの直径Lの大きさと、演出用リール51L、51C、及び51Rの直径L´の大きさとの関係と、後述する遊技用リール31L、31C、及び31Rの停止制御と、演出用リール51L、51C、及び51Rの停止制御とを考慮して、遊技用リール31L、31C、及び31Rの図柄数Nと、演出用リール51L、51C、及び51Rの図柄数N´との関係を、
N´>N>N´/2
とした。
さらに、本実施形態では、遊技用リール31L、31C、及び31Rの図柄の配列ピッチ(=(L×π)/N)と、演出用リール51L、51C、及び51Rの図柄の配列ピッチ(=(L´×π)/N´)との関係を、
(L×π)/N≦(L´×π)/N´
とした。
ここで、演出用リール51L、51C、及び51Rの図柄数N´を21個に設定した場合に、N/N´の値がL/L´の値に最も近くなるようにNを決定すれば、遊技用リール31L、31C、及び31Rの図柄数Nは、11個となる。しかし、本実施形態では、遊技用リール31L、31C、及び31Rの図柄の配列間隔を、演出用リール51L、51C、及び51Rの図柄の配列間隔よりやや狭めとし、且つ前記図柄の配列間隔が適当な値となるように、遊技用リール31L、31C、及び31Rの図柄数Nを13個とした。
これにより、遊技者による遊技用リール31L、31C、及び31R上の図柄と、演出用リール51L、51C、及び51R上の図柄との視認性を確保しつつ、遊技用リール31L、31C、及び31Rに表示可能な図柄数と、演出用リール51L、51C、及び51Rに表示可能な図柄数とのバランスをとることができる。
特に、遊技用リール31L、31C、及び31Rの図柄が必要以上に小さくなってしまうと、遊技用リール31L、31C、及び31Rの回転中の図柄の識別性が劣ることとなる。遊技者にとって視認性を良くするために、図柄の大きさは、縦25mm以上、横35mm以上であることが好ましい。そこで、本実施形態では、遊技用リール31L、31C、及び31Rの横幅を、前述のように約45mmとすることで、1つの図柄が表示される領域における横の長さを35mm以上確保できるようにした。さらに、遊技用リール31L、31C、及び31Rの直径Lを約120mmにし、かつ遊技用リール31L、31C、及び31Rの図柄数Nを13個にすることで、1つの図柄が表示される領域における縦の長さを25mm以上確保できるようにした。
このように、遊技用リール31L、31C、及び31Rの図柄数Nを13個、遊技用リール31L、31C、及び31Rの直径Lを120mmとした場合、前記図柄の配列間隔PPは、
PP=(120×3.14)/13=29mm
となる。
また、遊技用リール31L、31C、及び31Rの直径L及び図柄数Nと、演出用リール51L、51C、及び51Rの直径L´及図柄数N´との関係に見合うように、遊技用リール31L、31C、及び31Rの外部(第1表示窓12a)から透視できる図柄数Rと、演出用リール51L、51C、及び51Rの外部(第2表示窓12b)から視認できる図柄数R´との関係、及び遊技用リール31L、31C、及び31Rにおける図柄組合せラインL1の数Pと、演出用リール51L、51C、及び51Rにおける図柄組合せラインL2の数P´との関係を、それぞれ、
R<R´
及び
P<P´
とした。
演出用リール51L、51C、及び51Rの外部から視認できる図柄数R´は3個であるのに対し、遊技用リール31L、31C、及び31Rの外部から視認できる図柄数Rは1個である。
また、演出用リール51L、51C、及び51Rにおける図柄組合せラインL2の数P´は5本であるのに対し、遊技用リール31L、31C、及び31Rにおける図柄組合せラインL1の数Pは1本である。
ただし、前述したように、R=1、P=1以外にし、各遊技用リール31L、31C、及び31Rの連続する2つの図柄が、第1表示窓12aから視認できるようにし、水平方向の2本を図柄組合せラインL1に設定することも可能である。すなわち、R=2、P=2に設定することも可能である。
ところで、遊技用リール31L、31C、及び31Rの図柄数Nと、演出用リール51L、51C、及び51Rの図柄数N´との関係を前述のように設定したのは、ストップスイッチ42L、42C、及び42Rが操作されたときから、遊技用リール31L、31C、及び31Rと、演出用リール51L、51C、及び51Rとが停止するまでの、遊技用リール31L、31C、及び31Rと、演出用リール51L、51C、及び51Rとの最大移動回転角度をほぼ一定にするためである。このようにすることで、遊技用リール31L、31C、及び31Rと、演出用リール51L、51C、及び51Rとを、遊技者に違和感を与えることなく停止させることができるとともに、遊技用リール31L、31C、及び31Rと、演出用リール51L、51C、及び51Rとの停止制御により、有効ライン上に停止させるべき図柄の組合せに、ある程度の幅を持たせることができる。
ここで、遊技用リール31L、31C、及び31Rに相当する従来のリールでは、役の当選時に、遊技者がその当選役に対応する図柄の組合せを有効ラインに比較的容易に停止させることができるようにするため、ストップスイッチが操作されてから実際にリールが停止するまで、一定数の図柄を移動可能にしている。一方、ストップスイッチの操作後に、リールが不自然に停止しないように、ストップスイッチのオンを検知したときから、リールが停止するまでの時間は、通常、190ms以下に設定されている。また、リールの回転時には、リール上の図柄を遊技者がおおむね識別できるようにするため、リールの回転速度は、1分間に80回転を超えないように設定されている。
以上のことを考慮して、従来では、リール上の図柄を21個とした場合、ストップスイッチのオンを検知してからリールが停止するまでの最大移動図柄数は、ストップスイッチのオンを検知した瞬間に位置する図柄を含めて5図柄に設定されている。
そして、このような従来のリールの動作に鑑みて、本実施形態においては、演出用リール51L、51C、及び51Rの最大移動図柄数を、原則として5図柄に設定している。
また、遊技用リール31L、31C、及び31Rの回転速度と停止制御とを、演出用リール51L、51C、及び51Rに準じるようにするための、遊技用リール31L、31C、及び31Rの最大移動図柄数Kと、演出用リール51L、51C、及び51Rの最大移動図柄数をK´との関係は、遊技用リール31L、31C、及び31Rの図柄数Nと、演出用リール51L、51C、及び51Rの図柄数N´との関係より、
K<K´
に設定される。
特に、本実施形態では、
K≧K´/2
に設定している。
さらに、遊技用リール31L、31C、及び31Rの最大移動図柄数Kを、
(N×K´)/N´
以下の整数の最大値に設定している。
すなわち、遊技用リール31L、31C、及び31Rの図柄数Nを13個、演出用リール51L、51C、及び51Rの図柄数N´を21個とし、かつ演出用リール51L、51C、及び51Rの最大移動図柄数K´を5個としたとき、遊技用リール31L、31C、及び31Rの最大移動速度Kは、
K=13×5/21≒3.095
となる。
よって、3.095以下の整数の最大値は3であるので、遊技用リール31L、31C、及び31Rの最大移動図柄数Kを3図柄とした。
なお、遊技用リール31L、31C、及び31Rの図柄数Nが少なすぎると、それに応じて停止時の最大移動図柄数Kが少なくなる。例えば、前述したように、(N/N´)の値が(L/L´)の値に最も近くなるように、遊技用リール31L、31C、及び31Rの図柄数Nを決定すれば、遊技用リール31L、31C、及び31Rの図柄数Nは11個である。しかしながら、この場合には、最大移動図柄数Kが2図柄となってしまう。これにより、遊技用リール31L、31C、及び31Rの停止時における図柄の組合せ総数、あるいは遊技用リール31L、31C、及び31Rの図柄配列が制約を受けやすくなる。
このため、本実施形態では、前述のように、遊技用リール31L、31C、及び31Rの図柄配列間隔を、演出用リール51L、51C、及び51Rの図柄配列間隔よりやや狭めとし、
N>N'/2
の関係が成り立つようにする。これにより、遊技用リール31L、31C、及び31Rを小さく形成しつつも、演出用リール51L、51C、及び51Rに準じた停止制御を行ったときの、遊技用リール31L、31C、及び31Rの最大移動図柄数を十分に確保することができる。本実施形態では、遊技用リール31L、31C、及び31Rの図柄数Nを13個とすることで、遊技用リール31L、31C、及び31Rの停止制御を、演出用リール51L、51C、及び51Rに準じるようにし、且つ遊技用リール31L、31C、及び31Rの最大移動図柄数Kが3図柄となるようにした。
図5において、例えば左の遊技用リール31Lの図柄に着目すると、1番上から順に、「スイカ」、「ふどう」、及び「レモン」の図柄が配列されているが、3番目の「レモン」の位置が有効ライン上に位置する瞬間にストップスイッチ42Lが操作されると、この「レモン」の他に、その上の「ぶどう」、及びさらにその上の「スイカ」を有効ラインに停止させることができる。
そして、図5に示した例では、左の遊技用リール31Lについては、「スイカ」及び「ぶどう」は、3図柄以内の間隔で配置されている。これにより、遊技用リール31Lについては、どの位置でストップスイッチ42Lが操作されても、「スイカ」及び「ぶどう」を有効ラインに停止させることが可能となる。
また、中央の遊技用リール31Cの「桃(例えば、1番上の図柄)」及び「ぶどう(例えば、上から2番目の図柄)」についても同様に、3図柄以内の間隔で配列されている。さらに、右の遊技用リール31Rの「桃(例えば、1番上の図柄)」及び「レモン(例えば、上から2番目の図柄)」についても同様に、3図柄以内の間隔で配列されている。
したがって、「スイカ/ぶどう」−「桃/ぶどう」−「桃/レモン」の図柄の組合せ(全部で8通り)に対応させた役については、どの位置でストップスイッチ42L、42C、及び42Rが操作されても、常に、有効ラインに停止させることができる。言い換えれば、遊技用リール31L、31C、及び31Rの停止制御によって、前記図柄の組合せに対応する役を常に入賞させることができる。
また、本実施形態では、遊技用リール31L、31C、及び31Rの回転速度が約78.13rpm(1周時間が約768ms)、演出用リール51L、51C、及び51Rの回転速度が約79.87rpm(1周時間が約751ms)となるように、各リールの回転速度を制御している。
具体的には、遊技用リール31L、31C、及び31Rを回転させるためのステッピングモータ32L、32C、及び32R(図12を参照)の1回転あたりのステップ数と、演出用リール51L、51C、及び51Rを回転させるためのステッピングモータ52L、52C、及び52R(図13を参照)の1回転あたりのステップ数とを、ともに400としている。
さらに、本実施形態では、ステッピングモータ32L、32C、及び32Rにおける、1ステップ当たりの回転駆動時間(割込み時間)を約1.92msにしている。これにより、ステッピングモータ32L、32C、及び32Rが1回転するのに要する時間を、(1.92ms×400ステップ=)約768msにすることができる。一方、ステッピングモータ52L、52C、及び52Rにおける、1ステップ当たりの回転駆動時間(割込み時間)を約1.878msにしている。これにより、ステッピングモータ52L、52C、及び52Rが1回転するのに要する時間を、(1,878ms×400ステップ=)約751msにすることができる。
このようにすることで、遊技用リール31L、31C、及び31Rの回転速度と、演出用リール51L、51C、及び51Rの回転速度とは、近似するが同一ではない、すなわち同期していないこととなる。よって、演出用リール51L、51C、及び51Rを遊技用リール31L、31C、及び31Rの目押し補助として用いることができないようにすることができる。すなわち、演出用リール51L、51C、及び51Rの回転中の特定の図柄を識別することによって、遊技用リール31L、31C、及び31Rの特定の図柄を目押しする(特定の図柄が停止するように狙う)ことができないようにすることができる。
なお、遊技用リール31L、31C、及び31Rの回転速度と、演出用リール51L、51C、及び51Rの回転速度とが同期しないようにする場合には、遊技用リール31L、31C、及び31Rが最大回転速度に達したときの回転速度と、演出用リール51L、51C、及び51Rが最大回転速度に達したときの回転速度とが同期しないようにすれば良い。
例えば、遊技用リール31L、31C、及び31Rの回転開始時から最大回転速度(等速度)に達するまでの加速域と、演出用リール51L、51C、及び51Rの回転開始時から最大回転速度(等速度)に達するまでの加速域とにおいて、遊技用リール31L、31C、及び31Rの回転速度と、演出用リール51L、51C、及び51Rの回転速度とが一致する瞬間が存在したとしても、通常は、役の入賞に直接関係する遊技用リール31L、31C、及び31Rの加速域では、ストップスイッチ42L、42C、及び42Rを有効にしないようにし、遊技用リール31L、31C、及び31Rが等速度に達した後にストップスイッチ42L、42C、及び42Rの操作が有効になるようにしている。したがって、遊技用リール31L、31C、及び31Rの回転速度と、演出用リール51L、51C、及び51Rの回転速度とがともに等速度である最大回転速度に達したときに、両者の回転速度が同期しないように制御すれば、演出用リール51L、51C、及び51Rを遊技用リール31L、31C、及び31Rの目押し補助として用いることができないようにすることができる。
(通常遊技時のスロットマシンの概略動作)
