JP2005194799A - スマートエントリーシステム及びインロック解除方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 インロックして携帯機を室内に置いたままとしてもドアロックを解錠して、ドアを開けることができるスマートエントリーシステム及びインロック解除方法を提供する。
【解決手段】 スマートエントリーシステムを搭載した車両でインロックしてしまった場合、まず最初にドアスイッチ13が押されると、スマートECU14が室内照合を開始し、室内照合が成立すれば室内にスマートキー2が置き忘れていると判断する。また、ドアECU15のEEPROM15aには、ドアロック3を強制解錠するための操作手順が記憶されている。そして、室内照合が成立した後に、ドアスイッチ13が所定時間の間で長押しされ、続いてドアスイッチ13が予め設定された所定回数押されると、ドアECU15はドアロック3の解錠を許可し、ドアロック3を強制解錠してドアを開操作可能とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、スマートキーと車両との間の識別コード照合によって各種車両操作を実行可能なスマートエントリーシステム及びインロック解除方法に関する。
近年、車両操作の利便性を向上するためにスマートエントリーシステムを搭載した車両が開発されている。スマートエントリーシステムは、スマートキーから発信されるキー固有のIDコードと、車両に登録されたIDコードとを照合し、コードが一致すればドアの施錠・解錠、ステアリングの解錠、エンジン始動の許可、ラッゲージ開操作等を可能とするシステムである。この種のスマートエントリーシステムが例えば特許文献1に開示されている。
特許文献1のスマートエントリーシステムは、スマートキー(携帯機)の車内への置き忘れ検知機能を備えている。この置き忘れ検知では、降車時に内側のドアノブが操作されると置き忘れ検知処理が実行され、スマートキーが室内に置き忘れていると警報が発せられる。置き忘れたスマートキーを取り出さず、警報を無視してドア外側のドアロックスイッチが押されるとドアロックが一旦施錠されるが、それが強制的に解錠されるとともに警報が継続される。それでもスマートキーが室内に置き忘れたままであると、車両の不正使用防止のためにドアロックが施錠される。
実用新案登録第2511201号公報(第3−5頁、第1図)
しかしながら、この従来技術ではスマートキーが室内に置き忘れた場合、その旨を警報によって報知し、警報を無視してドアロックスイッチが押されると、施錠したドアロックを一旦解錠してそれでもスマートキーが取り出されなければドアロックを施錠する構成である。従って、警報やドアロックの一旦解錠によって運転者等がスマートキーを室内から取り出されなければ、結局のところ室内にスマートキーを置いたままドアロックが施錠されることになり、インロックが生じてしまう問題があった。また、室内のスマートキーと車両との通信(即ち、室内照合)が電波干渉によって不成立となると、インロックが生じてしまう可能性もあり、何らかの対策が必要であった。
本発明は、インロックして携帯機を室内に置いたままとしてもドアロックを解錠して、ドアを開けることができるスマートエントリーシステム及びインロック解除方法を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明では、携帯機から無線通信を介して受信した識別コードとドアロック側に登録した識別コードとの識別照合を室内及び室外で各々独立して行う照合手段と、前記照合手段によって前記携帯機との間で室外照合が成立していれば室外からのドアロックの施錠・解錠を許可又は開始する制御手段とを備えたスマートエントリーシステムにおいて、ドア外面に設けた操作手段と、前記ドアロックを強制解錠するときの前記操作手段の操作手順を記憶した記憶手段とを備え、前記制御手段は、前記照合手段の照合結果に基づき室外でなく室内に前記携帯機があると認識した状態で、前記操作手段が前記操作手順の通りに操作されたことを認識すると、前記ドアロックを強制解錠することを要旨とする。
