JP2005187409A - ハロゲン化有機物の分解方法およびシステム - Google Patents

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隆 京谷
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Abstract

【課題】 ハロゲン化有機物の分解反応で生成する塩を安全に、かつ安定的に処理する。
【解決手段】 分解処理対象となるハロゲン化有機物を極性有機溶媒と混合し、アルカリ溶液を添加した被処理液にエネルギー線を照射する光化学処理工程と、前記光化学処理工程を経た光化学処理液を、分離有機相と分離アルカリ水溶液相に分離する二相分離工程と、前記二相分離工程で得られた分離アルカリ水溶液相から塩を除去する塩除去工程と、前記塩除去工程で得られた塩を減圧下で加熱することで、該塩からこれに残留したハロゲン化有機物を分離する減圧加熱工程とを含むハロゲン化有機物の分解処理方法を提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ポリ塩化ビフェニル等のハロゲン化有機物を分解する方法およびシステムに関する。特に、本発明は、主として紫外線照射によりハロゲン化有機物を分解し、無害化する効率的かつ経済的な方法およびシステムに関する。
近年、様々な物質が人工的に合成されており、その中には難分解性の物質が含まれ、その処理方法が確立されていないものも多い。さらに、それらの中には自然環境を破壊する恐れがあるもの、人体への影響が懸念されているものも多く存在し、それらの安全な処理方法の確立が早急の課題となっている。
難分解性の人工合成化合物として代表的なものに、ハロゲン化有機物がある。従来、種々のハロゲン化有機物が農薬などに使用されており、土壌の汚染、農作物の汚染など人体への影響が懸念されている。例えば、殺虫剤としてDDTやディルドリン、ヘキサクロロシクロヘキサンなどが知られている。
また、ハロゲン化有機物は溶剤として広く使われている。例えば、テトラクロロエチレンやトリクロロエチレンは、ドライクリーニング工場で洗剤として、あるいはマイクロチップ製造現場などでグリースの除去のために用いられている。また、クロロホルム、四塩化炭素、塩化メチレンなども工業的に用いられている。さらに、ポリ塩化ビフェニル(以下PCBと記す)や、トリクロロベンゼン(以下TCBと記す)などが絶縁油、熱媒体、感圧紙などに広く使用されていた。
これらのハロゲン化有機物は、一般に微生物により容易には分解されないので、環境内に長く残留するものが多い。そして、これらは難分解性で処理が困難であるばかりでなく、燃焼すると有害な物質を発生する可能性がある。つまり、ハロゲン化有機物を例えば300〜900℃程度、特に400℃付近の比較的低温度で燃やすと、きわめて毒性の強いダイオキシンが大量に生成することが知られている。したがって、ハロゲン化有機物の処理に当たっては、厳しい法規制のもとで、有害廃棄物専用の高温燃焼炉での焼却処理が行われている。
ここで、ポリ塩化ビフェニル(Polychlorinated Biphenyl)は、PCBの略称で知られ、ビフェニルの2個以上の水素を塩素で置換した化合物の総称をいう。かかるPCB類は含有塩素量によってその形態が異なり、金属に対して安定で、絶縁性、不燃性、高脂溶性、可塑性などに大変優れているため、電気製品、熱媒体、感圧紙等の工業製品に広く使用され、それら各製品に含有された状態で、あるいは1重量%以上のPCBを含む高濃度PCBまたは1重量%以下のPCBを含む低濃度PCB(廃油)として処理されずに保管されてきている。しかし、PCBは化学的に非常に安定で長期にわたって自然分解されることなく残留するため、人体への影響のみならず地球環境に深刻な影響をもたらすことが問題となっている。
従って、このようなPCB類を人工的に分解処理する必要がある。かかるPCB類の分解方法としては、従来から、焼却法以外に、1)脱塩素化分解法、2)水熱酸化分解法、3)水素供与物質による還元熱・化学分解法、4)紫外線照射法等による光分解法が知られている。これらのうち、焼却法については、ダイオキシンの生成を懸念して、採用されていない。紫外線照射法は、PCBを極性有機溶媒中に溶かして紫外線を照射することにより脱塩素し、残留するPCBを生物処理または触媒処理等によって無害化するものであり、常温・常圧で処理できるために安全性が高いという点で有利性がある。
このような背景から、近年、例えばPCB等のハロゲン化有機物を紫外線等で 分解処理する、有害有機塩素系化合物の分解処理方法が提案されている。(特許文献1 参照)以下に詳細に説明するように、ハロゲン化有機物の分解反応により生成した酸は 、反応系の中に加えられるアルカリによって中和され塩と水を生成する。このため、生 成する塩と水を反応系から安定的に排出する必要がある。しかし、これらの塩等を排出 する場合にも、それらは卒業基準を満たしていなければならない。
