JP4196649B2 - エキシマ光源装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、周波数1MHz以上の高周波電力によって点灯され、高周波電力によって放電が生成され、その放電によってエキシマ分子から放出される紫外線を放射させるエキシマランプを複数本備えてなるエキシマ光源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、半導体ウエハーや液晶表示装置用ガラス基板などの被処理物の表面の洗浄処理、被処理物の表面における極薄酸化膜の生成処理、紫外線硬化樹脂の硬化処理などの種々のプロセスにおいては、被処理物に対して紫外線を照射することが行われている。
【0003】
このような紫外線照射処理のために、例えばエキシマ光源装置が用いられている。そして、現在、エキシマ光源装置としては、その内部に種々のエキシマ分子生成ガスが充填された、例えば石英ガラスなどにより形成された円筒状の放電容器と、この放電容器により区画された放電空間を介して対向するよう配設された一対の電極とを備えてなり、当該一対の電極間に電圧を印加させて放電を生起させることによりエキシマ分子を生成し、当該エキシマ分子による紫外線の発光を利用するエキシマランプを複数本備えてなるものが好ましく使用されている。
【0004】
従来、このようなエキシマランプは、周波数が数10kHzである低域高周波電力が供給されることにより点灯されており、これは、必要とされる点灯回路における構成が簡略であると共に、これより低い周波数の電力を供給する場合には、放電を生起させるために、例えば10kV以上もの高い電圧が必要となって、例えば絶縁上の問題が生ずることとなり、一方、エキシマランプをより高い周波数の電力によって点灯させた場合には、周辺機器に対して種々の電磁波障害(EMI)に対する対策を施すことが必要となるからである。
【0005】
然るに、近年においては電磁波障害(EMI)に係る対策が確立してきたことから、上記のようなエキシマランプを、例えば周波数が1MHz以上の高域高周波電力を供給して点灯させることが提案されている(例えば、特許文献1および特許文献2参照。)。
これは、周波数が1MHz以上の高域高周波電力を利用した場合には、エキシマランプにおいて、放電を生起させるために必要とされる電圧を、例えば1〜3kV程度の低いものとすることができる点で有利だからである。
【0006】
しかしながら、周波数が1MHz以上の高域高周波電力を連続的に供給してエキシマランプを点灯させた場合には、当該高域高周波電力の供給を開始した直後においては高い発光出力を得ることができるが、時間の経過に伴って、エキシマガスの温度の上昇や、エキシマ分子の生成効率の低下などに起因して、発光出力が徐々に減衰してしまい、全体的な消費電力量に比して高い発光効率を得ることができない、という問題がある。
【0007】
このような問題を解決するために、特願2002−256918に係る明細書には、周波数が1MHz以上の高域高周波電力を間欠的にエキシマランプに供給することによって、当該エキシマランプを点灯させるエキシマランプ点灯装置が開示されている。
このようなエキシマランプ点灯装置によれば、継続的に高周波電力を供給する場合と同等の消費電力量となる条件下においては、エキシマランプにおける単位点灯時間当たりの消費電力量を大きくすることができ、しかも、経時的な発光出力の減衰が防止され、その結果、発光効率を向上させることができる、という利点がある。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−311658号公報
【特許文献2】
特許第3282804号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
特願2002−256918に示されているエキシマランプ点灯装置においては、点灯回路のインピーダンスが、点灯状態のエキシマランプのインピーダンスに整合したものとされており、これは、点灯時における反射波の発生を抑制するためである。
【0010】
しかしながら、エキシマランプは、点灯状態と、放電が生起されていない消灯状態とではインピーダンスが大きく異なるため、消灯状態のエキシマランプに対して高域高周波電力の供給を開始した時に、大きな反射波が発生することとなり、例えば点灯用電源装置に悪影響を与えるおそれがあるのみでなく、当該高域高周波電力の供給が間欠的に繰り返して行われるために当該反射波による合計損失エネルギーが相当大きいものとなり、結局、高い発光効率を得ることができない、という問題がある。
