以下に添付図面を参照して、この発明にかかる画像読取装置および画像形成装置の最良な実施の形態を詳細に説明する。なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる画像形成装置の構成を示すブロック図である。以下、図1を用いて、この画像形成装置の構成および機能について説明する。図1に示す画像形成装置10は、画像読取部11(2つの読取り手段、メモリ手段、画像処理手段、メモリ制御手段を含む)、ADF(Auto Document Feeder:自動原稿送り装置)12、操作表示部13、画像形成部14、両面ユニット15、排紙仕分け装置(ソータ)16、給紙カセット17、拡張部18、および利用者制限機器19などにより構成されている。
画像読取部11は、光源を原稿に照射し、その反射光を光電変換する読取デバイスにより電気信号に変換し、量子化処理、シェーディング補正処理、MTF(Modulation Transfer Function)補正処理、および変倍処理などを行うものである。第1の実施の形態では、画像読取部11に異なるデバイスによる2つの読取り部を備えている。画像読取部11における量子化処理は、CCDにより電気信号に変換されたアナログデータを2値あるいは多値データに変換する処理である。変倍処理は、画像の読み取り密度を変化させて、読み取った画像データを用いてデータ補間を行う処理である。また、シェーディング補正処理は、原稿を照射する光源の照射ムラおよびCCDの感度のばらつきに対する補正処理である。MTF補正は、光学系によるボケを補正する処理である。
ADF12は、画像読取部11の上部に設けられ、原稿を自動送りするものである。また、画像読取部11の上部に設けられた操作表示部13は、画像形成装置の状態を表示すると共に、操作画面を表示してユーザが各種指示を入力できるようにしたものである。
画像形成部14は、両面ユニット15と、排紙仕分け装置(ソータ)16と、給紙カセット17とを有し、電気信号で送信された画像イメージを電子写真、感熱、熱転写、インクジェットなどの手段により、普通紙や感熱紙などの画像を形成する部位である。
拡張部18は、画像形成装置において実現できる拡張機能(アプリケーション)を制御する部位である。
利用者制限機器19は、利用者を特定、限定、および管理するための機器である。例えば、コインラック、キーカウンター、キーカード、プリペイドカードなどがあげられる。特に、電子写真プロセスを使用している画像形成装置の場合は、電気消費量が多いため、使用を制限する機会が多い。また、利用者を制限するために暗証コードなどを使用する場合がある。
図2は、図1の画像形成装置におけるADFを含めた原稿を読み取る画像読取部の断面構成を示す図である。以下、図2を用いて、ADFと画像読取部の構成および動作について説明する。
図2に示すように、スキャナ110のコンタクトガラス111上に置かれた原稿は、照明ランプ112により照明され、原稿の反射光(画像光)が第1ミラー113で副走査方向yと平行に反射される。照明ランプ112および第1ミラー113は、副走査方向yに定速駆動される第1キャリッジに搭載されている。この第1キャリッジと同方向にその1/2の速度で駆動される第2キャリッジには、第2ミラー114および第3ミラー115が搭載されている。そして、第1ミラー113が反射した画像光は、第2ミラー114で下(z)方向に反射され、第3ミラー115で副走査方向yに反射されて、レンズ116により集束され、CCD117に照射され、電気信号に変換される。
上記した第1および第2キャリッジは、走行体モータ118を駆動源として、y方向に往(原稿走査),復(リタ−ン)駆動される。このように、スキャナ110は、コンタクトガラス111上の原稿をランプ112および第1ミラー113で走査し、原稿画像をCCD117に投影するフラットベッド方式の原稿スキャナである。また、このスキャナ110は、シートスルー読み取りも可能なように、第1キャリッジがホームポジション(HP:待機位置)で停止しているときの第1ミラー113の読み取り視野位置に、シートスルー読み取り窓であるガラス120がある。そして、このガラス120の上方には、ADF(自動原稿供給装置)12が装着されていて、ADF12の搬送ドラム(プラテン)124がガラス120に対向している。
ADF12の原稿トレイ121に積載された原稿は、ピックアップローラ122およびレジストローラ対123で搬送ドラム124と押さえローラ125の間に送り込まれて、搬送ドラム124に密着して読み取りガラス120の上を通過し、排紙ローラ126,127で、原稿トレイ121の下方の圧板兼用の排紙トレイ128上に排出される。
原稿の表面の画像は、原稿読取窓である読み取りガラス120を通過する際に、その直下に移動している照明ランプ112により照射され、原稿の表面の反射光は、第1ミラー113以下の光学系を介してCCD117に照射され光電変換される。すなわち、RGBの各色画像信号に変換される。搬送ドラム124の表面は、読み取りガラス120に対向する白色背板であり、白基準面となるように白色である。
また、原稿の裏面の画像は、光源および撮像素子を内蔵する撮像装置133で読み取られ、光電変換される。すなわち、RGBの各色画像信号に変換される。撮像装置133に対向する白色背板134があり、撮像装置133と白色背板134の間を原稿が通過する。
