JP2004187003A - 画像読取装置、異常画素検出方法、異常画素検出プログラム及び記録媒体 - Google Patents
画像読取装置、異常画素検出方法、異常画素検出プログラム及び記録媒体 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】多様な読み取り方式において、検出性能を十分に引き出すことができる画像読取装置を提供する。
【解決手段】検出データ選択部4は、シェーディング補正前の画像データ▲1▼、シェーディング補正後の画像データ▲4▼、シェーディングデータ▲3▼の3種類のデータから1種類を選択し(選択されたデータは▲5▼)、異常画素検出部5へ送信される。そして、異常画素検出部5において異常画素検出処理が行われ、画素毎の検出結果を第2ラインメモリ8に記憶する(▲6▼)。なお、原稿読み取り時の異常画素補正処理は、シェーディング補正同様、第2ラインメモリ8のデータを画像データの入力に同期させて順次読み出し(▲7▼)、異常と判定された画素の画像データのみ異常画素補正処理部6において補正する。
【選択図】 図1
【解決手段】検出データ選択部4は、シェーディング補正前の画像データ▲1▼、シェーディング補正後の画像データ▲4▼、シェーディングデータ▲3▼の3種類のデータから1種類を選択し(選択されたデータは▲5▼)、異常画素検出部5へ送信される。そして、異常画素検出部5において異常画素検出処理が行われ、画素毎の検出結果を第2ラインメモリ8に記憶する(▲6▼)。なお、原稿読み取り時の異常画素補正処理は、シェーディング補正同様、第2ラインメモリ8のデータを画像データの入力に同期させて順次読み出し(▲7▼)、異常と判定された画素の画像データのみ異常画素補正処理部6において補正する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像読取装置、異常画素検出方法、異常画素検出プログラム及び記録媒体に関し、特にデジタル複写機やファクシミリ装置に極めて好適な画像読取装置、異常画素検出方法、異常画素検出プログラム及び記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
ファクシミリ装置に代表されるような原稿搬送型の画像読取装置は、原稿読取部に溜まる紙粉やローラー粕等によるゴミの影響で、読み取られた画像の副走査方向に黒スジが入りやすい。そのため、従来において、原稿読取部のゴミによる画像データの落ち込みを検知して、その影響を排除するような異常画素検出機能や異常画素補正機能について種々提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
例えば特許文献1は、明度基準板(基準白板)の異なる位置を読み取り、第1の位置の読み取りデータをシェーディングデータとして第2の読み取りデータをシェーディング補正し、該データを解析することで第1の位置でのゴミを検知するものである。
【0004】
また、読取部でのゴミによる画像データの落ち込みを精度よく検知するためには、ゴミによる落ち込みと、ゴミ以外による落ち込みを的確に分離する必要がある。なお、ゴミ以外の影響による画像データの落ち込みとは、読取部の光学特性やイメージセンサの画素毎の感度ばらつきによる白波形の歪みであり、これはシェーディング補正によって排除できる成分である。つまり、正しくシェーディング補正を施すことにより、ゴミによる落ち込みと、白波形の歪みと、を分離することが可能となる。
【0005】
また、本出願人よる従来技術として、シェーディング補正の基準となる白画像を読み取ることで取得した基準白画像データを画素毎に値を調べ異常画素か否かを判定し、該判定により異常画素であると判定された画素については、基準白画像データとして予め定められた特定値を記憶する画像読取装置がある(特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−285594号公報
【特許文献2】
特開2002−152509号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、原稿読み取りデータと同様に、シェーディングデータが読取部のゴミの影響を受ける可能性があると、図6に示すように、シェーディング補正自体が正常に機能しないため、ゴミによる落ち込みを正しく判別することは困難である。特許文献1は、その特性を利用しているが、ファクシミリ装置に見られる原稿搬送型の画像読取装置においては、原稿読取部に設置された白色の背景板を読み取ることでシェーディングデータを採取する方式を採用するものが少なくない。
【0008】
このため、読取部のゴミの影響を受けるのは必至であり、かつ複合機のようなセンサユニット自体に稼働部を持たないので読み取り位置を移動させることも不可能である。それ故、異常画素検出の対象データとしてはシェーディング補正を施す前の画像データあるいはシェーディングデータそのものを対象にせざるを得ない。つまり、白波形の歪みを含んだ状態でゴミによる落ち込みを検出することになる。
【0009】
また、複数ページにわたって画像の読み取りを行う場合、読み取り速度の向上を目的として、シェーディングデータの更新を数ページに一度の割合で行う場合もある。この場合において、シェーディングデータを更新しないページの読み取りに際しては、数ページ前に採取したシェーディングデータそのものでの異常画素検出ではなく、シェーディング補正前の画像データでの検出が適切となる。
【0010】
逆に、シェーディングデータを更新するページの読み取りに際しては、シェーディングデータそのものでの異常画素検出でも構わない。むしろ、シェーディングデータの採取に当たっては、ラインメモリを用いて数ラインの重み付け加算平均処理などを施し、突発的なノイズを除去するような方式を採用する場合が多いため、ゴミによるデータの落ち込みを検出するにはシェーディング補正前の画像データよりもシェーディングデータそのものの方が適しているとも言える。
【0011】
また、装置の製造工程時またはメンテナンス時に専用の基準工具を用いてシェーディングデータを採取し、そのシェーディングデータを不揮発性メモリに保存することで原稿を読み取る度にシェーディングデータを更新しない方式を採用することもある。この場合、原稿読み取り時のゴミの影響を受けないシェーディングデータを得られるため、シェーディング補正後の画像データで異常画素の検出を行うことも可能であり、白波形の歪みが除去された状態でゴミによる落ち込みを検出できる。
【0012】
一方、複合機に代表される原稿読取台を有する原稿読取装置において、ファクシミリ装置と同じ方式の原稿搬送型読取ユニットを併せ持つものもある。このような構成では、図7に示すように、原稿読取台のガラス面以外の部分に設置された白基準板を走査することでシェーディングデータを採取し、その後、走行体を原稿搬送型読取ユニットの読み取り位置に移動させ、原稿搬送によって原稿を読み取る方式が一般的である。この場合、読取部のゴミの影響を受けずにシェーディングデータを採取することができ、異常画素検出の対象データとしてはシェーディング補正後の画像データを選択することが可能となる。
このように、シェーディングデータの生成方式によって異常画素の検出に最も適した検出対象データは異なるものである。
【0013】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、多様な読み取り方式において、検出性能を十分に引き出すことができる画像読取装置、異常画素検出方法、異常画素検出プログラム及び記録媒体を提供することを目的とする。
【0014】
また、異常画素検出対象データを切り換えた場合、画像処理の有無によってデータの取りうる値の範囲(ばらつき)が変化する。例えば、シェーディング補正前の画像データは白波形の歪みを含んでいるため、画素毎に取りうる値が様々な上、全体的に低いレベルとなる。一方、シェーディング補正後の画像データは正規化されており、ほぼ一様な値となる。このようにばらつき方に違いがあるデータに対して、ゴミによる落ち込みを検出するための適切な判定条件は異なってくる。例えば、ほぼ一様な値が検出対象データとなる場合に最適化した判定条件を、ばらつきが多いデータに対して適用すれば、ゴミによる落ち込み以外の落ち込みを頻繁に検出してしまうことになる。
【0015】
そこで、本発明はさらに、検出対象データの切り換えによる検出感度のばらつきを抑える画像読取装置、異常画素検出方法、異常画素検出プログラム及び記録媒体を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために本発明は以下のような特徴を有する。
請求項1記載の発明は、原稿の読み取り方式の違いに基づいて検出対象データを選択する検出対象データ選択手段と、検出対象データ選択手段により選択した検出対象データを基に原稿読み取り面に付着した異物による画像データの異常な落ち込みを検出する異常画素検出手段と、を有することを特徴とする。
【0017】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の画像読取装置において、検出対象データ選択手段は、白基準データ(シェーディングデータ)の採取方式に基づいて、検出対象データを選択することを特徴とする。
【0018】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の画像読取装置において、検出対象データ選択手段は、シェーディング補正前の画像データと、シェーディング補正後の画像データと、シェーディングデータそのものと、を検出対象データとして選択することを特徴とする。
【0019】