【0011】
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、周波数が1MHz以上の高域高周波電力(以下、単に「高域高周波電力」ともいう。)を間欠的に繰り返して供給することによってエキシマランプを点灯させた場合においても、全体として、高い発光効率を得ることができるエキシマ光源装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明のエキシマ光源装置は、複数本のエキシマランプと、これらのエキシマランプを周波数1MHz以上の高周波電力を間欠的に供給することによって点灯させる点灯用電源装置とを備えてなり、当該点灯用電源装置は、一のエキシマランプに対する高周波電力の供給を、当該一のエキシマランプが他のエキシマランプからの紫外線を受けている間に開始するものであることを特徴とする。
ここで、当該他のエキシマランプは、当該一のエキシマランプと隣接して配設されたものであることが好ましい。
【0013】
【作用】
エキシマランプにおいては、これに紫外線が照射されている状態では、紫外線が照射されていないときよりも遙かに優れた始動性を得ることができるところ、本発明のエキシマ光源装置によれば、一のエキシマランプに対する高域高周波電力の供給が、当該一のエキシマランプが他のエキシマランプから放射される紫外線を受けている間に開始されることにより、当該高域高周波電力の供給が開始された時点からきわめて短時間のうちに完全点灯した状態に移行するため、点灯回路との間でインピーダンスの整合が得られていない時間が短くなり、従ってインピーダンスの不整合によって生ずる反射波による損失エネルギーが十分に抑制され、その結果、エキシマランプにおいて高い発光効率を得ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
図1は、エキシマ光源装置の機械的な構成の一例を示す説明用断面図、図2は、エキシマ光源装置に配設されるエキシマランプの一例に係る構成を、管軸に沿った断面で示す説明用断面図、図3は、点灯回路における構成の概略を示すブロック図、図4(a)乃至(d)は、それぞれ高周波電力、変調信号、変調された高周波電力に係る波形、およびエキシマランプにおける発光強度の一例を示す説明用図面である。
【0015】
図1において、10は箱型のランプハウスであって、その下面に光照射窓11が設けられている。このランプハウス10の内部には、例えばアルミニウムよりなる冷却ブロック12が設けられており、この冷却ブロック12の下面には、それぞれ断面が半円形の複数(図1においては2つ)の溝121が、紙面に垂直な方向に伸びるよう互いに平行に並んで形成されており、これらの溝121の各々において、当該溝121の内径と適合する外径を有する棒状のエキシマランプ1が配設されて収納され、これにより、複数本(図1においては2本)のエキシマランプが設けられた構成とされている。また、ランプハウス10の内部は、例えば窒素ガスなどの不活性ガスが充填されている。
ここで、光照射窓11は、平板状の例えば合成石英ガラスにより形成された窓板部材111により構成されており、エキシマランプ1から放射される紫外線を透過して下方に照射するものである。
【0016】
エキシマランプ1としては、キセノンガスによるエキシマ分子発光を利用したキセノンランプなどのエキシマランプが用いられる。
具体的には、エキシマランプ1は、図2に示すように、例えば合成石英ガラスなどの誘電体よりなる円筒状の外側管2と、この外側管2内にその管軸に沿って配置された、当該外側管2の内径より小さい外径を有する、例えば合成石英ガラスなどの誘電体よりなる円筒状の内側管3と、この外側管2および内側管3により形成された円筒状の空間の両端部を気密に閉塞する端壁5、6とよりなる二重管構造を有する密閉型の放電容器4を有する構成とされ、この放電容器4により円筒状の放電空間Sが形成され、この放電空間Sにはキセノンガスが封入されている。
【0017】
この放電容器4を形成する外側管2には、その外周面に密接した状態で、例えば金網などの導電性材料よりなる網状の一方の電極7が設けられていると共に、内側管3には、その内周面に密接した状態で、例えばアルミニウム板よりなる他方の電極8が設けられた構成とされている。そして、この一方の電極7および他方の電極8は、エキシマランプに高周波電力を供給する点灯用電源装置に接続されている。
【0018】
