JP2005187269A - 炭化珪素単結晶の製造方法および炭化珪素単結晶の製造装置 - Google Patents

炭化珪素単結晶の製造方法および炭化珪素単結晶の製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 正確に温度測定を行って高品質な炭化珪素単結晶を製造することができる炭化珪素単結晶の製造方法および炭化珪素単結晶の製造装置を提供する。
【解決手段】 炭化珪素単結晶22の成長途中に原料ガスの供給を一旦停止するとともにアルゴンガスを流しながら、炭化珪素単結晶22の成長表面温度を原料ガスの炭化珪素単結晶基板8への供給用の管10を通してパイロメータ30で測定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、炭化珪素単結晶の製造方法および炭化珪素単結晶の製造装置に関するものである。
炭化珪素単結晶の製造方法として、CVDによって炭化珪素をエピタキシャル成長させる技術がある。このCVDによる炭化珪素単結晶の製造装置の一例を図17に示す。図17において、反応容器100の内部に種結晶101が配置され、ガス導入管102を通して反応容器100に原料ガスを導入して種結晶101から炭化珪素単結晶103を成長させる。このとき、反応容器100の内部を加熱する。また、パイロメータ104により石英窓105からガス導入管102を通して炭化珪素単結晶103の結晶表面温度を測定して、これを結晶成長に反映させる。具体的には、所望の結晶表面温度となるように温度コントロールする。
ところが、図17に示すように、種結晶101に向かう原料ガスの熱分解により発生したパーティクル110や原料ガスの蒸気により、放射光が散乱したり遮られたりして結晶表面の温度を測定しにくい状況を招く。その結果、結晶の成長に伴う結晶表面の温度等の変化を正確に把握することが困難になり、高品質に長尺成長させることの妨げになる。
本発明は、上記課題に着目してなされたものであり、その目的は、正確に温度測定を行うことができる炭化珪素単結晶の製造方法および炭化珪素単結晶の製造装置を提供することにある。
請求項1に記載の炭化珪素単結晶の製造方法においては、炭化珪素単結晶の成長途中に、原料ガスの供給を一時停止するとともに不活性ガスを流しながら、前記炭化珪素単結晶の成長表面温度または真空容器内での炭化珪素単結晶の成長雰囲気温度を、原料ガスの炭化珪素単結晶基板への供給用の管を通してパイロメータまたは2色温度計で測定する。よって、原料ガスの供給を止めた状態で、原料ガスの炭化珪素単結晶基板への供給用の管を通してパイロメータまたは2色温度計で測定することにより、散乱等の発生する要因を無くして正確に温度測定を行うことができる。
請求項2に記載のように、請求項1に記載の炭化珪素単結晶の製造方法において、炭化珪素単結晶の成長途中に原料ガスの供給を一時停止するとともに不活性ガスとしてのアルゴンガスを流しながら温度をパイロメータまたは2色温度計で測定した後において炭化珪素単結晶の成長を再開すべく原料ガスの供給を開始する前に、水素ガスを炭化珪素単結晶に供給してアルゴンガスの供給により炭化珪素単結晶の表面に形成された炭化物をエッチングする。すると、炭化物の生成は温度測定を行う上で好ましく、炭化物を除去した後に成長を再開させるようにしたので結晶性にも優れる。
請求項3に記載のように、請求項1に記載の炭化珪素単結晶の製造方法において、炭化珪素単結晶の成長途中に原料ガスの供給を一時停止するとともに不活性ガスとしてのヘリウムガスを流し、かつ、同時に水素ガスを流し、この状態で前記温度をパイロメータまたは2色温度計で測定する。すると、水素ガスを流すことにより結晶の表面の劣化を防止しつつ温度測定を行うことができる。
請求項4に記載の炭化珪素単結晶の製造方法においては、原料ガスの炭化珪素単結晶基板への供給用の管の内部に配した内管から不活性ガスと水素ガスの少なくともいずれかのガスを流しながら、炭化珪素単結晶の成長途中に、炭化珪素単結晶の成長表面温度または真空容器内での炭化珪素単結晶の成長雰囲気温度を、内管を通してパイロメータまたは2色温度計で測定する。よって、原料ガスの炭化珪素単結晶基板への供給用の管の内部に配した内管におけるその内部にパイロメータまたは2色温度計の光軸が在り、かつ、当該内管から不活性ガスと水素ガスの少なくともいずれかのガスが送られて当該ガスによって上記光軸上での原料ガスが薄められる。これにより、原料ガスの熱分解によって生ずるパーティクルもしくは蒸気の発生が抑制され、パイロメータまたは2色温度計での温度測定への影響を少なくして正確に温度測定を行うことができる。
請求項2に記載の炭化珪素単結晶の製造方法を実施するための炭化珪素単結晶の製造装置として、請求項5や請求項6に記載のような装置を用いるとよい。
請求項3に記載の炭化珪素単結晶の製造方法を実施するための炭化珪素単結晶の製造装置として、請求項7や請求項8に記載のような装置を用いるとよい。
請求項4に記載の炭化珪素単結晶の製造方法を実施するための炭化珪素単結晶の製造装置として、請求項9や請求項10に記載のような装置を用いるとよい。
また、請求項11に記載のように、請求項5〜10のいずれか1項に記載の炭化珪素単結晶の製造装置において、パイロメータまたは2色温度計における検出素子の材料として、GaAs系またはAlGaAs系を使用すると、シリコン系原料ガスによる光学吸収の影響を受けにくくすることができる。
請求項12に記載のように、請求項5〜11のいずれか1項に記載の炭化珪素単結晶の製造装置において、前記ガス導入管の内部に発生した異物が前記パイロメータまたは2色温度計の光軸上の部材または部位に少なくとも温度測定時に付着するのを防止するための機構を設けると、ガス導入管の内部に発生した異物が付着することを防止して正確に温度測定を行うことができる。