さらに、読み取りガラス120と原稿始端の位置決め用のスケール132との間には、基準白板119、ならびに、第1キャリッジを検出する基点センサ129がある。基準白板119は、照明ランプ112の個々の発光強度のばらつき、主走査方向のばらつき、CCD117の画素毎の感度ムラ等を原因として、一様な濃度の原稿を読み取ったにもかかわらず、原稿読取画像データがばらつく現象を補正(シェーディング補正)するために用意されている。
ADF12の基体128は、奥側(図2の紙面に対して奥行き方向)においてスキャナ110の基体にヒンジ結合(蝶番連結)されていて、基体128の手前側(図2の紙面に対して手前方向)に取っ手130があり、ADF12の基体128を引き上げることによって、ADF12を開くことができる。ADF12の基体128の奥側には、ADF12の開閉を検出するスイッチがある。ADF12の、コンタクトガラス111に対向する圧板131がADF12の底面部に装着されており、ADF12が閉じると、圧板131の下面が、図2に示すように、コンタクトガラス111の上面に密着するように構成されている。
図3は、図1の画像読取部と画像形成部の構成を示す機能ブロック図である。図3に示すように、2つの読取り手段としての第1読取り部117および第2読取り部133は、原稿の両面をスキャンすることにより、原稿の両面画像データを生成する構成部である。また、この第1読取り部117および第2読取り部133は、原稿をスキャンしない間に読み取り面に付着したゴミ、汚れ、埃など検知する目的で、白色背板を介して読み取り面の画像を読み取ったゴミ検出用画像データを出力するゴミ検知機能も備えている。なお、ここでは、第1読取り部が図2に示すCCD117に相当し、第2読取り部が図2の撮像装置133に相当するため、同一符号を付している。
この第1読取り部117および第2読取り部133で読み取った画像データは、第1画像処理部11aに入力される。第1画像処理部11aでは、受け取った画像データの特性に基づいてスキャナ処理が行われる。具体的には、光量分布の歪みにより発生する画像濃度のばらつきを補正するシェーディング補正、あるいは原稿地肌に応じて地肌濃度を調整する等の処理をそれぞれの画像データごとに行う。
第1画像処理部11aでスキャナ処理された画像データは、次段のメモリ制御手段としてのメモリ制御部11bに入力される。このメモリ制御部11bでは、受け取ったそれぞれの画像データをメモリ手段としてのメモリ11cにフレームごとに蓄積する。フレームごとに蓄積された画像データは、例えば第1読取り部117で読み取った画像データをフレームごとに取り出して、次段の画像処理手段としての第2画像処理部11dに送る。
第2画像処理部11dでは、様々な画像処理を行った後、バスを介してその処理データがメモリユニット20に送られる。このメモリユニット20には、大量に画像データを扱う目的でHDD等のストレージ21が接続されている。そして、そのストレージ21に画像データを蓄え、次の入力画像を受け取ったり、あるいはハードコピーを行ったりするために蓄積してあった画像データを第2画像処理部11dに送出したりする。このようにメモリユニット20は、ストレージ21を用いて画像データの蓄積処理と、ストレージ21からの画像データの取り出しとをコントロールする機能を持っている。
この第1の実施の形態では、第1読取り部117からの画像データを先に処理したので、次に扱う画像データは、第2読取り部133からの画像データを処理する。第2読取り部133からの画像データは、第1読取り部117からの画像データと同様に処理され、要求に応じてストレージ21から画像データを取り出して、第2画像処理部11dに送る。メモリユニット20から画像データを受け取った第2画像処理部11dは、次段の画像形成部14を構成する書き込み画像処理部14aに画像データを送る。
この書き込み画像処理部14aでは、ハードコピーを行うために適した画像処理が行われ、次段のVDC14bに画像データを送る。このVDC14bでは、次段のVDB14cでの処理に適した画像フォーマットに変える等の前段処理を行った上で、次段のVDB14cに画像データを送る。VDB14cでは、受け取った画像データをレーザダイオード発光、あるいはその他の書き込み処理を行った後、転写処理によって転写紙に画像を転写し、ハードコピーを得る。また、図3に示す画像形成装置には、装置全体の制御を行う制御手段としてのCPU22と、プログラムを記憶しワーク領域として利用可能なCPUメモリ23とを備えている。
なお、図3の例では、第1読取り部117と第2読取り部133のそれぞれで読み取った画像データの特性の違いは第2画像処理部11dに与えて、それぞれの画像データに応じた設定データの切り替えにより吸収するようにしたが、必ずしもこの構成に限定されない。
図4は、第1読取り部と第2読取り部が読み取った原稿読取画像データの処理タイミングを説明するタイミングチャートである。図4の(A)は、第1読取り部117で読み取った画像データの入力例であり、原稿読み取り領域のタイミングで(B)に示す読み取り画像データが入力される。読み取った読み取り画像データは、図3に示す第1画像処理部11aでのスキャナ処理を経て、メモリ制御部11bによりメモリ11cに対してデータを蓄積する。このデータの蓄積タイミングを示したのが図4の(C)および(D)である。(C)に示すメモリライト区間において、原稿を読み取ってメモリ制御部11bに送られた読み取り画像データを(D)のタイミングでメモリ11cに書き込むようにする。
