JP2006049263A - 固体高分子型燃料電池用電解質、固体高分子型燃料電池、固体高分子型燃料電池システム及び燃料電池車両 - Google Patents
固体高分子型燃料電池用電解質、固体高分子型燃料電池、固体高分子型燃料電池システム及び燃料電池車両 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2006049263A JP2006049263A JP2004349842A JP2004349842A JP2006049263A JP 2006049263 A JP2006049263 A JP 2006049263A JP 2004349842 A JP2004349842 A JP 2004349842A JP 2004349842 A JP2004349842 A JP 2004349842A JP 2006049263 A JP2006049263 A JP 2006049263A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fuel cell
- group
- compound
- polymer electrolyte
- imide
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/30—Hydrogen technology
- Y02E60/50—Fuel cells
Landscapes
- Fuel Cell (AREA)
- Conductive Materials (AREA)
Abstract
【解決手段】 ヒドロキシラジカルの酸化還元電位よりも低い電位で還元剤として働き、かつ、過酸化水素が還元剤として働く酸化還元電位よりも高い電位で酸化剤として働く酸化還元サイクルを有する化合物を有する。
【選択図】 なし
Description
H2O2→・H+・OOH ・・・式(2)
ここに示した式(1)及び(2)の反応は、金属イオン(例えばFe2+、Cu2+など)の存在下ではハーバーワイス(Haber-Weiss)反応となる。ハーバーワイス反応では、過酸化水素は金属イオンなどの触媒作用によりヒドロキシラジカル(・OH)に変化する。ヒドロキシラジカルは、活性酸素の中で最も反応性に富み、酸化力が非常に強いことが知られている。なお、金属イオンが鉄イオンの場合には、ハーバーワイス反応は下式(3)に示すフェントン反応として知られている。
このように、電解質膜中に金属イオンが混入すると、電解質膜の中で、ハーバーワイス反応により過酸化水素がヒドロキシラジカルへと変化し、このヒドロキシラジカルにより電解質膜が劣化するおそれがある(非特許文献1参照。)。
H2+O2→H2O2 ・・・式(5)
式(4)は酸素の4電子還元、式(5)は酸素の2電子還元である。式(4)、(5)の反応は競争反応として同時に進行する。
H2→2H++2e− E0=0.00[V] ・・・式(7)
同様に、式(5)は、下式(8)で示される正極副反応と、上式(7)で示される負極反応との素反応の和である。
熱力学的には、酸化還元電位の高い物質が酸化剤として働き、酸化還元電位の低い物質が還元剤として働く。そして、系全体のΔE0(酸化還元電位の差)が正の値のときに反応が進む。
H2O2+2H++2e−→2H2O E0=1.77[V] ・・・式(10)
2H2O2→2H2O+O2 ・・・式(11)
式(9)は、正極において、過酸化水素が負極から電解質膜を通ってクロスオーバーしてくるH2により水に還元される場合を示している。式(10)は、過酸化水素が正極で水素イオンと電子を受け取り、水に還元される場合を示している。式(11)は、2分子の過酸化水素が反応し、一方の過酸化水素が酸化剤として働き、もう一方の過酸化水素が還元剤として働いて水と酸素を発生させる反応を示している。なお、過酸化水素は上式(10)及び下式(12)に示すように過酸化水素よりも酸化還元電位の高い物質に対しては還元剤として働く一方、過酸化水素よりも酸化還元電位の低い物質に対しては酸化剤として働くことが知られている。
ここで、式(9)は、式(10)で示される素反応と、式(7)で示される素反応との和である。式(11)は、式(10)で示される素反応と、式(12)で示される素反応との和である。
このヒドロキシラジカルの酸化還元電位は2.85[V]であり、極めて高い酸化力を有している。ヒドロキシラジカルは、下式(13)に示すように、水素イオンを酸化することで消失する。
