JP2005192836A - 階段昇降補助装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 補助棒を掴んで階段を昇降する場合に、昇降途中でも補助棒の移動速度を自由に調整でき、緊急時でも安全に停止できる補助棒を実現する。
【解決手段】 階段1の傾斜に沿って設けられた案内手段2と、案内手段2から階段1の幅方向に向かって突出するように設けられ階段1の昇り降り歩行を補助する機能を有する補助棒3と、補助棒3を案内手段2に沿って昇降させる電動モータ4と、補助棒3に設けた操作部3aと、操作部3aの操作状態に応じて電動モータ4の回転速度を演算処理する速度調整手段6cおよび速度調整手段6cの出力に応じて電動モータを制御する駆動手段6fを有する制御装置6とを具備し、さらに、操作部3aに握力を検出する握力検出手段7aを設け、速度調整手段6cを、握力検出手段7aの出力に基づいて電動モータ4の回転速度が制御されるようにした。
【選択図】 図2

Description

本発明は、高齢者等が階段の昇り降り歩行(昇降)を補助する階段昇降補助装置に関する。
階段の昇降を補助する技術として、例えば、特開平10−57435号公報(特許文献1の図3)、および特開平10−314247号公報(特許文献2)が公知である。上記特許文献1および上記特許文献2のものは共に、階段の傾斜に沿って設けた案内手段に、電動モータにより回転する送りねじを設け、この送りねじに螺合するスライダに握り棒(特許文献1ではグリップ)を取り付け、電動モータが駆動することにより、スライダを案内手段に沿って移動させ、握り棒(グリップ)が階段に沿って昇降するようになっている。
特開平10−57435号公報 特開平10−314247号公報
しかしながら、上記特許文献1のものにあっては、グリップの移動スピード(速度)を調整する構造でないので、使用者の好みに合った速度で階段を昇降することができず不便である。また、上記特許文献2のものでは、昇降の途中で速度を調整するようにはなっておらず、しかも、途中で足がもつれたりする咄嗟の場合には、オンオフスイッチの押しボタンを離すことで電動モータを停止するようにしているが、このような咄嗟の場合には、むしろ握り棒を大きな握力で握る動作が自然であるため、オンオフスイッチの押しボタンから指(手)を離す動作はかえって握力を小さくしてしまい、場合によっては使用者が握り棒から手放されてしまう問題がある。本発明は、このような問題点を解決するために、補助棒を掴んで階段を昇降する場合に、補助棒の操作部を握った状態で、その握力の強弱に応じて補助棒の昇降速度を調整し、緊急の場合には、握力が所定値以上になったときに、補助棒の移動を停止させてブレーキを掛け、使用者が補助棒から手放されないようにした、安全で便利な階段昇降補助装置を提供しようとするのが、本発明の目的(課題)である。
上記課題を解決するために、本発明においては次のような手段を講ずることとした。すなわち、請求項1記載の発明は、階段昇降補助装置であって、階段の傾斜に沿って設けられた案内手段と、上記案内手段から上記階段の幅方向に向かって突出するように設けられ階段の昇り降り歩行を補助する機能を有する補助棒と、上記補助棒を上記案内手段に沿って昇降させる電動モータと、上記補助棒に設けた操作部と、上記操作部の操作状態に応じて上記電動モータの回転速度を演算処理する速度調整手段および同速度調整手段の出力に応じて上記電動モータを駆動制御する駆動手段を有する制御装置と、からなることを特徴とする。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の階段昇降補助装置において、上記操作部に握力を検出する握力検出手段を設けると共に、上記速度調整手段を、当該握力検出手段の出力に基づいて上記電動モータの回転速度が演算処理されるようにしたことを特徴とする。
また、請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の階段昇降補助装置において、上記制御装置に、上記握力検出手段が所定値以上の握力を検出したとき、上記電動モータの駆動を停止する停止判別手段を設けたことを特徴とする。
また、請求項4記載の発明は、請求項3記載の階段昇降補助装置において、上記制御装置に、上記補助棒に設けた昇り降りを指示する昇降指示スイッチの操作に応じて、補助棒の昇降を判別する昇降判別手段を設けたことを特徴とする。
