JP2005197932A - 画像処理装置及び画像処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】原稿の画像を流し読みする場合に、読み取り対象となった原稿がカラー原稿か白黒原稿かを的確に判別できるようにする。
【解決手段】原稿の画像をCCDセンサ16によって読み取る読取手段と、この読取手段で読み取られた原稿の画像データに含まれるスジ状のノイズ成分を除去するノイズ除去部282を含む画像処理部28と、ノイズ除去部282でノイズ成分の除去が行われた画像データを用いて、原稿がカラー原稿か白黒原稿かを判別するACS処理部29とを備える。
【選択図】図3
【解決手段】原稿の画像をCCDセンサ16によって読み取る読取手段と、この読取手段で読み取られた原稿の画像データに含まれるスジ状のノイズ成分を除去するノイズ除去部282を含む画像処理部28と、ノイズ除去部282でノイズ成分の除去が行われた画像データを用いて、原稿がカラー原稿か白黒原稿かを判別するACS処理部29とを備える。
【選択図】図3
Description
本発明は、原稿の画像を読み取ってその画像信号(画像データ)を処理する複写機、イメージスキャナ、ファクシミリ装置等の画像処理装置及び画像処理方法に関する。
従来、自動原稿搬送装置を備えた画像読取装置が広く知られている。この種の画像読取装置では、原稿セット部(トレイ等)にセットされた複数枚の原稿を自動原稿搬送装置で一枚ずつ搬送してプラテンガラス上に送り込み、このプラテンガラス上で原稿の画像を読み取るようにしている。その際、原稿を一旦プラテンガラス上に敷き込んで、光学走査系の移動により原稿の画像を読み取り走査(スキャン)するタイプ(停止原稿読み取りタイプ)のものでは、原稿一枚毎に光学走査系を副走査方向に往復移動させる必要がある。このため、複数枚の原稿を連続して読み取る場合の処理速度が遅くなる。
そこで近年においては、停止原稿読み取り用のプラテンガラスとは別に、移動原稿読み取り用の読取ガラスを設け、この読取ガラス上に設定された読取位置に対応した位置に光学走査系を固定(停止)し、自動原稿搬送装置で搬送した原稿を読取位置で副走査方向に移動させながら、当該原稿の画像を光学走査系によって読み取り走査(流し読み)するCVT(Constant Velocity Transport)方式が採用されている(例えば、特許文献1参照)。このCVT方式を採用した画像読取装置では、光学走査系の移動が不要となるうえ、原稿を読取位置に連続的に搬送して画像の読み取りを行えるため、停止原稿読み取りタイプに比較して処理速度を向上させることができる。
ただし、CVT方式を採用した画像読取装置では、搬送の途中で原稿が通過する読取ガラス上に読取位置を設定し、この読取位置を通過(走行)する原稿の画像を読取ガラスを通して読み取るため、例えば、読取位置に対応する読取ガラス面に汚れや傷などの異物が付着していると、この異物が原稿の画像と関係なく連続的に読み取られることになる。その結果、原稿から読み取られた画像データに、原稿の副走査方向に沿うスジ状(直線状)のノイズが発生してしまう。ちなみに、副走査方向とは、原稿の画像を読み取るときに使用されるプラテンガラスのガラス面と平行な面内で原稿又は光学走査系が移動する方向をいい、主走査方向とは、副走査方向と直交する方向をいう。したがって、CVT方式(流し読み方式)で用いられる読取ガラス上では、読取位置を通過する原稿の移動方向(走行方向)に沿う方向が副走査方向となる。
ところで、CVT方式を採用したカラー画像読取装置、特に、R(赤),G(緑),青(B)の各色成分に対応した3本の読取画素列を有する、3ライン構成のCCDセンサを用いて原稿の画像を読み取るカラー画像読取装置では、読取ガラス上の読取位置に付着する異物が、1つ又は2つの読取画素列に跨って読み取られた場合に、元々の原稿が白黒原稿(白黒画像が記録された原稿)であるにもかかわらず、異物の付着部分が有彩色(カラー)の線画像として読み取られてしまう。