なお、卒業基準とは、日本の「廃棄物の処理および清掃に関する法律」(昭和45年12月25日 法律137号)によって規定されている用語であり、その意味するところは、「通常の廃棄物として処理できる基準」ということである。卒業基準の具体的な値も法律によって規定されており、例えば、水であれば検液1リットルあたりPCBは0.003ミリグラム(すなわち3ppb)、油であれば試料1キログラムあたりPCBは0.5ミリグラム(すなわち0.5ppm)である。PCBの含有量が、これらの値を下回る場合には、検液全体あるいは試料全体を通常の廃棄物として処理できることとなる。
特開平7−313619号公報
従来発明者らは、紫外線照射/蒸留分離法の開発を行ってきたが、前記のよう に生成物として食塩と水を生成する。このようなPCB処理装置から排出される食塩や 水は、たとえ卒業基準を満足していても、なかなか排出が認められないのが実情である 。そこで、食塩等を他のビフェニルとともに焼却することも提案されているが、食塩が 分解して塩素が発生するために、炉の材料がもたない。そこで、塩素対策をした燃焼炉 が必要となる。
生成物のうちビフェニルその他の精密蒸留した留出成分はすべて、焼却処理の ために系外に排出されるが、食塩と水は、濃厚塩水または食塩として電気分解の原料と して再利用することができる。系内で電気分解する場合には問題はないが、系外にて電 気分解する場合には、発生する水と食塩を確実にPCBの排出規準以下に保つ必要があ る。そこで、より一層容易に食塩からPCBを分離する方法が必要となる。
本発明は、前記事情を鑑みてなされたもので、ハロゲン化有機物の分解反応で生成する塩を安全に、かつ安定的に処理することができるハロゲン化有機物の分解処理方法およびシステムを提供する。
本発明の1つの側面によると、分解処理対象となるハロゲン化有機物を極性有機溶媒と混合し、アルカリ溶液を添加した被処理液にエネルギー線を照射する光化学処理工程と、前記光化学処理工程を経た光化学処理液を、分離有機相と分離アルカリ水溶液相に分離する二相分離工程と、前記二相分離工程で得られた分離アルカリ水溶液相から塩を除去する塩除去工程と、前記塩除去工程で得られた塩を減圧下で加熱することで、該塩からこれに残留したハロゲン化有機物を分離する減圧加熱工程とを含むハロゲン化有機物の分解処理方法が提供される。
好ましくは、本発明にかかるハロゲン化有機物の分解処理方法は、前記二相分離工程で得られた分離アルカリ水溶液相から水を蒸発させ、該分離アルカリ水溶液相を濃縮する濃縮工程をさらに含む。また、好ましくは、前記塩除去工程で得られた塩を含む水溶液である被電気分解水溶液を電気分解する電気分解工程をさらに含む。
本発明の別の側面によると、分解処理対象となるハロゲン化有機物を極性有機溶媒と混合し、アルカリ溶液を添加した被処理液にエネルギー線を照射する光化学処理装置と、前記光化学処理工程を経た光化学処理液を、分離有機相と分離アルカリ水溶液相に分離する二相分離装置と、前記二相分離工程で得られた分離アルカリ水溶液相から塩を除去する塩除去装置と、前記塩除去工程で得られた塩を減圧下で加熱することで、該塩からこれに残留したハロゲン化有機物を分離する減圧加熱装置とを含むハロゲン化有機物の分解処理システムが提供される。
好ましくは、本発明にかかるハロゲン化有機物の分解処理システムは、前記二相分離装置で得られた分離アルカリ水溶液相から水を蒸発させ、該分離アルカリ水溶液相を濃縮する濃縮装置をさらに含む。また、好ましくは、前記塩除去装置で得られた塩を含む水溶液である被電気分解水溶液を電気分解する電気分解装置をさらに含む。
本発明者らは、特願2002−235497において、以下に概略するハロゲ ン化有機物の分解処理方法を提案した。この方法においては、一例として分解対象とな るハロゲン化有機物を、塩素数が5個を中心としたポリ塩化ビフェニル(PCB)とト リクロルベンゼン(TCB)とが、70重量%:30重量%の割合で混合されている混 合物としている。この混合物を予め減圧蒸留により、PCBとTCBに分離する。
さて、図3に示すように、この分離したPCB1を、水素供与体である極性有 機溶媒イソプロピルアルコール2と水酸化ナトリウム3と溶解工程101にて混合する 。このようにして混合した被処理液4を光化学処理工程102にて、紫外線分解する。 この工程で、99.999%以上のPCBをビフェニルに分解することができる。光化 学処理工程102を経た光化学処理液5は、二相分離工程103にて、自然に二相分離 した上相の分離有機相6(イソプロピルアルコール相)と下相の分離アルカリ水溶液相 7に分けられる。上相の分離有機相6は、蒸発工程104にて蒸発され、ガス側からア セトン・イソプロピルアルコール・水の混合物を含む蒸発有機溶媒8を留出させること ができる。蒸発有機溶媒8は、分離工程105の上部からアセトンを主体とした混合物 である非極性有機溶媒10と回収極性有機溶媒51とを分離する。この回収極性有機溶 媒51は、溶解工程101に循環して使用する。蒸発工程104の蒸発缶出物9にはイ ソプロピルアルコール・ビフェニル・PCB・水酸化ナトリウム・塩化ナトリウム等が 含まれている。
