JP4876407B2 - 固体高分子型燃料電池用電解質、固体高分子型燃料電池、固体高分子型燃料電池システム及び燃料電池車両 - Google Patents

固体高分子型燃料電池用電解質、固体高分子型燃料電池、固体高分子型燃料電池システム及び燃料電池車両 Download PDF

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Description

この発明は、固体高分子型燃料電池用電解質、固体高分子型燃料電池、固体高分子型燃料電池システム及び燃料電池車両に関する。
昨今のエネルギー資源問題、CO排出に伴う地球温暖化問題の解決する手段として、燃料電池技術が注目されている。燃料電池は電池内で水素、メタノール、又はその他の炭化水素等の燃料を電気化学的に酸化することにより、燃料の化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換して取り出すものである。このため、燃料電池は、火力発電、自動車などの内燃機関において燃料の燃焼によるNOやSOなどの発生がなく、クリーンな電気エネルギー源として着目されている。
燃料電池にはいくつかの種類がある。中でも固体高分子型燃料電池(PEFC)が最も注目され開発が進められている。PEFCは、(1)低温作動性であるため起動・停止が容易、(2)理論電圧や理論変換効率が高い、(3)電解質に液相が存在しないためセル構造が縦型などの柔軟な設計が可能である、(4)イオン交換膜/電極界面では三相界面の制御により電流を多く取り出せることができ高出力密度が得られる、などの様々な利点を有している。
しかし、PEFCは最も注目されているにも拘らず、未だ多くの課題が山積みされている。中でも高分子電解質膜の技術は最重要課題の一つである。現在、最も広く使われている電解質膜であり、米国デュポン社から市販されているナフィオン(登録商標)膜に代表されるフッ素系電解質膜であるパーフルオロスルホン酸系ポリマーは、燃料電池の正極(空気極)で発生する活性酸素に対して耐性をもつ膜として開発された経緯がある。しかし、長期に渡る耐久試験において、まだ十分な耐性があるとは言えない状況である(非特許文献1参照。)。
燃料電池の作動原理は、負極(燃料極)でのH酸化と、正極(酸素極)での分子状酸素(O)の4電子還元による水の生成という2つの電気化学的過程から成り立っている。
負極側:H→2H+2e・・・式(1)
正極側:(1/2)O+2H+2e→HO ・・・式(2)
しかしながら、実際の燃料電池では、これらの反応の他に副反応が同時に起こっている。その代表的なものは、正極におけるOの2電子還元による過酸化水素(H)の生成である。
正極側:O+2H+2e→H ・・・式(3)
過酸化水素は酸化力は弱いが、安定していて寿命が長い。過酸化水素は以下に示す反応式(4)、(5)に従って分解する。分解の際に生成するラジカルは非常に強い酸化力を有しており、電解質膜として使用されているパーフルオロスルホン化ポリマーが長期の使用により分解される可能性がある。
→2・OH ・・・式(4)
→・H+・OOH ・・・式(5)
ここに示した式(4)及び(5)の反応は、例えばFe2+、Cu2+などの金属イオンの存在下ではハーバーワイス(Haber-Weiss)反応となる。ハーバーワイス反応では、過酸化水素は金属イオンなどの触媒作用によりヒドロキシラジカル(・OH)に変化する。ヒドロキシラジカルは、活性酸素の中で最も反応性に富み、酸化力が非常に強いことが知られている。なお、金属イオンが鉄イオンの場合には、ハーバーワイス反応は下式(6)に示すフェントン(Fenton)反応として知られている。
Fe2++H→Fe3++OH+・OH ・・・式(6)
このように、電解質膜中に金属イオンが混入すると、電解質膜の中で、ハーバーワイス反応により過酸化水素がヒドロキシラジカルへと変化し、このヒドロキシラジカルにより電解質膜が劣化するおそれがある(非特許文献1参照。)。
そこで、過酸化水素のラジカル化を阻止する方法として、例えば、フェノール性水酸基を有する化合物などの過酸化物ラジカルをトラップして不活性化する化合物を電解質膜に配合する方法が提案されている(特許文献1、及び特許文献2参照。)。また、フェノール化合物、アミン化合物、イオウ化合物、燐化合物等を酸化防止剤として電解質膜に配合することにより、発生したラジカルを消去する方法が提案されている(特許文献3参照。)。更に、炭素−フッ素結合より小さい結合エネルギーを有する分子を電解質膜に隣接するように配置された触媒層に含有させ、この分子がヒドロキシラジカルに対して優先的に反応することにより電解質膜を保護する方法が提案されている(特許文献4参照。)。
特開2001−118591号公報 特開2000−223135号公報 特開2004−134269号公報 特開2003−109623号公報 新エネルギー・産業技術総合開発機構 委託先 京都大学工学研究科,「平成13年度成果報告書、固体高分子形燃料電池の研究開発、固体高分子形燃料電池の劣化要因に関する研究、劣化要因に関する基礎研究(1)電極触媒/電解質界面の劣化要因」,平成14年3月,p.13、24
しかしながら、過酸化物ラジカルを不活性化する化合物は、ヒドロキシラジカルを還元することにより、化合物自体は酸化されることで消費されて過酸化物ラジカルを不活性化する機能を失う。このため、長期に渡って過酸化物を不活性化することが困難である。また、ヒドロキシラジカルが発生する可能性が最も高い正極の三相界面付近には酸素及び電極触媒である白金が存在して化合物が酸化されやすい環境であるため、上記のように電解質膜に酸化を防止する化合物を含有させるだけの方法では、その化合物もヒドロキシラジカルの有無に関わらず酸化されて消失する可能性があり効率が悪い。さらに、化合物がヒドロキシラジカルとの反応により不安定なラジカルまたは過酸化物となって新たな酸化反応のイニシエータとなり、電解質膜劣化を引き起こす可能性がある。また、燃料電池用に開発されている炭化水素系電解質膜は、フッ素系電解質膜よりも酸化により劣化しやすい。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、第1の発明である固体高分子型燃料電池用電解質は、標準酸化還元電位が、0.68[V]〜1.00[V]の範囲にある可逆的な酸化還元サイクルを有する化合物を有することを要旨とする。