しかしながら、燃料電池の起動停止などに伴い水素(水素イオン)供給不足が生じると、ヒドロキシラジカルは極めて高い酸化力を有しているため、本来酸化されることのないナフィオン(登録商標)膜のC−F結合を切断する場合がある。そこで、本実施の形態に係る固体高分子型燃料電池用電解質は、ヒドロキシラジカルの酸化還元電位よりも低い電位で還元剤として働き、かつ、過酸化水素が還元剤として働く酸化還元電位よりも高い電位で酸化剤として働く酸化還元サイクルを有する化合物を有するため、この化合物が触媒として作用し、活性酸素である過酸化水素及びヒドロキシラジカルを分解する。このため、ヒドロキシラジカルは電解質膜を酸化することなく、電解質膜中に含まれている化合物の触媒作用により消失する。また、この触媒作用を有する化合物は、活性酸素を分解した後に化合物の酸化還元サイクルにより元の還元型に戻るため、何度も利用することができる。このため、耐久性能が維持された固体高分子型燃料電池用電解質を実現することが可能となる。
PINO+H++e−→NHPI E0=1.34[V] ・・・式(15)
式(10)及び式(13)で示すように、過酸化水素及びフェントン反応で発生したヒドロキシラジカルの酸化還元電位は、NHPIの酸化還元電位より高い。このため、NHPIが存在すると、還元剤であるNHPIの触媒作用により過酸化水素またはヒドロキシラジカルは水に還元される。この場合、下式(16)、(17)に示すように、NHPIはドロキシラジカル又は過酸化水素によりNHPIはPINOへと酸化される。
H2O2+2NHPI→2H2O+2PINO ・・・式(17)
式(16)は、式(13)で示される素反応と、式(14)で示される素反応との和である。式(17)は、式(10)で示される素反応と、式(15)で示される素反応との和である。
PINO+H++e− →NHPI E0=1.34[V] ・・・式(15)
2PINO+H2O2→2NHPI+O2 ・・・式(19)
式(18)は、式(15)で示される素反応と、式(7)で示される素反応との和である。式(19)は、式(15)で示される素反応と、式(12)で示される素反応との和である。PINOの酸化還元電位は1.34[V]であり、熱力学的にナフィオン(登録商標)膜のC−F結合を切断するほど高くはない。このため、PINOによって電解質膜が酸化されることはない。
2(>NOH)+H2O2 →2(>NO・)+2H2O ・・・式(21)
また、水素供給により発生したN−オキシルラジカルは、下式(22)〜(24)に示す素反応により、水素または過酸化水素から水素イオンを引き抜き、元のヒドロキシイミド(>NOH)の形に回復する。
>NO・+H++e− →>NOH ・・・式(23)
2(>NO・)+H2O2→2(>NOH)+O2 ・・・式(24)
図2に、ヒドロキシイミド基を有する化合物の代表例としてN−ヒドロキシフタルイミド(NHPI)を、また、NHPIがラジカル化したNHPIの酸化型としてフタル酸イミドN−オキシル(PINO)を示し、NHPIのヒドロキシイミド基とPINOのN−オキシルラジカルとの間でサイクルがまわることにより、長期に渡りヒドロキシラジカルや過酸化水素を消失させるメカニズムを表す。すなわち、NHPIは、ヒドロキシラジカルまたは過酸化水素に対して還元剤として作用し、ヒドロキシラジカルまたは過酸化水素を水へ還元する。一方、PINOは、過酸化水素に対して酸化剤として作用して、過酸化水素を酸素へと酸化する。このようにして、NHPIがPINOとの間で酸化還元サイクルがまわると同時に、過酸化酸素やヒドロキシラジカルが消失する。
GINO+H++e−→NHGI E0=1.39[V] ・・・式(26)
式(10)及び式(13)で示すように、過酸化水素及びフェントン反応で発生したヒドロキシラジカルの酸化還元電位は、NHGIの酸化還元電位より高い。このため、NHGIが存在すると、NHPIの触媒作用により過酸化水素またはヒドロキシラジカルは水に還元される。この場合、下式(27)、(28)に示すように、NHGIは還元剤として働き、ヒドロキシラジカルや過酸化水素によりNHGIはGINOへと酸化される。
H2O2+2NHGI→2H2O+2GINO ・・・式(28)
式(27)は、式(13)で示される素反応と、式(25)で示される素反応との和である。式(28)は、式(10)で示される素反応と、式(26)で示される素反応との和である。
GINO+H++e− →NHGI E0=1.39[V] ・・・式(26)
2GINO+H2O2→2NHGI+O2 ・・・式(30)
式(29)は、式(26)で示される素反応と、式(7)で示される素反応との和である。式(30)は、式(26)で示される素反応と、式(12)で示される素反応との和である。GINOの酸化還元電位は1.39[V]であり、熱力学的にナフィオン(登録商標)膜のC−F結合を切断するほど高くはない。このため、GINOによって電解質膜が酸化されることはない。
2(>NOH)+H2O2 →2(>NO・)+2H2O ・・・式(32)