請求項13に記載のように、請求項12に記載の炭化珪素単結晶の製造装置において、前記機構は、前記ガス導入管に設置した温度測定用窓におけるパイロメータまたは2色温度計の光軸の周りに設けられた溝と、温度測定用窓におけるパイロメータまたは2色温度計の光軸が通る部分の表面にガスを供給する異物付着防止用ガス導入管よりなると、ガス導入管の内部に発生した異物が温度測定用窓に達してもパイロメータまたは2色温度計の光軸の部分においては異物付着防止用ガス導入管からのガスにより異物が除去されて溝に溜まる。これにより、正確に温度測定を行うことができる。
請求項14に記載のように、請求項12に記載の炭化珪素単結晶の製造装置において、前記機構は、前記ガス導入管に設置した温度測定用窓におけるパイロメータまたは2色温度計の光軸が通る部分に形成された斜状面と、斜状面にガスを供給する異物付着防止用ガス導入管よりなると、ガス導入管の内部に発生した異物が温度測定用窓における斜状面に達しても異物付着防止用ガス導入管からのガスにより除去される。これにより、正確に温度測定を行うことができる。
請求項15に記載のように、請求項12に記載の炭化珪素単結晶の製造装置において、前記機構は、ガス導入管に設置した温度測定用窓を通るパイロメータまたは2色温度計の光軸上において回転可能に支持されたミラーと、当該ミラーを回転駆動するアクチュエータよりなると、アクチュエータによりミラーを回転駆動して異物を振り払った後に温度測定を行うことにより正確に温度測定を行うことができる。
(第1の実施の形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図面に従って説明する。
図1には、本実施形態における炭化珪素単結晶の製造装置の概略縦断面図を示す。
図1において、本装置には真空容器1が備えられ、真空容器1は、円筒部材2と蓋材(フランジ)3,4からなる。円筒部材2は立設した状態で配置されている。円筒部材2の上端開口部は上部蓋材(フランジ)3にて塞がれるとともに、円筒部材2の下面開口部は下部蓋材(フランジ)4にて塞がれている。
真空容器1の内部には、円筒状をなす断熱材5が円筒部材2の内壁に沿うように配置されている。
上部蓋材(フランジ)3の中央部にはパイプ材6が貫通した状態で固定され、パイプ材6は真空容器1内において上下方向に延びている。断熱材5の内方におけるパイプ材6の下端には台座7が固設されている。台座7は有蓋円筒状をなしている。台座7内での天井面には、種結晶となる炭化珪素単結晶基板8が固定されている。また、台座7の上には断熱材9が配置され、断熱材9はパイプ材6に固定されている。
下部蓋材(フランジ)4の中央部にはガス導入管10が貫通した状態で固定され、ガス導入管10は上下方向に直線的に延びている。ガス導入管10の下端開口部は温度測定用窓11にて塞がれている。温度測定用窓11は石英よりなる。
真空容器1の内部において、ガス導入管10の上端部には円板状のプレート17が固定され、プレート17は水平に配置されている。プレート17の上面には円筒状の筒体18が立設した状態で配置され、筒体18は前述の台座7の下端開口部に位置している。つまり、台座7と筒体18の位置関係として、筒体18に対して、有蓋円筒状をなす台座7を、台座7の下端開口部側から被せるように配置している。このとき、筒体18の外周面と台座7の内周面とは所定の距離だけ離間している。また、筒体18の上端と台座7の天井面とは離間している。
台座7とプレート17と筒体18とから反応容器が構成され、この反応容器(7,17,18)は真空容器1内に配置され、その内部に種結晶となる炭化珪素単結晶基板8が固定される。また、ガス導入管10が真空容器1の内外を連通し、真空容器1の外部から反応容器(7,17,18)内の炭化珪素単結晶基板8にガスを供給することができるようになっている。つまり、ガス導入管10からのガスはプレート17に設けた透孔17aを通して筒体18の内部に導入されるようになっている。
プレート17の下には断熱材19が配置され、断熱材19はガス導入管10に固定されている。
真空容器1の外部においてガス導入管10には連結管12が接続され、この連結管12には原料ガス導入管13とアルゴンガス導入管14と水素ガス導入管15が接続されている。原料ガス導入管13から原料ガスが導入される。この原料ガスは真空容器1の外部から連結管12を通してガス導入管10に供給され、ガス導入管10を通して真空容器1内に入り、さらに、ガス導入管10から上方の台座7(炭化珪素単結晶基板8)に向かって供給される。この原料ガスとしては、具体的には例えば、モノシラン(Siを含有するガス)とプロパン(Cを含有するガス)を所定の割合で混合したものが使用される。このように、原料ガス導入管13は、ガス導入管10に、Siを含有するガスとCを含有するガスとを含む原料ガスを供給して炭化珪素単結晶基板8から炭化珪素単結晶22を成長させるためのものである。
また、前述のアルゴンガス導入管14からアルゴンガスが導入される。このアルゴンガスは連結管12を通してガス導入管10に供給され、ガス導入管10を通して真空容器1内に導かれる。結晶成長時にはアルゴンガスはキャリアガスとして供給される。さらに、前述の水素ガス導入管15から水素ガスが導入される。この水素ガスは連結管12を通してガス導入管10に供給され、ガス導入管10を通して真空容器1内に導かれる。
下部蓋材(フランジ)4には排気管16が貫通する状態で固定されており、排気管16には排気ポンプ(図示せず)が接続されている。この排気ポンプ(真空ポンプ)により真空容器1の中が圧力制御(真空排気)されるようになっている。
図1において炭化珪素単結晶基板(種結晶)8の配置高さにおける真空容器1の外周部には高周波誘導コイル(RFコイル)20が巻回され、同コイル20を通電することにより成長時において炭化珪素単結晶基板(種結晶)8を加熱することができるようになっている。また、真空容器1の外周部における前記高周波誘導コイル20の下方には高周波誘導コイル(RFコイル)21が巻回され、同コイル21を通電することにより筒体18の内部を通過する原料ガスを加熱して分解することができるようになっている。ここで、下側のコイル21の上下方向での中央が筒体18の配置高さになっており、この高さが最高温度に加熱する高さである。つまり、高周波誘導コイル(RFコイル)21によって種結晶となる炭化珪素単結晶基板8への原料ガスを種結晶となる炭化珪素単結晶基板8での温度よりも高くなるように加熱する。
