JP2005194511A - 酸化還元活性重合体、それを用いる電極及び非水溶液系電池 - Google Patents

酸化還元活性重合体、それを用いる電極及び非水溶液系電池 Download PDF

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Abstract

【課題】低温で作動し、大容量が得られると共に充放電を繰り返しても劣化し難い酸化還元活性重合体、それを用いる電極、該電極を正極とする非水溶液系電池を提供する。
【解決手段】酸化還元活性重合体は、チオアミド基、S−アルキルチオアミド基、S−ベンジルチオアミド基とイソチオシアネート基とを同一分子中に1組以上有し置換基を備えていてもよい二価の芳香族化合物が重合してなる。または、2組以上のチオアミド基、S−アルキルチオアミド基、S−ベンジルチオアミド基を有し置換基を備えていてもよい二価の芳香族化合物と、2組以上のイソチオシアネート基を有し置換基を備えていてもよい二価の芳香族化合物とが重合してなる。電極は前記いずれかの酸化還元活性重合体を電極材料として含有する。非水溶液系電池は正極と電解質と負極とを備え、該正極が前記いずれかの酸化還元活性重合体を電極材料として含有する電極からなる。
【選択図】なし

Description

本発明は、酸化還元活性重合体、それを用いる電極及び非水溶液系電池に関するものである。
近年、高エネルギー密度を備える電池の要求が高まっている。このような電池の1つとして、単電池の電圧が高いリチウム電池を挙げることができる。前記リチウム電池によれば、非水溶液系電解液を用いることにより3V以上の高電圧を得ることができるが、正負極それぞれの電極材料の重量当たりの容量としては、例えば正極に用いるリチウム酸コバルトの場合の140〜150mAh/gのように必ずしも十分とは言えない。
そこで、正負極それぞれについて、重量当たりの容量を大きくすることができる電極材料が種々検討されている。このうち、正極については、マンガン、鉄、ニオブ等の金属酸化物が検討されているが、いずれも重量が大きく反応電子数も少ないため、大きな容量を得ることが難しい。
また、重量が小さいことから、ポリアニリン等の導電性高分子を正極材料に用いることも検討されているが、ポリアニリンの単位分子量当たりの反応電子数は0.5、重量当たりの容量は145mAh/g前後であり、前記リチウム酸コバルトを大きく上回るものとはならない。
一方、高容量で高エネルギー密度が得られる酸化還元活性重合体として、有機硫黄高分子化合物を正極材料に用いることが知られている(例えば特許文献1、非特許文献1,2参照)。
前記有機硫黄高分子化合物は、主鎖にS−S結合を備え、R−S−S−Rで表される。前記有機硫黄高分子化合物は、還元状態では前記S−S結合が開裂して有機チオレート(R−SH)を形成し、酸化状態では有機チオレートの結合により前記S−S結合が再生されるという可逆的な酸化還元反応を行う。従って、前記有機硫黄高分子化合物は、正極材料として用いた場合、前記酸化還元反応を利用して充放電を行うことができる。
しかし、前記有機硫黄高分子化合物は、酸化還元電位の差が大きいために反応速度が遅く、電池として作動させるためには100℃以上の高温にしなければならないという問題がある。また、前記有機硫黄高分子化合物は、還元されて有機チオレートとなったときには、分子量が小さくなるため電解液に溶解して電極外に拡散してしまい、容量の劣化を招きやすいという問題もある。
前記有機硫黄高分子化合物における問題を解決するために、分子内の隣接する位置に1対のS原子を備え、互いに隣接するS原子同士でS−S結合の開裂と再形成とによる酸化還元反応を行うようにした酸化還元活性重合体が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、前記酸化還元活性重合体では、重量当たりの容量が十分とは言えず、さらに充放電サイクルを繰り返したときに容量が低下しやすい傾向があり、さらに優れた酸化還元活性重合体が望まれる。
米国特許第4833048号明細書 特開2001−72865号公報 J.Electrochem.Soc.,vol136,p.661〜664(1989) J.Electrochem.Soc.,vol136,p.2570〜2575(1989)
本発明は、かかる不都合を解消して、低温で作動することができ、大容量を得ることができると共に、充放電サイクルを繰り返しても劣化し難い酸化還元活性重合体を提供することを目的とする。