この発明によれば、室内に携帯機が存在する場合、操作手段が操作手順の通りに操作されればドアロックが強制的に解錠される。ところで、室内に携帯機を置き忘れた状態で例えば電波干渉が生じた場合、室内照合が成立せずに室外照合が成立して、携帯機が室内にあるにも拘らずドアロックが施錠され、インロックしてしまう可能性が否定できない。しかし、携帯機が室内にあると認識された状態で操作手段が操作手順の通りに操作されるとドアロックが強制解錠されるので、インロックとなってもドアロックを強制解錠することでドアを開けることが可能となる。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記ドアロックが施錠又は解錠のどちらの状態かを検出する検出手段を備え、前記照合手段は、前記操作手段が操作されたとき、前記検出手段の検出信号に基づき前記ドアロックが施錠状態であると認識し、かつ前記照合手段による室外照合に基づき室外に携帯機が存在しないと認識した状態であれば、前記携帯機が室内に存在するか否かを確認するために室内照合を開始し、前記携帯機の有無結果を前記制御手段に通知することを要旨とする。
この発明によれば、請求項1に記載の発明の作用に加え、ドアロックを強制解錠する際には、室内照合を行って携帯機が室内に存在するか否かを判定するが、その判定は操作手段を操作した時点で開始される。ところで、照合手段による識別照合は無線通信で電波を飛ばして行う関係上、電力を消費するので、室内照合の通信を常時行うと、その分だけ電力を消費することになり好ましくない。しかし、本発明は操作手段を操作したときに室内照合を開始するので、無駄な電力消費が生じずに済み、電力抑制に効果がある。
請求項3に記載の発明では、請求項1又は2に記載の発明において、前記操作手順は、段階ごとに所定の操作内容を有する複数の手順からなり、前記制御手段は、前段の操作手順が正しいと判断すると前記照合手段に室内照合を行わせ、室内照合が成立すれば後段の操作手順が正しいか否かの判定を行うことを要旨とする。
この発明によれば、請求項1又は2に記載の発明の作用に加え、前段の操作手順を行って次の操作手順に移る際に、室内照合が成立するか否かを行う。従って、ドアロックを強制解錠する際の条件が操作手段の操作手順通りの操作だけでなく室内照合の成立も含まれることになり、ドアロック強制解錠時の条件が増え、不正にドアロックが解錠される可能性が低くなってセキュリティ性が向上する。
請求項4に記載の発明では、携帯機から無線通信を介して受信した識別コードとドアロック側に登録した識別コードとの識別照合を室内及び室外で各々独立して行う照合手段と、前記照合手段によって前記携帯機との間で室外照合が成立していれば室外からのドアロックの施錠・解錠を許可又は開始する制御手段とを備えたスマートエントリーシステムに使用されるインロック解除方法において、ドア外面には操作手段が設けられ、前記照合手段の照合結果に基づき室外でなく室内に前記携帯機がある状態で、ドアロック強制解錠の条件となる操作手順の通りに前記操作手段が操作されたことを前記制御手段が認識すると、当該制御手段が前記ドアロックを強制解錠することを要旨とする。この発明によれば、請求項1と同様の作用が得られる。
本発明によれば、インロックして携帯機を室内に置いたままとしてもドアロックを解錠して、ドアを開けることができる。
以下、本発明を具体化したスマートエントリーシステム及びインロック解除方法の一実施形態を図1〜図3に従って説明する。
図1は、スマートエントリーシステムの概要を示す平面図である。車両1にはイグニッションキーを用いずに各種車両操作が可能なスマートキーシステムが搭載されている。スマートキーシステムとは、携帯機としてのスマートキー2にIDコード(識別コード)を持たせ、車両1に登録したIDコードとスマートキー2のIDコードとをコード照合することによって、キー操作を行うことなく車両1の各種動作を許可・開始するシステムである。車両1の各種動作としては、ドアロック3の施錠・解錠の許可、ステアリングロック4の施錠・解錠、エンジン5の始動許可、ラッゲージ6の開操作許可等がある。