また、請求項5記載の発明は、請求項4記載の階段昇降補助装置において、上記補助棒にスタートスイッチを設け、当該スタートスイッチを操作したとき、上記電動モータを再駆動させるための指令信号を出力するようにしたことを特徴とする。
また、請求項6記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の階段昇降補助装置において、上記補助棒を呼び寄せる呼びスイッチを設け、当該呼びスイッチの操作により、上記電動モータが駆動することにより遠隔位置に存する上記補助棒を遠隔操作で呼び寄せるようにしたことを特徴とする。
また、請求項7記載の発明は、請求項2乃至6のいずれか一項に記載の階段昇降補助装置において、上記制御装置に優先操作モード判定手段を設け、上記握力検出手段が握力を検出した後は、当該優先操作モード判定手段により、上記呼びスイッチによる遠隔操作モード時における電動モータの回転速度から離脱して上記握力検出手段の出力に応じた駆動速度で優先して操作される優先操作モードに切り換えられるようにしたことを特徴とする。
本発明によると、次のような効果を奏することができる。
すなわち、請求項1記載の発明によれば、補助棒の操作部を操作することで、制御装置の速度調整手段が、例えば、電動モータの回転速度を演算処理し、その演算処理の結果が駆動手段に入力されて電動モータの駆動制御を実行できるようにしているので、階段の昇り歩行あるいは降り歩行の途中において、補助棒の移動速度を使用者の好みに応じた移動速度となるように自由に設定でき、高齢者等の使用者に使用勝手の良好な階段昇降補助装置を得る効果を奏する。
また、請求項2記載の発明によれば、例えば、使用者が握ることのできるグリップ等の操作部に、操作部を握る握力を圧力センサである握力検出手段で検知し、この検知出力に基づいて制御装置の速度調整手段で速度を演算処理し、その結果を駆動手段に入力して電動モータの駆動を制御するようにしているため、階段の昇り歩行、あるいは降り歩行の途中における速度調整操作を、操作部を握ったままの状態で行うことができ、このため、途中でブレーキ操作したりして速度調整を行ないながら昇降することができ、補助棒に捕まって移動する高齢者をゆっくりと誘導し、安心した状態で階段を昇降できる効果を奏する。
また、請求項3記載の発明によれば、制御装置に、駆動手段の駆動を停止する停止判別手段を設けているので、例えば、足がもつれたりする緊急時には、操作部を強く握る握力により、握力検出手段が所定値以上の握力を検知することとなり、停止判別手段の演算処理が駆動手段に入力され電動モータの駆動が停止する。これにより、補助棒の使用途中において、使用者が操作部を握ったままの姿勢で補助棒の移動を停止させることができ、つまりブレーキを掛けて停止させることができるので、補助棒から手放されてしまうようなことがなく、また、停止した状態で一休みすることもでき、安全で快適な階段昇降補助装置を実現できる効果を奏する。
また、請求項4記載の発明によれば、補助棒に設けた昇り降りを指示する昇降指示スイッチを操作し、このスイッチ操作に応じて制御装置に設けた昇降判別手段が補助棒の昇り歩行か降り歩行かを演算処理し、その判別結果に基づいて補助棒を移動するようにしているので、一時停止した後に、移動を続行したり、あるいは、途中で移動してきた方向とは反対方向に戻る操作をしたりすることができて便利となる効果を奏する。
また、請求項5記載の発明によれば、補助棒にスタートスイッチを設け、当該スタートスイッチを操作したとき、そのスイッチ信号が駆動手段に入力されるので、駆動手段から電動モータを再駆動させるための指令信号を出力されようにしているので、一時停止した後に、再スタートする場合には、必ずスタートスイッチを投入してからでないと補助棒が移動しないようにしている。このため、不用意に補助棒が移動を開始するのを阻止でき、それだけ安全性を向上できる利点がある。
また、請求項6記載の発明によれば、呼びスイッチの操作信号は昇降判別手段に入力され、昇降判別手段で呼びスイッチに応じて上昇するか下降するかの判断をし、その判断結果が駆動手段に入力されて電動モータが駆動される。これにより、遠隔位置(階上または階下、あるいは途中で停止した位置)に存する補助棒を遠隔操作で呼び寄せるようにしているので、例えば、階下にいる使用者が、階上で停止している補助棒を手元に呼び寄せたい場合には、呼びスイッチを投入するだけで、遠隔操作で補助棒を階下に呼び寄せることができ、介助者がなくても一人で操作して階上へ移動することができて便利となる効果を奏する。