また、本発明の目的は、前記酸化還元活性重合体を用いる電極と、該電極を正極とする非水溶液系電池とを提供することにもある。
かかる目的を達成するために、本発明の酸化還元活性重合体は、チオアミド基、S−アルキルチオアミド基またはS−ベンジルチオアミド基から選択されるいずれか1種の基とイソチオシアネート基とを同一分子中に1組以上有し置換基を備えていてもよい二価の芳香族化合物が重合してなることを特徴とする。
尚、本明細書では、−C(SH)=N−という分子構造をチオアミド基、該チオアミド基のS原子に結合しているH原子がアルキル基で置換された分子構造をS−アルキルチオアミド基、該H原子がベンジル基で置換された分子構造をS−ベンジル基と記載する。また、本明細書では、−CS=N−という分子構造をイソチオシアネート基と記載する。
また、前記2価の芳香族化合物は、フェニレン基、ナフタレン基等のアリーレン基に前記チオアミド基、S−アルキルチオアミド基またはS−ベンジルチオアミド基から選択されるいずれか1種の基とイソチオシアネート基とが結合し、さらに置換基を備える化合物であってもよく、2価の複素環化合物に前記チオアミド基、S−アルキルチオアミド基またはS−ベンジルチオアミド基から選択されるいずれか1種の基とイソチオシアネート基とが結合し、さらに置換基を備える化合物であってもよい。
本発明の酸化還元活性重合体では、S−S結合の開裂と再形成とによる酸化還元反応を行うことができるが、前記S−S結合は、互いに隣接する前記チオアミド基のS原子と、イソチオシアネート基のS原子との間に形成される。従って、本発明の酸化還元活性重合体によれば、室温程度の低温で前記酸化還元反応を行うことができ、重量当たり大きな容量を得ることができる。また、前記酸化還元活性重合体によれば、前記S−S結合は繰り返し単位の側鎖に備えられ、分子内で結合を形成するので、還元により該S−S結合が開裂しても低分子量化することがなく、電極外への拡散による容量の劣化を防止することができ、充放電サイクルの繰り返しによる劣化を低減することができる。
前記酸化還元活性重合体として、例えば、還元状態では一般式(1)で表される構造を備え、酸化状態では一般式(2)で表される構造を備えるものを挙げることができる。
Figure 2005194511
還元状態で一般式(1)で表される構造を備え、酸化状態で一般式(2)で表される構造を備える酸化還元活性重合体としては、例えば、一般式(3)で表される4−イソチオシアネート−S−アルキルチオベンズアミド誘導体が重合されてなり、一般式(4)で表される構造を備える酸化還元活性重合体を挙げることができる。
Figure 2005194511
前記一般式(3)、(4)において、R2は前記チオアミド基のS原子に対する保護基であり、前記低級アルキル基に代えて、ベンジル基を用いることもできる。前記保護基にベンジル基を用いる酸化還元活性重合体としては、例えば、一般式(5)で表される4−イソチオシアネート−S−ベンジルチオベンズアミド誘導体が重合されてなり、一般式(6)で表される構造を備える酸化還元活性重合体を挙げることができる。
Figure 2005194511
また、本発明の酸化還元活性重合体は、2組以上のチオアミド基、S−アルキルチオアミド基またはS−ベンジルチオアミド基から選択されるいずれか1種の基を有し置換基を備えていてもよい二価の芳香族化合物と、2組以上のイソチオシアネート基を有し置換基を備えていてもよい二価の芳香族化合物とが重合してなるものであってもよい。
このような酸化還元活性重合体として、例えば、還元状態では一般式(7)で表される構造を備え、酸化状態では一般式(8)で表される構造を備える酸化還元活性重合体を挙げることができる。
Figure 2005194511
還元状態で一般式(7)で表される構造を備え、酸化状態で一般式(8)で表される構造を備える酸化還元活性重合体としては、例えば、一般式(9)で表される1,4−ジチオベンズアミド−S,S’−アルキルエーテル誘導体と、一般式(10)で表される1,4−ジイソチオシアネートフェニレン誘導体とが共重合されてなり、一般式(11)で表される構造を備える酸化還元活性重合体を挙げることができる。
Figure 2005194511

前記一般式(10)、(11)において、R2は前記チオアミド基のS原子に対する保護基であり、前記低級アルキル基に代えて、ベンジル基を用いることもできる。前記保護基にベンジル基を用いる酸化還元活性重合体としては、例えば、一般式(12)で表される1,4−ジチオベンズアミド−S,S’−ベンジルエーテル誘導体と、一般式(10)で表される1,4−ジイソチオシアネートフェニレン誘導体とが共重合されてなり、一般式(13)で表される構造を備える酸化還元活性重合体を挙げることができる。