このようにして、加熱手段としての高周波誘導コイル(RFコイル)20,21により、反応容器(7,17,18)の内部を加熱することができるようになっている。
また、反応容器(7,17,18)は、高周波誘導コイル21(20)により加熱した原料ガスを用いて種結晶となる炭化珪素単結晶基板8から結晶成長させた後の成長に寄与しなかった原料ガス(未反応ガス)を再び上流側に戻す構造の反応容器となっている。詳しくは、図1において上下方向での温度分布で示すように台座7内において種結晶となる炭化珪素単結晶基板8に向かって温度が下がる温度勾配を有し、台座7内において原料ガスが種結晶となる炭化珪素単結晶基板8に到達した後、原料ガスが真空容器1の内壁に沿って排出される。つまり、有蓋円筒状をなす台座7の開口部から原料ガスを台座7の中央部において導入して種結晶となる炭化珪素単結晶基板8に到達後、台座7の内壁に沿って上流側に戻り、台座7の開口部(未反応ガスの排出口)から下流側に流れて排気管16に向かう。
図1において、ガス導入管10の下部にはパイロメータ30が設置されている。パイロメータ30はケース31内において検出素子32が配置されるとともにミラー33を具備している。そして、温度測定用窓(石英窓)11を通して炭化珪素単結晶22の表面温度を検出することができるようになっている。より詳しくは、パイロメータ30の光軸L1がガス導入管10の内部を通っており、ガスの流れに関して上流側から測定することができる。
また、パイプ材6の上部にはパイロメータ40が設置されている。パイロメータ40はケース41内において検出素子42が配置されるとともにミラー43を具備している。そして、温度測定用窓(石英窓)44を通して台座7の温度を検出することができるようになっている。
ここで、パイロメータ30における検出素子32の材料として、GaAs系またはAlGaAs系を使用している。よって、シリコン蒸気が放射を吸収しやすいが、シリコン以外のセンシング素子材料を使用することにより、シリコン系原料ガスによる光学吸収の影響を受けにくくして正確な温度測定を行うことができる。
次に、炭化珪素単結晶の製造方法について説明する。
図2は、原料ガスとアルゴンガスと水素ガスの導入状態(供給状態)を示すタイムチャートである。
まず、図1の台座7の内部に種結晶となる炭化珪素単結晶基板8を配置する。そして、台座7内に、Siを含有するガスとCを含有するガスとを含む原料ガスを導入する。これにより、図3に示すように、種結晶となる炭化珪素単結晶基板8から炭化珪素単結晶22が成長する。
より詳しくは、真空容器1内に配置された種結晶となる炭化珪素単結晶基板8に対し、高温雰囲気下で、Siを含有するガスとCを含有するガスとを含む原料ガスを供給して炭化珪素単結晶基板8から炭化珪素単結晶22を成長させる。このとき、真空容器1内に、Siを含有するガスとCを含有するガスとを含む原料ガスを導入するとともにキャリアガスとしてアルゴンガスを導入する。そして、反応容器(7,17,18)内において、原料ガスおよびキャリアガスを最高温度まで加熱した後に種結晶となる炭化珪素単結晶基板8に送ることにより、最高温度よりも低い種結晶となる炭化珪素単結晶基板8から炭化珪素単結晶22が成長する。この結晶成長が図2のt1〜t2の期間において行われる。
この成長期間において、図3に示すように、種結晶(8)に向かう原料ガスの熱分解により発生したパーティクル23や原料ガスの蒸気により、放射光が散乱したり遮られたりする。よって、当該成長中はパイロメータ30による温度測定は行わない。
そして、図2のt2のタイミングで原料ガスの導入を一時停止する。ただし、アルゴンガスは導入し続ける。つまり、図4に示すごとく、炭化珪素単結晶22の成長途中に原料ガスの供給を一旦停止するとともに不活性ガスとしてのアルゴンガスを流す。即ち、ここでのアルゴンガス導入管14は、炭化珪素単結晶22の成長途中に原料ガスの供給を一時停止した状態でガス導入管10を通してアルゴンガスを供給するためのものであり、不活性ガスであるアルゴンガスを流すことにより原料ガスの供給停止に伴なう温度変化は生じにくい。これにより、結晶の劣化を防止することができる。
この状態で、図2のt3のタイミングで、温度をパイロメータ30,40で測定する。特に、パイロメータ30により、炭化珪素単結晶22の成長途中に原料ガスの供給を一時停止した状態でガス導入管10を通してアルゴンガスを供給している間においてガス導入管10を通して炭化珪素単結晶22の結晶表面温度を測定する。このとき、原料ガスが供給されておらず、種結晶(8)に向かう原料ガスの熱分解により発生したパーティクルや原料ガスの蒸気の影響を受けることなく放射光の散乱や遮光を回避しつつ正確に温度測定を行うことができる。
また、原料ガスの供給停止時のアルゴンガスの供給により炭化珪素単結晶22の表面には炭化物51(図4参照)が形成される。詳しくは、成長SiCにおける表面においてSiが脱離してCが残り、成長SiCでの表面に炭化物51が形成される。この炭化させた後に、結晶表面温度を測定する。これにより、成長SiCの表面の温度測定では、SiCの不純物のドープ量や、結晶多形(例えば、4H−SiC,6H−SiC)により表面の放射が異なるが、炭化物51を形成することにより、結晶成長の条件によらず温度を正確に測定することができる。
このようにして得られた温度測定値(炭化珪素単結晶22の結晶表面温度)を単結晶の成長に反映させる。具体的には、目標の結晶表面温度(例えば2300℃)となるように高周波誘導コイル20,21を制御する。このように、結晶の成長に伴なう結晶表面の温度変化を正確に把握して高品質かつ長尺なる炭化珪素単結晶22を得ることができる。同様に、パイロメータ40による台座7の温度(種結晶の温度)の測定結果に基づいて所望の温度(温度分布)となるようにコントロールする。