また、水素供給により発生したN−オキシルラジカル(>NO・)は、下式(33)〜(35)に示す素反応により、水素または過酸化水素から水素イオンを引き抜き、元のヒドロキシイミド(>NOH)の形に回復する。
>NO・+H++e− →>NOH ・・・式(34)
2(>NO・)+H2O2→2(>NOH)+O2 ・・・式(35)
図4に、ヒドロキシイミド基を有する化合物の代表例としてN−ヒドロキグルタル酸イミド(NHGI)を、また、NHGIがラジカル化したNHGIの酸化型としてグルタル酸イミドN−オキシル(GINO)を示し、NHGIのヒドロキシイミド基と、GINOのN−オキシルラジカルとの間でサイクルが回ることにより、長期に渡りヒドロキシラジカルや過酸化水素を消失させるメカニズムを表す。すなわち、NHGIは、ヒドロキシラジカルまたは過酸化水素に対して還元剤として作用し、ヒドロキシラジカルまたは過酸化水素を水へ還元する。一方、GINOは過酸化水素に対して酸化剤として作用して、過酸化水素を酸素へと酸化する。このようにして、NHGIがGINOとの間で酸化還元サイクルがまわると同時に、過酸化酸素やヒドロキシラジカルが消失する。
(実施例1)
デュポン社のナフィオン(登録商標)117膜(厚さ175[μm])を1[cm]角に切り出して用いた。ナフィオン(登録商標)膜の前処理は、NEDO PEFC R&Dプロジェクト標準処理に従い、3[%]過酸化水素水中で1[時間]煮沸した後、蒸留水中1[時間]煮沸し、続いて、1[M]硫酸水溶液中で1[時間]煮沸し、最後に蒸留水中で1[時間]煮沸の順に行った。
過酸化水素耐久試験において劣化を促進する目的で、前処理を施したナフィオン(登録商標)膜を100[mM]のFeSO4水溶液に一晩以上浸漬した後、蒸留水中で15[分間]超音波洗浄を用い、膜に付着したイオンを取り除くことにより、ナフィオン(登録商標)の対イオンをH+からFe2+に交換した。なお、試薬は、和光純薬特級FeSO4・7H2Oを用いた。
活性酸素消失触媒として、NHPI水溶液の代わりに0.5[mM]N−ヒドロキシマレイン酸イミド水溶液を用い、実施例1と同様の処理を施したものを実施例3とした。
活性酸素消失触媒として、NHPI水溶液の代わりに0.5[mM]N−ヒドロキシマレイン酸イミド水溶液を用い、実施例2と同様の処理を施したものを実施例4とした。
活性酸素消失触媒として、NHPI水溶液の代わりに0.5[mM]N−ヒドロキシコハク酸イミド水溶液を用い、実施例1と同様の処理を施したものを実施例5とした。
活性酸素消失触媒として、NHPI水溶液の代わりに0.5[mM]N−ヒドロキシマレイン酸イミド水溶液を用い、実施例2と同様の処理を施したものを実施例6とした。
活性酸素消失触媒として、NHPI水溶液の代わりに0.5[mM]N−ヒドロキシトリメリット酸イミド水溶液を用い、実施例1と同様の処理を施したものを実施例7とした。
活性酸素消失触媒として、NHPI水溶液の代わりに0.5[mM]N−ヒドロキシトリメリット酸イミド水溶液を用い、実施例2と同様の処理を施したものを実施例8とした。
活性酸素消失触媒として、NHPI水溶液の代わりに0.5[mM]N,N′−ジヒドロキシピロメリット酸イミド水溶液を用い、実施例1と同様の処理を施したものを実施例9とした。
活性酸素消失触媒として、NHPI水溶液の代わりに0.5[mM]N,N′−ジヒドロキシピロメリット酸イミドの水溶液を用い、実施例2と同様の処理を施したものを実施例10とした。
活性酸素消失触媒として、NHPI水溶液の代わりに0.5[mM]N−ヒドロキシグルタル酸イミド(NHGI)水溶液を用い、実施例1と同様の処理を施したものを実施例11とした。
活性酸素消失触媒として、NHPI水溶液の代わりに0.5[mM]N−ヒドロキシグルタル酸イミド(NHGI)水溶液を用い、実施例2と同様の処理を施したものを実施例12とした。
活性酸素失活触媒として、NHPI水溶液の代わりに0.5[mM]N−ヒドロキシ−1,8−ナフタレンジカルボン酸イミド(NHNDI)水溶液を用い、実施例1と同様の処理を施したものを実施例13とした。
活性酸素失活触媒として、NHPI水溶液の代わりに0.5[mM]N−ヒドロキシ−1,8−ナフタレンジカルボン酸イミド(NHNDI)水溶液を用い、実施例2と同様の処理を施したものを実施例14とした。
活性酸素失活触媒として、NHPI水溶液の代わりに0.5[mM]N−ヒドロキシ−1,8−デカリンジカルボン酸イミド(NHDDI)水溶液を用い、実施例1と同様の処理を施したものを実施例15とした。
活性酸素失活触媒として、NHPI水溶液の代わりに0.5[mM]N−ヒドロキシ−1,8−デカリンジカルボン酸イミド(NHDDI)水溶液を用い、実施例2と同様の処理を施したものを実施例16とした。