次に、スロットマシン10における通常遊技について説明する。
通常遊技では、遊技者が、メダル投入口43から3枚のメダルを投入するか、ベットスイッチ45を操作すると、第1の表示窓12aにおける図柄組合せラインL1及び第2の表示窓12bにおける図柄組合せラインL2の全てのラインが有効ラインとして設定される。その後、遊技者がスタートレバー41を操作すると、遊技用リール31L、31C、及び31Rが全て回転し始める。
続いて、遊技者がストップスイッチ42L、42C、及び42Rを操作すると、操作されたストップスイッチ42L、42C、及び42Rに対応する遊技用リール31L、31C、及び31Rの回転が停止する、そして、ストップスイッチ42L、42C、及び42Rの全てが操作され、遊技用リール31L、31C、及び31Rの全てが停止した際、有効ライン上に並んだ遊技用リール31L、31C、及び31Rの図柄の組合せが、予め定められた何らかの役の図柄の組合せと一致するときは入賞となり、その入賞役に応じてメダルの払い出しや再遊技等が行われる。
ここで、本実施形態においては、3枚のメダルが投入された後、又はベットスイッチ45が操作された後に、スタートレバー41が操作されると、原則として、遊技用リール31L、31C、及び31Rとともに演出用リール51L、51C、及び51Rの全てが回転し始める。その後、各ストップスイッチ42L、42C、及び42Rが操作されると、その操作されたストップスイッチ42L、42C、及び42Rに対応する、遊技用リール31L、31C、及び31Rの回転と演出用リール51L、51C、及び51Rの回転とが停止する。例えば、ストップスイッチ42Lが操作されると、遊技用リール31Lと演出用リール51Lの回転が停止する。
なお、各演出用リール51L、51C、及び51Rの動きは、対応する各遊技用リール31L、31C、及び31Rに必ずしも連動しているわけではなく、後述する様々な演出に応じて任意である。
本実施形態のスロットマシンには、以上のような機能の他に、本実施形態の特徴である、「スタートレバーを用いて遊技者に演出を選択させる機能」、「遊技者に選択された演出を実行する機能」、及び「演出のデモンストレーションを行う機能」などを有している。以下に、これら本実施形態の特徴部分について説明する。
(遊技者選択系演出時のスロットマシンの概略動作)
次に、図7のタイミングチャートを参照しながら、遊技者が選択した演出を実行する際のスロットマシンの概略動作の一例を説明する。図7に示すタイミングチャートでは、図面に向かって左から右の方へ時間が経過する。なお、以下の説明においては、遊技者の選択に応じて行われる演出を「遊技者選択系演出」と称する。
まず、メダル投入口43に3枚のメダルが投入されるか、又はベットスイッチ45が操作されることにより3枚のメダルが投入されると、演出選択用画像を液晶表示装置13に表示する。図8は、液晶表示装置13に表示される演出選択用画像の一例を示す図である。
図8に示す演出選択用画像13aのように、本実施形態では、変位検出部の数と同数の、4つの演出の中から1つの演出を選択することができるようにしている。以下に、これら4つの演出の具体例を説明する。
(1) 逆回転演出
図9(a)に示すように、逆回転演出では、演出用リール51L、51C、及び51Rの回転方向を通常と逆方向にする。具体的に説明すると、スタートレバー41が操作されると、演出用リール51L、51C、及び51Rの図柄が第2表示窓12b内において下から上に移動表示されるように、演出用リール51L、51C、及び51Rを回転させる。そして、ストップスイッチ42L、42C、及び42Rが遊技者により操作されると、操作されたストップスイッチ42L、42C、及び42Rに対応する演出用リール51L、51C、及び51Rを停止させる。例えば、ストップスイッチ42Lが操作されると、第2表示窓12b内において下から上に向けて回転している演出用リール51Lが停止する。
この逆回転演出は、スタートレバー41が上方向に操作されたときに選択される。
なお、以下の説明では、演出用リール51L、51C、及び51Rの図柄が第2表示窓12b内において上から下に移動表示されるように演出用リール51L、51C、及び51Rが回転することを正回転と称する。また、演出用リール51L、51C、及び51Rの図柄が第2表示窓12b内において下から上に移動表示されるように演出用リール51L、51C、及び51Rが回転することを逆回転と称する。
(2) 第1の正逆両回転演出(正逆両回転演出1)
図9(b)に示すように、第1の正逆両回転演出では、スタートレバー41が操作されると、演出用リール51L、51C、及び51Rが、正回転と逆回転とを交互に行うようにする。その後、ストップスイッチ42L、42C、及び42Rが遊技者により操作されると、操作されたストップスイッチ42L、42C、及び42Rに対応する演出用リール51L、51C、及び51Rを停止させる。
この第1の正逆両回転演出は、スタートレバー41が左方向に操作されたときに選択される。
(3) 第2の正逆両回転演出(正逆両回転演出2)
図9(c)に示すように、第2の正逆両回転演出では、スタートレバー41が操作されると、演出用リール51L、51C、及び51Rを正回転させる。その後、ストップスイッチ42L、42C、及び42Rが遊技者により操作されると、操作されたストップスイッチ42L、42C、及び42Rに対応する演出用リール51L、51C、及び51Rを一旦停止させる。そして、演出用リール51L、51C、及び51Rの全てを一旦停止させると、その一旦停止させた演出用リール51L、51C、及び51Rを、スタートレバー41の操作に依らずに自動的に再回転(例えば正回転)させる。そして、再回転させた演出用リール51L、51C、及び51Rが、正回転と逆回転とを交互に行うようにする。その後、再回転させた演出用リール51L、51C、及び51Rを、ストップスイッチ42L、42C、及び42Rの操作に依らずに自動的に停止させる。
この第2の正逆両回転演出は、スタートレバー41が右方向に操作されたときに選択される。
(4) 高速回転演出
図9(d)に示すように、高速回転演出では、スタートレバー41が操作されると、演出用リール51L、51C、及び51Rを、通常の速度よりも高速で正回転させる。その後、ストップスイッチ42L、42C、及び42Rの操作に依らずに演出用リール51L、51C、及び51Rを順次一旦停止させる。そして、一旦停止させた演出用リール51L、51C、及び51Rが、スタートレバー41の操作に依らずに自動的に高速で正回転を開始するようにする。その後、ストップスイッチ42L、42C、及び42Rの操作に依らずに演出用リール51L、51C、及び51Rを自動的に順次停止させる。
この高速回転演出は、スタートレバー41が下方向に操作されたときに選択される。前記において、通常の速度とは、例えば、約79.87rpmである。
なお、前述した演出選択用画像13aを用いて選択できる演出の種類は、一例であり、前述したものに限定されない。例えば、後述する図柄告知系演出、リーチ系演出、変則ストップ系演出、及びナビ演出などであってもよい。また、演出選択用画像13aを用いて選択できる演出の数も4つに限定されない。
また、演出を選択できる旨の報知を遊技者に対して行うようにしてから、演出選択用画像13aを表示するようにしてもよい。前記において、演出を選択できる旨は、例えば、「演出を選択してください」という内容を液晶表示装置13に表示して、遊技者に報知するようにすればよい。
図7に説明を戻し、以上のような演出選択用画像13aを表示した後、遊技者によりスタートレバー41が操作されると、遊技用リール31L、31C、及び31Rを通常の速度で正回転させるとともに、スタートレバー41の操作方向に応じた演出が行われるように、演出用リール51L、51C、及び51Rを回転させる。図7では、スタートレバー41が上方向に操作された場合、すなわち逆回転演出を行う場合を例に挙げて示している。
その後、ストップスイッチ42L、42C、及び42Rが操作されると、操作されたストップスイッチ42L、42C、及び42Rに対応する、遊技用リール31L、31C、及び31Rと、演出用リール51L、51C、及び51Rとを停止させる。
(デモンストレーション時のスロットマシンの概略動作)
次に、図10のタイミングチャートを参照しながら、演出のデモンストレーションを実行する際のスロットマシンの概略動作の一例を説明する。図10に示すタイミングチャートでは、図面に向かって下から上の方へ時間が経過する。
まず、メダル投入口43からメダルが投入されず、且つベットスイッチ45が操作されていない状態で、スタートレバー41と、ストップスイッチ42L、42C、及び42Rの何れか1つとが、順次操作されると、デモ選択用画像を液晶表示装置13に表示する。図11は、液晶表示装置13に表示されるデモ選択用画像の一例を示す図である。
図11に示すデモ選択用画像13bのように、本実施形態では、変位検出部の数と同数の、4つの演出の中から1つを、デモンストレーションを行う演出として選択することができるようにしている。
図11に示すデモ選択用画像13bでは、スタートレバー41が上に操作されると、後述する特定遊技に移行する期待度が80%である演出のデモンストレーションを行うことが選択されるようにしている。同様に、スタートレバー41が、左、右、及び下に操作されると、特定遊技に移行する期待度が、それぞれ60%、30%、10%である演出のデモンストレーションを行うことが選択されるようにしている。
ただし、これらの演出は、スロットマシン10の仕様により設定されるものであり、どのような演出であってもよい。必ずしも演出用リール51L、51C、及び51Rを用いた演出である必要はなく、バックランプ53等の他の演出装置を用いた演出であってもよい。さらに、演出用リール51L、51C、及び51Rと、バックランプ53等の他の演出装置とを組み合わせた演出であってもよい。また、デモ選択用画像13bで選択できる演出の数も4つに限定されない。
図10に説明を戻し、以上のようなデモ選択用画像13bを表示した後、遊技者によりスタートレバー41が操作されると、スタートレバー41の操作方向に応じた演出のデモンストレーションを行うべく、例えば、演出用リール51L、51C、及び51Rを回転させる。このとき、演出用リール51L、51C、及び51Rの回転が、遊技に伴う演出ではなく、デモンストレーションであることを遊技者に報知するために、デモ演出報知ランプ54を点灯させる。
(メイン制御基板の概要)
図12は、メイン制御基板の機能構成の一例を示すブロック図である。
メイン制御基板104は、遊技の進行等の遊技全体を統括制御するものである。具体的にメイン制御基板104は、役の抽選や、遊技用リール31L、31C、及び31Rの駆動や、役入賞時のメダルの払い出し等を行う。このようなメイン制御基板104には、演算等を行うCPU、遊技プログラム及び遊技用データを記憶したROM、及び各種データを一時的に記憶するRAM等を備えるものである。
また、メイン制御基板104は、ハーネスを介してサブ制御基板108に演出実行指令等を送信する。サブ制御基板108は、この演出実行指令等によって、演出全体の制御を行う。このように、メイン制御基板104は、サブ制御基板108の上位に属する基板である。
図12に示すように、メイン制御基板104の入力側(図12中、左側)には、前述したスタートスイッチ41と、ストップスイッチ42L、42C、及び42Rと、ベットスイッチ45と、メダル投入口43からメダルが投入されたことを検出するメダル投入検出部43aとが電気的に接続されている。
また、メイン制御基板104の出力側(図12中、右側)には、各遊技用リール31L、31C、及び31Rに連結されたステッピングモータ32L、32C、及び32Rが電気的に接続されている。
スタートレバー41が操作されると、そのときに発生する信号がメイン制御基板104に入力される。メイン制御基板104は、メダルが投入された状態でこの信号を受信すると、全てのステッピングモータ32L、32C、及び32Rを駆動させる。このようにして遊技用リール31L、31C、及び31Rが、ステッピングモータ32L、32C、及び32Rによって回転されることで、遊技用リール31L、31C、及び31R上の図柄は、第1表示窓12a内で上下方向に所定の速度で移動しながら表示される。ここで、スタートレバー41が操作されたときに発生する信号とは、スタートレバー41が操作されたことを示す信号と、スタートレバー41の操作方向を示す信号とを含む信号である。
また、メイン制御基板104は、スタートレバー41が操作されたことをサブ制御基板80に伝える。
ここで、メイン制御基板104は、スタートレバー41が操作されたことを、所定時間だけ遅延させて、サブ制御基板108に伝えるようにする。特に、本実施形態では、ソフトウェア乱数等によってランダムに、0〜39msの範囲で遅延時間を決定するようにしている。
これにより、遊技用リール31L、31C、及び31Rと演出用リール51L、51C、及び51Rとの始動のタイミングを異ならせることができる。したがって、演出用リール51L、51C、及び51Rを、遊技用リール31L、31C、及び31Rの目押し補助として用いることができないようにすることが、より確実に実現できる。例えば39msの遅延時間が発生すると、遊技用リール31L、31C、及び31Rと、演出用リール51L、51C、及び51Rとの始動のタイミングは、演出用リール51L、51C、及び51R上の図柄で約1図柄分ずれることになる。
