JP2005190752A - 燃料電池用膜電極接合体及びそれを用いた固体高分子形燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】プロトンイオン伝導性固体高分子膜に対するハイドロパーオキシラジカルによる攻撃を抑制することができ、長時間にわたって安定な性能を保持することができる燃料電池用膜電極接合体と、このような膜電極接合体を用いた高性能の固体高分子形燃料電池を提供する。
【解決手段】プロトンイオン伝導性固体高分子膜2の両面に、触媒層3とガス拡散層5を備えたガス拡散電極の触媒層側が上記固体高分子膜側になるように配置して成る膜電極接合体において、上記固体高分子膜2と触媒層3との接合面に高分子材料中に、例えばラジカル捕捉剤やヒドロペルオキシド分解剤のような耐酸化性向上成分を含む保護層4を介在させる。
【選択図】図1
【解決手段】プロトンイオン伝導性固体高分子膜2の両面に、触媒層3とガス拡散層5を備えたガス拡散電極の触媒層側が上記固体高分子膜側になるように配置して成る膜電極接合体において、上記固体高分子膜2と触媒層3との接合面に高分子材料中に、例えばラジカル捕捉剤やヒドロペルオキシド分解剤のような耐酸化性向上成分を含む保護層4を介在させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、電解質として、例えばフッ素樹脂系高分子のようなプロトンイオン伝導性固体高分子膜を用いる固体高分子形燃料電池(PEFC:Polymer Electrolyte Fuel Cell)に係わり、さらに詳しくは、プロトンイオン伝導性固体高分子膜と、該固体高分子膜を挟んだ1対の電極触媒層と、さらにこれらをその外側から挟んだ1対のガス拡散層から成る膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)と、当該膜電極接合体を用いた固体高分子形燃料電池に関するものである。
プロトンイオン伝導性固体高分子膜を用いた固体高分子形燃料電池においては、プロトンイオン伝導性固体高分子膜を挟んで1対の電極(酸素極と燃料極)に、水素を含有する燃料ガスと酸素を有する酸化ガスとをそれぞれ供給することにより、次式で示される反応が生じ、電気エネルギーが取出される。
カソード反応(酸素極): 2H++2e−+(1/2)O2 → H2O
アノード反応(燃料極): H2 → 2H++2e−
カソード反応(酸素極): 2H++2e−+(1/2)O2 → H2O
アノード反応(燃料極): H2 → 2H++2e−
この反応において、触媒層では副反応として過酸化水素が発生する。発生した過酸化水素は、燃料ガスあるいは酸化ガス中に含まれる、あるいは配管途中から侵入する微量の金属イオンと反応して、活性なハイドロパーオキシラジカルを生成する。
発生した活性なハイドロパーオキシラジカルは、触媒層に含まれるプロトンイオン伝導性固体高分子電解質やさらには、プロトンイオン伝導性固体高分子膜を攻撃し化学反応を引き起こし、電解質や膜の分解を促進させる。その結果、プロトンイオン伝導性固体高分子膜のプロトン導電性が低下したり、膜の強度が低下したり、あるいは電極触媒層での膜電極接合体として電圧の低下を引き起こす。このため、長時間にわたって、安定的な電圧を維持することが困難であった。
発生した活性なハイドロパーオキシラジカルは、触媒層に含まれるプロトンイオン伝導性固体高分子電解質やさらには、プロトンイオン伝導性固体高分子膜を攻撃し化学反応を引き起こし、電解質や膜の分解を促進させる。その結果、プロトンイオン伝導性固体高分子膜のプロトン導電性が低下したり、膜の強度が低下したり、あるいは電極触媒層での膜電極接合体として電圧の低下を引き起こす。このため、長時間にわたって、安定的な電圧を維持することが困難であった。
従来、このような不具合に応える方法として、電極触媒層の部分にプロトンイオン伝導性高分子材料の分解を抑制する物質として、酸化防止剤あるいはキレート試薬を含有させることにより、電極触媒層におけるプロトンイオン伝導性固体高分子電解質の劣化を抑えて、膜電極接合体としての性能を安定させるようにしている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−86187号公報