エキシマランプ1における寸法例を挙げると、放電容器4を形成する外側管2における全長が250mm、外径が26mm、肉厚が1.0mmであり、内側管3における全長が250mm、内径が14mm、肉厚が1.0mmであって、当該放電容器4の内部に、キセノンガスが30kPaの圧力で封入されている。
【0019】
点灯用電源装置は、例えば図3に示す構成の点灯回路を有するものである。
図3において、13は、1MHz以上、特に1MHz〜1GHzの周波数を有する高域高周波電力を発生する高周波電力発生回路、14は、予め設定された制御プログラムに基づいたタイミングで変調信号を発生する変調信号発生回路、15、15は、高域高周波電力を変調信号により変調するミキサー、16、16は増幅回路、17、17は整合回路、1a、1bはエキシマランプである。
【0020】
高周波電力発生回路13から発生される高域高周波電力HWは、図4(a)に示す波形を有し、変調信号発生回路14から発生される、後述するパルス状周期を有する変調信号DSは、図4(b)に示す波形を有し、ミキサー15において高域高周波電力HWが変調信号DSと重畳されて変調されて得られるパルス状高周波電力PWは、図4(c)に示す波形を有し、パルス状高周波電力PWが増幅回路16および整合回路17を介して供給されることによりエキシマランプ1aまたは1bから放射される紫外線LIは、図4(d)に示す態様の強度を有する。
【0021】
変調信号発生回路14による変調信号は、1kHz〜前記高域高周波電力HWに係る周波数の1/10の範囲の周波数を有するものであって、デューティー比が10〜80%である。変調信号の周波数が過小である場合、またはデューティー比が過大である場合には、後述するように、高域高周波電力をエキシマランプに間欠的に供給した際に一回の点灯状態が維持される時間が過度に長くなり、エキシマガスの温度の上昇や、エキシマ分子の生成効率の低下などに起因した発光出力が減衰してしまう。また、変調信号の周波数が過大である場合、またはデューティー比が過小である場合には、当該エキシマランプにおける、一回の点灯状態の点灯時間が過度に短くなるために、エキシマ分子の生成を十分に行うことができず、高い発光強度を得ることができない。
【0022】
整合回路17においては、当該点灯回路に係るインピーダンスが、点灯状態におけるエキシマランプに係るインピーダンスと整合するよう回路定数が予め設定されている。
【0023】
このエキシマ光源装置において、各エキシマランプに対する高周波電力の供給が開始されるタイミング(以下、単に「電力供給開始時期」ともいう。)、すなわち、パルス状高周波電力PWにおけるそのパルス状周期の開始時期は、変調信号発生回路14から発生される変調信号DSが「オン」となるタイミングによって決定される。
【0024】
そして、変調信号発生回路14においては、エキシマランプ1aに供給されるるパルス状高周波電力(以下、単に「一方のパルス電力」ともいう。)PWaに係る電力供給開始時期と、エキシマランプ1bに供給されるパルス状高周波電力(以下、単に「他方のパルス電力」ともいう。)PWbに係る電力供給開始時期とが時間差をもった状態とされるよう、制御される。
【0025】
すなわち、一方のパルス電力PWaおよび他方のパルス電力PWbが、高域高周波電力が共通の変調信号により変調されて得られたものである場合においては、前記電力供給開始時期に係る時間差Tdは、当該パルス状高周波電力に係るオフ時間より長く、オン期間より短い内で設定される。
【0026】
ここで、「オン期間」は、エキシマランプに対して高周波電力の供給が行われている期間(例えば、図5においてはP1)を意味し、「オフ期間」は、エキシマランプに対して高周波電力の供給が行われていない期間(例えば、図5においてはP2)を意味する。
【0027】
これにより、いずれか一方のエキシマランプに対する高周波電力の供給が、当該一方のエキシマランプが、他方のエキシマランプから放射される紫外線の一部を受けている間に開始されることとなる状態が、両方のエキシマランプについて達成される。
【0028】
図5は、本発明のエキシマ光源装置における複数本(図においては2本)のエキシマランプに対して高周波電力が供給される周期のタイミングを示す説明用波形図である。
この図においては、変調信号による、一方のパルス電力PWaおよび他方のパルス電力PWbは、オン期間P1が35マイクロ秒間、オフ期間が15マイクロ秒間であって、1周期が50マイクロ秒間であるパルス状周期を有するものであり、その各々に係る電力供給開始時期の時間差(図5において時点T1から時点T2までの時間差)Tdは、20マイクロ秒間である。