次に、図4の(E)および(F)は、第2読取り部133にて読み取った画像データの入力例である。なお、本第1の実施の形態では、第2読取り部133の読み取り画像データの入力が、図2に示すように原稿搬送路上の第1読取り部117の下流側に位置しているため、タイミング上は第1読取り部117の入力タイミングから遅れて入力されている。
入力された画像データは、第1読取り部117で読み取った画像データと同様に、第1画像処理部11aを経て、メモリ制御部11bにてメモリ11cにデータを蓄積する。このデータの蓄積タイミングを示したのが図4の(G)および(H)である。
上記処理例では、2つの読取り部117,133が読み取った画像データをメモリ制御部11bによってメモリ11cに蓄積するように処理される。このように、それぞれの読取り部117,133で読み取られた画像データは、一旦メモリ11cに蓄積され、次の処理としてメモリ制御部11bによってメモリ11cからデータを取り出して、次段処理部に出力される。このメモリ11cからのデータの取り出しと出力処理のタイミングを示したのが、図4の(I)および(J)と、(K)および(L)である。この例では、第1読取り部117で読み取った画像データを取り出した後に、第2読取り部133で読み取った画像データを取り出しているが、この順番は一例であって、処理要求によってどちらを先に取り出しても構わない。
また、ここでは、第1読取り部117と第2読取り部133で読み取った画像データをメモリ制御部11bで一旦メモリ11cに蓄積し、その蓄積画像データの中からそれぞれの原稿読取画像データを順番に処理する構成としている。画像読取装置における生産性は、両面原稿を読み取る時間、次の原稿を搬送する時間、および原稿を排紙する時間内にメモリ制御部11bにて画像データを取り出して、2つの画像データを順番に処理することが必要となる。仮に、メモリ11cからの画像データの取り出し時間と、その取り出した画像データの処理に時間がかかると、その処理時間が生産性を決めることになる。このため、メモリ11cに対するデータ蓄積時間は、読取り部での読み取り時間と同じとし、メモリ11cからの取り出しについては高速で行う必要がある。本第1の実施の形態では、約2倍程度の処理を想定して図4に示している。また、ここでの処理速度が遅い場合は、各読取り部から取得したフレームデータの切り替え時間が短くなるため、この切り替え時間内でさまざまな設定を行う必要がある。
本第1の実施の形態の画像形成装置は、上記のように構成されており、以下その動作について説明する。本発明の特徴であるゴミ検出処理とは、原稿を搬送させながら原稿画像の読み取りを行う際に、その読み取り面に不必要な異物の付着の有無を検知することである。仮に、読み取り面に異物が付着していて、ライン単位で読み取りを行う場合は、ライン毎に毎回同じ位置で異物を読み取るため、副走査方向の縦線画像となって現れる。このような不具合要因を検出するためには、読み取り面でのゴミ付着の有無を検出するゴミ検出処理が必要となる。
このゴミ検出処理は、原稿が搬送されていない状態で、読み取り面における画像データ(ゴミ検出用画像データ)を読み取り、そのゴミ検出用画像データ中に読み取りを阻害する異物が無いかどうかを検知するものである。
まず、図2に示すように、原稿搬送しながら第1読取り部であるCCD117を使って原稿の表面を読み取る場合は、ガラス120を通して原稿の画像データを読み取る。また、原稿が搬送されない状態での読み取り面におけるゴミ検知は、このガラス120の読み取り面の画像データを読み取って、ゴミ付着の有無を検出するものである。ゴミ検知を行う場合、原稿が搬送されない状態の読み取り面の背景は搬送ドラム124の白色を利用している。
次に、第2読取り部である撮像装置133を使って原稿の裏面を読み取る。図2の撮像装置133は、固定されていて移動しないため、この固定位置で原稿が搬送されていない時間帯に異物の付着の有無を検出するゴミ検出用画像データを読み取る。原稿が搬送されない状態での読み取り背景は、ここでは白色背板134を用いている。ゴミ検出処理のタイミングについては、図5を用いて説明する。
図5は、第1読取り部と第2読取り部が読み取ったゴミ検出用画像データと原稿読取画像データの処理タイミングを説明するタイミングチャートであり、図4のタイミングチャートにゴミ検出処理のタイミングを加えたものである。図5の(A)は、第1読取り部117で読み取ったゴミ検出用画像データと原稿読取画像データの入力例であり、原稿読み取り領域のタイミングで(B)に示すゴミ検出用画像データbと原稿読取画像データとが入力される。読み取ったゴミ検出用画像データ(図中のb)と原稿読取画像データは、図3に示す第1画像処理部11aでのスキャナ処理を経て、メモリ制御部11bによりメモリ11cに対してデータを蓄積する。このデータの蓄積タイミングを示したのが図5の(C)および(D)である。(C)に示すそれぞれのメモリライト区間において、ゴミと原稿とを読み取ってメモリ制御部11bに送られたゴミ検出用画像データ(図中のd)と原稿読取画像データとを(D)のタイミングでメモリ11cに書き込むようにする。ここでは、原稿読み取り前にゴミ読み取りを行っているが、必ずしもこれに限定されず、逆の順序で行っても良い。
次に、図5の(E)および(F)は、第2読取り部133にて読み取ったゴミ検出用画像データ(図中のf)と原稿読取画像データの入力例である。なお、本第1の実施の形態では、第2読取り部133の読み取り画像データの入力が、図2に示すように原稿搬送路上の第1読取り部117の下流側に位置しているため、タイミング上は第1読取り部117の入力タイミングから遅れて入力されている。