請求項4記載の発明は、請求項1から3の何れか1項に記載の画像読取装置において、検出対象データ選択手段は、シェーディングデータを原稿読み取り位置と異なる位置にて採取する読み取り方式の場合には、検出対象データとしてシェーディング補正後の画像データを選択することを特徴とする。
【0020】
請求項5記載の発明は、請求項1から4の何れか1項に記載の画像読取装置において、検出対象データ選択手段は、シェーディングデータを原稿読み取り位置と同じ位置にて採取し、かつ各ページの読み取り開始直前に更新する読み取り方式の場合には、検出対象データとしてシェーディングデータそのものを選択することを特徴とする。
【0021】
請求項6記載の発明は、請求項1から5の何れか1項に記載の画像読取装置において、検出対象データ選択手段は、シェーディングデータを原稿読み取り位置と同じ位置にて採取し、かつ各ページの読み取り開始直前に必ずしも更新しない読み取り方式の場合には、直前にシェーディングデータを更新するページにおいてはシェーディングデータそのものを検出対象データとして選択し、シェーディングデータを更新しないページにおいてはシェーディング補正前の画像データを検出対象データとして選択することを特徴とする。
【0022】
請求項7記載の発明は、請求項1から6の何れか1項に記載の画像読取装置において、検出対象データ選択手段は、シェーディングデータを不揮発性メモリに格納し、半恒久的に同一のシェーディングデータを利用して原稿読み取りを行う読み取り方式の場合には、シェーディング補正後の画像データを検出対象データとして選択することを特徴とする。
【0023】
請求項8記載の発明は、請求項1から7の何れか1項に記載の画像読取装置において、異常画素検出手段の異常判定レベルを任意に変更できる判定レベル調整手段を有し、検出対象データ選択手段による検出対象データの選択に応じて異常画素の判定レベルを切り換えることを特徴とする。
【0024】
請求項9記載の発明は、シェーディング補正機能を有した画像読取装置における異常画素検出方法であって、原稿の読み取り方式の違いに基づいて検出対象データを選択する検出対象データ選択工程と、検出対象データ選択工程により選択した検出対象データを基に原稿読み取り面に付着した異物による画像データの異常な落ち込みを検出する異常画素検出工程と、を有することを特徴とする。
【0025】
請求項10記載の発明は、請求項9記載の異常画素検出方法において、検出対象データ選択工程は、白基準データ(シェーディングデータ)の採取方式に基づいて、検出対象データを選択することを特徴とする。
【0026】
請求項11記載の発明は、請求項9または10記載の異常画素検出方法において、検出対象データ選択工程は、シェーディング補正前の画像データと、シェーディング補正後の画像データと、シェーディングデータそのものと、を検出対象データとして選択することを特徴とする。
【0027】
請求項12記載の発明は、請求項9から11の何れか1項に記載の異常画素検出方法において、検出対象データ選択工程は、シェーディングデータを原稿読み取り位置と異なる位置にて採取する読み取り方式の場合には、検出対象データとしてシェーディング補正後の画像データを選択することを特徴とする。
【0028】
請求項13記載の発明は、請求項9から12の何れか1項に記載の異常画素検出方法において、検出対象データ選択工程は、シェーディングデータを原稿読み取り位置と同じ位置にて採取し、かつ各ページの読み取り開始直前に更新する読み取り方式の場合には、検出対象データとしてシェーディングデータそのものを選択することを特徴とする。
【0029】
請求項14記載の発明は、請求項9から13の何れか1項に記載の異常画素検出方法において、検出対象データ選択工程は、シェーディングデータを原稿読み取り位置と同じ位置にて採取し、かつ各ページの読み取り開始直前に必ずしも更新しない読み取り方式の場合には、直前にシェーディングデータを更新するページにおいてはシェーディングデータそのものを検出対象データとして選択し、シェーディングデータを更新しないページにおいてはシェーディング補正前の画像データを検出対象データとして選択することを特徴とする。
【0030】
請求項15記載の発明は、請求項9から14の何れか1項に記載の異常画素検出方法において、検出対象データ選択工程は、シェーディングデータを不揮発性メモリに格納し、半恒久的に同一のシェーディングデータを利用して原稿読み取りを行う読み取り方式の場合には、シェーディング補正後の画像データを検出対象データとして選択することを特徴とする。
【0031】
請求項16記載の発明は、請求項9から15の何れか1項に記載の異常画素検出方法において、異常画素検出工程の異常判定レベルを任意に変更できる判定レベル調整工程を有し、検出対象データ選択工程により選択された検出対象データに応じて異常画素の判定レベルを切り換えることを特徴とする。
【0032】
請求項17記載の発明は、シェーディング補正機能を有した画像読取装置において実行される異常画素検出プログラムであって、画像読取装置において、原稿の読み取り方式の違いに基づいて検出対象データを選択する検出対象データ選択処理と、検出対象データ選択処理により選択した検出対象データを基に原稿読み取り面に付着した異物による画像データの異常な落ち込みを検出する異常画素検出処理と、を実行させることを特徴とする。
【0033】
請求項18記載の発明は、請求項17記載の異常画素検出プログラムにおいて、検出対象データ選択処理は、白基準データ(シェーディングデータ)の採取方式に基づいて、検出対象データを選択することを特徴とする。
【0034】
請求項19記載の発明は、請求項17または18記載の異常画素検出プログラムにおいて、検出対象データ選択処理は、シェーディング補正前の画像データと、シェーディング補正後の画像データと、シェーディングデータそのものと、を検出対象データとして選択することを特徴とする。
【0035】
請求項20記載の発明は、請求項17から19の何れか1項に記載の異常画素検出プログラムにおいて、検出対象データ選択処理は、シェーディングデータを原稿読み取り位置と異なる位置にて採取する読み取り方式の場合には、検出対象データとしてシェーディング補正後の画像データを選択することを特徴とする。
【0036】
請求項21記載の発明は、請求項17から20の何れか1項に記載の異常画素検出プログラムにおいて、検出対象データ選択処理は、シェーディングデータを原稿読み取り位置と同じ位置にて採取し、かつ各ページの読み取り開始直前に更新する読み取り方式の場合には、検出対象データとしてシェーディングデータそのものを選択することを特徴とする。
【0037】
請求項22記載の発明は、請求項17から21の何れか1項に記載の異常画素検出プログラムにおいて、検出対象データ選択処理は、シェーディングデータを原稿読み取り位置と同じ位置にて採取し、かつ各ページの読み取り開始直前に必ずしも更新しない読み取り方式の場合には、直前にシェーディングデータを更新するページにおいてはシェーディングデータそのものを検出対象データとして選択し、シェーディングデータを更新しないページにおいてはシェーディング補正前の画像データを検出対象データとして選択することを特徴とする。
【0038】
請求項23記載の発明は、請求項17から22の何れか1項に記載の異常画素検出プログラムにおいて、検出対象データ選択処理は、シェーディングデータを不揮発性メモリに格納し、半恒久的に同一のシェーディングデータを利用して原稿読み取りを行う読み取り方式の場合には、シェーディング補正後の画像データを検出対象データとして選択することを特徴とする。
【0039】
請求項24記載の発明は、請求項17から23の何れか1項に記載の異常画素検出プログラムにおいて、異常画素検出処理における異常判定レベルを任意に変更できる判定レベル調整処理を画像読取装置において実行し、検出対象データ選択処理により選択された検出対象データに応じて異常画素の判定レベルを切り換えることを特徴とする。
【0040】
請求項25記載の発明は、請求項17から24の何れか1項に記載の異常画素検出プログラムを記録した記録媒体であることを特徴とする。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら本発明にかかる実施の形態について詳細に説明する。
まず、図1を参照しながら本発明にかかる画像読取装置の画像処理回路の構成について説明する。
本発明にかかる画像読取装置の画像処理回路は、CIS(等倍イメージセンサ)1と、ADC(ADコンバータ)2と、シェーディング補正部3と、検出データ選択部4と、異常画素検出部5と、異常画素補正処理部6と、第1ラインメモリ7と、第2ラインメモリ8と、を有して構成される。
なお上記構成からなる画像読取装置における画像処理回路の各ブロックの機能をソフトウェアとして実現することも可能である。また、図1は等倍イメージセンサの構成を表しているが、イメージセンサの種類は特に限定するものではなく、さまざまな種類のイメージセンサを適用することが可能である。
【0042】
次に、上記構成からなる画像読取装置の画像処理回路の処理動作について説明する。
まず、イメージセンサ(CSI)1から出力されたアナログビデオ信号はADC(ADコンバータ)2によって量子化される。なお、読み取り前のシェーディングデータの採取動作において、基準白板を読み取った白波形データ(▲1▼)は、第1ラインメモリ7に格納される(▲2▼)。そして、原稿読み取り時は、原稿を読み取った画像データが量子化されてシェーディング補正部3に入力するとともに、第1ラインメモリ7に格納した白波形データを順次読み出し(▲3▼)、同一位置にある画素の白基準参照データとすることで白波形の歪みを補正する。該補正されたデータは▲4▼を指す。ここで、補正式の例を式(1)に示す。なお、データ分解能は8bitと仮定している。
