JP2005191412A - 基板処理装置及び基板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 支持具に基板を移載する場合に必要な空間の高さを低くする。
【解決手段】 プレート58は、切欠きのないリング状に形成されている。搬送アーム74の平板部78は、プレート58の上方に基板72を搬送し、すくい上げアーム76の棒状部98は、基板接触部106がそれぞれ水平方向内側を向いた状態でプレート58の下方に挿入される。棒状部98は、それぞれ回転し、基板接触部106の先端が例えば垂直方向上方を向くように、基板接触部106の向きを変える。棒状部98は、基板接触部106が開口部68を通って上方に移動することにより、搬送アーム74の平板部78から基板72をすくい上げる。搬送アーム74の平板部78は、プレート58の上方から支持具30の外側に退避する。すくい上げアーム76の棒状部98は、下方に移動し、基板72をプレート58の上面に載置する。
【選択図】 図12

Description

本発明は、半導体ウェハやガラス基板等を処理するための基板処理装置、及び半導体ウェハやガラス基板の製造方法に関する。
例えば縦型熱処理炉を用いて、複数のシリコンウェハ等の基板を処理する場合、炭化珪素製の支持具が用いられている。この支持具には、例えば石英、珪素又は炭化珪素製のプレートが設けられており、基板は、プレートに載置された状態で処理される。
プレートが設けられた支持具に基板を移載する場合、プレートに挿通孔を形成し、プレートの下方から挿通孔を挿通させた支持ピンにより、プレートの上方に搬送された基板を支持し、プレートに基板を移載することは公知である(特許文献1参照)。
特開平10−242067号公報
しかしながら、上記従来例においては、支持ピンの上端がプレートの下面よりも下方に下がらなければ、支持ピンを退避させることができない。よって、支持具に基板を移載する場合に必要な空間の高さが高くなり、例えば縦型の基板処理装置においては、一度に処理することができる基板の枚数が少なくなるという課題があった。
そこで、本発明は、支持具に基板を移載する場合に必要な空間の高さを低くすることができる基板処理装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明の第1の特徴とするところは、基板を処理する反応炉と、この反応炉内で基板を支持する支持具と、この支持具に挿入され、前記支持具に支持された基板をすくい上げるすくい上げアームと、このすくい上げアームを動かす駆動手段とを有し、前記すくい上げアームは、少なくとも前記支持具に挿入される部分の高さが前記支持具への挿入時よりも前記基板のすくい上げ時の方が高くなる形状を有する基板処理装置にある。したがって、すくい上げアームは、プレートの下方へ移動する場合、及び、プレートの下方から移動する場合に、基板をすくい上げる場合よりも高さが低くなるように向きを変えることができ、支持具に基板を移載する場合に必要な空間の高さを低くすることができる。よって、例えば縦型熱処理炉などの基板処理装置において、支持具に支持される基板間のピッチを狭くすることができ、一度に処理する基板の枚数を増やすことができる。
本発明の第2の特徴とするところは、基板を支持具に支持する支持ステップと、支持具により支持した基板を反応炉内に搬入する搬入ステップと、基板を反応炉内で熱処理する熱処理ステップとを有し、前記支持ステップは、基板をすくい上げるすくい上げアームを用い、このすくい上げアームは、少なくとも前記支持具に挿入される部分の高さが前記支持具への挿入時よりも前記基板のすくい上げ時の方が高くなる形状を有する基板の製造方法にある。
本発明によれば、支持具に基板を移載する場合に必要な空間の高さを低くすることができる。
次に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本発明の実施形態に係る基板処理装置10が示されている。この基板処理装置10は、例えば縦型の熱処理装置であり、主要部が配置された筐体12を有する。この筐体12には、ポッドステージ14が接続されており、このポッドステージ14にポッド16が搬送される。ポッド16は、例えば25枚の基板が収納され、図示しない蓋が閉じられた状態でポッドステージ14にセットされる。
