JP2005190701A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 発生した水を速やかに排出でき、かつガス拡散性に優れ、電気抵抗も低い優れた燃料電池を提供すること。
【解決手段】 電解質膜の両側に触媒層とガス拡散層をそれぞれ有する燃料電池であって、該触媒層とガス拡散層との間に、導電性繊維状炭素及び疎水化繊維状炭素を含む中間層を設けたことを特徴とする燃料電池。
【選択図】図1

Description

本発明は、固体高分子電解質であるイオン交換膜と電極を用いた燃料電池に関するものである。
燃料電池は、反応生成物が水であり、地球環境への悪影響がほとんどない発電システムであり、この内、固体高分子型燃料電池(PEFC)は、高い出力密度が得られ、作動温度域が低いなどの利点から自動車搭載用や家庭用、可搬用など利用分野の拡大が期待されている。
固体高分子型燃料電池は、一般に、水素イオンを透過するイオン交換性の高分子膜(高分子電解質膜)を電解質とし、この電解質を二枚の拡散電極(カソード、アノード)で狭持した膜・電極接合体を備えており、膜・電極接合体を更に狭持するセパレータと各拡散電極との間に形成された流路に燃料としての水素ガス(DMFCの場合はメタノール溶液)と酸化剤としての空気(酸化ガス)とを供給することで、100℃以下の低温域で作動するものである。
このように、固体高分子型燃料電池では、固体高分子電解質であるイオン交換膜の両面に電極たる触媒を含む層(触媒層)を密接して配置し、更に必要により、触媒層の外側にガスを効率的に触媒層に供給するためのガス拡散層を有してなる。
ところで、触媒層は、反応によって、水が生じるが、この水により触媒表面が覆われると、触媒活性が低下することが知られている。また、発生した水により、電気抵抗が変化したり、ガスの透過性が低下する。
従って、生成水を速やかに排出することは、この型の燃料電池では重要である。
生成水排出のため、(i)触媒層が触媒成分を担持した導電性粉粒体及び繊維状炭素を含むか、及び/又は、(ii)ガス拡散層が触媒層に接するガス拡散層表面の少なくとも一部に撥水性樹脂及び繊維状炭素を含む層を有することを特徴とする燃料電池の接合体が開示されている(特許文献1参照)。
しかしながら、この発明では、高い撥水性を得ようとして撥水性樹脂量を増やすと、撥水性樹脂自体が電気絶縁性であるため、膜・電極接合体の電気抵抗が増し、かつ、このものは、殆どガスを透過しないため、ガスの拡散性が低下するおそれがある。一方、撥水性樹脂量が少ないと高い撥水性が得られず、生成水が層内に溜まり細孔を塞ぐため、ガス拡散性が低下するという問題があった。
特開2003−115302号公報
従って、本発明の目的は、このような問題点がなく、生成水を排出できる燃料電池を提供することにある。
斯かる実情に鑑み、本発明者は、鋭意研究を行った結果、触媒層とガス拡散層との間に、導電性繊維状炭素及び疎水化繊維状炭素を含む中間層を設ければ、上記問題点がなく生成水が排出できることを見出し本発明を完成した。
即ち、本発明は次のものを提供するものである。
<1>
電解質膜の両側に触媒層とガス拡散層をそれぞれ有する燃料電池であって、該触媒層とガス拡散層との間に、導電性繊維状炭素及び疎水化繊維状炭素を含む中間層を設けたことを特徴とする燃料電池。
<2>
疎水化繊維状炭素が導電性繊維状炭素に対して、5〜70質量%である請求項1記載の燃料電池。
本発明の燃料電池は、発生した水を速やかに排出でき、かつガス拡散性に優れた燃料電池である。
本発明の燃料電池は、電解質膜の両側に触媒層とガス拡散層をそれぞれ有する燃料電池であって、該触媒層とガス拡散層との間に、導電性繊維状炭素及び疎水化繊維状炭素を含む中間層を設けたことを特徴とする。
(電解質膜)
本発明に用いる電解質膜としては、通常の燃料電池に用いられる固体電解質膜であれば特に限定されるものではないが、プロトン伝導性を示す電解質膜が本発明の効果を発現するうえで好ましく用いられる。プロトン交換膜のプロトン交換基としては、スルホン酸基、カルボン酸基、リン酸基などが挙げられるがこれらに特に限定されるものではない。