しかしながら、従来の燃料電池用膜電極接合体として、上記特許文献1に示されているような方法、すなわち電極触媒層の部分にプロトンイオン伝導性高分子材料の分解を抑制する物質を含有させることにより、電極触媒層におけるプロトンイオン伝導性固体高分子電解質の劣化を抑える方法では、電極触媒層内部のプロトンイオン伝導性固体高分子電解質の劣化は抑制されるものの、活性なハイドロパーオキシラジカルが電極触媒層を通過してプロトンイオン伝導性固体高分子膜に到達して、高分子膜を攻撃することから、膜の構造破壊を引き起こすのを防ぐことができない。このため、ハイドロパーオキシラジカルによる高分子膜のプロトン伝導性が低下したり膜の強度が低下したりすることにより、膜電極接合体として安定した電圧を長時間にわたって保持することができないという問題点があった。
本発明は、従来の燃料電池用膜電極接合体における上記問題点に着目してなされたものであって、その目的とするところは、プロトンイオン伝導性固体高分子膜に対するハイドロパーオキシラジカルによる攻撃を抑制することができ、長時間にわたって安定な性能を保持することができる燃料電池用膜電極接合体と、このような膜電極接合体を用いた高性能の固体高分子形燃料電池を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するため、鋭意検討を重ねた結果、過酸化水素に対するラジカル捕捉剤やヒドロペルオキシド分解剤の作用に着目し、高分子材料を主成分として上記のような耐酸化性向上成分を含有する保護層をプロトンイオン伝導性固体高分子膜と電極触媒層の間に配設することによって、過酸化水素分解生成物の高分子電解質膜への到達を防止することができることを見出し、本発明を完成するに到った。
本発明は、上記知見に基づくものであって、本発明の燃料電池用膜電極接合体は、電解質としてのプロトンイオン伝導性固体高分子膜の両面に、触媒層とガス拡散層を備えたガス拡散電極の触媒層側を上記固体高分子膜側にして配置して成る膜電極接合体において、プロトンイオン伝導性固体高分子膜と触媒層との接合面に、高分子材料中にラジカル捕捉剤やヒドロペルオキシド分解剤のような耐酸化性向上成分を含む保護層を介在させたことを特徴としている。
また、本発明の固体高分子形燃料電池は、本発明の上記膜電極接合体を使用し、その両側に導電性セパレータを配置したことを特徴としている。
本発明によれば、膜電極接合体における触媒層とプロトンイオン伝導性固体高分子膜との接合面に、ラジカル捕捉剤やヒドロペルオキシド分解剤等の耐酸化性向上成分を含む高分子材料を主成分とする保護層を介在させたことから、触媒層において発生した過酸化水素の分解生成物であるペルオキシドラジカルが保護層において捕捉あるいは分解され、上記分解生成物が高分子電解質膜に到達するのを阻止することができ、高分子電解質膜の劣化を効果的に防止して、膜電極接合体として安定な性能を長期にわたって維持することができるという極めて優れた効果がもたらされる。
また、本発明の固体高分子形燃料電池においては、本発明の上記膜電極接合体を使用して、その両側に導電性を備えたセパレータを配置したものであるから、耐久性及び安定性に富み、長期にわたって優れた電池性能を発揮することができる。
以下、本発明の燃料電池用膜電極触接合体について、さらに詳細に説明する。なお、本明細書において、「%」は特記しない限り質量百分率を意味する。
図1は、本発明の燃料電池用膜電極接合体の構造を示す概略断面図であって、図に示す燃料電池用膜電極接合体1は、電解質としてのプロトンイオン伝導性固体高分子膜2を挟んで、その両側に触媒層3が配置されているが、この触媒層3と高分子膜2の間に耐酸化性の保護層4が設けてある。そして、電極触媒層3の両側にはガス拡散層5が配置されている。
なお、当該膜電極接合体1のさらに外側にガス流路を設けた導電性材料から成るセパレータ(図示せず)を配置することによって、固体酸化物形燃料電池が構成される。
なお、当該膜電極接合体1のさらに外側にガス流路を設けた導電性材料から成るセパレータ(図示せず)を配置することによって、固体酸化物形燃料電池が構成される。
上記保護層4は、高分子材料を主成分とし、これにラジカル捕捉剤及びヒドロペルオキシド分解剤のいずれか一方又は双方を耐酸化性向上成分として含有するものであって、ラジカル捕捉剤としては、例えばフェノール系誘導体及び芳香族アミン誘導体の一方又は両方の材料を用いることができ、ヒドロペルオキシド分解剤としては、例えばリン系化合物材料が好適に用いられる。
なお、上記保護層4を構成する高分子材料としては、例えばパーフルオロスルホン酸系の材料や、ポリアリーレン系材料、ポリビニール系材料、ポリエーテルケトン系材料などを用いることができる。