活性酸素失活触媒として、NHPI水溶液の代わりに0.5[mM]のN,N’−ジヒドロキシ−1,8;4,5−ナフタレンテトラカルボン酸イミド(NHNTI)水溶液を用い、実施例1と同様の処理を施したものを実施例17とした。
活性酸素失活触媒として、NHPI水溶液の代わりに0.5[mM]のN,N’−ジヒドロキシ−1,8;4,5−ナフタレンテトラカルボン酸イミド(NHNTI)水溶液を用い、実施例2と同様の処理を施したものを実施例18とした。
活性酸素失活触媒として、NHPI水溶液の代わりに0.5[mM]のN,N’−ジヒドロキシ−1,8;4,5−デカリンテトラカルボン酸イミド(NHDTI)水溶液を用い、実施例1と同様の処理を施したものを実施例19とした。
活性酸素失活触媒として、NHPI水溶液の代わりに0.5[mM]のN,N’−ジヒドロキシ−1,8;4,5−デカリンテトラカルボン酸イミド(NHDTI)水溶液を用い、実施例2と同様の処理を施したものを実施例20とした。
活性酸素失活触媒として、NHPI水溶液の代わりに0.5[mM]のN,N’,N’’−トリヒドロキシイソシアヌル酸(THICA)水溶液を用い、実施例1と同様の処理を施したものを実施例21とした。
活性酸素失活触媒として、NHGI水溶液の代わりに0.5[mM]のN,N’,N’’−トリヒドロキシイソシアヌル酸(THICA)水溶液を用い、実施例1と同様の処理を施したものを実施例22とした。
実施例1と同様の方法で前処理を施したナフィオン(登録商標)膜にNHPIを加えていないものを、比較例1とした。
実施例2と同様の方法でイオン交換したナフィオン(登録商標)膜にNHPIを加えていないものを、比較例2とした。
上記方法にて処理したナフィオン(登録商標)膜の色の変化を目視により観察した。
膜の劣化解析は、ナフィオン(登録商標)膜の分解に伴い発生するフッ化物イオン濃度を測定することにより行った。フッ化物イオンの検出は、上記方法にて調整した試料溶液を超純水で10倍に希釈し、希釈後の溶液をイオンクロマトグラフで測定することにより行った。イオンクロマトグラフは、ダイオネック社製(機種名:DX−AQ)を用いた。
活性酸素消失触媒であるNHPI及びNHGIの安定性試験は、1[mM]に調整したNHPI水溶液とNHGI水溶液をそれぞれビーカーに入れて80[℃]に保ち、24[時間]毎にサンプリングして液体クロマトグラフにかけた。そして、得られたクロマトグラムのピーク面積より、NHPI及びNHGIの濃度を測定した。
また、実施例2,4,6,8,10,12,14,16,18,20,22と比較例2の比較から分かるように、NHPIやNHGIなどの活性酸素消失触媒の有無により検出されたフッ化物イオンに10倍以上の差がみられ、NHPIやNHGIなどの活性酸素消失触媒の存在により、ナフィオン(登録商標)膜の分解が抑制されることが分かった。
実施例に用いる化合物の酸化還元電位は、作用極にグラッシーカーボン、対極に白金、参照極に飽和カロメル電極(SCE)を用い、電解液に1[M]硫酸を用いて測定した。代表例としてNHPIのサイクリックボルタモグラムを図5に示す。本条件(SCE)におけるNHPIの酸化還元電位は1.10[V](SCE)付近に存在するが、図1、特許請求の範囲、及び明細書中では、各物質の酸化還元電位と合わせるために下式(36)に示す式により標準電位E0(NHE)に補正して表示する。
この電位により、NHPIは、可逆的に酸化剤(水素受容体)又は還元剤(水素供与体)として機能する化合物であり、ヒドロキシラジカルの酸化還元電位よりも低い電位で還元剤として働き、かつ、過酸化水素が還元剤として働く酸化還元電位よりも高い電位で酸化剤として働く酸化還元サイクルを有する化合物であることが示され、電位的にも過酸化水素を消失する機能を有していることが示された。なお、NHGIのサイクリックボルタモグラムより、NHGIの酸化還元電位は1.15 [V] (SCE)付近に存在することがわかった。
アノードガスとして70[℃]加湿水素ガス(大気圧)を、カソードガスとして70[℃]加湿酸素ガス(大気圧)を70[℃]に保った単セルに供給し、開回路状態で30[分]保持した後、試験を開始した。
Claims (20)
- ヒドロキシラジカルの酸化還元電位よりも低い電位で還元剤として働き、かつ、過酸化水素が還元剤として働く酸化還元電位よりも高い電位で酸化剤として働く酸化還元サイクルを有する化合物を有することを特徴とする固体高分子型燃料電池用電解質。
- 前記化合物の標準酸化還元電位が、0.68[V]〜2.85[V]の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の固体高分子型燃料電池用電解質。
