JP2005189318A - 測距装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 測距精度を低下させずに測距時間を短縮できる測距装置を提供する。
【解決手段】 特定測距エリアとしての左エリアLに存在する有効極小値に対応する距離がn近距離境界値で示される近距離境界点より近距離側にあり、かつ、左エリアLに先行する中央エリアM、左中エリアLMのうち中央エリアMにのみ存在する有効極小値に対応する距離がn遠距離境界値で示される遠距離境界点より遠距離側にある場合、左エリアLの有効極小値が無効化される。その結果、左エリアLを除く中央エリアM、右中エリアRM、右エリアRの各有効極小値に基づいて測距対象物までの距離が的確に演算され、測距精度が向上する。また、中央エリアMの有効極小値に対応する距離より所定距離範囲dを超えて遠距離側となる測距範囲については、左中エリアLMの相関演算が一部省略されるため、全体の測距時間が短縮される。
【選択図】 図7
【解決手段】 特定測距エリアとしての左エリアLに存在する有効極小値に対応する距離がn近距離境界値で示される近距離境界点より近距離側にあり、かつ、左エリアLに先行する中央エリアM、左中エリアLMのうち中央エリアMにのみ存在する有効極小値に対応する距離がn遠距離境界値で示される遠距離境界点より遠距離側にある場合、左エリアLの有効極小値が無効化される。その結果、左エリアLを除く中央エリアM、右中エリアRM、右エリアRの各有効極小値に基づいて測距対象物までの距離が的確に演算され、測距精度が向上する。また、中央エリアMの有効極小値に対応する距離より所定距離範囲dを超えて遠距離側となる測距範囲については、左中エリアLMの相関演算が一部省略されるため、全体の測距時間が短縮される。
【選択図】 図7
Description
本発明は、AF(Auto Focus)カメラやビデオカメラなどに使用される測距装置に関するものである。
AF(Auto Focus)カメラやビデオカメラに使用される測距装置の測距方式として、被写体像にある程度の明るさおよびコントラストがあれば近距離から遠距離までの測距が可能な、いわゆるパッシブ測距方式が従来一般に知られている。
このパッシブ測距方式は、被写体からの外光による一対の被写体像が結像された一対の受光センサの出力信号に基づいて相関演算を実行し、この相関演算により得られた相関値のうち最大の相関度を示す最小極小値(ピーク値)に基づいて被写体までの距離を演算する方式であり、被写体までの距離を的確に演算するため、通常、カメラの視野を左右方向に複数に分割した各測距エリアごとに相関演算が実行される。
このパッシブ測距方式では、一般に、一対の受光センサ(ラインセンサ)の出力信号を蓄積(積分)して一対のセンサデータを生成し、この一対のセンサデータを相関演算用にA/D変換して格納する。そして、格納した一対のセンサデータから相関演算に使用する一対のデータを読み出す範囲としての一対のウインドウを相対的に順次シフトさせながら一対のデータを順次読み出して相関演算を実行し、相関演算により得られた相関値のうち最大の相関度を示す最小極小値(ピーク値)に対応したウインドウのシフト量に基づいて被写体までの距離を演算している。
この種のパッシブ測距方式の測距装置として、ある測距エリアにおいて先に行った相関演算の結果、相関度が最大となる相関値の最小極小値が存在した場合、この最小極小値に対応するウインドウのシフト量より小さいシフト範囲(被写体までの距離より遠方の範囲)については、原則として他の測距エリアにおいて後で相関演算を実行する際にウインドウのシフトを制限して相関演算の一部を省略させることにより、全体の測距時間を短縮するようにした測距装置も知られている(例えば特許文献1参照)。
特開2002−311327号公報
ところで、特許文献1に記載の測距装置においては、単に最も近い距離にある被写体までの距離を演算しているに過ぎないため、つぎのような問題がある。例えば、撮影対象の被写体より近距離に撮影対象外の壁や樹木などがあり、これらの物体が左右の端部に設定された測距エリアに写り込んだ場合には、撮影対象外の物体を対象として測距が行われる結果、本来の撮影対象である被写体にピントが合わなくなり、測距精度が低下するという問題がある。
また、特許文献1に記載の測距装置では、他の測距エリアにおいて相関演算の一部を省略させた測距範囲に相関度の高い真の最小極小値があった場合、その真の極小値を検出することができないため、被写体までの距離を正確に測定できず、測距精度が低下するという問題がある。
そこで、本発明は、測距精度を低下させずに測距時間を短縮できる測距装置を提供することを課題とする。
本発明に係る測距装置は、測距対象物の一対の画像が結像された一対の受光センサの出力信号に基づき、左右方向に設定された複数の測距エリアごとに順次相関演算を実行し、各測距エリアの相関演算ごとに得られた最大の相関度を示す複数の有効な極小値に基づいて測距対象物までの距離を演算するパッシブ測距方式の測距装置であって、先行する測距エリアに有効な極小値が存在する場合、その有効極小値に対応する距離のうち最も近い距離より所定距離範囲を超えて遠距離側となる測距範囲については、後続する測距エリアの相関演算を一部省略させる相関演算省略手段と、後続する測距エリアのうち左右の端部に設定された特定測距エリアに存在する有効極小値を無効化する有効極小値無効化手段とを備え、この有効極小値無効化手段は、特定測距エリアに存在する有効極小値に対応した距離が予め設定された近距離境界点より近距離側にあり、かつ、特定測距エリアに先行する他の測距エリアに存在する有効極小値に対応した距離が予め設定された遠距離境界点より全て遠距離側にある場合、特定測距エリアに存在する有効極小値を無効化するように構成されていることを特徴とする。