入力されたゴミ検出用画像データと原稿読取画像データとは、第1読取り部117で読み取った画像データと同様に、第1画像処理部11aを経て、メモリ制御部11bにてメモリ11cにデータを蓄積する。このデータの蓄積タイミングを示したのが図5の(G)および(H)である。
上記処理例では、2つの読取り部117,133が読み取ったゴミ検出用画像データと原稿読取画像データをメモリ制御部11bによってメモリ11cに蓄積するように処理される。このように、それぞれの読取り部117,133で読み取られたゴミ検出用画像データと原稿読取画像データは、一旦メモリ11cに蓄積され、次の処理としてメモリ制御部11bによってメモリ11cからデータを取り出して、次段処理部である第2画像処理部11dに出力される。この第2画像処理部11dには、ゴミ検出処理を行うゴミ検出処理部(図6の30)と、検出されたゴミ位置に基づいて原稿読取画像データを補正するゴミ補正処理部(図6の31)とを備えている。そして、このメモリ11cからのデータの取り出しと出力処理のタイミングを示したのが、図5の(I)および(J)と、(K)および(L)である。ここでは、第1読取り部117で読み取った画像データを取り出した後に、第2読取り部133で読み取った画像データを取り出している。この順番は、あくまでも一例であり、処理要求によってどちらを先に取り出しても良い。
図6は、第1の実施の形態にかかる第2画像処理部の構成ブロック図である。図6の第2画像処理部11dは、メモリ制御部11bより送られてくる原稿読取画像データに対して、ゴミ検出データで示す画素位置の画像に対して補正処理を行うことにより、ゴミ検出位置にある原稿読取画像データを補正してメモリユニット20に出力するものである。第2画像処理部11dは、図6に示すように、ゴミ検出処理部30、ゴミ補正処理部31、および生データ画素レベル算出部32などで構成されている。なお、生データ画素レベル算出部32は、シェーディング補正を行っていない生の画像データが入力された場合に、画素レベルの算出処理を行う構成部である。本第1の実施の形態では、シェーディング補正された画像データを扱うため、メモリ制御部11bから入力されたゴミ検出用画像データは、生データ画素レベル算出部32をスルーして、ゴミ検出処理部30で処理される。生データ画素レベル算出部32の構成説明については、後述する。
まず、第2画像処理部11dは、メモリ制御部11bから原稿読取画像データを入力する前にゴミ検出用画像データを入力し、ゴミ検出処理部30にてゴミ検出処理が行われる。このゴミ検出処理部30は、ゴミ検出用の設定パラメータを与えることによって、各種画像データに対応することができる。ゴミ検出処理部30で検出したゴミの情報は、ライン同期信号に連動して、ゴミ検出データとして次段のゴミ補正処理部31に入力される。
ゴミ補正処理部31では、後からメモリ制御部11bより送られてくる原稿読取画像データに対して、前記ゴミ検出処理部30からのゴミ検出データが示す画素位置の画像の補正処理を行うことにより、原稿読取画像データにおけるゴミ検出位置の画像が補正された原稿読取画像データとし、これをメモリユニット20に出力する。
図7は、主走査のライン同期信号とゴミ検出用画像データの主走査方向への分布とゴミ検出データとを示すタイミングチャートである。図7に示すゴミ検出用画像データのR位置とS位置にゴミデータ候補が存在している。ここでは、図6に示すゴミ検出処理部30における設定パラメータによって、図7のR位置にある画素をゴミとして検出し、S位置にある画素はゴミでは無いと判定した判定結果が図7のゴミ検出データである。このゴミ検出データは、検出した画素の主走査方向における画素位置を示している。ゴミ補正処理部31は、ゴミ検出処理部30から入力されるゴミ検出データに基づいて、原稿読取画像データ中に存在するゴミ位置の画素の補正処理を行うことによって、読取面に付着したゴミ起因による縦スジの発生を防止することができる。
図8は、シェーディング補正処理が施されたゴミ検出用画像データを用いてゴミ検出処理を行い様々な原稿レベルの原稿読取画像データをゴミ補正処理部で補正処理を行った補正処理結果を示す図である。図8では、様々な原稿レベルの原稿読取画像データをkライン目データ、mライン目データ、nライン目データ、pライン目データとして順番に配置している。例えば、kライン目データは、均一なグレイレベルの入力であり、R位置の画素近傍でゴミによるレベル低下が見られる。このため、これをゴミ補正処理部31にて補正処理を行うことにより、ゴミ補正処理後データであるk′ライン目データを得ることができる。なお、このゴミ補正処理は、原稿読取画像データのR位置画素近傍の画像を用いてR位置の画像を算出し、補正処理を行うことによって、ゴミによる縦スジの発生を防止することができる。
上記したkライン目データと同様に、mライン目データ、nライン目データ、pライン目データに対してもR位置の画素近傍の画像データを用いてR位置の画像を算出し、補正処理を行うことによって、ゴミによる縦スジの発生を防止することができる。なお本第1実施の形態では、kライン目データ、mライン目データ、pライン目データは黒スジを発生し、nライン目データは白スジを発生するデータである。