また、請求項7記載の発明によれば、制御装置に優先操作モード判定手段を設け、握力検出手段が握力を検出するまでの間は、呼びスイッチによる遠隔操作で移動するモードで駆動手段が制御されて電動モータを駆動して補助棒が移動するが、握力を検出した後は、優先操作モード判定手段の演算処理により遠隔操作モードから優先操作モードに切り替わり、握力検出手段の出力に応じた回転速度で電動モータが優先して操作されるようになる。これにより、使用者は、予め遠隔操作モードで設定された移動速度で昇降することもでき、また、途中で握力を操作部に加えることで、それ以後は優先操作モードに切り換わった好みに応じた移動速度で昇降することもでき、便利となる効果を奏する。
以下、本発明に係る実施形態を、図に基づいて説明する。先ず、本実施形態の階段昇降補助装置の機構上の構成の概要を説明する。図1に示すように、階段1の側壁に階段1の傾斜に略沿って案内手段2が設けられ、この案内手段2から階段1の幅方向に向かって突出するように補助棒3が取り付けられる。案内手段2は、上記特許文献1や上記特許文献2に記載されたものと同じように、図2に示す如く、案内レール2aと、案内レール2aに沿って設けた送りねじ2bと、送りねじ2bにねじ結合され案内レール2aに沿って昇降移動するスライダ2cとで形成される。補助棒3には、図3によく示されるように、略垂直に突出したジョイスティック状の補助棒操作部7の一部をなす操作レバー3aが形成される。補助棒3は、その端部をピン3bを介して回動自在に結合され、通常使用状態時では略水平に突出し(図2参照)、不使用状態時には矢印A方向に回動して折り畳めるようになっている(図3参照)。送りねじ2bの下端には、電動モータ4が設けられ、電動モータ4が駆動することで、送りねじ2bが回転し、スライダ2cが案内レール2aに沿って移動し、補助棒3が階段1を昇降するようになっている。
次に、本実施形態のシステム構成の概要を説明する。すなわち、図1に示すように、壁には、補助棒3の昇降を制御する補助棒昇降制御装置6が設置され、補助棒3に形成される補助棒操作部7は、操作レバー3aと同操作レバー近傍の補助棒3一帯を指し、操作レバー3aには、使用者の握力を検出する握力センサ7a(握力検出手段)が埋設され、補助棒3の端面には、階上あるいは階下方向への移動方向を指示する昇降指示スイッチ7b、7cが設けられ、さらに操作レバー3aの上端にスタートスイッチ7dが取り付けられ、これら電気素子に電気接続されたハーネスは補助棒3内部を配線され、上記補助棒昇降制御装置6に接続されている。
また、階下の壁には、階下操作盤8、階下リミットスイッチ9が、また、階上の壁面には階上操作盤10、および階上リミットスイッチ11がそれぞれ設けられ、これら各電気要素から出力された電気信号は補助棒昇降制御装置6に入力されるようになっている。
そして、上記階下操作盤8には、階上にある補助棒3を階下へ呼ぶ場合に押す呼びスイッチ8aと、上昇移動する場合に押す乗りスイッチ8bと、例えば標準速度、その標準速度よりもゆっくりとした速度、および標準速度よりも早い速度に調整可能なダイアル式の速度調整スイッチ8cとが設けられる。同様に、階上操作盤10にも、呼びスイッチ10aと、乗りスイッチ10bと、速度調整スイッチ10cとが設けられる。
階下リミットスイッチ9および階上リミットスイッチ11は、スライダ2cがこれらリミットスイッチ9,11にタッチすることで、その電気信号が後述する停止判別手段に入力され、電動モータ4の駆動を停止するようになっている。
次に、図5に示す補助棒昇降制御装置6の構成の一例を説明する。すなわち、この制御装置6は、マイクロコンピュータの制御により動作するもので、中央演算処理部としてのCPU6aと、昇降指示スイッチ7b、7c、呼びスイッチ8a,10aおよび乗りスイッチ8b、10bからのスイッチ信号を受けて階段を昇る方向への移動か、降りる方向への移動かを判断する昇降判別手段6bと、握力センサ7a、速度調整スイッチ8c、10cからの信号に基づいて電動モータ4の回転速度を演算処理する速度調整手段6cと、プログラムおよび速度調整のためのデータ等を格納する記憶部6dと、握力センサ7a、階下リミットスイッチ9,および階上リミットスイッチ11からの出力信号に応じて電動モータ4を停止させるべきかどうかを判断する停止判別手段6eと、呼びスイッチ8a,10a、乗りスイッチ8b、10bおよびスタートスイッチ7dからの指令信号により電動モータ4の駆動を制御する駆動手段6fと、優先操作モード判定手段6gとを有する。