Figure 2005194511
また、本発明の電極は前記いずれかの酸化還元活性重合体を電極材料として含有することを特徴とするものであり、本発明の非水溶液系電池は正極と電解質と負極とを備え、該正極が前記いずれかの酸化還元活性重合体を電極材料として含有する電極からなることを特徴とする。
次に、添付の図面を参照しながら本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。図1及び図2は、本実施形態の酸化還元活性重合体からなる電極を正極に用いた非水溶液系電池の充放電時の電池端子電圧の経時変化を示すグラフである。
次に、本発明の第1の実施形態について説明する。
本実施形態では、まず、4−シアノフェニルイソチオシアネート(シグマアルドリッチ社製)6gを硫化水素ガスと反応させ、4−フェニルチオカルバモイルイソチオシアネート4.7gを得た。前記反応を次式(14)に示す。
Figure 2005194511
次に、前記4−フェニルチオカルバモイルイソチオシアネートを、トリエチルアミン2.4gと塩化ベンジル3gとをテトラヒドロフラン(THF)50mlに溶解した溶液中で、4時間還流した。次に、十分に冷却した後、反応溶液に水−エーテル溶液を加え、有機溶液に反応生成物であるS−ベンジル化チオカルバモイルチオベンズアミドを抽出した。前記反応を次式(15)に示す。
Figure 2005194511
次に、前記有機溶液に硫酸マグネシウム1gを添加して脱水処理を行うことにより、重合用のS−ベンジル化チオカルバモイルチオベンズアミド溶液を調製した。次に、前記S−ベンジル化チオカルバモイルチオベンズアミド溶液を3日間還流した後、反応溶液を濾過し、濾紙上の固形物をエタノール、アセトンで洗浄し、目的の酸化還元活性重合体であるS−ベンジル化チオカルバモイルチオベンズアミドポリマー約4gを得た。前記反応を次式(16)に示す。
Figure 2005194511
次に、前記酸化還元活性重合体を乳鉢の中で粉砕した後、分級して、粒子径10〜30μmの粉末約3.3gを得た。次に、前記粉末の一部を用いて導電性を確認したところ、前記酸化還元活性重合体は導電性を備えておらず、電気的に絶縁物質であることが判明した。
次に、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)に、バインダーとしてのポリフッ化ビニリデンを溶解した濃度12重量%の溶液0.7g中に、導電助剤としてのアセチレンブラック0.084gを添加し、約30分間、十分に混練した。次に、前記混練物に、前記酸化還元活性重合体1.5gと、NMP1.0gとを添加し、さらに30分間混練した。
次に、得られた混練物を、厚さ20μmのアルミニウム箔上に均一な厚さで塗布し、恒温槽中で110℃で3時間乾燥した。次に、ローラで加圧して、アルミニウム箔と合わせて厚さ100μmのシート状体を形成した。次に、前記シート状体から直径14mmの円板を打ち抜いて正極を形成し、80℃で16時間真空乾燥した後、アルゴンガスを循環させた露点−80℃以下のグローブボックス内に移して重量を測定した。前記アルミニウム箔の重量を差し引いた前記正極の重量は、16mgであった。
次に、市販のコイン型セル(CR2030)の部品と、前記正極とを用いて、前記グローブボックス内で電池を作成した。前記電池は、純度99.99%、厚さ0.2mm、直径15.3mmのリチウム箔からなる円板を負極とし、厚さ20μm、直径20mmのポリオレフィン系樹脂からなる円板を60℃で24時間真空乾燥した後、前記グローブボックス内に保管したものをセパレータとした。また、電解液は、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを1:1(容積比)で混合した溶媒にLiClO4を溶解した濃度1モル/lの溶液を用い、該LiClO4溶液400μlを前記セパレータ上に注液して、非水溶液系電池を組み立てた。
尚、前記電池では、正極の厚さが100μmしかないため、集電体となる前記アルミニウム箔と容器との間の間隙に、スペーサとして厚さ0.5mm、直径14mmのステンレス製円板を数枚挿入した。
次に、前記非水溶液系電池を24時間放置した後、室温(25℃)で充放電を繰り返し、該電池の性能を評価した。