各ドア7には室外発信機8と室外アンテナ9とが組をなして搭載されている。室外発信機8は駐車状態(搭乗者なしでドアロック状態)のとき、図1の一点鎖線で示す室外検知エリアE1の範囲内にリクエスト信号Srqを間欠的に発信する。スマートキー所有者が室外検知エリアE1に入り込むと、スマートキー2はリクエスト信号Srqに反応してキー固有のIDコードを乗せたスマート信号Sidを発信する。室外アンテナ9は、スマートキー2からのスマート信号Sidを受信可能である。
室内には複数(本例は2つ)の室内発信機10と室内レシーバ11とが搭載されている。室内発信機10は室内の前側及び後側に各々配置され、室内レシーバ11はバックミラー等に埋設されている。室内発信機10は運転者が乗車したとき(ドア開→閉時、スマートイグニッション操作時、ドアロック施錠時等)、室外発信機8に代わって図1の二点鎖線で示す室内検知エリアE2の範囲内にリクエスト信号Srqを間欠的に発信する。スマートキー2はリクエスト信号Srqを受信するとスマート信号Sidを発信し、室内レシーバ11はそのスマート信号Sidを受信可能である。
また、室外検知エリアE1のエリア範囲を車室外とし、室内検知エリアE2のエリア範囲を車室内としている。従って、例えばスマートキー2が室内に置かれた場合、室外への漏れ電波(室外へのスマート信号Sidの漏れ)を加味しても、通常の場合はスマートキー2と室外アンテナ9との間で通信が確立しないように設定されている。ドア外面のドアノブ12には操作手段としてのドアスイッチ13が配設され、ドアロック3は施錠状態でドアスイッチ13が押されると解錠され、解錠状態でドアスイッチ13が押されると解錠される。
図2は、スマートエントリーシステムの電気的構成を示す模式的構成図である。車両1は、スマートECU14、ドアECU15、イモビECU16、ステアリングロックECU17、エンジンECU18及びランプ制御ECU19を備えている。各種ECU14〜16,19はネットワーク20に接続され、ステアリングロックECU17及びエンジンECU18はイモビECU16に接続されている。なお、スマートECU14が照合手段に相当し、ドアECU15が制御手段に相当する。
スマートECU14には室外発信機8、室外アンテナ9、室内発信機10及び室内レシーバ11が接続されている。スマートECU14はスマートキー2との間でコード照合を行ってドアロック3の解錠・施錠を許可するもので、運転者が車両1に乗り込むときに室外照合(スマート照合)を実施する。室外照合として、まずスマートECU14は駐車状態のとき、室外発信機8を介してリクエスト信号Srqを間欠的に発信させ、その信号Srqによりスマートキー2から発信されたスマート信号Sidを室外アンテナ9を介して受信する。
スマートECU14のEEPROMには、車両固有のIDコードが予め記憶されている。スマートECU14はスマートキー2から受信したIDコードと、自ら記憶したIDコードとを照合し、IDコードが一致すれば車両所有者が車内に乗り込むと判断してドアロック解錠許可信号をドアECU15に出力する。ドアECU15はドア7の施錠・解錠を制御するもので、ドアロック解錠許可信号を入力するとスタンバイ状態(アンロックスタンバイ状態又はロックスタンバイ状態)となる。ドアECU15は、アンロックスタンバイ状態でドアスイッチ13が押されるとドアロック3を解錠し、ロックスタンバイ状態でドアスイッチ13が押されるとドアロック3を施錠する。
ドアECU15にはドア7の開閉を検出するドアカーテシスイッチ21が接続されている。ドアECU15は室外照合でコード一致を認識しつつ、ドアカーテシスイッチ21からオフ→オンの切り換わりを検出すると運転者が室内に乗り込んでドア7を閉めたと判断し、ドア閉信号をスマートECU14に出力する。スマートECU14はドア閉信号を入力するとID照合を室内照合に切り換え、室内発信機10からリクエスト信号Srqを間欠的に発信する。スマートECU14はスマートキー2からのスマート信号Sidを室内レシーバ11を介して受信し、そのIDコードについてID照合を行い、コードが一致すれば車内照合が一致した旨を示す照合一致信号をイモビECU16に出力する。