【0043】
D’ (n)=D(n)*255/Ds(n)・・・式(1)
D’ (n):シェーディング補正後の画像データ(n番目)
D(n):シェーディング補正前の画像データ(n番目)
Ds(n):シェーディングデータ(n番目)
【0044】
ここで、原稿読み取り時の一般的な画像データの処理としては、シェーディング補正後に変倍処理へと進む。しかし、異常画素検出機能(異常画素検出部5)および異常画素補正機能(異常画素補正処理部6)がある場合は、シェーディング補正の周辺で検出/補正処理が介在することになる。図1の画像読取装置の構成例では、原稿読み取り時に、シェーディング補正処理と変倍処理の間に、読み取られた画像データを補正する異常画素補正処理部6が組み込まれた構成をとる。
【0045】
なお、異常画素検出は、原稿読み取りモードとは別の検出モードによって、異常画素検出部5に検出対象データを送り、画素毎の検出結果を第2ラインメモリ8に記憶する。これにより、全ての画素の判定結果を保存することが可能となる。そして、原稿読み取り時は、シェーディング補正同様、第2ラインメモリ8のデータを画像データの入力に同期させて順次読み出し、異常と判定された画素の画像データのみ補正するものである。
【0046】
異常画素検出処理は、シェーディングデータの採取動作と同様に原稿読み取りモードとは別の検出モードとしての動作が必要であり、異常画素検出部5に検出対象データを送り(▲5▼)、画素毎の検出結果を第2ラインメモリ8に記憶する(▲6▼)。これにより、全ての画素の判定結果を保存することが可能となる。なお、原稿読み取り時の異常画素補正処理は、シェーディング補正同様、第2ラインメモリ8のデータを画像データの入力に同期させて順次読み出し(▲7▼)、異常と判定された画素の画像データのみ異常画素補正処理部6において補正するものである。補正後のデータは▲8▼を指す。
【0047】
本発明は、図1に示すように、画像読取装置に検出データ選択部4を具備する構成としたことである。検出データ選択部4は、シェーディング補正前の画像データ▲1▼、シェーディング補正後の画像データ▲4▼、シェーディングデータ▲3▼の3種類のデータから1種類を選択し(選択されたデータは▲5▼)、異常画素検出部5へ送信される。その詳細構成例を図2に示す。
【0048】
図2は、図1における検出データ選択部4と異常画素検出部5との構成を示す図である。
検出データ選択部4は、第1タイミング調整部10と、第2タイミング調整部11と、マルチプレクサ12と、を有して構成される。
また、異常画素検出部5は、フィルタ13と、判定部14と、メモリI/F15と、しきい値デコード部16と、を有して構成される。
【0049】
3種類の検出データにおいて、同一画素の入力タイミングは一般的にそれぞれ異なる。これは、シェーディング補正処理による遅延が発生するためである。図2における第1タイミング調整部10および第2タイミング調整部11は、そのタイミング差を吸収する働きをする。図2の場合は、シェーディング補正後の画像データがもっとも遅延量が大きいものとし、他のデータをその遅延量に合わせるような構成としている。シェーディングデータ▲3▼のタイミング調整後のデータを▲3▼’、シェーディング補正前における画像データのタイミング調整後のデータを▲1▼’とする。これらに加えてシェーディング補正後の画像データ▲4▼がマルチプレクサ12に入力し、マルチプレクサ12によってどの信号が選択されても遅延量が変わらないようになる。ちなみに、各データの遅延差がない場合、あるいは後段の異常画素検出部5が検出データのタイミング差の影響を受けない構成であればタイミング調整部10、11は必要ではない。
【0050】
なお、検出データは、データ切換信号2bitの状態に従って選択される。データ切換信号は、画像処理系全体の制御を司るCPUからのコマンドによって変化するものとし、本発明ではそのコマンドがシェーディングデータの生成方式によって切り換わるものとしている。
【0051】
例えば、データ切換信号が(0,0)のときはシェーディング補正後のデータ▲4▼を選択し、(0,1)のときはシェーディングデータを選択し、(1,0)のときはシェーディング補正後のデータを選択するように定義し、マルチプレクサ12の入力を定義に従って選択することで実現できる。
選択された検出データ▲5▼は、異常画素検出部5において周辺画素とレベル差を算出できるようフィルタ13を構成する。フィルタ13は基本的に主走査方向の1次元でよく、注目画素と主走査方向の隣接画素のレベル差を算出できるようにする。
判定部14では、そのレベル差を算出し、しきい値と比較して異常なレベルか否かを判定する。なお、図2は、しきい値デコード部16において、検出データに応じて判定しきい値を切り換える機能を実現する例を示す。しきい値デコード部16は検出データ選択部4と同じ2bitデータ切換信号が入力され、その状態によってしきい値を切り換えるものである。その切り換え例について図3を参照しながら説明する。
【0052】
図3は、同じ白波形のシェーディング補正前後を示すものである。主走査方向(k―7)画素目とk画素目にゴミによる落ち込み(異常画素)があるものとし、シェーディングデータにはゴミによる落ち込みはないものと仮定する(点線がシェーディングデータ)。なお、図3(a)のシェーディング補正前のデータにて、異常画素である(k−7)画素目とk画素目を検出するためには、しきい値を11以上にする必要がある。
しかし、(k+8)画素目に正常画素でありながら隣接レベル差が12の画素がある。これを異常画素と誤検出しないためには、しきい値を13以上に設定せざるを得ない。当然のことながら隣接レベル差11の(k−7)画素目の異常は検出できない。
【0053】
それに対し、図3(b)のシェーディング補正後のデータでは、異常画素である(k−7)画素目およびk画素目の落ち込みだけが顕著となり、(k+8)画素目の落ち込みはほとんど見られなくなる。このため、しきい値をもっと低くして検出感度を上げても、正常画素を異常画素と判定することはなくなるものである。
【0054】
先に述べたように異常画素の検出動作はソフトウェアでも実現できるが、その場合のフローチャート例を図4、図5に示す。図4、図5は、シェーディングデータの採取動作の後に異常画素の検出動作を示す図である。図1の構成と同様、検出の対象となるデータはシェーディングデータ、シェーディング補正後の画像データ、シェーディング補正前の画像データの3種類であり、任意に選択できるものとする。以下、図4、図5に示す異常画素の検出動作の処理動作について説明する。
【0055】
まず、原稿読み取り処理が開始されると、シェーディングデータの採取動作が行われる(ステップS1)。次に、異常画素を検出するか否かを判定し(ステップS2)、該判定により、異常画素を検出すると判定した場合は(ステップS2/YES)、検出データをシェーディングデータとするか否かを判定する(ステップS3)。該判定により、シェーディングデータで検出すると判定された場合は(ステップS3/YES)、シェーディングデータに適した検出しきい値をセットする(ステップS4)。
【0056】
また、検出データをシェーディングデータとしないと判定された場合は(ステップS3/NO)、検出データをシェーディング補正後のデータとするか否かを判定する(ステップS5)。該判定によりシェーディング補正後の画像データで検出すると判定された場合は(ステップS5/YES)、シェーディング補正後の画像データに適した検出しきい値をセットする(ステップS6)。
【0057】
また、検出データをシェーディング補正後の画像データとしないと判定された場合は(ステップS5/NO)、シェーディング補正前の画像データに適した検出しきい値をセットする(ステップS7)。
【0058】
次に、主走査方向の1画素目から順に異常画素検出データ(DE(n))を生成する(n=画素目)(ステップS8)。次に、該生成した異常画素検出データ(DE(n))の異常画素の判定処理を開始する(ステップS9)。そして、各画素の異常画素検出データDE(n)が異常画素か否かを判定する(ステップS10)。該判定により、異常画素検出データDE(n)が異常画素と判定した場合は(ステップS10/YES)、各画素の判定結果を記憶する1ビットメモリ(ER(n))を異常画素と判定し、ER(n)=1とする(ステップS11)。また、異常画素検出データDE(n)が異常画素でないと判定した場合は(ステップS10/NO)、各画素の判定結果を記憶する1ビットメモリ(ER(n))を正常画素と判定し、ER(n)=0とする(ステップS12)。なお、ER(n)=1は、第n画素目が異常画素であることを意味し、ER(n)=0は、第n画素目が正常画素であることを意味する。
【0059】
次に、検出した画素目nが主走査画素数Nであるか否かを判定する(ステップS13)。該判定により、検出した画素目nが主走査画素数Nでないと判定した場合は(ステップS13/NO)、次の画素n+1に移動して(ステップS14)、再びステップS9に戻り同様の処理を行い、主走査画素数Nになるまで繰り返す。そして、検出した画素目nが主走査画数Nであると判定した場合に(ステップS13/YES)、異常画素検出処理を終了し(ステップS15)、原稿読み取り動作を開始する。
【0060】
このように、各選択データに応じて検出しきい値をセットし、該選択された検出対象データDE(n)を判定し、判定結果を1bitの判定結果記憶メモリER(n)に格納する。次に、主走査全画素分の判定を格納し、検出が終わると原稿読み取り動作に移行し、ER(n)を参照することで異常画素補正を行うことが可能となる。
【0061】