したがって、原稿から読み取った画像データを用いて、原稿がカラー原稿か白黒原稿かを自動的に判別する原稿色判別(ACS;Auto Color Selection)機能を有する画像処理装置では、異物の付着に起因した有彩色の線画像の発生に伴い、白黒原稿をカラー原稿と誤って判別する恐れがある。その結果、デジタルカラー複写機などの画像処理装置では、読み取り対象の原稿がカラー原稿か白黒原稿かに応じて読取色モード(カラーモード/白黒モード)を設定し、さらにこの読取色モードに合わせて処理条件(例えば、画像処理のパラメータなど)を設定する場合に、処理条件の設定が不適切なものとなってしまう。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、原稿の画像を流し読みする場合に、読み取り対象となった原稿がカラー原稿か白黒原稿かを的確に判別できるようにすることにある。
本発明に係る画像処理装置は、原稿の画像を読み取る読取手段と、この読取手段で読み取られた原稿の画像データに含まれるスジ状のノイズ成分を除去するノイズ除去手段と、このノイズ除去手段でノイズ成分の除去が行われた画像データを用いて、原稿がカラー原稿か白黒原稿かを判別する原稿色判別手段とを備えるものである。
本発明に係る画像処理装置においては、原稿の画像を読取手段で読み取った際に得られる画像データにスジ状のノイズ成分が含まれていると、このノイズ成分がノイズ除去手段により除去されるとともに、当該ノイズ除去済みの画像データを用いて原稿色判別手段により原稿色が判別される。
本発明によれば、原稿から読み取った画像データにスジ状のノイズ成分が含まれていても、そのノイズ成分を除去した画像データを用いてカラー原稿か白黒原稿かを判別するため、ノイズ成分の影響を何ら受けることなく、原稿色を的確に判別することができる。
以下、本発明に係る画像処理装置を、例えば、イメージスキャナ等の画像読取装置に適用した場合の具体的な実施の形態につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、本発明に係る画像処理装置は、以下に記述する画像読取装置に限らず、デジタルカラー複写機、カラーファクシミリ装置等の画像形成装置にも同様に適用可能である。
図1は本発明が適用される画像読取装置の構成例を示す概略図である。図示した画像読取装置1は、読取手段(後述)を内蔵する装置本体2と、この装置本体2上でヒンジ機構等により開閉自在に支持された原稿押さえ部3とを備えて構成されている。装置本体2の上面部には、後述する第1の読取動作モード時に使用される第1の原稿台4と、後述する第2の読取動作モード時に使用される第2の原稿台5が、副走査方向(図の左右方向)に隣り合う状態で並設されている。これら第1,第2の原稿台4,5は、いずれも光透過性を有するガラス(透明ガラス等)を用いて構成されている。
原稿押さえ部3は、第1の原稿台4上に載置された原稿を上から押さえるときにユーザによって開閉操作されるものである。この原稿押さえ部3には、原稿セット部6と、原稿排出部7と、原稿搬送部8とが設けられている。原稿セット部6は、CVT方式に基づく第2の読取動作モードによって読み取られる原稿(原稿束)がセットされる部分である。原稿排出部7は、第2の読取動作モードにしたがって読み取られた原稿が排出される部分である。原稿セット部6と原稿排出部7は、原稿押さえ部3で上下の位置関係に配置されている。
原稿搬送部8は、原稿セット部6にセットされた原稿を搬送路Rに沿って一枚ずつ搬送するとともに、この搬送した原稿を第2の原稿台5上で移動させた後、最終的に原稿排出部7に向けて原稿を排出するものである。この原稿搬送部8には、繰り出しローラ9、第1の搬送ローラ10、レジストローラ11、第2の搬送ローラ12、排出ローラ13が設けられている。繰り出しローラ9は、原稿セット部6にセットされた原稿を搬送路R上に繰り出すものである。第1の搬送ローラ10は、繰り出しローラ9によって繰り出された原稿を搬送路Rに沿ってレジストローラ11側に搬送するものである。レジストローラ11は、第1の搬送ローラ10によって搬送された原稿を第2の原稿台5上に送り出すものである。第2の搬送ローラ12は、レジストローラ11の送り出しによって第2の原稿台5上を通過した原稿を受け取って排出ローラ13側に搬送するものである。排出ローラ13は、第2の搬送ローラ12によって搬送された原稿を受け取って原稿排出部7に排出するものである。
なお、上記複数のローラ9〜13を用いて構成される原稿搬送部8は、各々のローラの回転によって原稿を搬送し、かつこの搬送時において原稿を第2の原稿台5上で移動させる基本的な搬送機能の他、両面読取のために原稿面を表裏反転させる反転機能と、この反転機能によって反転させた原稿面の向きを元通りに戻して原稿排出部7に排出する整合機能を備えている。ただし、反転機能と整合機能に関しては本発明の要旨に直接関連しないため、詳しい説明を省略する。