このように、第1の実施の形態によれば、2つの読取り部117,133を用いて原稿の両面読み取りを行い、それぞれの面のゴミ検出用画像データに基づいてゴミ検出を行い、ゴミ検出データの検出位置における原稿読取画像データを補正することにより、読み取り面のゴミ付着によって起こる縦スジ画像を補正することができる。また、複数の読取り部を設けて原稿の両面読取りを行っているため、生産性を落すことなく適正に原稿を読取ることができる。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態の特徴は、第2画像処理部11dのゴミ検出処理部30でゴミ検出処理を行う際に、シェーディング補正処理が施されていない画像データを用いる場合であっても、正しく縦スジ補正処理を行えるようにした点にある。
図9は、主走査のライン同期信号とシェーディング補正処理が施されていないゴミ検出用画像データの主走査方向への分布とゴミ検出データとを示すタイミングチャートである。上記した第1の実施の形態のように、シェーディング補正処理が施された画像データを用いてゴミ検出処理を行うと、適正にゴミ検出を行えないことがある。その場合、シェーディング補正処理の施されていない画像データを用いる必要があるが、図9に示すように、シェーディング補正前のゴミ検出用画像データは、原稿を照射するランプの光量分布によって、画像データの中央部レベルが高く、端部にいくに従ってレベルが落ちている。このような分布特性を持った画像データに対して、固定のしきい値を用いてゴミ付着の検出を行うと、ゴミの分布位置によって画素レベルが変化することから、検出品質にばらつきが生じる。そこで、本第2の実施の形態では、注目画素位置の近傍の画像レベルを用いて、注目画素の理想的な画素レベルの算出を行い、その画素レベルと実際の画素レベルとの差分を図6の生データ画素レベル算出部32で算出した後、ゴミ検出処理部30でゴミ検出判定処理を行っている。
図10は、シェーディング補正処理が施されていないゴミ検出用画像データの注目画素の理想的な画素レベルを算出する方法を説明する図である。この画素レベルの算出処理は、図6に示す第2画像処理部11dの生データ画素レベル算出部32において行われる。例えば、図10に示すように、注目画素Rの位置における理想的な画素レベルはrであり、このrの画素レベルを周囲画素を用いて算出する。その場合の算出方法は、周囲画素との平均化演算を行うことによって簡略に算出するようにしても良い。同様にS位置における理想的な画素レベルはsであり、T位置における理想的な画素レベルはtとなる。このように、生データ画素レベル算出部32では、それぞれの位置(R、S、T)における理想的な画素レベル(r、s、t)と、実際の画素レベルとの差分算出を行い、その算出された差分を用いて、ゴミ検出処理部30においてゴミ検出判定が行われる。
図9の例では、R位置とS位置にゴミデータ候補が存在している。ここでは、R位置の画素をゴミと検出し、S位置の画素はゴミでは無いと判定したもので、その判定結果が図9に示すゴミ検出データとなる。このゴミ検出データは、検出した画素の主走査の位置を示しており、このデータを図6に示すゴミ補正処理部31に入力し、このデータに基づいて原稿読取画像データ中に存在するゴミ位置の画素を補正処理することで、縦スジの発生を防止することができる。その後の処理については、上記第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
図11は、シェーディング補正処理が施されていないゴミ検出用画像データを用いてゴミ検出処理を行い様々な原稿レベルの原稿読取画像データをゴミ補正処理部で補正処理を行った補正処理結果を示す図である。図11の場合も、様々な原稿レベルの原稿読取画像データをkライン目データ、mライン目データ、nライン目データ、pライン目データとして順番に配置している。例えば、kライン目データは、均一なグレイレベルの入力であり、R位置の画素近傍でゴミによるレベル低下が見られる。そこで、これをゴミ補正処理部31にて補正処理を行うことにより、ゴミ補正処理後データであるk′ライン目データが得られる。なお、ゴミ補正処理部31は、原稿読取画像データのR位置画素近傍の画像を用いてR位置の画像を算出し、補正処理を行うことで、ゴミによる縦スジの発生を防止している。
このように、第2の実施の形態によれば、2つの読取り部117,133を用いて原稿の両面読み取りを行い、シェーディング補正処理が施されていないゴミ検出用画像データを用いてゴミ検出処理を行う場合であっても、生データ画素レベル算出部32において注目画素の理想的な画素レベルを周囲画素を用いて算出し、実際の画素レベルとの差分を算出して、ゴミ検出処理部30においてゴミ検出判定を行い、ゴミ検出データの検出位置における原稿読取画像データを補正することにより、読取面のゴミ付着によって起こる縦スジ画像を補正することができる。また、上記第1の実施の形態と同様に、複数の読取り部を設けて原稿の両面読取りを行っているため、生産性を落すことなく適正に原稿を読取ることができる。
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態の特徴は、第2の実施の形態の処理をさらに進めたもので、ゴミ検出処理に用いられるシェーディング補正処理が施されていない画像データにおいて、読取りに使用するデバイスの特性により画素毎の光電変換時にレベルのばらつきが発生している場合、そのばらつきがゴミ検出処理において誤検出とならないようにした点にある。