この蒸発缶出物9を蒸留工程108において、精密蒸留により分離することで、回収極性有機溶媒53、水56、ビフェニル17の順に得ることができる。ビフェニル17は、燃料に混ぜて焼却処理することができる。蒸留工程108の缶出物である蒸留缶出物14は、ビフェニルとPCBを含んでおり、これを溶解工程101に再循環して、PCBを紫外線分解すると好ましい。
紫外線照後の二相分離工程103の下相に存在する分離アルカリ水溶液相7は 、濃縮工程106において、水54を蒸発させ、濃縮する。濃縮工程で得られた濃縮ア ルカリ水溶液は、塩除去工程107により、塩を除去され、塩除去アルカリ水溶液12 として、溶解工程101に戻され再利用される。また、濃縮アルカリ水溶液11中の食 塩は、塩除去工程107において、フィルタにより捕集した後、切替にて水55を導入 し、水洗して食塩を溶かし、さらに、IPA等の有機溶剤15を洗浄液として、洗浄工 程109にて洗浄する。さらに洗浄後の洗浄塩含有水溶液16を電気分解前濃縮工程1 10において濃縮し、電気分解工程111において、電気分解にかける。
塩含有水溶液13を洗浄工程109にて洗浄したあと、水洗浄を行い、残分の食塩を濃縮食塩貯槽にて電気分解前濃縮工程110により水を除去し、好ましくは11〜50wt%の食塩水にする。この食塩水を電気分解すると、陰極に水酸化ナトリウムと水素を生成し、陽極に塩素を生成する。生成した水酸化ナトリウム水溶液は、塩が飽和している塩除去アルカリ水溶液12と混ぜて、溶解工程101に戻し再利用する。
なお、この脱塩素化の反応は、例えば、塩素数が5個であるPCBが完全にビ フェニルに分解されるときは、以下の反応式で示すことができる。
・C125Cl5(PCB)+5H2→C1210(ビフェニル)+5HCl(塩酸)
・5C38O(IPA)→5C36O(アセトン)+5H2
生成した塩酸は、前記反応系の中にアルカリ水溶液を加えておくことによって 中和され、以下のように塩と水を生じる。
・5HCl+5NaOH→5NaCl+5H2
これらの反応は、全体としては以下の反応式で示すことができる。
・C125Cl5(PCB)+5C38O(IPA)+5NaOH→C1210(ビフェニル)+5C36O(アセトン)+5NaCl(食塩)+5H2O ・・・(1)
また、食塩水の電気分解は、次の反応式によって起こる。
・NaCl+H2O → NaOH+1/2H2+1/2Cl2 ・・・(2)
この反応により、理論上すべての食塩は、水酸化ナトリウムに変換される。前述の(1)式に前記(2)式を代入すると、下記の(3)式となる。
・C125Cl5(PCB)+5C38O(IPA)+5NaOH→C1210(ビフェニル)+5C36O(アセトン)+5NaOH+5/2H2+5/2Cl2 ・・・(3)
ここで、水酸化ナトリウムは再度使用するものとし、水素と塩素は、ボンベに詰めて別のプロセスにて使用することができる。また、電気分解装置については、別途水酸化ナトリウム製造工場にて処理することもPCB処理プラントと同じ敷地で処理することでも可能である。
これと同様に、本発明によると、PCBの原料によらず紫外線照射法のみによ りPCBを処理ができ、蒸留法によりビフェニル等を分離する処理方法において、食塩 または食塩水溶液を電気分解して、水酸化ナトリウムと塩素と水素にすることができる 。水酸化ナトリウムは、再使用し、塩素は水素と反応させて塩酸にすることができる。 生成する水も系外に排出せずに、バランスを取りながら再利用することができる。また 、食塩や水をリサイクルするために、水酸化ナトリウムや水の補給量を大きく減らすこ とができる。
さらに本発明によると、以下に詳細に説明するように、減圧加熱処理をすることにより、電気分解する食塩のPCB濃度を容易に排出規準以下にすることができる。すなわち、本発明によると、塩除去工程で得られた塩を、水やIPA等の極性有機溶媒に溶解させることなしに、塩として回収し、減圧加熱処理を行うことで、より容易に残留ハロゲン化有機物を除去することができる。また、この場合、適当な量の水を加えることで、非電解水溶液の塩の濃度を、電気分解に好適な濃度に容易に調整することができる。
以下に詳細に説明するように、本発明は、主に光化学処理を行うことでハロゲン化有機物を分解する、簡易で経済的なハロゲン化有機物の分解処理方法を提供する。さらに、ハロゲン化有機物の分解反応により生じる塩を電気分解することで、塩および排水を系外に排出する必要がなくなる。また、ハロゲン化有機物の分解反応に利用するアルカリ溶液を再生することが可能であり、アルカリ溶液や水の補給量を大幅に減らすことができる。
以下に、本発明の実施の形態を、添付図面を参照しながら説明する。もっとも、以下に説明する実施の形態は本発明を限定するものではない。