イモビECU16はスマートキー2との間の室内照合結果に基づき、車両1の各種動作(エンジン始動、ステアリングロック解除等)の許可・不許可を判断する。従って、イモビECU16はスマートECU14から照合一致信号を受け取ると、車両所有者が運転席に乗り込んだと認識してステアリングロックECU17にステアリングロック解錠許可信号を出力し、ステアリングロックECU17をアンロックスタンバイ状態にする。一方、室内照合が一致しないとステアリングロック4の解錠が許可されず、エンジンが始動できない状態となる。
また、車内の運転席近傍等には、エンジン始動・停止時に操作されるノブ式のエンジンスイッチ22が配設されている。エンジン停止時にエンジンスイッチ22が「LOCK」位置でプッシュされるとステアリングロック4が解錠され、その状態から「ACC」位置→「ON」位置→「START」位置に回されるとエンジン5が始動する。一方、エンジン稼働状態でエンジンスイッチ22が「ACC」位置に回されるとエンジン5が停止し、「LOCK」位置まで回されると室内照合を開始したり、ステアリングロック4をロックスタンバイ状態にしたりする。
従って、エンジンスイッチ22を操作してエンジン5を始動するとき、エンジンスイッチ22は「LOCK」位置でのプッシュ操作を検知するとプッシュ信号をイモビECU16に出力する。また、エンジンスイッチ22は、「ACC」位置→「ON」位置→「START」への回動操作時にACC(アクセサリ)リレー、IG(イグニッション)リレー、ST(スタータ)リレーのリレー状態を切り換えたり、「ON」位置のときにIG信号をイモビECU16に出力したりする。
イモビECU16は、エンジンスイッチ22からプッシュ信号を入力すると、ステアリングロックECU17にステアリングロック解錠要求信号を出力する。ステアリングロックECU17はステアリングロック4の解錠・施錠を制御するもので、アンロックスタンバイ状態でステアリングロック解錠要求信号を入力するとステアリングロック4の解錠を開始し、その解錠動作が完了するとステアリングロック解錠完了信号をイモビECU16に出力する。イモビECU16はステアリングロック解錠完了信号を入力すると、エンジンECU18との間で相互認証を行い、認証結果が正しければエンジン始動許可信号を出力する。
エンジンECU18はエンジン始動許可信号を入力すると、エンジン始動スタンバイ状態となる。また、エンジンスイッチ22が「START」位置に回されると、ACCリレー及びSTリレーがオン状態となり、エンジンECU18に給電が開始されるとともにエンジンスタータが作動状態となる。イモビECU16はエンジンスイッチ22の回動操作時にIG信号を入力するが、このIG信号の入力に伴いエンジン始動要求信号をエンジンECU18に出力する。エンジンECU18はエンジン始動スタンバイ状態でエンジン始動要求信号を入力すると、点火制御及び燃料噴射制御を行ってエンジン5の始動を開始する。
ドアECU15には、ドアロック3の施錠・解錠を検出する検出手段としてのロック状態検出スイッチ24が接続されている。また、車両1には前部及び後部に複数のハザードランプ23が配設され、ハザードランプ23はランプ制御ECU19に接続されている。ランプ制御ECU19は、ステアリング横のウィンカーを操作されたときや、センタークラスターに設けたハザードスイッチを操作されたときにハザードランプ23を点灯させる。また、ランプ制御ECU19は、ドアロック3が施錠状態又は解錠状態となったときにも、施錠又は施錠完了の通知の意味を込めてハザードランプ23を所定回数(例えば2〜3回)点灯させる。
運転者が降車してドア7を閉じ、ドアロック3を施錠するためにドアスイッチ13が押されると、ドアECU15は室内照合確認信号をスマートECU14に出力する。スマートECU14は室内照合確認信号の入力に伴い、室内にスマートキー2が存在するか否かを判定する。即ち、スマートECU14は室内発信機10、室外発信機8の順でリクエスト信号Srqを発信させ、スマート信号Sidを室内レシーバ11で受信せずに室外アンテナ9で受信するとスマートキー2が室外にあると判断してドアECU15にドアロック施錠開始信号を出力し、ドアロック3を施錠させる。このとき、窓が開いていればそれも閉操作される。