なお、上述する実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更実施が可能である。例えば、各検出データに適したしきい値を設定する際の判定処理は図4に示した判定順に限定するものではなく、判定順を変更することも可能である。また、この判定順を決定する際に、シェーディングデータとシェーディング補正後の画データとシェーディング補正前の画データとで設定された際の各回数を記録しておき、設定回数の多い順に判定処理を行うようにすることも可能である。
【0062】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように本発明は以下のような効果を奏する。
第1の効果として、検出対象データを複数種の中から選択する手段を有し、画像読取装置の読み取り方式の違いに基づいて異常画素検出対象データを切り換えるので、画像読み取り方式に最も適した検出データを選択することで、精度の高い異常画素検出を達成することができる。
【0063】
第2の効果として、検出対象データの切り換えを、シェーディングデータの採取方式に基づいて行うので、シェーディングデータが異常画素の影響を受けない場合は、シェーディング補正後の画像データを検出対象データとすることで、より精度の高い異常画素検出を達成することができる。
【0064】
第3の効果として、検出対象データをシェーディング補正前の画像データ、シェーディング補正後の画像データ、シェーディングデータそのものの画像データの3種類から選択するので、シェーディングデータが異常画素の影響を受けない場合のみ、シェーディング補正後の画像データを異常画素検出対象データとし、シェーディングデータが異常画素の影響を受ける場合にはシェーディング補正前の画像データもしくはシェーディングデータそのものを検出対象データとするので、シェーディングデータの採取方式が切り換わった場合にも、最も適したデータで精度の高い異常画素検出を達成することができる。
【0065】
第4の効果として、シェーディングデータを原稿読み取り位置と異なる位置にて採取する読み取り方式において、異常画素の検出データをシェーディング補正後の画像データとしているので、読み取り位置に付着したゴミなどがシェーディングデータに影響せず、常にシェーディング補正が正しく機能する条件の下で、異常画素を精度よく検出することができる。
【0066】
第5の効果として、シェーディングデータを原稿読み取り位置と同じ位置にて採取し、かつ各ページの読み取り開始直前に更新する読み取り方式の場合は、シェーディングデータそのものを検出対象データとしているので、読み取り位置に付着したゴミなどがシェーディングデータに影響する場合において、ラインメモリなどを用いて重み付き加算平均処理等で突発的なノイズを排除し、信頼性のある異常画素検出を達成することができる。
【0067】
第6の効果として、シェーディングデータを原稿読み取り位置と同じ位置にて採取し、かつ各ページの読み取り開始直前に必ずしも更新しない読み取り方式の場合は、直前にシェーディングデータを更新するページにおいてはシェーディングデータそのものを検出対象データとし、そうでないページにおいてはシェーディング補正前の画像データを検出対象データとしているので、読み取り位置に付着したゴミなどがシェーディングデータに影響する場合において、読み取り直前のゴミ付着状態とシェーディングデータとが対応しない条件においても正しく異常画素を検出することが可能となる。
【0068】
第7の効果として、シェーディングデータを不揮発性メモリに格納することで半恒久的に同一のシェーディングデータを利用する読み取り方式の場合はシェーディング補正後の画像データを検出データとしているので、シェーディングデータは管理された環境で採取されることが期待でき、シェーディング補正が正しく機能する条件の下で、異常画素を精度よく検出することができる。
【0069】
第8の効果として、異常画素検出機能の異常判定レベルを選択された検出データの種類に応じて変更するので、ゴミによる落ち込み以外の変動が含まれるデータを対象にする場合には異常と判定される条件が厳しくなるような判定レベルにし、ゴミによる落ち込み以外の変動が含まれないデータを対象とする場合は異常画素と判定される条件を比較的緩やかにすることで、検出データ自体に含まれる異常画素の情報を最大限引き出し、検出感度を高めた上で誤検出や検出ミスを起こりにくくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる画像読取装置の画像処理回路の構成を示すブロック図である。
【図2】図1における検出データ選択部4と異常画素検出部5との構成を示すブロック図である。
【図3】シェーディング補正前後の異常画素の落ち込みを示す図であり、(a)は、シェーディング補正前の画像データを示す図であり、(b)は、シェーディング補正後の画像データを示す図である。
【図4】本発明にかかる異常画素の検出処理の動作を示す第1のフローチャートである。
【図5】本発明にかかる異常画素の検出処理の動作を示す第2のフローチャートである。
【図6】異常画素があるときのシェーディング補正を説明するための図である。
【図7】複合機の読取部の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 CSI(等倍イメージセンサ)
2 ADC(ADコンバータ)
3 シェーディング補正部
4 検出データ選択部
5 異常画素検出部
6 異常画素補正処理部
7 第1ラインメモリ
8 第2ラインメモリ
10 第1タイミング調整部
11 第2タイミング調整部
12 マルチプレクサ
13 フィルタ
14 判定部
15 メモリI/F
16 しきい値デコード部
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像読取装置、異常画素検出方法、異常画素検出プログラム及び記録媒体に関し、特にデジタル複写機やファクシミリ装置に極めて好適な画像読取装置、異常画素検出方法、異常画素検出プログラム及び記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
ファクシミリ装置に代表されるような原稿搬送型の画像読取装置は、原稿読取部に溜まる紙粉やローラー粕等によるゴミの影響で、読み取られた画像の副走査方向に黒スジが入りやすい。そのため、従来において、原稿読取部のゴミによる画像データの落ち込みを検知して、その影響を排除するような異常画素検出機能や異常画素補正機能について種々提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
例えば特許文献1は、明度基準板(基準白板)の異なる位置を読み取り、第1の位置の読み取りデータをシェーディングデータとして第2の読み取りデータをシェーディング補正し、該データを解析することで第1の位置でのゴミを検知するものである。
【0004】
また、読取部でのゴミによる画像データの落ち込みを精度よく検知するためには、ゴミによる落ち込みと、ゴミ以外による落ち込みを的確に分離する必要がある。なお、ゴミ以外の影響による画像データの落ち込みとは、読取部の光学特性やイメージセンサの画素毎の感度ばらつきによる白波形の歪みであり、これはシェーディング補正によって排除できる成分である。つまり、正しくシェーディング補正を施すことにより、ゴミによる落ち込みと、白波形の歪みと、を分離することが可能となる。
【0005】
また、本出願人よる従来技術として、シェーディング補正の基準となる白画像を読み取ることで取得した基準白画像データを画素毎に値を調べ異常画素か否かを判定し、該判定により異常画素であると判定された画素については、基準白画像データとして予め定められた特定値を記憶する画像読取装置がある(特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−285594号公報
【特許文献2】
特開2002−152509号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、原稿読み取りデータと同様に、シェーディングデータが読取部のゴミの影響を受ける可能性があると、図6に示すように、シェーディング補正自体が正常に機能しないため、ゴミによる落ち込みを正しく判別することは困難である。特許文献1は、その特性を利用しているが、ファクシミリ装置に見られる原稿搬送型の画像読取装置においては、原稿読取部に設置された白色の背景板を読み取ることでシェーディングデータを採取する方式を採用するものが少なくない。
【0008】
このため、読取部のゴミの影響を受けるのは必至であり、かつ複合機のようなセンサユニット自体に稼働部を持たないので読み取り位置を移動させることも不可能である。それ故、異常画素検出の対象データとしてはシェーディング補正を施す前の画像データあるいはシェーディングデータそのものを対象にせざるを得ない。つまり、白波形の歪みを含んだ状態でゴミによる落ち込みを検出することになる。
【0009】
また、複数ページにわたって画像の読み取りを行う場合、読み取り速度の向上を目的として、シェーディングデータの更新を数ページに一度の割合で行う場合もある。この場合において、シェーディングデータを更新しないページの読み取りに際しては、数ページ前に採取したシェーディングデータそのものでの異常画素検出ではなく、シェーディング補正前の画像データでの検出が適切となる。
【0010】
逆に、シェーディングデータを更新するページの読み取りに際しては、シェーディングデータそのものでの異常画素検出でも構わない。むしろ、シェーディングデータの採取に当たっては、ラインメモリを用いて数ラインの重み付け加算平均処理などを施し、突発的なノイズを除去するような方式を採用する場合が多いため、ゴミによるデータの落ち込みを検出するにはシェーディング補正前の画像データよりもシェーディングデータそのものの方が適しているとも言える。