図1は、本発明に係る第1の実施形態によるハロゲン化有機物の分解処理工程を表すブロック図である。分解処理の対象であるPCB1(ハロゲン化有機物)を、水素供与体として働く極性有機溶媒であるイソプロピルアルコール(以下IPAと記す)2、および、水酸化ナトリウム水溶液3(アルカリ水溶液)と溶解工程101にて混合する。
説明の便宜上、本実施の形態では分解処理の対象となるハロゲン化有機物として、PCBを挙げたが、ハロゲン化有機物はPCBに限定されるものではない。ハロゲン化有機物として、PCBの他に、TCB、DDT、ディルドリン、ヘキサクロロシクロヘキサン、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン、クロロホルム、四塩化炭素、塩化メチレンあるいはそれらの混合物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、水素供与体である極性有機溶媒としてIPA、メチルアルコール、エチルアルコールあるいはそれらの混合物等を用いることができる。しかし、これらには限定されない。特に、ハロゲン化有機物の塩素を分解するときの水素の供与性が良好であるために、IPAを用いることが好ましい。
同様に、アルカリ水溶液は水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、水酸化アンモニウム水溶液あるいはそれらの混合物等を用いることができるが、これらには限定されない。
溶解工程101で、PCB1をIPA2に溶解するに当たっては、室温で適当な量を混合することで簡単に溶解することができる。このときIPA2と水酸化ナトリウム水溶液3との混合割合は任意とされるが、例えば重量比で30:70〜70:30程度とすると好ましい。溶解工程101は通常の攪拌機付きのタンクのような装置を用いて行うことができる。
ここで、溶解後の溶液である被処理液4における適当なハロゲン化有機物濃度は、ハロゲン化有機物および極性有機溶媒の種類等により異なる。例えば、五塩化物を主成分とするPCBをIPAに溶解する場合、PCB濃度は2.0重量%以下となるように調整することが好ましい。
また、アルカリ水溶液の濃度は30重量%以上、飽和溶解度以下とすることが好ましい。ここで、水酸化ナトリウムの飽和水溶液濃度は温度に依存するものであり、20℃において52重量%、40℃において56重量%、60℃において64重量%である。飽和溶解度を超えると、溶けきれないアルカリが紫外線を遮断する問題が発生する場合がある。また、以下で説明する分離有機相6中のアルカリ濃度が5g/L以上となるように調整すると好ましい。これにより、被処理液4は肉眼で識別できる程度に二相に分離するためである。
本実施形態においては溶解工程101について説明した。しかし、溶解工程101は必ずしも本発明に係るハロゲン化有機物の分解処理方法には含まれる必要はない。例えば、所定値の濃度になるように別の場所で調整された被処理液4を処理対象としてもよい。
以上のように混合した被処理液4は、次に光化学処理工程102に送る。ここで、エネルギー線として紫外線を照射することで、被処理液4に含まれるPCBを分解することができる。
分解処理の対象がPCBのとき、紫外線の光源は、波長が254nmの低出力低圧紫外線ランプを使用することが好ましいが、その他にも高出力低圧紫外線ランプや高圧紫外線ランプなども用いることができる。必要とされる紫外線照射エネルギーは、PCB1g当たり通常6〜30Wh、好ましくは8〜24Whである。しかし、PCB以外の分解処理対象については当該ハロゲン化有機物の種類および溶媒の種類等に応じて、エネルギー線の適当な波長および必要なエネルギーは異なる。
なお、このときの反応温度は40℃以上、好ましくは50℃以上、好ましくは50〜60℃とすることにより、IPA中のアルカリ濃度を高め、脱塩素化反応を促進することができる。
このような光化学処理工程102としては、具体的には、円柱状の容器に長さ1m程度のランプが同心円状に数十本配置されたもので、被処理液4は容器の下部から供給されランプに平行に流れ上部から出ていき循環して下部に戻る方式の装置を用いて行うことができる。しかし、本発明の光化学処理工程102に使用する装置は、一定の形態に限定されるものではない。
光化学処理工程102を経た光化学処理液5は、次に二相分離工程103に送る。この工程で、二相に分離した光化学処理液5を、上相の分離有機相6と下相の分離アルカリ水溶液相7とに分けることができる。
二相分離工程103で光化学処理液5を分離する前に、必要に応じて光化学処理液5にアルカリ水溶液を添加し、分離有機相6中のアルカリ濃度を5g/L以上とすると好ましい。アルカリ濃度をこの範囲とすることにより、光化学処理液は肉眼で識別できる程度にIPA相と水相との二相にはっきりと分離する。当然であるが、あらかじめ非処理液のアルカリ濃度をこの濃度に調節しておけば、この段階でアルカリ水溶液を添加する必要はなく、この方法のほうが、簡便である。