一方、スマートECU14はスマートキー2の室内有無判定を行ったとき、室内レシーバ11でスマート信号Sidを受信すると室内にスマートキー2が置き忘れていると判断する。従って、ドアロック解錠時にドアスイッチ13が押されても、スマートECU14はドアロック解錠開始信号をドアECU15に出力せず、ドアロック3を施錠させないようにする。このため、解錠状態でドアスイッチ13を押してもドアロック3を施錠できないことから、運転者はスマートキー2を室内に置き忘れたと気付き、スマートキー2の置き忘れを発生させずに済む。
ところで、携帯電話、自動ドア、シャッター及びテレビ塔等からの電波によって車両1に電波干渉が生じると、スマートキー2から発信されたスマート信号Sidに乱れが生じ、スマートキー2が室内検知エリアE2内に置かれていても、スマートキー2と室内レシーバ11との間で通信が確立しないことがある。この状態でドアスイッチ13によるドアロック3の施錠操作が行われるとドアロック3が施錠されることから、インロックが生じてしまうことになる。また、室内照合が成立しない状態で所定時間経過するとドアロックを強制ロックするものもあり、この場合も強制ロックによりインロックが生じてしまう。
そこで、ドアECU15の記憶手段としてのEEPROM15aには、ドアロック3を強制解錠するための操作手順が記憶されている。このインロック解除処理を図3を用いて以下に説明すると、まず運転者はドアロック3を解錠する最初の操作としてドアスイッチ13を押す。このとき、スマートキー2が室外に存在しないことから、室外照合が成立せず、ドアECU15はロック操作スタンバイ状態となっていない。従って、ドアスイッチ13が押されたとき、ドアECU15はロック操作スタンバイ状態でなく、かつロック状態検出スイッチ24からの検出信号に基づきドアロック3が施錠状態であると判断すると、スマートECU14に室内照合確認信号を出力する。
スマートECU14は室内照合確認信号を入力すると、室内発信機10からリクエスト信号Srqを発信してスマートキー2との間で室内通信の確立を試み、スマートキー2からスマート信号Sidを受信して室内照合が成立すると、スマートキー2が室内に存在すると判断する。続いて、スマートECU14は報知要求信号をランプ制御ECU19に出力し、ランプ制御ECU19はその報知要求信号の入力に伴いハザードランプ23を数回点滅させてアンサーバックを実行する。運転者はこのアンサーバックを見て、室内にスマートキー2が存在していると認識する。
アンサーバックを確認した後、運転者は所定時間(例えば数秒)の間、ドアスイッチ13を長押しし、ドアECU15は所定時間の長押しを検出すると室内照合確認信号をスマートECU14に出力する。スマートECU14は室内照合確認信号の入力に伴って室内通信の確立を再度試み、スマートキー2との間で室内照合が成立するとスマートキー2が室内にあることを再確認し、報知要求信号をランプ制御ECU19に出力する。ランプ制御ECU19は、報知要求信号を入力するとハザードランプ23を数回点滅させる。運転者はこのアンサーバック信号を見て、ドアスイッチ13の長押し操作が正常に行われたことを認識する。
また、2度目の室内照合でコード照合が成立したとき、スマートECU14はドアECU15にドアロック解錠許可信号を出力する。ドアECU15はドアロック解錠許可信号の入力に伴い、スタンバイ状態(アンロックスタンバイ状態)となる。アンサーバックを確認した後、運転者はドアスイッチ13を一定時間内に所定回数(登録回数)押す。ドアECU15は、アンロックスタンバイ状態のときにドアスイッチ13が一定時間内に所定回数押されたことを検出すると、強制的にドアロック3を解錠する。従って、インロックしてもドアロック3を解錠、即ちドア7を開操作することが可能となる。
一方、スマートECU14は、最初のドアスイッチ13の操作で室内にスマートキー2が無いと判断すると、インロックしていないと判断してアンサーバックを返さず、インロック解除処理を終了する。また、インロックしている場合でも、ドアスイッチ13の長押し時間や、長押し後に押すドアスイッチ13の操作回数が異なる場合、ドアECU15はドアロック3の解錠を許可せず、操作手順が異なった時点でインロック解除処理を終了する。従って、インロック時に盗難目的でドアスイッチ13が操作されても、操作手順が正しくなければドアロック3が解錠されず、第3者(盗難者)による勝手なドアロック解錠が防げる。