さらに、図2のt4のタイミングで、アルゴンガスの供給を停止するとともに水素ガスを供給する。つまり、図5に示すように、水素ガス導入管15により、温度を測定した後の原料ガスの供給開始前にガス導入管10を通して炭化珪素単結晶22に水素ガスを供給する。即ち、温度をパイロメータ30,40で測定した後において炭化珪素単結晶22の成長を再開すべく原料ガスの供給を開始する前に、水素ガスを炭化珪素単結晶22に供給して、アルゴンガスの供給により炭化珪素単結晶22の表面に形成された炭化物51(図4参照)をエッチングする。これにより、結晶の劣化を防止することができる。
以後、一定の周期で原料ガスの供給を停止(温度測定)しつつ結晶成長を行って所望の長さの炭化珪素単結晶22を製造する。
以上のように、炭化珪素単結晶22の成長途中に、原料ガスの供給を一時停止するとともに不活性ガス(アルゴンガス)を流しながら、炭化珪素単結晶22の成長表面温度を、原料ガスの炭化珪素単結晶基板8への供給用の管10を通してパイロメータ30で測定する。この際、炭化珪素単結晶22の成長途中に原料ガスの供給を一時停止するとともに不活性ガスとしてのアルゴンガスを流しながら温度をパイロメータ30で測定した後において炭化珪素単結晶22の成長を再開すべく原料ガスの供給を開始する前に、水素ガスを炭化珪素単結晶22に供給してアルゴンガスの供給により炭化珪素単結晶22の表面に形成された炭化物51をエッチングする。
よって、原料ガスの供給を一時停止し(原料ガスの供給を止めた状態で)、原料ガスの炭化珪素単結晶基板8への供給用の管10を通してパイロメータ30で温度を測定することにより、散乱等の発生する要因を無くして、正確に温度測定を行って高品質な炭化珪素単結晶を製造することができる。また、原料ガスの供給停止による温度変化を生じにくくさせるべく原料ガスの供給停止時にはアルゴンガスを流し続ける。これにより、原料ガスを止めることによる結晶の劣化を防止できる。さらに、炭化物51の生成は温度測定を行う上で好ましく、炭化物51を除去した後に成長を再開させるようにしたので結晶性にも優れる。
以下、応用例を説明する。
図1に代わり図6に示す構成としてもよい。図6において、反応容器(7,17,18)の内部における、ガス導入管10の開口部と台座7(炭化珪素単結晶基板8)との間には、障害物としての邪魔板25が配置されている。この邪魔板25は円板状をなし、かつ、水平方向に延びるように配置されている。このように、反応容器(7,17,18)の内部において、ガス導入管10から炭化珪素単結晶基板8に向かうガスの流路に邪魔板25が設置されている。そして、ガス導入管10から炭化珪素単結晶基板8に向かうガスが邪魔板25に当たる。パイロメータ30により、炭化珪素単結晶22の成長途中に原料ガスの供給を一時停止した状態でガス導入管10を通してアルゴンガスを供給している間においてガス導入管10を通して邪魔板25の温度を測定する。邪魔板25の温度は、炭化珪素単結晶22の成長雰囲気温度(台座7とプレート17と筒体18により囲まれた空間の温度)に応じたものであり、パイロメータ30により筒体18内の温度をガスの流れでの上流側から測定することができる。この温度が目的の温度となるように高周波誘導コイル20,21を制御する。
また、図1に代わる構成として図7に示すようにするとともに図2に代わり図8に示すようにガスを流すようにしてもよい。つまり、図1でのアルゴンガス導入管14に代わり図7のヘリウムガス導入管28を設け、アルゴンガスに代わりヘリウムガスを用いる。そして、図8に示すように、t1〜t2の期間において原料ガスとヘリウムガスを流して成長を行わせる。その後のt2のタイミングで原料ガスの供給を止め(ヘリウムガスは流す)、かつ、水素ガスを供給する。この状態で、t3のタイミングでパイロメータ30により温度測定を行う。この際、原料ガスの供給を止めている間、水素ガスが流れており、炭化珪素単結晶22の表面をエッチングして炭化を防止する。さらに、ヘリウムガスを流しており、原料ガスの供給停止による温度変化が生じにくい。
引き続き、図8のt4のタイミングで水素ガスの供給を停止し、かつ、原料ガスの供給を再開する。
このように、炭化珪素単結晶22の成長途中に原料ガスの供給を一時停止するとともに不活性ガスとしてのヘリウムガスを流し、かつ、同時に水素ガスを流し、この状態で結晶表面温度をパイロメータ30で測定する。つまり、ヘリウムガス導入管28から、炭化珪素単結晶22の成長途中に原料ガスの供給を一時停止した状態でガス導入管10を通してヘリウムガスを供給する。また、水素ガス導入管15から、炭化珪素単結晶22の成長途中に原料ガスの供給を一時停止した状態でガス導入管10を通して水素ガスを炭化珪素単結晶22に供給する。よって、水素ガスを流すことにより結晶の表面の劣化を防止しつつ温度測定を行うことができる。さらに、パイロメータ30により、炭化珪素単結晶22の成長途中に原料ガスの供給を一時停止するとともにヘリウムガスと水素ガスを流している間においてガス導入管10を通して炭化珪素単結晶22の結晶表面温度を測定する。
また、図7,8で説明したようにヘリウムガスを用いる場合(ヘリウムガス導入管28を用いる場合)においても、図7に示すようにパイロメータ30で炭化珪素単結晶22の結晶表面温度を測定するのではなく、図9に示すように邪魔板25の温度を測定してもよい。即ち、パイロメータ30により、炭化珪素単結晶22の成長途中に原料ガスの供給を一時停止するとともにヘリウムガスと水素ガスを流している間においてガス導入管10を通して邪魔板25の温度を測定する。
また、図1に代わり、図10に示す構成としてもよい。図10において、ガス導入管10の内部に発生した異物(例えば図3のパーティクル23)がパイロメータ30の光軸L1上の部材または部位に少なくとも温度測定時に付着するのを防止するための機構が設けられている。具体的には、異物の付着防止のための機構は、ガス導入管10に設置した温度測定用窓(石英窓)60におけるパイロメータ30の光軸L1の周りに設けられた溝62と、温度測定用窓60におけるパイロメータ30の光軸L1が通る部分の表面にガスを供給する異物付着防止用ガス導入管63よりなる。詳しくは、上下に延びるガス導入管10における下面開口部が温度測定用窓60にて塞がれ、この温度測定用窓60の上面において外周部には溝62が形成され、これにより中央部が凸部61となっている。この凸部61にパイロメータ30の光軸L1が通っている。また、上下に延びるガス導入管10における温度測定用窓60の上面の高さにおいて当該ガス導入管10にはガス導入管63が接続され、ガス導入管63からガスを温度測定用窓60の上面(凸部61の上面)に吹き出させることができる構造となっている。
