JP2005187635A - ゴム組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は硫黄のブルームを抑制した高硫黄配合ゴム組成物に関する。
硫黄含有率が高いゴムコンパウンドの場合にはモジュラスが高い、金属との接着性に優れるという利点はあるが、未加硫ゴムの表面における硫黄のブルーム(析出)のためにタック(粘着性)が低下したり、加硫の不具合が生じたりするという問題があった。かかる問題を解決するために、例えば硫黄/オレフィン付加物よりなる加硫剤を用いて耐ブルーム性に優れた加硫物を製造することが提案されている(特許文献1参照)。
本発明の目的は前記した硫黄含有率の高い、例えばゴム成分100質量部に対し3質量部以上、更には5質量部以上の高硫黄含有率のゴム組成物の耐ブルーム性を、他のゴム物性を低下させることなく、改良することにある。
本発明に従えば、ジエン系ゴム100質量部に対し硫黄3質量部以上、更には5質量部以上配合したゴム組成物に、硫黄とノルボルネン(又はその誘導体)とを反応させて得られる前記式(I)又は(II)の硫黄化合物を、好ましくは脂肪族又は脂環式カルボン酸のコバルト塩を更に配合することによって、加硫ゴム物性を低下させることなく、耐ブルーム性に優れたゴム組成物を得ることができる。
本発明において成分(A)として使用するジエン系ゴムとしては、タイヤ、その他用として一般的に使用することができる任意のゴム、例えば各種天然ゴム(NR)、各種ポリイソプレンゴム(IR)、各種ポリブタジエンゴム(BR)、各種スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム、クロロプレンゴム(CR)などをあげることができ、これらは単独又は任意のブレンドとして使用することができる。
本発明において成分(B)として使用する硫黄としては、ゴムの加硫に使用することができる任意の硫黄とすることができ、本発明の目的に従って、ジエン系ゴム100質量部に対し、3質量部以上、好ましくは5〜10質量部配合する。
本発明において成分(C)として使用する硫黄とノルボルネン(又はその誘導体)とを反応させて得られる有機硫黄化合物は、例えば特開2001−335662号公報に記載の有機硫黄加硫剤とすることができる。これは所定量の硫黄とノルボルネン(又はその誘導体)とを、触媒量の加硫促進剤及び加硫促進助剤の存在下で撹拌しながら、例えば100〜130℃で反応させることにより得られる。この触媒としては、アミン類又は従来より一般のゴム用加硫促進剤及び加硫促進助剤として用いられているものが使用でき、例えば加硫促進剤としては、スルフェンアミド系、グアニジン系、チアゾール系、チウラム系の各種加硫促進剤が、また、加硫促進助剤としては、粒度が0.05〜0.2μmの活性亜鉛華や0.3〜1μmの亜鉛華をあげることができる。そして、これらの触媒の添加量としては、ノルボルネン又はその誘導体に対し、通常0.1〜5質量%の量が使用される。
上記反応に使用するノルボルネン又はその誘導体としては、ノルボルネン、5−ノルボルネン−2−カルボン酸メチルエステル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸ブチルエステル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸オクチルエステル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸オクタデシルエステル、5−ノルボルネン−2−メチロール、5−ノルボルネン−2−ジメチロール、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物などが例示され、特に、ノルボルネンから得られた有機硫黄化合物がゴム加硫物性の点で好ましい。
本発明に用いられる硫黄−ノルボルネン(NB)反応物は、NB1モルに硫黄3モルを反応させ、式(III)の加硫剤を合成する。
また、硫黄が3モルを超えるものは、上記式(III)の化合物にアミン等塩基触媒存在下硫黄をさらに反応させることにより合成される。この硫黄が3モルを超える硫黄−ノルボルネン反応物の具体的な構造としては、上記式(I)又は(II)(式中xが4以上)で表される。こうして得られる加硫剤には硫黄が50〜70質量%含まれ、特に上記式(I)でnは平均4となるものが好ましく、優れた耐熱老化性を示す。
本発明のゴム組成物では、ジエン系ゴム100質量部に対して、前記有機硫黄化合物を0.1〜10質量部、好ましくは0.5〜5質量部を配合して使用する。これらの有機硫黄化合物の配合量が少な過ぎるときは、所期のブルーム抑制効果が得られず、また、その配合量が多過ぎる場合には、加硫速度が遅れたり、ゴム物性が低下するので好ましくない。