上記優先操作モード判定手段6gは、握力センサ7aが握力を検出しない間では、呼びスイッチ8a、10aにより遠隔操作で速度調整スイッチ8c、10cで設定された速度に基づいて補助棒を移動させるが、一旦、握力を検出した後は、優先操作モード判定手段6gでモードが演算処理されて、遠隔操作モードから優先操作モードに切り替わり、遠隔操作時の移動速度はキャンセルされる。そして、握力センサ7aの握力に応じて変化する出力に基づいた電動モータ4の回転速度で補助棒3の移動速度が制御されるものである。
次に、本実施形態による階段昇降補助装置の制御システムの動作の一例を、図
6〜図8に示すフロー図により説明する。以下では、図9(a)に示すように、使用者が階下から階上へ階段1を上がる場合について説明する。
(1)階上にある補助棒を階下へ呼び寄せる場合の操作
階上にある補助棒3を階下の手元へ呼び寄せる必要があるので、その場合には、図6に示すように、使用者は先ずステップS1において階下操作盤8の速度調整スイッチ8cをONにして適宜のスピードに調整すると(ステップS2)、速度調整手段6cで速度が設定され、速度調整スイッチ8cをONにしない場合には、ステップS3へジャンプする。次いで、呼びスイッチ8aをONして(ステップS3)、電動モータ4を駆動する(ステップS4)。すると、補助棒3は案内レール2aに沿って階上から階下へ設定された速度で下降し、スライダ2cが階下リミットスイッチ9にタッチするまでステップS5からステップS4へリターンを繰り返し、タッチしたときに停止判別手段6eにより駆動手段6fへ停止信号が送出され、電動モータ4は停止する(ステップS6)。こうして、補助棒3を手元まで呼び寄せることができ、補助棒3に掴まって階上へ上がることができる次のステップへ進む準備が整うことになる。
なお、上記において、ステップS1,S2をステップS3,S4と入れ替えるようにしてもよいものである。
(2)補助棒に寄り掛かって昇る場合の操作
図9(a)に示すように、補助棒3に寄り掛かりながら(乗り掛かりながら)、階段を昇降する場合には、図7に示すように停止した補助棒3に乗る前(乗りスイッチ8bをONする前)に、階下操作盤8の速度調整スイッチ8cを操作し、好みの移動速度に調整すると(ステップM1)、速度調整手段6cで移動速度が設定される(ステップM2)。調整されない場合には、ステップM3へ進む。ステップM3で、乗りスイッチ8bがONされない限りは電動モータ4は駆動されず停止したままとなる(ステップM11)。乗りスイッチ8bがONにされると、電動モータ4は設定された速度で駆動して送りねじ2bを回転させ(ステップM4)、補助棒3は階段を上昇し、使用者は補助棒3に寄り添いながら階段1を昇っていくことができる。途中で、操作レバー3aを握る握力に変化がない場合には、スライダ2cが階上リミットスイッチ11にタッチするまで速度変動のない状態で上昇し、階上リミットスイッチ11にタッチした時点で停止判別手段6eからの出力信号に基づき駆動手段6fによって電動モータ4は停止され(ステップM11)、階上へ昇ることができる。
(3)途中で操作レバーに握力を作用させた場合の操作
ステップM5において、操作レバー3aに握力が作用した場合には、握力センサ7aは握力が作用したことを検出するので、優先操作モード判定手段6gにより優先モードが選択される(ステップM6)。その場合に、握力が所定値以下であるかどうかが、停止判別手段6eで判断され(ステップM7)、所定値以下でない、つまり、所定値より大きい握力が作用したと判断した場合には、電動モータ4の停止信号が駆動手段6fへ送出され、電動モータは停止し(ステップM12)、使用者が補助棒3を掴んだ状態で止まることができる。すなわち、咄嗟の握力が操作レバー3aに作用したときでも、操作レバー3aを掴んだままであるため、使用者が取り残されて補助棒3だけが移動していく事態を解消でき、また、途中で停止させることで、一休みすることができて便利である。
