JP2005193674A - インクジェットプリンタ - Google Patents

Abstract

【課題】インクジェットプリンタにおいてインクが移動する流路をパージする。
【解決手段】インクジェットプリンタのプリントヘッド１２に少なくとも２種類の個別圧力を送るシステムであって、プリントヘッド１２に正圧を送るポンプ１０と、開口部１８を含みポンプ１０およびプリントヘッド１２に通じる通路１４と、開口部１８の大きさを開位置と閉位置の間で選択的に変化させるバルブ２２と、を含むことを特徴とする。
【選択図】図１

Description

本発明は、インクジェットプリンタに関する。

インクジェットプリンタは、プリントヘッドと連通するプリントヘッド表面板内のオリフィスからインクを噴射して、１つの面に画像を作成する。高解像度の画像を提供するため、噴射されるインク飛沫は、オリフィスと同様、非常に小さくなる。各オリフィスは極めて小さいため、いずれかのオリフィスが空気溜りまたは微粒子によって部分的または完全に塞がれる場合がある。

ソリッドインクプリンタは、固形インクを融解し、融けたインクをプリントヘッドに送る。融解したインクは、プリントヘッド内の流路およびチャンバを通って貯留槽へと移動する。ソリッドインクプリンタの電源がオフにされると、プリントヘッド内に残っていたインクが凝固することもあり得る。このインクがプリントヘッド内で溶けると、それまでインク内の溶液に存在していた空気が溶液から抜け出て、プリントヘッド内に気泡または空気溜りを形成する可能性がある。

閉塞したオリフィスは、結果的に不適格な印刷を行う原因となる。空気溜りまたは微粒子である障害物は、通常、オリフィスをパージすることによって除去できる。周知のプリントヘッドでは、ジェットスタック（jet stack）とも呼ばれるプリントヘッド表面板に陰圧がかけられ、この障害は、表面板に負圧を印加することで除去される。このバキュームシステムは、多数の異なる部品を必要とする複雑なものである。したがって、プリントヘッドのインク流路内に正圧を導入して、オリフィス、およびオリフィスに至るインク流路から障害物を放出し、プリントヘッド内の他の流路やチャンバと同様にオリフィスをパージすることが求められる。

インクジェットプリンタのプリントヘッドに少なくとも２種類の個別圧力を出力するシステムは、ポンプと、該ポンプおよびプリントヘッドに通じる通路と、バルブとを含む。前記ポンプは、インクジェットプリンタのプリントヘッドに正圧を出力する。前記通路は、開口部と、該開口部を選択的に開閉するバルブとを含む。

一般に、インクジェットプリンタＡ（図５）のプリントヘッドＤは、インクをドラムＣ（図６）に転写する噴射筒Ｂ（図６）まで液体のインクを送る。紙を含む印刷媒体は、ドラムの廻りを回って、ドラム上に堆積されたインクを受け取る。

図１を参照しながら説明する。ポンプ１０は、インクジェットプリンタ（図示せず）のプリントヘッド１２と連通している。例示する実施例において、前記ポンプ１０は、回転式ダイアフラムエアポンプであるが、他のポンプも利用できる。プリントヘッド１２は、液体インクをオリフィスに導く複数の流路と空洞を含む。これらのオリフィスから、液体インクがドラム上に噴射され、そこで、印刷媒体、たとえば、用紙がドラムの上を回ってインクを受け取り、該印刷媒体上に画像を形成する。プリントヘッドについては、「Ｐｒｉｎｔ Ｈｅａｄ Ｒｅｓｅｒｖｏｉｒ Ｈａｖｉｎｇ Ｐｕｒｇｅ Ｖｅｎｔ（パージ孔を有するプリントヘッド貯留槽）」という名称の係属中の米国特許出願第１０／７５３，０４２号明細書に詳細に記載されている。プリントヘッド１２のオリフィス、流路、および空洞は、定期的にパージされる。プリントヘッド１２をパージするため、プリントヘッド１２の流路と空洞に加圧エアが導入される。オリフィスが形成された表面をパージした後で、たとえば、プリントヘッド１２の噴射筒を拭くことができる。パージ圧は、一般に、若干から数ポンド／平方インチである。また、拭き取り中にオリフィスからプリントヘッド内にインクが押し戻されるのを防ぐため、通常は、低圧の補助圧がプリントヘッド１２に印加される。この補助圧は、例示する実施形態では、約０．０４ポンド／平方インチである。ポンプ１０は、プリントヘッド１２に対して、パージ圧と補助圧の両方の加圧空気を送る。