また、インロック状態のときにドアロック3を解錠するための操作手順は、ドアスイッチ13の長押し操作と一定時間内におけるドアスイッチ13の所定回数操作との組み合わせとしたが、この長押し時間やドアスイッチ13を押す回数は変更することが可能である。例えば、ドアスイッチ13を設定回数押すとドアECU15が登録モードとなり、この状態で新たな操作手順を入力すると、それが新規の操作手順としてドアECU15に登録される。また、長押しと所定回数押すという2段階操作でインロック時にドアロック3を強制解錠するが、両方とも長押し或いは所定回数押すという操作としてもよい。
本例では、電波干渉等が原因で車両1がインロックした場合、まず最初にドアスイッチ13が押されるとスマートキー2が室内に存在するか否かが判断され、室内にあると判断されると、続くドアスイッチ13の所定手順(ドアスイッチ13の長押し及び所定回数押す)の操作でドアロック3が解錠される。従って、インロックしてもドア7を開けることが可能となり、インロックしてドアロック3を解錠できず室内に乗り込めないというような不具合が生じなくなる。
また、例えばドアスイッチ13のみの操作でドアロック3を強制解除可能とすると、普通に駐車しておいた車両1、即ちインロックしていない車両1でも、操作手順が盗まれてしまうとその操作手順にそってドアスイッチ13を操作すればドアロック3が解錠されてしまう。このため、盗難者等によって勝手にドア7が開けられてしまう可能性が否定できない。しかし、ドアロック3を強制解錠するときの条件に、スマートキー2が室内にあることを含めているので、インロックしたときにのみドアスイッチ13の操作によるドアロック強制解錠が可能になり、セキュリティ性も確保される。
この実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)例えば電波干渉等が原因でインロックが生じても、スマートキー2が室内に存在することが確認された状態で、ドアスイッチ13が手順通りに操作されればドアロック3が強制解錠される。従って、インロックが生じてもドアロック3を解錠することができ、ドア7を開けることができる。また、ドアロック3の強制解錠の条件として室内照合の成立が含まれているので、インロック以外のときのドアスイッチ13の操作でドアロック3を解錠することはできず、セキュリティ性が高いものとなる。
(2)ドアロック3を強制解錠するには、まず最初にドアスイッチ13が押されたことをトリガとして室内照合を開始し、室内にスマートキー2があるか否かを確認する。ここで、定期的に室内発信機10からリクエスト信号Srqを発信して室内照合の確立を試みることも考えられるが、この方法ではドアロック強制解錠操作を実施する以外でも通信確立の試みが行われることになり、電力が無駄に消費される。しかし、本例はドアスイッチ13が押されてから室内照合を開始するので、無駄な電力消費が生じずに済み、省エネルギー効果にも役立つ。
(3)ドアロック3を強制解錠するときには、解錠の一手順としてドアスイッチ13を長押しするが、ドアスイッチ13の長押しが行われた後に室内照合の成立を試みるので、ドアスイッチ13の操作手順に沿った操作に加えて室内照合もドアロック強制解錠時の条件となる。従って、ドアロック強制解錠時の条件が増え、不正にドアロック3が解錠される可能性を低くでき、セキュリティ性を向上することができる。
(4)ドアロック3を強制解錠するとき、まず最初に室内照合を実施して室内におけるスマートキー2の有無が判断されるが、この室内照合によって室内にスマートキー2があると判断されると、その旨がハザードランプ23で報知(アンサーバック)される。従って、運転者はスマートキー2が室内にあることを認識することができる。
(5)ドアロック3を強制解錠するときにはドアスイッチ13を長押しするが、その長押し操作が正しく行われると、その旨がハザードランプ23で報知(アンサーバック)される。従って、運転者はドアスイッチ13の長押し操作が正しく行われたことを認識することができる。