そして、ガス導入管63の内部に発生した異物が温度測定用窓11に落下してもパイロメータ30の光軸L1の部分(凸部61の上面)においてはガス導入管63からのガス(例えば水素ガス、不活性ガス)により異物が除去されて溝62に溜まる。これによって、温度測定用窓(石英窓)60の凸部61が汚れるのを防止して正確に温度測定を行って高品質な炭化珪素単結晶を製造することができる。
広義には、異物の付着防止のための機構を設けることにより、ガス導入管63の内部に発生した異物が落下して付着することを防止して正確に温度測定を行って高品質な炭化珪素単結晶を製造することができる。
あるいは、図11に示すように、異物の付着防止のための機構は、ガス導入管10に設置した温度測定用窓(石英窓)70におけるパイロメータ30の光軸L1が通る部分に形成された斜状面70aと、斜状面70aにガス(例えば水素ガス、不活性ガス)を供給する異物付着防止用ガス導入管71よりなるものであってもよい。詳しくは、上下に延びるガス導入管10における下面開口部を塞ぐように温度測定用窓70が設置され、この温度測定用窓70の上面が斜状面70aとなっている。また、ガス導入管10にはガス導入管71が接続され、ガス導入管71からガスを温度測定用窓70の上面(斜状面70a)に沿って下方に吹き出させることができる構造となっている。
よって、ガス導入管71の内部に発生した異物が落下して温度測定用窓70における斜状面70aに達してもガス導入管71からのガスにより容易に除去され、パイロメータ30の光軸L1での温度測定用窓(石英窓)70が汚れるのを防止する。このようにして、正確に温度測定を行って高品質な炭化珪素単結晶を製造することができる。
あるいは、図12に示すように、異物の付着防止のための機構は、ガス導入管10に設置した温度測定用窓(石英窓)85を通るパイロメータ30の光軸L1上において回転可能に支持されたミラー80と、ミラー80を回転駆動するアクチュエータ81よりなるものであってもよい。詳しくは、上下に延びるガス導入管10の内部にミラー80が回転可能に支持され、このミラー80の配置高さにおいてガス導入管10には温度測定用窓(石英窓)85が設置されている。パイロメータ30の光軸L1は、温度測定用窓85を通るとともに、ミラー80を水平方向に対し45°傾けた状態(温度測定時)においてガス導入管10に沿って延びている。
そして、落下した異物はミラー80の反射面80aに溜まるが、温度測定に先立ちアクチュエータ81によりミラー80を回転させる。これによりミラー80の反射面80aの異物は振り払われ、パイロメータ30の光軸L1でのミラー80の反射面80aが汚れるのが防止される。よって、アクチュエータ81によりミラー80を回転駆動して異物を振り払った後に温度測定を行うことにより正確に温度測定を行って高品質な炭化珪素単結晶を製造することができる。
また、別の応用例として、図13に示すように、パイロメータ30を用いて炭化珪素単結晶22における成長表面での中心部P1と外周部P2,P3を測定し、この測定結果に基づいて温度調整するようにしてもよい。同様に、パイロメータ40を用いて台座7における種結晶(8)の配置位置に対応する領域のうちの中心部P11と外周部P12,P13を測定し、この測定結果に基づいて温度調整するようにしてもよい。そのために、パイロメータ30,40において3点での温度測定を行うべく、検出素子32,42を3つ使用しても、一つの検出素子32,42の位置や向きを変えることにより測定対象物での温度測定ポイントを移動(スキャン)してもよい。
このようにして、台座7における裏表において径方向に温度測定を行って温度コントロールすることにより(結晶の径方向の温度分布を制御することにより)、結晶内部に発生する応力をより小さくすることができ、高品質な結晶を作製できる。
なお、石英窓に代わり、他の材料、例えばガラス材を用いて窓を構成してもよい。
また、パイロメータ30,40の代わりに2色温度計を用いてもよい。
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態を、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
図14には、本実施形態における炭化珪素単結晶の製造装置の概略縦断面図を示す。図14において図1と同一の構成については同一の符号を付すことによりその説明は省略する。ただし、符号13,14,15で示す管からは炭化珪素単結晶22の成長時にSiH4+C38を流し、アルゴンガスもしくは水素ガスをキャリアガスとして流すようにしている。
図14において、ガス導入管10の内部において温度測定用ガス導入管90が二重管構成用内管として配置され、温度測定用ガス導入管90の下端開口部からアルゴンガス、水素ガス、ヘリウムガスのうちの少なくとも1つ以上のガスが導入され、かつ、当該管90の内部にパイロメータ30の光軸L1が在る。
より詳しくは、ガス導入管10における連結管12の接続部よりも下側においてガス導入管10の内部には支持プレート91がガス導入管10を塞ぐように配置され、この支持プレート91に温度測定用ガス導入管90の下端部が貫通する状態で固定されている。温度測定用ガス導入管90はガス導入管10内の中央部に配置されている。また、ガス導入管10における支持プレート91の配置位置よりも下側にガス導入管92が接続されている。このガス導入管92からアルゴンガス、水素ガス、ヘリウムガスのうちの少なくとも1つ以上のガスを導入することができるようになっている。このガスは温度測定用ガス導入管90の下端開口部から同ガス導入管90に入る。また、温度測定用ガス導入管90の上端開口部は、ガス導入管10の上端開口部よりも下側に位置している。
