JP2005196969A - 誘電体バリア放電装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】発光効率が高い誘電体バリア放電装置を提供する。
【解決手段】放電開始前の状態で、発振手段2により放電開始が容易な発振周波数領域ftに設定しておき、トリガー手段3からの起動によってランプAの放電が開始され、その後、検出手段4によって、放電後における共振回路1の共振周波数f2を検出し、変更手段5によって両電極A1,A2への電圧出力を放電開始後の安定した放電領域の共振周波数f2に印加電圧を変更する。
【選択図】 図1
【解決手段】放電開始前の状態で、発振手段2により放電開始が容易な発振周波数領域ftに設定しておき、トリガー手段3からの起動によってランプAの放電が開始され、その後、検出手段4によって、放電後における共振回路1の共振周波数f2を検出し、変更手段5によって両電極A1,A2への電圧出力を放電開始後の安定した放電領域の共振周波数f2に印加電圧を変更する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば液晶ディスプレイなどのガラス基板やシリコン半導体ウェーハなどの表面に付着した有機化合物の汚れを除去するためのドライ洗浄装置や、オゾンガスとの光化学反応により半導体製造工程においてシリコンウェーハ上の不要になったフォトレジストを剥離除去するためのアッシング(ashing:灰化)装置などに使用される誘電体バリア放電エキシマUVランプの放電装置に関する。
詳しくは、誘電体バリア放電によりエキシマ分子を生成する放電用ガスが充填された放電空間を挟んで一対の電極が配置された誘電体バリア放電エキシマUVランプと、この誘電体バリア放電エキシマUVランプの両電極の間に高周波電圧を印加するための給電装置とからなる誘電体バリア放電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の誘電体バリア放電ランプは、放電用ガスが充填される放電プラズマの空間を挟んで一対の電極の間に誘電体が存在し、この誘電体を媒体とする一対の電極は、コンデンサの働きをすることによって電流が流れることになる。
これら一対の電極の間に高周波電圧を印加しても、放電が開始される前の状態では、放電路の抵抗が無限大でコンデンサのままであるが、このコンデンサもある条件下で放電開始エネルギーを加えると、誘電体バリアを通じて非常に容易に放電が始まり、この誘電体バリアに充填された放電用ガスを励起して、そのガス特有の波長の光エネルギーを放射する。
この誘電体バリア放電ランプは、その放電中においても静電容量の特性を持ったまま放電が持続されるものの、その静電容量は、放電を開始する前に比べて誘電率が高まるために増大するが、放電中は大きく変化しない性質を持っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし乍ら、このような従来の誘電体バリア放電ランプ用放電装置では、周波数を変更せずに放電開始領域のままで同じ高電圧を供給し続けるため、発光効率が十分でなく、洗浄などの処理速度に限界があるという問題がある。
そこで、本願の発明者は実験によって、誘電体バリア放電ランプを含む共振回路は、図2示す如く、放電開始前の誘電体バリア放電ランプの静電容量をC1とし、インダクタンスをL0とした場合の共振周波数f1において、両電極の間に高電圧を印加しても放電の開始が難しく、それを越えて所定の周波数領域に達した状態で電圧を印加すると、極めて容易に放電が開始されることを発見した。
更に、放電が開始されると、放電開始前の静電容量C1からそれより大きな静電容量C2に変化するため、放電開始前の共振周波数f1からそれより低い共振周波数f2に移ることも分かった。
【0004】
本発明のうち請求項1記載の発明は、発光効率が高い誘電体バリア放電装置を提供することを目的としたものである。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の発明の目的に加えて、放電開始が容易な発振周波数領域を簡単な作業で容易に検出することを目的としたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、給電装置が、誘電体バリア放電エキシマUVランプを含む共振回路と、この共振回路を該ランプの放電開始前に予め設定された放電開始が容易な発振周波数領域にする発振手段と、この放電開始が容易な発振周波数領域で起動させるためのトリガー手段と、放電開始後に上記共振回路の共振周波数を検出する検出手段と、この検出手段で検出した放電開始後の安定した放電持続のための共振周波数に印加電圧を変更する変更手段とを設けたことを特徴とするものである。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に、前記前記発振周波数領域が、予め測定したランプ放電前の共振回路の静電容量による共振周波数より高い周波数領域である構成を加えたことを特徴とする。