【0029】
そして、図示するように、一方のパルス電力PWaが「オン」になる時点T1においては、他方のパルス電力PWbが「オン」状態が達成されていると共に、他方のパルス電力PWbが「オン」になる時点T2においても、一方のパルス電力PWaが「オン」とされた状態が達成されている。
【0030】
以上の構成により、上記のエキシマ光源装置において、エキシマランプ1a、およびエキシマランプ1bは、そのいずれか一方に対して高周波電力の供給が開始される際には、その他方が、常に点灯状態とされることとなり、これにより、当該エキシマランプ1a、1bに対する高周波電力の供給の開始に伴う反射波による損失エネルギーが抑制されることとなり、その結果、高い発光効率が実現されるものである。
【0031】
図6(a)は、単独のエキシマランプに高域高周波電力の供給が開始された場合における反射波の発生強度を経時的に示す説明用図面、図6(b)は、一のエキシマランプに対する高域高周波電力の供給が、当該一のエキシマランプが他のエキシマランプからの紫外線を受けている間に開始された場合における反射波の発生強度を経時的に示す説明用図面である。
【0032】
図6(a)、(b)において、エキシマランプに対して高域高周波電力の供給が開始された時刻t1から時刻t3までの期間Δt1は、放電が安定的に維持される完全点灯状態へ移行するための点灯移行期間、時刻t3以降は、完全点灯状態が達成されて維持された完全点灯期間を示す。
図示の例において、完全点灯期間における完全点灯状態では、点灯回路のインピーダンスがエキシマランプのインピーダンスに整合しているので、反射波の発生がきわめて小さい。
【0033】
そして、エキシマランプの放電が生起される点灯準備状態であって、前記完全点灯状態へ移行するための点灯移行期間Δt1においては、点灯回路のインピーダンスがエキシマランプのインピーダンスに不整合であって比較的大きな反射波が発生するが、エキシマランプは、これに紫外線が照射されていることにより優れた始動性を示すものであるため、点灯移行期間Δt1がきわめて短時間となるので、結局、点灯回路との間でインピーダンスの整合が得られていない時間が短くなり、実際に生ずる反射波による合計損失エネルギーを十分に抑制することができ、その結果、エキシマランプについて高い発光効率を得ることができる。
【0034】
従って、本発明のエキシマ光源装置によれば、一のエキシマランプに対する周波数1MHz以上の高域高周波電力の供給が、当該一のエキシマランプが他のエキシマランプから放射される紫外線を受けている間に開始されることにより、点灯回路との間でインピーダンスの整合が得られていない点灯移行期間の長さをきわめて短くすることができる。その結果、一のエキシマランプに対して、高周波電力の供給を間欠的に繰り返して行った場合でも、当該一のエキシマランプに対する高周波電力の供給に伴うインピーダンスの不整合に起因して生ずる反射波による合計損失エネルギーを十分に抑制することができる。しかも、エキシマガスの温度の上昇や、エキシマ分子の生成効率の低下などは抑止されて、高い発光出力を確実に得ることができるため、全体的な消費電力量に比して高い発光効率を得ることができる。
【0035】
以上、本発明を具体的な形態に基づいて説明したが、本発明は、上述の例に限定されるものではなく、種々の変更を加えることができる。
例えば、エキシマ光源装置は3本以上のエキシマランプが配設された構成であってもよく、このような構成のエキシマ光源装置においては、少なくとも一つのエキシマランプから放射される紫外線を受けている間に、他のいずれかのエキシマランプに対して高周波電力の供給が開始されればよい。
【0036】
また、以上のエキシマ光源装置においては、いずれかのエキシマランプに対して紫外線を照射する他の少なくとも一つのエキシマランプは、当該いずれかのエキシマランプに隣接して配設されていることが好ましい。これにより、当該いずれかのエキシマランプに対して、より高い効率で紫外線が照射されることとなり、当該エキシマランプにおいて、更に優れた始動性を得ることができる結果、点灯回路との間でインピーダンスの不整合が得られていない前記点灯移行期間がきわめて短くなり、結局、実際に生ずる反射波による合計損失エネルギーを十分に抑制することができて、エキシマランプについて高い発光効率を得ることができる。
【0037】
更には、エキシマ光源装置は、少なくとも一つのエキシマランプに対して繰り返して実行されるすべての高周波電力の供給の開始動作が他のいずれかのエキシマランプからの紫外線を受けている間に実行されることは必須とするものではない。