また、第2の発明である固体高分子型燃料電池は、上記第1の発明に係る固体高分子型燃料電池用電解質のうち少なくともいずれか一つを用いたことを要旨とする。
更に、第3の発明である固体高分子型燃料電池システムは、上記第2の発明に係る固体高分子型燃料電池を備えることを要旨とする。
そして、第4の発明である燃料電池車両は、上記第3の発明に係る固体高分子型燃料電池システムが搭載されていることを要旨とする。
第1の発明によれば、固体高分子型燃料電池用電解質中に含まれた化合物は、ヒドロキシラジカルの酸化還元電位よりも低い電位で還元剤として働き、かつ、過酸化水素が還元剤として働く酸化還元電位よりも高い電位で酸化剤として働く酸化還元サイクルを有するため、活性酸素を分解する触媒として作用する。また、この化合物は、活性酸素を分解した後に化合物が有する酸化還元サイクルにより元の型に戻るため、何度も利用することができる。このため、耐久性能が維持された固体高分子型燃料電池用電解質を実現することが可能となる。
第2の発明によれば、耐久性能が維持された固体高分子型燃料電池を実現することが可能となる。
第3の発明によれば、長時間にわたり性能が維持された固体高分子型燃料電池システムを実現することができる。
第4の発明によれば、長時間の連続運転に耐えうる燃料電池車両を実現することができる。
以下、本発明の実施の形態に係る固体高分子型燃料電池用電解質、固体高分子型燃料電池、固体高分子型燃料電池システム及び燃料電池車両の詳細を実施の形態に基づいて説明する。
まず、本発明の実施の形態に係る固体高分子型燃料電池用電解質の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る固体高分子型燃料電池用電解質は、標準酸化還元電位が、0.68[V]〜1.00[V]の範囲にある化合物を有することを特徴とする。
上記式(2)で示した酸素の4電子還元の副反応により、活性酸素が発生する。この活性酸素としては、酸素1電子還元体であるスーパーオキシド(O )、スーパーオキシドの共役酸であるヒドロペルオキシラジカル(・OOH)、2電子還元体である過酸化水素(H)、酸素の3電子還元体であるヒドロキシラジカル(・OH)が存在し、その発生メカニズムはそれぞれ下式(7)〜(11)に示す素反応過程を経由すると考えられる。
+e→O ・・・式(7)
+H→・OOH ・・・式(8)
+2H+2e→2H ・・・式(9)
+H+e→HO+・OH ・・・式(10)
→2・OH ・・・式(11)
発生した活性酸素は、下式(12)〜(14)に示す素反応により最終的には水に還元されると考えられる。なお、Eは標準酸化還元電位(Normal Hydrogen Electrode;NHE)で表している。
・OOH+H+e→H=1.50[V] ・・・式(12)
+2H+2e→2HO E=1.77[V] ・・・式(13)
・OH+H+e→HO E=2.85[V] ・・・式(14)
ここで問題となるのは、酸化還元電位が高い、即ち、酸化力が強いヒドロキシラジカルである。ヒドロペルオキシラジカル及び過酸化水素は、共に、水に還元される過程でヒドロキシラジカルを経由する可能性がある。ヒドロキシラジカルは、酸化還元電位が2.85[V]と高く、その酸化力の強さやラジカルとしての反応性の高さにより寿命が短く、速やかに還元しないと他の分子と反応する。燃料電池で問題となっている種々の酸化による劣化のほとんどが、ヒドロキシラジカルを経由していると考えられており、上記したように電解質膜もヒドロキシラジカルにより分解されると考えられている。
ここで、図1に、ヒドロキシラジカル、酸素、過酸化水素及び水素等の酸化還元電位を示す。この図の右欄は還元剤の酸化半反応式を示し、左欄は酸化剤の還元半反応式を示す。縦軸は酸化還元電位を示し、上に行くほど酸化還元電位が高くなっている。つまり、上に位置するほど酸化力が強く酸化され難いことを示している。そして、下に位置するほど酸化力が弱く酸化され易いことを示している。なお、半反応式の後の括弧内に示されている数値は、酸化剤又は還元剤として作用する化合物の酸化還元電位である。なお、酸化還元電位はpHや温度によって影響を受けるため、図1では標準水素電極(NHE)に補正した標準酸化還元電位を記載している。電解質中にヒドロキシラジカルの酸化還元電位よりも低い電位で還元剤として働き、かつ、過酸化水素が還元剤として働く酸化還元電位よりも高い電位で酸化剤として働く酸化還元サイクルを有する化合物が含まれている場合、つまり化合物の酸化還元電位が0.68[V]〜2.85[V](vs.NHE)の範囲にある場合には、この化合物が触媒として作用し、ヒドロキシラジカルや過酸化水素などの活性酸素を分解する。
過酸化水素は上式(13)及び下式(15)に示すように、過酸化水素よりも酸化還元電位の高い物質に対しては還元剤として働く一方、過酸化水素よりも酸化還元電位の低い物質に対しては酸化剤として働くことが知られている。
→O+2H+2e=0.68[V] ・・・式(15)
0.68[V]以上の酸化還元電位を有する化合物が電解質膜中に含まれている場合には、過酸化水素は化合物に対して還元剤として作用し、過酸化水素がこの化合物により酸化されて酸素に分解される。一方、電解質膜に含まれる化合物の酸化還元電位が2.85[V]以下の場合には、この化合物がヒドロキシラジカルに対する還元剤として作用し、ヒドロキシラジカルが水へと還元分解される。なお、電解質膜としてフッ素系膜を使用する場合には、このフッ素系電解質膜は酸化還元電位が2.8[V]以上の化合物により酸化される性質を有するため、電解質膜に含まれる化合物によって電解質膜が酸化される問題はほとんどない。一方、電解質膜として炭化水素系電解質膜を使用する場合には、代表的な有機化合物で代用して考えてみると、ベンゼンでは2.00[V]、トルエンで1.93[V]、キシレンでは1.58[V]の電位で酸化されるため、電解質膜に含まれる化合物の酸化還元電位が高いと炭化水素系電解質膜が酸化される可能性がある。このため、電解質膜に含まれる化合物の酸化還元電位の上限を1.00[V]以下とすることにより、電解質膜が炭化水素系膜の場合であっても電解質膜が酸化されることがなく、効果的に過酸化水素及びヒドロキシラジカルの分解が可能となる。