このようにして遊技用リール31L、31C、及び31Rを回転させた後、ストップスイッチ42L、42C、及び42Rが遊技者により操作されると、そのときに発生する信号がメイン制御基板104に入力される。メイン制御基板104は、この信号を受信すると、そのストップスイッチ42L、42C、及び42Rに対応するステッピングモータ32L、32C、及び32Rを制御して、遊技用リール31L、31C、及び31Rの停止制御を行う。
なお、本実施形態では、メイン制御基板104は、スタートスイッチ41が操作されたことだけでなく、ストップスイッチ42L、42C、及び42Rが操作されたこと等もサブ制御基板108に伝える。
(サブ制御基板の概要)
図13は、サブ制御基板の機能構成の一例を示すブロック図である。
サブ制御基板108は、遊技中における演出を制御する基板であって、サウンドの出力や、ランプ類の点灯や、演出用リール51L、51C、及び51Rの動作制御等を行うものである。このサブ制御基板108は、演算等を行うCPU、演出用プログラム及び演出用データを記憶したROM、及び各種データを一時的に記憶するRAM等を備えるものである。前述したように、サブ制御基板108は、メイン制御基板104から送信された信号に基づいて、演出全体の制御を行う基板であり、メイン制御基板104の下位に属する基板である。
図13に示すように、サブ制御基板108の出力側には、各演出用リール51L、51C及び、51Rに連結されたステッピングモータ52L、52C、及び52Rが電気的に接続されている。
サブ制御基板108は、スタートスイッチ41が操作されたことが、メイン制御基板104から伝えられると、原則として、演出用リール51L、51C、及び51Rを始動させるためにステッピングモータ52L、52C、及び52Rを始動させる。ただし、サブ制御基板108は、メイン制御基板104からの情報に基づいて、演出用リール51L、51C、及び51Rに対して種々の動作を行わせることができる。
また、サブ制御基板108の出力側には、液晶表示装置13、バックランプ33、53、デモ演出報知ランプ54、及びスピーカ22が電気的に接続されている。
ここで、液晶表示装置13は、前述した演出選択用画像13a及びデモ選択用画像13bや、演出画像を表示するための装置である。ここで、演出画像とは、メイン制御基板104からの情報に基づいて決定された演出パターンに従って、遊技中に出力される画像である。
バックランプ33、53は、スロットマシン10の演出用のランプであり、所定の条件を満たしたときに、それぞれ所定のパターンで点灯する。図1に示したように、バックランプ33は、各遊技用リール31L、31C、及び31Rの内周側に配置されている。また、バックランプ53は、各演出用リール51L、51C、及び51Rの内周側に配置されている。
デモ演出報知ランプ54は、演出のデモンストレーションを行っている最中に点灯するものであり、スロットマシン10の上部に配置されている。なお、本実施形態では、演出のデモンストレーションを行っている最中にデモ演出報知ランプ54を点灯させるようにしたが、演出のデモンストレーションが終了した後、所定時間が経過するまで、又は所定の動作が行われるまでデモ演出報知ランプ54を点灯させるようにしてもよい。更には、デモンストレーションの報知を、必ずしもデモ演出報知ランプ54を用いて行う必要はなく、例えば、液晶表示装置13を用いて行うようにしてもよい。
スピーカ22は、遊技中に各種の演出を行うべく、所定の条件を満たしたときに、所定のサウンドを出力するものである。本実施形態では、図1に示したように、スピーカ22は、スロットマシン10の下部から所定のサウンドが出力されるように構成されている。
(メイン制御基板の機能)
以上のような動作を実行するために、図13に示したメイン制御基板104は、スタート入力判定部60、レバー入力方向判定部61、メダル投入判定部62、役抽選部63、抽選テーブル64、抽選結果記憶部65、コマンド生成部66、コマンド送信部67、停止入力判定部68、遊技用リール制御部69、遊技用リール停止位置決定テーブル70、入賞判別部71、及び入賞処理部72を備えている。
スタート入力判定部60、レバー入力方向判定部61、メダル投入判定部62、役抽選部63、コマンド生成部66、停止入力判定部68、遊技用リール制御部69、入賞判別部71、及び入賞処理部72は、例えば、前記CPU及び前記ROMに格納されているプログラムを用いて実現される。また、抽選結果記憶部65は、例えば前記RAMを用いて実現される。また、コマンド送信部67は、例えば、通信インターフェースを用いて実現される。なお、本実施形態における前記各部60〜72により実行される機能は例示であり、その他の機能を有していてもよいということは勿論である。
(スタート入力判定部)
スタート入力判定部60は、スタートレバー41が遊技者により操作されたか否かを判定する。なお上述したように、本実施形態におけるスタートレバー41には、その上下左右の4方向の操作方向を検出する変位検出部111a〜111dが設けられている。これらの変位検出部111a〜111dにより、スタートレバー41が上、下、右、及び左の何れの方向に操作されたのかが検出される。
(レバー入力方向判定部)
レバー入力方向判定部61は、遊技者により操作されたスタートレバー41の操作方向を検出する。なお、レバー入力方向判定部61は、前述したように変位検出部111a〜111dからの入力信号に基づいて、スタートレバー41の操作方向を検出する。
(メダル投入判定部)
メダル投入判定部62は、遊技を行うのに必要なメダルが投入されたか否かを判定する。メダル投入判定部62は、メダル投入検出部43a及びベットスイッチ45からの信号に基づいて、メダルが投入されたか否かを判定する。
なお、前述したように、本実施形態では、1回の遊技で遊技者によって投入されるメダルの枚数(賭数)は、一律3枚に設定されている。したがって、本実施形態では、メダル投入判定部62は、3枚のメダルが投入されたか否かを判定する。
(役抽選部)
役抽選部63は、予め設けられた役の抽選を行うものである。役としては、例えば、特別役、小役、及びリプレイ(再遊技役)が挙げられる。
ここで、特別役とは、通常遊技から特別遊技(通常遊技以上にメダルの獲得が期待できる、遊技者にとって有利となる遊技)に移行させる役である。特別役としては一般に、BB(ビックボーナス)、RB(レギュラーボーナス)、及びSB(シングルボーナス)が挙げられる。これらのBB、RB及びSBは、それぞれ、特別遊技の1つであるBB遊技、RB遊技及びSB遊技に移行させるための役である。
また、小役とは、予め定められた枚数のメダルが払い出される役である。小役の種類に応じて、メダルの払出し枚数が異なるように設定されている。さらに、リプレイ(再遊技役)とは、当該遊技でのメダルの投入枚数(ベットしたメダルの枚数)を維持して再遊技が行えるようにした役である。
図14は、本実施形態における役の種類と払出し枚数等、及び図柄の組合せの一例を併せて示す図である。
図14に示すように、本実施形態では、特別役としてSBのみが設けられており、BB及びRBは設けられていない。また、小役として、2種類(第1小役及び第2小役)が設けられている。さらに、SBの入賞によりSB遊技に移行したときには、SB遊技中の役として、所定役が設けられている。
そして、これらの各役に対応する遊技用リール31L、31C、及び31Rの図柄の組合せが予め定められている。また、各役に対応する演出用リール51L、51C、及び51Rの図柄の組合せも、予め定められている。
さらに、本実施形態では、遊技用リール31L、31C、及び31Rの当選役の図柄の組合せと、遊技用リール31L、31C、及び31Rのその当選役の図柄の組合せに対応する演出用リール51L、51C、及び51Rの図柄の組合せとは、異なる図柄の組合せに設定されている。
例えば、図14に示したように、第1小役では、遊技用リール31L、31C、及び31Rの図柄の組合せは、「スイカ」−「ぶどう」−「レモン」に設定されているが、これに対応する演出用リール51L、51C、及び51Rの図柄の組合せは、「ベル」−「ベル」−「ベル」に設定されている。
さらに、本実施形態では、遊技用リール31L、31C、及び31Rの第1役(例えばSB)の図柄の組合せと、遊技用リール31L、31C、及び31Rの第2役(前記第1役と異なる役を意味する。例えば第1小役)の図柄の組合せとは、異なる図柄の組合せに設定されている。例えば、図9に示したように、SBの図柄の組合せは、「スイカ」−「桃」−「桃」に設定されているが、第1小役の図柄の組合せは、「スイカ」−「ぶどう」−「レモン」に設定されている。
そして、この場合に、遊技用リール31L、31C、及び31Rの第1役の図柄の組合せに対応する演出用リール51L、51C、及び51Rの図柄の組合せと、第2役の図柄の組合せに対応する演出用リール51L、51C、及び51Rの図柄の組合せとは、同一の図柄の組合せに設定されている。例えば、演出用リール51L、51C、及び51Rでは、SBの図柄の組合せと、第1小役の図柄の組合せとが、ともに同一の「ベル」−「ベル」−「ベル」に設定されている。
以上のように図柄の組合せを設定することにより、演出用リール51L、51C、及び51Rの図柄の組合せを見ただけでは、どの役が入賞したか等を、遊技者に判別させないようにすることができる。
役抽選部63は、例えば、役抽選用の乱数発生手段(ハードウェア乱数等)と、この乱数発生手段が発生する乱数を抽出する乱数抽出手段と、この乱数抽出手段が抽出した乱数値に基づいて、役の当選の有無及び当選役を判定する判定手段とを備えている。
役抽選部63の乱数発生手段は、所定の領域(例えば10進法で0〜65535)の乱数を発生させる。乱数抽出手段は、乱数発生手段によって発生した乱数を抽出する。本実施形態では、メダル投入判定部62でメダルが投入された後に、スタート入力判定部60でスタートレバー41が操作されたと判定された場合に、乱数を抽出するようにしている。そして、判定手段は、乱数抽出手段により抽出された乱数値を、後述する抽選テーブル64と照合することにより、その乱数値が属する領域に対応する役を決定する。例えば、抽出した乱数値が第1小役の当選領域に属する場合には、第1小役が当選したと判定する。一方、抽出した乱数値が非当選領域に属する場合は、非当選と判定する。
役抽選部63は、図14に示したように、通常遊技中は、特別役であるSB、2種類の小役(第1小役及び第2小役)、リプレイ(再遊技役)、及び非当選の中から、抽出した乱数値に基づいて、何れかを選択する。すなわち、当選役あるいは非当選を判定する。また、SBゲーム中は、抽出した乱数値に基づいて、所定役の当選あるいは非当選を判定する。
なお、本実施形態では、SBの当選確率として、通常確率と高確率(本実施形態では通常確率の10倍)との2種類を備えており、役抽選部63は、SBの当選確率を、通常確率及び高確率の何れにするかの抽選も行うようにしている。
スロットマシン10の電源投入直後におけるSBの当選確率は、通常確率に設定されている。その後、役抽選部63は、毎遊技ごとに、SBの当選確率を高確率にするか否かの抽選を行う。高確率に当選した後も、役抽選部63は、さらに抽選を継続する。この場合には、SBの当選確率を高確率から通常確率に戻すか否かの抽選を行う。
そして、この抽選で当選したときは、SBの当選確率が高確率から通常確率に戻される。通常確率に戻されると、前述したように、役抽選部63は、SB当選確率を高確率にするか否かの抽選を再度行う。以上により、遊技中のSB当選確率は、通常確率と高確率とを行き来することとなる。
(抽選テーブル)
抽選テーブル64は、メイン制御基板104に設けられている前記ROMに個別に格納されており、各役の当選確率を定めたものである。抽選テーブル64は、それぞれ所定の範囲の抽選領域を有する。この抽選領域は、各役の当選領域及び非当選領域に分けられているとともに、予め設定された当選確率となるように所定の割合に設定されている。
なお、図示しないが、各役の当選領域及び非当選領域は、出玉率の設定値ごとに定められている。
また、抽選テーブル64は、SBの当選確率が通常確率に設定された抽選テーブルと、高確率に設定された抽選テーブルとを備えている。SBの当選確率が通常確率に設定されているときには、役抽選部63は、SBの当選確率が通常確率に設定された抽選テーブルを用いて役の抽選を行う。一方、SBの当選確率が高確率に設定されているときには、役抽選部63は、SBの当選確率が高確率に設定された抽選テーブルを用いて役の抽選を行う。
さらに、本実施形態では、当選役のうち、SB、及びSBゲーム中の所定役は、ストップスイッチ42L、42C、及び42Rが所定の操作順番で操作されたときに限り、遊技用リール31L、31C、及び31Rの停止可能位置の範囲内において、その当選役(SBの当選時はそのSB、及びSB遊技中における所定役の当選時はその所定役)に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止する(入賞する)ように遊技用リール31L、31C、及び31Rの動作が制御される役である。言い換えれば、SB又は所定役に当選しても、ストップスイッチ42L、42C、及び42Rが、所定の操作順番以外の操作順番で操作されたときは、その当選役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止しない。
ここで、左、中、右の各遊技用リール31L、31C、及び31Rにそれぞれ対応するストップスイッチ42L、42C、及び42Rを、左、中、右で表すと、ストップスイッチ42L、42C、及び42Rの操作順番としては、「左中右」、「左右中」、「中左右」、「中右左」、「右左中」、及び「右中左」の6通り挙げられる。