図12は、シェーディング補正処理が施されていないゴミ検出用画像データを用いてゴミ検出処理を行う場合に読み取りデバイスのレベルのばらつきによるレベル低下画素がある場合のゴミ検出用画像データを示す図である。図3に示す画像読取部11の第1読取り部117と第2読取り部133には、CCDなどの読み取りデバイスを用いているが、デバイスの特性によっては画素毎の光電変換時にレベルのばらつきが発生することがある。そこで、図12では説明を簡略化するため、レベル低下位置が第1読取り部117のU位置の1箇所だけとして説明する。このU位置における画素レベルのレベル低下が大きい場合は、第1読取り部117を使って読み取り面のゴミ検出用画像データを取得する際に、U位置の画素の検出をマスクしてゴミ検出の対象画素から除くようにする。このマスクの設定は、デバイス毎に特性が異なるため、第1読取り部117および第2読取り部133に対してそれぞれ個別に行うようにしている。
また、U位置の画素データを除去する手段は、これに限定されず、第1画像処理部11aに対して第1読取り部117と第2読取り部133のそれぞれ除去すべき画素データの位置を予め設定しておき、第1読取り部117と第2読取り部133のいずれから入力される画像データかによって、除去すべき画素データの位置を変えながら除去するように構成しても良い。
第3の実施の形態では、上記のように読み取りデバイスの特性のばらつきによるレベル低下画素を予め設定しておくことにより、ゴミ検出の対象画素から除くことが可能となり、読み取り面に付着したゴミと混同して補正処理が行われるのを防止することができる。
図13は、主走査のライン同期信号とシェーディング補正処理が施されていないゴミ検出用画像データの主走査方向への分布と読み取りデバイスのレベル低下画素を予め除去してゴミ検出処理を行ったゴミ検出データとを示すタイミングチャートである。図13の例では、ゴミ検出用画像データのR位置とS位置にゴミデータ候補が存在していて、U位置に読み取りデバイスの特性のばらつきによるレベル低下画素がある。このU位置の画素は、第1読取り部117にレベル低下画素として予め設定されているため、図13では既に除去されている。従って、上記第2の実施の形態の図9と同様に処理され、図6の生データ画素レベル算出部32を用いて画素レベルの算出が行われ、ゴミ検出処理部30でゴミ検出処理を行うことによって、R位置の画素はゴミと検出され、S位置の画素はゴミで無いと判定される。その判定結果が図13に示すゴミ検出データである。
このゴミ検出データは、検出した画素の主走査の位置を示しており、このデータを図6に示すゴミ補正処理部31に入力し、このデータに基づいて原稿読取画像データ中に存在するゴミ位置の画素を補正処理することにより、縦スジの発生を防止することができる。その後の処理については、上記第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
このように、第3の実施の形態によれば、2つの読取り部117,133を用いて原稿の両面読み取りを行い、シェーディング補正処理が施されていないゴミ検出用画像データを用いてゴミ検出処理を行う際に、読み取りデバイスの特性のばらつきによるレベル低下画素の画素位置を予め設定しておくことにより、ゴミ検出の対象画素から除くことができるので、読み取り面に付着したゴミと混同して縦スジ画像の補正処理が行われるのを防ぐことができる。
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態の特徴は、読取りに使用されるデバイスが複数のラインセンサを1ライン上に並べて構成され、ゴミ検出処理に用いられるゴミ検出用画像データにはシェーディング補正処理の施されていない画像データが用いられているという点にある。
図14は、シェーディング補正処理が施されていないゴミ検出用画像データを用いてゴミ検出処理を行う場合に1ライン分の主走査幅にラインセンサを3個並べて読取りデバイスを構成した場合のゴミ検出用画像データを示す図である。図14では、1ライン分の主走査幅を得るためにラインセンサが3個並べて構成され、それぞれのラインセンサ間に光電変換時のばらつきがある場合である。このため、図14に示すように、画像データのレベル再現において、ラインセンサ間のつなぎ画素であるV位置とW位置においてゴミ検出処理の際に、誤検知が発生し易くなる。
そこで、第4の実施の形態では、図3に示す画像読取部11の第1読取り部117と第2読取り部133において、3個のラインセンサの間のつなぎ画素であるV位置とW位置の画素の検出をマスクし、ゴミ検出の対象画素から除くように構成されている。このマスクの設定は、つなぎ画素のV位置の画素とW位置の画素が予め分かっていることから、ゴミ検出時の検出除外対象として除外設定が施されている。
図15は、主走査のライン同期信号とシェーディング補正処理が施されていないゴミ検出用画像データの主走査方向への分布と読み取りデバイスのつなぎ画素を予め除去してゴミ検出処理を行ったゴミ検出データとを示すタイミングチャートである。図15の例では、図14に示したV位置とW位置とがラインセンサのつなぎ画素であるため、この部分の画素が検出除外対象として処理され、ゴミ検出処理による検出対象から除外される。このため、R位置とS位置がゴミ検出処理の対象となり、この後の処理は上記第2の実施の形態における図10と同様となる。すなわち、図6の第2画像処理部11dの生データ画素レベル算出部32では、画素レベルの算出処理が行われ、V位置とW位置における理想的な画素レベルと、実際の画素レベルとの差分算出を行い、その算出された差分を用いて、ゴミ検出処理部30においてゴミ検出判定が行われる。