筐体12内において、ポッドステージ14に対向する位置には、ポッド搬送装置18が配置されている。また、このポッド搬送装置18の近傍には、ポッド棚20、ポッドオープナ22及び基板枚数検知器24が配置されている。ポッド搬送装置18は、ポッドステージ14とポッド棚20とポッドオープナ22との間でポッド16を搬送する。ポッドオープナ22は、ポッド16の蓋を開けるものであり、この蓋が開けられたポッド16内の基板枚数が基板枚数検知器24により検知される。
さらに、筐体12内には、基板移載機26、ノッチアライナ28及び支持具30(ボート)が配置されている。基板移載機26は、例えば後述する搬送アーム74及びすくい上げアーム76からなる搬送部32を有し、この搬送部32を動かすことにより、ポッドオープナ22の位置に置かれたポッド16、ノッチアライナ28及び支持具30間で基板を搬送する。ノッチアライナ28は、基板に形成されたノッチまたはオリフラを検出して基板のノッチまたはオリフラを一定の位置に揃えるものである。
図2において、反応炉40が示されている。この反応炉40は、反応管42を有し、この反応管42内に支持具30が挿入される。反応管42の下方は、支持具30を挿入するために開放され、この開放部分はシールキャップ44により密閉されるようにしてある。また、反応管42の周囲は、均熱管46により覆われ、さらに均熱管46の周囲にヒータ48が配置されている。熱電対50は、反応管42と均熱管46との間に配置され、反応炉40内の温度をモニタできるようにしてある。そして、反応管42には、処理ガスを導入する導入管52と、処理ガスを排気する排気管54とが接続されている。
次に上述したように構成された基板処理装置10の作用について説明する。
まず、ポッドステージ14に複数枚の基板を収容したポッド16がセットされると、ポッド搬送装置18によりポッド16をポッドステージ14からポッド棚20へ搬送し、このポッド棚20にストックする。次に、ポッド搬送装置18により、このポッド棚20にストックされたポッド16をポッドオープナ22に搬送してセットし、このポッドオープナ22によりポッド16の蓋を開き、基板枚数検知器24によりポッド16に収容されている基板の枚数を検知する。
次に、基板移載機26により、ポッドオープナ22の位置にあるポッド16から基板を取り出し、ノッチアライナ28に移載する。このノッチアライナ28においては、基板を回転させながら、ノッチを検出し、検出した情報に基づいて複数枚の基板のノッチを同じ位置に整列させる。次に、基板移載機26は、ノッチアライナ28から基板を取り出し、搬送部32を支持具30に挿入することにより、基板を支持具30に移載する。
このようにして、1バッチ分の基板を支持具30に移載すると、例えば700°C程度の温度に設定された反応炉40内に複数枚の基板を装填した支持具30を挿入し、シールキャップ44により反応管42内を密閉する。次に、導入管52から処理ガスを導入しながら炉内温度を熱処理温度まで昇温させる。処理ガスには、窒素、アルゴン、水素、酸素等が含まれる。基板を熱処理する際、基板は例えば1000°C程度以上の温度に加熱される。なお、この間、熱電対50により反応管42の温度をモニタしながら、予め設定された昇温、熱処理プログラムに従って基板の熱処理を実施する。
基板の熱処理が終了すると、例えば炉内温度を700°C程度の温度に降温した後、支持具30を反応炉40からアンロードし、支持具30に支持された全ての基板が冷えるまで、支持具30を所定位置で待機させる。なお、炉内温度降温の際も、熱電対50により反応管42内の温度をモニタしながら、予め設定された降温プログラムに従って降温を実施する。次に、待機させた支持具30の基板が所定温度まで冷却されると、基板移載機26により、支持具30から基板を取り出し、ポッドオープナ22にセットされているポッド16に搬送して収容する。次に、ポッド搬送装置18により、基板が収容されたポッド16をポッド棚20に搬送し、さらにポッドステージ14に搬送して完了する。
次に、上記支持具30について詳述する。