そして、温度測定用ガス導入管90には炭化珪素単結晶22の成長途中にアルゴンガス、水素ガス、ヘリウムガスのうちの少なくとも1つ以上のガスを供給することができる。
また、パイロメータ30(または2色温度計)は、炭化珪素単結晶22の成長途中に温度測定用ガス導入管90を通して炭化珪素単結晶22の結晶表面温度を測定する。
つまり、製造の際に、図15に示すように、原料ガスの炭化珪素単結晶基板8への供給用の管10の内部に配した温度測定用ガス導入管(内管)90から不活性ガスと水素ガスの少なくともいずれかのガスを流しながら、炭化珪素単結晶22の成長途中に、炭化珪素単結晶22の成長表面温度を、温度測定用ガス導入管(内管)90を通してパイロメータ30(または2色温度計)で測定する。
よって、原料ガスの炭化珪素単結晶基板8への供給用の管10の内部に配した温度測定用ガス導入管(内管)90におけるその内部にパイロメータ30(または2色温度計)の光軸L1が在り、かつ、当該温度測定用ガス導入管(内管)90から不活性ガスと水素ガスの少なくともいずれかのガスが送られて当該ガスによって上記光軸L1上での原料ガスが薄められる。これにより、原料ガスの熱分解によって生ずるパーティクルもしくは蒸気の発生が抑制され、パイロメータ30(または2色温度計)での温度測定への影響を少なくして正確に温度測定を行うことができる。
また、図14,15で説明したように温度測定用ガス導入管(内管)90を用いる場合(二重管構造とする場合)においても、図15に示すようにパイロメータ30で炭化珪素単結晶22の結晶表面温度を測定するのではなく、図16に示すように邪魔板25の温度を測定してもよい。即ち、パイロメータ30により、原料ガスの炭化珪素単結晶基板8への供給用の管10の内部に配した温度測定用ガス導入管(内管)90から不活性ガスと水素ガスの少なくともいずれかのガスを流しながら、炭化珪素単結晶22の成長途中に、真空容器1内での炭化珪素単結晶22の成長雰囲気温度を、温度測定用ガス導入管(内管)90を通してパイロメータ30(または2色温度計)で測定する。
つまり、製造装置の構造として、反応容器(7,17,18)の内部において、障害物としての邪魔板25がガス導入管10から炭化珪素単結晶基板8に向かうガスの流路に設置されている。また、温度測定用ガス導入管90が、ガス導入管10の内部において二重管構成用内管として配置され、炭化珪素単結晶22の成長途中にアルゴンガス、水素ガス、ヘリウムガスのうちの少なくとも1つ以上のガスを供給することができる。さらに、パイロメータ30(または2色温度計)にて炭化珪素単結晶22の成長途中に温度測定用ガス導入管90を通して邪魔板25の温度を測定する。
その他にも、第1の実施の形態で説明した事項、例えば、図10,11,12に示した構成を採用してもよい。
第1の実施の形態における炭化珪素単結晶の製造装置の概略縦断面図。 各種ガスの導入状態を示すタイムチャート。 製造工程を説明するための炭化珪素単結晶の製造装置の概略縦断面図。 製造工程を説明するための炭化珪素単結晶の製造装置の概略縦断面図。 製造工程を説明するための炭化珪素単結晶の製造装置の概略縦断面図。 応用例の炭化珪素単結晶の製造装置の概略縦断面図。 応用例の炭化珪素単結晶の製造装置の概略縦断面図。 応用例の各種ガスの導入状態を示すタイムチャート。 応用例の炭化珪素単結晶の製造装置の概略縦断面図。 応用例の炭化珪素単結晶の製造装置の概略縦断面図。 応用例の炭化珪素単結晶の製造装置における一部拡大図。 応用例の炭化珪素単結晶の製造装置における一部拡大図。 応用例の炭化珪素単結晶の製造装置における一部拡大図。 第2の実施の形態における炭化珪素単結晶の製造装置の概略縦断面図。 製造工程を説明するための炭化珪素単結晶の製造装置の概略縦断面図。 応用例の炭化珪素単結晶の製造装置の概略縦断面図。 背景技術を説明するための炭化珪素単結晶の製造装置における一部拡大図。
符号の説明
1…真空容器、7…台座、8…炭化珪素単結晶基板、10…ガス導入管、13…原料ガス導入管、14…アルゴンガス導入管、15…水素ガス導入管、17…プレート、18…筒体、20…高周波誘導コイル、21…高周波誘導コイル、22…炭化珪素単結晶、25…邪魔板、28…ヘリウムガス導入管、30…パイロメータ、32…検出素子、51…炭化物、60…温度測定用窓、62…溝、63…異物付着防止用ガス導入管、70…温度測定用窓、70a…斜状面、71…異物付着防止用ガス導入管、80…ミラー、81…アクチュエータ、85…温度測定用窓、90…温度測定用ガス導入管、L1…光軸。

Claims (15)

  1. 真空容器(1)内に配置された種結晶となる炭化珪素単結晶基板(8)に対し、高温雰囲気下で、Siを含有するガスとCを含有するガスとを含む原料ガスを供給して前記炭化珪素単結晶基板(8)から炭化珪素単結晶(22)を成長させる炭化珪素単結晶の製造方法において、
    炭化珪素単結晶(22)の成長途中に、原料ガスの供給を一時停止するとともに不活性ガスを流しながら、前記炭化珪素単結晶(22)の成長表面温度または前記真空容器(1)内での炭化珪素単結晶(22)の成長雰囲気温度を、原料ガスの炭化珪素単結晶基板(8)への供給用の管(10)を通してパイロメータ(30)または2色温度計で測定するようにしたことを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。
  2. 請求項1に記載の炭化珪素単結晶の製造方法において、
    前記炭化珪素単結晶(22)の成長途中に原料ガスの供給を一時停止するとともに前記不活性ガスとしてのアルゴンガスを流しながら温度をパイロメータ(30)または2色温度計で測定した後において炭化珪素単結晶(22)の成長を再開すべく原料ガスの供給を開始する前に、水素ガスを前記炭化珪素単結晶(22)に供給して前記アルゴンガスの供給により前記炭化珪素単結晶(22)の表面に形成された炭化物(51)をエッチングするようにしたことを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。
  3. 請求項1に記載の炭化珪素単結晶の製造方法において、