さらに、本発明にかかるハロゲン化有機物の分解処理方法は、前記分離有機相を蒸発させることで、蒸発有機溶媒と、蒸発缶出物とにさらに分離する蒸発工程をさらに含むと好ましい。すなわち、上相の分離有機相6は次に蒸発工程104に送ると好ましい。ここで、分離有機相6を蒸発させ、ガスとして蒸発有機溶媒8(主にIPAおよびアセトンを含む)を留出させ、底部に蒸発缶出物9(主にビフェニル、水酸化ナトリウム、塩化ナトリウムを含む)を得ることができる。
なお、分解処理の対象がPCBのとき、蒸発工程104では、1.2重量%以上のアルカリが存在する分離有機相6を、大気圧下で、約100℃に、2〜3時間加熱し、蒸発有機溶媒8を蒸発させると好ましい。また、かかる方法以外にも、減圧して100℃以下で蒸発させることも可能である。しかし、PCB以外の分解処理対象については当該ハロゲン化有機物の種類および溶媒の種類等に応じて、蒸発処理の好適な条件は異なる。
さらに、本発明にかかるハロゲン化有機物の分解処理方法は、前記蒸発缶出物を蒸留する蒸留工程をさらに含むと好ましい。すなわち、蒸発工程104の缶出物である蒸発缶出物9(主にビフェニル、水酸化ナトリウム、塩化ナトリウムを含む)は、必要に応じて回収極性有機溶媒52により蒸留工程108へ送り、ここで蒸留処理することができる。このとき、複数段の充填層を備えた精密蒸留装置を用いて蒸留を行うことで、蒸発缶出物9を、回収極性有機溶媒53(主にIPAを含む)、水56、ビフェニル17の順に蒸気圧の高い物質から留出することができる。
ここで、回収極性有機溶媒53は、溶解工程101に返送し、再利用することができる。また、ビフェニル17は、PCB濃度が卒業基準である0.5mg/kg以下となっていることを確認し、油として焼却処理することができる。蒸留工程108の缶出物である蒸留缶出物14(主にビフェニルを含み、微量の水酸化ナトリウム、食塩、およびさらに微量のPCBを含む)は、溶解工程101に返送し、再び紫外線によるPCB分解処理を行うことができる。
なお、蒸留操作の条件は、例えば分解処理対象をPCBとし、IPAを溶媒として用いたとき、12〜15段の充填物付きの回分式精密蒸留装置で、留出温度130℃から140℃まで、圧力70Torrから30Torrまで(9300Paから4000Paまで)、約15時間で行うことができる。しかし、PCB以外の分解処理対象については当該ハロゲン化有機物の種類および溶媒の種類等に応じて、蒸留処理の好適な条件は異なり、一定の値に限定されるものではない。
ここで、前記蒸発有機溶媒8(主にIPAおよびアセトンを含む)は分離工程105に送り、蒸留操作により回収極性有機溶媒51(主にIPAを含む)と非極性有機溶媒10(主にアセトンを含む)に分離すると好ましい。また、回収極性有機溶媒51は、溶解工程101に返送し、再利用することができる。また、非極性有機溶媒10は、有効な燃料として利用することができる。ここで、非極性有機溶媒10は、PCBの光化学処理工程において、水素供与体である極性有機溶媒(IPA2)が脱水素されて生成したものである。ハロゲン化有機物の分解処理にIPAを再利用する際には、IPAからアセトンを積極的に除去する必要がある。
分離工程105における蒸留手段としては、充填層(充填塔)、棚段(棚段塔)、流下液膜などの方式を利用することができ、中でも構造が簡便で、かつ十分な効果が得られる充填層が好ましい。これにより、沸点の低いアセトンを十分にIPAから分離できる。
また、二相分離工程103で分離された分離アルカリ水溶液相7(主に水酸化ナトリウム、塩化ナトリウムを含む)は、次に濃縮工程106に送ると好ましい。濃縮工程106では、水54を蒸発させることで、分離アルカリ水溶液相7を濃縮する。この工程により、光化学処理工程102でのハロゲン化有機物の分解反応で生じる水を除去することができる。このとき、分離アルカリ水溶液相7に含まれている塩化ナトリウムが飽和すると、塩化ナトリウムは析出する。
濃縮工程106で濃縮された濃縮アルカリ水溶液11は、次に塩除去工程107に送る。塩除去工程107では、塩フィルタで物理的に塩(主に塩化ナトリウムを含む)を捕集することができる。これにより、光化学処理工程102でのハロゲン化有機物の分解反応で生じる塩を、濃縮アルカリ水溶液11から除去することができる。塩除去工程107を経た塩除去アルカリ水溶液12(主に水酸化ナトリウムを含む)は、溶解工程101に返送し、水酸化ナトリウム水溶液(アルカリ水溶液)として再利用することができる。
塩除去工程107における塩の除去は、塩フィルタによる物理的な塩の捕集により行うことができるが、これに限定されるものではない。ここで、塩除去工程107において塩フィルタに捕集された塩22は、塩フィルタから回収する。この回収は、水やIPA等の極性有機溶媒に溶解させることなしに、物理的に行うと好ましい。
好ましくは、複数の塩フィルタを設け、捕集した塩を塩フィルタから取り除く際、他の塩フィルタを用いて塩除去処理を行うことで、塩除去工程を滞りなく、連続的に行うことができる。特に好ましくは、2つの塩フィルタを設けることで、一方の塩フィルタから塩を取り除く際、他方の塩フィルタを用いて塩除去処理を行う。