図3は、支持具30を示す図であって、(A)は支持具30の拡大図であり、(B)はプレート58の斜視図である。支持具30は、本体部56と複数のプレート58とから構成される。本体部56は、例えば炭化珪素からなり、図示しない上部板と下部板とを接続する複数の支柱64を有する。また、この本体部56には、支柱64の長手方向内側に複数の載置部66が平行に形成されている。
プレート58はシリコン(Si)、石英(SiO)又は炭化珪素(SiC)製の板状部材からなり、例えば開口部68を有するリング状に形成され、上面に接着防止層70が形成されている。このプレート58は、下面が載置部66上面に接触して載置部66上に載置され、上面に基板72の下面が接触して基板72を載置支持する。また、プレート58は、切欠きのないリング状に形成されており、切り欠きにより基板72に傷などをつけないようにされている。
接着防止層70は、基板72の処理後にプレート58と基板72との接着を防止するようにしてある。例えばプレート58がシリコンの場合には、接着防止層70は、シリコン表面を処理することにより、又はCVD等によりシリコン表面上に堆積(deposition)することにより形成したシリコン窒化膜(SiN)、炭化珪素皮膜(SiC)、酸化珪素膜(SiO)、ガラス状炭素、微結晶ダイヤモンド等、耐熱性及び耐磨耗性に優れた材料からなる。
次に上記搬送部32について詳述する。
図4,図5において、搬送部32の詳細が示されている。搬送部32は、搬送アーム74及びすくい上げアーム76から構成され、基板移載機26の上部に設けられている。搬送アーム74は、基板72を載置してプレート58の上方に搬送する1つの平板部78が上部に設けられ、シャフト状のボールネジ80及びLMガイド(リニアモーションガイド)82が下部に設けられている。ボールネジ80には、基板移載機26に固定されて、ボールネジ80と同一の回転軸を有するモータ84が接続されており、搬送アーム74が基板移載機26に対して前後方向(図5において左右方向)に自在に移動するようにされている。
すくい上げアーム76は、例えばそれぞれ2つの前後動用ブロック86、左右動用ブロック88、上下動用ブロック90、ボールネジ92a〜92c、モータ94a〜94c及びLMガイド96a〜96cから構成される。
なお、モータ94a〜94cそれぞれは、例えばステッピングモータであり、図示しない制御部の制御に基づいて回転する。
前後動用ブロック86は、基板移載機26に設けられたボールネジ92a、及びLMガイド96aが前後方向(図5において左右方向)に貫通している。ボールネジ92aには、基板移載機26に固定されて、ボールネジ92aと同一の回転軸を有するモータ94aが接続されており、前後動用ブロック86が基板移載機26に対して前後方向に自在に移動するようにされている。
ボールネジ92b及びLMガイド96bは、前後動用ブロック86から側方(図4において左側方又は右側方)に延びており、それぞれ左右動用ブロック88を貫通している。また、ボールネジ92bの一端には、前後動用ブロック86内に固定され、ボールネジ92bと同一の回転軸を有するモータ94bが接続されており、左右動用ブロック88が前後動用ブロック86に対して左右方向(図4において左右方向)に自在に移動するようにされている。
ボールネジ92c及びLMガイド96cは、左右動用ブロック88から上方(図4,図5において上側)に延びており、それぞれ上下動用ブロック90を貫通している。また、ボールネジ92cの一端には、左右動用ブロック88内に固定され、ボールネジ92cと同一の回転軸を有するモータ94cが接続されており、上下動用ブロック90が左右動用ブロック88に対して上下方向(図4,図5において上下方向)に自在に移動するようにされている。
上下動用ブロック90は、例えば棒状部98、モータ100、駆動ギア102及び変速ギア104をそれぞれ有する。なお、モータ100は、例えばステッピングモータであり、図示しない制御部の制御に基づいて回転する。棒状部98は、それぞれモータ100の回転に応じて、駆動ギア102及び変速ギア104を介し、回転軸A,Bを軸として回転する。
つまり、上下動用ブロック90は、モータ94a〜94c,100が図示しない制御部の制御に基づいて回転することにより、前後・左右・上下のいずれの方向にも自在に移動しつつ、棒状部98を回転させることができるようにされている。