そこで、本実施の形態に係る固体高分子型燃料電池用電解質では、標準酸化還元電位が、0.68[V]〜1.00[V](vs.NHE)の範囲にある化合物を有するため、ヒドロキシラジカル及び過酸化水素は電解質膜を酸化することなく、電解質膜中に含まれている化合物の触媒作用により分解する。また、この活性酸素を分解する触媒作用を有する化合物は、活性酸素を分解した後に化合物の酸化還元サイクルにより酸化体及び還元体をとるため、何度でも利用することができる。このため、耐久性能が維持された固体高分子型燃料電池用電解質を実現することが可能となる。なお、各化合物の実際の酸化還元電位(Real Hydrogen Electrode;RHE)はpH、温度などの諸条件によって変化するため、各条件に沿った範囲のものを用いることが好ましい。また、長期に渡って耐久性能を維持するためには、この化合物の酸化体及び還元体が比較的安定な化合物であることがより好ましい。ただし、電極に用いられている白金への被毒を考慮すると、本実施の形態に係る固体高分子型燃料電池用電解質に用いる化合物は、炭素、水素、酸素及び窒素のみで構成された有機化合物であることが好ましい。
また、この化合物が、下記の一般式(I)
Figure 0004876407
(式中、Xは酸素原子又はヒドロキシル基を表す。Y1及びY2は同一又は異なり、それぞれアルキル基、アリール基、アルコキシ基及び水素原子を含む置換基からなる群から選択さる一種の置換基である。Y1及びY2がアルキル基又はアルコキシ基の場合には、一部が任意の基で置換されたアルキル基又はアルコキシル基、不飽和アルキル基又はアルコキシ基であってもよく、これらの基は鎖状、環状又は分岐状であってもよく、Y1及びY2が酸素及び窒素原子含んでもかまわない。Y1及びY2がアリール基の場合には、一部が任意の基で置換されたアリール基であってもよく、Y1及びY2が環を形成していてもよく、酸素及び窒素原子含んでもかまわない。)で示される化合物であることが好ましい。
この化合物は、下式(16)、(17)に示す素反応により、酸化還元することが知られている。
>NOH→>NO・+H+e ・・・式(16)
>N=O+e→>NO・ ・・・式(17)
図2に、一般式(I)で示した化合物とそのラジカル体を示し、酸化体と還元体との間でサイクルがまわることにより、長期に渡りヒドロキシラジカルや過酸化水素を分解するメカニズムを表す。図2(a)は、N−ヒドロキシイミド誘導体(還元体)とそのラジカル体(酸化体)の酸化還元サイクルを示し、図2(b)は、N−オキシル誘導体(酸化体)とそのラジカル体(還元体)の酸化還元サイクルを示す。
図2(a)において、N−ヒドロキシイミド誘導体の還元体は、ヒドロキシラジカルに対して還元剤として作用し、電解質膜内で発生したヒドロキシラジカルに水素ラジカル(H・)を供給して水へ還元する。
>NOH+・OH→>NO・+HO ・・・式(18)
一方、N−ヒドロキシイミド誘導体の酸化体は、過酸化水素に対して酸化剤として作用して水素を引き抜き、過酸化水素を酸素へと酸化して還元体の形に回復する。
2>NO・+H→2>NOH+O ・・・式(19)
還元体に回復した化合物は、再びヒドロキシラジカルを還元する。このようにして、N−ヒドロキシイミド誘導体が還元体と酸化体との間で酸化還元サイクルがまわると同時に、ヒドロキシラジカルや過酸化酸素が分解し、電解質の酸化を防止することができる。
また、図2(b)において、N−オキシル誘導体の還元体は、ヒドロキシラジカルに対して還元剤として作用し、電解質膜内で発生したヒドロキシラジカルに電子(e)を供給してOHへ還元する。
>NO・+・OH→>N=O+OH ・・・式(20)
一方、N−オキシル誘導体の酸化体は、過酸化水素に対して酸化剤として作用して水素を引き抜き、過酸化水素を酸素へと酸化して還元体の形に回復する。
2>N=O+H→2>NO・+2H+O ・・・式(21)
還元体に回復した化合物は、再びヒドロキシラジカルを還元する。このようにして、N−オキシル誘導体が還元体と酸化体との間で酸化還元サイクルがまわると同時に、ヒドロキシラジカルや過酸化酸素を分解し、電解質の酸化を防止することができる。
なお、一般式(I)で表される化合物において、置換基Y1及びY2がアルキル基の場合には、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、デシル基などの炭素数1〜10程度の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基があげられる。好ましくは炭素数1〜6程度、より好ましくは炭素数1〜4程度の低級アルキル基があげられる。
また、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基などがあげられ、シクロアルキル基としては、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル基などがあげられる。アルコキシ基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ基などの炭素数1〜10程度、好ましくは炭素数1〜6程度、より好ましくは炭素数1〜4程度の低級アルコキシ基があげられる。
アルコキシ基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ基などの炭素数1〜10程度、好ましくは炭素数1〜6程度、より好ましくは炭素数1〜4程度の低級アルコキシ基があげられる。また、任意の基としては、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボニル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、ニトロ基、シアノ基及びアミノ基等があげられる。
また、一般式(I)で示される化合物が、下記の一般式(II)
Figure 0004876407