他方、握力が所定値以下であると判断された場合には、電動モータ4は停止せず、握力に応じた速度調整が速度調整手段6cで実行され(ステップM8)、その結果に基づいて電動モータが駆動される(ステップM9)。すなわち、階段を昇りながら操作レバー3aを握る握力を調整するだけで、補助棒3の移動速度を簡単に調整してブレーキ機能を得ることができる。こうして、階上リミットスイッチ11が作動するまでステップM5〜ステップM10を繰り返し、階上リミットスイッチ11が作動することで、停止判別手段6eは補助棒3が階上に到達したと判断して電動モータ4は停止する(ステップM11)。こうして、使用者は補助棒3により階上へ昇ることができる。
(4)途中で停止して再スタートする場合の操作
優先操作モードにおけるステップM12で、操作レバー3aが強く握られたことにより電動モータ4を停止させて一休みした後に、補助棒3を再スタートさせて移動させる場合には、図8のフロー図に示す手順で操作される。すなわち、昇り操作を続行したい場合には、操作レバー3aを所定値以上の握力で握った状態にしておき(ブレーキを掛けた状態)、補助棒操作部7にある昇指示スイッチ7bをONする(ステップN1)。また、図9(b)のように、階下へ逆戻りしたい場合には、降指示スイッチ7cをONする(ステップN2)。これらの昇降両指示スイッチ7b、7cのON信号は、電動モータ4あるいは送りねじ2bを正転あるいは逆転する信号として駆動手段6fに入力される。
次に、握力を所定値以下に弛めたか否かが停止判別手段6eにより判断され(ステップN3)、所定値以下に弛められた場合には、そのときの握力が握力センサ7aで検出されて速度調整手段6cで速度が演算処理され、その結果に基づいて駆動手段6fで電動モータ4の回転速度が決定される(ステップN4)。不意に補助棒3が動き出さないようにするため、使用者の意志を確認する意味で、スタートスイッチ7dがONにされたか否かを確認する(ステップN5)。ステップN5で、スタートスイッチ7dがONにされると、電動モータ4は駆動手段6fからの指令信号により補助棒3を上昇する方向または下降する方向へ握力に応じた速度で移動させる(ステップN6)。
階上リミットスイッチ11がONになると停止判別手段6eで電動モータは自動停止し(ステップN8)、使用者は階上に到達することができる。同様に階下リミットスイッチ9がONになると、補助棒3は階下で自動停止し(ステップN8)、階下に降りることができる。他方、ステップN7、ステップN9で各リミットスイッチ11,9がON作動しない場合には、図7のステップM7へジャンプし、それ以降の各ステップMを上記したよう方法で実行していくととなる。
以上のように、本実施形態によれば、操作レバー3aを握る握力の大小により、補助棒3の移動速度を制御して昇降していくことができるので、高齢者等の使用者の好みに応じた速度に調整して階段を昇ったり降りたりすることができて便利である。また、途中で、操作レバーを強く握ることにより、補助棒3の移動を停止して一休みするこができ、さらには、咄嗟の場合でも操作レバーを強く握ることで補助棒にブレーキを掛けた状態にして停止させることができるので、使用者が補助棒から手を外して階段の途中で取り残される事態を回避できて安全である。また、一旦停止した状態から握力を弛めて再スタートを行う際には、スタートスイッチ7dをONにしてからでないと補助棒3は移動できないようにしているので、不用意に補助棒が移動するようなことはなく安全であり、また、遠隔操作により補助棒を手元に移動させることができ便利である。
以上、本発明の実施形態を図面により詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、上記実施形態では、補助棒操作部7からの信号を有線で補助棒昇降制御装置6へ入力するようにしたが、この代わりに、赤外線や電波を用いた無線方式で送信するようにしてもよい。この場合、携帯電話機が発するトーン音を電波に変えて無線操作するようにすることも可能である。
また、電動モータ4により送りねじ2bを駆動するようにしたが、これ以外の例としてラック・アンド・ピニオン形式で補助棒3を昇降できるようにする形態にすることも可能であり、この場合、電動モータ4をスライダ2cまたは補助棒3に内蔵するようにすることも可能である。さらに、チェーン等による巻き掛け伝動リンクを利用する態様にすることも可能である。