より具体的な電解質膜としては、デュポン(DuPont)社製ナフィオン(Nafion)、旭化成製Aciplex、旭硝子製Flemion、ジャパンゴアテックス社製Gore-Selectに代表されるパーフルオロスルホン酸樹脂を始め、これらにポリ(テトラフルオロエチレン)からなる補強層を導入したもの等が挙げられる。またスルホン化ポリエーテルケトン樹脂、スルホン化ポリエーテルサルホン樹脂、スルホン化ポリフェニレンサルファイド樹脂、スルホン化ポリイミド樹脂、スルホン化ポリアミド樹脂、スルホン化エポキシ樹脂、スルホン化ポリオレフィン樹脂を始めとした炭化水素系電解質膜でもよい。また、ポリ(ベンズイミダゾール)/リン酸複合体に代表される高分子/強酸複合体であってもよい。
(触媒層(電極))
本発明の触媒層は、通常の燃料電池に用いられるもの、例えば触媒と電解質、その他任意成分を含む。
本発明で使用する触媒層中の触媒は、特に限定されず通常燃料電池に用いることができるものが挙げられ、例えば白金等の白金族金属、金、パラジウム、ルテニウム、イリジウムなどの貴金属触媒が好ましく用いられる。また、これらの貴金属触媒の合金、混合物など、2種以上の元素が含まれていても構わない。
これらの触媒は金属微粒子としてそのまま使用してもよいが、金属を活性炭やカーボン等の担体に担持した担持触媒を使用してもよい。
ここで用いるカーボンは、特に限定されるものではないが、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、サーマルブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラックが、電子伝導性と比表面積の大きさから好ましいものである。オイルファーネスブラックとしては、キャボット社製バルカンXC−72、バルカンP、ブラックパールズ880、ブラックパールズ1100、ブラックパールズ1300、ブラックパールズ2000、リーガル400、ライオン社製ケッチェンブラックEC、三菱化学社製#3150、#3250などが挙げられ、アセチレンブラックとしては電気化学工業社製デンカブラックなどが挙げられる。特に、キャボット社製のバルカンXC−72が好ましく用いられる。
本発明で使用する触媒層中の電解質としては、上述した電解質膜の樹脂が挙げられる。
触媒層の主たる成分は、好適には触媒担持カーボンと電解質(ポリマー)であり、それらの比率は必要とされる電極特性に応じて適宜決められるべきもので特に限定されるものではないが、触媒担持カーボン/電解質の重量比率で5/95〜95/5が好ましく、特に40/60〜85/15が好ましい。
触媒層には、触媒担持カーボンを担持している前述のカーボンのほか、電子伝導性向上のために種々の導電剤を添加することも好ましい。このような導電剤としては、前述の触媒担持カーボンに用いられるカーボンと同種のカーボンブラックに加えて、種々の黒鉛質や炭素質の炭素材、あるいは金属や半金属が挙げられるが特に限定されるものではない。このような炭素材としては、前述のカーボンブラックのほか、天然の黒鉛、ピッチ、コークス、ポリアクリロニトリル、フェノール樹脂、フラン樹脂などの有機化合物から得られる人工黒鉛や炭素などがあげられる。これらの炭素材の形態としては、粒子状のほか繊維状も用いることができる。また、これら炭素材を後処理加工した炭素材も用いることが可能である。これら導電材の添加量としては、触媒層に対する重量比率として1〜80%が好ましく、5〜50%がさらに好ましい。
本発明において、触媒層の電解質膜への付加・形成方法は特に限定されるものではない。触媒担持カーボンと電極触媒層に含まれる電解質とをペースト状に混練し、刷毛塗り、筆塗り、バーコーター塗布、ナイフコーター塗布、スクリーン印刷、スプレー塗布などの方法で、触媒層を電解質膜に直接付加・形成してもよいし、他の基材(転写基材)上に電極をいったん形成した後、電解質膜に転写しても良い。この場合の転写基材としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のシート、あるいは表面をフッ素やシリコーン系の離型剤処理したガラス板や金属板なども用いられる。