- 前記化合物は、過酸化水素が酸化剤として働く酸化還元電位よりも低い電位で還元剤として働き、かつ、過酸化水素が還元剤として働く酸化還元電位よりも高い電位で酸化剤として働くことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載された固体高分子型燃料電池用電解質。
- 前記化合物の標準酸化還元電位が、0.68[V]〜1.77[V]の範囲にあることを特徴とする請求項3に記載の固体高分子型燃料電池用電解質。
- 前記一般式(I)において、R1及びR2は互いに結合して二重結合、芳香環、又は非芳香族性の環を形成していること特徴とする請求項5に記載の固体高分子型燃料電池用電解質。
- 前記一般式(III)において、R3及びR4は互いに結合して二重結合、芳香環、又は非芳香族性の環を形成していること特徴とする請求項8に記載の固体高分子型燃料電池用電解質。
- 前記一般式(III)において、R3及びR4が互いに結合して芳香族性又は非芳香族性の5〜12員環のうちいずれか一種類の環を形成していることを特徴とする請求項8に記載の固体高分子型燃料電池用電解質。
- 前記一般式(III)において、R3及びR4が互いに結合して、シクロアルカン、シクロアルケン、橋かけ式炭化水素環、芳香環、及びそれらの置換体からなる群から選択さる少なくとも一種を形成していることを特徴とする請求項8に記載の固体高分子型燃料電池用電解質。
- 前記一般式(III)で示される化合物が、N−ヒドロキシコハク酸イミド、N−ヒドロキシマレイン酸イミド、N−ヒドロキシヘキサヒドロフタル酸イミド、N,N′−ジヒドロキシシクロヘキサンテトラカルボン酸イミド、N−ヒドロキシフタルイミド、N−ヒドロキシテトラブロモフタル酸イミド、N−ヒドロキシテトラクロロフタル酸イミド、N−ヒドロキシヘット酸イミド、N−ヒドロキシハイミック酸イミド、N−ヒドキシトリメリット酸イミド、N,N′−ジヒドロキシピロメリット酸イミド及びN,N′−ジヒドロキシナフタレンテトラカルボン酸イミドからなる群から選択される少なくとも一種のイミド化合物であることを特徴とする請求項8乃至請求項12のいずれか一項に記載された固体高分子型燃料電池用電解質。
- 前記一般式(V)、(VIa)、又は(VIb)で示される化合物が、N−ヒドロキシグルタル酸イミド、N−ヒドロキシ−1,8−ナフタレンジカルボン酸イミド、N−ヒドロキシ−1,8−デカリンジカルボン酸イミド、N,N’−ジヒドロキシ−1,8;4,5−ナフタレンテトラカルボン酸イミド、N,N’−ジヒドロキシ−1,8;4,5−デカリンテトラカルボン酸イミド及びN,N’,N’’−トリヒドロキシイソシアヌル酸からなる群から選択される少なくとも一種のイミド化合物であることを特徴とする請求項14又は請求項15に記載の固体高分子型燃料電池用電解質。
- 請求項1乃至請求項16のいずれか一項に記載の固体高分子型燃料電池用電解質を用いたことを特徴とする固体高分子型燃料電池。
- 前記固体高分子型燃料電池が水素型、ダイレクトメタノール型、及びダイレクト炭化水素型の中から選択されるいずれか一種であることを特徴とする請求項17に記載の固体高分子型燃料電池。
- 請求項17又は請求項18に記載の固体高分子型燃料電池を備えることを特徴とする固体高分子型燃料電池システム。
- 請求項19に記載の固体高分子型燃料電池システムが搭載されていることを特徴とする燃料電池車両。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004349842A JP4876389B2 (ja) | 2004-07-09 | 2004-12-02 | 固体高分子型燃料電池用電解質、固体高分子型燃料電池、固体高分子型燃料電池システム及び燃料電池車両 |
EP13003576.9A EP2654114B1 (en) | 2004-07-09 | 2005-07-07 | Solid polymer electrolyte film |
PCT/JP2005/012597 WO2006006502A1 (ja) | 2004-07-09 | 2005-07-07 | 燃料電池システム及び固体高分子電解質膜 |
EP05758357.7A EP1777768B1 (en) | 2004-07-09 | 2005-07-07 | Fuel cell system comprising a solid polymer electrolyte film |
US11/631,943 US7833676B2 (en) | 2004-07-09 | 2005-07-07 | Fuel cell system and solid polymer electrolyte film |