(式中、R1及びR2はアルキル基、又は一部が任意の基で置換されたアルキル基であり、R1及びR2は鎖状、環状、又は分岐状でもよい。R1及びR2が互いに結合して環を形成していてもよく、酸素及び窒素原子含んでもかまわない。)で示される化合物であることが好ましい。この一般式(II)で表される化合物において、置換基R1及びR2として、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、デシル基などの炭素数1〜10程度の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基があげられる。好ましくは炭素数1〜6程度、より好ましくは炭素数1〜4程度の低級アルキル基があげられる。
さらに、一般式(II)で示される化合物が、下記の一般式(III)
Figure 0004876407
(式中、R1〜R4はアルキル基、又は一部が任意の基で置換されたアルキル基であり、R1〜R4は鎖状、環状、又は分岐状であってもよい。また、R1とR2、又はR3とR4とが互いに結合して環を形成していてもよく、酸素及び窒素原子含んでもかまわない。)で示される化合物であることが好ましい。この一般式(III)で表される化合物において、置換基R1〜R4として、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、デシル基などの炭素数1〜10程度の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基があげられる。好ましくは炭素数1〜6程度、より好ましくは炭素数1〜4程度の低級アルキル基があげられる。
また、一般式(III)で示される化合物が、下記の一般式(IV)
Figure 0004876407
(式中環Yは、Y1とY2とが結合して5員環又は6員環のいずれかの環を形成している。)で示される化合物であることが好ましい。このような環としては、例えば、例えばシクロヘキサン環に代表されるシクロアルカン環、シクロヘキセン環に代表されるシクロアルケン環などの非芳香族性炭化水素環、5−ノルボルネン環に代表される橋かけ式炭化水素環など非芳香族性橋かけ環、ベンゼン環、ナフタレン環などの芳香環が含まれる。なお、これらの環は、置換基を有していても良い。
さらに、一般式(IV)で示される化合物が、下記の一般式(V)
Figure 0004876407
(式中、Zはアルキル基、アリール基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基及び水素原子を含む置換基からなる群から選択さる一種の置換基を示す。Zがアルキル基の場合には、一部が任意の基で置換されたアルキル基であってもよく、一部の基が鎖状、環状、または分岐状であってもよく、酸素及び窒素原子含んでもかまわない。Zがアリール基の場合には、一部が任意の基で置換されたアリール基であってもよく、酸素及び窒素原子含んでもかまわない。)で示される化合物であることが好ましい。
置換基Zにおいて、アルキル基には前述のアルキル基と同様のアルキル基のうち特に炭素数1〜6程度のアルキル基が含まれ、アリール基としてはフェニル基、ナルチル基があげられる。アルコキシ基としては、前述のアルキル基と同様のアルコキシ基のうち特に炭素数1〜6程度のアルコキシ基が含まれ、カルボキシル基としては、例えば、炭素数1〜4程度のカルボキシル基があげられる。アルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニル基などのアルコキシ部分の炭素数が1〜10程度のアルコキシカルボニル基があげられる。好ましくはアルコキシ部分の炭素数が1〜6程度、より好ましくは炭素数が1〜4程度の低級アルコキシカルボニル基があげられる。
この一般式(V)で示される化合物の一例として、TEMPO(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル)があげられる。TEMPO及び一般式(V)で示される化合物の例を図3に示す。図3(i)に示すTEMPOは、可逆的な酸化還元サイクルを有するN−ヒドロキシイミド誘導体であり、下式(22)、(23)に示す素反応により酸化還元し、その酸化還元電位は0.81[V]である。
TEMPO+e→TEMPO E=0.81[V] ・・・式(22)
TEMPO→TEMPO+e=0.81[V] ・・・式(23)
TEMPOの酸化還元電位は過酸化水素の酸化還元電位より高く、ヒドロキシラジカルの酸化還元電位より低い。このため、TEMPOは過酸化水素に対して酸化剤として作用して過酸化水素を酸素へと酸化し、ヒドロキシラジカルに対して還元剤として作用してヒドロキシラジカルを水へ還元する。
また、一般式(IV)で示される化合物が、下記の一般式(VI)
Figure 0004876407
(式中、Zはアルキル基、アリール基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基及び水素原子を含む置換基からなる群から選択さる一種の置換基を示す。Zがアルキル基の場合には、一部が任意の基で置換されたアルキル基であってもよく、一部の基が鎖状、環状、または分岐状であってもよく、酸素及び窒素原子含んでもかまわない。Zがアリール基の場合には、一部が任意の基で置換されたアリール基であってもよく、酸素及び窒素原子含んでもかまわない。)で示される化合物であってもよく、一般式(IV)で示される化合物が、下記の一般式(VII)
Figure 0004876407
(式中、Zはアルキル基、アリール基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基及び水素原子を含む置換基からなる群から選択さる一種の置換基を示す。Zがアルキル基の場合には、一部が任意の基で置換されたアルキル基であってもよく、一部の基が鎖状、環状、または分岐状であってもよく、酸素及び窒素原子含んでもかまわない。Zがアリール基の場合には、一部が任意の基で置換されたアリール基であってもよく、酸素及び窒素原子含んでもかまわない。)で示される化合物であってもよい。化合物が一般式(VI)又は一般式(VII)で示される場合、各置換基は上記一般式(V)で示される化合物の置換基と同様のものが使用可能である。