装置本体2の内部には、原稿の画像を読み取る読取手段として、光学走査系14、結像レンズ15及びCCDセンサ16が設けられている。光学走査系14は、それぞれ副走査方向(図の左右方向)Yに移動可能に支持されたフルレートキャリッジ17とハーフレートキャリッジ18を用いて構成されている。フルレートキャリッジ17にはランプ19と第1ミラー20が搭載され、ハーフレートキャリッジ18には第2ミラー21と第3ミラー22が搭載されている。
フルレートキャリッジ17とハーフレートキャリッジ18は、互いに共通のキャリッジ移動用モータを駆動源として副走査方向Yに移動するものである。その際、ハーフレートキャリッジ18はフルレートキャリッジ17の1/2の移動量(移動速度)をもって移動し、これによって副走査方向Yのいずれの位置にキャリッジ17,18が移動した状態でも、原稿面からCCDセンサ16までの光路長が常に一定に保持される構成となっている。
ランプ19は、読み取り対象となる原稿面に向けて光を照射するもので、その原稿面からの反射光が、第1ミラー20、第2ミラー21及び第3ミラー22で順に反射される。すなわち、第1ミラー20は原稿面から反射された光を水平方向に反射し、第2ミラー21は第1ミラー20によって反射された光を垂直方向に反射し、第3ミラー22は第2ミラー21によって反射された光を水平方向に反射する。結像レンズ15は、第3ミラー22によって反射された光を所定の縮小倍率でCCDセンサ16の撮像面に結像させるものである。
CCDセンサ16は、原稿の画像を読み取るための読取センサ(撮像素子)である。このCCDセンサ16は、フォトダイオード等の受光セル(読取画素)を直線状に配列した複数本の読取画素列(光電変換素子列)を有するものである。さらに詳述すると、CCDセンサ16は、例えば、R,G,Bの各分光感度特性をもつ3本の読取画素列(カラー原稿読取用の画素列)と、白黒の分光感度特性を持つ1本の読取画素列(白黒原稿読取用の画素列)とを有する、4ライン構成となっている。
図2は本発明の実施形態で採用した画像読取用のセンサ構成を示す概略図である。図示のように、CCDセンサ16は、4本の読取画素列を備えた構成となっている。すなわち、CCDセンサ16の受光部には、1つの白黒ラインセンサ部23と、3つのカラーラインセンサ部24,25,26とが設けられている。これら4つのラインセンサ部23,24,25,26は、主走査方向(図の左右方向)に沿って互いに平行に配列されている。また、副走査方向(図の上下方向)においては、白黒ラインセンサ部23とこれに隣り合うカラーラインセンサ部24とが第1の間隔(例えば、10ライン分の間隔)をあけて配置されているのに対し、3つのカラーラインセンサ部24,25,26は、互いに隣接するカラーラインセンサ部との間に、上記第1の間隔よりも狭い第2の間隔(例えば、1ライン分の間隔)をあけて配置されている。
白黒ラインセンサ部23は、読み取り対象となる原稿を白黒原稿として読み取る(換言すると、原稿の画像を白黒画像として読み取る)ときに適用される白黒モードでメインとなるセンサ部分である。カラーラインセンサ部24,25,26は、読み取り対象となる原稿をカラー原稿として読み取る(換言すると、原稿の画像をカラー画像として読み取る)ときに適用されるカラーモードでメインとなるセンサ部分である。すなわち、白黒モードで原稿の画像を読み取る場合は、白黒ラインセンサ部23で読み取られた白黒の画像データを読み取り結果として採用し、カラーモードで原稿の画像を読み取る場合は、カラーラインセンサ部24,25,26で読み取られたカラーの画像データを読み取り結果として採用する。ただし、読取色モードが白黒モードとカラーモードのいずれであっても、原稿の画像は、白黒ラインセンサ部23とカラーラインセンサ部24,25,26の双方で同時に読み取られる。