ポンプ１０は、通路１４を介してプリントヘッド１２と連通する。例示する実施形態の通路は、プラスチック配管である。通路１４は、プリントヘッド１２に送達される圧力を制御する２つの開口部を含む。ポンプ１０は、予め設定された速度で動作して、通路の直径、長さ、および他の特性から決定される既知の圧力を通路１４から送る。例示する実施形態のポンプ１０が動作する速度は、プリントヘッド１２の所望のパージ圧より高い圧力を通路１４から出力する速度である。したがって、第１開口部１６を設けて、通路１４を流れる流体、例示する実施形態では、空気の一部を流出させ、より低い圧力がプリントヘッド１２に送達されるようにする。第１開口部１６のサイズは、当業者に周知の方法を用いて、ポンプが既知の速度で動作しているときに、所望のパージ圧がプリントヘッド１２に送られるように決定する。第１開口部１６を設けることで、所望のパージ圧より高い一定圧しか出力できない市販のポンプを利用して、パージ圧を出力できる。更に、流体の一部を流出させることによって、システムは、より安定して出力される圧力をプリントヘッド１２に送るための騒音や圧力スパイク等を低減できる。

第２開口部１８は、前記第１開口部１６より下流に配設される。第２開口部１８は、前記第１開口部１６から排出されなかった流体と圧力の少なくとも一方が、プリントヘッド１２に移動する前に該第２開口部から流出できるようにする。これにより、システムは、より低い２番目の所定の補助圧をプリントヘッド１２に出力できる。第２開口部１８のサイズは、当業者に周知の方法を用いて、ポンプが既知の速度で動作しているときに、所望の補助圧がプリントヘッド１２に送られるサイズに決定する。

図１に図示する実施形態の例において、第２開口部１８は、該第２開口部１８を選択的に開閉するバルブ２２に連結される。例示する実施形態において、前記バルブ２２は、ソレノイドバルブであるが、他の従来のバルブも利用できる。前記バルブ２２は、該バルブを制御する処理装置２４に接続される。

図２を参照して説明すると、ライン３０は、パージサイクルにおける０秒から約２．７秒までの圧力上昇を表す。時間０において、処理装置２４は、バルブ２２に信号を送り開口部１８を閉じる。パージサイクル中にプリントヘッド１２に送られる圧力は、２．７秒で約４．１ポンド／平方インチまで上昇する。タイマを含む処理装置２４が、所定の時間（この例では２．７秒）において、バルブ２２を開けると、空気が通路１４から急速に流出し、ライン３２から判るように、プリントヘッド１２に送られる圧力が約１．３水柱インチ（inches of water）まで低下する。ライン３０と３２は、同一のパージサイクルを表しているが、ライン３０は、ポンド／平方インチの測定単位で圧力を示し、ライン３２は水柱インチの測定単位で圧力を示す。図２は、インクジェットプリンタのパージサイクルについて非限定的な一例としてのみ示す図である。ライン３０と３２の形状は、異なるポンプ、または寸法が異なる通路、あるいは異なる大きさの開口部を持つ通路を使用したときには変化する可能性があり、多くの場合、変化するものである。

処理装置２４について、該処理装置２４が所定の時間でバルブ２２を開くことを既に説明した。例示する実施形態でこの方法を利用したのは、これが、プリントヘッド１２に２つの個別圧力を送る最も安価な方法であると判明したためである。他の実施例において、バルブ２２は、所定の圧力において自動的に開くことができ、そのまま次のパージサイクルまで開いた状態を維持する。

処理装置２４は、ポンプに供給される動力の量も制御できる。この代替方法では、処理装置２４は、パージサイクル中の動力源からポンプ１０へのより大量の動力の送達に対処できる。バルブ２２が開いた後、処理装置２４は、ポンプへのより少量の動力の送達に対応できる。ただし、少量の動力は、図２のライン３２のほぼ水平な右側部分に示されるように、ポンプが一定またはほぼ一定の圧力を出力できる十分な動力でなければならない。ポンプ１０は、パージサイクルの後も動作を続け、第２開口部１８が流体を流出させ、プリントヘッド１２に送られる圧力を補助圧まで下げる。

図３および図４を参照しながら、別の選択肢として例示する実施形態について説明する。ポンプ１１０は、通路１１４を介してプリントヘッド１１２と連通する（図４において、プリントヘッドは一部しか示されていない）。ただし、本実施例では、１つの開口部１１８のみが通路に設けられる。ポンプ１１０は、ポンプ吐出口１１６を含む。ポンプ吐出口１１６の寸法は、ある一定の速度と所定の圧力の少なくとも一方において、所定量の流体をポンプ吐出口１１６から通路１１４内に送り、プリントヘッド１１２に所定の圧力を出力できる寸法に設定される。前述のポンプシステムで説明したように、パージサイクル中に開口部から流体を流出させる代わりに、ポンプ吐出口１１６を基準に通路１１４を適切に寸法設定し、プリントヘッド１１２に対して一定の圧力のみが出力されるようにする。予め設定されるこの最初の圧力は、プリントヘッド１１２のパージ圧である。通路は、特定圧力の特定の流量のみを許容するように寸法決めされるため、ポンプ１１０に戻り圧がかかる場合がある。