また、一般式(IV)及び一般式(VII)で示される化合物の例を図4〜図6に示す。一般式(IV)及び一般式(VII)で示される化合物の一例として、PROXYL(2,2,5,5-テトラメチルピロリジン-1-オキシル)や、DOXYL(4, 4-ジメチルオキサゾリジン-3-オキシル)があげられる。これらの化合物もTEMPO同様に可逆的な酸化還元サイクルを有し、その酸化還元電位は0.68[V]〜1.00[V]の範囲にある。このため、これらの化合物も過酸化水素に対して酸化剤として作用して過酸化水素を酸素へと酸化し、ヒドロキシラジカルに対して還元剤として作用してヒドロキシラジカルを水へ還元する。
なお、このような触媒作用を有する化合物を選択するにあたり重要なことは、化合物の安定性、耐久性、耐熱性及び電解質膜への溶解性である。特に、化合物の安定性及び耐久性は、燃料電池を長期に渡って使用する場合において、また、活性酸素を分解し続ける意味において最も重要である。また、燃料電池の定常状態の運転温度を80〜90[℃]、将来電解質膜の耐熱性が向上することを考慮すると、電解質膜は120[℃]ほどの温度下であっても十分耐えうる耐熱性を有する必要がある。また、この化合物を電解質膜へ均一に溶解するためには難溶でもかまわないが、水に対して溶解することが必要である。化合物が水に対して不溶となると、電解質膜内で析出して水素ラジカルの出入りまたは電子の授受が困難となり、ヒドロキシラジカルや過酸化水素などの活性酸素を分解する効果が十分に発揮されない。また、必要に応じて有機溶媒を単独、または水との混合溶媒として用いることもできるが、この場合には発電性能に影響を与えないことを予め確認するように注意する。
このように、本発明の実施の形態に係る固体高分子型燃料電池用電解質では、標準酸化還元電位が、0.68[V]〜1.00[V]の範囲にある化合物が活性酸素を分解する触媒として作用する。また、この化合物は、活性酸素を分解した後に化合物が有する酸化還元サイクルにより元の型に戻るため、何度も利用することができる。このため、耐久性能が維持された固体高分子型燃料電池用電解質を実現することが可能となる。
なお、本発明の実施の形態に係る固体高分子型燃料電池用電解質は、固体高分子型燃料電池の電解質膜として使用することができる。この場合、プロトン伝導型の高分子電解質膜を用いる燃料電池であれば燃料の種類に限定されることはなく、水素型固体高分子燃料電池、ダイレクトメタノール型固体高分子燃料電池、ダイレクト炭化水素型固体高分子燃料電池等のいずれの燃料電池に用いることが可能である。
また、本発明の実施の形態に係る固体高分子型燃料電池は、プロトン伝導型の高分子電解質膜を用いる燃料電池システムに用いることが可能であり、その用途としては、燃料電池車両に限定されることは無く、燃料電池コージェネレーション発電システム、燃料電池家電機器、燃料電池携帯機器、燃料電池輸送用機器に適用することが可能である。
以下、実施例1〜実施例14及び比較例1〜比較例8により本発明の実施の形態に係る固体高分子型燃料電池用電解質を更に具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。これらの実施例は、本発明に係る固体高分子型燃料電池用電解質の有効性を調べたものであり、異なる原料にて調整した固体高分子型燃料電池用電解質の例を示したものである。
<試料の調製>
実施例1〜比較7、比較例1〜4では、炭化水素系電解質膜としてスルホン化ポリエーテルスルホン(S−PES)膜を用いた。S−PES膜は、新エネルギー・産業技術総合開発機構 平成14年度成果報告書 「固体高分子形燃料電池システム技術開発事業 固体高分子形燃料電池要素技術開発等事業 固体高分子形燃料電池用高耐久性炭化水素系電解質膜の研究開発」P31に記載されている相当品を入手し、これを用いた。
(実施例1)
S−PES膜(厚さ150[μm])を1[cm]角に切り出して用いた。S−PES膜の前処理は、蒸留水中1[時間]煮沸し、続いて、1[M]硫酸水溶液中で1[時間]煮沸し、最後に蒸留水中で1[時間]煮沸の順に行った。次に、前処理を施したS−PES膜に活性酸素を分解する化合物として、図3(ii)に示す4−ヒドロキシ−TEMPO(Aldrich社)を0.5[mM]加えた後、30[%]過酸化水素水(和光純薬特級)を超純水で希釈して調整した0.5[%]過酸化水素10[cm]中に80[℃]で24[時間]浸漬し、過酸化水素に対する耐久性の評価に用いた。
(実施例2)
実施例2では、活性酸素を分解する化合物として、4−ヒドロキシ−TEMPOの代わりに図3(ii)に示す4−カルボキシ−TEMPO(Aldrich社)0.5[mM]を加えたものを実施例2とした。その他の処理は実施例1と同様とした。
(実施例3)
実施例3では、活性酸素を分解する化合物として、図3(i)に示すTEMPO(Aldrich社)0.5[mM]を加えたものを実施例3とした。その他の処理は実施例1と同様とした。
(実施例4)
実施例4では、活性酸素を分解する化合物として、図4(xiii)に示す3−カルバモイル−PROXYL(Aldrich社)0.5[mM]を加えたものを実施例4とした。その他の処理は実施例1と同様とした。
(実施例5)
実施例5では、活性酸素を分解する化合物として、図4(xiv)に示す3−カルボキシ−PROXYL(Aldrich社)0.5[mM]を加えたものを実施例5とした。その他の処理は実施例1と同様とした。
(実施例6)
実施例6では、活性酸素を分解する化合物として、図4(xv)に示す3−カルバモイル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−イルオキシ(Aldrich社)0.5[mM]を加えたものを実施例6とした。その他の処理は実施例1と同様とした。
(実施例7)
実施例7では、活性酸素を分解する化合物として、図4(xx)に示すジ−t−ブチルニトロキシド(Aldrich社)0.5[mM]を加えたものを実施例7とした。その他の処理は実施例1と同様とした。
(比較例1)
比較例1では、実施例1と同様の方法で前処理を施したS−PES膜に活性酸素を分解する化合物を加えないものを、比較例1とした。その他の処理は実施例1と同様とした。
(比較例2)