1回目の充電は、0.1mAの定電流で電圧4.20Vまで行い、その後4.20Vの定電圧で充電電流が0.01mAになるまで行った。充電容量は3.0mAhであった。また、1回目の放電は、0.1mAの定電流放電により終止電圧2.0Vまで行った。放電容量は2.7mAhであった。
2回目の充電は、1回目の充電と同一条件で行い、充電容量は2.9mAhであった。また、2回目の放電は、2回目の放電と同一条件で行い、放電容量は2.6mAhであった。結果を図1に示す。
また、前記非水溶液系電池では、20サイクル目の放電容量が2.3mAhであった。この結果から計算したところ、本実施形態の電極材料によれば、初期には約180mAh/g以上の容量を備えていることが明らかである。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
本実施形態では、まず、テレフタロジニトリル(シグマアルドリッチ社製)6.4gを硫化水素ガスと反応させ、ジチオテレフタロアミド5.357gを得た。前記反応を次式(17)に示す。
Figure 2005194511
次に、前記ジチオテレフタロアミドを、ナトリウムメトキシド5.5gと塩化ベンジル6.98gとをメチルアルコール30mlに溶解した溶液中で、4時間還流した。次に、十分に冷却した後、反応溶液に水−エーテル溶液を加え、有機溶液に反応生成物であるS,S’−ベンジル化ジチオテレフタロアミドを抽出した。次に、前記有機溶液に硫酸マグネシウム1gを添加して脱水処理し、S,S’−ベンジル化ジチオテレフタロアミド4.62gを得た。前記反応を次式(18)に示す。
Figure 2005194511
次に、S,S’−ベンジル化ジチオテレフタロアミド3.76gを、1,4−ジイソチオシアネートフェニレン(シグマアルドリッチ社製)1.91gと共に、THFとベンゼンとを1:1(重量比)で混合した溶媒100ml中で3日間還流した。次に、反応溶液を濾過し、濾紙上の固形物をエタノール、アセトンで洗浄し、目的の酸化還元活性重合体である1,4−ジチオベンズアミド−S,S’−ベンジルエーテル−1,4−ジイソチオシアネートフェニレン共重合物約2.5gを得た。前記反応を次式(19)に示す。
Figure 2005194511
次に、前記酸化還元活性重合体を乳鉢の中で粉砕した後、分級して、粒子径10〜30μmの粉末約2.0gを得た。次に、前記粉末の一部を用いて導電性を確認したところ、前記酸化還元活性重合体は導電性を備えておらず、電気的に絶縁物質であることが判明した。
次に、本実施形態で得られた混練物を用いた以外は、前記第1の実施形態と全く同一にして正極を形成し、重量を測定した。アルミニウム箔の重量を差し引いた前記正極の重量は、14mgであった。
次に、本実施形態で得られた前記正極を用いた以外は、前記第1の実施形態と全く同一にして、非水溶液系電池を組み立てた。
次に、前記非水溶液系電池を24時間放置した後、室温(25℃)で充放電を繰り返し、該電池の性能を評価した。
1回目の充電は、0.1mAの定電流で電圧4.15Vまで行い、その後4.15Vの定電圧で充電電流が0.01mAになるまで行った。充電容量は3.1mAhであった。また、1回目の放電は、0.1mAの定電流放電により終止電圧2.0Vまで行った。放電容量は2.5mAhであった。
2回目の充電は、1回目の充電と同一条件で行い、充電容量は2.8mAhであった。また、2回目の放電は、2回目の放電と同一条件で行い、放電容量は2.3mAhであった。結果を図2に示す。
また、前記非水溶液系電池では、20サイクル目の放電容量が2.0mAhであった。この結果から計算したところ、本実施形態の電極材料によれば、初期には約182mAh/g以上の容量を備えていることが明らかである。
尚、前記各実施形態では、各実施形態で得られた電極材料用高分子化合物と共に、導電助剤としてのアセチレンブラック、バインダーとしてのポリフッ化ビニリデンを用いて前記正極を形成している。しかし、前記導電助剤としては他の炭素材料、金属粉末、導電性高分子等を用いてもよく、前記バインダーとしては電極の作成に通常に用いられるポリマーであればどのようなポリマーを用いてもよい。
前記炭素材料としては、前記アセチレンブラックの他、ケッチェンブラック、グラファイト、鱗状黒鉛等を挙げることができ、前記金属粉末としては、ニッケル、チタン、銀等の粉末を挙げることができる。また、前記導電性高分子としては、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン等を挙げることができる。