棒状部98は、図6(A),(B)にも示すように、例えば2つの基板接触部106が垂直方向に延びており、それぞれ回転軸A,Bを軸として互いに逆方向に回転する。
また、基板接触部106は、先端が例えば球状に形成され、すくい上げアーム76がプレート58の下方に挿入されると、水平方向(図6(A)参照)から垂直方向(図6(B)参照:基板すくい上げ方向)に向きを変えるようになっている。
図7乃至図9において、基板72がプレート58の上方に搬送された場合のプレート58、平板部78及び棒状部98の位置関係が示されている。なお、棒状部98は、それぞれ基板接触部106が垂直方向に向けられた状態が示されている。
搬送アーム74の平板部78により、基板72がプレート58の上方に搬送され、すくい上げアーム76の棒状部98がプレート58の下方に挿入されると、棒状部98に設けられた4つの基板接触部106は、それぞれの先端が搬送アーム74の平板部78よりも側方であり、且つ基板72の重心から等間隔で離れた位置の垂直方向下方に配置される。
図10において、支持具30に挿入された棒状部98の高さの変化が示されている。棒状部98は、支持具30への挿入時の高さ(挿入時高さ)がXであり、基板接触部106の先端が基板すくい上げ方向に向きを変えると、基板すくい上げ時の高さ(すくい上げ時高さ)がYに変わり、直近下方に載置される基板72の上面位置とプレート58の下面との間の高さ(必要空間高さ)Zよりも高くなる。なお、基板すくい上げ時には、基板接触部106の先端は、プレート58の開口部68内でプレート58の下面よりも上方に位置するようにされている。つまり、挿入時高さX、必要空間高さZ及びすくい上げ時高さYが下式1に示す関係になっているので、必要空間高さZの高さを低く抑えつつ、すくい上げ時高さYをプレート58の厚さに応じて変化させることができる。
挿入時高さX<必要空間高さZ<すくい上げ時高さY ・・・(1)
次に、搬送部32により基板72をプレート58に載置する方法について説明する。
図11は、搬送部32により基板72をプレート58に載置する方法を示すフローチャートである。
図12は、図11に示したフローチャートの各ステップに対応する搬送部32の動作を示す拡大模式図である。
図11に示すように、ステップ100(S100)において、搬送アーム74の平板部78は、プレート58の上方に基板72を搬送し、すくい上げアーム76の棒状部98は、基板接触部106が例えばそれぞれ水平方向内側を向いた状態でプレート58の下方に挿入される(図12(A))。なお、平板部78と棒状部98とは、同時に支持具30に向けて挿入されてもよいし、個別に挿入されてもよい。
ステップ102(S102)において、すくい上げアーム76の棒状部98は、それぞれ回転し、棒状部98それぞれの基板接触部106の先端が例えば垂直方向上方を向くように、基板接触部106の向きを変更する(図12(B))。
ステップ104(S104)において、棒状部98は、基板接触部106がプレート58の開口部68を通って上方に移動し、基板72の下面に接触して、搬送アーム74の平板部78から基板72をすくい上げる。(図12(C))。
ステップ106(S106)において、搬送アーム74の平板部78は、プレート58の上方から支持具30の外側に退避する(図12(D))。
ステップ108(S108)において、すくい上げアーム76の棒状部98は、下方に移動し、基板72をプレート58の上面に載置する。なお、基板接触部106の先端は、基板72の下面から離れればよく、プレート58の開口部68内において、プレート58の下面よりも上方で停止する(図12(E))。
ステップ110(S110)において、すくい上げアーム76は、棒状部98がそれぞれ回転し、棒状部98それぞれの基板接触部106の先端が例えば水平方向内側を向くように、基板接触部106の向きを戻す(図12(F))。
ステップ112(S112)において、すくい上げアーム76の棒状部98は、プレート58の下方から支持具30の外側に退避する(図12(G))。