本発明において触媒層の塗布液(触媒インク)に含まれる溶媒は、電解質膜を溶解できる溶媒を含んでいると触媒層と電解膜を強く接合できるので好ましい。また、触媒インクには、必要に応じて撥水剤や、粘度を調整するための増粘剤や希釈剤等を含んでいてもよい。
(中間層)
本発明の燃料電池は、触媒層とガス拡散層との間に、導電性繊維状炭素及び疎水化繊維状炭素を含む中間層を設けたことを特徴とする。
ここで用いる導電性繊維状炭素としては、カーボンナノチューブや気相成長炭素繊維(VGCF)が好ましく、特にVGCFが好ましい。この他に、PAN系炭素繊維やピッチ系炭素繊維を用いることもできる。導電性繊維状炭素の繊維径は、500nm以下が好ましく、2〜300nmが特に好ましい。
VGCFは、炭化水素等のガスを金属系触媒の存在下で気相熱分解することによって製造される。
VGCFのより具体的な製造法としては、ベンゼン、トルエン等の有機化合物を原料とし、フェロセン、ニッケルセン等の有機遷移金属化合物を金属系触媒として用い、これらをキャリアーガスとともに高温の反応炉に導入し、VGCFを基板上に生成させる方法(特開昭60−27700号公報)、浮遊状態でVGCFを生成させる方法(特開昭60−54998号公報)、あるいはVGCFを反応炉壁に成長させる方法(特許2778434号)等が挙げられる。また、あらかじめアルミナ、炭素等の耐火性支持体に担持された金属含有粒子を炭素含有化合物と高温で接触させて、径が70nm以下のVGCFを得る方法(特公平3−64606号公報もある。
本発明において、VGCFは、繊維径が500nm以下、繊維長が100μm以下のものが好ましく、繊維径が2〜300nm、繊維長が80μm以下、さらに繊維長が50μm以下であるものが特に好ましい。VGCFは、分枝状の構造をとるものが多いが、このものも使用でき、この場合の繊維長とは、分枝の分岐点から先端あるいは次の分岐点までの長さを繊維長とする。
VGCFは、2000℃以上の温度で、好ましくは2500〜3000℃の温度で、非酸化性雰囲気(アルゴン、ヘリウム、窒素ガスなど)にて熱処理することが好ましい。熱処理する際に、ホウ素化合物を存在させると熱処理温度を数百℃低くすることができるためさらに有利である。
共存させるホウ素化合物としては、加熱によりホウ素を生成する物質であればよく、熱処理後、0.01〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%のホウ素含有量を得られるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、炭化ホウ素(B4C)、酸化ホウ素(B23)、ホウ酸、ホウ酸塩、窒化ホウ素、有機ホウ素化合物等の固体、液体、さらには気体でもよい。本発明においては、安定して入手することができること、作業性等の面から無機化合物であることが好ましく、特に炭化ホウ素が好ましい。
なお、ホウ素化合物の熱処理前の添加量は、熱処理条件によりホウ素が揮散してしまう可能性があるので、目標含有量より多くしておく必要がある。ホウ素化合物の添加量は、用いるホウ素化合物の化学的特性、物理的特性に依存するために限定されないが、炭化ホウ素を使用した場合には、VGCFに対して0.05〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%の範囲で添加することが好ましい。VGCFを2000℃以上にて熱処理すると、導電性が良くなるばかりでなく、化学安定性、熱伝導性等の特性も向上するので、燃料電池用触媒と混合して使用された場合には、発電効率(単位体積当たりの発電量)が向上し、耐久性(初期の最高出力に対する1000時間以上の連続使用後の最高出力の割合)の向上も見られる。