また、操作部としての操作レバー3aは補助棒3に固定した態様にしたが、前後に傾動可能なジョイスティックで形成してもよい。この場合、上記昇指示スイッチ7bや降指示スイッチ7cの代わりに、ジョイスティックの傾動する方向に応じて昇り方向あるいは降りる方向に電動モータが駆動されるスイッチ機能を形成するようにしてもよい。
本実施形態に係る階段昇降補助装置の機構上の構成の概要を説明する機構概要説明図である。 案内手段と補助棒との関係を説明する外観斜視図である。 上記補助棒が折り畳まれた状態を示す外観斜視図である。 図2の111部における要部拡大図である。 本実施形態におけるシステム構成の一例を示すシステム構成図である。 本実施形態の制御フロー図である。 本実施形態の制御フロー図である。 本実施形態の制御フロー図である。 (a)は本実施形態の階段昇降補助装置を使用して階段を昇る状態を示す外観斜視図、(b)は同様に、階段を降りる状態を説明する外観斜視図である。
符号の説明
1 階段
2 案内手段
2a 案内レール
2b 送りねじ
2c スライダ
3 補助棒
3a 操作レバー
3b ピン
4 電動モータ
6 補助棒昇降制御装置
6a CPU
6b 昇降判別手段
6c 速度調整手段
6d 記憶部
6e 停止判別手段
6f 駆動手段
6g 優先操作モード判定手段
7 補助棒操作部
7a 握力センサ
7b 昇指示スイッチ
7c 降指示スイッチ
7d スタートスイッチ
8 階下操作盤
8a 呼びスイッチ
8b 乗りスイッチ
8c 速度調整スイッチ
9 階下リミットスイッチ
10 階上操作盤
10a 呼びスイッチ
10b 乗りスイッチ
10c 速度調整スイッチ
11 階上リミットスイッチ

Claims (7)

  1. 階段の傾斜に沿って設けられた案内手段と、上記案内手段から上記階段の幅方向に向かって突出するように設けられ階段の昇り降り歩行を補助する機能を有する補助棒と、上記補助棒を上記案内手段に沿って昇降させる電動モータと、上記補助棒に設けた操作部と、上記操作部の操作状態に応じて上記電動モータの回転速度を演算処理する速度調整手段および同速度調整手段の出力に応じて上記電動モータを制御する駆動手段を有する制御装置とを具備したことを特徴とする階段昇降補助装置。
  2. 請求項1記載の階段昇降補助装置において、上記操作部に握力を検出する握力検出手段を設けると共に、上記速度調整手段を、当該握力検出手段の出力に基づいて上記電動モータの回転速度が演算処理されるようにしたことを特徴とする階段昇降補助装置。
  3. 請求項1または2記載の階段昇降補助装置において、上記制御装置に、上記握力検出手段が所定値以上の握力を検出したとき、上記電動モータの駆動を停止する停止判別手段を設けたことを特徴とする階段昇降補助装置。
  4. 請求項3記載の階段昇降補助装置において、上記制御装置に、上記補助棒に設けた昇り降りを指示する昇降指示スイッチの操作に応じて、補助棒の昇降を判別する昇降判別手段を設けたことを特徴とする階段昇降補助装置。
  5. 請求項4記載の階段昇降補助装置において、上記補助棒にスタートスイッチを設け、当該スタートスイッチを操作したとき、上記電動モータを再駆動させるための指令信号を出力するようにしたことを特徴とする階段昇降補助装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の階段昇降補助装置において、上記補助棒を呼び寄せる呼びスイッチを設け、この呼びスイッチの操作により、上記電動モータが駆動することにより遠隔位置に存する上記補助棒を遠隔操作で呼び寄せるようにしたことを特徴とする階段昇降補助装置。
  7. 請求項2乃至6のいずれか一項に記載の階段昇降補助装置において、上記制御装置に優先操作モード判定手段を設け、上記握力検出手段が握力を検出した後は、当該優先操作モード判定手段により、上記呼びスイッチによる遠隔操作モード時における電動モータの回転速度から離脱して上記握力検出手段の出力に応じた回転速度で優先して操作される優先操作モードに切り換えられるようにしたことを特徴とする階段昇降補助装置。
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