本発明に係る測距装置では、左右の端部に設定された特定測距エリアに存在する有効極小値に対応した距離が予め設定された近距離境界点より近距離側にあり、かつ、特定測距エリアに先行する他の測距エリアに存在する有効極小値に対応した距離が予め設定された遠距離境界点より全て遠距離側にある場合、有効極小値無効化手段により、特定測距エリアに存在する有効極小値が無効化される。従って、この場合には、特定測距エリアを除く他の測距エリアの複数の有効極小値に基づいて測距対象物までの距離が的確に演算され、測距精度が向上する。
そして、先行する測距エリアに有効な極小値が存在する場合、その有効極小値に対応する距離のうち最も近い距離より所定距離範囲を超えて遠距離側となる測距範囲については、相関演算省略手段により、後続する測距エリアの相関演算が一部省略されるため、全体の測距時間が短縮される。
本発明の測距装置は、相関演算の一部が省略された測距エリアに有効極小値が存在する場合、その測距エリアの省略された一部の相関演算を追加して実行させる相関演算追加手段を備えているのが好ましい。この測距装置では、相関演算追加手段により、相関演算が省略された一部の測距範囲に存在する可能性のある有効極小値を検出すことが可能となり、この有効極小値に基づいて測距対象物までの距離を的確に演算することが可能となる。
本発明に係る測距装置においては、左右の端部に設定された特定測距エリアに存在する有効極小値に対応した距離が予め設定された近距離境界点より近距離側にあり、かつ、特定測距エリアに先行する他の測距エリアに存在する有効極小値に対応した距離が予め設定された遠距離境界点より全て遠距離側にある場合、有効極小値無効化手段により、特定測距エリアに存在する有効極小値が無効化される。従って、例えば、撮影対象である測距対象物より近距離にある撮影対象外の壁や樹木などが左右の端部に設定された特定測距エリアに写り込んだ場合には、特定測距エリアを除く他の測距エリアの複数の有効極小値に基づいて測距対象物までの距離を的確に演算することができ、その測距精度を向上させることができる。
また、先行する測距エリアに有効な極小値が存在する場合、その有効極小値に対応する距離のうち最も近い距離より所定距離範囲を超えて遠距離側となる測距範囲については、相関演算省略手段により、後続する測距エリアの相関演算が一部省略されるため、全体の測距時間を短縮することができる。
以下、図面を参照して本発明に係る測距装置の実施の形態を説明する。参照する図面において、図1は一実施形態に係る測距装置の構成を示す模式図である。図2は図1に示したラインセンサとウインドウのシフト操作との関係を示す模式図である。
一実施形態に係る測距装置は、例えばAF(Auto Focus)カメラやビデオカメラなどにおいて、撮影レンズから測距対象物までの距離をパッシブ測距方式により演算するように構成された測距装置である。この測距装置は、左右方向に設定された複数の測距エリアごとに順次相関演算を実行し、先行する測距エリアに有効な極小値が存在する場合には、後続する測距エリアの相関演算を一部省略させると共に、後続する測距エリアのうち左右の端部に設定された特定測距エリアに存在する有効極小値については、所定条件のもとにこれを無効化するように構成されている。
図1に示すように、一実施形態の測距装置は、測距用のセンサデータを生成するラインセンサユニット1と、このラインセンサユニット1から出力されるセンサデータに基づいて測距対象物Sまでの距離を演算処理する測距演算装置2とを備えて構成されている。
ラインセンサユニット1は、相互に並列に配置された左右一対の結像レンズ1A−L,1A−Rと、これらの結像レンズ1A−L,1A−Rを通して測距対象物Sの一対の画像がそれぞれ結像される受光センサとしての左右一対のラインセンサ1B−L,1B−Rと、このラインセンサ1B−L,1B−Rからの信号を処理する信号処理回路1Cとを備えている。
左右一対のラインセンサ1B−L,1B−Rは、例えば234個などの多数に分割されたフォトダイオードなどのセル(画素)が直線状に配列されて構成される。ラインセンサ1B−L,1B−Rの各セルは、それぞれの受光面に結像された測距対象物Sの画像の光量を光電変換することにより、測距対象物Sの画像の輝度信号を信号処理回路1Cに出力する。
ラインセンサ1B−L,1B−Rの各セルには、その出力信号を取り出す際に使用されるセル番号が付される。例えば左側のラインセンサ1B−Lの各セルには、図の左側から順にL1〜L234のセル番号が付され、右側のラインセンサ1B−Rでは図の左側から順にR1〜R234のセル番号が付される。なお、左右のラインセンサ1B−L,1B−Rの先頭側の5個および末尾側の5個のセルは、いわゆるダミーのセルであるため、左側のラインセンサ1B−Lの有効画素数はL6〜L229の224個となり、右側のラインセンサ1B−Rの有効画素数はR6〜R229の224個となる。
信号処理回路1Cは、後述する測距演算装置2のラインセンサ制御部2Aからの要求信号に応じてラインセンサ1B−L,1B−Rを制御し、ラインセンサ1B−L,1B−Rの各セルからセル番号と関連付けて輝度信号を入力する。そして、この信号処理回路1Cは、入力した輝度信号を積分(加算)処理することにより、相関演算に使用するためのセンサデータを各セル毎にセル番号に関連付けて生成する。ちなみに、このセンサデータは、測距対象物Sの画像が明るいほど低く、暗いほど高い値を示す。
測距演算装置2は、マイクロコンピュータのハードウェアおよびソフトウェアを利用して構成される。この測距演算装置2は、信号処理回路1Cから入出力インターフェースを介して入力されるアナログ信号のセンサデータをデジタル信号に変換するA/D変換部2Bの他、このA/D変換部2Bにより変換されたデジタル信号のセンサデータ等を一時記憶するRAM(Random Access Memory)、測距対象物Sまでの距離を演算するためのプログラムやデータが格納されたROM(Read Only Memory)、このROMに格納されたプログラムを実行することにより、ROMおよびRAMに記憶されたデータに基づいて測距対象物Sまでの距離を演算するための各種の演算処理を行うCPU(Central Processing Unit)などの図示しないハードウェアを備えている。