特に2500℃以上の温度で熱処理することにより結晶化度を上げたVGCFでは、これらの電池特性の向上が顕著である。そのため本発明では、黒鉛化結晶化度を上げる手段として、ホウ素を添加する手段を用いて結晶化度を向上させている。ホウ素化合物とVGCFの混合方法は、特に特殊な機械を使用することなく均一に混ざるように注意すればどのような方法でもよい。
VGCFを熱処理するために用いられる炉は、アチソン炉、高周波炉、黒鉛発熱体を用いた炉等いかなる炉でも、所望の温度で処理できる炉であれば使用可能である。
加熱時の非酸化性雰囲気は、アチソン炉では、被加熱物をカーボン粉に埋めることにより得られるが、他の炉の場合は、必要に応じてヘリウム、アルゴン等の不活性ガスで雰囲気を置換することで達成できる。
また、熱処理時間は、被加熱物の全てが所定温度に達するような時間を適宜選択することができ、特に限定されるものではない。
本発明に用いられる疎水化繊維状炭素は、上記の導電性繊維状炭素を疎水化したものである。
疎水化処理は、フッ素系カップリング剤、フッ素系界面活性剤、又はフッ素系改質剤の添加、フッ素ガス処理並びにプラズマ処理等が挙げられる。
この内、フッ素ガス処理が好ましい。
フッ素ガス処理は、温度300〜600℃、フッ素ガス圧0.1MPa以下で、フッ素量に合わせて数十分から数時間行う。疎水化処理に伴う繊維状炭素の質量増加は、5〜200質量%とすることが好ましく、特に10〜100質量%とすることが好ましい。
中間相において、疎水化繊維状炭素の割合は、導電性繊維状炭素に対して5〜70質量%、特に10〜50質量%とすることが好ましい。
中間相においては、、疎水化繊維状炭素同士、導電性繊維状炭素同士、疎水化繊維状炭素と導電性繊維状炭素が相互に絡み合うことによって大きな空隙が得られる。空隙率は、50〜90%、特に60〜85%が好ましい。この空隙率を調整するためには、各繊維の径や長さ、混合する溶剤の種類や混合比、溶剤を蒸発させる時の乾燥条件(温度、真空度等)、及び中間層を形成後のプレス条件(圧力、温度、時間等)を調整すればよい。
中間層は、例えば、上記導電性繊維状炭素と疎水化繊維状炭素の混合物に、水又は/およびエタノールを加えて、ホモジナイザーで分散し、これをドクターブレイド等を用いて塗布することにより、形成される。
中間層の厚さは、5〜300μmが好ましく、特に10〜100μmが好ましい。
空気出口側は、入り口に比べ、酸素濃度が低いためガスの拡散性がより必要となるため、疎水化繊維状炭素の量を増加すると、更に高出力の燃料電池を得ることができる。
(拡散層)
本発明における拡散層としては、燃料電池に一般に用いられる拡散層が特に限定されることなく用いられる。たとえば、導電性物質を主たる構成材とする多孔質導電シートなどが挙げられ、この導電性物質としては、ポリアクリロニトリルからの焼成体、ピッチからの焼成体、黒鉛及び膨張黒鉛などの炭素材、ステンレススチール、モリブデン、チタンなどが例示される。導電性物質の形態は繊維状あるいは粒子状など特に限定されないが、燃料電池などのように電極活物質に気体を用いる電気化学装置に用いる場合、ガス透過性の点から繊維状導電性無機物質(無機導電性繊維)特に炭素繊維が好ましい。無機導電性繊維を用いた多孔質導電シートとしては、織布あるいは不織布いずれの構造も使用可能である。織布としては、平織、斜文織、朱子織、紋織、綴織など特に限定されること無く用いられる。また、不織布としては、抄紙法、ニードルパンチ法、スパンボンド法、ウォータージェットパンチ法、メルトブロー法など特に限定されること無く用いられる。また編物であっても構わない。これらの布帛において、特に炭素繊維を用いた場合、耐炎化紡績糸を用いた平織物を炭化あるいは黒鉛化した織布、耐炎化糸をニードルパンチ法やウォータージェットパンチ法などによる不織布加工をした後に炭化あるいは黒鉛化した不織布、耐炎化糸あるいは炭化糸あるいは黒鉛化糸を用いた抄紙法によるマット不織布などが好ましく用いられる。例えば、東レ製カーボンペーパーTGPシリーズ、SOシリーズ、E−TEK社製カーボンクロスなどが好ましく用いられる。本発明における多孔質導電シートには、特に限定されないが、導電性向上のために補助剤としてカーボンブラックなどの導電性粒子や、炭素繊維などの導電性繊維を添加することも好ましい。