また、フェノール系誘導体材料としては、具体的に2,6−ジ−tert−ブチル−メチルフェノール、2,4−ジメチル、2,4−ジ−t−ブチル−6−メチルなどを、芳香族アミン誘導体材料としては、例えばN,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、フェニル−β−ナフチルアミンなどを使用することができ、リン系化合物材料としては、ポリリン酸、トリメチルホスフィン、アルキルホスファイトなどを好適に使用することができる。
また、フェノール系誘導体材料としては、具体的に2,6−ジ−tert−ブチル−メチルフェノール、2,4−ジメチル、2,4−ジ−t−ブチル−6−メチルなどを、芳香族アミン誘導体材料としては、例えばN,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、フェニル−β−ナフチルアミンなどを使用することができ、リン系化合物材料としては、ポリリン酸、トリメチルホスフィン、アルキルホスファイトなどを好適に使用することができる。
上記したような構造を備えた燃料電池用膜電極接合体1においては、電極触媒層3において発生した過酸化水素及びその分解生成物であるペルオキシドラジカルは当該触媒層3を通過して、プロトンイオン伝導性高分子膜2と触媒層3との接合面に達する。この接合面に達した過酸化水素及びその分解生成物であるペルオキシドラジカルは、この界面から保護層4が存在しない場合は、直接、プロトンイオン伝導性高分子膜2を攻撃しプロトンイオン伝導性高分子膜2の劣化を促進させる。保護層4が存在する場合においては、過酸化水素及びその分解生成物であるペルオキシドラジカルはこの保護層の中に含まれるラジカル捕捉剤によって捕捉されるか、あるいはヒドロペルオキシド分解剤によって分解されるために高分子膜2にまで到達せずに、分解されるか補足される。このため、電解質であるプロトンイオン伝導性高分子膜2は、過酸化水素によって分解されたり、これによって性能劣化を生じたりすることなく、安定したものとなり長時間の運転に耐えるものとなる。
この場合、ラジカル捕捉剤としてフェノール系材料を用いた場合、当該フェノール系材料と過酸化水素が分解して発生したペルオキシドラジカルとの反応は、一般的に次のような反応式で示される。
また、ヒドロペルオキシド分解剤であるリン系化合物と過酸化水素が分解して発生したペルオキシドラジカルとの反応は、次のような式で示される。
(RO)3+R’OOH → (RO)3P=O+R’OH
(RO)3+R’OOH → (RO)3P=O+R’OH
上記反応式で示されるように、過酸化水素の分解により発生したペルオキシドラジカルがそれぞれ捕捉あるいは分解される。
また、本発明の燃料電池用膜電極接合体において、保護層中に含まれるラジカル捕捉剤及び/又はヒドロペルオキシド分解剤の配合比としては、質量比で保護層の10%以上とすることが望ましい。これら耐酸化性向上成分が保護層中に少なくとも10%存在しないと、電極触媒層において発生した過酸化水素の分解生成物を充分に捕捉したり、分解したりすることが困難となる可能性がある。
一方、上記保護層の厚さとしては、プロトンイオン伝導性固体高分子膜の厚さの10%以上とすることが望ましい。すなわち、保護層の厚さが10%に満たないと、同様に分解生成物であるペルオキシドラジカルが完全に捕捉されたり、分解されたりすることなく、プロトンイオン伝導性子田高分子膜に達してしまうことがないとは言えず、高分子膜の劣化が進んでしまう可能性があることによる。
一方、上記保護層の厚さとしては、プロトンイオン伝導性固体高分子膜の厚さの10%以上とすることが望ましい。すなわち、保護層の厚さが10%に満たないと、同様に分解生成物であるペルオキシドラジカルが完全に捕捉されたり、分解されたりすることなく、プロトンイオン伝導性子田高分子膜に達してしまうことがないとは言えず、高分子膜の劣化が進んでしまう可能性があることによる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。なお、本発明は、これらの実施例のみに限定されないことは言うまでもない。
なお、この実施例においては、プロトンイオン伝導性固体高分子膜としてNafion112(膜厚25μm、商標登録:DuPont社製)を用いているが、高分子膜として特にこれに限定される訳ではなく、他のパーフルオロスルホン酸系の膜でも、また炭化水素系プロトンイオン伝導性高分子膜でも同様に用いることができる。
なお、この実施例においては、プロトンイオン伝導性固体高分子膜としてNafion112(膜厚25μm、商標登録:DuPont社製)を用いているが、高分子膜として特にこれに限定される訳ではなく、他のパーフルオロスルホン酸系の膜でも、また炭化水素系プロトンイオン伝導性高分子膜でも同様に用いることができる。