本発明の好ましい態様では更に成分(D)として、脂肪族又は脂環式カルボン酸のコバルト(Co)塩をジエン系ゴム100質量部に対しCo元素として0.01〜1質量部、更に好ましくは0.1〜0.5質量部を配合する。この配合量が少な過ぎると金属に対する十分な接着性が発現しないので好ましくなく、逆に多過ぎるとゴム物性が著しく低下するので好ましくない。
本発明の好ましい態様で使用する成分(D)の脂肪族又は脂環式カルボン酸のコバルト塩の具体例としてはステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノール酸、ナフテン酸、アビエチン酸、トール油酸などのような脂肪酸塩、ネオデカン−オルト−ホウ酸コバルトのようなホウ酸塩、又はコバルトアセチルアセトナートのようなコバルト錯体などをあげることができる。
本発明に係るゴム組成物には、前記した必須成分に加えて、カーボンブラックやシリカなどのその他の補強剤(フィラー)、加硫促進剤、各種オイル、老化防止剤、可塑剤などのタイヤ用、その他一般ゴム用に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練、加硫して組成物とし、加硫するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量は本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
以下、実施例によって本発明を更に説明するが、本発明の範囲をこれらの実施例に限定するものでないことはいうまでもない。
実施例1〜3及び比較例1〜3
有機硫黄化合物(III)の製造
反応管にDMF溶媒100ml中硫黄96g(3.0モル)及びノルボルネン94.15g(1.0モル)を入れ、触媒として加硫促進剤(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド)及び加硫促進助剤(酸化亜鉛)をそれぞれ0.8gを添加した後、120〜130℃で加熱し26時間撹拌した。反応終了後DMFを減圧除去し、黒色液体のノルボルネントリスルフィド(III)183.4g(収率96.5%)を得た。
有機硫黄化合物(III)の製造
反応管にDMF溶媒100ml中硫黄96g(3.0モル)及びノルボルネン94.15g(1.0モル)を入れ、触媒として加硫促進剤(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド)及び加硫促進助剤(酸化亜鉛)をそれぞれ0.8gを添加した後、120〜130℃で加熱し26時間撹拌した。反応終了後DMFを減圧除去し、黒色液体のノルボルネントリスルフィド(III)183.4g(収率96.5%)を得た。
ゴム組成物の調製
表Iに示す配合(質量部)において、加硫系(硫黄、加硫促進剤)を除く成分を2リットルの実験室型バンバリーミキサーで60rpm で5分間混練して120℃の温度で放出した。得られたマスターバッチに表Iに示す硫黄及び加硫促進剤を添加し、8インチのオープンロールで混練しゴム組成物を得た。得られたゴム組成物のムーニー粘度を測定し、表Iに示した。次いで、このゴム組成物を15×15×0.2cmの金型中で160℃で20分間プレス加硫して試験片(ゴムシート)を作成し、以下の試験に供した。結果は表Iに示す。
表Iに示す配合(質量部)において、加硫系(硫黄、加硫促進剤)を除く成分を2リットルの実験室型バンバリーミキサーで60rpm で5分間混練して120℃の温度で放出した。得られたマスターバッチに表Iに示す硫黄及び加硫促進剤を添加し、8インチのオープンロールで混練しゴム組成物を得た。得られたゴム組成物のムーニー粘度を測定し、表Iに示した。次いで、このゴム組成物を15×15×0.2cmの金型中で160℃で20分間プレス加硫して試験片(ゴムシート)を作成し、以下の試験に供した。結果は表Iに示す。
試験方法
レオメータ加硫試験:日本ゴム協会規格:SRIS−3102の試験法に準拠して、160℃にて60分間測定した。
引張試験:JIS K6251に準拠して測定(3号ダンベル)
レオメータ加硫試験:日本ゴム協会規格:SRIS−3102の試験法に準拠して、160℃にて60分間測定した。
引張試験:JIS K6251に準拠して測定(3号ダンベル)
タック試験:未加硫ゴムシート表面のタック力はピックアップ式の粘着力測定装置として、PICMAII型タックテスター(東洋精機社製)を用いて自着力を測定した。
タックの試験条件は以下の通りとした。
圧着荷重:500g
圧着時間:0秒(実測0.5秒)
剥離速度:125mm/min
圧着側サンプル:幅10mmの短冊状サンプルを金属円板に巻き付ける。
被圧着側サンプル:シート状(幅70mm×長さ100mm)
1回の測定につき新鮮面を使用して5回の測定を行い、結果の平均値をタック力とした。結果は比較例1(24時間放置後)の測定値を100として、タックを指数で表示した。値が大きいほどタックが大きく良好であることを示す。