このように、すくい上げアーム76は、基板接触部106の先端が垂直方向上方を向いた状態では、プレート58の下面よりも下方に移動しない。また、支持具30に設けられた複数の載置部66上のプレート58に対し、例えば上方のプレート58から順に基板72を載置する場合には、同様の手順により、それぞれのプレート58に基板72を載置する。また、支持具30から基板72を取り出す場合には、基板72をプレート58に載置する場合の逆の手順により、プレート58に載置された基板72を取り出す。したがって、支持具30に基板72を移載する場合に必要な空間の高さを低くすることができる。
なお、上記実施形態において、すくい上げアーム76は、棒状部98がそれぞれ回転軸A,Bを軸として回転するように構成されているが、これに限定することなく、他の方向に回転及び移動するようにしてもよい。
例えば、図13に示すように、すくい上げアーム76の棒状部98は、搬送アーム74の平板部78からすくい上げた基板72を支持した状態で下方に移動しつつ、棒状部98が内側に移動するように回転軸E,Fを軸として回転し、基板72をプレート58に載置するようにしてもよい。この場合、すくい上げアーム76の棒状部98は、基板接触部106の先端が水平方向外側に向くまで回転して、プレート58の下方から支持具30の外側に退避する。
なお、基板接触部106の先端を垂直方向上方に向ける場合には、すくい上げアーム76の棒状部98は、上方に移動しつつ、棒状部98が外側に移動するように回転し、図13に示した動きに対して逆方向に動くようにする。
このように、すくい上げアーム76が基板72を支持した状態で、棒状部98が下方に移動しつつ回転する場合には、棒状部98によりすくい上げられた基板72をプレート58まで下げる距離よりも、棒状部98が基板72から離れるまでに下がる距離を短くすることができる。よって、棒状部98が下方に移動した後に回転を開始する場合よりも、支持具30に基板72を移載する場合に必要な空間の高さを低くすることができる。
また、棒状部98それぞれは、図14(A),(B)に示すように、基板接触部106の略中央を通り、棒状部98に平行な回転軸G,Hを軸として、基板接触部106の先端が互いに水平方向内側を向くように回転してもよいし、図15(A),(B)に示すように、回転軸G,Hを軸として、基板接触部106の先端が互いに水平方向外側を向くように回転してもよい。
また、棒状部98それぞれは、図16(A),(B)に示すように、棒状部98が水平方向外側に移動しつつ、基板接触部106の先端が下方に移動するように回転してもよいし、図17(A),(B)に示すように、棒状部98が水平方向内側に移動しつつ、基板接触部106の先端が下方に移動するように回転してもよい。
なお、すくい上げアーム76が基板72をプレート58に載置する際に、棒状部98が下方に移動しつつ回転する場合、図18にも示すように、基板接触部106が基板72に接触する点が、基板接触部106の先端の形状に沿って移動するようにしてもよい。このように、基板接触部106が基板72に接触する点が、基板接触部106の先端の形状に沿って、滑ることなく移動することにより、基板72の下面に傷などが付くことを低減することができる。
次に、棒状部98の変形例について説明する。
図19(A),(B)において、棒状部98の変形例(棒状部110a,110b)が示されている。
棒状部110aは、例えば1つの基板接触部112が垂直方向に延びており、基板接触部112の略中央を通り、棒状部110aに平行な回転軸Iを軸として回転する。棒状部110bは、例えば2つの基板接触部114が垂直方向に延びており、基板接触部114の略中央を通り、棒状部110bに平行な回転軸Jを軸として回転する。棒状部110a,110bは、基板接触部112,114の先端がそれぞれ干渉することなく水平方向内側を向くように、回転軸I,Jを軸として回転する。また、基板接触部112,114は、先端が例えば球状に形成され、棒状部110a,110bがプレート58の下方に挿入されると、水平方向から垂直方向(基板すくい上げ方向)に向きを変えるようになっている。
すくい上げアーム76は、基板72をすくい上げるために、3つ以上の基板接触部を有していればよい。また、基板接触部112,114は、例えばすくい上げアーム76の支持具30に対する挿入方向に対し、対称に配置されていなくてもよい。このように、棒状部110a,110bは、それぞれ回転しても、基板接触部112,114が互いに干渉しないので、基板接触部が対称に配置されている場合よりも、基板接触部112,114の長さを長くすることができる。例えば、プレート58の厚さが厚い場合などに、棒状部110a,110bが使用されるとよい。