この測距演算装置2には、A/D変換部2Bを介して入力されるセンサデータに基づいて測距対象物Sまでの距離を演算する手段として、ラインセンサ制御部2A、センサデータ格納部2C、ウインドウシフト部2D、相関演算部2E、有効極小値認定部2F、測距エラー判定部2G、シフト量決定部2H、測距演算部2I、相関演算省略部2J、相関演算追加部2K、無効条件判定部2Lなどがソフトウェアとして構成されている。
ラインセンサ制御部2Aは、測距処理の開始に伴ないラインセンサユニット1の信号処理回路1Cに要求信号を出力して信号処理回路1Cにセンサデータを生成させる。
センサデータ格納部2Cは、信号処理回路1Cにより生成された一対のセンサデータをA/D変換部2BによりA/D変換して入力し、入力したセンサデータをラインセンサ1B−L,1B−Rの各セルの番号と関連付けたセンサデータとして格納する。
ウインドウシフト部2Dは、センサデータ格納部2Cに格納されたセンサデータから相関演算に使用する一対のセンサデータを読み出すための一対のウインドウWL,WRのシフト操作を制御する。
このウインドウシフト部2Dは、図2に示すように、ラインセンサ1B−L,1B−R上にそれぞれ一部重複して設定されたセンサ領域である中央エリアM、左中エリアLM、右中エリアRM、左エリアL、右エリアRの5つの測距エリア単位ごとに、センサデータ格納部2C(図1参照)から一群のセンサデータをそれぞれ読み出して相関演算させるように、一対のウインドウWL,WRのシフト操作を制御する。この場合、ウインドウシフト部2Dは、例えば中央エリアM、左中エリアLM、左エリアL、右中エリアRM、右エリアRの順に一対のウインドウWL,WRのシフト操作を制御する。
ここで、ラインセンサ1B−L,1B−Rの中央エリアM,Mにおけるシフト操作において、ウインドウシフト部2D(図1参照)は、左側のラインセンサ1B−Lに対応したウインドウWLを中央エリアMの右端の最小シフト位置から左端の最大シフト位置へと順次1づつシフトさせ、右側のラインセンサ1B−Rに対応したウインドウWRを中央エリアMの左端の最小シフト位置から右端の最大シフト位置へと順次1づつシフトさせる。その際、ウインドウシフト部2Dは、ウインドウWL,WRを交互に1づつシフト操作する。
なお、ウインドウシフト部2Dによるラインセンサ1B−L,1B−Rの左中エリアLM,LM、右中エリアRM,RM、左エリアL,Lおよび右エリアR,Rにおけるシフト操作は、中央エリアM,Mにおけるシフト操作と原則的に同様であるため、詳細な説明は省略する。
相関演算部2E(図1参照)は、ラインセンサ1B−L,1B−R上にそれぞれ設定された各測距エリアM,LM,L,RM,R(図2参照)単位で一対のウインドウWL,WRが交互に1づつ相対的にシフト操作されるごとに、センサデータ格納部2Cから一群のセンサデータを読み出して相関演算を実行する。
この相関演算は、一方のウインドウWLにより読み出された一群のセンサデータと、他方のウインドウWRにより読み出された一群のセンサデータとの間における各センサデータ同士の差分の絶対値を求め、その絶対値の総和を相関値として求めるものである。この相関値は、値が小さいほど相関度が高く、一対のラインセンサ1B−L,1B−R上に結像された測距対象物Sの画像が相互に似ていることを示す。
ここで、測距対象物Sが遠距離に位置する場合には、一対の結像レンズ1A−L,1A−Rを通して一対のラインセンサ1B−L,1B−R上に結像される測距対象物Sの一対の画像の位置ズレが小さくなり、測距対象物Sが近距離に位置するほど、一対のラインセンサ1B−L,1B−R上に結像される測距対象物Sの一対の画像の位置ズレが大きくなる。そして、一対の画像の位置ズレの大小に応じた測距対象物Sまでの距離は、一対の画像が相互に似ていることを示す相関度が最大となるまでの一対のウインドウWL,WRのシフト量として検出することができる。すなわち、測距対象物Sまでの距離は、原理的には図3のグラフに示すように、相関演算により得られた相関値f(n)が「最小極小値(ピーク値)」となるに至るまでの一対のウインドウWL,WRのシフト量n「n/最小極小値」として検出することができる。
そこで、相関演算部2Eにより得られた最小極小値に基づいて測距対象物Sまでの距離を演算するため、有効極小値認定部2Fが測距演算に有効な最小極小値を有効極小値として認定し、測距エラー判定部2Gが有効極小値について測距エラーとするか否かの判定を行い、シフト量決定部2Hが測距エラー無しと判定された有効極小値のみを対象としてその有効極小値に対応するウインドウWL,WRのシフト量nを決定し、測距演算部2IがウインドウWL,WRのシフト量nに基づいて測距対象物Sまでの距離を演算する。
まず、有効極小値認定部2Fは、図4に示すように、ラインセンサ1B−L,1B−Rの各測距エリアM,LM,L,RM,R(図2参照)単位ごとに相関演算された相関値f(n)のうち、相関度が最大となる最小極小値を予め設定された相関度の基準値SLと比較する。そして、この基準値SLより小さい最小極小値を測距演算に有効な有効極小値として各測距エリアごとに認定する。すなわち、中央エリアMにおける「有効極小値(M)」、左中エリアLMにおける「有効極小値(LM)」、左エリアLにおける「有効極小値」(図示省略)・・・として認定する。
つぎに、測距エラー判定部2G(図1参照)は、(1)センサデータ格納部2Cから読み出されるセンサデータが超低輝度/超低コントラストのデータである場合、(2)センサデータ格納部2Cから読み出される左右のセンサデータに大きな差がある場合、(3)相関演算部2Eにより相関演算された相関値に相互差が小さい2つ以上の極小値が存在する場合、(4)相関演算部2Eにより相関演算された最小極小値と、これに対応するウインドウWL,WRのシフト量の前後2つのシフト量に対応する相関値との差が小さい場合の各場合において、有効極小値認定部2Fにより認定された有効極小値に測距エラーが有ると判定し、その判定信号をシフト量決定部2Hに出力する。