比較例2では、活性酸素を分解する化合物としてN−ヒドロキシ−フタル酸イミド(NHPI:Aldrich社)を0.5[mM]を加えたものを比較例2とした。その他の処理は実施例1と同様とした。
(比較例3)
比較例3では、活性酸素を分解する化合物としてN−ヒドロキシ−マレイン酸イミド(NHMI:Aldrich社)を0.5[mM]を加えたものを比較例3とした。その他の処理は実施例1と同様とした。
(比較例4)
比較例4では、活性酸素を分解する化合物としてN−ヒドロキシ−コハク酸イミド(NHSI:Aldrich社)を0.5[mM]を加えたものを比較例4とした。その他の処理は実施例1と同様とした。
実施例8〜実施例14及び比較例5〜比較例8では、フッ素系電解質膜としてデュポン社のナフィオン(登録商標)117膜(厚さ175[μm])を、1[cm]角に切り出して用いた。ナフィオン(登録商標)膜の前処理は、NEDO PEFC R&Dプロジェクト標準処理に従い、3[%]過酸化水素水中で1[時間]煮沸した後、蒸留水中1[時間]煮沸し、続いて、1[M]硫酸水溶液中で1[時間]煮沸し、最後に蒸留水中で1[時間]煮沸の順に行った。なお、フッ素系電解質膜は炭化水素系膜に比べて耐性が強いため、過酸化水素耐久試験において劣化を促進する目的で、前処理を施したナフィオン(登録商標)膜を100[mM]のFeSO水溶液に一晩以上浸漬した後、蒸留水中で15[分間]超音波洗浄を用い、膜に付着したイオンを取り除くことにより、ナフィオン(登録商標)の対イオンをHからFe2+に交換した。試薬は、和光純薬特級FeSO・7HOを用いた。
(実施例8)
イオン交換したナフィオン(登録商標)膜に、活性酸素を分解する化合物として、4−ヒドロキシ−TEMPO(Aldrich社)を0.5[mM]加えた後、30[%]過酸化水素水(和光純薬特級)を超純水で希釈して調整した10[%]過酸化水素10[cm]中に80[℃]で12[時間]浸漬し、評価に用いた。
(実施例9)
実施例9では、4−ヒドロキシ−TEMPOの代わりに、4−カルボキシ−TEMPO(Aldrich社)0.5[mM]を加えたものを実施例9とした。その他の処理は実施例8と同様とした。
(実施例10)
実施例10では、活性酸素を分解する化合物としてTEMPO(Aldrich社)0.5[mM]を加えたものを実施例10とした。その他の処理は実施例8と同様とした。
(実施例11)
実施例4では、活性酸素を分解する化合物として3−カルバモイル−PROXYL(Aldrich社)0.5[mM]を加えたものを実施例11とした。その他の処理は実施例8と同様とした。
(実施例12)
実施例12では、活性酸素を分解する化合物として3−カルボキシ−PROXYL(Aldrich社)0.5[mM]を加えたものを実施例12とした。その他の処理は実施例8と同様とした。
(実施例13)
実施例13では、活性酸素を分解する化合物として3−カルバモイル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−イルオキシ(Aldrich社)0.5[mM]を加えたものを実施例13とした。その他の処理は実施例8と同様とした。
(実施例14)
実施例14では、活性酸素を分解する化合物としてジ−t−ブチルニトロキシド(Aldrich社)0.5[mM]を加えたものを実施例14とした。その他の処理は実施例8と同様とした。
(比較例5)
比較例5では、実施例で活性酸素を分解する化合物を加えないものを、比較例5とした。その他の処理は実施例8と同様とした。
(比較例6)
比較例6では、活性酸素を分解する化合物としてNHPI(Aldrich社)を0.5[mM]を加えたものを比較例6とした。その他の処理は実施例8と同様とした。
(比較例7)
比較例7では、活性酸素を分解する化合物としてNHMI(Aldrich社)を0.5[mM]を加えたものを比較例7とした。その他の処理は実施例8と同様とした。
(比較例8)
比較例8では、活性酸素を分解する化合物としてNHSI(Aldrich社)を0.5[mM]を加えたものを比較例8とした。その他の処理は実施例8と同様とした。
ここで、上記方法にて処理したS−PES膜及びナフィオン(登録商標)膜は、以下に示す方法によって評価した。
<膜の劣化解析>
膜の劣化解析は、S−PES膜の場合には分解に伴い発生する硫酸イオン濃度を、ナフィオン(登録商標)膜の場合には膜の分解に伴い発生するフッ素イオンを測定することにより行なった。溶出イオンの検出は、上記方法にて調整した試料溶液を超純水で10倍に希釈し、希釈後の溶液をイオンクロマトグラフで測定することにより行った。イオンクロマトグラフは、ダイオネック社製(機種名 DX−AQ型)を用いた。
<酸化還元電位の測定>
実施例に用いる化合物の酸化還元電位は、作用極にグラッシーカーボン、対極に白金、参照極に飽和カロメル電極(SCE)を用い、電解液に1[M]硫酸を用いて測定した。TEMPOの測定例を図7に示す。図7では、各物質の酸化還元電位と合わせるために下式(36)に示す式により標準電位E(NHE)に補正して表示する。
(NHE)=E(SCE)+ 0.24[V] ・・・式(24)
下表1に、電解質膜としてS−PES膜を用いた実施例1〜実施例7及び比較例1〜比較例4で使用した活性酸素を分解する化合物、化合物の酸化還元電位及び過酸化水素耐久後に検出された硫酸イオンの濃度を示す。
Figure 0004876407
活性酸素を分解する化合物を入れた実施例1〜実施例7では、24時間後に検出された硫酸イオンの濃度は0.5〜0.7[ppm]であった。これに対して、活性酸素を分解する化合物を加えていない比較例1では2.5[ppm]の硫酸イオンが検出された。実施例1〜実施例7と比較例1との比較により、実施例1〜実施例7に示した化合物はいずれも活性酸素を分解し、電解質膜の酸化を防止していることがわかった。比較例2〜比較例4は、1.0[V]以上の酸化還元電位を有する化合物を加えた例である。比較例2〜比較例4で使用した化合物は、それぞれ、1.34[V]、1.35[V]、1.35[V]の酸化還元電位を有する。比較例2で使用したNHPIを一例としてあげる。NHPIは可逆的な酸化還元サイクルを有し、酸化されるとPINO(フタルイミド−N−オキシル)となり、PINOは還元されるとNHPIにもどる。NHPI及びPINOは、1.34[V]の酸化還元電位を有している。