3つのカラーラインセンサ部24,25,26は、それぞれR,G,Bの各色成分に対応している。また、白黒用及びカラー用の各ラインセンサ部23,24,25,26は、所定の大きさの読取画素を所定のピッチで複数個直線状に配列して構成されるもので、1つの読取画素が1つの受光素子(フォトダイオード等)に対応している。また、3つのカラーラインセンサ部24,25,26は、それぞれ異なる色分解特性を有している。すなわち、R成分に対応するラインセンサ部(以下、Rラインセンサ部ともいう)24は、読取画素列上にR成分の光のみを透過するカラーフィルタ(色分解フィルタ)を有し、G成分に対応するラインセンサ部(以下、Gラインセンサ部ともいう)25は、読取画素列上にG成分の光のみを透過するカラーフィルタを有し、B成分に対応するラインセンサ部(以下、Bラインセンサ部ともいう)26は、読取画素列上にB成分の光のみを透過するカラーフィルタを有している。これに対して、白黒ラインセンサ部23は、読取画素列上にG成分の光のみを透過するカラーフィルタを有している。つまり、白黒ラインセンサ部23は、Gラインセンサ部25と同じ色分解特性を有するものとなっている。
白黒ラインセンサ部23に、Gラインセンサ部25と同じ色分解特性をもたせる理由は次のような事情による。先ず、白黒ラインセンサ部23単体で考えるとカラーフィルタを設けない構成も考えられるが、そうした場合は白黒ラインセンサ部23のセンサ感度が、他の3つのラインセンサ部24,25,26と比べて大きくなる。このため、カラー原稿の画像を読み取るときに必要とされる白色の照明光では、白黒ラインセンサ部23の出力だけが飽和してしまう恐れがある。また、これを避けるために照明光の光量を下げると、他の3つのラインセンサ部24,25,26で受光量が不足し、RGB出力のSN(Signal-to-Noise)が劣化してしまう。このため、各々のラインセンサ部23,24,25,26におけるセンサ感度の設計が非常に難しいものとなる。これに対して、G成分に対応するカラーフィルタを白黒ラインセンサ部23に採用した場合は、他の色成分(R成分、B成分)に対応するカラーフィルタに比較して分光特性の領域が広いうえに、より大きな出力信号が得られる。このため、可視光領域のほぼ全域(400〜700nm程度)にわたって原稿の画像を良好なSN比で読み取ることができる。
図3は本発明が適用される画像読取装置の制御構成を示すブロック図である。図において、CCDセンサ16から出力されるアナログの画像データは、アナログ/シェーディング補正部27に与えられる。このアナログ/シェーディング補正部27では、CCDセンサ16から与えられたアナログの画像データに対して、自動ゲイン制御(AGC)、自動オフセット制御(AOC)等の処理を実施した後、A/D変換を施す。さらに、アナログ/シェーディング補正部23では、上記A/D変換によりアナログ値からデジタルの多値情報に変換された画像データ(RGBデータ)に対し、シェーディング補正を施す。
こうして補正されたデジタルの画像データは、画像処理部28へ送られる。画像処理部28では、アナログ/シェーディング補正部23から与えられたデジタルの画像データ(RGBデータ)に対して種々の処理を施すものである。この画像処理部28には、画像データの色空間をRGB表色系からL*a*b*表色系に変換する色変換部281や、画像データに含まれるスジ状のノイズ成分を除去するノイズ除去部282が含まれる。色変換部281は、デジタルの画像データとして画像処理部28に入力されるRGBの画像データを、例えば、明度を表すL*と色相及び彩度を表すa*,b*の多値情報に変換する処理を行うものである。ノイズ除去部282は、画像処理部28に入力されるRGBの画像データに含まれる、副走査方向に沿うスジ状のノイズ成分を除去する処理(詳細は後述)を行うものである。これにより、画像処理部28からACS処理部29には、色変換部281で色変換されかつノイズ除去部282でノイズ成分が除去された画像データが送られる。
なお、ここで記述するスジ状のノイズ成分とは、第2の原稿台5上に設定された読取位置に異物(汚れ、傷など)が付着しているときに、この異物を読取手段で連続的に読み取ることによって発生するノイズ成分をいう。このノイズ成分は、原稿の副走査方向に沿う直線上において、原稿の一端から他端までの全長領域に連続した縦スジとなって現れる場合のほか、上記全長領域の一部の領域に連続した縦スジとなって現れる場合もある。この理由は、第2の原稿台5上を移動する原稿の画像を読取手段で読み取っている最中に、第2の原稿台5のガラス面に異物(例えば、消しゴムや修正液のカス)が付着したり、付着した異物が移動したりすることがあるためである。