(6)ドアロック3を強制解錠するときのドアスイッチ13の操作手順は、ドアスイッチ13の長押し操作と、ドアスイッチ13を所定回数押す回数押し操作との組み合わせである。従って、ドアロック3を強制解錠する際の操作手順のバリエーションが増えることになり、どちらか一方の操作のみを行う場合に比べて、ドアロック3を不正に解錠され難くすることができる。
(7)ドアロック3を強制解錠するときの操作手順は変更可能であるので、定期的に操作手順を変更すれば、車両1の不正使用防止に役立つ。
(8)スマートエントリーシステムで使用するドアスイッチ13を、インロック解除の操作手段として用いたので、新たな部品を追加する必要がなく、ユーザにも分かり易い。
なお、本例は前記実施形態に限らず、以下の態様に変更してもよい。
・ ドアロック3を強制解錠するときのドアスイッチ13の操作手順は、ドアスイッチ13の長押し操作と、ドアスイッチ13を所定回数押し操作との2段階に限定されない。例えば、長押し、長押し、所定回数押しの3段階や、1段階或いは4段階以上としてもよい。
・ ドアロック3を強制解錠するとき、室内照合を実施して室内におけるスマートキー2の有無を判断するが、この室内照合はドアスイッチ13が押されたときに開始することに限定されない。例えば、室内照合が定期的に実行される構成としてもよく、室内照合が成立した時点でその情報をスマートECU14のEEPROM等に記憶しておき、ドアロック3を強制解錠するときには、その情報に基づき室内にスマートキー2が存在すると判断してもよい。
・ ドアロック3を強制解錠するときに操作される操作手段はドアスイッチ13に限定されない。例えば、ドアノブにタッチセンサ(操作手段)を設け、ドアロック3を解錠するときにはタッチセンサに触れ、ドアロック3を施錠するときにはドアスイッチ13を操作する。そして、タッチセンサとドアスイッチ13が所定の操作手順で操作されたときにドアロック3を強制解錠するようにしてもよい。また、インロック解除用の専用スイッチをドア外面に設けてもよい。
・ キー所有者が検知エリアE1に入り込んだとき、ドアロック3の施錠・解錠が許可される構成に限定されない。例えば、キー所有者が検知エリアE1に入るとドアロック3が自動で解錠され、検知エリアE1から出るとドアロック3が自動で施錠される構成でもよい。
・ インロックを解除するときには、まず室外照合を行って室外にスマートキー2が存在するか否かを判定し、続いて室内照合を行って室内にスマートキー2が存在するか否かを判定する手順をとってもよい。
・ 前記実施形態では室内照合によりキー置き忘れを検知し、キー置き忘れの場合にはドアロック3を不可とする構成であるが、このような置き忘れ検知を行うシステムは無くてもよい。
・ ID照合はスマート照合に限らず、例えばスマートキー2にトランスポンダを内蔵したり、トランスポンダ内蔵のイグニッションキーを用いたりすることによって、トランスポンダ照合を採用してもよい。
・ エンジンスタートシステムは、ノブ式のエンジンスイッチ22を回してエンジン5を始動するイグニッションノブ式に限定されない。例えば、センタークラスター等にプッシュ式のエンジンスイッチを設け、ブレーキペダルを踏みながらそのスイッチをプッシュ操作することによってエンジン5を始動するワンプッシュ式を採用してもよい。
・ スマートキー2が室内にあると判断されたときや、ドアスイッチ13の長押しが正常に行われたとき、その旨を報知する方法としては、ハザードランプ23を用いた視覚的な報知に限定されず、ブザーによる聴覚的な報知を用いてもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(1)請求項2において、所定形式で報知可能な報知手段(23)を備え、前記制御手段は、前記携帯機が室内に存在するか否かを確認するために前記室内照合を行ったとき、前記携帯機が室内に存在すると認識した場合には、その旨を前記報知手段で報知させる。この場合、運転者(車両所有者等)は携帯機が室内にあることを認識することができる。