本実施形態では、SB及び所定役には、それぞれ6通りの操作順番が均等(1/6)に割り当てられている。例えば、通常遊技中のSBの当選確率が1/15であるとすると、「左中右」、「左右中」、「中左右」、「中右左」、「右左中」、及び「右中左」の各SB当選確率は、それぞれ1/90(=1/15×1/6)に割り当てられている。
(抽選結果記憶部)
抽選結果記憶部65は、役抽選部63による役の抽選結果を記憶するためのものである。抽選結果記憶部65は、全ての役ごとに当選役フラグを備えている。例えば、いずれかの役に当選した場合に、メイン制御部60が、その役に対応する当選役フラグをオンにすることで、各役の当選及び非当選を記憶する。また、ストップスイッチ42L、42C、及び42Rの操作順番が定められているSB又は所定役に当選したときは、その役の当選とともに、ストップスイッチ42L、42C、及び42Rの操作順番(その当選役を入賞させるための操作順番)を特定する押し順IDも併せて記憶される。この他、抽選結果記憶部65は、役抽選部63で抽選されたSBの当選確率も記憶する。
(コマンド生成部)
コマンド生成部66は、サブ制御基板108に送信するコマンドを生成する。本実施形態では、例えば以下のようなコマンドを生成する。
(1)デモ選択表示コマンド
デモ選択表示コマンドは、遊技を行っていないとき、すなわち、遊技用リール31L、31C、及び31Rの全てが停止しているときに、ストップスイッチ42L、42C、及び42Rの何れかが遊技者により操作されたと判定された場合に、デモ選択用画像13bを液晶表示装置13に表示させることをサブ制御基板108に指示するためのものである。
(2)デモ表示強制終了コマンド
デモ表示強制終了コマンドは、メダル投入判定部62によりメダルが投入されたと判定された場合に、デモ選択用画像13bの表示を強制的に中止させることををサブ制御基板108に指示するためのものである。
(3)演出選択コマンド
演出選択コマンドは、レバー入力方向判定部61で判定されたスタートレバー41の操作方向をサブ制御基板108に指示するためのものである。すなわち、演出選択用画像13a又はデモ選択用画像13bに基づいて遊技者により選択された演出が何れであるかをサブ制御基板108に指示するためのものである。
(4)演出コマンド
演出コマンドは、役抽選部63により行われた役の抽選結果や、SBの当選確率等、サブ制御基板108で演出を決定するのに必要な指示を、サブ制御基板108に行うためのものである。ここで、役の抽選結果とは、例えば、当選役に係る図柄を特定するための図柄ID等である。
(5)選択用画像表示中止コマンド
選択用画像表示中止コマンドは、デモ選択表示コマンドをサブ制御基板108に送信してから、一定時間の間に演出選択コマンドを生成することができない場合、又は遊技者選択系演出を行うことを指示する演出コマンドをサブ制御基板108に送信してから、一定時間の間に演出選択コマンドを生成することができない場合に、演出選択用画像13a又はデモ選択用画像13bの表示を中止させることをサブ制御基板108に指示するためのものである。
また、役抽選部63による役の抽選で、SB又は所定役に当選したときには、その当選役を入賞させるための押し順IDも、この演出コマンドに含まれる。また、この演出コマンドは、毎遊技ごとに生成される。以下の説明では、役の抽選結果の情報を「当選役情報」と称し、SBの当選確率の情報を「SB当選確率情報」と称する。
なお、以上のような各コマンドに基づいた動作をサブ制御基板108で実行することができるように、スタートレバー41や、ストップスイッチ42L、42C、及び42R等の操作内容についての情報も、前記各コマンドに含まれる。また、必要に応じて、スタートレバー41や、ストップスイッチ42L、42C、及び42R等の操作内容についての情報を、前記各コマンドとは別個にサブ制御基板108に送信するようにしてもよい。
(コマンド送信部)
コマンド送信部67は、コマンド生成部66で生成されたコマンドをサブ制御基板108に送信する。
(停止入力判定部)
停止入力判定部68は、ストップスイッチ42L、42C、及び42Rが操作されたか否かを判定するとともに、これらストップスイッチ42L、42C、及び42Rの何れが操作されたかを判定する。
(遊技用リール制御部)
遊技用リール制御部69は、メダル投入判定部62でメダルが投入された後に、スタート入力判定部60でスタートレバー41が操作されたと判定された場合に、ステッピングモータ32L、32C、及び32Rを駆動して、遊技用リール31L、31C、及び31Rを始動させる。
その後、遊技用リール制御部69は、抽選結果記憶部65に記憶されている役の抽選結果と、ストップスイッチ42L、42C、及び42Rが操作(オン)されたときのタイミングとに基づいて、遊技用リール停止位置決定テーブル70を参照して、遊技用リール31L、31C、及び31Rの停止位置を決定する。そして、ステッピングモータ32L、32C、及び32Rを駆動制御して、その決定した位置に遊技用リール31L、31C、及び31Rを停止させる。
例えば、遊技用リール制御部69は、小役又はリプレイに当選した遊技では、遊技用リール31L、31C、及び31Rの停止可能位置の範囲内において、当選した小役又はリプレイに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるように、遊技用リール31L、31C、及び31Rを停止させる。
(遊技用リール停止位置決定テーブル)
遊技用リール停止位置決定テーブル70は、メイン制御基板104に設けられている前記ROMに個別に格納されており、役抽選部63による役の抽選結果と、ストップスイッチ42L、42C、及び42Rが操作された瞬間の遊技用リール31L、31C、及び31Rの位置とから、遊技用リール31L、31C、及び31Rの図柄の停止位置を定めたものである。遊技用リール停止位置決定テーブル70には、当選した役ごとのテーブルと、非当選時(いずれの役にも当選していないとき)のテーブルとがある。
例えば、いずれの役にも当選していないときに用いられる遊技用リール停止位置決定テーブルは、いずれかの役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止しないような、遊技用リール31L、31C、及び31Rの停止位置が定められている。また、小役又はリプレイの当選時に用いられる遊技用リール停止位置決定テーブルは、遊技用リール31L、31C、及び31Rの停止可能位置の範囲内において、その当選した小役又はリプレイに対応する図柄の組合せが有効ラインに停止するような、遊技用リール31L、31C、及び31Rの停止位置が定められている。
(遊技用リール制御部の制御処理)
以上のような遊技用リール停止位置決定テーブル70を用いて、いずれかの役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるときは、遊技用リール制御部69は、遊技用リール31L、31C、及び31Rの停止可能位置の範囲内において、その役に対応する図柄の組合せを構成する図柄の引込み制御を行う。すなわち、ストップスイッチ42L、42C、及び42Rの操作(オン)を検知した位置で、対応する遊技用リール31L、31C、及び31Rを直ちに停止させると、その役に係る図柄が有効ラインに停止しないときには、遊技用リール31L、31C、及び31Rを停止制御するときに、遊技用リール31L、31C、及び31Rの停止位置を移動制御することにより、有効ラインにその役に係る図柄を積極的に停止させるようにする。
図14に示したように、本実施形態では、各当選役に対応する遊技用リール31L、31C、及び31Rの図柄の組合せがそれぞれ定められているが、前述したように、これらの各役に対応する図柄の組合せは、第2小役を除き、遊技用リール31L、31C、及び31Rの停止制御の範囲内(ストップスイッチ42L、42C、及び42Rが操作された瞬間の図柄位置を含めて3図柄以内)で、常に、有効ラインに停止させることができる。すなわち、第2小役を除く役の当選時は、遊技者は、特定の図柄を狙ってストップスイッチ42L、42C、及び42Rを操作しなくても(目押しをすることなく)、当選役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させることができる。特に、遊技用リール31L、31C、及び31Rの図柄は、演出用リール51L、51C、及び51Rの図柄よりも小さいために、遊技用リール31L、31C、及び31Rでは、特定の図柄を狙ってストップスイッチ42L、42C、及び42Rを操作することが容易でなくなることが考えられるが、本実施形態のようにすれば、このような操作をしなくても当選役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させることができる。
一方、第2小役の当選時は、例えば、図5に示した左の遊技用リール31Lの図柄において、上から6番目(「桃」の図柄)〜8番目の図柄が有効ライン上に位置する瞬間にストップスイッチ42Lが操作されると、第2小役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させることができる。しかし、それ以外の図柄が有効ライン上に位置する瞬間にストップスイッチ42Lが操作されたときには、第2小役に対応する図柄の組合せは、有効ラインに停止しない。
よって、第2小役以外の役の当選時には、その役に対応する図柄の組合せが有効ラインに常に停止するが、第2小役の当選時には、ストップスイッチ42Lの操作タイミングに応じて、第2小役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止するときもあれば、停止しないときもある。
さらに、SB又は所定役に当選したときに用いられる遊技用リール停止位置決定テーブル70は、当選したSB又は所定役の図柄の組合せを有効ラインに停止させないような、遊技用リール31L、31C、及び31Rの停止位置を定めている。遊技者により操作されたストップスイッチ42L、42C、及び42Rの操作順番を検知し、その操作順番がその当選役の操作順番と一致していない場合には、遊技用リール制御部69は、この遊技用リール停止位置決定テーブル70を用いて遊技用リール31L、31C、及び31Rを停止制御する。一方、操作順番がこの当選役の操作順番と一致している場合には、遊技用リール制御部69は、遊技用リール停止位置決定テーブル70を用いずに、当選役に係る図柄を有効ラインに引き込む制御を行うようにする。
このようにすれば、ストップスイッチ42L、42C、及び42Rの操作順番ごとに遊技用リール停止位置決定テーブル70を設けたり、あるいは制御を複雑にしたりすることなく、SB又は所定役の当選時に、遊技用リール31L、31C、及び31Rの停止制御を行うことができる。 ただし、ストップスイッチ42L、42C、及び42Rの操作順番に対応させて、遊技用リール停止位置決定テーブル70を設けても良いのは勿論である。
(入賞判別部)
入賞判別部71は、遊技用リール31L、31C、及び31Rの停止時に、有効ラインに停止した図柄の組合せが、いずれかの役に対応する図柄の組合せと一致するか否かを判別し、いずれかの役に入賞したか否かを判別する。具体的に、入賞判別部71は、ステッピングモータ32L、32C、及び32Rの停止時の角度やステップ数等を検知することにより、有効ライン上の図柄を判別する。
なお、入賞判別部71は、遊技用リール31L、31C、及び31Rが実際に停止してから図柄の組合せを判別する必要はない。例えば、遊技用リール停止位置決定テーブル70によって遊技用リール31L、31C、及び31Rの停止位置が定められた時点で、有効ライン上の図柄の組合せを判別することも可能である。
(入賞処理部)
入賞処理部72は、遊技用リール31L、31C、及び31Rの停止時に有効ラインに停止した図柄の組合せが、いずれかの役に対応する図柄の組合せと一致すると入賞判別部71により判別され、その役の入賞となったときに、その入賞役に応じた所定枚数のメダルを遊技者に対して払い出す指示をメダル払出装置47に行う。なお、所定枚数のメダルが貯留していない場合、入賞処理部72は、メダル払出装置47に対して指示を出さずに、メダルの貯留数(クレジット)を加算する処理等を行ってもよい。また、リプレイ(再遊技役)の入賞となった場合、入賞処理部72は、メダルを払い出したり、クレジットを加算したりすることなく、当該遊技で投入されたメダルの枚数を再投入する。
(サブ制御基板の機能)
図13に示したサブ制御基板108は、コマンド受信部80、主演出表示内容決定部81、副演出表示内容決定部82、デモ演出内容決定部83、デモ演出強制終了判定部84、主演出制御部85、主演出データ格納部86、副演出制御部87、副演出データ格納部88、デモ演出報知制御部89、及び演出決定部90を備えている。
主演出表示内容決定部81、副演出表示内容決定部82、デモ演出内容決定部83、デモ演出強制終了判定部84、主演出制御部85、副演出制御部87、副演出データ格納部88、デモ演出報知制御部89、及び演出決定部90は、例えば、前記CPU及び前記ROMのプログラムを用いて実現される。また、コマンド受信部80は、例えば、通信インターフェースを用いて実現される。なお、本実施形態における前記各部80〜89により実行される機能は例示であり、その他の機能を有していてもよいということは勿論である。
(コマンド受信部)
コマンド受信部80は、メイン制御基板104のコマンド送信部67から送信されたコマンドを受信する。
(演出決定部)