ここで、塩除去工程107で得られた塩22は、減圧加熱工程113に送る。減圧加熱工程113で、塩22を減圧処理および/または加熱処理することにより、塩22に残留したハロゲン化有機物を蒸発させることができる。この工程により、塩22から、これに微量に含まれているハロゲン化有機物を、より完全に取り除くことができる。特に限定されるものではないが、減圧加熱工程113で、ハロゲン化有機物の濃度を、排出基準以下の濃度にすると好ましい。例えば、分解処理の対象がPCBのとき、減圧加熱工程113で、PCBの濃度を、排出基準である0.003mg/kg以下の濃度にすると好ましい。
なお、特に限定されるものではないが、分解処理の対象がPCBのとき、減圧加熱処理は、300〜500℃、1,333Pa(10Torr)〜6,666Pa(50Torr)の条件で、1〜6時間行うと好ましい。PCB以外の分解処理対象については、当該ハロゲン化有機物の種類等に応じて、減圧加熱処理の好適な条件は異なる。さらにハロゲン化有機物の濃度を低減するためには、温度を上げる、減圧をさらに下げる、および/または処理時間を長くする等の操作により対応することができる。
塩除去工程107で得られた塩を、水やIPA等の有機溶剤により洗浄した場合、好適なハロゲン化有機物濃度とするためには、数回以上の洗浄回数を必要とし、効率的でない場合がある。また、この場合は、得られた塩の水溶液を、その後の電気分解に好適な濃度にするために、濃縮する必要がある場合がある。一方で、本発明によると、塩除去工程107で得られた塩を、水やIPA等の極性有機溶媒に溶解させることなしに、塩22として回収し、減圧加熱処理を行うことで、より容易に残留ハロゲン化有機物を除去することができる。
ここで、減圧加熱工程113により得られた蒸発物23は、主にPCB等のハロゲン化有機物を含む。この蒸発物23は、特に限定されるものではないが、以下のように処理することができる。すなわち、これらの物質は、量的にはごく微量であるが溶解工程101に戻して、光化学処理工程102で分解処理すると好ましい。
一方で、減圧加熱工程113で残留ハロゲン化有機物を除去した塩である残留物除去塩24は、好ましくは生成する水54や水56を利用して水58と共に、電気分解工程111に送る。以下に詳細に述べるように、塩化ナトリウム水溶液を電気分解すると、陰極に水酸化ナトリウムと水素ガスが生成し、陽極に塩素ガスが生成する。電気分解処理後の水溶液である電解アルカリ水溶液19(主に水酸化ナトリウムを含む)は、溶解工程101に返送し、前記水酸化ナトリウム水溶液3として再利用することができる。また、ここで発生した水素ガスおよび塩素ガスは、それぞれボンベに詰めて種々の他の処理に再利用することができる。
この電気分解処理111は、イオン交換膜法では、300〜310g/L程度の塩化ナトリウム水溶液を処理する場合、処理液1Lに対して、好ましくは285〜295g程度処理すると好ましい。
なお、塩化ナトリウム水溶液の電気分解反応は、以下の反応式で示すことができる。
陰極:2H2O+2e- → H2+2OH-
陽極:2Cl- → Cl2+2e-
この電気分解反応は、全体としては以下の反応式で示すことができる。
・2H2O+2NaCl → 2NaOH+H2+Cl2
以上の式から分かるように、塩化ナトリウム水溶液を電気分解すると、陰極に水酸化ナトリウムと水素ガスが生成し、陽極に塩素ガスが生成する。このように、理論上全ての塩化ナトリウムは水酸化ナトリウムに変換することが可能である。この電気分解反応で生じた水酸化ナトリウム水溶液は、前記被処理液に添加するアルカリ溶液として再利用することができる。同様に、電気分解反応で生じた水素ガスおよび塩素ガスは、必要に応じてボンベ等に貯蔵し、種々の他の処理に再利用することができる。
図2は、本発明に係る第2の実施形態によるハロゲン化有機物の分解処理工程を表すブロック図である。第2の実施の形態における溶解工程101、光化学処理工程102、二相分離工程103、蒸発工程104、分離工程105、濃縮工程106、塩除去工程107、蒸留工程108、電気分解工程111、減圧加熱工程113等は、第1の実施の形態と同様に行うことができるため、ここでは説明を省略する。
第2の実施の形態では、減圧加熱工程113において塩22から残留ハロゲン化有機物を除去した残留物除去塩24と、濃縮工程106において分離アルカリ水溶液相7から回収された水54とを、電気分解前混合工程114に送る。この工程において、残留物除去塩24と水54とを混合し、貯蔵する。また、この場合、適当な量の水を加えることで、被電解水溶液25の塩の濃度を、電気分解に好適な濃度に容易に調整することができる。特に限定されるものではないが、この混合は、窒素ガス下で行うと好ましい。PCBを系外に流出する可能性をゼロにするためである。