続いて、シフト量決定部2Hは、有効極小値認定部2Fから入力された「有効極小値(M)」,「有効極小値(LM)」・・・のうち、測距エラー判定部2Gにより測距エラー有りと判定された有効極小値を除き、その他の「有効極小値(M)」,「有効極小値(LM)」・・・に対応するウインドウWL,WRのシフト量nを「n有効極小値(M)」,「n有効極小値(LM)」・・・として決定、これらのデータを相関演算省略部2J、無効条件判定部2Lおよび測距演算部2Iに出力する。
そして、測距演算部2Iは、後述する無効条件判定部2Lから無効の判定信号を入力した場合を除き、原則として、シフト量決定部2Hから入力されたウインドウWL,WRのシフト量「n有効極小値(M)」,「n有効極小値(LM)」・・・のデータに基づき、測距対象物Sまでの距離を各測距エリアM,LM,L,RM,R(図2参照)単位ごとに順次算出する。
この測距演算部2Iは、算出距離のうち最も近い距離を基準として、この基準距離から遠方側へ設定された所定距離範囲に含まれる他の測距エリアの算出距離との差をそれぞれ求め、得られたそれぞれの距離差の平均値を基準距離に加算することにより、測距対象物Sまでの最終的な距離を決定する。なお、所定距離範囲は、被写界深度などのピントの合う範囲として設定される。
また、測距演算部2Iは、測距対象物Sまでの距離をより詳細に演算するため、例えばウインドウWL,WRのシフト量「n有効極小値(M)」に対応する「有効極小値(M)」と、その両側の2つのシフト量(図示省略)に対応する相関値とに基づいて相関値の補間値演算を実施する。そして、この補間値に対応するシフト量nに基づき、測距演算部2Iは、一対の結像レンズ1A−L,1A−Rと一対のラインセンサ1B−L,1B−Rとの間隔、一対のラインセンサ1B−L,1B−Rの中心間距離、一対のラインセンサ1B−L,1B−Rの各セルのピッチ間隔などのパラメータを参照して測距対象物Sまでの距離を演算する。
ここで、図1に示した相関演算省略部2Jは、本発明の相関演算省略手段を構成するものであり、先行する測距エリアに有効な極小値が存在する場合、その有効極小値に対応する距離のうち最も近い距離より所定距離範囲を超えて遠距離側となる測距範囲については、後続する測距エリアの相関演算を一部省略させる。例えば、図4のグラフに実線で示すように、相関演算部2Eが先行して相関演算を実行した中央エリアMに有効極小値認定部2Fが認定した「有効極小値(M)」が存在する場合、相関演算省略部2Jは、この「有効極小値(M)」に対応するウインドウWL,WRのシフト量「n有効極小値(M)」を基準として、ウインドウWL,WRのシフト範囲が「n有効極小値(M)」より「n所定量」を超えて遠距離側となる範囲については、後続する左中エリアLMの相関演算の一部を省略させる。
このため、相関演算省略部2Jは、シフト量決定部2Hから入力される「n有効極小値(M)」,「n有効極小値(LM)」・・・のデータに基づき、後続する測距エリアの例えば左中エリアLMの相関演算の開始値、すなわち、ウインドウWL,WRのシフトを開始させる開始値を「(n開始値=n有効極小値(M)−n所定量)」として設定し、この「n開始値(LM)」のデータをウインドウシフト部2Dに出力する。また、この相関演算省略部2Jは、省略させた一部の相関演算を後述する相関演算追加部2Kにより追加して実行させるため、設定した「n開始値(LM)」のデータを相関演算追加部2Kに出力する。
このような相関演算省略部2Jは、図5に示すように、左中エリアLMに符号mで示す「有効極小値(LM)」が存在する場合にも、ウインドウWL,WRのシフト範囲が符号n/mで示す「n有効極小値(L)」より符号dで示す「n所定量」を超えて遠距離側となる範囲については、原則として後続する左エリアLの相関演算の一部を省略させる。同様に、相関演算省略部2Jは、図5および図6に示すように、左エリアLに符号mで示す「有効極小値(L)」が存在する場合にも、ウインドウWL,WRのシフト範囲が符号n/mで示す「n有効極小値(L)」より符号dで示す「n所定量」を超えて遠距離側となる範囲については、後続する右中エリアRMの相関演算の一部を省略させる。
ここで、図1に示した相関演算追加部2Kは、本発明の相関演算追加手段を構成するものであり、相関演算の一部が省略された測距エリアに有効極小値が存在する場合、その測距エリアにおいて省略された一部の相関演算を追加して実行させる。例えば、図4のグラフに破線で示すように、相関演算省略部2Jにより相関演算の一部が省略された左中エリアLMに有効極小値認定部2Fが認定した「有効極小値(LM)」が存在する場合、相関演算追加部2Kは、相関演算省略部2Jにより左中エリアLMで相関演算が省略されたウインドウWL,WRのシフト範囲、すなわち、「(n最小値〜n開始値(LM)−1)」の範囲について相関演算部2Eに相関演算を追加して実行させる(図5参照)。
このため、相関演算追加部2Kは、追加して相関演算部2Eに実行させる左中エリアLMの相関演算の開始値として「n開始値=n最小値」を設定し、また、相関演算の終了値として「(n終了値=n開始値(LM)−1)」を設定する。この終了値は、相関演算省略部2Jから入力される「n開始値(LM)」のデータに基づいて設定する。そして、相関演算追加部2Kは、設定した「(n開始値=n最小値)」および「(n終了値=n開始値(LM)−1)」のデータをウインドウシフト部2Dに出力する。
このような相関演算追加部2Kは、図5および図6に示すように、相関演算の一部が省略された左エリアLに符号mで示す「有効極小値(L)」が存在する場合にも、相関演算の一部が省略された範囲について相関演算を追加して実行させる。同様に、相関演算追加部2Kは、図6に示すように、相関演算の一部が省略された右エリアRに符号mで示す「有効極小値(R)」が存在する場合にも、相関演算の一部が省略された範囲について相関演算を追加して実行させる。
ここで、図1に示した無効条件判定部2Lは、本発明の有効極小値無効化手段を構成するものであり、超近距離にある撮影対象外の物体が左右の端部に設定された特定測距エリアに写り込んだ場合にその物体を測距の対象から除外するため、所定の条件のもとに判定した無効の判定信号を測距演算部2Iに出力する。