ACS処理部29は、画像処理部28から入力される画像データ、すなわちL*a*b*の画像データを取り込んで、原稿画像の読み取り対象とされた原稿(被読み取り原稿)がカラー原稿か白黒原稿かを判別する処理(詳細は後述)を行うものである。この原稿色判別処理に際してACS処理部29では、被読み取り原稿がカラー原稿か白黒原稿かを判別するための判別用情報として、画像処理部28から入力される画像データや、後述する画素色判定用の閾値、ブロック色判定用の閾値、原稿色判定用の閾値などが用いられる。
主制御部30は、例えばCPU(中央演算処理装置)等によって構成され、ROM(Read-Only Memory)31に格納された制御用のプログラムに従って画像読取装置1全体の動作を統括的に制御するものである。各種センサ32は、画像読取装置1全体の動作を制御するうえで必要とされる検知センサである。各種センサ32の中には、例えば、原稿押さえ部3の開閉状態を検知する開閉検知センサ、被読み取り原稿の原稿サイズを検知する原稿サイズ検知センサ、原稿セット部6に原稿がセットされているか否かを検知する第1の原稿有無センサ(原稿サイズ検知センサと兼用可)、第1の原稿台4上に原稿が載置されているか否かを検知する第2の原稿有無センサ(原稿サイズ検知センサと兼用可)、副走査方向におけるキャリッジ17,18の位置を検知するキャリッジ位置検知センサ、原稿搬送部8での原稿詰まり等を検知するジャムセンサなどが含まれる。
これら各種センサ32から入力される検知信号を受けて、主制御部30は、上記読取手段を用いた原稿画像の読取動作モードとして、第1の読取動作モードと第2の読取動作モードのいずれか一方を選択する。第1の読取動作モードとは、光学走査系14を予め設定されたホームポジション(図1の左端)やその近傍位置から第1の原稿台4に沿って副走査方向Yに移動させることにより、第1の原稿台4上に停止状態(固定状態)で載置された原稿の画像を読み取る動作モードである。第2の読取動作モードとは、光学走査系14を副走査方向Yの所定の位置(ホームポジション又はその近傍)に停止させた状態で、原稿搬送部8の搬送動作によって第2の原稿台5上を移動する原稿の画像を読み取る(流し読みする)動作モードである。第2の読取動作モードでは、予め第2の原稿台5上に設定された読取位置のほぼ直下に第1ミラー20が配置される。
主制御部30における読取動作モードの選択は、例えば上記第1の原稿有無センサからの検知信号に基づいて行われる。すなわち、第1の原稿有無センサからの検知信号により、原稿セット部6に原稿がセットされていると判断した場合は第2の読取動作モードを選択し、原稿セット部6に原稿がセットされていないと判断した場合は第1の読取動作モードを選択する。こうした主制御部30による読取動作モードの選択処理は、操作パネル等のユーザインタフェース部(UI部)38に設けられたスタートボタンをユーザが押下したときに実行される。なお、読取動作モードの選択処理時に参照されるセンサ検知信号としては、第1の原稿有無センサからの検知信号の代わりに上記第2の原稿有無センサからの検知信号を利用してもよく、また第1,第2の原稿有無センサからの各検知信号を共に利用してもよい。
原稿搬送制御部33、照明制御部34及び走査制御部35は、それぞれ主制御部26からの制御命令に従って制御対象部の動作を制御するものである。すなわち、原稿搬送制御部30は、先述の原稿押さえ部3に装備された原稿搬送部8を制御対象として当該原稿搬送部8の駆動源となる原稿搬送用モータ36の回転動作を制御するものである。照明制御部34は、先述のフルレートキャリッジ17に搭載されたランプ19を制御対象として、当該ランプ19のオンオフ(点灯、消灯)動作を制御するものである。走査制御部32は、先述の光学走査系14のキャリッジ17,18を制御対象として、キャリッジ移動のための駆動源となるキャリッジ移動用モータ37の回転動作を制御するものである。
上記構成からなる画像読取装置において、例えば、ユーザが第1の原稿台4上に原稿を載置してユーザインタフェース部38のスタートボタンを押すと、これを受けて主制御部30は、原稿画像の読取動作モードとして第1の読取動作モードを選択し、これに基づく制御命令を照明制御部34及び走査操作制御部35に与える。これにより、照明制御部34によってランプ19の駆動が制御されるとともに、走査制御部35によってキャリッジ移動用モータ37の駆動が制御される。その結果、第1の原稿台4の下方で光学走査系14がランプ19を点灯しつつ副走査方向Yに移動し、この移動によって原稿の画像が光学走査系14及び結像レンズ15を介してCCDセンサ16により読み取られる。この原稿画像の読み取りによって得られた画像データは、アナログ/シェーディング補正部27及び画像処理部28を経由してACS処理部29に取り込まれる。