【0006】
【作用】
請求項1の発明は、放電開始前の状態で、発振手段により放電開始が容易な発振周波数領域に設定しておき、トリガー手段からの起動によってランプの放電が開始され、その後、検出手段によって、放電後における共振回路の共振周波数を検出し、変更手段によって両電極への電圧出力を放電開始後の安定した放電領域の共振周波数に印加電圧を変更するものである。
請求項2の発明は、請求項1記載の構成に対して、前記発振周波数領域が、予め測定したランプ放電前の共振回路の静電容量による共振周波数より高い周波数領域である構成を追加したので、放電開始が容易な発振周波数領域を簡単に検出可能となる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
この実施例は、図1に示す如く、誘電体バリア放電エキシマUVランプAが、中空円筒状に形成した石英ガラス製の放電容器A3の内側に沿って内部電極A1を配置すると共に外側に沿って外部電極A2を配置し、この放電容器A3内の放電空間に放電用ガスA4としてキセノンガスを封入することにより、172nmのエキシマUVが放射状に照射される二重円筒型構造である場合を示すものである。
【0008】
これら両電極A1,A2の間に高周波電圧を印加するための給電装置Bは、誘電体バリア放電エキシマUVランプAを含む共振回路1と、この共振回路1を該ランプAの放電開始前に予め設定された放電開始が容易な発振周波数領域ftにする発振手段2と、この放電開始が容易な発振周波数領域ftで起動させるためのトリガー手段3と、放電開始後に上記共振回路1の共振周波数を検出する検出手段4と、この検出手段4で検出した放電開始後の安定した放電持続のための共振周波数に印加電圧を変更する変更手段5とを設ける。
【0009】
本実施例の場合には、上記ランプAが放電する前の状態で共振回路1の静電容量C1による共振周波数f1を予め測定して求める。
上記発振手段2は、放電開始前の状態で、上記共振周波数f1より高い放電開始が容易な発振周波数領域ftを発振する発振回路であり、その出力端が加算回路6を介してパワーアンプ7に接続され、このパワーアンプ7で増幅された後に上記共振回路1を介して両電極A1,A2に出力される。
【0010】
上記トリガー手段2は、上記発振手段2による放電開始が容易な発振周波数領域ftで放電開始信号を出力するトリガー回路であり、その出力端が加算回路6に接続され、トリガー回路からの出力に基づきパワーアンプ6及び共振回路1を介して発振周波数領域ftの電圧が両電極A1,A2に出力される。
【0011】
上記検出手段4は、検出回路からなり、その入力側のコイルと、上記パワーアンプ1bの出力端に接続されたコイルと、共振回路1のインダクタンスコイルとでコンデンサを構成し、これを共振回路1のインダクタンスL0とすると共に、該ランプAが放電開始された後、例えば1秒後に共振回路1の共振点を検出して、それを前記発振手段2の発振回路へフィードバックさせる。
【0012】
更に、前記発振手段2の発振回路は、上記検出手段4で検出した共振回路1の共振点がフィードバックされると、上記共振周波数f1より低い共振周波数f2に切り換えて発振し、これに基づき両電極A1,A2への電圧出力を放電開始後の安定した放電持続のための共振周波数f2に印加電圧を変更させる変更手段5でもある。
【0013】
また、上記給電装置Bの回路中には、必要に応じてアッテネーター8を接続してそれを通る信号が適量となるように減衰しても良い。
【0014】
次に、斯かる誘電体バリア放電装置の作動について説明する。
先ず、発振手段2の発振回路によって、予め測定した共振周波数f1より高い放電開始が容易な発振周波数領域ftに設定しておく。
【0015】
この状態で、トリガー手段3のトリガー回路によって、放電開始信号が両電極A1,A2に出力され、それにより、該ランプAの放電が極めて容易に開始される。
【0016】
この放電が開始された後、例えば1秒後に検出手段4によって、上記共振回路1の共振点を検出し、上記共振周波数f1より低い共振周波数f2が、変更手段5でもある発振手段2の発振回路へフィードバックされ、最良な共振周波数f2になるように発振回路を制御する。
【0017】
その結果、両電極A1,A2への電圧出力を放電開始後の安定した放電領域の共振周波数f2に印加電圧を変更する。
【0018】
その一例を述べれば、予め測定した共振周波数f1が例えば2.08MHzで、それより約 0.2MHz高い約2.10MHzを中心とした発振周波数領域ftにおいて、ランプAを放電させた場合、ランプAが放電開始した後も周波数を変更せず、そのままで放射照度が25mW/cm2のエキシマUVを照射するため約600W の電力を両電極A1,A2に入力しなければならず、その反射電力は約400W であった。