一連のハロゲン化有機物の分解処理において、主に、濃縮工程106および蒸留工程108で系から水が排出される。また、主に、水酸化ナトリウム水溶液として溶解工程101および電気分解工程111で、系に水が加えられる。一方で、上述したように、本発明にかかるハロゲン化有機物の分解反応は、水を生じない。このため、第2の実施の形態によると、系内の水の総量が一定となるように、系から排出された水を、系に加える水として再利用することで、系から排出する水をなくすことができる。このため、電気分解前混合工程114において、濃縮工程106で得られた水54の代わりに、またはこれに加えて、蒸留工程108で得られた水56を、残留物除去塩24と混合することもできる。なお、電気分解前混合工程114では、残留物除去塩24と水54との混合により得られた非電解水溶液25を11〜50重量%の塩化ナトリウム水溶液にすると特に好ましい。
さらに、本発明にかかるハロゲン化有機物の分解処理方法は、前記蒸留工程により生じた蒸留缶出物、または前記蒸発缶出物を水で洗う缶出物洗浄工程(図示せず)をさらに含むと好ましい。すなわち、蒸留缶出物14(主にビフェニルを含み、微量の水酸化ナトリウム、食塩、およびさらに微量のPCBを含む)を、回収有機溶媒52等で流しだし、缶出物洗浄工程へ送ることができる。缶出物洗浄工程では、流しだした蒸留缶出物14に水を添加することで、蒸留缶出物14に含まれるPCBの分解反応で生成した塩を抽出することができる。塩を除去した蒸留缶出物14である塩除去蒸留缶出物は溶解工程101に返送し、再び紫外線によるPCB分解処理を行うと好ましい。
また、蒸留缶出物14から抽出した塩を含む塩抽出水溶液は、IPAやノルマルヘキサン等の有機溶剤により洗浄することができる。これにより、塩抽出水溶液に微量に含まれているPCBは有機溶剤により除去される。洗浄された塩抽出水溶液は、電気分解工程111で電気分解することができる。なお、蒸留缶出物14の代わりに蒸発缶出物9を缶出物洗浄工程へ送り、同様の処理をしてもよい。
なお、分解処理対象(三塩化物を主体とするPCBまたは五塩化物を主体とするPCB等)の違いや、有効エネルギー線の照射時間の増大による分解や蒸発工程での加熱温度・時間による若干の分解の効果や、蒸発缶出物9を洗い流す時のIPA量の混合により、蒸発缶出物9をIPAで洗い流した流出物中のPCB濃度が卒業基準である0.5mg/kg以下となる場合、この流出物は油として焼却処理でき、蒸発缶出物9を蒸留工程108に送る必要はない。
また、電気分解前濃縮工程110および電気分解工程111は、PCBの分解処理とは独立に行うことができる。このため、電気分解前濃縮工程110および電気分解工程111はPCB処理プラント内で行うことも可能であり、また、別途水酸化ナトリウム製造プラント内で行うことも可能である。
以下に、本発明の実施例を、添付図面を参照しながら説明する。もっとも、以下に説明する実施例は本発明を限定するものではない。
[実施例1]
実施例1では、図1に示した第1の実施形態に従って、ハロゲン化有機物を分解処理した。本実施例の分解処理方法では、分解対象となるハロゲン化有機物を、塩素数が5個を中心としたポリ塩化ビフェニル(PCB)とトリクロルベンゼン(TCB)とが、70重量%:30重量%の割合で混合されている混合物を分離した後のPCB1を用いた。
上記したように、図3に示す比較例では、PCBの分解により生成した食塩は、塩除去工程107においてフィルタで捕集したあと、水55で洗浄、回収した後、洗浄工程109において洗浄液である有機溶剤15で洗浄する。洗浄工程109において食塩中のPCBが卒業基準を満足した後、電気分解前濃縮工程110において食塩水を濃縮して電気分解にかける。
食塩水である塩含有水溶液13を洗浄工程109にて洗浄したあと、水またはイソプロピルアルコールによる洗浄を行い、電気分解前濃縮工程110において、濃縮食塩貯槽により残分の食塩から水を除去し、濃縮被電解水溶液18を、11〜50wt%の食塩水にする。この食塩水を電気分解すると、陰極に水酸化ナトリウムと水素を生成し、陽極に塩素を生成する。水酸化ナトリウム水溶液である電解アルカリ水溶液19は、食塩が飽和している水酸化ナトリウム溶液である塩除去アルカリ水溶液12と混ぜて、溶解工程101に戻し再利用することができる。しかし、上記したように、生成した食塩を水またはイソプロピルアルコールにて洗浄しても、数回以上の洗浄回数を必要とし、効率的でない場合がある。
これに対して、本実施例では、減圧加熱工程113において、塩除去工程107で得られた塩22を、減圧加熱装置に入れて、PCBを蒸発させて食塩から分離する。この食塩を系外に運び、電気分解して生成した水酸化ナトリウムを再利用する。
具体的には、減圧加熱工程113において、塩除去工程107で得られた塩22を容器にいれ、温度400℃に加熱して30Torr(4000Pa)の条件で3時間減圧処理した。この処理後の食塩中のPCB濃度は、0.0014mg/kgであり排出規準0.003mg/kg以下であった。また、ダイオキシンの規制はないが、0.0014pg−TEQ/gという微量な値であった。