【0011】
また、装置の製造工程時またはメンテナンス時に専用の基準工具を用いてシェーディングデータを採取し、そのシェーディングデータを不揮発性メモリに保存することで原稿を読み取る度にシェーディングデータを更新しない方式を採用することもある。この場合、原稿読み取り時のゴミの影響を受けないシェーディングデータを得られるため、シェーディング補正後の画像データで異常画素の検出を行うことも可能であり、白波形の歪みが除去された状態でゴミによる落ち込みを検出できる。
【0012】
一方、複合機に代表される原稿読取台を有する原稿読取装置において、ファクシミリ装置と同じ方式の原稿搬送型読取ユニットを併せ持つものもある。このような構成では、図7に示すように、原稿読取台のガラス面以外の部分に設置された白基準板を走査することでシェーディングデータを採取し、その後、走行体を原稿搬送型読取ユニットの読み取り位置に移動させ、原稿搬送によって原稿を読み取る方式が一般的である。この場合、読取部のゴミの影響を受けずにシェーディングデータを採取することができ、異常画素検出の対象データとしてはシェーディング補正後の画像データを選択することが可能となる。
このように、シェーディングデータの生成方式によって異常画素の検出に最も適した検出対象データは異なるものである。
【0013】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、多様な読み取り方式において、検出性能を十分に引き出すことができる画像読取装置、異常画素検出方法、異常画素検出プログラム及び記録媒体を提供することを目的とする。
【0014】
また、異常画素検出対象データを切り換えた場合、画像処理の有無によってデータの取りうる値の範囲(ばらつき)が変化する。例えば、シェーディング補正前の画像データは白波形の歪みを含んでいるため、画素毎に取りうる値が様々な上、全体的に低いレベルとなる。一方、シェーディング補正後の画像データは正規化されており、ほぼ一様な値となる。このようにばらつき方に違いがあるデータに対して、ゴミによる落ち込みを検出するための適切な判定条件は異なってくる。例えば、ほぼ一様な値が検出対象データとなる場合に最適化した判定条件を、ばらつきが多いデータに対して適用すれば、ゴミによる落ち込み以外の落ち込みを頻繁に検出してしまうことになる。
【0015】
そこで、本発明はさらに、検出対象データの切り換えによる検出感度のばらつきを抑える画像読取装置、異常画素検出方法、異常画素検出プログラム及び記録媒体を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために本発明は以下のような特徴を有する。
請求項1記載の発明は、原稿の読み取り方式の違いに基づいて検出対象データを選択する検出対象データ選択手段と、検出対象データ選択手段により選択した検出対象データを基に原稿読み取り面に付着した異物による画像データの異常な落ち込みを検出する異常画素検出手段と、を有することを特徴とする。
【0017】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の画像読取装置において、検出対象データ選択手段は、白基準データ(シェーディングデータ)の採取方式に基づいて、検出対象データを選択することを特徴とする。
【0018】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の画像読取装置において、検出対象データ選択手段は、シェーディング補正前の画像データと、シェーディング補正後の画像データと、シェーディングデータそのものと、を検出対象データとして選択することを特徴とする。
【0019】
請求項4記載の発明は、請求項1から3の何れか1項に記載の画像読取装置において、検出対象データ選択手段は、シェーディングデータを原稿読み取り位置と異なる位置にて採取する読み取り方式の場合には、検出対象データとしてシェーディング補正後の画像データを選択することを特徴とする。
【0020】
請求項5記載の発明は、請求項1から4の何れか1項に記載の画像読取装置において、検出対象データ選択手段は、シェーディングデータを原稿読み取り位置と同じ位置にて採取し、かつ各ページの読み取り開始直前に更新する読み取り方式の場合には、検出対象データとしてシェーディングデータそのものを選択することを特徴とする。
【0021】
請求項6記載の発明は、請求項1から5の何れか1項に記載の画像読取装置において、検出対象データ選択手段は、シェーディングデータを原稿読み取り位置と同じ位置にて採取し、かつ各ページの読み取り開始直前に必ずしも更新しない読み取り方式の場合には、直前にシェーディングデータを更新するページにおいてはシェーディングデータそのものを検出対象データとして選択し、シェーディングデータを更新しないページにおいてはシェーディング補正前の画像データを検出対象データとして選択することを特徴とする。
【0022】
請求項7記載の発明は、請求項1から6の何れか1項に記載の画像読取装置において、検出対象データ選択手段は、シェーディングデータを不揮発性メモリに格納し、半恒久的に同一のシェーディングデータを利用して原稿読み取りを行う読み取り方式の場合には、シェーディング補正後の画像データを検出対象データとして選択することを特徴とする。
【0023】
請求項8記載の発明は、請求項1から7の何れか1項に記載の画像読取装置において、異常画素検出手段の異常判定レベルを任意に変更できる判定レベル調整手段を有し、検出対象データ選択手段による検出対象データの選択に応じて異常画素の判定レベルを切り換えることを特徴とする。
【0024】
請求項9記載の発明は、シェーディング補正機能を有した画像読取装置における異常画素検出方法であって、原稿の読み取り方式の違いに基づいて検出対象データを選択する検出対象データ選択工程と、検出対象データ選択工程により選択した検出対象データを基に原稿読み取り面に付着した異物による画像データの異常な落ち込みを検出する異常画素検出工程と、を有することを特徴とする。
【0025】
請求項10記載の発明は、請求項9記載の異常画素検出方法において、検出対象データ選択工程は、白基準データ(シェーディングデータ)の採取方式に基づいて、検出対象データを選択することを特徴とする。
【0026】
請求項11記載の発明は、請求項9または10記載の異常画素検出方法において、検出対象データ選択工程は、シェーディング補正前の画像データと、シェーディング補正後の画像データと、シェーディングデータそのものと、を検出対象データとして選択することを特徴とする。
【0027】
請求項12記載の発明は、請求項9から11の何れか1項に記載の異常画素検出方法において、検出対象データ選択工程は、シェーディングデータを原稿読み取り位置と異なる位置にて採取する読み取り方式の場合には、検出対象データとしてシェーディング補正後の画像データを選択することを特徴とする。
【0028】
請求項13記載の発明は、請求項9から12の何れか1項に記載の異常画素検出方法において、検出対象データ選択工程は、シェーディングデータを原稿読み取り位置と同じ位置にて採取し、かつ各ページの読み取り開始直前に更新する読み取り方式の場合には、検出対象データとしてシェーディングデータそのものを選択することを特徴とする。
【0029】
請求項14記載の発明は、請求項9から13の何れか1項に記載の異常画素検出方法において、検出対象データ選択工程は、シェーディングデータを原稿読み取り位置と同じ位置にて採取し、かつ各ページの読み取り開始直前に必ずしも更新しない読み取り方式の場合には、直前にシェーディングデータを更新するページにおいてはシェーディングデータそのものを検出対象データとして選択し、シェーディングデータを更新しないページにおいてはシェーディング補正前の画像データを検出対象データとして選択することを特徴とする。
【0030】
請求項15記載の発明は、請求項9から14の何れか1項に記載の異常画素検出方法において、検出対象データ選択工程は、シェーディングデータを不揮発性メモリに格納し、半恒久的に同一のシェーディングデータを利用して原稿読み取りを行う読み取り方式の場合には、シェーディング補正後の画像データを検出対象データとして選択することを特徴とする。
【0031】
請求項16記載の発明は、請求項9から15の何れか1項に記載の異常画素検出方法において、異常画素検出工程の異常判定レベルを任意に変更できる判定レベル調整工程を有し、検出対象データ選択工程により選択された検出対象データに応じて異常画素の判定レベルを切り換えることを特徴とする。
【0032】
請求項17記載の発明は、シェーディング補正機能を有した画像読取装置において実行される異常画素検出プログラムであって、画像読取装置において、原稿の読み取り方式の違いに基づいて検出対象データを選択する検出対象データ選択処理と、検出対象データ選択処理により選択した検出対象データを基に原稿読み取り面に付着した異物による画像データの異常な落ち込みを検出する異常画素検出処理と、を実行させることを特徴とする。
【0033】
請求項18記載の発明は、請求項17記載の異常画素検出プログラムにおいて、検出対象データ選択処理は、白基準データ(シェーディングデータ)の採取方式に基づいて、検出対象データを選択することを特徴とする。
【0034】
請求項19記載の発明は、請求項17または18記載の異常画素検出プログラムにおいて、検出対象データ選択処理は、シェーディング補正前の画像データと、シェーディング補正後の画像データと、シェーディングデータそのものと、を検出対象データとして選択することを特徴とする。
【0035】