また、ユーザが原稿セット部6に原稿をセットしてユーザインタフェース部38のスタートボタンを押すと、これを受けて主制御部30は、原稿画像の読取動作モードとして第2の読取動作モードを選択し、これに基づく制御命令を原稿搬送制御部33、照明制御部34及び走査制御部35に与える。これにより、原稿搬送制御部33によって原稿搬送用モータ36の駆動が制御されるとともに、照明制御部34によってランプ19の駆動が制御される。また、走査制御部35によりキャリッジ移動用モータ37の駆動が制御される。その結果、第2の原稿台5上の読取位置に対応する所定の位置まで光学走査系14のキャリッジ17,18が移動し、そこでキャリッジ17,18が停止した状態となる。また、原稿セット部6にセットされた原稿は原稿搬送部8により搬送路Rに沿って搬送され、その搬送途中で第2の原稿台5上を移動する。このとき、光学走査系14のフルレートキャリッジ17では、原稿搬送部8による原稿の送り込みタイミングに合わせてランプ19が点灯する。これにより、移動中の原稿の画像が光学走査系14及び結像レンズ15を介してCCDセンサ16により読み取られる。この原稿画像の読み取りによって得られた画像データは、第1の読取動作モードの場合と同様に、アナログ/シェーディング補正部27及び画像処理部28を経由してACS処理部29に取り込まれる。
なお、本実施形態においては、第2の読取動作モードで原稿の画像を読み取る場合に、光学走査系14のキャリッジ17,18を上記所定の位置まで移動させるとしたが、ユーザがスタートボタンを押した時点でキャリッジ17,18が所定の位置に停止している場合は、いちいち走査制御部35に制御命令を与えてキャリッジ17,18を移動させる必要はない。
ここで、主制御部30が第2の読取動作モードを選択して画像読取装置1の動作を制御する場合に、第2の原稿台5上に設定された読取位置に汚れや傷などの異物が付着していると、この異物がノイズとして読取手段に読み取られる。その結果、アナログ/シェーディング補正部27から画像処理部28へと入力される画像データには、副走査方向に沿うスジ状のノイズ成分が含まれることになる。そうした場合、画像処理部28のノイズ除去部282では、例えば、以下のようなノイズ除去処理によってスジ状のノイズ成分を除去する。
まず、第2の原稿台6上に設定される読取位置において、CCDセンサ16の各ラインセンサ部23,24,25,26によって同時刻に読み取られる原稿上の位置は、各々のラインセンサ部の間隔に対応して副走査方向に若干ずれたものとなる。そのため、シェーディング補正された画像データに対しては、各々のラインセンサ部23,24,25,26が見かけ上、同時刻に同じ位置を読み取るものとなるように、遅延回路を用いたギャップ補正が行われる。ノイズ除去部282では、このギャップ補正が行われた画像データを用いて、スジ状のノイズ成分を検出する第1の処理と、当該第1の処理によって検出したノイズ成分を除去する第2の処理とを順に行う。
第1の処理では、第2の読取動作モードにしたがって原稿の画像を読み取った場合に、CCDセンサ16の各ラインセンサ部23,24,25,26から出力される画像データのうち、原稿の同一箇所を読み取ったときに白黒ラインセンサ部23から出力される画像データの濃度レベルとカラーラインセンサ部24,25,26から出力される画像データの濃度レベルとに基づいてスジ状のノイズを検出する。
すなわち、カラーモードでカラーラインセンサ部24,25,26より出力される画像データから所定以上の濃度レベルを有するスジ状の線画像(副走査方向に沿う線画像)が抽出されたにもかかわらず、これと同じ位置で、白黒ラインセンサ部23より出力される画像データから同様の線画像が抽出されなかった場合は、この線画像をスジ状のノイズ成分として検出する。また、白黒モードで白黒ラインセンサ部23より出力される画像データから所定以上の濃度レベルを有するスジ状の線画像が抽出されたにもかかわらず、これと同じ位置で、カラーラインセンサ部24,25,26より出力される画像データから同様の線画像が抽出されなかった場合も、この線画像をスジ状のノイズ成分として検出する。これに対して、カラーモードでカラーラインセンサ部24,25,26より出力される画像データからスジ状の線画像が抽出され、これと同じ位置で、白黒ラインセンサ部23より出力される画像データから同様の線画像が抽出された場合は、この線画像を原稿の画像である(つまり、ノイズ成分ではない)と判断する。また、白黒モードで白黒ラインセンサ部23より出力される画像データからスジ状の線画像が抽出され、これと同じ位置で、カラーラインセンサ部24,25,26より出力される画像データから同様の線画像が抽出された場合も、この線画像を原稿の画像であると判断する。