次に、基板接触部106,112,114の変形例について説明する。基板接触部106,112,114は、例えば先端が回転方向に沿って曲面にされた角柱状に形成されてもよい。また、基板接触部106,112,114は、先端が回転方向に沿って曲面にされていればよく、基板接触部が楕円柱などのその他の形状であってもよい。
次に、搬送アーム74の平板部78及びプレート58の変形例について説明する。
図20は、プレート58の変形例(プレート118)及び平板部78の変形例(平板部122)を示す図であって、基板72をプレート118に載置する場合の上面図である。
なお、図20においては、図7に示したプレート58、平板部78及び棒状部98の構成部分と実質的に同じものには、同じ符号が付されている。
プレート118はシリコン製の板状部材からなり、例えば開口部120を有するリング状に形成され、上面に接着防止層70が形成されている。このプレート118は、上述したプレート58よりもリング幅が広くなっており、下面が載置部66上面に接触して載置部66上に載置され、上面に基板72の下面が接触して基板72を載置支持する。
平板部122は、対向する2つの接触部124,124を有する。接触部124,124は、支持具30への挿入方向に対して平行に設けられ、基板72をプレート118に載置する場合に、プレート118の開口部120の上方を開放するように間隔をあけて配置されている。
また、基板72をプレート118に載置する場合には、すくい上げアーム76の棒状部98に設けられた4つの基板接触部106は、例えば基板接触部106それぞれの先端が平板部122の2つの接触部124,124の間にあり、且つ基板72の重心から等間隔で離れた位置の垂直方向下方に位置するようにされている。
よって、平板部122が基板72をプレート118の上方に搬送し、棒状部98の基板接触部106が開口部120及び接触部124,124の間を通って基板72をすくい上げることにより、基板72はプレート118の上面に載置される。
このように、基板処理装置10は、支持具30に基板72を移載する場合に必要な空間の高さを低くすることができるので、所定の高さの支持具30に多くの基板72を載置することができ、一度に多くの基板72を処理することができる。
なお、上記実施形態の説明にあっては、基板処理装置として、複数の基板を熱処理するバッチ式の熱処理装置を用いたが、これに限定するものではなく、枚葉式のものであってもよい。
また、本発明の基板処理装置は、基板の製造工程にも適用することができる。
SOI(Silicon On Insulator)ウェハの一種であるSIMOX(Separation by Implanted Oxygen)ウェハの製造工程の一工程に本発明の基板処理装置を適用する例について説明する。
まずイオン注入装置等により単結晶シリコンウェハ内へ酸素イオンをイオン注入する。その後、酸素イオンが注入されたウェハを上記実施形態の基板処理装置を用いて、例えばAr,O雰囲気のもと、1300°C〜1400°C、例えば1350°C以上の高温でアニールする。これらの処理により、ウェハ内部にSiO層が形成された(SiO層が埋め込まれた)SIMOXウェハが作製される。
また、SIMOXウェハの他、水素アニールウェハの製造工程の一工程に本発明の基板処理装置を適用することも可能である。この場合、ウェハを本発明の基板処理装置を用いて、水素雰囲気中で1200°C程度以上の高温でアニールすることとなる。これにより、IC(集積回路)が作られるウェハ表面層の結晶欠陥を低減することができ、結晶の完全性を高めることができる。
また、この他、エピタキシャルウェハの製造工程の一工程に本発明の基板処理装置を適用することも可能である。
以上のような基板の製造工程の一工程として行う高温アニール処理を行う場合であっても、本発明の基板処理装置を用いることにより、基板のスリップの発生を防止することができる。
本発明の基板処理装置は、半導体装置の製造工程にも適用することも可能である。