(2)請求項3において、所定形式で報知可能な報知手段(23)を備え、前記制御手段は、前段の操作手順が正しいと判断すると前記照合手段に室内照合を行わせ、室内照合が成立すれば前記報知手段にその旨を報知させ、続いて後段の操作手順が正しいか否かの判定を行う。この場合、実際に行った途中までの操作手順が正しいか否かを運転者(車両所有者)に通知することができる。
(3)請求項3又は前記技術的思想(2)において、前記操作手順は、前記操作手段を押し続ける長押し操作と、前記操作手段を所定回数押す回数押し操作との組み合わせである。
(4)請求項1〜3のいずれかにおいて、前記操作手段は、前記ドアロックを解錠及び施錠するときに操作するドアロック操作手段(13)である。
(5)請求項1〜3のいずれかにおいて、前記記憶手段には前記操作手順を変更するための変更用操作手順が記憶され、前記制御手段は、前記操作手段が前記変更用操作手順の通りに操作されたことを認識すると登録モードとなり、以降の前記操作手段の操作を新たな操作手順として前記記憶手段に書き込む。
一実施形態におけるスマートエントリーシステムの概要を示す平面図。 スマートエントリーシステムの電気的構成を示す模式的構成図。 インロック解除処理時に実行されるシーケンスチャート。
符号の説明
2…携帯機としてのスマートキー、3…ドアロック、7…ドア、13…操作手段としてのドアスイッチ、14…照合手段としてのスマートECU、15…制御手段としてのドアECU、15a…記憶手段としてのEEPROM、24…検出手段としてのロック状態検出スイッチ。

Claims (4)

  1. 携帯機から無線通信を介して受信した識別コードとドアロック側に登録した識別コードとの識別照合を室内及び室外で各々独立して行う照合手段と、前記照合手段によって前記携帯機との間で室外照合が成立していれば室外からのドアロックの施錠・解錠を許可又は開始する制御手段とを備えたスマートエントリーシステムにおいて、
    ドア外面に設けた操作手段と、前記ドアロックを強制解錠するときの前記操作手段の操作手順を記憶した記憶手段とを備え、
    前記制御手段は、前記照合手段の照合結果に基づき室外でなく室内に前記携帯機があると認識した状態で、前記操作手段が前記操作手順の通りに操作されたことを認識すると、前記ドアロックを強制解錠することを特徴とするスマートエントリーシステム。
  2. 前記ドアロックが施錠又は解錠のどちらの状態かを検出する検出手段を備え、
    前記照合手段は、前記操作手段が操作されたとき、前記検出手段の検出信号に基づき前記ドアロックが施錠状態であると認識し、かつ前記照合手段による室外照合に基づき室外に携帯機が存在しないと認識した状態であれば、前記携帯機が室内に存在するか否かを確認するために室内照合を開始し、前記携帯機の有無結果を前記制御手段に通知することを特徴とする請求項1に記載のスマートエントリーシステム。
  3. 前記操作手順は、段階ごとに所定の操作内容を有する複数の手順からなり、
    前記制御手段は、前段の操作手順が正しいと判断すると前記照合手段に室内照合を行わせ、室内照合が成立すれば後段の操作手順が正しいか否かの判定を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載のスマートエントリーシステム。
  4. 携帯機から無線通信を介して受信した識別コードとドアロック側に登録した識別コードとの識別照合を室内及び室外で各々独立して行う照合手段と、前記照合手段によって前記携帯機との間で室外照合が成立していれば室外からのドアロックの施錠・解錠を許可又は開始する制御手段とを備えたスマートエントリーシステムに使用されるインロック解除方法において、
    ドア外面には操作手段が設けられ、前記照合手段の照合結果に基づき室外でなく室内に前記携帯機がある状態で、ドアロック強制解錠の条件となる操作手順の通りに前記操作手段が操作されたことを前記制御手段が認識すると、当該制御手段が前記ドアロックを強制解錠することを特徴とするインロック解除方法。
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