    前記炭化珪素単結晶(22)の成長途中に原料ガスの供給を一時停止するとともに前記不活性ガスとしてのヘリウムガスを流し、かつ、同時に水素ガスを流し、この状態で前記温度をパイロメータ(30)または2色温度計で測定するようにしたことを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。
  4. 真空容器(1)内に配置された種結晶となる炭化珪素単結晶基板(8)に対し、高温雰囲気下で、Siを含有するガスとCを含有するガスとを含む原料ガスを供給して前記炭化珪素単結晶基板(8)から炭化珪素単結晶(22)を成長させる炭化珪素単結晶の製造方法において、
    原料ガスの炭化珪素単結晶基板(8)への供給用の管(10)の内部に配した内管(90)から不活性ガスと水素ガスの少なくともいずれかのガスを流しながら、炭化珪素単結晶(22)の成長途中に、前記炭化珪素単結晶(22)の成長表面温度または前記真空容器(1)内での炭化珪素単結晶(22)の成長雰囲気温度を、前記内管(90)を通してパイロメータ(30)または2色温度計で測定するようにしたことを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。
  5. 真空容器(1)と、
    前記真空容器(1)内に配置され、その内部に種結晶となる炭化珪素単結晶基板(8)が固定される反応容器(7,17,18)と、
    前記反応容器(7,17,18)の内部を加熱する加熱手段(20,21)と、
    前記真空容器(1)の内外を連通し、前記真空容器(1)の外部から前記反応容器(7,17,18)内の前記炭化珪素単結晶基板(8)にガスを供給するためのガス導入管(10)と、
    前記ガス導入管(10)に、Siを含有するガスとCを含有するガスとを含む原料ガスを供給して前記炭化珪素単結晶基板(8)から炭化珪素単結晶(22)を成長させるための原料ガス導入管(13)と、
    前記炭化珪素単結晶(22)の成長途中に原料ガスの供給を一時停止した状態で前記ガス導入管(10)を通してアルゴンガスを供給するためのアルゴンガス導入管(14)と、
    前記炭化珪素単結晶(22)の成長途中に原料ガスの供給を一時停止した状態で前記ガス導入管(10)を通してアルゴンガスを供給している間において前記ガス導入管(10)を通して前記炭化珪素単結晶(22)の結晶表面温度を測定するためのパイロメータ(30)または2色温度計と、
    前記温度を測定した後の原料ガスの供給開始前に前記ガス導入管(10)を通して前記炭化珪素単結晶(22)に水素ガスを供給するための水素ガス導入管(15)と、
    を備えたことを特徴とする炭化珪素単結晶の製造装置。
  6. 真空容器(1)と、
    前記真空容器(1)内に配置され、その内部に種結晶となる炭化珪素単結晶基板(8)が固定される反応容器(7,17,18)と、
    前記反応容器(7,17,18)の内部を加熱する加熱手段(20,21)と、
    前記真空容器(1)の内外を連通し、前記真空容器(1)の外部から前記反応容器(7,17,18)内の前記炭化珪素単結晶基板(8)にガスを供給するためのガス導入管(10)と、
    前記反応容器(7,17,18)の内部において、前記ガス導入管(10)から前記炭化珪素単結晶基板(8)に向かうガスの流路に設置された障害物(25)と、
    前記ガス導入管(10)に、Siを含有するガスとCを含有するガスとを含む原料ガスを供給して前記炭化珪素単結晶基板(8)から炭化珪素単結晶(22)を成長させるための原料ガス導入管(13)と、
    前記炭化珪素単結晶(22)の成長途中に原料ガスの供給を一時停止した状態で前記ガス導入管(10)を通してアルゴンガスを供給するためのアルゴンガス導入管(14)と、
    前記炭化珪素単結晶(22)の成長途中に原料ガスの供給を一時停止した状態で前記ガス導入管(10)を通してアルゴンガスを供給している間において前記ガス導入管(10)を通して前記障害物(25)の温度を測定するためのパイロメータ(30)または2色温度計と、
    前記温度を測定した後の原料ガスの供給開始前に前記ガス導入管(10)を通して前記炭化珪素単結晶(22)に水素ガスを供給するための水素ガス導入管(15)と、
    を備えたことを特徴とする炭化珪素単結晶の製造装置。
  7. 真空容器(1)と、
    前記真空容器(1)内に配置され、その内部に種結晶となる炭化珪素単結晶基板(8)が固定される反応容器(7,17,18)と、
    前記反応容器(7,17,18)の内部を加熱する加熱手段(20,21)と、
    前記真空容器(1)の内外を連通し、前記真空容器(1)の外部から前記反応容器(7,17,18)内の前記炭化珪素単結晶基板(8)にガスを供給するためのガス導入管(10)と、
    前記ガス導入管(10)に、Siを含有するガスとCを含有するガスとを含む原料ガスを供給して前記炭化珪素単結晶基板(8)から炭化珪素単結晶(22)を成長させるための原料ガス導入管(13)と、
    前記炭化珪素単結晶(22)の成長途中に原料ガスの供給を一時停止した状態で前記ガス導入管(10)を通してヘリウムガスを供給するためのヘリウムガス導入管(28)と、
    前記炭化珪素単結晶(22)の成長途中に原料ガスの供給を一時停止した状態で前記ガス導入管(10)を通して水素ガスを前記炭化珪素単結晶(22)に供給するための水素ガス導入管(15)と、
    前記炭化珪素単結晶(22)の成長途中に原料ガスの供給を一時停止するとともにヘリウムガスと水素ガスを流している間において前記ガス導入管(10)を通して前記炭化珪素単結晶(22)の結晶表面温度を測定するためのパイロメータ(30)または2色温度計と、
    を備えたことを特徴とする炭化珪素単結晶の製造装置。
  8. 真空容器(1)と、
    前記真空容器(1)内に配置され、その内部に種結晶となる炭化珪素単結晶基板(8)が固定される反応容器(7,17,18)と、
    前記反応容器(7,17,18)の内部を加熱する加熱手段(20,21)と、