ポンプシステムの残りの部分は、図１を参照しながら説明した前述のシステムと同様である。前述したように、ポンプシステムは、前述したバルブと同様のバルブ１２２で選択的に開閉できる開口部１１８を含む。また、前記バルブ１２２は、開口部１１８の開閉のために、処理装置（図示せず）と電気的に接続される。処理装置は、前の実施形態で説明したように、ポンプ１１０に送られる動力の量も制御できる。

ポンプシステムについて、インクジェットプリンタを参照しながら説明したが、このポンプシステムは、複数の異なる圧力を装置に送ることが求められる他の環境でも利用できる。また、例示したシステムは、異なる２種類の圧力のみを送るものとして説明したが、オリフィスとバルブの追加のペアを設けることによって、非常に安価な圧力システムを用いて、複数種類の異なる圧力を装置に送ることができる。

更にまた別の実施形態において、前述したバルブ２２と１２２を部分的に開くことで、通路から流出される流体の量を制御できる。この実施形態では、通路に第１開口部を設ける必要はないが、これは、バルブを第１の所定位置まで開いて、ある一定量の空気を排出してパージ圧を送り、次に、バルブを更に開いてより多くの空気を排出することで、補助圧を送れるためである。

少なくとも２種類の個別圧力を出力できるポンプシステムの概略図である。 図１のポンプシステムについて、圧力と時間の関係を２種類の圧力測定尺度で示すグラフである。 図１のポンプシステムの代替物を示す断面図である。 インクジェットプリンタのプリントヘッドの一部と、該プリントヘッドを図３のポンプシステムに接続する配管を示す斜視図である。 図１のポンプシステムを内包できるインクジェットプリンタを示す斜視図である。 図５のインクジェットプリンタの側面の断面図である。

符号の説明

１０ エアポンプ、１２ プリントヘッド、１４ 通路、１６ 第１開口部、１８ 第２開口部、２２ バルブ、２４ 処理装置、１１０ ポンプ、１１２ プリントヘッド、１１４ 通路、１１６ ポンプ吐出口、１１８ 開口部。

Claims (8)

1. インクジェットプリンタのプリントヘッドに少なくとも２種類の個別圧力を送るシステムであって、
   前記インクジェットプリンタの前記プリントヘッドに正圧を送るポンプと、
   開口部を含み、前記ポンプおよび前記プリントヘッドに通じる通路と、
   前記開口部の大きさを開位置と閉位置の間で選択的に変化させるバルブと、
   を含むことを特徴とするシステム。
2. 請求項１に記載のシステムであって、
   更に、処理装置を含み、
   前記バルブは、該バルブを制御する処理装置と電気的に接続されることを特徴とするシステム。
3. 請求項２に記載のシステムであって、前記処理装置は、バルブが閉じられている間の測定時間に基づいて該バルブを制御することを特徴とするシステム。
4. 請求項２に記載のシステムであって、前記処理装置は、ポンプに送られる動力の量を制御することを特徴とするシステム。
5. 請求項１に記載のシステムであって、前記通路は、該通路を移動する流体を流出させる追加の開口部を含むことを特徴とするシステム。
6. 請求項１に記載のシステムを含むことを特徴とするインクジェットプリンタ。
7. インクジェットプリンタにおいてインクが移動する流路をパージする方法であって、
   前記インクジェットプリンタには、開口部と、該開口部を選択的に開閉できるバルブとを含む通路を介して、インクジェットプリンタの流路と流体接続するポンプが設けられており、
   バルブが開いた状態で、前記通路から第１の所定速度で流体をポンプ送りし、前記流路に第１圧力を出力するステップと、
   前記バルブを選択的に閉じて、前記流路に、より高い第２圧力を送るステップと、
   バルブが閉じた状態で、前記通路から流体をポンプ送りするステップと、
   を含むことを特徴とする方法。
8. 請求項７に記載の方法であって、前記バルブが閉じた状態で、前記通路から流体をポンプ送りする前記ステップは、前記第１の所定速度より速い第２の所定速度で流体をポンプ送りして、前記流路に第２圧力を出力するステップを含むことを特徴とする方法。

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