US12/926,052 US8252481B2 (en) | 2004-07-09 | 2010-10-22 | Fuel cell system and solid polymer electrolyte film |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004203151 | 2004-07-09 | ||
JP2004203151 | 2004-07-09 | ||
JP2004349842A JP4876389B2 (ja) | 2004-07-09 | 2004-12-02 | 固体高分子型燃料電池用電解質、固体高分子型燃料電池、固体高分子型燃料電池システム及び燃料電池車両 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006049263A true JP2006049263A (ja) | 2006-02-16 |
JP4876389B2 JP4876389B2 (ja) | 2012-02-15 |
Family
ID=36027548
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004349842A Expired - Fee Related JP4876389B2 (ja) | 2004-07-09 | 2004-12-02 | 固体高分子型燃料電池用電解質、固体高分子型燃料電池、固体高分子型燃料電池システム及び燃料電池車両 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4876389B2 (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007069504A1 (en) * | 2005-12-15 | 2007-06-21 | Nissan Motor Co., Ltd. | Fuel, fuel cell system, fuel cell vehicle and operating method for fuel cell system |
JP2007247515A (ja) * | 2006-03-15 | 2007-09-27 | Honda Motor Co Ltd | 内燃機関 |
JP2010234250A (ja) * | 2009-03-31 | 2010-10-21 | Daikin Ind Ltd | 含フッ素有機化合物の分解方法 |
US7989115B2 (en) | 2007-12-14 | 2011-08-02 | Gore Enterprise Holdings, Inc. | Highly stable fuel cell membranes and methods of making them |
JP2014234445A (ja) * | 2013-05-31 | 2014-12-15 | 旭化成イーマテリアルズ株式会社 | 高分子電解質組成物、並びに、それを用いた、高分子電解質膜、電極触媒層、膜電極接合体、及び固体高分子型燃料電池 |
JP5716677B2 (ja) * | 2009-12-25 | 2015-05-13 | Jsr株式会社 | 水素燃料型燃料電池 |
JP2022535462A (ja) * | 2019-07-08 | 2022-08-08 | コーロン インダストリーズ インク | 高分子電解質膜、その製造方法、及びそれを含む電気化学装置 |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001118591A (ja) * | 1999-10-19 | 2001-04-27 | Toyota Central Res & Dev Lab Inc | 高耐久性固体高分子電解質 |
JP2003503510A (ja) * | 1998-08-28 | 2003-01-28 | フオスター・ミラー・インコーポレイテツド | 電気化学的用途での使用に好適な新規なイオン伝導性材料およびそれに関連する方法 |
JP2003086188A (ja) * | 2001-06-27 | 2003-03-20 | Basf Ag | 燃料電池 |
JP2003183526A (ja) * | 2001-12-25 | 2003-07-03 | Jsr Corp | ポリアリーレン系重合体組成物およびプロトン伝導膜 |
JP2003201352A (ja) * | 2002-01-08 | 2003-07-18 | Honda Motor Co Ltd | 高分子電解質膜、該高分子電解質膜を備える膜電極構造体及び該膜電極構造体を備える固体高分子型燃料電池 |