【0019】
これに対し、ランプAが放電開始した後に、上記発振周波数領域ft(約2.10MHzを中心とした領域)より低い共振周波数f2として例えば1.80MHzに変更した場合には、放射照度が25mW/cm2のエキシマUVを照射するため約200W の電力を両電極A1,A2に入力しなければならず、その反射電力は約70W となった。
【0020】
これらの差は熱効率が違いであり、その結果、熱効率が良くなって、入力電力に対する発光効率が向上する。
【0021】
尚、前示実施例では、誘電体バリア放電エキシマUVランプAが、中空円筒状の放電容器A3の内側に沿って内部電極A1を配置すると共に外側に沿って外部電極A2を配置し、この放電容器A3内に放電用ガスA4としてキセノンガスを封入した二重円筒型構造である場合を示したが、これに限定されず、放電容器A3の形状及び両電極A1,A2の配置位置や放電用ガスA4が異なるものでも良い。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のうち請求項1記載の発明は、発振手段により放電開始が容易な発振周波数領域に設定しておき、トリガー手段からの起動によってランプの放電が開始され、その後、検出手段によって、放電後における共振回路の共振周波数を検出し、変更手段によって両電極への電圧出力を放電開始後の安定した放電領域の共振周波数に印加電圧を変更するので、発光効率が高い誘電体バリア放電装置を提供できる。
【0023】
請求項2の発明は、請求項1の発明の効果に加えて、ランプが放電する前の状態で共振回路の静電容量による共振周波数を予め測定して求めたので、放電開始が容易な発振周波数領域を簡単に検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を示す誘電体バリア放電装置の回路図である。
【図2】 両電極間の電圧と共振周波数との関係を示す説明図である。
【符号の説明】
A 誘電体バリア放電エキシマUVランプ
A1,A2 電極 A4 放電用ガス
B 給電装置 1 共振回路
2 発振手段 3 トリガー手段
4 検出手段 5 変更手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば液晶ディスプレイなどのガラス基板やシリコン半導体ウェーハなどの表面に付着した有機化合物の汚れを除去するためのドライ洗浄装置や、オゾンガスとの光化学反応により半導体製造工程においてシリコンウェーハ上の不要になったフォトレジストを剥離除去するためのアッシング(ashing:灰化)装置などに使用される誘電体バリア放電エキシマUVランプの放電装置に関する。
詳しくは、誘電体バリア放電によりエキシマ分子を生成する放電用ガスが充填された放電空間を挟んで一対の電極が配置された誘電体バリア放電エキシマUVランプと、この誘電体バリア放電エキシマUVランプの両電極の間に高周波電圧を印加するための給電装置とからなる誘電体バリア放電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の誘電体バリア放電ランプは、放電用ガスが充填される放電プラズマの空間を挟んで一対の電極の間に誘電体が存在し、この誘電体を媒体とする一対の電極は、コンデンサの働きをすることによって電流が流れることになる。
これら一対の電極の間に高周波電圧を印加しても、放電が開始される前の状態では、放電路の抵抗が無限大でコンデンサのままであるが、このコンデンサもある条件下で放電開始エネルギーを加えると、誘電体バリアを通じて非常に容易に放電が始まり、この誘電体バリアに充填された放電用ガスを励起して、そのガス特有の波長の光エネルギーを放射する。
この誘電体バリア放電ランプは、その放電中においても静電容量の特性を持ったまま放電が持続されるものの、その静電容量は、放電を開始する前に比べて誘電率が高まるために増大するが、放電中は大きく変化しない性質を持っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし乍ら、このような従来の誘電体バリア放電ランプ用放電装置では、周波数を変更せずに放電開始領域のままで同じ高電圧を供給し続けるため、発光効率が十分でなく、洗浄などの処理速度に限界があるという問題がある。
そこで、本願の発明者は実験によって、誘電体バリア放電ランプを含む共振回路は、図2示す如く、放電開始前の誘電体バリア放電ランプの静電容量をC1とし、インダクタンスをL0とした場合の共振周波数f1において、両電極の間に高電圧を印加しても放電の開始が難しく、それを越えて所定の周波数領域に達した状態で電圧を印加すると、極めて容易に放電が開始されることを発見した。