NHPI→PINO+H+e=1.34[V] ・・・式(25)
PINO+H+e→NHPI E=1.34[V] ・・・式(26)
この酸化還元電位はS−PES膜を酸化する電位であるため、電解質膜であるS−PES膜を分解する。このため、比較例2では活性酸素を分解する化合物を含まない比較例1よりさらに多くの硫酸イオンが検出された。同様に、比較例3及び比較例4においても比較例1よりさらに多くの硫酸イオンが検出された。
次に、下表2に、電解質膜としてナフィオン(登録商標)膜を用いた実施例8〜実施例14及び比較例5〜比較例8で使用した活性酸素を分解する化合物、化合物の酸化還元電位及び過酸化水素耐久後に検出されたフッ素イオンの濃度を示す。
Figure 0004876407
活性酸素を分解する化合物を入れた実施例8〜実施例14では、24時間後に検出されたフッ素イオンの濃度は0.2〜0.4[ppm]であった。これに対して、活性酸素を分解する化合物を加えていない比較例5では1.5[ppm]のフッ素イオンが検出された。実施例8〜実施例14と比較例5との比較により、実施例8〜実施例14に示した化合物はいずれも活性酸素を分解し、電解質膜の酸化を防止していることがわかった。比較例6〜比較例8は、1.0[V]以上の酸化還元電位を有する化合物を加えた例である。比較例6〜比較例8で検出されたフッ素イオンの濃度は実施例8〜実施例14とほぼ同等の0.3〜0.4[ppm]であり、実施例8〜実施例14と同レベルの酸化防止効果を示した。これは、フッ素系電解質膜が炭化水素系電解質膜に比べて酸化耐性が強いため、加えた活性酸素を分解する化合物の酸化電位が多少高い場合であっても、電解質膜が化合物によって酸化されることが無いことが示唆された。
次に、実施例及び比較例により得られた膜をそれぞれ電解質膜とし、白金担持カーボンを電極とした燃料電池単セルを作成し、起動停止の繰り返し耐久試験を実施した。得られた電解質膜のアノード、カソードとなる面に白金担持カーボン(Cabot 社製 20wt%Pt/Vulcan XC-72)を1[mg/cm]となるように塗布して膜−電極接合体(MEA)を作製した。そして、作製したMEAを単セルの中に組み込み、PEFC用単セルとして評価に用いた。なお、単セルは5[cm]単セルとした。
ここで、起動停止繰り返し実験は、以下の方法にて行った。
<起動停止繰り返し耐久試験>
アノードガスとして70[℃]加湿水素ガス(大気圧)を、カソードガスとして70[℃]加湿酸素ガス(大気圧)を70[℃]に保った単セルに供給し、開回路状態で30[分]保持した後、試験を開始した。試験は、単セルに流速300[dm/分]のガスを流し、放電開回路状態から電流密度を増加させ、端子電圧が0.3[V]以下になるまで放電を行った。そして、端子電圧が0.3[V]以下になった後、再び開回路状態として5[分]間保持した。この操作を繰り返し行い、1[mA/cm]の電流密度で発電したときの電圧が0.4[V]以下になった回数をもって耐久性能を比較した。なお、S−PES膜はそのまま用いたが、耐久試験を促進するためにナフィオン(登録商標)膜はいずれもFe2+型に置換したものを用いた。
図8に、作製した燃料電池単セルの起動停止繰り返し耐久試験の電流−電圧曲線の初期値と、耐久後の電流−電圧曲線のグラフを示す。このグラフにおいて、1[mA/cm]の電流密度で発電したときの電圧が0.4[V]以下になった回数を判断基準とし、耐久試験後の電解質膜の劣化度合いの判定した。また、下表3に、S−PES膜を用いた実施例1〜実施例7及び比較例1〜比較例4における活性酸素を分解する化合物及び起動停止繰り返し回数を示す。
Figure 0004876407
比較例1に示すように、活性酸素を分解する化合物を加えていない場合には、起動停止繰り返し回数は50回で1[mA/cm]の電流密度で発電したときの電圧が0.4[V]以下に低下した。これに対し、活性酸素を分解する化合物を加えた実施例1〜実施例7ではいずれも起動停止繰り返し回数400回以上で電圧が0.4[V]以下となり、発電試験においても有効であることが示された。一方、1.0[V]より高い酸化還元電位を有する化合物を加えた比較例2〜比較例4では、いずれも起動停止回数が30回で電圧が0.4[V]以下となり、有効な結果は得られなかった。
次に、下表4に、ナフィオン(登録商標)膜を用いた実施例8〜実施例14及び比較例5〜比較例8における活性酸素を分解する化合物及び起動停止繰り返し回数を示す。
Figure 0004876407
比較例5に示すように、活性酸素を分解する化合物を加えていない場合には、起動停止繰り返し回数は70回で1[mA/cm]の電流密度で発電したときの電圧が0.4[V]以下に低下した。これに対し、活性酸素を分解する化合物を加えた実施例8〜実施例14ではいずれも起動停止繰り返し回数500回以上で電圧が0.4[V]以下となり、発電試験においても有効であることが示された。一方、1.0[V]より高い酸化還元電位を有する化合物を加えた比較例6〜比較例8においても、起動停止回数が500回以上で電圧が0.4[V]以下となり、電解質膜としてナフィオン(登録商標)膜を使用した場合には、活性酸素を分解する化合物の酸化還元電位が1.0[V]より高い場合にも有効であることがわかった。
以上示したように、燃料電池用に開発されているS−PES膜等の炭化水素系電解質膜に酸化還元電位が0.68[V]〜1.00[V]の範囲にある化合物を含有させて使用することにより、電解質膜の酸化劣化を抑制することが可能となり、燃料電池の耐久性能の向上が可能となった。また、この化合物は可逆的に酸化還元することにより、長期に渡りその効果を維持することが可能であることがわかった。また、この化合物は、フッ素系電解質膜を使用する場合においても電解質膜の酸化劣化を抑制することが可能であるが、酸化還元電位が0.68[V]〜1.00[V]の範囲にある化合物を使用することにより、フッ素系電解質膜だけではなく炭化水素系電解質膜の酸化を防止することが可能であることがわかった。
以上、本発明の実施の形態の形態について説明したが、上記の実施の形態の開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解するべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