図15の例では、R位置とS位置にゴミデータ候補が存在し、ここでは、R位置の画素をゴミと検出し、S位置の画素はゴミでは無いと判定したもので、その判定結果が図15に示すゴミ検出データとなる。このゴミ検出データは、検出した画素の主走査の位置を示しており、このデータを図6に示すゴミ補正処理部31に入力し、このデータに基づいて原稿読取画像データ中に存在するゴミ位置の画素を補正処理することにより、縦スジの発生を防止することができる。その後の処理については、上記第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
このように、第4の実施の形態によれば、読取りに使用されるデバイスが複数のラインセンサを1ライン上に並べて構成され、ゴミ検出処理に用いられるゴミ検出用画像データにシェーディング補正処理の施されていない画像データを用いる場合であっても、それぞれの読取り部117、133においてラインセンサのつなぎ画素を検出除外対象として処理するため、仮にラインセンサ間に光電変換時のばらつきがあったとしてもゴミ検出処理による検出対象から除外されることから、つなぎ画素をゴミと誤検出することがなくなり、読取面のゴミ付着によって起こる縦スジ画像の補正を適正に行うことができる。
(第5の実施の形態)
第5の実施の形態の特徴は、第1読取り部117と第2読取り部133とを使って原稿の両面読取りを行っているが、2つの読取り部の特性が全く同一とは限らないため、それぞれの読取りに適した設定をゴミ検出処理の前に施した上でゴミ検出処理を行い、適正な処理データが得られるようにした点にある。
第5の実施の形態では、図6に示すゴミ検出処理部30に不図示のメモリを備えていて、2つの読取り部117、133の特性に応じたゴミ検出処理パラメータをそれぞれ保持している。そして、図3に示す制御手段としてのCPU22は、第1読取り部117と第2読取り部133で読み取られたゴミ検出用画像データを第2画像処理部11dのゴミ検出処理部30で処理する際に、いずれの読取り部で読み取った画像データかによって、ゴミ検出処理部30内のメモリに保持されたゴミ検出処理パラメータを切り替えて、ゴミ検出処理を行うように制御する。
この切り替えタイミングは、図5の(L)に示すように、第1読取り部117で読み取ったゴミ検出用画像データを取り出してL1のタイミングでゴミ検出処理を行った後に、第2読取り部133で読み取ったゴミ検出用画像データを取り出してL2のタイミングでゴミ検出処理を行っているので、それぞれのゴミ検出処理を行う前にCPU22がゴミ検出処理部30のメモリに保持されているゴミ検出処理パラメータを適正な設定値に切り替えることで対応することができる。
このように、第5の実施の形態によれば、両面読取りに使用される2つの読取りデバイスが異なる読み取り特性を持っていたとしても、適正なタイミングでCPU22が第2画像処理部11dのゴミ検出処理部30のメモリが保持するゴミ検出処理パラメータを切り替えることによって、画像読取りにおける生産性を落とすことなく、それぞれのデバイスの読取り特性に応じたゴミ検出処理を行うことが可能となり、適正な縦スジ画像の補正処理を行うことができる。
(第6の実施の形態)
第6の実施の形態の特徴は、シェーディング補正されたゴミ検出用画像データを用いてゴミ検出処理を行う際に、ゴミ検出処理時のゴミ画素位置の画素レベルよりも、補正処理時における原稿読取画像データのゴミ画素位置の画素レベルの方がレベル低下している場合であっても、適正な縦スジ補正処理を行えるようにした点にある。
ゴミ検出処理時には、白い背景を用いているため、ゴミの周囲画素が明るく、この明るい周囲画素の影響を受けて、ゴミ画素位置の画素レベルが通常より高めに検出されることがある。これに対し、補正処理時における原稿読取画像データは、必ずしも背景が白とは限らず、ゴミ検出処理時のような周囲画素の影響を受け難く、ゴミ検出処理時よりも補正処理時の画素レベルが低下するという傾向がある。このため、ゴミ検出処理部30で検出した画素レベルを参考にして、ゴミ補正処理部31においてゴミ画素位置の画素レベルを補正しようとすると、過補正となってしまい、白い縦スジが発生することがあった。
そこで、第6の実施の形態では、図6に示す第2画像処理部11d内のゴミ検出処理部30において、検出したゴミ画素位置の画素レベルをサンプリングする。続いて、ゴミ補正処理部31では、ゴミ補正処理を行う前の原稿読取画像データのゴミ画素位置の画素レベルを求め、ゴミ検出処理時にサンプリングした画素レベルと比較して、画素レベルが低下している場合は、過補正になる可能性が高い。その場合、ゴミ補正処理部31では、ゴミ検出処理部30で検出した画素レベルを参考にしてゴミ画素位置を補正するのではなく、ゴミ画素位置とその周囲画素レベルとを検出し、ゴミ画素位置における画素レベルがゴミの周囲画素と同じ画素レベルとなるように補正する。
このように、第6の実施の形態によれば、シェーディング補正されたゴミ検出用画像データを用いてゴミ検出処理を行う場合に、ゴミ検出処理時と補正処理時のゴミ画素位置の画素レベルを比較し、ゴミ検出処理時のゴミ画素位置の画素レベルよりも補正処理時の画素レベルの方が低下している場合は、ゴミ補正処理部31において、原稿読取画像データのゴミ画素位置とその周囲画素のレベルとを検出し、ゴミ画素位置における画素レベルがゴミの周囲画素と同じ画素レベルになるように補正することで、過補正を防止し、適正な縦スジ補正処理を行うことができる。
(第7の実施の形態)
第7の実施の形態の特徴は、シェーディング補正前のゴミ検出用画像データを用いてゴミ検出処理を行う際に、上記第6の実施の形態と同様に周囲画素の影響を受けて、ゴミ検出処理時よりも補正処理時の方がゴミ画素位置の画素レベルが低下する場合であっても、適正な縦スジ補正処理を行えるようにした点にある。