ブルーム発生:目視観察
○:析出物なし
△:少量の斑点が見られる
×:全体的に斑点が見られる
タックの試験条件は以下の通りとした。
圧着荷重:500g
圧着時間:0秒(実測0.5秒)
剥離速度:125mm/min
圧着側サンプル:幅10mmの短冊状サンプルを金属円板に巻き付ける。
被圧着側サンプル:シート状(幅70mm×長さ100mm)
1回の測定につき新鮮面を使用して5回の測定を行い、結果の平均値をタック力とした。結果は比較例1(24時間放置後)の測定値を100として、タックを指数で表示した。値が大きいほどタックが大きく良好であることを示す。
ブルーム発生:目視観察
○:析出物なし
△:少量の斑点が見られる
×:全体的に斑点が見られる
表I脚注
天然ゴム:RSS#4
SBR:Nipol 1502(日本ゼオン)
BR:Nipol BR1220(日本ゼオン)
カーボンブラック:シーストKH(HAF級)(東海カーボン)
亜鉛華:酸化亜鉛3種(正同化学工業)
ステアリン酸:ビーズステアリン酸(日本油脂)
老化防止剤:サントフレックス13(フレキシス)
有機コバルト塩:マノボンドC22.5(ローディア)
有機硫黄化合物(III):前記製造例参照
不溶性イオウ:クリステックスHS(硫黄分80%)(アクゾノーベル)
可溶性イオウ:金華印油入り微粉硫黄(硫黄分95%)(鶴見化学工業)
加硫促進剤:ノクセラーDZ(大内新興化学工業)
天然ゴム:RSS#4
SBR:Nipol 1502(日本ゼオン)
BR:Nipol BR1220(日本ゼオン)
カーボンブラック:シーストKH(HAF級)(東海カーボン)
亜鉛華:酸化亜鉛3種(正同化学工業)
ステアリン酸:ビーズステアリン酸(日本油脂)
老化防止剤:サントフレックス13(フレキシス)
有機コバルト塩:マノボンドC22.5(ローディア)
有機硫黄化合物(III):前記製造例参照
不溶性イオウ:クリステックスHS(硫黄分80%)(アクゾノーベル)
可溶性イオウ:金華印油入り微粉硫黄(硫黄分95%)(鶴見化学工業)
加硫促進剤:ノクセラーDZ(大内新興化学工業)
以上の通り、本発明に従ったゴム組成物は、他のゴム物性を損なうことなく、耐ブルーム性に優れるので、タイヤベルトコートゴムなどとして有用である。
Claims (3)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003430714A JP2005187635A (ja) | 2003-12-25 | 2003-12-25 | ゴム組成物 |
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JP2003430714A JP2005187635A (ja) | 2003-12-25 | 2003-12-25 | ゴム組成物 |
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JP2005187635A true JP2005187635A (ja) | 2005-07-14 |
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Family Applications (1)
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JP2003430714A Pending JP2005187635A (ja) | 2003-12-25 | 2003-12-25 | ゴム組成物 |
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JP (1) | JP2005187635A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022024889A1 (ja) * | 2020-07-30 | 2022-02-03 | 住友理工株式会社 | メッキワイヤー補強層被覆用ゴム組成物およびそれを用いた高圧ホース |
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2003
- 2003-12-25 JP JP2003430714A patent/JP2005187635A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2022024889A1 (ja) * | 2020-07-30 | 2022-02-03 | 住友理工株式会社 | メッキワイヤー補強層被覆用ゴム組成物およびそれを用いた高圧ホース |
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