ヒドロキシラジカル、酸素、過酸化水素、水素等の酸化還元電位を示す説明図である。 (a)N−ヒドロキシイミド誘導体とそのラジカル体の酸化還元サイクルを示す説明図である。(b)N−オキシル誘導体とそのラジカル体の酸化還元サイクルを示す説明図である。 電解質膜に含まれる化合物の例である。 電解質膜に含まれる化合物の別の例である。 電解質膜に含まれる化合物のさらに別の例である。 電解質膜に含まれる化合物の他の例である。 TEMPOの電極反応におけるサイクリックボルタモグラムである。 作製した燃料電池単セルの起動停止繰り返し耐久試験の電流−電圧曲線の初期値と、耐久後の電流−電圧曲線を示すグラフである。

Claims (10)

  1. 標準酸化還元電位が、0.68[V]〜1.00[V]の範囲にある可逆的な酸化還元サイクルを有する化合物を有することを特徴とする固体高分子型燃料電池用電解質。
  2. 前記化合物が、下記の一般式(I)
    Figure 0004876407

    (式中、Xは酸素原子又はヒドロキシル基を表す。Y1及びY2は同一又は異なり、それぞれアルキル基、アリール基、アルコキシ基及び水素原子を含む置換基からなる群から選択さる一種の置換基である。Y1及びY2がアルキル基又はアルコキシ基の場合には、一部が任意の基で置換されたアルキル基又はアルコキシル基、不飽和アルキル基又はアルコキシ基であってもよく、これらの基は鎖状、環状又は分岐状であってもよく、Y1及びY2が酸素及び窒素原子含んでもかまわない。Y1及びY2がアリール基の場合には、一部が任意の基で置換されたアリール基であってもよく、Y1及びY2が環を形成していてもよく、酸素及び窒素原子含んでもかまわない。)で示される化合物であることを特徴とする請求項1に記載の固体高分子型燃料電池用電解質。
  3. 前記一般式(I)で示される化合物が、下記の一般式(II)
    Figure 0004876407

    (式中、R1及びR2はアルキル基、又は一部が任意の基で置換されたアルキル基であり、R1及びR2は鎖状、環状、又は分岐状でもよい。R1及びR2が互いに結合して環を形成していてもよく、酸素及び窒素原子含んでもかまわない。)で示される化合物であることを特徴とする請求項2に記載の固体高分子型燃料電池用電解質。
  4. 前記一般式(II)で示される化合物が、下記の一般式(III)
    Figure 0004876407

    (式中、R1〜R4はアルキル基、又は一部が任意の基で置換されたアルキル基であり、R1〜R4は鎖状、環状、又は分岐状であってもよい。また、R1とR2、又はR3とR4とが互いに結合して環を形成していてもよく、酸素及び窒素原子含んでもかまわない。)で示される化合物であることを特徴とする請求項3に記載の固体高分子型燃料電池用電解質。
  5. 前記一般式(III)で示される化合物が、下記の一般式(IV)
    Figure 0004876407

    (式中環Yは、Y1とY2とが結合して5員環又は6員環のいずれかの環を形成している。)で示される化合物であることを特徴とする請求項4に記載の固体高分子型燃料電池用電解質。
  6. 前記一般式(IV)で示される化合物が、下記の一般式(V)
    Figure 0004876407

    (式中、Zはアルキル基、アリール基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基及び水素原子を含む置換基からなる群から選択さる一種の置換基を示す。Zがアルキル基の場合には、一部が任意の基で置換されたアルキル基であってもよく、一部の基が鎖状、環状、または分岐状であってもよく、酸素及び窒素原子含んでもかまわない。Zがアリール基の場合には、一部が任意の基で置換されたアリール基であってもよく、酸素及び窒素原子含んでもかまわない。)で示される化合物であることを特徴とする請求項5に記載の固体高分子型燃料電池用電解質。
  7. 前記一般式(IV)で示される化合物が、下記の一般式(VI)
    Figure 0004876407

    (式中、Zはアルキル基、アリール基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基及び水素原子を含む置換基からなる群から選択さる一種の置換基を示す。Zがアルキル基の場合には、一部が任意の基で置換されたアルキル基であってもよく、一部の基が鎖状、環状、または分岐状であってもよく、酸素及び窒素原子含んでもかまわない。Zがアリール基の場合には、一部が任意の基で置換されたアリール基であってもよく、酸素及び窒素原子含んでもかまわない。)で示される化合物であることを特徴とする請求項5に記載の固体高分子型燃料電池用電解質。
  8. 前記一般式(IV)で示される化合物が、下記の一般式(VII)
    Figure 0004876407

    (式中、Zはアルキル基、アリール基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基及び水素原子を含む置換基からなる群から選択さる一種の置換基を示す。Zがアルキル基の場合には、一部が任意の基で置換されたアルキル基であってもよく、一部の基が鎖状、環状、または分岐状であってもよく、酸素及び窒素原子含んでもかまわない。Zがアリール基の場合には、一部が任意の基で置換されたアリール基であってもよく、酸素及び窒素原子含んでもかまわない。)で示される化合物であることを特徴とする請求項5に記載の固体高分子型燃料電池用電解質。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の固体高分子型燃料電池用電解質を用いたことを特徴とする固体高分子型燃料電池。
  10. 前記固体高分子型燃料電池が水素型、ダイレクトメタノール型及びダイレクト炭化水素型の中から選択されるいずれか一種であることを特徴とする請求項9に記載の固体高分子型燃料電池。
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