特に、比較的高い温度で行う熱処理工程、例えば、ウェット酸化、ドライ酸化、水素燃焼酸化(パイロジェニック酸化)、HCI酸化等の熱酸化工程や、硼素(B)、リン(P)、砒素(As)、アンチモン(Sb)等の不純物(ドーパント)を半導体薄膜に拡散する熱拡散工程等に適用するのが好ましい。
このような半導体デバイスの製造工程の一工程としての熱処理工程を行う場合においても、本発明の基板処理装置を用いることにより、スリップの発生を防止することができる。
以上のように、本発明は、特許請求の範囲に記載した事項を特徴とするが、さらに次のような実施形態が含まれる。
(1)基板を処理する反応炉と、開口部を有するプレートにより前記反応炉内で基板を支持する支持具と、前記プレートの上方に基板を搬送する搬送アームと、前記プレートの下方に挿入され、前記開口部を通して基板をすくい上げるすくい上げアームとを有し、前記すくい上げアームは、前記プレートの下方への挿入時に対し、基板すくい上げ時に基板と接触する基板接触部の向きを変えることを特徴とする基板処理装置。
(2)開口部を有するプレートにより基板を支持する支持具の上方へ、搬送アームにより基板を搬送するステップと、基板をすくい上げるすくい上げアームを、基板と接触する基板接触部が垂直方向に対して所定の角度で傾いた状態で前記プレートの下方に挿入するステップと、すくい上げアームをプレートの下方に挿入した状態で基板接触部の先端が垂直方向を向くように基板接触部の向きを変えるステップと、前記搬送アームにより前記プレートの上方に搬送した基板を、前記すくい上げアームにより前記開口部を介してすくい上げるステップと、前記すくい上げアームにより基板をすくい上げた状態で前記搬送アームを前記支持具から退避させるステップと、前記すくい上げアームによりすくい上げた基板を前記プレート上に載置するステップと、前記支持具により支持した基板を反応炉内に搬送するステップと、前記支持具により支持した基板を反応炉内で処理するステップとを有することを特徴とする基板の製造方法。
(3)前記すくい上げアームの少なくとも前記支持具に挿入される部分(前記基板接触部)は、基板をすくい上げる場合には垂直方向を向き、前記支持具への挿入時にはその他の方向を向くようにされていることを特徴とする請求項1又は(1)記載の基板処理装置。
(4)前記すくい上げアームは、前記支持具への挿入時には、少なくとも前記支持具に挿入される部分(前記基板接触部)が水平方向を向くようにされていることを特徴とする請求項1又は(1)記載の基板処理装置。
(5)前記すくい上げアームは、前記支持具への挿入方向に平行な軸を回転軸として回転することを特徴とする請求項1,(1),(3)又は(4)いずれか記載の基板処理装置。
(6)前記支持具は、基板を載置するプレートをさらに有し、前記プレートは、リング状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の基板処理装置。
(7)前記プレートは、リング状に形成されていることを特徴とする(1),(3)〜(5)いずれか記載の基板処理装置。
本発明の実施形態に係る基板処理装置を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る基板処理装置に用いた反応炉を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る基板処理装置に用いた支持具を示す図であって、(A)は支持具の拡大図であり、(B)はプレートの斜視図である。 本発明の実施形態に係る基板処理装置に用いた基板移載機の搬送部を示す正面図である。 本発明の実施形態に係る基板処理装置に用いた基板移載機の搬送部を示す側面図である。 本発明の実施形態に係る基板処理装置に用いた基板移載機の棒状部を示す図であって、(A)は支持具に挿入される状態を示し、(B)は基板をすくい上げる状態を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る基板処理装置に用いたプレート、平板部及び棒状部の位置関係を示す図であって、基板がプレートの上方に搬送された場合の上面図である。 本発明の実施形態に係る基板処理装置に用いたプレート、平板部及び棒状部の位置関係を示す図であって、図7のC−C線断面図である。 本発明の実施形態に係る基板処理装置に用いたプレート、平板部及び棒状部の位置関係を示す図であって、図7のD−D線断面図である。 