[実施例2]
実施例2では、図2に示した第2の実施形態に従って、ハロゲン化有機物を分解処理した。本実施例の分解処理方法では、実施例1に対して、濃縮工程106において分離アルカリ水溶液相7から生成した水54と、窒素の封入下で減圧加熱処理をして得られた食塩である残留物除去塩24とを、電気分解前混合工程114において、濃縮食塩水貯槽にて混合した。この濃縮食塩水を電気分解工程111に送った。電気分解で生成した水酸化ナトリウムは、溶解工程101に送り、再利用した。
実施例2において減圧加熱処理は、実施例1と同様に、30Torr(4000Pa)、400℃で3時間減圧加熱を行った。この処理をした食塩中のPCB濃度およびDXN濃度は、実施例1と同様である。ここで、濃縮工程106において、100℃、220Torr(29000Pa)の条件にて蒸発させ、得られた水54に含まれるPCB濃度は、0.00032mg/kgであり、ダイオキシン濃度は、0.022(pg−TEQ/g)であった。
そこで、電気分解前混合工程114において、濃縮食塩水貯槽にて、20℃の飽和食塩水溶液を、36.38wt%とした。この場合、PCB濃度0.00071mg/kgであり排出規準0.003mg/kg以下であった。また、ダイオキシン濃度は、0.0145(pg−TEQ/g)であり、水の排出規準10(pg−TEQ/g)に比べてはるかに小さかった。
本発明に係る第1の実施形態によるハロゲン化有機物の分解処理工程を表すブロック図である。 本発明に係る第2の実施形態によるハロゲン化有機物の分解処理工程を表すブロック図である。 関連技術におけるハロゲン化有機物の分解処理工程を表すブロック図である。
符号の説明
1 PCB
2 IPA
3 水酸化ナトリウム水溶液
4 被処理液
5 光化学処理液
6 分離有機相
7 分離アルカリ水溶液相
8 蒸発有機溶媒
9 蒸発缶出物
10 非極性有機溶媒
11 濃縮アルカリ水溶液
12 塩除去アルカリ水溶液
13 塩含有水溶液
14 蒸留缶出物
15 有機溶剤
16 洗浄塩含有水溶液
17 ビフェニル
18 濃縮被電解水溶液
19 電解アルカリ水溶液
20 塩除去蒸留缶出物
21 塩抽出水溶液
22 塩
23 蒸発物
24 残留物除去塩
25 被電解水溶液
51、52、53 回収極性有機溶媒
54、55、56、57、58 水
101 溶解工程
102 光化学処理工程
103 二相分離工程
104 蒸発工程
105 分離工程
106 濃縮工程
107 塩除去工程
108 蒸留工程
109 洗浄工程
110 電気分解前濃縮工程
111 電気分解工程
112 缶出物洗浄工程
113 減圧加熱工程
114 電気分解前混合工程

Claims (6)

  1. 分解処理対象となるハロゲン化有機物を極性有機溶媒と混合し、アルカリ溶液を添加した被処理液にエネルギー線を照射する光化学処理工程と、
    前記光化学処理工程を経た光化学処理液を、分離有機相と分離アルカリ水溶液相に分離する二相分離工程と、
    前記二相分離工程で得られた分離アルカリ水溶液相から塩を除去する塩除去工程と、
    前記塩除去工程で得られた塩を減圧下で加熱することで、該塩からこれに残留したハロゲン化有機物を分離する減圧加熱工程と
    を含むハロゲン化有機物の分解処理方法。
  2. 前記二相分離工程で得られた分離アルカリ水溶液相から水を蒸発させ、該分離アルカリ水溶液相を濃縮する濃縮工程をさらに含む請求項1に記載の方法。
  3. 前記塩除去工程で得られた塩を含む水溶液である被電気分解水溶液を電気分解する電気分解工程をさらに含む請求項1または2に記載の方法。
  4. 分解処理対象となるハロゲン化有機物を極性有機溶媒と混合し、アルカリ溶液を添加した被処理液にエネルギー線を照射する光化学処理装置と、
    前記光化学処理工程を経た光化学処理液を、分離有機相と分離アルカリ水溶液相に分離する二相分離装置と、
    前記二相分離工程で得られた分離アルカリ水溶液相から塩を除去する塩除去装置と、
    前記塩除去工程で得られた塩を減圧下で加熱することで、該塩からこれに残留したハロゲン化有機物を分離する減圧加熱装置と
    を含むハロゲン化有機物の分解処理システム。
  5. 前記二相分離装置で得られた分離アルカリ水溶液相から水を蒸発させ、該分離アルカリ水溶液相を濃縮する濃縮装置をさらに含む請求項4に記載のシステム。
  6. 前記塩除去装置で得られた塩を含む水溶液である被電気分解水溶液を電気分解する電気分解装置をさらに含む請求項4または5に記載のシステム。
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WO2024062701A1 (ja) * 2022-09-20 2024-03-28 ウシオ電機株式会社 化学反応方法、反応容器及び反応装置

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