演出決定部90は、コマンド受信部80が演出コマンドを受信すると、その演出コマンドに含まれている「当選役情報」及び「SB当選確率情報」等に基づいて、出力すべき演出(演出用リール51L、51C、及び51Rの動作を含む)を決定する。本実施形態では、具体的に以下のようにして、出力すべき演出を決定するようにしている。
(1) 特定遊技に係る演出の決定
演出決定部90は、特定遊技を実行するか否かを決定する。本実施形態では、例えばソフトウェア乱数を用いて抽選により決定する。また、演出コマンドに含まれている「SB当選確率情報」が高確率である場合に限り、特定遊技を実行するか否かの抽選を行う。なお、本実施形態では、特定遊技を実行すると決定したときは、その特定遊技が終了するまで、特定遊技を実行するか否かの抽選は行わないようにする。
図14に示したように、本実施形態では、特定遊技として、3種類の特定遊技(第1特定遊技、第2特定遊技、及び第3特定遊技)が設けられている。特定遊技を実行すると決定したときには、第1特定遊技、第2特定遊技、及び第3特定遊技のうち、いずれの特定遊技を実行するかを、ソフトウェア乱数を用いた抽選により決定する。本実施形態では、第1特定遊技に係る図柄の選択率が約77%、第2特定遊技に係る図柄の選択率が約20%、第3特定遊技に係る図柄の選択率が約3%に設定されている。
ここで、「特定遊技」とは、SBの当選時、及びSB遊技中の所定役の当選時に、ストップスイッチ42L、42C、及び42Rの操作順番が報知される遊技であって、その報知に従うことで、メダル獲得が通常遊技時以上に期待できる遊技である。
報知方法としては種々の方法が挙げられるが、例えば液晶表示装置13を用いて報知する方法、又は演出用リールユニット50のバックランプ53を用いて報知する方法等が挙げられる。
前述したように、コマンド送信部67は、SB又は所定役に当選したときには、押し順IDを含んだ演出コマンドをサブ制御基板108に送信しているので、コマンド受信部80は、押し順IDを受信していることになる。したがって、遊技者が操作したストップスイッチ42L、42C、及び42Rの操作順番と、前記当選役を入賞させるためのストップスイッチ42L、及び42C、42Rの操作順番の情報(前記押し順ID)とを、サブ制御基板108側で照合することができる。
なお、本実施形態においては、第1特定遊技を実行すると決定した場合、以上のような特定遊技を5遊技だけ継続させるようにする。そして、6遊技目以降は、特定遊技を終了させるか否かの抽選を、例えばソフトウェア乱数を用いて遊技ごとに行う。そして、特定遊技を終了することが決定されるまで特定遊技を継続し、特定遊技を終了することが決定された場合、特定遊技を終了させるようにする。
また、第2特定遊技を実行することを決定した場合、以上のような特定遊技を20遊技だけ継続させるようにする。そして、20遊技の終了時に、特定遊技を終了させるようにする。
また、第3特定遊技を実行することを決定した場合、以上のような特定遊技を50遊技だけ継続させるようにする。そして、50遊技の終了時に、特定遊技を終了させるようにする。
(2)特定遊技を行わない場合の演出の決定
演出決定部90は、特定遊技を実行しないと決定したときは、コマンド受信部80で受信した演出コマンドに含まれる「当選役情報」及び「SB当選確率情報」と、ソフトウェア乱数を用いた抽選結果とに基づいて、例えば、前述した(a)遊技者選択系演出、(b)図柄告知系演出、(c)リーチ系演出、(d)変則ストップ系演出、(e)ナビ演出、(f)演出無し、及び(g)演出無しの7つの中から、出力すべき演出を決定する。
(a)遊技者選択系演出
「遊技者選択系演出」は、前述したように、図8に示した演出選択用画像13aの中からスタートレバー41の操作に従って遊技者により選択された演出を実行するものである。
(b)図柄告知系演出
「図柄告知系演出」とは、当選役に対応する図柄を、例えば液晶表示装置13によって表示する演出である。ここで、役抽選部63による役の抽選でいずれかの役に当選したときには、その当選役に対応する図柄を表示する。また、特定遊技を実行すると決定したとき等には、役抽選部63による役の抽選結果に対応しない図柄を表示する場合もある。これは、役抽選部63による役の抽選結果、すなわち遊技用リール31L、31C、及び31Rや演出用リール51L、51C、及び51Rの図柄の組合せに対応しない図柄を表示することによって、特定遊技の実行の決定等を遊技者に対して告知するためである。
(c)リーチ系演出
「リーチ系演出」とは、3つの演出用リール51L、51C、及び51Rのうち2つが停止したときに、その2つの演出用リールに表示されている図柄を、いずれかの役に対応する図柄の組合せの一部、又はいずれかの特定遊技の移行に対応する図柄の組合せの一部と一致させることにより、リーチ状態を形成する演出である。本実施形態のリーチ系演出には、以下のパターンが設けられている。
先ず第1に、演出用リール51L、51C、及び51Rの停止可能位置の基準範囲内(ストップスイッチ42L、42C、及び42Rが操作された瞬間から5図柄以内)において、演出用リール51L、51C、及び51Rのうちの2つを停止させて、リーチ状態を形成させるパターンである。
第2に、演出用リール51L、51C、及び51Rのうちの2つに表示されている図柄を、演出用リール51L、51C、及び51Rの停止可能位置の基準範囲内を超えて、強制的に有効ラインまで引込み、リーチ状態を形成させるパターンである。
第3に、全ての演出用リール51L、51C、及び51Rを停止可能位置の基準範囲内において一旦停止させた後、演出用リール51L、51C、及び51Rを再始動させ、その後、演出用リール51L、51C、及び51Rのうちの2つ(例えば左と右)を停止させ、停止させた2つの演出用リールに表示されている図柄によって、リーチ状態を形成させ、他の1つの演出用リールを回転中にすることにより、リーチ状態を形成させるパターン(リスタートリーチパターン)である。さらに、このリスタートリーチパターンには、本実施形態では、全回転させるパターン、又はコマ送り移動させるパターンが設けられている。
(d)変則ストップ系演出
「変則ストップ系演出」とは、演出用リール51L、51C、及び51Rを一旦停止させた後、演出用リール51L、51C、及び51Rを最終停止位置までコマ送り移動させる演出である。
(e)ナビ演出
「ナビ演出」とは、特定遊技中、又は特定遊技以外において、ストップスイッチ42L、42C、及び42Rの操作順番を遊技者に対して報知する演出である。この演出は、特定遊技中にSB又は所定役に当選したときには、常に選択され、当選役を入賞させるためのストップスイッチ42L、42C、及び42Rの操作順番が報知される。これに対し、特定遊技以外においては、演出として、ストップスイッチ42L、42C、及び42Rの操作順番を遊技者に対して報知する。
(f)通常演出
「通常演出」とは、選択された演出内容、例えばスタートスイッチ41の操作時や、各ストップスイッチ42L、42C、及び42Rの操作時に、通常の動作音と異なる動作音(例えば当選役に対応する動作音)を出力したり、液晶表示装置13によってキャラクタを登場させる演出を表示したりする演出である。
(g)演出無し
「演出無し」とは、例えばスタートスイッチ41の操作時や、各ストップスイッチ42L、42C、及び42Rの操作時に、通常の動作音を出力等するが、それ以外の演出、例えば液晶表示装置13によるドット表示演出や、演出用リール51L、51C、及び51Rが通常と異なる挙動等を行わないようにするものである。
また、上記7つの演出のうち、(b)図柄告知系演出、(c)リーチ系演出、及び(d)変則ストップ系演出では、ウェイト中演出が併せて選択される場合がある。
ここで、「ウェイト(時間)」とは、遊技の開始時(例えばスタートスイッチ41の操作時)から所定時間(例えば約4秒)が経過するまでは、次の遊技を開始するための遊技者の操作があっても、次の遊技に移行させずに待機することをいう。
また、「ウェイト中演出」とは、スタートスイッチ41の操作後、一定時間の遅れを発生させた後に、演出用リール51L、51C、及び51Rを始動させるようにするとともに、このウェイト中に、液晶表示装置13にキャラクタを登場させる演出である。
この他、特定遊技を行わない場合の演出として、SB当選時に、当選したSBを入賞させるためのストップスイッチ42L、42C、及び42Rの操作順番を報知する演出が設けられている。また、役抽選部63による役の抽選において非当選の場合にストップスイッチ42L、42C、及び42Rの操作順番を報知したり、あるいは、入賞させるためのストップスイッチ42L、42C、及び42Rの操作順番と異なる操作順番をSBの当選時に意図的に報知したりする演出が設けられている。これにより、報知された操作順番でストップスイッチ42L、42C、及び42Rを操作したにもかかわらず、いずれの役も入賞しない演出を出力することができる。この演出は、例えば、近い将来、特定遊技に移行する可能性が高いことを告知するとき等に用いられる。
(演出表示内容決定部)
本実施形態では、以上のような(a)〜(g)の7つの演出ごとに、それぞれ特有の抽選テーブルを設けるようにしている。そして、主演出表示内容決定部81及び副演出表示内容決定部82は、演出決定部90で決定された演出に対応する抽選テーブルを用いて、詳細な演出内容を定めた演出パターンを選択する。
(1)演出用リールにより行われる演出
主演出表示内容決定部81が用いる抽選テーブルは、演出用リール51L、51C、及び51Rにより行われる演出パターンを決定するためのものである。
演出用リール51L、51C、及び51Rにより行われる演出パターンは、演出用リール51L、51C、及び51Rの始動時、変動中、及び停止後の動作を定めたものでる。
本実施形態では、(a)変則始動パターン、(b)強制引込みパターン、(c)大すべりパターン、(d)コマ送り移動パターン、(e)逆回転パターン、(f)全回転パターン、(g)再始動パターン、(h)通常パターン、(i)高速パターン、(j)低速パターン等が設けられている。
(a)変則始動パターン
変則始動パターンは、ストップスイッチ41やストップスイッチ42L、42C、及び42Rの操作によらずに、メダルの投入又はベットスイッチ45の操作に基づいて、特定遊技の移行に対応する図柄の組合せを有効ラインに表示させていない演出用リールの回転及び停止を行うパターンである。
(b)強制引込みパターン
強制引込みパターンは、演出用リール51L、51C、及び51Rの停止可能位置の基準範囲内において、演出用リール51L、51C、及び51Rを停止制御すると、リーチ状態を形成することができない場合に、演出用リール51L、51C、及び51Rの停止可能位置の基準範囲内を超えて、リーチ状態を形成するための図柄を強制的に有効ラインに引き込むように演出用リール51L、51C、及び51Rのうちの2つを停止制御するパターンである。
(c)大すべりパターン(基準範囲外動作パターン)
大すべりパターンは、演出用リール51L、51C、及び51Rの停止可能位置の基準範囲内を超えた位置にあるいずれか1つの図柄が有効ラインに停止するように、演出用リール51L、51C、及び51Rを停止させるパターンである。すなわち、演出用リール51L、51C、及び51Rの停止時に、通常以上に大きなすべりを発生させる演出を行いつつ、演出用リール51L、51C、及び51Rを停止させるパターンである。
(d)コマ送り移動パターン
コマ送り移動パターンは、演出用リール51L、51C、及び51Rの停止可能位置の基準範囲内において演出用リール51L、51C、及び51Rを一旦停止させた後、最終停止位置まで演出用リール51L、51C、及び51Rをコマ送り移動させるパターンである。
(e)逆回転パターン
逆回転パターンは、回転方向を通常と逆方向にすることで、演出用リール51L、51C、及び51Rの図柄が第2表示窓12b内において下から上に移動表示されるように演出用リール51L、51C、及び51Rを回転させるパターンである。
(f)全回転パターン
全回転パターンは、演出用リール51L、51C、及び51Rを一体で低速回転させるパターンである。この全回転パターンには、例えば演出用リール51L、51C、及び51Rの「7」の図柄が揃った状態で3つの演出用リール51L、51C、及び51Rを一体にさせて回転させるように制御するパターン等がある。
(g)再始動パターン
再始動パターンは、ストップスイッチ42L、42C、及び42Rの操作に対応させて、演出用リール51L、51C、及び51Rの停止可能位置の基準範囲内において演出用リール51L、51C、及び51Rを一旦停止させた後に、遊技者の操作とは無関係に演出用リール51L、51C、及び51Rを再始動させて、予め定められた位置に停止させるパターンである。
(h)通常パターン(基準動作パターン、又は基準範囲内動作パターン)
通常パターンは、演出用リール51L、51C、及び51Rを、遊技用リール31L、31C、及び31Rに準じて回転及び停止制御するパターンである。具体的に説明すると、演出用リール51L、51C、及び51Rの停止可能位置の基準範囲内にあるいずれか1つの図柄が有効ラインに停止するように、演出用リール51L、51C、及び51Rを停止させるパターンである。
(i)高速パターン
高速パターンは、演出用リール51L、51C、及び51Rを、通常よりも高速に回転させるパターンである。具体的に説明すると、例えば、演出用リール51L、51C、及び51Rを約159.74rpmで回転させるパターンである。
(j)低速パターン
低速パターンは、演出用リール51L、51C、及び51Rを、通常よりも低速に回転させるパターンである。具体的に説明すると、例えば、演出用リール51L、51C、及び51Rを約59.9rpmで回転させるパターンである。