請求項20記載の発明は、請求項17から19の何れか1項に記載の異常画素検出プログラムにおいて、検出対象データ選択処理は、シェーディングデータを原稿読み取り位置と異なる位置にて採取する読み取り方式の場合には、検出対象データとしてシェーディング補正後の画像データを選択することを特徴とする。
【0036】
請求項21記載の発明は、請求項17から20の何れか1項に記載の異常画素検出プログラムにおいて、検出対象データ選択処理は、シェーディングデータを原稿読み取り位置と同じ位置にて採取し、かつ各ページの読み取り開始直前に更新する読み取り方式の場合には、検出対象データとしてシェーディングデータそのものを選択することを特徴とする。
【0037】
請求項22記載の発明は、請求項17から21の何れか1項に記載の異常画素検出プログラムにおいて、検出対象データ選択処理は、シェーディングデータを原稿読み取り位置と同じ位置にて採取し、かつ各ページの読み取り開始直前に必ずしも更新しない読み取り方式の場合には、直前にシェーディングデータを更新するページにおいてはシェーディングデータそのものを検出対象データとして選択し、シェーディングデータを更新しないページにおいてはシェーディング補正前の画像データを検出対象データとして選択することを特徴とする。
【0038】
請求項23記載の発明は、請求項17から22の何れか1項に記載の異常画素検出プログラムにおいて、検出対象データ選択処理は、シェーディングデータを不揮発性メモリに格納し、半恒久的に同一のシェーディングデータを利用して原稿読み取りを行う読み取り方式の場合には、シェーディング補正後の画像データを検出対象データとして選択することを特徴とする。
【0039】
請求項24記載の発明は、請求項17から23の何れか1項に記載の異常画素検出プログラムにおいて、異常画素検出処理における異常判定レベルを任意に変更できる判定レベル調整処理を画像読取装置において実行し、検出対象データ選択処理により選択された検出対象データに応じて異常画素の判定レベルを切り換えることを特徴とする。
【0040】
請求項25記載の発明は、請求項17から24の何れか1項に記載の異常画素検出プログラムを記録した記録媒体であることを特徴とする。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら本発明にかかる実施の形態について詳細に説明する。
まず、図1を参照しながら本発明にかかる画像読取装置の画像処理回路の構成について説明する。
本発明にかかる画像読取装置の画像処理回路は、CIS(等倍イメージセンサ)1と、ADC(ADコンバータ)2と、シェーディング補正部3と、検出データ選択部4と、異常画素検出部5と、異常画素補正処理部6と、第1ラインメモリ7と、第2ラインメモリ8と、を有して構成される。
なお上記構成からなる画像読取装置における画像処理回路の各ブロックの機能をソフトウェアとして実現することも可能である。また、図1は等倍イメージセンサの構成を表しているが、イメージセンサの種類は特に限定するものではなく、さまざまな種類のイメージセンサを適用することが可能である。
【0042】
次に、上記構成からなる画像読取装置の画像処理回路の処理動作について説明する。
まず、イメージセンサ(CSI)1から出力されたアナログビデオ信号はADC(ADコンバータ)2によって量子化される。なお、読み取り前のシェーディングデータの採取動作において、基準白板を読み取った白波形データ(▲1▼)は、第1ラインメモリ7に格納される(▲2▼)。そして、原稿読み取り時は、原稿を読み取った画像データが量子化されてシェーディング補正部3に入力するとともに、第1ラインメモリ7に格納した白波形データを順次読み出し(▲3▼)、同一位置にある画素の白基準参照データとすることで白波形の歪みを補正する。該補正されたデータは▲4▼を指す。ここで、補正式の例を式(1)に示す。なお、データ分解能は8bitと仮定している。
【0043】
D’ (n)=D(n)*255/Ds(n)・・・式(1)
D’ (n):シェーディング補正後の画像データ(n番目)
D(n):シェーディング補正前の画像データ(n番目)
Ds(n):シェーディングデータ(n番目)
【0044】
ここで、原稿読み取り時の一般的な画像データの処理としては、シェーディング補正後に変倍処理へと進む。しかし、異常画素検出機能(異常画素検出部5)および異常画素補正機能(異常画素補正処理部6)がある場合は、シェーディング補正の周辺で検出/補正処理が介在することになる。図1の画像読取装置の構成例では、原稿読み取り時に、シェーディング補正処理と変倍処理の間に、読み取られた画像データを補正する異常画素補正処理部6が組み込まれた構成をとる。
【0045】
なお、異常画素検出は、原稿読み取りモードとは別の検出モードによって、異常画素検出部5に検出対象データを送り、画素毎の検出結果を第2ラインメモリ8に記憶する。これにより、全ての画素の判定結果を保存することが可能となる。そして、原稿読み取り時は、シェーディング補正同様、第2ラインメモリ8のデータを画像データの入力に同期させて順次読み出し、異常と判定された画素の画像データのみ補正するものである。
【0046】
異常画素検出処理は、シェーディングデータの採取動作と同様に原稿読み取りモードとは別の検出モードとしての動作が必要であり、異常画素検出部5に検出対象データを送り(▲5▼)、画素毎の検出結果を第2ラインメモリ8に記憶する(▲6▼)。これにより、全ての画素の判定結果を保存することが可能となる。なお、原稿読み取り時の異常画素補正処理は、シェーディング補正同様、第2ラインメモリ8のデータを画像データの入力に同期させて順次読み出し(▲7▼)、異常と判定された画素の画像データのみ異常画素補正処理部6において補正するものである。補正後のデータは▲8▼を指す。
【0047】
本発明は、図1に示すように、画像読取装置に検出データ選択部4を具備する構成としたことである。検出データ選択部4は、シェーディング補正前の画像データ▲1▼、シェーディング補正後の画像データ▲4▼、シェーディングデータ▲3▼の3種類のデータから1種類を選択し(選択されたデータは▲5▼)、異常画素検出部5へ送信される。その詳細構成例を図2に示す。
【0048】
図2は、図1における検出データ選択部4と異常画素検出部5との構成を示す図である。
検出データ選択部4は、第1タイミング調整部10と、第2タイミング調整部11と、マルチプレクサ12と、を有して構成される。
また、異常画素検出部5は、フィルタ13と、判定部14と、メモリI/F15と、しきい値デコード部16と、を有して構成される。
【0049】
3種類の検出データにおいて、同一画素の入力タイミングは一般的にそれぞれ異なる。これは、シェーディング補正処理による遅延が発生するためである。図2における第1タイミング調整部10および第2タイミング調整部11は、そのタイミング差を吸収する働きをする。図2の場合は、シェーディング補正後の画像データがもっとも遅延量が大きいものとし、他のデータをその遅延量に合わせるような構成としている。シェーディングデータ▲3▼のタイミング調整後のデータを▲3▼’、シェーディング補正前における画像データのタイミング調整後のデータを▲1▼’とする。これらに加えてシェーディング補正後の画像データ▲4▼がマルチプレクサ12に入力し、マルチプレクサ12によってどの信号が選択されても遅延量が変わらないようになる。ちなみに、各データの遅延差がない場合、あるいは後段の異常画素検出部5が検出データのタイミング差の影響を受けない構成であればタイミング調整部10、11は必要ではない。
【0050】
なお、検出データは、データ切換信号2bitの状態に従って選択される。データ切換信号は、画像処理系全体の制御を司るCPUからのコマンドによって変化するものとし、本発明ではそのコマンドがシェーディングデータの生成方式によって切り換わるものとしている。
【0051】
例えば、データ切換信号が(0,0)のときはシェーディング補正後のデータ▲4▼を選択し、(0,1)のときはシェーディングデータを選択し、(1,0)のときはシェーディング補正後のデータを選択するように定義し、マルチプレクサ12の入力を定義に従って選択することで実現できる。
選択された検出データ▲5▼は、異常画素検出部5において周辺画素とレベル差を算出できるようフィルタ13を構成する。フィルタ13は基本的に主走査方向の1次元でよく、注目画素と主走査方向の隣接画素のレベル差を算出できるようにする。
判定部14では、そのレベル差を算出し、しきい値と比較して異常なレベルか否かを判定する。なお、図2は、しきい値デコード部16において、検出データに応じて判定しきい値を切り換える機能を実現する例を示す。しきい値デコード部16は検出データ選択部4と同じ2bitデータ切換信号が入力され、その状態によってしきい値を切り換えるものである。その切り換え例について図3を参照しながら説明する。
【0052】
図3は、同じ白波形のシェーディング補正前後を示すものである。主走査方向(k―7)画素目とk画素目にゴミによる落ち込み(異常画素)があるものとし、シェーディングデータにはゴミによる落ち込みはないものと仮定する(点線がシェーディングデータ)。なお、図3(a)のシェーディング補正前のデータにて、異常画素である(k−7)画素目とk画素目を検出するためには、しきい値を11以上にする必要がある。
しかし、(k+8)画素目に正常画素でありながら隣接レベル差が12の画素がある。これを異常画素と誤検出しないためには、しきい値を13以上に設定せざるを得ない。当然のことながら隣接レベル差11の(k−7)画素目の異常は検出できない。
【0053】
それに対し、図3(b)のシェーディング補正後のデータでは、異常画素である(k−7)画素目およびk画素目の落ち込みだけが顕著となり、(k+8)画素目の落ち込みはほとんど見られなくなる。このため、しきい値をもっと低くして検出感度を上げても、正常画素を異常画素と判定することはなくなるものである。