更に、放電が開始されると、放電開始前の静電容量C1からそれより大きな静電容量C2に変化するため、放電開始前の共振周波数f1からそれより低い共振周波数f2に移ることも分かった。
【0004】
本発明のうち請求項1記載の発明は、発光効率が高い誘電体バリア放電装置を提供することを目的としたものである。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の発明の目的に加えて、放電開始が容易な発振周波数領域を簡単な作業で容易に検出することを目的としたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、給電装置が、誘電体バリア放電エキシマUVランプを含む共振回路と、この共振回路を該ランプの放電開始前に予め設定された放電開始が容易な発振周波数領域にする発振手段と、この放電開始が容易な発振周波数領域で起動させるためのトリガー手段と、放電開始後に上記共振回路の共振周波数を検出する検出手段と、この検出手段で検出した放電開始後の安定した放電持続のための共振周波数に印加電圧を変更する変更手段とを設けたことを特徴とするものである。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に、前記前記発振周波数領域が、予め測定したランプ放電前の共振回路の静電容量による共振周波数より高い周波数領域である構成を加えたことを特徴とする。
【0006】
【作用】
請求項1の発明は、放電開始前の状態で、発振手段により放電開始が容易な発振周波数領域に設定しておき、トリガー手段からの起動によってランプの放電が開始され、その後、検出手段によって、放電後における共振回路の共振周波数を検出し、変更手段によって両電極への電圧出力を放電開始後の安定した放電領域の共振周波数に印加電圧を変更するものである。
請求項2の発明は、請求項1記載の構成に対して、前記発振周波数領域が、予め測定したランプ放電前の共振回路の静電容量による共振周波数より高い周波数領域である構成を追加したので、放電開始が容易な発振周波数領域を簡単に検出可能となる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
この実施例は、図1に示す如く、誘電体バリア放電エキシマUVランプAが、中空円筒状に形成した石英ガラス製の放電容器A3の内側に沿って内部電極A1を配置すると共に外側に沿って外部電極A2を配置し、この放電容器A3内の放電空間に放電用ガスA4としてキセノンガスを封入することにより、172nmのエキシマUVが放射状に照射される二重円筒型構造である場合を示すものである。
【0008】
これら両電極A1,A2の間に高周波電圧を印加するための給電装置Bは、誘電体バリア放電エキシマUVランプAを含む共振回路1と、この共振回路1を該ランプAの放電開始前に予め設定された放電開始が容易な発振周波数領域ftにする発振手段2と、この放電開始が容易な発振周波数領域ftで起動させるためのトリガー手段3と、放電開始後に上記共振回路1の共振周波数を検出する検出手段4と、この検出手段4で検出した放電開始後の安定した放電持続のための共振周波数に印加電圧を変更する変更手段5とを設ける。
【0009】
本実施例の場合には、上記ランプAが放電する前の状態で共振回路1の静電容量C1による共振周波数f1を予め測定して求める。
上記発振手段2は、放電開始前の状態で、上記共振周波数f1より高い放電開始が容易な発振周波数領域ftを発振する発振回路であり、その出力端が加算回路6を介してパワーアンプ7に接続され、このパワーアンプ7で増幅された後に上記共振回路1を介して両電極A1,A2に出力される。
【0010】
上記トリガー手段2は、上記発振手段2による放電開始が容易な発振周波数領域ftで放電開始信号を出力するトリガー回路であり、その出力端が加算回路6に接続され、トリガー回路からの出力に基づきパワーアンプ6及び共振回路1を介して発振周波数領域ftの電圧が両電極A1,A2に出力される。
【0011】
上記検出手段4は、検出回路からなり、その入力側のコイルと、上記パワーアンプ1bの出力端に接続されたコイルと、共振回路1のインダクタンスコイルとでコンデンサを構成し、これを共振回路1のインダクタンスL0とすると共に、該ランプAが放電開始された後、例えば1秒後に共振回路1の共振点を検出して、それを前記発振手段2の発振回路へフィードバックさせる。
【0012】
更に、前記発振手段2の発振回路は、上記検出手段4で検出した共振回路1の共振点がフィードバックされると、上記共振周波数f1より低い共振周波数f2に切り換えて発振し、これに基づき両電極A1,A2への電圧出力を放電開始後の安定した放電持続のための共振周波数f2に印加電圧を変更させる変更手段5でもある。
【0013】
また、上記給電装置Bの回路中には、必要に応じてアッテネーター8を接続してそれを通る信号が適量となるように減衰しても良い。