なお、前述した10個のパターン以外にも各種の変動パターンが設けられているが、本実施形態では説明を省略する。
また、主演出表示内容決定部81は、以上のような演出パターンの選択とともに、演出コマンドに含まれている「当選役情報」及び「SB当選確率情報」に基づいて、主演出データ格納部86に格納されている演出用リール停止位置決定テーブルを選択する。この演出用リール停止位置決定テーブルは、演出用リール51L、51C、及び51Rの停止位置を定めたテーブルである。この演出用リール停止位置決定テーブルにより、演出用リール51L、51C、及び51Rの停止位置が決定される。
(2)演出用リール以外の演出装置により行われる演出
副演出表示内容決定部82が用いる抽選テーブルは、演出用リール51L、51C、及び51R以外の演出装置により行われる演出パターンを決定するためのものである。かかる演出パターンとしては、例えば、液晶表示装置13に表示する表示内容や、スピー力22から出力するサウンドの出力内容等が挙げられる。
液晶表示装置13に表示する表示内容としては、登場するキャラクタの種類や、そのキャラクタの表示パターン等がある。さらに、キャラクタの表示パターンの中には、ストップスイッチ42L、42C、及び42Rの操作に対応させて表示内容が発展するように定められたもの等もある。
また、例えばスピーカ22から出力するサウンドの出力内容としては、通常音や、当選役に対応する音等がある。
なお、演出決定部90において、遊技者選択系演出を行うことが決定された場合、副演出表示内容決定部82は、まず、演出選択用画像13aの表示指示を副演出制御部87に対して行う。その後、コマンド受信部80がスタートレバー41の操作方向を示す信号を受信すると、その信号に対応する演出を実行するための演出パターンを決定する。なお、演出選択用画像13aの表示指示を行った後に、コマンド受信部80が選択用画像中止コマンドを受信した場合、副演出表示内容決定部82は、表示取消指示を副演出制御部87に対して行う。
(演出制御部)
主演出制御部85及び副演出制御部87は、それぞれ主演出表示内容決定部81及び副演出表示内容決定部82で決定された演出パターンに従った演出を行う。
(1)遊技用リールの制御
主演出制御部85は、演出装置の1つとして位置づけられている演出用リール51L、51C、及び51Rを制御(回転及び停止動作)するものである。この制御を行う場合には、主演出表示内容決定部81により、演出用リール停止位置決定テーブルが選択されている。主演出制御部85は、この選択されている演出用リール停止位置決定テーブルを用いて、演出用リール51L、51C、及び51Rの停止制御を行う。
すなわち、主演出制御部85は、主演出表示内容決定部81で決定された演出パターンで定められている変動パターンに従うように、演出用リール51L、51C、及び51Rの駆動を制御するとともに、選択された演出用リール停止位置決定テーブルに基づいて、演出用リール51L、51C、及び51Rを所定位置に停止させる。なお、前述したように演出用リール停止位置決定テーブルは、主演出データ格納部86に格納されている。
このとき、主演出制御部85は、以下の「連係停止制御」と「非連係停止制御」とを基本とした種々の制御を行う。
(a)連係停止制御
「連係停止制御」は、主演出表示内容決定部81で決定された演出パターンに応じて、演出用リール51L、51C、及び51Rの停止時の図柄の組合せを、遊技用リール31L、31C、及び31Rの停止時の図柄の組合せに連係させる制御である。
具体的に説明すると、当選役の図柄の組合せを、遊技用リール31L、31C、及び31Rの有効ラインに停止させる停止制御が、遊技用リール制御部69により行われる場合、主演出制御部85は、その遊技用リール31L、31C、及び31Rの図柄の組合せに対応する演出用リール51L、51C、及び51Rの図柄の組合せを有効ラインに停止させる。
一方、当選役の図柄の組合せを、遊技用リール31L、31C、及び31Rの有効ラインに停止させない停止制御が、遊技用リール制御部69により行われる場合、主演出制御部85は、遊技用リール31L、31C、及び31Rの当選役の図柄の組合せに対応する演出用リール51L、51C、及び51Rの図柄の組合せを有効ラインに停止させない。
(b)非連係停止制御
「非連係停止制御」は、主演出表示内容決定部81で決定された演出パターンに応じて、演出用リール51L、51C、及び51Rの停止時の図柄の組合せを、遊技用リール31L、31C、及び31Rの停止時の図柄の組合せに連係させない制御である。
具体的に説明すると、例えば、当選役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させる制御が、遊技用リール制御部69により行われている場合、主演出制御部85は、遊技用リール31L、31C、及び31Rのその当選役の図柄の組合せに対応する演出用リール51L、51C、及び51Rの図柄の組合せを有効ラインに停止させないようにする。
このような非連係停止制御は、例えば、特定遊技を実行することに決定されたことを遊技者に告知するための演出として用いられる。通常は、遊技用リール31L、31C、及び31Rによる図柄の組合せと、演出用リール51L、51C、及び51Rによる図柄の組合せとが対応(連係)しているが、両者の図柄の組合せを対応させないようにすることで、特定遊技を実行することに決定された旨を遊技者に対して知らせることができる。
なお、演出決定部90により特定遊技を実行することに決定された場合、主演出制御部85は、特定遊技の図柄の組合せを有効ラインに停止させる制御を行う。この特定遊技では、遊技用リール制御部69は、当該遊技での役抽選部63による役の抽選結果に基づいて、有効ラインに所定の図柄の組合せを停止させるようにする。したがって、遊技用リール31L、31C、及び31Rと演出用リール51L、51C、及び51Rとは、別個独立して停止制御されることとなる。このように、特定遊技を実行することが決定された場合にも「非連係制御」が行われることになる。
(2)演出用リール以外の演出装置の制御
副演出制御部87は、液晶表示装置13、バックランプ33、53、及びスピーカ22等、演出用リール51L、51C、及び51R以外の演出装置を制御するものである。
具体的に説明すると、副演出制御部87は、副演出表示内容決定部82により決定された演出パターンを実行するためのデータを、副演出データ格納部88から読み出し、読み出したデータに基づいて、液晶表示装置13、バックランプ33、53、及びスピーカ22の少なくとも何れか1つを制御する。
例えば、副演出データ格納部88は、特定遊技中においては、SBの当選時、及びSB遊技中の所定役当選時に、ストップスイッチ42L、42C、及び42Rの操作順番に関する情報を報知すべく、バックランプ53の点灯及び消灯を制御する。
なお、副演出データ格納部88は、サブ制御基板108に設けられている前記ROMに個別に格納されている。
また、演出決定部90において、遊技者選択系演出を行うことが決定され、副演出表示内容決定部82において、演出選択用画像13aの表示指示がなされると、副演出制御部87は、表示指示に従って液晶表示装置13に演出選択用画像13aを表示させる。その後、コマンド受信部80において、スタートレバー41の操作方向を示す信号が受信され、演出決定部90において、その信号に対応する演出パターンが決定されると、主演出制御部85及び副演出制御部87は、決定された演出パターンに従った演出を実行すべく、演出用リール51L、51C、及び51Rや、液晶表示装置13等を制御する。
また、コマンド受信部80が選択用画像中止コマンドを受信すると、副演出制御部87は、副演出表示内容決定部82からの表示中止指示に基づいて、液晶表示装置13に表示させている演出選択用画像13aの表示を中止する。
(デモ演出内容決定部)
デモ演出内容決定部83は、コマンド受信部80がデモ選択表示コマンドを受信すると、デモ選択用画像13bの表示指示を副演出制御部87に対して行う。副演出制御部87は、表示指示に従って液晶表示装置13にデモ選択用画像13bを表示させる。
その後、コマンド受信部80が演出選択コマンドを受信すると、デモ演出内容決定部83は、演出選択コマンドに基づいて、デモンストレーションを行う演出を決定する。そして、決定した演出の実行指示を主演出制御部85及び副演出制御部87に対して行う。そうすると、主演出制御部85及び副演出制御部87は、デモ演出内容決定部83で決定された演出を実行すべく、演出用リール51L、51C、及び51Rや、液晶表示装置13等を制御する。なお、前述したように、主演出制御部85及び副演出制御部87は、それぞれ主演出データ格納部86及び副演出データ格納部88から所望の演出パターン等を読み出して、演出用リール51L、51C、及び51Rや、液晶表示装置13等を制御する。
このような主演出制御部85及び副演出制御部87へのデモンストレーションの実行指示と並行して、デモ演出内容決定部83は、デモ演出報知制御部89に対して、ランプ点灯指示を行う。デモ演出報知制御部89は、ランプ点灯指示に基づいて、デモ演出報知ランプ54を点灯させる。
その後、主演出制御部85及び副演出制御部87は、演出のデモンストレーションが終了したことを確認すると、その旨を示す終了確認信号をデモ演出内容決定部83に出力する。デモ演出内容決定部83は、終了確認信号に基づいて、デモ演出報知制御部89に対して、ランプ消灯指示を行う。デモ演出報知制御部89は、ランプ消灯指示に基づいて、デモ演出報知ランプ54を消灯させる。
なお、コマンド受信部80が選択用画像表示中止コマンドを受信すると、デモ演出内容決定部83は、副演出制御部87に対して、デモ選択用画像13bの表示取消指示を行うとともに、デモ演出報知制御部89に対して、ランプ消灯指示を行う。副演出制御部87は、表示取消指示に基づいて、デモ選択用画像13bの表示を中止させる。デモ演出報知制御部89は、ランプ消灯指示に基づいて、デモ演出報知ランプ54を消灯させる。
(デモ演出強制終了判定部)
デモ演出強制終了判定部84は、コマンド受信部80がデモ表示強制終了コマンドを受信すると、主演出制御部85及び副演出制御部87における制御状態に基づいて、演出のデモンストレーションが実行中であるか否かを判定する。この判定の結果、演出のデモンストレーションが実行中である場合には、主演出制御部85及び副演出制御部87に対して、強制終了指示を行うとともに、デモ演出報知制御部89に対してランプ消灯指示を行う。主演出制御部85及び副演出制御部87は、強制終了指示に基づいて、演出のデモンストレーションを終了させる。デモ演出報知制御部89は、ランプ消灯指示に基づいて、デモ演出報知ランプ54を消灯させる。一方、演出のデモンストレーションが実行中でない場合には、主演出制御部85、副演出制御部87、及びデモ演出報知制御部89に対する指示を行わない。
続いて、本実施形態における主要な制御の流れを、フローチャートに基づき説明する。
(メイン制御基板)
図15は、本実施形態において、メイン制御基板によるメインルーチンの一例を示すフローチャートである。
先ず、ステップS1において、遊技の開始前に遊技者によって入力操作された内容を判定し、遊技を開始するための条件が成立しているか否かを判定する遊技開始前入力判定処理を行う。なお、この処理の詳細については、図16を用いて後述する。
次に、ステップS2において、遊技開始前入力判定処理で遊技開始条件フラグがオンされたか否かを判定する。本実施形態においては、コマンド生成部66がこの処理を行うこととする。この判定の結果、遊技開始条件フラグがオンされていない場合には、リターンする。一方、遊技開始条件フラグがオンされている場合には、ステップS3に進む。
次に、ステップS3において、コマンド生成部66は、デモ表示強制終了コマンドを生成する。そして、コマンド送信部67は、デモ表示強制終了コマンドをサブ制御基板108に送信する。
次に、ステップS4において、役抽選処理を行う。具体的に説明すると、スタート入力判定部60により、スタートレバー41が操作されたと判定されると、役抽選部63は、コマンド生成部66により遊技開始条件フラグがオンされていることを確認する。そして、遊技開始条件フラグがオンされている場合に限り、抽選テーブル64を用いて役の抽選を行う。そして、役の抽選結果を抽選結果記憶部65に記憶させる。このようにして役の抽選結果が抽選結果記憶部65に記憶されると、コマンド生成部66は、演出コマンド決定フラグをオンする。
次に、ステップS5において、コマンド生成部66及びコマンド送信部67は、ステップS4の役抽選処理により得られた役の抽選結果と遊技状態とに基づいて、演出コマンドを生成し、生成した演出コマンドをサブ制御基板108に送信する。なお、この処理の詳細については、図17を用いて後述する。
次に、ステップS6において、遊技用リール制御部69は、遊技用リール制御処理を行う。具体的に説明すると、遊技用リール制御部69は、ステッピングモータ32L、32C、及び32Rを駆動して、遊技用リール31L、31C、及び31Rを始動させる。その後、抽選結果記憶部65に記憶されている役の抽選結果と、停止入力判定部68により判定されたストップスイッチ42L、42C、及び42Rの操作タイミングとに基づいて、遊技用リール停止位置決定テーブル70を参照して、遊技用リール31L、31C、及び31Rの停止位置を決定する。そして、ステッピングモータ32L、32C、及び32Rを駆動制御して、その決定した位置に遊技用リール31L、31C、及び31Rを停止させる。