本発明の実施形態に係る基板処理装置に用いた支持具に挿入された棒状部の高さの変化を示す拡大断面図である。 基板移載機の搬送部により基板をプレートに載置する方法を示すフローチャートである。 図11に示した基板をプレートに載置する方法を示すフローチャートの各ステップに対応する搬送部の動作を示す拡大模式図である。 本発明の実施形態に係る基板処理装置に用いたすくい上げアームの棒状部が搬送アームの平板部からすくい上げた基板を支持した状態で下方に移動しつつ回転し、基板をプレートに載置する状態を示す拡大模式図である。 本発明の実施形態に係る基板処理装置に用いたすくい上げアームの棒状部が、基板接触部の略中央を通り、棒状部に平行な回転軸を軸として、基板接触部を水平方向内側に向けるように回転する状態を示す図であって、(A)は、すくい上げアームを挿入方向から見た模式図であり、(B)は、すくい上げアームを上方から見た模式図である。 本発明の実施形態に係る基板処理装置に用いたすくい上げアームの棒状部が、基板接触部の略中央を通り、棒状部に平行な回転軸を軸として、基板接触部を水平方向外側に向けるように回転する状態を示す図であって、(A)は、すくい上げアームを挿入方向から見た模式図であり、(B)は、すくい上げアームを上方から見た模式図である。 本発明の実施形態に係る基板処理装置に用いたすくい上げアームの棒状部が、水平方向外側に移動しつつ、基板接触部の先端が下方に移動するように回転する状態を示す図であって、(A)は、すくい上げアームを挿入方向から見た模式図であり、(B)は、すくい上げアームを上方から見た模式図である。 本発明の実施形態に係る基板処理装置に用いたすくい上げアームの棒状部が、水平方向内側に移動しつつ、基板接触部の先端が下方に移動するように回転する状態を示す図であって、(A)は、すくい上げアームを挿入方向から見た模式図であり、(B)は、すくい上げアームを上方から見た模式図である。 本発明の実施形態に係る基板処理装置に用いたすくい上げアームが、基板を支持しつつ回転する場合の、基板に対する基板接触部の先端の移動を示す拡大図である。 本発明の実施形態に係る基板処理装置に用いたすくい上げアームの棒状部の変形例が、基板接触部の略中央を通り、棒状部に平行な回転軸を軸として、基板接触部を水平方向内側に向けるように回転する状態を示す図であって、(A)は、すくい上げアームの変形例を挿入方向から見た模式図であり、(B)は、すくい上げアームの変形例を上方から見た模式図である。 本発明の実施形態に係る基板処理装置に用いたプレートの変形例及び平板部の変形例を示す図であって、基板をプレートに載置する場合の上面図である。
符号の説明
10 基板処理装置
26 基板移載機
30 支持具
32 搬送部
40 反応炉
58,118 プレート
64 支柱
66 載置部
68,120 開口部
72 基板
74 搬送アーム
76 すくい上げアーム
78,122 平板部
80,92a〜92c ボールネジ
82,96a〜96c LMガイド
84,94a〜94c,100 モータ
86 前後動用ブロック
88 左右動用ブロック
90 上下動用ブロック
98,110a,110b 棒状部
102 駆動ギア
104 変速ギア
106,112,114 基板接触部

Claims (2)

  1. 基板を処理する反応炉と、この反応炉内で基板を支持する支持具と、この支持具に挿入され、前記支持具に支持された基板をすくい上げるすくい上げアームと、このすくい上げアームを動かす駆動手段とを有し、前記すくい上げアームは、少なくとも前記支持具に挿入される部分の高さが前記支持具への挿入時よりも前記基板のすくい上げ時の方が高くなる形状を有することを特徴とする基板処理装置。
  2. 基板を支持具に支持する支持ステップと、支持具により支持した基板を反応炉内に搬入する搬入ステップと、基板を反応炉内で熱処理する熱処理ステップとを有し、前記支持ステップは、基板をすくい上げるすくい上げアームを用い、このすくい上げアームは、少なくとも前記支持具に挿入される部分の高さが前記支持具への挿入時よりも前記基板のすくい上げ時の方が高くなる形状を有することを特徴とする基板の製造方法。
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