    前記真空容器(1)の内外を連通し、前記真空容器(1)の外部から前記反応容器(7,17,18)内の前記炭化珪素単結晶基板(8)にガスを供給するためのガス導入管(10)と、
    前記反応容器(7,17,18)の内部において、前記ガス導入管(10)から前記炭化珪素単結晶基板(8)に向かうガスの流路に設置された障害物(25)と、
    前記ガス導入管(10)に、Siを含有するガスとCを含有するガスとを含む原料ガスを供給して前記炭化珪素単結晶基板(8)から炭化珪素単結晶(22)を成長させるための原料ガス導入管(13)と、
    前記炭化珪素単結晶(22)の成長途中に原料ガスの供給を一時停止した状態で前記ガス導入管(10)を通してヘリウムガスを供給するためのヘリウムガス導入管(28)と、
    前記炭化珪素単結晶(22)の成長途中に原料ガスの供給を一時停止した状態で前記ガス導入管(10)を通して水素ガスを前記炭化珪素単結晶(22)に供給するための水素ガス導入管(15)と、
    前記炭化珪素単結晶(22)の成長途中に原料ガスの供給を一時停止するとともにヘリウムガスと水素ガスを流している間において前記ガス導入管(10)を通して前記障害物(25)の温度を測定するためのパイロメータ(30)または2色温度計と、
    を備えたことを特徴とする炭化珪素単結晶の製造装置。
  9. 真空容器(1)と、
    前記真空容器(1)内に配置され、その内部に種結晶となる炭化珪素単結晶基板(8)が固定される反応容器(7,17,18)と、
    前記反応容器(7,17,18)の内部を加熱する加熱手段(20,21)と、
    前記真空容器(1)の内外を連通し、前記真空容器(1)の外部から前記反応容器(7,17,18)内の前記炭化珪素単結晶基板(8)にガスを供給するためのガス導入管(10)と、
    前記ガス導入管(10)に、Siを含有するガスとCを含有するガスとを含む原料ガスを供給して前記炭化珪素単結晶基板(8)から炭化珪素単結晶(22)を成長させるための原料ガス導入管(13)と、
    前記ガス導入管(10)の内部において二重管構成用内管として配置され、前記炭化珪素単結晶(22)の成長途中にアルゴンガス、水素ガス、ヘリウムガスのうちの少なくとも1つ以上のガスを供給するための温度測定用ガス導入管(90)と、
    前記炭化珪素単結晶(22)の成長途中に前記温度測定用ガス導入管(90)を通して前記炭化珪素単結晶(22)の結晶表面温度を測定するためのパイロメータ(30)または2色温度計と、
    を備えたことを特徴とする炭化珪素単結晶の製造装置。
  10. 真空容器(1)と、
    前記真空容器(1)内に配置され、その内部に種結晶となる炭化珪素単結晶基板(8)が固定される反応容器(7,17,18)と、
    前記反応容器(7,17,18)の内部を加熱する加熱手段(20,21)と、
    前記真空容器(1)の内外を連通し、前記真空容器(1)の外部から前記反応容器(7,17,18)内の前記炭化珪素単結晶基板(8)にガスを供給するためのガス導入管(10)と、
    前記ガス導入管(10)に、Siを含有するガスとCを含有するガスとを含む原料ガスを供給して前記炭化珪素単結晶基板(8)から炭化珪素単結晶(22)を成長させるための原料ガス導入管(13)と、
    前記反応容器(7,17,18)の内部において、前記ガス導入管(10)から前記炭化珪素単結晶基板(8)に向かうガスの流路に設置された障害物(25)と、
    前記ガス導入管(10)の内部において二重管構成用内管として配置され、前記炭化珪素単結晶(22)の成長途中にアルゴンガス、水素ガス、ヘリウムガスのうちの少なくとも1つ以上のガスを供給するための温度測定用ガス導入管(90)と、
    前記炭化珪素単結晶(22)の成長途中に前記温度測定用ガス導入管(90)を通して前記障害物(25)の温度を測定するためのパイロメータ(30)または2色温度計と、
    を備えたことを特徴とする炭化珪素単結晶の製造装置。
  11. 請求項5〜10のいずれか1項に記載の炭化珪素単結晶の製造装置において、
    パイロメータ(30)または2色温度計における検出素子(32)の材料として、GaAs系またはAlGaAs系を使用したことを特徴とする炭化珪素単結晶の製造装置。
  12. 請求項5〜11のいずれか1項に記載の炭化珪素単結晶の製造装置において、
    前記ガス導入管(10)の内部に発生した異物が前記パイロメータ(30)または2色温度計の光軸(L1)上の部材または部位に少なくとも温度測定時に付着するのを防止するための機構を設けたことを特徴とする炭化珪素単結晶の製造装置。
  13. 請求項12に記載の炭化珪素単結晶の製造装置において、
    前記機構は、前記ガス導入管(10)に設置した温度測定用窓(60)におけるパイロメータ(30)または2色温度計の光軸(L1)の周りに設けられた溝(62)と、温度測定用窓(60)におけるパイロメータ(30)または2色温度計の光軸(L1)が通る部分の表面にガスを供給する異物付着防止用ガス導入管(63)よりなることを特徴とする炭化珪素単結晶の製造装置。
  14. 請求項12に記載の炭化珪素単結晶の製造装置において、
    前記機構は、前記ガス導入管(10)に設置した温度測定用窓(70)におけるパイロメータ(30)または2色温度計の光軸(L1)が通る部分に形成された斜状面(70a)と、斜状面(70a)にガスを供給する異物付着防止用ガス導入管(71)よりなることを特徴とする炭化珪素単結晶の製造装置。
  15. 請求項12に記載の炭化珪素単結晶の製造装置において、
    前記機構は、前記ガス導入管(10)に設置した温度測定用窓(85)を通るパイロメータ(30)または2色温度計の光軸(L1)上において回転可能に支持されたミラー(80)と、当該ミラー(80)を回転駆動するアクチュエータ(81)よりなることを特徴とする炭化珪素単結晶の製造装置。
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