拡散層の外側にガスを供給し集電体としても機能するセパレータを配置すれば本発明の固体高分子型燃料電池とすることができる。本発明の燃料電池の1態様を図1に示す。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
繊維状炭素(昭和電工製、商品名:VGCF)を高温(450℃)のフッ素ガス(0.05MPa)に0.5時間暴露することによって、30%質量増加したフッ素化VGCFを調製した。
フッ素化VGCF40質量部、未処理のVGCF60質量部の混合粉末に水、エタノール(量比4:6)を加えて超音波ホモジナイザーで十分に分散して分散液を調製した。
分散液をカーボンペーパ(SGL社製、GDL−31BA)上にドクターブレイドを用いて塗布した後、温風乾燥し、厚さ50μmの中間層が形成されたガス拡散層を作製した。
次に、45質量%の白金を担持した炭素微粒子(ケッチェン・ブラック・インターナショナル社製、ケッチェンブラックEC)1gと高分子電解質(デュポン社製、SE20092)2.2gからなる空気極用触媒層と、30質量%の白金を担持した炭素微粒子(日本キャボット社製、バルカンXC−72R)1gと高分子電解質(デュポン社製、SE200092)3.5gからなる燃料極用触媒層を、高分子電解質膜(デュポン社製、Nafion112)に熱プレスして触媒層を膜上に形成し膜・電極接合体を作製した。
膜・電極接合体とガス拡散層を溝付きのカーボンセパレータに挟み込み単セルを作製した。
単セルに燃料ガスとして水素、酸化ガスとして空気を導入し、両ガス圧をゲージ圧で0.1MPaの加圧下、セル温80℃、水素加湿露点80℃、空気加湿露点80℃の条件で発電を行ない、電流−電圧特性を測定した。
結果を表1に示す。
実施例2
60%質量増加したフッ素化VGCF20質量部、未処理のVGCF80質量部の混合粉末を使用した以外は実施例1と同様にし、実施例2の燃料電池を作製し、試験した。結果を表1に示す。
比較例1
炭素微粒子(電気化学工業製、デンカブラック)、フッ素樹脂FEPの分散液(ダイキン製、ND−1)、水、イソプロピルアルコールを遊星ボールミルで十分に分散して分散液を調製した。炭素微粒子とフッ素樹脂の質量比は4:6である。分散液をカーボンペーパ(SGL社製、GDL−31BA)上にドクターブレイドを用いて塗布した後、温風乾燥し、厚さ30μmの中間層が形成されたガス拡散層を作製した。
これ以外は実施例1と同様にして、比較例1の燃料電池を作製し、試験した。結果を表1に示す。
比較例2
未処理のVGCFを追加添加した以外は比較例1と同様にした。炭素微粒子:VGCFの重量比は2:8で、(デンカブラック+VGCF):フッ素樹脂の重量比は4:6である。結果を表1に示す。
Figure 2005190701
本発明の中間層は、疎水化繊維状炭素と導電性繊維状炭素が絡み合い、大きな空隙が得られ生成水の排出が良好である。また、疎水化繊維状炭素も生成水の排出に寄与する。さらに導電性繊維状炭素は、電気抵抗の増加を抑制する。
そして、ガス拡散性と排水性が向上し、濃度過電圧が低減できるため、高負荷時の電池性能の向上が達成できる。
本発明の燃料電池の一態様を示す断面図である。
符号の説明
1 セパレータ
2 ガス拡散層
3 中間層
4 触媒層
5 電解質膜

Claims (2)

  1. 電解質膜の両側に触媒層とガス拡散層をそれぞれ有する燃料電池であって、該触媒層とガス拡散層との間に、導電性繊維状炭素及び疎水化繊維状炭素を含む中間層を設けたことを特徴とする燃料電池。
  2. 疎水化繊維状炭素が導電性繊維状炭素に対して、5〜70質量%である請求項1記載の燃料電池。
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