次に、ステップS7において、入賞判別部71及び入賞処理部72は、入賞判定処理を行う。具体的に説明すると、遊技用リール31L、31C、及び31Rの停止位置を読み取る。そして、読み取った停止位置から、何れかの役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止しているかを判定する。入賞処理部72は、入賞判別部71により、何れかの役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止していると判定された場合に、その役に応じた枚数のメダルの払い出しをメダル払出装置47に対して指示する。これによりメダルが払い出され、遊技が終了する。一方、入賞判別部71により、何れかの役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止していないと判定された場合には、遊技者に対して利益を与えずに遊技が終了する。なお、再遊技役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止していると判定された場合には、入賞処理部72は、再遊技を行うための処理を行う。
次に、ステップS8において、コマンド生成部66は、入賞処理部72における処理結果に基づいて、遊技が終了したか否かを判定する。この判定の結果、遊技が終了していない場合には、遊技が終了するまでステップS4〜S8を繰り返す。そして、遊技が終了すると、ステップS9において、コマンド生成部66は、遊技開始条件フラグをオフする。
なお、前記において、遊技開始条件フラグ及び演出コマンド決定フラグのオン及びオフの状態は、メイン制御基板104に設けられているRAMに記憶される。
次に、図16のフローチャートを参照しながら、図15のステップS1における遊技開始前入力判定処理の詳細について説明する。
先ず、ステップS11において、メダル投入判定部62は、メダル投入検出部43aにおける検出結果、又はベットスイッチ45における検出結果に基づいて、メダルが投入されたか否かを判定する。この判定の結果、メダルが投入された場合には、ステップS12に進む。一方、メダルが投入されていない場合には、ステップS12を省略してステップS13に進む。
次に、ステップS12において、コマンド生成部66は、メダル投入フラグをオンする。
次に、ステップS13において、停止入力判定部68は、ストップスイッチ42L、42C、及び42Rの何れかが操作されたか否かを判定する。この判定の結果、ストップスイッチ42L、42C、及び42Rの何れかが操作された場合には、ステップS14に進む。一方、ストップスイッチ42L、42C、及び42Rの何れかが操作されなかった場合には、ステップS14を省略してステップS15に進む。
次に、ステップS14において、コマンド生成部66は、デモ選択表示コマンドを生成する。そして、コマンド送信部67は、デモ選択表示コマンドをサブ制御基板108に送信する。
次に、ステップS15において、コマンド生成部66は、スタートレバー41が操作されたか否かを判定する。この判定の結果、スタートレバー41が操作された場合には、ステップS16に進む。一方、スタートレバー41が操作されなかった場合には、メインルーチンに戻る。
次に、ステップS16において、コマンド生成部66は、メダル投入フラグがオンされているか否かを判定する。この判定の結果、メダル投入フラグがオンされている場合には、ステップS17に進む。一方、メダル投入フラグがオンされていない場合には、メインルーチンに戻る。
次に、ステップS17において、コマンド生成部66は、遊技開始条件フラグをオフする。
なお、前記において、メダル投入フラグのオン及びオフの状態は、メイン制御基板104に設けられているRAMに記憶される。
次に、図17のフローチャートを参照しながら、図15のステップS5における演出コマンド決定処理の詳細について説明する。
先ず、ステップS21において、コマンド生成部66は、演出決定フラグがオンされているか否かを判定する。この判定の結果、演出決定フラグがオンされている場合には、ステップS22に進む。一方、演出決定フラグがオンされていない場合には、メインルーチンに戻る。
次に、ステップS22において、コマンド生成部66は、役抽選部63により得られる当選役を読み出す。
次に、ステップS23において、コマンド生成部66は、抽選結果記憶部65に記憶されている役の抽選結果等から、現在の遊技状態を識別する。
次に、ステップS24において、コマンド生成部66は、ステップS22で読み出した当選役と、ステップS23で識別した遊技状態とに基づいて、演出コマンドを生成する。
次に、ステップS25において、コマンド送信部67は、ステップS24で生成された演出コマンドをサブ制御基板108に送信する。
なお、前述したフローチャートには明示していないが、コマンド生成部66は、レバー入力方向判定部61により、スタートレバー41の操作方向が検出されると、演出選択コマンドを生成する。そして、コマンド送信部67は、生成された演出選択コマンドをサブ制御基板108に送信する。例えば、デモンストレーションを行う演出の選択結果を指示する演出選択コマンドについては、図16のステップS15とステップS16との間で生成及び送信すればよい。また、遊技者選択系演出における選択結果を指示する演出選択コマンドについては、図17のステップS24において、遊技者選択系演出に対応する演出コマンドが生成された後に、生成及び送信すればよい。
さらに、図16のステップS14においてデモ選択表示コマンドをサブ制御基板108に送信してから、一定時間の間に演出選択コマンドを生成することができない場合、及び図17のステップS25において遊技者選択系演出を行うことを指示する演出コマンドをサブ制御基板108に送信してから、一定時間の間に演出選択コマンドを生成することができない場合には、選択用画像表示中止コマンドを生成してサブ制御基板108に送信する。
(サブ制御基板)
図18は、本実施形態において、サブ制御基板によるメインルーチンの一例を示すフローチャートである。
先ず、ステップS31において、演出決定部90は、図17のステップS25によりコマンド送信部67から送信された演出コマンドを、コマンド受信部80が受信したか否かを判定する。この判定の結果、演出コマンドを受信した場合には、ステップS32に進む。一方、演出コマンドを受信していない場合には、後述するステップS38に進む。
次に、ステップS32において、演出決定部90は、演出コマンドに含まれているコマンドデータを記憶する。
次に、ステップS33において、演出決定部90は、コマンド受信フラグをオンする。
次に、ステップS34において、演出決定部90は、メイン制御基板104から送信される演出選択コマンドに基づいて、スタートレバー41の操作方向を判定するレバー入力判定処理を行う。なお、この処理の詳細については、図19を用いて後述する。
次に、ステップS35において、演出用リール51L、51C、及び51Rや液晶表示装置13等の表示内容を決定する表示内容決定処理を行う。この処理の詳細については、図20〜図22を用いて後述する。
次に、ステップS36において、デモ演出内容決定部83、主演出制御部85、及び副演出制御部87は、ステップS35の表示内容決定処理で決定された表示内容に従って、演出用リール51L、51C、及び51Rや液晶表示装置13等を制御する。
次に、ステップ37において、デモ演出報知制御部89は、デモ演出報知ランプ54を制御するデモ表示報知制御処理を行う。具体的に説明すると、ステップS35の表示内容決定処理において演出のデモンストレーションを行うことが決定され、ステップS36において、演出のデモンストレーションが行われる場合に、デモ演出報知制御部89は、デモ演出報知ランプ54を点灯させる。そして、演出のデモンストレーションが終了すると、点灯させたデモ演出報知ランプ54を消灯させる。
前記ステップS31において、演出コマンドを受信していない場合には、ステップS38に進み、演出決定部90は、主演出制御部85及び副演出制御部87の状態に基づいて、演出が実行中であるか否かを判定する。この判定の結果、演出が実行中である場合には、前記ステップS34に進みレバー入力判定処理を行う。一方、演出が実行中でない場合には、リターンする。
なお、前記において、コマンド受信フラグのオン及びオフの状態は、サブ制御基板108に設けられているRAMに記憶される。
次に、図19のフローチャートを参照しながら、図18のステップS34におけるレバー入力判定処理の詳細について説明する。
先ず、ステップS41において、演出決定部90は、メイン制御基板104から送信された演出選択コマンドを、コマンド受信部80が受信したか否かを判定する。この判定の結果、演出選択コマンドを受信していない場合には、メインルーチンに戻る。一方、演出選択コマンドを受信した場合には、ステップS42に進む。
次に、ステップS42において、演出決定部90は、演出選択コマンドに含まれているデータに基づいて、スタートレバー41が上方向に操作されたか否かを判定する。この判定の結果、スタートレバー41が上方向に操作された場合には、ステップS43に進み、演出決定部90は、上方向入力フラグをオンしてからメインルーチンに戻る。
一方、スタートレバー41が上方向に操作されていない場合には、ステップS44に進み、演出決定部90は、演出選択コマンドに含まれているデータに基づいて、スタートレバー41が下方向に操作されたか否かを判定する。この判定の結果、スタートレバー41が下方向に操作された場合には、ステップS45に進み、演出決定部90は、下方向入力フラグをオンしてからメインルーチンに戻る。
一方、スタートレバー41が下方向に操作されていない場合には、ステップS46に進み、演出決定部90は、演出選択コマンドに含まれているデータに基づいて、スタートレバー41が左方向に操作されたか否かを判定する。この判定の結果、スタートレバー41が左方向に操作された場合には、ステップS47に進み、演出決定部90は、左方向入力フラグをオンしてからメインルーチンに戻る。
一方、スタートレバー41が左方向に操作されていない場合には、ステップS48に進み、演出決定部90は、演出選択コマンドに含まれているデータに基づいて、スタートレバー41が右方向に操作されたか否かを判定する。この判定の結果、スタートレバー41が右方向に操作された場合には、ステップS49に進み、演出決定部90は、右方向入力フラグをオンしてからメインルーチンに戻る。一方、スタートレバー41が右方向に操作されていない場合には、ステップS49を省略してメインルーチンに戻る。
なお、前記において、上方向入力フラグ、下方向入力フラグ、左方向入力フラグ、及び右方向入力フラグのオン及びオフの状態は、サブ制御基板108に設けられているRAMに記憶される。
次に、図20〜図22のフローチャートを参照しながら、図18のステップS35における表示内容決定処理の詳細について説明する。
先ず、演出決定部90は、コマンド受信フラグがオンされているか否かを判定する。この判定の結果、コマンド受信フラグがオンされていない場合には、ステップS52、S53を省略してステップS54に進む。一方、コマンド受信フラグがオンされている場合には、ステップS52に進み、演出決定部90は、図18のステップS32で記憶したコマンドデータを読み出す。
次に、ステップS53において、演出決定部90は、コマンド受信フラグをオフする。
次に、ステップS54において、演出決定部90は、図16のステップS14でメイン制御基板104から送信されたデモ選択表示コマンドを、コマンド受信部80が受信したか否かを判定する。この判定の結果、デモ選択表示コマンドを受信していない場合には、後述するステップS58以降の処理を行う。一方、デモ選択表示コマンドを受信した場合には、ステップS55に進み、デモ演出内容決定部83は、デモ選択用画像13bの表示指示を副演出制御部87に対して行う。この表示指示に従って副演出制御部87は、表示指示に従って液晶表示装置13にデモ選択用画像13bを表示させる。
次に、ステップS56において、演出決定部90は、デモ選択フラグをオンする。
次に、ステップS57において、演出決定部90は、図18のステップS32で記憶したコマンドデータを消去する。
前記ステップS54において、デモ選択表示コマンドを受信していない場合には、ステップS58に進み、演出決定部90は、デモ選択フラグがオンされているか否かを判定する。この判定の結果、デモ選択フラグがオンされていない場合には、後述する図21のステップS64に進む。一方、デモ選択フラグがオンされている場合には、ステップS59に進み、演出決定部90は、図19のフローチャートに従ってオンされたレバー入力方向フラグを参照する。
次に、ステップS60において、デモ演出内容決定部83は、ステップS59でオンされているとされたレバー入力方向フラグに基づいて、デモンストレーションを行う演出を決定する。そして、決定した演出の実行指示を主演出制御部85及び副演出制御部87に対して行う。この実行指示に従って、主演出制御部85及び副演出制御部87は、デモ演出内容決定部83で決定された演出のデモンストレーションを実行する。
次に、ステップS61において、演出決定部90は、図19のフローチャートに従ってオンされたレバー入力方向フラグをオフする。
次に、ステップS62において、演出決定部90は、主演出制御部85及び副演出制御部87における制御状態に基づいて、演出のデモンストレーションが終了するまで待機し、終了したら、デモ強制終了フラグをオンする。
次に、ステップS63において、演出決定部90は、ステップS56でオンしたデモ選択フラグをオフする。