すなわち、無効条件判定部2Lは、特定測距エリアに存在する有効極小値に対応した演算距離が予め設定された近距離境界点より近距離側にあり、かつ、特定測距エリアに先行する他の測距エリアに存在する有効極小値に対応した演算距離が予め設定された遠距離境界点より全て遠距離側にある場合、特定測距エリアに存在する有効極小値を無効と判定し、その無効の判定信号を測距演算部2Iに出力する。
例えば図7に示すように、無効条件判定部2Lは、中央エリアM、左中エリアLMに後続する左エリアLを特定測距エリアとして、この左エリアLに存在する符号mの有効極小値(L)に対応した演算距離がウインドウWL,WRのシフト量「n近距離境界値」で示される近距離境界点(例えば0.5m程度)より近距離側にあり、かつ、左エリアLに先行する中央エリアM、左中エリアLMのうち有効極小値の無い左中エリアLMを除き、中央エリアMに存在する符号mの有効極小値(M)に対応した演算距離がウインドウWL,WRのシフト量「n遠距離境界値」で示される遠距離境界点(例えば4m程度)より遠距離側にある場合、換言すれば、左エリアLの符号mで示す「有効極小値(L)」に対応した符号n/mで示すシフト量「n有効極小値(L)」が「n近距離境界値」より大きく、中央エリアMの符号mで示す「有効極小値(M)」に対応した符号n/mで示すシフト量「n有効極小値(M)」が「n遠距離境界値」より小さい場合、無効条件成立として左エリアLの符号mで示す「有効極小値(L)」を無効と判定し、その無効の判定信号を測距演算部2Iに出力する。
一方、図5に示すように、無効条件判定部2Lは、左エリアLの符号mで示す「有効極小値(L)」に対応した符号n/mで示す「n有効極小値(L)」が「n近距離境界値」より大きい場合であっても、例えば左中エリアLMの符号mで示す「有効極小値(LM)」に対応した符号n/mで示す「n有効極小値(LM)」が「n遠距離境界値」より大きい場合には、無効条件不成立として左エリアLの符号mで示す「有効極小値(L)」を有効とする。
以上のように構成された一実施形態の測距装置においては、ラインセンサユニット1の一対の結像レンズ1A−L,1A−Rを通して一対のラインセンサ1B−L,1B−Rの受光面に測距対象物Sの画像が結像されると、信号処理回路1Cは、測距演算装置2のラインセンサ制御部2Aからの要求信号に応じて一対のラインセンサ1B−L,1B−Rから測距対象物Sの画像に応じた輝度信号を入力し、入力した輝度信号を積分(加算)処理することにより、相関演算用に使用するための一対のセンサデータを生成する。そして、測距演算装置2のセンサデータ格納部2Cが信号処理回路1Cにより生成された一対のセンサデータをA/D変換部2BによりA/D変換して入力し、これらのセンサデータをラインセンサ1B−L,1B−Rの各セルの番号と関連付けたセンサデータとして格納する。
その後、測距演算装置2においては、図8〜図12に示すフローチャートの処理手順に沿って測距対象物Sまでの距離が演算される。まず、図8のメインルーチンのフローチャートに示すように、中央エリアMの相関演算処理に先立って、ウインドウWL,WRのシフトを開始させる開始値の初期値が「n開始値=n最小値」に設定される(S1)。
続いて、図2に示したラインセンサ1B−L,1B−Rの中央エリアM,M、左中エリアLM,LM、左エリアL,L、右中エリアRM,RM、右エリアR,Rに結像された測距対象物Sの一対の画像のセンサデータに基づき、中央エリアMの相関演算処理(S2)および中央エリアMの距離算出処理(S3)、左中エリアLMの相関演算処理(S4)および左中エリアLMの距離算出処理(S5)、左エリアLの相関演算処理(S6)および左エリアLの距離算出処理(S7)、右中エリアRMの相関演算処理(S8)および右中エリアRMの距離算出処理(S9)、右エリアRの相関演算処理(S10)および右エリアRの距離算出処理(S11)が順次実行される。
そして、最後のステップS12では、各ステップS3、S5、S7、S9、S11で算出された中央エリアM、左中エリアLM、左エリアL、右中エリアRM、右エリアRにおける算出距離に基づいて測距対象物Sまでの最終的な距離を決定する最終測距結果算出処理(S12)が実行される。この最終測距結果算出処理では、中央エリアM、左中エリアLM、左エリアL、右中エリアRM、右エリアRにおける有効な算出距離のうち、最も近い距離を基準として、この基準距離から遠方側へ設定された所定距離範囲に含まれる他の測距エリアの算出距離との差がそれぞれ求められ、得られたそれぞれの距離差の平均値が基準距離に加算されることにより、測距対象物Sまでの最終的な距離が決定される。
ここで、図8に示した各ステップS2、S4、S6、S8、S10のサブルーチンにおいては、図9のフローチャートに示すステップS2A〜S2Kの処理が実行される。例えば図8のステップS2に示した中央エリアMの相関演算処理において、図9に示すステップS2Aでは、ラインセンサ1B−L,1B−Rの中央エリアM,Mに結像された測距対象物Sの一対の画像を対象として、ウインドウWL,WRのシフト範囲を「n開始値〜n最大値」とする相関演算が相関演算部2Eにより実行される。この場合、図8のステップS1では予め「n開始値=n最小値」に設定されているため、中央エリアMの相関演算は「n最小値〜n最大値」のシフト範囲で実行される。
続くステップS2Bでは、実行された相関演算を追加実施の相関演算と区別するためフラグが「0」にセットされる。その後、極小値検出として、ステップS2Aで相関演算部2Eにより相関演算された範囲にある相関値の最小値、極小値、極小値の数が検出される(S2C)。そして、これらの検出値に基づいて、ステップS2D〜S2Fでは、有効極小値認定部2Fにより、測距演算用に有効な極小値が存在するか否かが判定される。
まず、ステップS2Dでは、極小値の数が1個以上であるか否かが判定される。この判定結果がYESであって極小値が1個以上存在する場合には、次のステップS2Eで極小値が相関演算された範囲における最小値であるか否かが判定される。この判定結果がYESであって極小値が最小値である場合には、続くステップS2Fで最小値を示す極小値が相関度の基準値SLより小さいか否かが判定される。そして、この判定結果がYESであって最小値を示す極小値が相関度の基準値SLより小さい場合には、図5〜図7に示すように、中央エリアMに符号mで示す「有効極小値(M)」(図4参照)が存在するものと認定される。
ステップS2D〜S2Fにより、中央エリアMに有効極小値が存在するものと認定されると、次のステップS2Gでは実行された相関演算の範囲が「n開始値〜n最大値」であることを確認するため、フラグFが1であるか否かが判定され、続くステップS2Hでは「n開始値=n最小値」であるか否かが判定される。
ここで、中央エリアMの相関演算の範囲は「n開始値〜n最大値」であり、「n開始値=n最小値」であるため、ステップS2Gの判定結果はNOとなり、ステップS2Hの判定結果はYESとなる。そして、この場合には、ステップS2Kに進んで中央エリアMの有効極小値に対応するウインドウWL,WRのシフト量がシフト量決定部2Hにより決定される。すなわち、図5〜図7に示すように、中央エリアMに符号mで示す「有効極小値(M)」に対応したウインドウWL,WRのシフト量が符号n/mで示す「n有効極小値(M)」(図4参照)として決定される。
そして、ステップS2Kの処理をもって中央エリアMの相関演算処理が終了され、続いて図8のステップS3に示した中央エリアMの距離算出処理が開始される。なお、図9に示したステップS2D〜S2Fの何れかの判定結果がNOであって中央エリアMに有効な極小値が存在しない場合には、測距時間を短縮するため、ステップS2Kの処理をすることなく中央エリアMの相関演算処理が終了され、続いて図8のステップS3に示した中央エリアMの距離算出処理が開始される。
図8に示したステップS3の中央エリアMの距離算出処理においては、図10のフローチャートに示すステップS3A〜S3Fの処理が実行される。この一連の処理は、図8のステップS5の左中エリアLMの距離算出処理およびステップS9の右中エリアRMの距離算出処理においても同様に実行される。
まず、図10のステップS3Aでは、中央エリアMの距離算出処理を実行するにあたり、中央エリアMにおいて有効極小値に対応するウインドウWL,WRのシフト量「n有効極小値」が決定されたか否かが判定される。ここで、図9に示したステップS2Kの処理において中央エリアMの「n有効極小値」が決定されている場合には、ステップS3Aの判定結果がYESとなって次のステップS3Bに進むが、「n有効極小値」が決定されていない場合には、中央エリアMの距離算出処理を終了し、図8に示したステップS4の左中エリアLMの相関演算処理が開始される。
ここで、図10のステップS3Aの判定結果がYESであってステップS3Bに進むと、中央エリアMの「n有効極小値」の決定の元になる有効極小値に測距エラーが無かったかどうかが測距エラー判定部2Gにより判定される。この判定結果がOKであって測距エラーが無いと判定された場合には次のステップS3Cに進むが、判定結果がNGであって測距エラーが有りと判定された場合には、測距時間を短縮するため中央エリアMの距離算出処理が終了され、図8に示したステップS4の左中エリアLMの相関演算処理が開始される。
このように、ステップS3Aの判定結果がNOであって「n有効極小値」が決定されていない場合、および、ステップS3Bの判定結果がNGであって測距エラー有りと判定された場合には、後述するステップS3Dによる相関演算範囲の「n開始値」の初期値の更新がなされないため、「n開始値=n最小値」となる。そして、この場合には、中央エリアMに後続して相関演算が実行される左中エリアLMにおいては、「n開始値〜n最大値」までのウインドウWL,WRのシフト範囲の全域にわたって相関演算が実行されるため、左中エリアLMに存在する可能性のある有効極小値を確実に検出すことができ、この有効極小値に基づいて測距対象物Sまでの距離を適切に演算することが可能となる。
ステップS3Bに続くステップS3Cでは、中央エリアMに後続する左中エリアLMの相関演算において、相関演算省略部2Jにより相関演算の一部を省略させる前提として、「(n有効極小値(M)−n所定量)>n開始値」であるか否かが判定される。そして、判定結果がYESであれば次のステップS3Dに進み、判定結果がNOであればステップS3Dを省略してステップS3Eに進む。
ステップS3Dでは、中央エリアMに後続する左中エリアLMの相関演算の一部を省略させるため、相関演算省略部2Jにより、ウインドウWL,WRのシフト範囲の開始値が「(n開始値=n有効極小値−n所定量)」に更新される。また、ステップS3Eでは、測距演算部2Iにより、ウインドウWL,WRのシフト量「n有効極小値(M)」に対応する「有効極小値(M)」(図4参照)と、その両側の2つのシフト量(図示省略)に対応する相関値とに基づいて相関値の補間値演算が実行される。
続くステップS3Fでは、ステップS3Eで求めたウインドウWL,WRのシフト量「n有効極小値(M)」に基づき、一対の結像レンズ1A−L,1A−Rと一対のラインセンサ1B−L,1B−Rとの間隔、一対のラインセンサ1B−L,1B−Rの中心間距離、一対のラインセンサ1B−L,1B−Rの各セルのピッチ間隔、温度条件などのパラメータを参照して中央エリアMにおける測距対象物Sまでの距離が測距演算部2Iにより算出される。
こうしてステップS3Fで中央エリアMにおける測距対象物Sまでの距離が算出されると、図8のステップS3に示した中央エリアMの距離算出処理が終了となり、続いて、図8のステップS4に示した左中エリアLMの相関演算処理が図9に示したフローチャートに沿って実行される。
ここで、左中エリアLMの相関演算処理に先行する中央エリアMの距離算出処理において、図10のステップS3Dに示す「n開始値」の更新処理が実行されていない場合、左中エリアLMの相関演算におけるウインドウWL,WRのシフト開始値は、中央エリアMと同様に「n開始値=n最小値」である。このため、図9に示した一連の処理は、左中エリアLMについても中央エリアMと同様に実行される。
一方、先行する中央エリアMの距離算出処理において、図10のステップS3Dに示す「n開始値」の更新処理が実行されている場合には、左中エリアLMの相関演算におけるウインドウWL,WRのシフト開始値は、中央エリアMと異なり「(n開始値=n有効極小値−n所定量)」である。このため、図9のステップS2Aによる左中エリアLMの相関演算は、「(n有効極小値−n所定量)〜n最大値」のシフト範囲で実行され、「(n最小値〜n開始値(LM)−1)」のシフト範囲については相関演算の一部が省略されるため(図5〜図7参照)、全体の測距時間が短縮される。
また、この場合には「n開始値≠n最小値」であるため、ステップS2Hの判定結果がNOとなってステップS2Iに進む。そして、このステップS2Iでは、相関演算の一部が省略されたシフト範囲「(n最小値〜n開始値(LM)−1)」について左中エリアLMの相関演算が相関演算追加部2Kにより追加実施される(図5参照)。このため、相関演算の一部が省略されたシフト範囲に存在する可能性のある有効極小値を検出すことが可能となり、この有効極小値に基づいて測距対象物Sまでの距離を適切に演算することが可能となる。
ステップS2Iによる相関演算の追加実施が実行されると、再び相関演算の追加実施が実行されないようにするため、フラグFが1に設定され(S2J)、その後、ステップS2C〜2Gまでの処理が実行される。そして、ステップS2Gの判定でYESと判定されることにより、ステップS2Kに進んで左中エリアLMの有効極小値に対応するウインドウWL,WRのシフト量が最終的に決定される。すなわち、図5〜図7に示すように、左中エリアLMに符号mで示す「有効極小値(LM)」に対応したウインドウWL,WRのシフト量が符号n/mで示す「n有効極小値(LM)」(図4参照)として決定される。
そして、ステップS2Kの処理をもって左中エリアLMの相関演算処理が終了され、続いて図8のステップS5に示した左中エリアLMの距離算出処理が開始される。なお、図9に示したステップS2D〜S2Fの何れかの判定結果がNOであって左中エリアLMの相関演算が追加実施された範囲に有効な極小値が存在しない場合には、測距時間を短縮するため、ステップS2Kの処理をすることなく左中エリアLMの相関演算処理が終了され、続いて図8のステップS5に示した左中エリアLMの距離算出処理が開始される。
図8のステップS5に示した左中エリアLMの距離算出処理においては、図10のフローチャートに示すステップS3A〜S3Fの処理が前述した中央エリアMの距離算出処理と同様に実行される実行される。そして、この左中エリアLMの距離算出処理が終了されると、続いて図8のステップS6に示した左エリアLの相関演算処理として、図9のフローチャートに示すステップS2A〜S2Kの処理が前述した左中エリアLMの相関演算処理と同様に実行される。なお、これらの処理の詳細な説明は、重複するので省略する。
ここで、図8のステップS6に示した左エリアLの相関演算処理が終了されると、続いて図8のステップS7に示した左エリアLの距離算出処理が開始される。このステップS7の左エリアLの距離算出処理においては、図11のフローチャートに示すステップS7A〜S7Hの処理が実行される。
なお、図11のステップS7A〜S7Bの処理は、図10に示したステップS3A〜S3Bの処理と同じであり、また、図11のステップS7D〜S7Hの処理は、図10に示したステップS3C〜S3Fの処理と同じであるため、これらの詳細な説明は省略する。
ここで、図11のステップS7BとステップS7Dとの間には、ステップS7Bに続くステップS7Cの判定処理と、ステップS7Cの判定結果がYESの場合に進むステップS7Eの判定処理とが図1に示した無効条件判定部2Lとして設けられている。
ステップS7Cでは、例えば0.5m以内の超近距離にある撮影対象外の物体が左エリアLに写り込んでいるか否かを判定するため、例えば図5〜図7の左エリアLに符号mで示す「有効極小値(L)」が存在する場合、この「有効極小値(L)」に対応した符号n/mで示すシフト量「n有効極小値(L)」が「n近距離境界値」より大きいか否かが判定される。
ここで、図6に示すように、左エリアLの符号n/mで示すシフト量「n有効極小値(L)」が「n近距離境界値」より小さい場合には、左エリアLには超近距離の撮影対象外の物体が写り込んでいないものとしてステップS7Cの判定結果がNOとなり、ステップS7Dに進む。
一方、図5または図7に示すように、左エリアLの符号n/mで示すシフト量「n有効極小値(L)」が「n近距離境界値」より大きい場合には、左エリアLに超近距離の撮影対象外の物体が写り込んでいるものとしてステップS7Cの判定結果がYESとなり、この場合にはステップS7Eの判定に進む。
このステップS7Eでは、左エリアLに先行する中央エリアMおよび左中エリアLMに写っている測距対象物Sの全てが例えば4m以上の遠距離にあるか否かを判定するため、例えば図5の中央エリアMおよび左中エリアLMに符号mで示す「有効極小値(M)」および「有効極小値(LM)」が存在する場合、この「有効極小値(M)」および「有効極小値(LM)」に対応した符号n/mで示すシフト量「n有効極小値(M)」「n有効極小値(LM)」が全て「n遠距離境界値」より小さいか否かが判定される。
ここで、例えば図5に示すように、左中エリアLMの符号n/mで示すシフト量「n有効極小値(LM)」が「n遠距離境界値」より大きい場合には、左中エリアLMに写っている測距対象物Sが例えば4m以内にあるものとしてステップS7Eの判定結果がNOとなり、ステップS7Dに進む。
一方、図7に示すように、左中エリアLMには有効極小値がなく、中央エリアMにのみ有効極小値があって、中央エリアMの符号n/mで示すシフト量「n有効極小値(M)」が「n遠距離境界値」より小さい場合には、中央エリアMに写っている測距対象物Sが例えば4mより遠方にあるものとして、ステップS7Eの判定結果がYESとなる。そして、この場合には、図7の左エリアLの符号mで示す「有効極小値(L)」を無効とするため、ステップS7Hの距離算出を実行することなく左エリアLの距離算出処理が終了される。
このような無効条件判定部2L(図1参照)によるステップS7CおよびステップS7Eの判定処理の結果、一実施形態の測距装置においては、左エリアLに写り込んだ超近距離の撮影対象外の物体が測距の対象から除外されるため、左エリアLを除く複数の有効極小値に基づいて測距対象物までの距離が的確に演算することができ、その測距精度を向上させることができる。
図8のステップS7に示した左エリアLの距離算出処理が終了されると、続いて図8のステップS8に示した右中エリアRMの相関演算処理、ステップS9に示した右中エリアRMの距離演算処理、ステップS10に示した右エリアRの相関演算処理が順次実行される。これらの処理の詳細な説明は、前述したとおりであり、重複するので省略する。
図8のステップS11に示した右エリアRの距離算出処理においては、図12のフローチャートに示すステップS11A〜S11Dの処理が実行される。この図12のステップS11A〜S11Dの処理は、図10に示したステップS3A〜S3F処理からステップS3C〜S3Dの処理が除かれたものであるため、詳細な説明は省略する。なお、図10に示したステップS3C〜S3Dの処理が除かれているのは、右エリアRの距離算出処理では右エリアRに後続する測距エリアが存在しないためである。
以上説明したように、一実施形態の測距装置においては、無効条件判定部2L(図1参照)による図10のステップS7CおよびステップS7Eの判定処理の結果、左エリアLに写り込んだ超近距離の撮影対象外の物体が測距の対象から除外されるため、左エリアLを除く複数の有効極小値に基づいて測距対象物までの距離が的確に演算することができ、その測距精度を向上させることができる。
また、先行する測距エリアとして例えば中央エリアMに「有効極小値(M)」が存在する場合、この「有効極小値(M)」に対応するウインドウWL,WRのシフト量「n有効極小値(M)」を基準として、ウインドウWL,WRのシフト範囲が「n有効極小値(M)」より「n所定量」を超えて遠距離側となる範囲については、相関演算省略部2Jにより後続する例えば左中エリアLMの相関演算の一部が省略されるため、全体の測距時間が短縮される。
また、相関演算の一部が省略された例えば左中エリアLMに「有効極小値(LM)」が存在する場合、相関演算追加部2Kは、左中エリアLMで相関演算が省略されたウインドウWL,WRのシフト範囲、すなわち、「(n最小値〜n開始値(LM)−1)」の範囲については、相関演算追加部2Kにより相関演算が追加して実行されるため、相関演算の一部が省略されたシフト範囲に存在する可能性のある有効極小値を検出すことが可能となり、この有効極小値に基づいて測距対象物Sまでの距離を適切に演算することが可能となる。
本発明は、前述した一実施形態に限定されるものではない。例えば各測距エリアにおける相関演算の順序は、中央エリアM→左中エリアLM→左エリアL→右中エリアRM→右エリアRの順に限らず、中央エリアM→右中エリアRM→左中エリアLM→右エリアR→左エリアLの順など、宜変更することが可能である。
1 ラインセンサユニット
1A−L 結像レンズ
1A−R 結像レンズ
1B−L ラインセンサ
1B−R ラインセンサ
1C 信号処理回路
2 測距演算装置
2A ラインセンサ制御部
2B A/D変換部
2C センサデータ格納部
2D ウインドウシフト部
2E 相関演算部
2F 有効極小値認定部
2G 測距エラー判定部
2H シフト量決定部
2I 測距演算部
2J 相関演算省略部
2K 相関演算追加部
1A−L 結像レンズ
1A−R 結像レンズ
1B−L ラインセンサ
1B−R ラインセンサ
1C 信号処理回路
2 測距演算装置
2A ラインセンサ制御部
2B A/D変換部
2C センサデータ格納部
2D ウインドウシフト部
2E 相関演算部
2F 有効極小値認定部
2G 測距エラー判定部
2H シフト量決定部
2I 測距演算部
2J 相関演算省略部
2K 相関演算追加部
Claims (2)
- 測距対象物の一対の画像が結像された一対の受光センサの出力信号に基づき、左右方向に設定された複数の測距エリアごとに順次相関演算を実行し、各測距エリアの相関演算ごとに得られた最大の相関度を示す複数の有効な極小値に基づいて測距対象物までの距離を演算するパッシブ測距方式の測距装置であって、
先行する測距エリアに有効な極小値が存在する場合、その有効極小値に対応する距離のうち最も近い距離より所定距離範囲を超えて遠距離側となる測距範囲については、後続する測距エリアの相関演算を一部省略させる相関演算省略手段と、
後続する測距エリアのうち左右の端部に設定された特定測距エリアに存在する有効極小値を無効化する有効極小値無効化手段とを備え、
前記有効極小値無効化手段は、前記特定測距エリアに存在する有効極小値に対応した距離が予め設定された近距離境界点より近距離側にあり、かつ、前記特定測距エリアに先行する他の測距エリアに存在する有効極小値に対応した距離が予め設定された遠距離境界点より全て遠距離側にある場合、前記特定測距エリアに存在する有効極小値を無効化するように構成されていることを特徴とする測距装置。 - 相関演算の一部が省略された測距エリアに有効極小値が存在する場合、その測距エリアの省略された一部の相関演算を追加して実行させる相関演算追加手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の測距装置。
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-
2003
- 2003-12-24 JP JP2003427803A patent/JP2005189318A/ja active Pending
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