一方、前記バインダーに用いられるポリマーとしては、前記ポリフッ化ビニリデンの他、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等を挙げることができる。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
本実施形態では、まず、前記式(16)に示すS−ベンジル化チオカルバモイルチオベンズアミドポリマーを、瑪瑙乳鉢中で十分に粉砕したもの0.45gに、アセチレンブラック0.45gと、バインダーとしてのポリフッ化ビニリデン粉末0.1gとを加え、よく混合した後、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)2.4〜2.5gを少しずつ加え、よく混合して、塗布しやすい粘度の混練物を得た。
次に、前記混練物を、厚さ20μmのアルミニウム箔上に均一な厚さで塗布した後、乾燥して、該混練物と該アルミニウム箔とからなるシート状体を形成した。前記乾燥は、恒温槽内で、80℃の温度で4時間予備乾燥した後、さらに110℃の温度で2時間乾燥した。次に、前記シート状体をローラーで加圧し、前記アルミニウム箔と前記混練物との合計の厚さを70μmとした。
次に、前記シート状体から直径14mmの円板を打ち抜いて電極を形成した。次に、前記電極を、80℃で16時間真空乾燥した後、アルゴンガスを循環させた露点−80℃以下のグローブボックス内に移し、重量を測定したところ、前記アルミニウム箔の重量を差し引いた該電極の重量は、12mgであった。
次に、前記電極を正極とし、市販のコイン型セル(CR2032)の部品を用いて、前記グローブボックス内で電池を作成した。前記電池は、純度99.99%、厚さ0.2mm、直径15.3mmのリチウム箔からなる円板を負極とし、厚さ20μm、直径20mmのポリオレフィン系樹脂からなる円板を60℃で24時間真空乾燥した後、前記グローブボックス内に保管したものをセパレータとした。また、電解液は、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを1:1(容積比)で混合した溶媒にLiClO4を溶解した濃度1モル/lの溶液を用い、該電解溶液200μlを前記セパレータ上に注液して、該電解液が該セパレータ中に十分に浸透した後、電池を組み立て、非水溶液系電池を得た。
次に、前記非水溶液系電池を室温(25℃)で24時間放置した後、同一の室温下で充放電を繰り返し、該電池の性能を評価した。前記充電は、0.1mAの定電流で電圧が4.20Vに達するまで行い、その後は4.20Vの定電圧で充電電流が0.01mAに減少するまで行った。前記放電は、0.1mAの定電流で電圧が2.0Vに降下するまで行った。
前記条件で充放電を20回繰り返したときの、1サイクル目、3サイクル目、10サイクル目、20サイクル目の重量当たりの放電容量(mAh/g)を表1に示す。
次に、本発明の比較例について説明する。
本比較例では、まず、N,N’−1,4−フェニレンビスチオウレア−S,S’−ベンジルエーテル406mgをドライTHF10mlとドライベンゼン10mlとの混合溶媒に溶解し、N,N’−1,4−フェニレンビスチオウレア−S,S’−ベンジルエーテル溶液を調製した。次に、前記N,N’−1,4−フェニレンビスチオウレア−S,S’−ベンジルエーテル溶液に、フェニレン−1,4−ジイソチオシアネート200mgをドライTHF5mlとドライベンゼン5mlとの混合溶媒に溶解たものを添加し、3日間加熱還流した。得られた反応溶液を濾過し、濾紙上の固形物をアセトンで洗浄することにより、S−ベンジル化ポリ(1−フェニル2,4−ジチオビウレット)100mgが得られた。前記反応を次式(20)に示す。
Figure 2005194511
次に、前記式(20)に示すS−ベンジル化ポリ(1−フェニル2,4−ジチオビウレット)を用いた以外は、前記第3の実施形態と全く同一にして電極を形成した。次に、前記電極の重量を、前記第3の実施形態と全く同一にして測定したところ、前記アルミニウム箔の重量を差し引いた該電極の重量は、10mgであった。
次に、本比較例で得られた前記電極を正極とした以外は、前記第3の実施形態と全く同一にして非水溶液系電池を得た。次に、前記非水溶液系電池の性能を、前記第3の実施形態と全く同一にして評価した。充放電を20回繰り返したときの、1サイクル目、3サイクル目、10サイクル目、20サイクル目の重量当たりの放電容量(mAh/g)を表1に示す。
Figure 2005194511