【0014】
次に、斯かる誘電体バリア放電装置の作動について説明する。
先ず、発振手段2の発振回路によって、予め測定した共振周波数f1より高い放電開始が容易な発振周波数領域ftに設定しておく。
【0015】
この状態で、トリガー手段3のトリガー回路によって、放電開始信号が両電極A1,A2に出力され、それにより、該ランプAの放電が極めて容易に開始される。
【0016】
この放電が開始された後、例えば1秒後に検出手段4によって、上記共振回路1の共振点を検出し、上記共振周波数f1より低い共振周波数f2が、変更手段5でもある発振手段2の発振回路へフィードバックされ、最良な共振周波数f2になるように発振回路を制御する。
【0017】
その結果、両電極A1,A2への電圧出力を放電開始後の安定した放電領域の共振周波数f2に印加電圧を変更する。
【0018】
その一例を述べれば、予め測定した共振周波数f1が例えば2.08MHzで、それより約 0.2MHz高い約2.10MHzを中心とした発振周波数領域ftにおいて、ランプAを放電させた場合、ランプAが放電開始した後も周波数を変更せず、そのままで放射照度が25mW/cm2のエキシマUVを照射するため約600W の電力を両電極A1,A2に入力しなければならず、その反射電力は約400W であった。
【0019】
これに対し、ランプAが放電開始した後に、上記発振周波数領域ft(約2.10MHzを中心とした領域)より低い共振周波数f2として例えば1.80MHzに変更した場合には、放射照度が25mW/cm2のエキシマUVを照射するため約200W の電力を両電極A1,A2に入力しなければならず、その反射電力は約70W となった。
【0020】
これらの差は熱効率が違いであり、その結果、熱効率が良くなって、入力電力に対する発光効率が向上する。
【0021】
尚、前示実施例では、誘電体バリア放電エキシマUVランプAが、中空円筒状の放電容器A3の内側に沿って内部電極A1を配置すると共に外側に沿って外部電極A2を配置し、この放電容器A3内に放電用ガスA4としてキセノンガスを封入した二重円筒型構造である場合を示したが、これに限定されず、放電容器A3の形状及び両電極A1,A2の配置位置や放電用ガスA4が異なるものでも良い。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のうち請求項1記載の発明は、発振手段により放電開始が容易な発振周波数領域に設定しておき、トリガー手段からの起動によってランプの放電が開始され、その後、検出手段によって、放電後における共振回路の共振周波数を検出し、変更手段によって両電極への電圧出力を放電開始後の安定した放電領域の共振周波数に印加電圧を変更するので、発光効率が高い誘電体バリア放電装置を提供できる。
【0023】
請求項2の発明は、請求項1の発明の効果に加えて、ランプが放電する前の状態で共振回路の静電容量による共振周波数を予め測定して求めたので、放電開始が容易な発振周波数領域を簡単に検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を示す誘電体バリア放電装置の回路図である。
【図2】 両電極間の電圧と共振周波数との関係を示す説明図である。
【符号の説明】
A 誘電体バリア放電エキシマUVランプ
A1,A2 電極 A4 放電用ガス
B 給電装置 1 共振回路
2 発振手段 3 トリガー手段
4 検出手段 5 変更手段
Claims (2)
- 誘電体バリア放電によりエキシマ分子を生成する放電用ガス(A4)が充填された放電空間を挟んで一対の電極(A1,A2)が配置された誘電体バリア放電エキシマUVランプ(A)と、この誘電体バリア放電エキシマUVランプ(A)の両電極(A1,A2)の間に高周波電圧を印加するための給電装置(B)とからなる誘電体バリア放電装置において、
前記給電装置(B)が、誘電体バリア放電エキシマUVランプ(A)を含む共振回路(1)と、この共振回路(1)を該ランプ(A)の放電開始前に予め設定された放電開始が容易な発振周波数領域(ft)にする発振手段(2)と、この放電開始が容易な発振周波数領域(ft)で起動させるためのトリガー手段(3)と、放電開始後に上記共振回路(1)の共振周波数(f2)を検出する検出手段(4)と、この検出手段(4)で検出した放電開始後の安定した放電持続のための共振周波数(f2)に印加電圧を変更する変更手段(5)とを設けたことを特徴とする誘電体バリア放電装置。 - 前記発振周波数領域(ft)が、予め測定したランプ放電前の共振回路(1)の静電容量(C1)による共振周波数(f1)より高い周波数領域である請求項1記載の誘電体バリア放電装置。
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