(実施例1)
先ず、耐酸化性向上成分として、ラジカル捕捉剤を含む保護層を設けた場合の実施例について説明する。
先ず、耐酸化性向上成分として、ラジカル捕捉剤を含む保護層を設けた場合の実施例について説明する。
ラジカル捕捉剤としては、フェノール誘導体である2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールを用いた。この2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールとNafionの5%溶液とを質量比で10:200に混合し、攪拌することによってスラリーを調整した。
この場合の攪拌方法としては、磁気スタラーを用いた攪拌方法や、ホモジナイザーを用いた攪拌方法等を用いることができる。
この場合の攪拌方法としては、磁気スタラーを用いた攪拌方法や、ホモジナイザーを用いた攪拌方法等を用いることができる。
得られたスラリーに高分子電解質膜としてのNafion112を浸漬し、所定時間放置したのちに引き上げ、乾燥及び焼成して、高分子電解質膜の両側に保護層を形成した。焼成後の膜厚測定の結果、保護層の膜厚は5μmであった。この時の保護層中に含まれるフェノール誘導体の含有量は質量比で50%であった。
この保護層を形成した高分子膜の両側に、カーボンを主成分とするガス拡散層に白金をカーボン担体に担持させて成る白金担持カーボンを主成分とする触媒層を付着させたガス拡散電極をホットプレスを用いて一体化させ、本例の膜電極接合体を完成させた。
(実施例2)
実施例1と同様のガス拡散電極の電極触媒層側に、実施例1と同様に調整した保護層のスラリーを用いて、その所定量を塗布したのち、乾燥、焼成を行うことにより、ガス拡散電極の側に保護層を形成した。
そして、実施例と同様に、保護層を形成した上記ガス拡散電極をNafion112の両面にホットプレスにより一体化し、本例の膜電極接合体を得た。
実施例1と同様のガス拡散電極の電極触媒層側に、実施例1と同様に調整した保護層のスラリーを用いて、その所定量を塗布したのち、乾燥、焼成を行うことにより、ガス拡散電極の側に保護層を形成した。
そして、実施例と同様に、保護層を形成した上記ガス拡散電極をNafion112の両面にホットプレスにより一体化し、本例の膜電極接合体を得た。
(実施例3)
実施例1で用いたラジカル捕捉剤である2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールの代わりにフェニル−β−ナフチルアミンを用いて、保護層の形成を行った以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の膜電極接合体を得た。
実施例1で用いたラジカル捕捉剤である2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールの代わりにフェニル−β−ナフチルアミンを用いて、保護層の形成を行った以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の膜電極接合体を得た。
(実施例4)
実施例1で用いたラジカル捕捉剤の代わりにヒドロペルオキシド分解剤としてのリン系化合物であるポリリン酸を用いて保護層の形成を行った以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の膜電極接合体を得た。
実施例1で用いたラジカル捕捉剤の代わりにヒドロペルオキシド分解剤としてのリン系化合物であるポリリン酸を用いて保護層の形成を行った以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の膜電極接合体を得た。
(実施例5)
実施例1で用いたラジカル捕捉剤の代わりにヒドロペルオキシド分解剤としてのリン系化合物であるトリメチルホスフィンを用いて保護層の形成を行った以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の膜電極接合体を得た。
実施例1で用いたラジカル捕捉剤の代わりにヒドロペルオキシド分解剤としてのリン系化合物であるトリメチルホスフィンを用いて保護層の形成を行った以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の膜電極接合体を得た。
(実施例6)