【0054】
先に述べたように異常画素の検出動作はソフトウェアでも実現できるが、その場合のフローチャート例を図4、図5に示す。図4、図5は、シェーディングデータの採取動作の後に異常画素の検出動作を示す図である。図1の構成と同様、検出の対象となるデータはシェーディングデータ、シェーディング補正後の画像データ、シェーディング補正前の画像データの3種類であり、任意に選択できるものとする。以下、図4、図5に示す異常画素の検出動作の処理動作について説明する。
【0055】
まず、原稿読み取り処理が開始されると、シェーディングデータの採取動作が行われる(ステップS1)。次に、異常画素を検出するか否かを判定し(ステップS2)、該判定により、異常画素を検出すると判定した場合は(ステップS2/YES)、検出データをシェーディングデータとするか否かを判定する(ステップS3)。該判定により、シェーディングデータで検出すると判定された場合は(ステップS3/YES)、シェーディングデータに適した検出しきい値をセットする(ステップS4)。
【0056】
また、検出データをシェーディングデータとしないと判定された場合は(ステップS3/NO)、検出データをシェーディング補正後のデータとするか否かを判定する(ステップS5)。該判定によりシェーディング補正後の画像データで検出すると判定された場合は(ステップS5/YES)、シェーディング補正後の画像データに適した検出しきい値をセットする(ステップS6)。
【0057】
また、検出データをシェーディング補正後の画像データとしないと判定された場合は(ステップS5/NO)、シェーディング補正前の画像データに適した検出しきい値をセットする(ステップS7)。
【0058】
次に、主走査方向の1画素目から順に異常画素検出データ(DE(n))を生成する(n=画素目)(ステップS8)。次に、該生成した異常画素検出データ(DE(n))の異常画素の判定処理を開始する(ステップS9)。そして、各画素の異常画素検出データDE(n)が異常画素か否かを判定する(ステップS10)。該判定により、異常画素検出データDE(n)が異常画素と判定した場合は(ステップS10/YES)、各画素の判定結果を記憶する1ビットメモリ(ER(n))を異常画素と判定し、ER(n)=1とする(ステップS11)。また、異常画素検出データDE(n)が異常画素でないと判定した場合は(ステップS10/NO)、各画素の判定結果を記憶する1ビットメモリ(ER(n))を正常画素と判定し、ER(n)=0とする(ステップS12)。なお、ER(n)=1は、第n画素目が異常画素であることを意味し、ER(n)=0は、第n画素目が正常画素であることを意味する。
【0059】
次に、検出した画素目nが主走査画素数Nであるか否かを判定する(ステップS13)。該判定により、検出した画素目nが主走査画素数Nでないと判定した場合は(ステップS13/NO)、次の画素n+1に移動して(ステップS14)、再びステップS9に戻り同様の処理を行い、主走査画素数Nになるまで繰り返す。そして、検出した画素目nが主走査画数Nであると判定した場合に(ステップS13/YES)、異常画素検出処理を終了し(ステップS15)、原稿読み取り動作を開始する。
【0060】
このように、各選択データに応じて検出しきい値をセットし、該選択された検出対象データDE(n)を判定し、判定結果を1bitの判定結果記憶メモリER(n)に格納する。次に、主走査全画素分の判定を格納し、検出が終わると原稿読み取り動作に移行し、ER(n)を参照することで異常画素補正を行うことが可能となる。
【0061】
なお、上述する実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更実施が可能である。例えば、各検出データに適したしきい値を設定する際の判定処理は図4に示した判定順に限定するものではなく、判定順を変更することも可能である。また、この判定順を決定する際に、シェーディングデータとシェーディング補正後の画データとシェーディング補正前の画データとで設定された際の各回数を記録しておき、設定回数の多い順に判定処理を行うようにすることも可能である。
【0062】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように本発明は以下のような効果を奏する。
第1の効果として、検出対象データを複数種の中から選択する手段を有し、画像読取装置の読み取り方式の違いに基づいて異常画素検出対象データを切り換えるので、画像読み取り方式に最も適した検出データを選択することで、精度の高い異常画素検出を達成することができる。
【0063】
第2の効果として、検出対象データの切り換えを、シェーディングデータの採取方式に基づいて行うので、シェーディングデータが異常画素の影響を受けない場合は、シェーディング補正後の画像データを検出対象データとすることで、より精度の高い異常画素検出を達成することができる。
【0064】
第3の効果として、検出対象データをシェーディング補正前の画像データ、シェーディング補正後の画像データ、シェーディングデータそのものの画像データの3種類から選択するので、シェーディングデータが異常画素の影響を受けない場合のみ、シェーディング補正後の画像データを異常画素検出対象データとし、シェーディングデータが異常画素の影響を受ける場合にはシェーディング補正前の画像データもしくはシェーディングデータそのものを検出対象データとするので、シェーディングデータの採取方式が切り換わった場合にも、最も適したデータで精度の高い異常画素検出を達成することができる。
【0065】
第4の効果として、シェーディングデータを原稿読み取り位置と異なる位置にて採取する読み取り方式において、異常画素の検出データをシェーディング補正後の画像データとしているので、読み取り位置に付着したゴミなどがシェーディングデータに影響せず、常にシェーディング補正が正しく機能する条件の下で、異常画素を精度よく検出することができる。
【0066】
第5の効果として、シェーディングデータを原稿読み取り位置と同じ位置にて採取し、かつ各ページの読み取り開始直前に更新する読み取り方式の場合は、シェーディングデータそのものを検出対象データとしているので、読み取り位置に付着したゴミなどがシェーディングデータに影響する場合において、ラインメモリなどを用いて重み付き加算平均処理等で突発的なノイズを排除し、信頼性のある異常画素検出を達成することができる。
【0067】
第6の効果として、シェーディングデータを原稿読み取り位置と同じ位置にて採取し、かつ各ページの読み取り開始直前に必ずしも更新しない読み取り方式の場合は、直前にシェーディングデータを更新するページにおいてはシェーディングデータそのものを検出対象データとし、そうでないページにおいてはシェーディング補正前の画像データを検出対象データとしているので、読み取り位置に付着したゴミなどがシェーディングデータに影響する場合において、読み取り直前のゴミ付着状態とシェーディングデータとが対応しない条件においても正しく異常画素を検出することが可能となる。
【0068】
第7の効果として、シェーディングデータを不揮発性メモリに格納することで半恒久的に同一のシェーディングデータを利用する読み取り方式の場合はシェーディング補正後の画像データを検出データとしているので、シェーディングデータは管理された環境で採取されることが期待でき、シェーディング補正が正しく機能する条件の下で、異常画素を精度よく検出することができる。
【0069】
第8の効果として、異常画素検出機能の異常判定レベルを選択された検出データの種類に応じて変更するので、ゴミによる落ち込み以外の変動が含まれるデータを対象にする場合には異常と判定される条件が厳しくなるような判定レベルにし、ゴミによる落ち込み以外の変動が含まれないデータを対象とする場合は異常画素と判定される条件を比較的緩やかにすることで、検出データ自体に含まれる異常画素の情報を最大限引き出し、検出感度を高めた上で誤検出や検出ミスを起こりにくくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる画像読取装置の画像処理回路の構成を示すブロック図である。
【図2】図1における検出データ選択部4と異常画素検出部5との構成を示すブロック図である。
【図3】シェーディング補正前後の異常画素の落ち込みを示す図であり、(a)は、シェーディング補正前の画像データを示す図であり、(b)は、シェーディング補正後の画像データを示す図である。
【図4】本発明にかかる異常画素の検出処理の動作を示す第1のフローチャートである。
【図5】本発明にかかる異常画素の検出処理の動作を示す第2のフローチャートである。
【図6】異常画素があるときのシェーディング補正を説明するための図である。
【図7】複合機の読取部の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 CSI(等倍イメージセンサ)
2 ADC(ADコンバータ)
3 シェーディング補正部
4 検出データ選択部
5 異常画素検出部
6 異常画素補正処理部
7 第1ラインメモリ
8 第2ラインメモリ
10 第1タイミング調整部
11 第2タイミング調整部
12 マルチプレクサ
13 フィルタ
14 判定部
15 メモリI/F
16 しきい値デコード部
Claims (25)
- 原稿の読み取り方式の違いに基づいて検出対象データを選択する検出対象データ選択手段と、
前記検出対象データ選択手段により選択した検出対象データを基に原稿読み取り面に付着した異物による画像データの異常な落ち込みを検出する異常画素検出手段と、
を有することを特徴とする画像読取装置。 - 前記検出対象データ選択手段は、
白基準データ(シェーディングデータ)の採取方式に基づいて、検出対象データを選択することを特徴とする請求項1記載の画像読取装置。 - 前記検出対象データ選択手段は、
シェーディング補正前の画像データと、シェーディング補正後の画像データと、シェーディングデータそのものと、を検出対象データとして選択することを特徴とする請求項1または2記載の画像読取装置。 - 前記検出対象データ選択手段は、
シェーディングデータを原稿読み取り位置と異なる位置にて採取する読み取り方式の場合には、検出対象データとしてシェーディング補正後の画像データを選択することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の画像読取装置。 - 前記検出対象データ選択手段は、
シェーディングデータを原稿読み取り位置と同じ位置にて採取し、かつ各ページの読み取り開始直前に更新する読み取り方式の場合には、検出対象データとしてシェーディングデータそのものを選択することを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の画像読取装置。 - 前記検出対象データ選択手段は、
シェーディングデータを原稿読み取り位置と同じ位置にて採取し、かつ各ページの読み取り開始直前に必ずしも更新しない読み取り方式の場合には、直前にシェーディングデータを更新するページにおいてはシェーディングデータそのものを検出対象データとして選択し、シェーディングデータを更新しないページにおいてはシェーディング補正前の画像データを検出対象データとして選択することを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の画像読取装置。 - 前記検出対象データ選択手段は、
シェーディングデータを不揮発性メモリに格納し、半恒久的に同一のシェーディングデータを利用して原稿読み取りを行う読み取り方式の場合には、シェーディング補正後の画像データを検出対象データとして選択することを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の画像読取装置。 - 前記異常画素検出手段の異常判定レベルを任意に変更できる判定レベル調整手段を有し、
前記検出対象データ選択手段による検出対象データの選択に応じて異常画素の判定レベルを切り換えることを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の画像読取装置。 - シェーディング補正機能を有した画像読取装置における異常画素検出方法であって、
原稿の読み取り方式の違いに基づいて検出対象データを選択する検出対象データ選択工程と、
前記検出対象データ選択工程により選択した検出対象データを基に原稿読み取り面に付着した異物による画像データの異常な落ち込みを検出する異常画素検出工程と、
を有することを特徴とする異常画素検出方法。 - 前記検出対象データ選択工程は、
白基準データ(シェーディングデータ)の採取方式に基づいて、検出対象データを選択することを特徴とする請求項9記載の異常画素検出方法。 - 前記検出対象データ選択工程は、
シェーディング補正前の画像データと、シェーディング補正後の画像データと、シェーディングデータそのものと、を検出対象データとして選択することを特徴とする請求項9または10記載の異常画素検出方法。 - 前記検出対象データ選択工程は、
シェーディングデータを原稿読み取り位置と異なる位置にて採取する読み取り方式の場合には、検出対象データとしてシェーディング補正後の画像データを選択することを特徴とする請求項9から11の何れか1項に記載の異常画素検出方法。 - 前記検出対象データ選択工程は、
シェーディングデータを原稿読み取り位置と同じ位置にて採取し、かつ各ページの読み取り開始直前に更新する読み取り方式の場合には、検出対象データとしてシェーディングデータそのものを選択することを特徴とする請求項9から12の何れか1項に記載の異常画素検出方法。 - 前記検出対象データ選択工程は、
シェーディングデータを原稿読み取り位置と同じ位置にて採取し、かつ各ページの読み取り開始直前に必ずしも更新しない読み取り方式の場合には、直前にシェーディングデータを更新するページにおいてはシェーディングデータそのものを検出対象データとして選択し、シェーディングデータを更新しないページにおいてはシェーディング補正前の画像データを検出対象データとして選択することを特徴とする請求項9から13の何れか1項に記載の異常画素検出方法。 - 前記検出対象データ選択工程は、
シェーディングデータを不揮発性メモリに格納し、半恒久的に同一のシェーディングデータを利用して原稿読み取りを行う読み取り方式の場合には、シェーディング補正後の画像データを検出対象データとして選択することを特徴とする請求項9から14の何れか1項に記載の異常画素検出方法。 - 前記異常画素検出工程の異常判定レベルを任意に変更できる判定レベル調整工程を有し、
前記検出対象データ選択工程により選択された検出対象データに応じて異常画素の判定レベルを切り換えることを特徴とする請求項9から15の何れか1項に記載の異常画素検出方法。 - シェーディング補正機能を有した画像読取装置において実行される異常画素検出プログラムであって、
前記画像読取装置において、
原稿の読み取り方式の違いに基づいて検出対象データを選択する検出対象データ選択処理と、
前記検出対象データ選択処理により選択した検出対象データを基に原稿読み取り面に付着した異物による画像データの異常な落ち込みを検出する異常画素検出処理と、
を実行させることを特徴とする異常画素検出プログラム。 - 前記検出対象データ選択処理は、
白基準データ(シェーディングデータ)の採取方式に基づいて、検出対象データを選択することを特徴とする請求項17記載の異常画素検出プログラム。 - 前記検出対象データ選択処理は、
シェーディング補正前の画像データと、シェーディング補正後の画像データと、シェーディングデータそのものと、を検出対象データとして選択することを特徴とする請求項17または18記載の異常画素検出プログラム。 - 前記検出対象データ選択処理は、
シェーディングデータを原稿読み取り位置と異なる位置にて採取する読み取り方式の場合には、検出対象データとしてシェーディング補正後の画像データを選択することを特徴とする請求項17から19の何れか1項に記載の異常画素検出プログラム。 - 前記検出対象データ選択処理は、
シェーディングデータを原稿読み取り位置と同じ位置にて採取し、かつ各ページの読み取り開始直前に更新する読み取り方式の場合には、検出対象データとしてシェーディングデータそのものを選択することを特徴とする請求項17から20の何れか1項に記載の異常画素検出プログラム。 - 前記検出対象データ選択処理は、
シェーディングデータを原稿読み取り位置と同じ位置にて採取し、かつ各ページの読み取り開始直前に必ずしも更新しない読み取り方式の場合には、直前にシェーディングデータを更新するページにおいてはシェーディングデータそのものを検出対象データとして選択し、シェーディングデータを更新しないページにおいてはシェーディング補正前の画像データを検出対象データとして選択することを特徴とする請求項17から21の何れか1項に記載の異常画素検出プログラム。 - 前記検出対象データ選択処理は、
シェーディングデータを不揮発性メモリに格納し、半恒久的に同一のシェーディングデータを利用して原稿読み取りを行う読み取り方式の場合には、シェーディング補正後の画像データを検出対象データとして選択することを特徴とする請求項17から22の何れか1項に記載の異常画素検出プログラム。 - 前記異常画素検出処理における異常判定レベルを任意に変更できる判定レベル調整処理を前記画像読取装置において実行し、
前記検出対象データ選択処理により選択された検出対象データに応じて異常画素の判定レベルを切り換えることを特徴とする請求項17から23の何れか1項に記載の異常画素検出プログラム。 - 請求項17から24の何れか1項に記載の異常画素検出プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
Priority Applications (1)
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JP2002351644A JP2004187003A (ja) | 2002-12-03 | 2002-12-03 | 画像読取装置、異常画素検出方法、異常画素検出プログラム及び記録媒体 |
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JP2002351644A JP2004187003A (ja) | 2002-12-03 | 2002-12-03 | 画像読取装置、異常画素検出方法、異常画素検出プログラム及び記録媒体 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011023920A (ja) * | 2009-07-15 | 2011-02-03 | Ricoh Co Ltd | 画像読取装置および画像形成装置 |
JP2016158124A (ja) * | 2015-02-25 | 2016-09-01 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | 画像読取装置及び画像形成装置 |
-
2002
- 2002-12-03 JP JP2002351644A patent/JP2004187003A/ja active Pending
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