JP2005190752A (ja) * | 2003-12-25 | 2005-07-14 | Nissan Motor Co Ltd | 燃料電池用膜電極接合体及びそれを用いた固体高分子形燃料電池 |
-
2004
- 2004-12-02 JP JP2004349842A patent/JP4876389B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003503510A (ja) * | 1998-08-28 | 2003-01-28 | フオスター・ミラー・インコーポレイテツド | 電気化学的用途での使用に好適な新規なイオン伝導性材料およびそれに関連する方法 |
JP2001118591A (ja) * | 1999-10-19 | 2001-04-27 | Toyota Central Res & Dev Lab Inc | 高耐久性固体高分子電解質 |
JP2003086188A (ja) * | 2001-06-27 | 2003-03-20 | Basf Ag | 燃料電池 |
JP2003183526A (ja) * | 2001-12-25 | 2003-07-03 | Jsr Corp | ポリアリーレン系重合体組成物およびプロトン伝導膜 |
JP2003201352A (ja) * | 2002-01-08 | 2003-07-18 | Honda Motor Co Ltd | 高分子電解質膜、該高分子電解質膜を備える膜電極構造体及び該膜電極構造体を備える固体高分子型燃料電池 |
JP2005190752A (ja) * | 2003-12-25 | 2005-07-14 | Nissan Motor Co Ltd | 燃料電池用膜電極接合体及びそれを用いた固体高分子形燃料電池 |
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007069504A1 (en) * | 2005-12-15 | 2007-06-21 | Nissan Motor Co., Ltd. | Fuel, fuel cell system, fuel cell vehicle and operating method for fuel cell system |
US9112196B2 (en) | 2005-12-15 | 2015-08-18 | Nissan Motor Co., Ltd. | Fuel, fuel cell system, fuel cell vehicle and operating method for fuel cell system |
JP2007247515A (ja) * | 2006-03-15 | 2007-09-27 | Honda Motor Co Ltd | 内燃機関 |
US7989115B2 (en) | 2007-12-14 | 2011-08-02 | Gore Enterprise Holdings, Inc. | Highly stable fuel cell membranes and methods of making them |
US8241814B2 (en) | 2007-12-14 | 2012-08-14 | W. L. Gore & Associates, Inc. | Highly stable fuel cell membranes and methods of making them |
JP2010234250A (ja) * | 2009-03-31 | 2010-10-21 | Daikin Ind Ltd | 含フッ素有機化合物の分解方法 |
JP5716677B2 (ja) * | 2009-12-25 | 2015-05-13 | Jsr株式会社 | 水素燃料型燃料電池 |
JP2014234445A (ja) * | 2013-05-31 | 2014-12-15 | 旭化成イーマテリアルズ株式会社 | 高分子電解質組成物、並びに、それを用いた、高分子電解質膜、電極触媒層、膜電極接合体、及び固体高分子型燃料電池 |
JP2022535462A (ja) * | 2019-07-08 | 2022-08-08 | コーロン インダストリーズ インク | 高分子電解質膜、その製造方法、及びそれを含む電気化学装置 |
JP7271729B2 (ja) | 2019-07-08 | 2023-05-11 | コーロン インダストリーズ インク | 高分子電解質膜、その製造方法、及びそれを含む電気化学装置 |