第2の処理では、上記第1の処理によって検出されたスジ状のノイズ成分を除去するために、例えば、スジ状のノイズ成分であると判定された画素の値を、原稿の下地濃度に対応した画素の値又は原稿の元の画像濃度に対応した画素の値に置換する処理を行う。具体的には、上述のようにカラーモードでカラーラインセンサ部24,25,26より出力される画像データから所定以上の濃度レベルを有するスジ状の線画像が抽出されたにもかかわらず、これと同じ位置で、白黒ラインセンサ部23より出力される画像データから同様の線画像が抽出されなかった場合は、スジ状のノイズ成分であると判定された画素の値を、当該画素位置に対応して白黒ラインセンサ部23より出力された画像データの画素の値に置換する。また、上述のように白黒モードで白黒ラインセンサ部23より出力される画像データから所定以上の濃度レベルを有するスジ状の線画像が抽出されたにもかかわらず、これと同じ位置で、カラーラインセンサ部24,25,26より出力される画像データから同様の線画像が抽出されなかった場合は、スジ状のノイズ成分であると判定された画素の値を、当該画素位置に対応してカラーラインセンサ部24,25,26より出力された画像データの画素の値に置換する。
以上のノイズ除去部282によるノイズ成分の除去処理に関しては、例えば、本出願人によって既に出願された特開2000−152008号公報、特開2002−271631号公報等に記載された技術を好適に適用することが可能である。
一方、画像処理部28で処理された画像データを用いて原稿色の判別を行うACS処理部29では、例えば、次の3つの処理ステップによって原稿がカラー原稿か白黒原稿かを判別する。すなわち、ACS処理部29では、画像処理部28から入力されるL*a*b*の画像データを用いて、画素色判定処理と、ブロック色判定処理と、原稿色判定処理といった3つの処理を順に行う。
画素色判定処理では、L*a*b*の画像データを構成する各々の画素の値と画素色判定用の閾値とを比較し、この比較結果に基づいて各々の画素がカラー画素か白黒画素かを判定する処理を行う。例えば、画像データを構成する各々の画素の値が、画素色判定用の閾値以下であれば白黒画素であると判定し、画素色判定用の閾値よりも大きい場合はカラー画素であると判定する。
ブロック色判定処理では、読取手段によって原稿から読み取られた画像データ(原稿領域)を複数のブロックに分割するとともに、各々のブロックごとに上記画素色判定処理でカラー画素(又は白黒ブロック)と判定された画素数とブロック色判定用の閾値とを比較し、この比較結果に基づいて各々のブロックがカラーブロックか白黒ブロックかを判定する処理を行う。例えば、各々のブロック内でカラー画素と判定された画素数が、ブロック色判定用の閾値以下であれば白黒ブロックであると判定し、ブロック色判定用の閾値よりも大きい場合はカラーブロックであると判定する。
原稿色判定処理では、上記ブロック色判定処理でカラーブロック(又は白黒ブロック)と判定されたブロック数と原稿色判定用の閾値とを比較し、この比較結果に基づいて原稿がカラー原稿か白黒原稿かを判定する処理を行う。例えば、カラーブロックと判定されたブロック数が、原稿色判定用の閾値以下であれば白黒原稿であると判定し、原稿色判定用の閾値よりも大きい場合はカラー原稿であると判定する。
以上のACS処理部29による原稿色(カラー原稿/白黒原稿)の判別処理に関しては、例えば、本出願人によって既に出願された特開2002−305665号公報、特開2003−116011号公報、特開2003−250054号公報等に記載された技術を好適に適用することが可能である。
ここで、ACS処理部29で行われる画素色判定処理において、例えば、主制御部30が第2の読取動作モードを選択して、これに基づく制御命令を原稿搬送制御部33、照明制御部34及び走査制御部35に与え、これによってカラーラインセンサ部24,25,26より出力された画像データに異物の付着に起因したスジ状のノイズ成分が含まれかつ当該画像データがノイズ除去部282で処理(ノイズ除去)されずに画像処理部28からACS処理部29に送られたものと仮定する。そうした場合、ACS処理部29では、白黒原稿から読み取った画像データであっても、スジ状のノイズ成分に対応する画素をカラー画素と判定する可能性が高くなり、これにしたがってブロック色判定処理でもカラーブロックと判定するブロック数が増加する。そのため、最終の原稿色判定処理において、白黒原稿をカラー原稿と誤って判定してしまう恐れがある。
これに対して、本実施形態に係る画像読取装置1では、ACS処理部29よりも前段の画像処理部28でノイズ除去部282によりスジ状のノイズ成分を除去し、このノイズ除去済みの画像データを用いて、ACS処理部29が原稿色判別のための処理(画素色判定処理、ブロック色判定処理、原稿色判定処理)を行う構成となっているため、第2の読取動作モードでカラーラインセンサ部24,25,26より出力される画像データに異物の付着に起因したスジ状のノイズ成分が含まれていたとしても、この影響で原稿色を誤って判定する恐れがない。したがって、ACS処理部29での原稿色の判別結果に基づいて、読取色モード(カラーモード/白黒モード)や画像処理条件(例えば、画像処理のパラメータなど)などを適切に設定することが可能となる。
1…画像読取装置、8…原稿搬送部、16…CCDセンサ、29…ACS処理部、282…ノイズ除去部
Claims (3)
- 原稿の画像を読み取る読取手段と、
前記読取手段で読み取られた前記原稿の画像データに含まれるスジ状のノイズ成分を除去するノイズ除去手段と、
前記ノイズ除去手段で前記ノイズ成分の除去が行われた画像データを用いて、原稿がカラー原稿か白黒原稿かを判別する原稿色判別手段と
を備えることを特徴とする画像処理装置。 - 原稿を搬送する原稿搬送手段を具備するとともに、前記原稿搬送手段の搬送動作にしたがって移動する原稿の画像を前記読取手段で流し読みする読取動作モードを有する
ことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。 - 原稿の画像を読み取る読取工程と、
前記読取工程で読み取られた前記原稿の画像データに含まれるスジ状のノイズ成分を除去するノイズ除去工程と、
前記ノイズ除去工程で前記ノイズ成分の除去が行われた画像データを用いて、原稿がカラー原稿か白黒原稿かを判別する原稿色判別工程と
を含むことを特徴とする画像処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004001097A JP2005197932A (ja) | 2004-01-06 | 2004-01-06 | 画像処理装置及び画像処理方法 |
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Publications (1)
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ID=34816715
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Country | Link |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008028684A (ja) * | 2006-07-20 | 2008-02-07 | Ricoh Co Ltd | 画像読取装置、画像処理装置、画像形成装置、スジ画像検出方法、画像処理方法、プログラム及び記録媒体 |
JP2008288696A (ja) * | 2007-05-15 | 2008-11-27 | Canon Inc | 画像読取装置 |
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2004
- 2004-01-06 JP JP2004001097A patent/JP2005197932A/ja active Pending
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