前記ステップS58において、デモ選択フラグがオンされていないと判定された場合には、図21のステップS64に進み、演出決定部90は、選択演出フラグがオンされているか否かを判定する。この判定の結果、選択演出フラグがオンされている場合には、後述するステップS78に進む。一方、選択演出フラグがオンされていない場合には、ステップS65に進み、演出決定部90は、遊技者選択系演出を実行するか否かを決定するための第1の演出用乱数を読み出す。
次に、ステップS66において、演出決定部90は、ステップS52で記憶したコマンドデータから、当選役を識別する。
次に、ステップS67において、演出決定部90は、ステップS52で記憶したコマンドデータから、遊技状態を識別する。なお、本実施形態においては、SBの当選確率等を識別するようにしている。
次に、ステップS68において、演出決定部90は、ステップS65で読み出した第1の演出用乱数、ステップS66で識別した当選役、及びステップS67で識別した遊技状態から、遊技者選択系演出を行うか否かを決定する。なお、本実施形態では、第1の演出用乱数の値、当選役、及び遊技状態から、遊技者選択系演出を行うか否か一意に特定できるテーブルを用いて、出力すべき演出を決定するようにしている。
次に、ステップS69において、演出決定部90は、ステップS68で決定した演出が遊技者選択系演出であるか否かを判定する。この判定の結果、遊技者選択系演出である場合には、ステップS70に進み、副演出表示内容決定部82は、演出選択用画像13aの表示指示を副演出制御部87に対して行う。この表示指示に従って、副演出制御部87は、液晶表示装置13に演出選択用画像13aを表示させる。
次に、ステップS71において、演出決定部90は、選択演出フラグをオンする。なお、選択演出フラグのオン及びオフの状態は、サブ制御基板108に設けられているRAMに記憶される。
次に、図22のステップS72において、演出決定部90は、デモ強制終了フラグがオンであるか否かを判定する。この判定の結果、デモ強制終了フラグがオンされていない場合には、前記ステップS57に進み、ステップS52で記憶したコマンドデータを消去してメインルーチンに戻る。一方、デモ強制終了フラグがオンされている場合には、ステップS73に進み、演出決定部90はデモ表示中フラグをオンする。なお、デモ表示中フラグのオン及びオフの状態は、サブ制御基板108に設けられているRAMに記憶される。
次に、ステップS74において、演出決定部90は、図15のステップS3でメイン制御基板104から送信されたデモ表示強制終了コマンドをコマンド受信部80が受信したか否かを判定する。この判定の結果、デモ表示強制終了コマンドを受信していない場合には、前記ステップS57に進み、ステップS52で記憶したコマンドデータを消去してメインルーチンに戻る。一方、デモ表示強制終了コマンドを受信した場合には、ステップS75に進み、デモ演出強制終了判定部84は、主演出制御部85及び副演出制御部87における制御状態に基づいて、演出のデモンストレーションが実行中であるか否かを判定する。この判定の結果、演出のデモンストレーションが実行中である場合には、主演出制御部85及び副演出制御部87に対して、強制終了指示を行うとともに、デモ演出報知制御部89に対してランプ消灯指示を行う。
次に、ステップS76において、演出決定部90は、図20のステップS62でオンしたデモ強制終了フラグをオフする。そして、メインルーチンに戻る。
図21のステップS69において、ステップS68で決定した演出が遊技者選択系演出でないと判定された場合には、ステップS77に進み、演出決定部90は、遊技者選択系演出以外の演出のうち、どの演出を行うのかを決定するための第2の演出用乱数を読み出す。ここで、遊技者選択系演出以外の演出とは、前述した図柄告知系演出、リーチ系演出、変則ストップ系演出、ナビ演出、通常演出、及び演出無しである。
次に、ステップS78に進み、演出決定部90は、ステップS77で読み出した第2の演出用乱数に基づいてテーブルを参照し、出力すべき演出を決定する。そして、主演出表示内容決定部81及び副演出表示内容決定部82は、演出決定部90で決定された演出の実行指示を、主演出制御部85及び副演出制御部87に対して行う。この実行指示に従って、主演出制御部85及び副演出制御部87は、演出用リール51L、51C、及び51Rや液晶表示装置13等、実行指示された演出を実現する装置を制御する。そして、前述したステップS72に進む。
図21のステップS64において、選択演出フラグがオンされていると判定された場合には、ステップS79に進み、演出決定部90は、図19のフローチャートに従ってオンされたレバー入力方向フラグを参照する。
次に、ステップS80において、主演出表示内容決定部81及び副演出表示内容決定部82は、ステップS79でオンされているとされたレバー入力方向フラグに基づいて、演出を決定する。そして、決定した演出の実行指示を主演出制御部85及び副演出制御部87に対して行う。この実行指示に従って、主演出制御部85及び副演出制御部87は、デモ演出内容決定部83で決定された演出を実行する。
次に、ステップS81において、演出決定部90は、図19のフローチャートに従ってオンされたレバー入力方向フラグをオフする。
次に、ステップS82において、演出決定部90は、ステップS71でオンした選択演出フラグをオフする。そして、前述した図22のステップS72に進む。
以上説明したように、本実施形態では、複数方向に対して変位可能とすることでスタート信号を発生するスタートレバー41を有効に活用し、スタートレバー41に遊技開始指示機能に加え、複数の操作方向に他の遊技上の意味を持たせることにより、今までにない新たな遊技興趣を創出することを可能とし、更にはスタートレバー41の摩耗が方向毎にある程度均一化することを可能として、スタートレバー41の寿命を長期化することが期待できる。
具体的に本発明では、所要の遊技価値を付与可能な遊技価値付与手段として、遊技者に演出を選択させる構成を付与した。即ち、液晶表示装置13に演出選択用画像13aを表示し、表示した演出選択用画像13aの表示に従って、遊技者がスタートレバーを操作すると、そのスタートレバーの操作方向に対応した演出を実行するようにして、遊技者に演出を選択させるようにした。これにより、遊技者が好む演出を行いながら遊技を進行することができる。したがって、スロットマシンにおける遊技の趣向性を向上させることができる。
また、遊技価値付与手段として、遊技者に演出のデモンストレーションをする構成を付与した。即ち、液晶表示装置13にデモ選択用画像13bを表示し、表示したデモ選択用画像13bの表示に従って、遊技者がスタートレバーを操作すると、そのスタートレバーの操作方向に対応した演出のデモンストレーションを実行するようにしたので、多種多様な演出の内容を遊技者に正確に知らせることができる。また、演出のデモンストレーションを行うので、小冊子では表しにくい複雑な演出の内容を、遊技者に正確に知らせることができる。このように、演出の内容を遊技者に容易に知らせることができるので、遊技者は、演出が持つ意味を理解しながら遊技を行うことができる。これにより、遊技の趣向性をより向上させることができる。この他、小冊子の製作費用をなくすことができることや、小冊子が汚れたりする等して使えなくなり、遊技者が演出の内容を把握できなくなることや、小冊子が破棄されたりする等してゴミが増えるといった問題点も解消できる。
また、演出のデモンストレーションを行っている最中に、デモ演出報知ランプ54を点灯させるようにしたので、スロットマシン10で行われている演出が、遊技に伴うものであるのか、それともデモンストレーションであるのかを遊技者に知らせることができる。これにより、遊技者が、デモンストレーションであるのにも拘わらず、遊技に伴う実際の演出であると誤解してしまうことを防止することができる。
また、演出のデモンストレーションを行っている最中に、メダルが投入された場合には、その演出のデモンストレーションを強制的に終了するようにしたので、演出のデモンストレーションが遊技中に行われることを確実に防止することができ、遊技を円滑に進行させることができる。したがって、実行中の演出が、デモンストレーションなのか、それとも遊技に伴うものなのかを、遊技者に混乱させてしまうことを確実に防止することができる。
(変形例)
なお、本実施形態では、スタートレバーの操作方向に応じて異なる演出を実行するようにして遊技価値を付与するようにしたが、スタートレバーの操作方向に応じて遊技価値を付与する手段(遊技価値付与手段)は、このようなものに限定されない。例えば、スタートレバーの操作方向に応じて抽選テーブル64を異ならせるようにしてもよい。具体的に説明すると、役の入賞確率が異なる複数の抽選テーブルの中から、スタートレバーの操作方向に応じて抽選テーブルを選択し、選択した抽選テーブルを用いて役の抽選を行うようにするようにしてもよい。このようにすれば、スタートレバーの操作方向によって役の入賞確率を異ならせるようにすることができる。
また、本実施形態では、演出選択用画像13a及びデモ選択用画像13bを表示してから、所定時間スタートレバー41の操作がない場合には、演出選択用画像13a及びデモ選択用画像13bの表示を中止して、演出の選択を行わせないようにしたが、必ずしもこのようにする必要はない。例えば、演出選択用画像13a及びデモ選択用画像13bを表示してから、所定時間スタートレバー41の操作がない場合には、そのときに演出選択用画像13aで指定されている演出、又予め設定されている演出を行うようにしてもよい。
また、本実施形態では、遊技者選択系演出を行う場合、演出の選択と実行とを1回の遊技の中で行うようにしたが、必ずしもこのようにする必要はない。例えば、最初の遊技で遊技者に演出を選択させ、その次の遊技で選択された演出を行うようにしてもよい。この場合、最初の遊技においては、遊技者により選択された遊技とは無関係の演出を行うようにすればよい。
また、本実施形態では、メダル投入口43からメダルが投入されず、且つベットスイッチ45が操作されていない状態で、スタートレバー41と、ストップスイッチ42L、42C、及び42Rの何れか1つとが、順次操作された場合に、デモ選択用画像13bを液晶表示装置13に表示させるようにしたが、必ずしもこのようにする必要はなく、メダルが投入され、スタートレバー41が操作される前であれば、デモ選択用画像13bを何時表示するようにしてもよい。
さらに、本実施形態では、スタートレバー41の操作方向が何れであるかを、メイン制御基板104側でのみ判定するようにしたが、サブ制御基板108側でスタートレバー41の操作方向を判定するようにしてもよい。
また、本実施形態では、演出決定部90で決定された演出に対応する抽選テーブルを用いて、詳細な演出内容を定めた演出パターンを選択するようにしたが、遊技者選択系演出については、必ずしも抽選テーブルを用いて演出パターンを決定する必要はない。具体的に説明すると、例えば、前述した逆回転演出、第1の正逆両回転演出、第1の正逆両回転演出、及び高速回転演出のそれぞれに1つずつ演出パターンを設けるようにしてもよい。このようにすれば、抽選テーブルを用いずに遊技者により選択された演出に対応する演出パターンを一意に決定することができる。
また、本実施形態では、液晶表示装置13を用いて演出選択画像13aやデモ選択用画像13bなどを表示したり、演出を行ったりするようにしたが、画像を表示することができる装置であれば、必ずしも液晶表示装置13を用いる必要はない。例えば、液晶表示装置13の代わりに、LEDにより形成されたドット表示装置を用いるようにしてもよい。
また、本実施形態では、スタートレバー41を用いて演出を選択させるようにしたが、スロットマシンに操作ボタンを設け、この操作ボタンを用いて演出を選択させるようにしてもよい。
具体的に説明すると、例えば、図23に示すように、操作ボタン48a〜48cを、メダル投入口43とベットスイッチ45との間に設けるようにする。
このようにして操作ボタン48a〜48cを設けた場合、演出選択用画像及びデモ選択用画像は、例えば、図24に示すようにすればよい。図24に示す選択用画像13cでは、8つの演出が選択対象となっている。これら8つの演出の何れか1つを、操作ボタン48b又は48cを用いて指定する。具体的に説明すると、図24に示す選択用画像13cでは、「1」が指定されている。そして、遊技者により操作ボタン48bが押すたびに、「1」→「2」→「3」→「5」→「8」→「7」→「6」→「4」→「1」が順次指定されるようにする。また、遊技者が操作ボタン48cを押すたびに、「1」→「4」→「6」→「7」→「8」→「5」→「3」→「2」→「1」が順次指定されるようにする。このようにして所望の演出が指定されたら、遊技者は、操作ボタン48aを押す。そうすると、操作ボタン48aが押された時点で指定されている演出を行う。
以上のように操作ボタン48a〜48cを用いて遊技者に演出を選択させるようにすれば、演出を選択するためにどのスイッチを操作すればよいのかを、遊技者に容易に判断させることができる。これにより、遊技者選択系演出をより円滑に行うことができるとともに、デモンストレーションを行う機能を遊技者に有効活用させることができるようになる。
なお、図23では、演出を選択するための操作ボタン48a〜48cが3つの場合を例示したが、演出を選択するための操作ボタンは3つに限定されないということは言うまでもない。例えば、操作ボタン48cを設けずに、操作ボタン48a、48bのみで演出を選択させるようにしてもよい。
また、図23では、演出を選択するための操作ボタン48a〜48cのみをスロットマシンに設けるようにしたが、操作ボタン48a〜48cの他に、実行中の演出のデモンストレーションを強制的に中断させるための操作ボタンを設けるようにしてもよい。