第7の実施の形態は、ゴミ検出処理時にシェーディング補正前のゴミ検出用画像データを用い、補正処理時にはシェーディング補正を行った原稿読取画像データを用いているため、両者の画像レベルが異なることから、第6の実施の形態のように画素レベルを比較することができない。そこで、第7の実施の形態では、ゴミ検出処理時にシェーディング補正前のゴミ検出用画像データを用いる場合、常にゴミ補正処理部31において、ゴミ画素位置の画素レベルとその周囲画素レベルとを検出し、ゴミ画素位置における画素レベルがゴミの周囲画素と同じ画素レベルとなるように補正する。
このように、第7の実施の形態によれば、シェーディング補正前のゴミ検出用画像データを用いてゴミ検出処理を行う場合は、常にゴミ補正処理部31において、ゴミ画素位置の画素レベルとその周囲画素レベルとを検出し、ゴミ画素位置における画素レベルがゴミの周囲画素と同じ画素レベルとなるように補正することで、過補正を防止し、適正な縦スジ補正処理を行うことができる。
(第8の実施の形態)
第8の実施の形態の特徴は、シェーディング補正前のゴミ検出用画像データを用いてゴミ検出処理を行う際に、上記第4の実施の形態のように複数のラインセンサが1ライン上に配置されて読取りデバイスが構成され、ラインセンサ間で再現画像にレベル差がある場合、つなぎ画素のレベル差をゴミとして検出し、過補正処理が行われることのないようにする点にある。
例えば図14に示すように、読取り特性の異なる複数のラインセンサを1ライン上に配置し、シェーディング補正前のゴミ検出用画像データを用いてゴミ検出処理を行うと、ラインセンサ間のつなぎ目部分に段差(レベル差)を生じる。図14では、V位置画素とW画素位置がつなぎ画素となる。このため、段差のあるゴミ検出用画像データを用いて、図6に示す第2画像処理部11dのゴミ検出処理部30でゴミ検出処理を行うと、つなぎ画素がゴミとして検出され、次段のゴミ補正処理部31で縦スジ補正処理を行うと、過補正となることがあった。例えば、縦スジ補正処理を行う原稿読取画像データは、シェーディング補正によって均一濃度の画像となるので、補正処理を行ってもレベル差は生じないが、つなぎ目部分に文字などの像があると、その部分が補正されてしまうため、文字画像の崩れが生じる(過補正となる)。
そこで、第8の実施の形態では、図6の第2画像処理部11dのゴミ補正処理部31において、ゴミ検出処理部30のゴミ検出処理によって得られたゴミ画素位置の画素レベルと、その周囲画素の画素レベルとに基づいて、ラインセンサ同士が接するつなぎ目部分の画素か否かを検出し、つなぎ目部分の画素であれば補正対象画素から外すようにする。そして、ゴミ補正処理部31は、前記原稿読取画像データの補正対象画素の画素レベルと、その周囲画素の画素レベルとに基づいて、ゴミ画素位置の画素レベルがゴミの周囲画素と同じ画素レベルとなるように補正を行う。これにより、ラインセンサ間のつなぎ目部分をゴミとして検出することによる過補正を防止すると共に、縦スジ補正処理に必要な読取り面に付着したゴミ画像のみを適正に補正することができる。
このように、第8の実施の形態によれば、シェーディング補正前のゴミ検出用画像データを用いてゴミ検出処理を行い、読取りデバイスが複数のラインセンサを1ライン上に配置することによって構成され、ラインセンサ間で再現画像にレベル差があった場合でも、ラインセンサ間のつなぎ目部分を縦スジ補正対象としないように補正対象画素から外すことによって、過補正を防止し、読取り面に付着したゴミのみを補正対象画素として、適正に縦スジ補正処理を行うことができる。
(第9の実施の形態)
第9の実施の形態の特徴は、第1読取り部117と第2読取り部133とを使って原稿の両面読取りを行っているが、2つの読取り部の特性が全く同一とは限らないため、それぞれの読取りに適した設定を縦スジ画像の補正前に施した上でゴミ補正処理を行うことにより、適正な縦スジ画像の補正処理を行うようにした点にある。
第9の実施の形態では、図6に示すゴミ検出処理部31に不図示のメモリを備えていて、2つの読取り部117、133の特性に応じた縦スジ画像の補正処理パラメータをそれぞれ保持している。そして、図3に示す制御手段としてのCPU22は、第1読取り部117と第2読取り部133で読み取った原稿読取画像データを第2画像処理部11dのゴミ補正処理部31で補正処理を行う際に、いずれの読取り部で読み取った原稿読取画像データかによって、ゴミ補正処理部31内のメモリに保持された補正処理パラメータを切り替えてゴミ補正処理を行うように制御する。
この切り替えタイミングは、図5の(L)に示すように、第1読取り部117で読み取った原稿読取画像データ(図中ではL1の後の出力データ)を取り出してゴミ補正処理を行った後に、第2読取り部133で読み取った原稿読取画像データ(図中ではL2の後の出力データ)を取り出してゴミ補正処理を行っているので、それぞれのゴミ補正処理を行う前にCPU22がゴミ補正処理部31のメモリに保持されている補正処理パラメータを適正な設定値に切り替えることによって対応することができる。
このように、第9の実施の形態によれば、両面読取りに使用される2つの読取りデバイスが異なる読み取り特性を持っていたとしても、適正なタイミングでCPU22が第2画像処理部11dのゴミ補正処理部31のメモリが保持する補正処理パラメータを切り替えることによって、画像読取りにおける生産性を落とすことなく、それぞれのデバイスの読取り特性に応じた適正な縦スジ画像の補正処理を行うことができる。