【0038】
以下、本発明の作用効果を確認するために行った実験例について説明する。
【0039】
〔実験例〕
図1の構成に従って、図2に示す構成を有するエキシマランプ、および図3に示す構成の点灯回路を有する点灯用電源装置を備えたエキシマ光源装置を作製した。
このエキシマ光源装置において、周波数が2MHzの高周波電力を、周波数が20kHz、デューティー比が70%の変調信号により変調し、オン期間が35マイクロ秒間、オフ期間15マイクロ秒間であって、50マイクロ秒間のパルス状周期を有するパルス状高周波電力を得た。
このパルス状高周波電力を、図5に示す態様、すなわち一方のエキシマランプ(1a)に対する電力供給開始時期と、他方のエキシマランプ(1b)に対する電力供給開始時期とにおける時間差が20マイクロ秒間となる態様で、入射電力が300Wとなる条件で2本のエキシマランプの各々に供給した。
その結果、反射波による合計損失エネルギーは30Wであった。
【0040】
〔比較実験例〕
上記実験例において、パルス状高周波電力を、2本のエキシマランプの各々に全く同一のタイミングで供給した。
その結果、反射波による合計損失エネルギーは140Wであった。
【0041】
以上の結果から、本発明の態様でエキシマランプに対する高周波電力の供給を行うことにより、反射波による合計損失エネルギーを大幅に抑制することができることが確認された。
【0042】
【発明の効果】
エキシマランプにおいては、これに紫外線が照射されている状態では、紫外線が照射されていないときよりも遙かに優れた始動性を得ることができるところ、本発明のエキシマ光源装置によれば、一のエキシマランプに対する周波数1MHz以上の高域高周波電力の供給が、当該一のエキシマランプが他のエキシマランプから放射される紫外線を受けている間に開始されることにより、当該高域高周波電力の供給が開始された時点からきわめて短時間のうちに完全点灯した状態に移行するため、点灯回路との間でインピーダンスの整合が得られていない時間が短くなり、従ってインピーダンスの不整合によって生ずる反射波による合計損失エネルギーが十分に抑制され、その結果、エキシマランプにおいて高い発光効率を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るエキシマ光源装置の構成の概略を示す説明用断面図である。
【図2】本発明のエキシマ光源装置に配設されるエキシマランプの一例に係る構成を、管軸に沿った断面で示す説明用断面図である。
【図3】点灯回路における構成の概略を示すブロック図である。
【図4】高周波電力、変調信号、変調された高周波電力に係る波形、およびエキシマランプにおける発光強度の一例を示す説明用図面である。
【図5】本発明のエキシマ光源装置における複数本(図においては2本)のエキシマランプに対して高周波電力が供給される周期のタイミングを示す説明用波形図である。
【図6】(a)は、単独のエキシマランプに高域高周波電力の供給が開始された場合における反射波の発生強度を経時的に示す説明用図面、(b)は、一のエキシマランプに対する高域高周波電力の供給が、当該一のエキシマランプが他のエキシマランプからの紫外線を受けている間に開始された場合における反射波の発生強度を経時的に示す説明用図面である。
【符号の説明】
1 エキシマランプ
1a エキシマランプ
1b エキシマランプ
2 外側管
3 内側管
4 放電容器
5 端壁
6 端壁
7 一方の電極
8 他方の電極
10 ランプハウス
11 光照射窓
111 窓板部材
12 冷却ブロック
121 溝
S 放電空間
13 高周波電力発生回路
14 変調信号発生回路
15 ミキサー
16 増幅回路
17 整合回路
Claims (2)
- 複数本のエキシマランプと、これらのエキシマランプを周波数1MHz以上の高周波電力を間欠的に供給することによって点灯させる点灯用電源装置とを備えてなり、
当該点灯用電源装置は、一のエキシマランプに対する高周波電力の供給を、当該一のエキシマランプが他のエキシマランプからの紫外線を受けている間に開始するものであることを特徴とするエキシマ光源装置。 - 請求項1に記載のエキシマ光源装置であって、当該他のエキシマランプは、当該一のエキシマランプと隣接して配設されたものであることを特徴とする請求項1に記載のエキシマ光源装置。
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