保護層のスラリーの配合比を重量比でラジカル捕捉剤と5%Nafion溶液の配合比を1:100とした以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の膜電極接合体を得た。
保護層のスラリーの配合比を重量比でラジカル捕捉剤と5%Nafion溶液の配合比を1:100とした以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の膜電極接合体を得た。
(比較例1)
保護層を形成していないNafion112を用いて、実施例1と同様の操作を繰り返し、比較例の膜電極接合体とした。
保護層を形成していないNafion112を用いて、実施例1と同様の操作を繰り返し、比較例の膜電極接合体とした。
なお、上記実施例においては、ラジカル捕捉剤としてのフェノール誘導体材料として、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、芳香族アミン誘導体材料としては、フェニル−β−ナフチルアミンを使用し、ヒドロペルオキシド分解剤としてのリン系化合物としては、ポリリン酸あるいはトリメチルホスフィンを用いた例を示したが、使用するフェノール誘導体材料、芳香族アミン誘導体材料、リン系化合物については、特にこれに限定されるものではない。
〔評価方法〕
上記によって得られた各実施例及び比較例の膜電極接合体を用い、その両側からガス拡散流路を有するセパレータで挟むことによって燃料電池の単電池を得た。そして、この単電池を用いて連続運転を行ったのちに、特性評価を行った。
特性評価は、電流密度を0から1.2A/cm2まで流し、その時の電圧変化を測定して、燃料電池単セルのI−V特性を求めた。評価条件としては、電極の面積を25cm2、セル温度を70℃とし、燃料ガスとして水素ガス、酸化ガスとして空気を用いた。加湿条件については、水素ガス、空気ガス側とも100%(飽和)とした。
この結果を表1に示す。
上記によって得られた各実施例及び比較例の膜電極接合体を用い、その両側からガス拡散流路を有するセパレータで挟むことによって燃料電池の単電池を得た。そして、この単電池を用いて連続運転を行ったのちに、特性評価を行った。
特性評価は、電流密度を0から1.2A/cm2まで流し、その時の電圧変化を測定して、燃料電池単セルのI−V特性を求めた。評価条件としては、電極の面積を25cm2、セル温度を70℃とし、燃料ガスとして水素ガス、酸化ガスとして空気を用いた。加湿条件については、水素ガス、空気ガス側とも100%(飽和)とした。
この結果を表1に示す。
1 燃料電池用膜電極接合体
2 高分子膜
3 触媒層
4 保護層
5 ガス拡散層
2 高分子膜
3 触媒層
4 保護層
5 ガス拡散層
Claims (7)
- プロトンイオン伝導性固体高分子膜の両面に、触媒層とガス拡散層を備えたガス拡散電極の触媒層側を上記プロトンイオン伝導性固体高分子膜側にした状態に配置して成る膜電極接合体において、上記プロトンイオン伝導性固体高分子膜と触媒層との接合面に、高分子材料中に耐酸化性向上成分を含む保護層が介在していることを特徴とする燃料電池用膜電極接合体。
- 上記保護層が耐酸化性向上成分としてラジカル捕捉剤及び/又はヒドロペルオキシド分解剤を含有していることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用膜電極接合体。
- 上記ラジカル捕捉剤がフェノール系誘導体及び/又は芳香族アミン誘導体材料であることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池用膜電極接合体。
- 上記ヒドロペルオキシド分解剤がリン系化合物材料であることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池用膜電極接合体。
- 保護層中における上記ラジカル捕捉剤及び/又はヒドロペルオキシド分解剤の含有量が質量比で10%以上であることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1つの項に記載の燃料電池用膜電極接合体。
- 保護層の厚さが上記プロトンイオン伝導性固体高分子膜の厚さの10%以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つの項に記載の燃料電池用膜電極接合体。
- 請求項1〜6のいずれか1つの項に記載の燃料電池用膜電極接合体の両側に導電性セパレータを配置して成ることを特徴とする固体高分子形燃料電池。
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