表1から、本発明の第3の実施形態の電池によれば、充放電を20サイクル繰り返した後にも、比較例の電池よりも放電容量が大きく、酸化還元活性重合体が劣化し難いことが明らかである。
第1の実施形態の電極材料用高分子化合物からなる電極を正極に用いた非水溶液系電池の充放電時の電池端子電圧の経時変化を示すグラフ。 第2の実施形態の電極材料用高分子化合物からなる電極を正極に用いた非水溶液系電池の充放電時の電池端子電圧の経時変化を示すグラフ。
符号の説明
符号なし。

Claims (12)

  1. チオアミド基、S−アルキルチオアミド基またはS−ベンジルチオアミド基から選択されるいずれか1種の基とイソチオシアネート基とを同一分子中に1組以上有し置換基を備えていてもよい二価の芳香族化合物が重合してなることを特徴とする酸化還元活性重合体。
  2. 還元状態では一般式(1)で表される構造を備え、酸化状態では一般式(2)で表される構造を備えることを特徴とする請求項1記載の酸化還元活性重合体。
    Figure 2005194511
  3. 一般式(3)で表される4−イソチオシアネート−S−アルキルチオベンズアミド誘導体が重合されてなり、一般式(4)で表される構造を備えることを特徴とする請求項1または請求項2記載の酸化還元活性重合体。
    Figure 2005194511
  4. 一般式(5)で表される4−イソチオシアネート−S−ベンジルチオベンズアミド誘導体が重合されてなり、一般式(6)で表される構造を備えることを特徴とする請求項1または請求項2記載の酸化還元活性重合体。
    Figure 2005194511
  5. 2組以上のチオアミド基、S−アルキルチオアミド基またはS−ベンジルチオアミド基から選択されるいずれか1種の基を有し置換基を備えていてもよい二価の芳香族化合物と、2組以上のイソチオシアネート基を有し置換基を備えていてもよい二価の芳香族化合物とが重合してなることを特徴とする酸化還元活性重合体。
  6. 還元状態では一般式(7)で表される構造を備え、酸化状態では一般式(8)で表される構造を備えることを特徴とする請求項5記載の酸化還元活性重合体。
    Figure 2005194511
  7. 一般式(9)で表される1,4−ジチオベンズアミド−S,S’−アルキルエーテル誘導体と、一般式(10)で表される1,4−ジイソチオシアネートフェニレン誘導体とが共重合されてなり、一般式(11)で表される構造を備えることを特徴とする請求項5または請求項6記載の酸化還元活性重合体。
    Figure 2005194511
  8. 一般式(12)で表される1,4−ジチオベンズアミド−S,S’−ベンジルエーテル誘導体と、一般式(10)で表される1,4−ジイソチオシアネートフェニレン誘導体とが共重合されてなり、一般式(13)で表される構造を備えることを特徴とする請求項5または請求項6記載の酸化還元活性重合体。
    Figure 2005194511
  9. チオアミド基、S−アルキルチオアミド基またはS−ベンジルチオアミド基から選択されるいずれか1種の基とイソチオシアネート基とを同一分子中に1組以上有し置換基を備えていてもよい二価の芳香族化合物が重合してなる酸化還元活性重合体を電極材料として含有することを特徴とする電極。
  10. 正極と電解質と負極とを備え、該正極はチオアミド基、S−アルキルチオアミド基またはS−ベンジルチオアミド基から選択されるいずれか1種の基とイソチオシアネート基とを同一分子中に1組以上有し置換基を備えていてもよい二価の芳香族化合物が重合してなる酸化還元活性重合体を電極材料として含有する電極からなることを特徴とする非水溶液系電池。
  11. 2組以上のチオアミド基、S−アルキルチオアミド基またはS−ベンジルチオアミド基から選択されるいずれか1種の基を有し置換基を備えていてもよい二価の芳香族化合物と、2組以上のイソチオシアネート基を有し置換基を備えていてもよい二価の芳香族化合物とが重合してなる酸化還元活性重合体を電極材料として含有することを特徴とする電極。
  12. 正極と電解質と負極とを備え、該正極は2組以上のチオアミド基、S−アルキルチオアミド基またはS−ベンジルチオアミド基から選択されるいずれか1種の基を有し置換基を備えていてもよい二価の芳香族化合物と、2組以上のイソチオシアネート基を有し置換基を備えていてもよい二価の芳香族化合物とが重合してなる酸化還元活性重合体を電極材料として含有する電極からなることを特徴とする非水溶液系電池。
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