US11817608B2 (en) | 2019-07-08 | 2023-11-14 | Kolon Industries, Inc. | Polymer electrolyte membrane, manufacturing method therefor, and electrochemical device comprising same |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4876389B2 (ja) | 2012-02-15 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US8252481B2 (en) | Fuel cell system and solid polymer electrolyte film | |
US7799485B2 (en) | Fuel cell system and composition for electrode | |
JP5233069B2 (ja) | 燃料電池システム及び燃料電池車両 | |
Bartrom et al. | The direct formate fuel cell with an alkaline anion exchange membrane | |
JP5205694B2 (ja) | 燃料、燃料電池システム及び燃料電池車輌 | |
BRPI0710697A2 (pt) | célula de combustìvel | |
Muneeb et al. | An ascorbate fuel cell with carbon black nanoparticles as anode and cathode | |
JP4876389B2 (ja) | 固体高分子型燃料電池用電解質、固体高分子型燃料電池、固体高分子型燃料電池システム及び燃料電池車両 | |
Yamazaki et al. | A direct CO polymer electrolyte membrane fuel cell | |
JP4677438B2 (ja) | 燃料組成物及びそれを利用する燃料電池 | |
JP4830357B2 (ja) | 固体高分子型燃料電池システム及び燃料電池車両 | |
JP4876407B2 (ja) | 固体高分子型燃料電池用電解質、固体高分子型燃料電池、固体高分子型燃料電池システム及び燃料電池車両 | |
JP4910310B2 (ja) | 電極用組成物、電極、空気極用組成物、燃料電池用空気極、燃料電池、燃料電池システム及び燃料電池車両 | |
Mirle et al. | On Capacity Upgradation and In Situ Capacity Rebalancing in Anthrarufin-Based Alkaline Redox Flow Batteries | |
JP5002928B2 (ja) | 燃料電池システム | |
JP5023475B2 (ja) | 電極システム、燃料電池、燃料電池システム、家電機器、携帯機器及び輸送用機器 | |
JP2007332371A (ja) | 触媒性を備えた液体燃料 | |
Ohyama et al. | Improvement of anode oxidation reaction of a fuel cell using ammonium formate with Pt‐Ir catalysis | |
JP2007227126A (ja) | 燃料電池システム、燃料電池の触媒層の製造方法、家電機器、携帯機器及び輸送用機器 | |
JP2007323981A (ja) | 燃料電池 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20071029 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110614 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110624 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110823 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20111005 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20111101 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20111114 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141209 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |