JP2005186895A - 乗り物における構成部品の着脱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 全体として平坦形状をなす乗り物の構成部品を乗り物本体に固着させる固着作業をするとき、この固着作業が容易にできるようにし、また、上記構成部品の乗り物本体からの離脱作業も容易にできるようにする。
【解決手段】 乗り物1が、乗り物本体2と、全体として平坦形状をなす構成部品16と、上記乗り物本体2に対する上記構成部品16のある一方向Aへの移動によりこの構成部品16を上記乗り物本体2に対し固着可能とさせるロック手段24とを備える。上記一方向Aを上記構成部品16の平坦な外面に沿った方向とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、自動二輪車などの乗り物において、車体などの乗り物本体に対し、ウィンドシールドなど全体として平坦形状をなす乗り物の構成部品を着脱可能とさせる構成部品の着脱装置に関するものである。
上記乗り物における構成部品の着脱装置には、従来、下記特許文献1に示されたものがある。この公報のものによれば、上記乗り物は自動二輪車であり、この自動二輪車は、乗り物本体である自動二輪車の車体と、全体として平坦形状をなす構成部品であるウィンドシールドと、このウィンドシールドを上記車体に着脱可能に固着させるロック手段とを備えている。
上記ロック手段は、上記ウィンドシールドの下端部を車体側に係脱可能に係止させ、この係止部を中心として上記ウィンドシールドを前後に回動可能とさせる係止具と、上記係止具を中心として、上記ウィンドシールドを後方回動させたとき、このウィンドシールドの上下方向の中途部を車体に着脱可能に固着させるロック具とを備えている。
上記ロック手段により、車体に対しウィンドシールドを固着させるための固着作業をするときには、まず、上記係止具により上記ウィンドシールドの下端部を車体に係止させる。次に、上記係止具を中心として上記ウィンドシールドを後方回動させる。すると、このウィンドシールドの回動に連動して上記ロック具により上記ウィンドシールドの中途部が車体に固着され、これにより、このウィンドシールドが車体に固着され、上記固着作業が終わる。
U.S.特許第5658035号公報
ところで、上記した従来の技術では、次のような問題点がある。
第1に、車体へのウィンドシールドの固着作業時には、上記したように、まず、係止具によりウィンドシールドの下端部を車体に係止させた後、この係止部を中心として上記ウィンドシールドを後方回動させるが、この回動の方向は、このウィンドシールドの平坦な外面にほぼ直交する方向、つまり、ウィンドシールドの厚さ方向であるため、この方向に回動する上記ウィンドシールドの回動軌跡は占有空間が大きくなる。よって、車体へのウィンドシールドの固着作業時には、その作業空間を大きく採ることが求められる。
しかし、自動二輪車など乗り物では、一般に、その各構成部品はコンパクトに配置されていて限られた狭い余剰空間しか存在しないため、上記作業空間を大きく採ることは容易でなく、よって、上記固着作業では上記各構成部品が邪魔になって、この固着作業が煩雑になるおそれがある。
しかも、上記した固着作業では、その当初に、まず、係止具によりウィンドシールドの下端部を車体に係止させることが必要であるが、上記ウィンドシールドは形状が大きく重量もあるため、上記ウィンドシールドを持ち上げてその下端部を係止させようとするとき、この下端部の係止具への位置決めが容易でなく、よって、上記固着作業は更に煩雑になるおそれがある。
第2に、上記従来の技術では、ロック手段の係止具は、上記ウィンドシールドの下方に配置されていて、自動二輪車の正面視で、容易に見ることができるが、これは、上記自動二輪車の外観上の見栄えを低下させる原因となるものであって好ましくない。
本発明は、上記のような事情に注目してなされたもので、本発明の目的は、全体として平坦形状をなす乗り物の構成部品を乗り物本体に固着させる固着作業をするとき、この固着作業が容易にできるようにし、また、上記構成部品の乗り物本体からの離脱作業も容易にできるようにすることである。
また、本発明の他の目的は、上記乗り物の外観上の見栄えを向上させることである。
請求項1の発明は、乗り物本体2と、全体として平坦形状をなす構成部品16と、上記乗り物本体2に対する上記構成部品16のある一方向Aへの移動によりこの構成部品16を上記乗り物本体2に対し固着可能とさせるロック手段24とを備えた乗り物において、
上記一方向Aを上記構成部品16の平坦な外面に沿った方向としたものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明に加えて、上記一方向Aが下方に向かう方向であるとしたものである。
請求項3の発明は、請求項1、もしくは2の発明に加えて、上記ロック手段24が、上記構成部品16を乗り物本体2に固着可能とさせるロック機構部25と、このロック機構部25に連結される操作部26とを備え、この操作部26への操作により、上記ロック手段24による固着が解除されるようにし、上記構成部品16の外縁部45の近傍に上記操作部26を配置したものである。
請求項4の発明は、請求項3の発明に加えて、上記構成部品16の正面視で、上記操作部26近傍における上記構成部品16の外縁部45の外端縁が上記構成部品16の外側方から上記操作部26を囲むよう、上記外縁部45の外端縁を屈曲させたものである。
請求項5の発明は、請求項3、もしくは4の発明に加えて、上記操作部26を操作したとき、この操作部26が上記構成部品16の外縁部45に接近移動Cするようにしたものである。
請求項6の発明は、請求項1から5のうちいずれか1つの発明に加えて、上記一方向Aに向かって上記構成部品16が移動するようこの構成部品16を案内する案内手段47を備えたものである。
請求項7の発明は、請求項6の発明に加えて、上記案内手段47が、上記乗り物本体2に形成される被摺動部48と、上記構成部品16に形成され上記被摺動部48に対し摺動可能な摺動部49とを備え、上記被摺動部48に対する摺動部49の摺動により上記構成部品16が上記一方向Aに向かって移動するようにしたものである。
請求項8の発明は、請求項1から7のうちいずれか1つの発明に加えて、上記ロック手段24のほぼ全体をその前方から上記構成部品16で覆うようにしたものである。
請求項9の発明は、請求項1から8のうちいずれか1つの発明に加えて、上記乗り物1を鞍乗型車両とし、上記乗り物本体2をこの車両の車体とし、上記構成部品16をウィンドシールド18とし、上記車体が有するフロントフォーク6をその前方から上記ウィンドシールド18で覆うと共に、このウィンドシールド18を上記フロントフォーク6に上記ロック手段24により固着させ、上記一方向Aを上記フロントフォーク6の長手方向に沿った方向としたものである。
なお、この項において、上記各用語に付記した符号は、本発明の技術的範囲を後述の「実施例」の項の内容に限定解釈するものではない。
本発明による効果は、次の如くである。
請求項1の発明は、乗り物本体と、全体として平坦形状をなす構成部品と、上記乗り物本体に対する上記構成部品のある一方向への移動によりこの構成部品を上記乗り物本体に対し固着可能とさせるロック手段とを備えた乗り物において、
上記一方向を上記構成部品の平坦な外面に沿った方向としてある。
このため、上記乗り物本体への構成部品の固着作業時には、上記構成部品を上記一方向に向かって移動させるが、この一方向は上記したように、構成部品の平坦な外面に沿った方向であることから、この構成部品の移動軌跡の占有空間は小さくて足りる。よって、乗り物では、一般に、その各構成部品はコンパクトに配置されていて限られた狭い余剰空間しか存在しないが、上記占有空間が小さくて足りる分、上記固着作業時の作業空間も狭くて足り、このため、上記固着作業時に他の構成部品が邪魔になるということが防止されて、上記構成部品の固着作業が容易にできる。
請求項2の発明は、上記一方向が下方に向かう方向としてある。
このため、上記構成部品の固着作業時におけるこの構成部品の移動方向は、この構成部品の自重が向かう方向とほぼ一致する。よって、上記一方向が上方に向かう方向であることに比べて、上記構成部品の固着作業はより容易となる。
請求項3の発明は、上記ロック手段が、上記構成部品を乗り物本体に固着可能とさせるロック機構部と、このロック機構部に連結される操作部とを備え、この操作部への操作により、上記ロック手段による固着が解除されるようにし、上記構成部品の外縁部の近傍に上記操作部を配置してある。
このため、上記構成部品からその外方に操作部が大きく突出するということが防止されて、これら構成部品と操作部とは互いにコンパクトに配置され、よって、乗り物が大型になることが防止される。
また、上記ロック手段により乗り物本体に固着された構成部品を上記乗り物本体から離脱させる離脱作業をするときには、例えば、上記構成部品の外縁部を手で把持して、この手の指で上記ロック手段の操作部に対する操作をする。すると、このロック手段による乗り物本体への構成部品の固着を解除させることができる。よって、上記構成部品の離脱作業において、上記構成部品を把持する作業と、ロック手段の操作部を操作する作業とを個別にすることに比べ、上記離脱作業は容易にできる。
請求項4の発明は、上記構成部品の正面視で、上記操作部近傍における上記構成部品の外縁部の外端縁が上記構成部品の外側方から上記操作部を囲むよう、上記外縁部の外端縁を屈曲させてある。
このため、上記操作部近傍の構成部品の外縁部は上記屈曲により、その外側方に向かう凸形状となる。よって、上記ロック手段により乗り物本体に固着された構成部品を上記ロック手段への操作により乗り物本体から離脱させようとして、上記操作部近傍の構成部品の外縁部を手で把持するとき、この外縁部の凸形状の部分の少なくとも一部が手のひらの内側に入り込んで、この把持による上記構成部品の支持がより確実にでき、このため、上記乗り物本体からの構成部品の離脱作業がより容易にできる。
請求項5の発明は、上記操作部を操作したとき、この操作部が上記構成部品の外縁部に接近移動するようにしてある。
このため、上記乗り物本体からの構成部品の離脱作業時に、この構成部品の外縁部を手で把持して、この手の指で上記ロック手段の操作部に対する操作をするとき、この操作部が外縁部に接近移動するよう操作すればよく、この操作は、指の動きからみて、上記操作部の外縁部への接近移動とは逆に離反移動させるということに比べて容易であり、よって、その分、上記構成部品の離脱作業が容易にできる。
請求項6の発明は、上記一方向に向かって上記構成部品が移動するようこの構成部品を案内する案内手段を備えている。
このため、上記構成部品の固着作業時に、この構成部品を一方向Aに移動させて上記ロック手段により乗り物本体に固着させることは、この構成部品を案内する上記案内手段の働きにより容易にできる。よって、その分、上記構成部品の固着作業が更に容易となる。
請求項7の発明は、上記案内手段が、上記乗り物本体に形成される被摺動部と、上記構成部品に形成され上記被摺動部に対し摺動可能な摺動部とを備え、上記被摺動部に対する摺動部の摺動により上記構成部品が上記一方向に向かって移動するようにしてある。
このため、上記構成部品の固着作業時に、この構成部品を一方向に向かって移動させるとき、まず、この構成部品の摺動部を乗り物本体の被摺動部に接合させれば、この固着作業の当初における上記乗り物本体への構成部品の位置決めが極めて容易にできる。そして、次に、上記被摺動部に対し摺動部を摺動させれば、上記構成部品は一方向に向かって移動してロック手段により乗り物本体に固着される。よって、上記構成部品の固着作業は、まず、上記被摺動部に摺動部を接合させて乗り物本体への構成部品の位置決めをし、次に、上記被摺動部に対し摺動部を摺動させる、という簡単な作業により達成されることから、上記構成部品の固着作業はより容易となる。
請求項8の発明は、上記ロック手段のほぼ全体をその前方から上記構成部品で覆うようにしてある。
このため、上記乗り物の正面視で、上記ロック手段が外観上、容易に見えることは上記構成部品により防止される。よって、この乗り物の外観上の見栄えが向上する。
請求項9の発明は、上記乗り物を鞍乗型車両とし、上記乗り物本体をこの車両の車体とし、上記構成部品をウィンドシールドとし、上記車体が有するフロントフォークをその前方から上記ウィンドシールドで覆うと共に、このウィンドシールドを上記フロントフォークに上記ロック手段により固着させ、上記一方向を上記フロントフォークの長手方向に沿った方向としてある。
このため、上記各効果は鞍乗型車両に得られることとなり、これは、特に、長尺のフロントフォークなどを有する乗り物本体と、ヘッドランプなどの各構成部品とが互いにコンパクトに配置されて、限られた狭い余剰空間しか存在せず、また、外観上の見栄えが重要視される上記鞍乗型車両にとって有益である。
本発明の乗り物における構成部品の着脱装置に関し、全体として平坦形状をなす乗り物の構成部品を乗り物本体に固着させる固着作業をするとき、この固着作業が容易にできるようにし、また、上記構成部品の乗り物本体からの離脱作業も容易にできるようにする、という目的を実現するため、本発明を実施するための最良の形態は、次の如くである。
即ち、乗り物は、乗り物本体と、全体として平坦形状をなす構成部品と、上記乗り物本体に対する上記構成部品のある一方向への移動によりこの構成部品を上記乗り物本体に対し固着可能とさせるロック手段とを備えている。上記一方向が上記構成部品の平坦な外面に沿った方向とされている。
本発明をより詳細に説明するために、その実施例を添付の図に従って説明する。
図1,2において、符号1は乗り物であり、具体的には鞍乗型車両である自動二輪車である。また、矢印Frは、この乗り物1の進行方向の前方を示している。また、下記する左右とは、上記乗り物1の幅方向をいうものとする。
上記乗り物1の乗り物本体2は、具体的には上記自動二輪車の車体である。この乗り物本体2は、車体の骨格をなす車体フレーム3と、この車体フレーム3の前上端部を構成するヘッドパイプ4に対し前下がりの軸心5回りに操向可能に支承されるフロントフォーク6と、このフロントフォーク6の下端部に支承される前車輪7と、上記フロントフォーク6の上端部に支持されるハンドル8とを備えている。上記フロントフォーク6は上記軸心5に沿って長く延び、乗り物1はその正面視(図2)で、上記軸心5を基準として左右対称形とされている。
上記フロントフォーク6は、上記軸心5に平行に延びる左右一対のフォークチューブ11,11と、これらフォークチューブ11,11の上端部同士を互いに結合させるアッパブラケット12と、上記フォークチューブ11,11の長手方向の中途部同士を互いに結合させるロアブラケット13と、これらアッパ、ロアブラケット12,13に架設される不図示のステアリングシャフトとを備え、このステアリングシャフトは上記ヘッドパイプ4に嵌入されて上記軸心5回りに回転可能に支承され、これにより、上記したように車体フレーム3のヘッドパイプ4に上記フロントフォーク6が操向可能に支承されている。
上記乗り物1は、その構成部品16として上記フロントフォーク6のロアブラケット13から前方に向かって突設されるヘッドランプ17と、全体として平坦形状をなすウィンドシールド18とを備えている。このウィンドシールド18は上記フロントフォーク6の前方近傍に配置され、このフロントフォーク6の上部のほぼ全体と、ハンドル8とをその前方から覆っている。
より具体的には、上記ウィンドシールド18は、その上部を構成して上記ヘッドランプ17より上方の上記フロントフォーク6の上端部、ヘッドランプ17の左右各外側方における上記フロントフォーク6の各側部、およびハンドル8をその前方から覆うシールド本体19と、上記ヘッドランプ17より下方の上記フロントフォーク6の各側部、および上記乗り物1に鞍乗式に乗車したライダーの各脚部をその前方から覆う左右一対のプロテクタプレート20,20と、上記シールド本体19と各プロテクタプレート20の各外面である後面に固着されてこれらシールド本体19と各プロテクタプレート20を互いに一体的に結合させる左右一対の金属製ブラケット21,21とを備え、上記シールド本体19の左右各側部下端の後方近傍に、上記各プロテクタプレート20の上端部がそれぞれ配置されている。
全図において、上記乗り物1は、各図中実線で示すように上記構成部品16であるウィンドシールド18を上記乗り物本体2であるフロントフォーク6に対し着脱可能に固着させる左右一対のロック手段24,24を備えている。これらロック手段24は、上記ウィンドシールド18を上記フロントフォーク6に対しある直線的な一方向Aに移動させるとき、上記ウィンドシールド18の移動に連動してこのウィンドシールド18を上記フロントフォーク6に固着可能とさせる。
上記一方向Aは、乗り物1の側面視で、上記ウィンドシールド18の平坦な外面に沿った方向とされている。また、上記一方向Aは前下方であり、かつ、上記軸心5や上記フロントフォーク6の長手方向に沿った方向でもある。
上記各ロック手段24は、それぞれ上記ウィンドシールド18を乗り物本体2に固着可能にさせるロック機構部25と、このロック機構部25に連結される操作部26とを備え、図1中一点鎖線で示すように、この操作部26への操作により、上記乗り物本体2のフロントフォーク6への上記ウィンドシールド18の固着が解除されるようになっている。
特に、図2で示すように、上記各ロック手段24はそのほぼ全体が上記ウィンドシールド18によりその前方から覆われている。
上記各ロック機構部25は、それぞれ上記フロントフォーク6の各側部を構成するフォークチューブ11の外側面から外側方に向かって突設される上下一対の被嵌合部29,29と、上記ウィンドシールド18の後面側の部分である上記各ブラケット21に形成され上記一方向Aへのウィンドシールド18の往、復移動で上記各被嵌合部29に嵌脱可能に嵌合する上下一対の嵌合部30,30と、上記各被嵌合部29への各嵌合部30の嵌合状態を解除可能にロックしてフロントフォーク6にウィンドシールド18を固着させるロック具31とを備えている。具体的には、このロック具31は、上、下被嵌合部29,29のうちの一方である下被嵌合部29への下嵌合部30の嵌合状態をロックする。
上記各被嵌合部29は、上記フォークチューブ11の外側面から外側方に向かって突設される軸体34を備え、この軸体34には周溝35が形成されている。上記各嵌合部30は、上記ブラケット21に形成され一方向Aの前方に向かって開口する切り欠き37を備えている。上記被嵌合部29への嵌合部30の嵌合状態では、上記切り欠き37における内縁部のうち、互いに対向する両内縁部38,39が上記周溝35に同時に嵌合することとされている。
上記ロック具31は、上記ブラケット21に対し枢支軸40により回動可能に枢支されこの回動で上記切り欠き37の最奥部と嵌合した上記軸体34の周溝35の内面に係脱可能に係合するフック41と、このフック41を上記周溝35の内面に係合させるよう付勢Bするばね42と、上記周溝35の内面に係合する方向に回動するフック41が所定以上に回動することを阻止するストッパ43とを備えている。上記被嵌合部29の周溝35の内面に対する上記フック41の係合で、上記各被嵌合部29への各嵌合部30の嵌合状態がロックされ、これにより、上記ロック手段24によってウィンドシールド18がフロントフォーク6に固着される。
上記各操作部26は上記上記ロック具31のフック41から一体的に突設される操作レバー形状とされ、この操作部26は上記フック41と共に枢支軸40回りに回動可能とされている。上記ばね42の付勢力に対抗して上記操作部26を操作して回動させれば、この操作部26と共に回動したフック41が上記周溝35の内面から離脱して上記被嵌合部29への嵌合部30の嵌合状態のロックが解除される(図1中一点鎖線)。
上記ウィンドシールド18の各外側部の外縁部45は、このウィンドシールド18の前方から左右の手で同時に把持可能とされ、かつ、この把持で上記ウィンドシールド18は持ち上げ可能とされている。上記操作部26は、上記ウィンドシールド18の正面視(図2,4)で、上記ウィンドシールド18の外縁部45と重なるよう配置され、つまり、上記操作部26は、上記ウィンドシールド18の各外縁部45の後方に配置されている。また、上記操作部26は、上記各外縁部45の後方近傍に配置されている。
上記構成部品16の正面視(図2,4)で、上記操作部26近傍における上記構成部品16の外縁部45の外端縁がこの構成部品16の外側方から上記操作部26を囲むよう屈曲させられている。上記外縁部45の外端縁は上記屈曲により、その外側方に向かう円弧凸形状とされている。また、上記外縁部45の外端縁は、下方に向かうに従い上記乗り物1の構成部品16の幅方向の中央側に向かうよう傾斜させられている。上記操作部26はその回動で上記ウィンドシールド18の外縁部45に対し、このウィンドシールド18の厚さ方向(前、後方向)で接近、離反することとされている。そして、上記したように操作部26を操作して、上記フック41によるロックを解除したとき、上記操作部26は上記ウィンドシールド18の外縁部45に対し、このウィンドシールド18の厚さ方向(前、後方向)で接近移動Cすることとされている。
上記一方向Aに向かって上記ウィンドシールド18が移動するようこのウィンドシールド18を案内すると共に、この一方向Aへの移動に上記ロック手段24が連動してこのロック手段24により上記ウィンドシールド18がフロントフォーク6に固着可能となるよう上記ウィンドシールド18を案内する案内手段47が設けられている。
上記案内手段47は、上記乗り物本体2のフロントフォーク6に形成される上下一対の被摺動部48,48と、上記ウィンドシールド18のブラケット21の後面に形成される上下一対の摺動部49,49とを備えている。上記被摺動部48は、上記被嵌合部29の周溝35の内底面の一部で形成されている。一方、上記各切り欠き37のそれぞれ両内縁部38,39のうち、シールド本体19側の内縁部38が一方向Aに向かって延長され、この延長部により上記摺動部49が形成されている。
上記被摺動部48に対し摺動部49を摺動させると、つまり、上記各被嵌合部29の周溝35に上記各嵌合部30の切り欠き37の内縁部38,39を嵌合させて摺動部49を摺動させると、上記ウィンドシールド18が一方向Aに向かって移動させられて、上記各被嵌合部29への各嵌合部30の嵌合状態が上記ロック具31によりロック可能とされ、つまり、上記ウィンドシールド18が上記ロック手段24によりフロントフォーク6に固着可能とされる。
上記フロントフォーク6にウィンドシールド18を固着させるときの固着作業の一例につき説明する。まず、上記ウィンドシールド18の左右各外縁部45,45をその前方から手で把持し、上記ロック手段24の各被嵌合部29の後上方に各嵌合部30が位置するようウィンドシールド18を配置する。次に、上記各外縁部45を把持した手の人指し指で上記各操作部26を操作し、この操作部26を上記外縁部45側へ接近移動Cさせ、上記ロック具31のフック41が上記切り欠き37の開口を開いた状態にさせる(図1中一点鎖線)。
次に、上記ウィンドシールド18を一方向Aに向かって移動させるが、この際、上記案内手段47の各被摺動部48に各摺動部49を接合させ、上記各被摺動部48に対し各摺動部49を摺動させる。すると、上記ウィンドシールド18が一方向Aに向かって移動して、上記各被嵌合部29の周溝35に上記各嵌合部30の切り欠き37の最奥部が嵌合させられる(図1中実線、一点鎖線)。
次に、上記操作部26への操作を解除すれば、上記フック41がばね42の付勢力により上記周溝35の内底面に係合し、各被嵌合部29への各嵌合部30の嵌合状態が上記ロック具31によりロックされてロック手段24により上記ウィンドシールド18がフロントフォーク6に固着され、上記固着作業が終わる。
一方、上記フロントフォーク6に対するウィンドシールド18の固着を解除して、このウィンドシールド18をフロントフォーク6から離脱させる離脱作業をするときには、上記固着作業と逆の作業をすればよい。
なお、上記ウィンドシールド18の固着作業において、ロック具31のフック41がばね42の付勢力により上記切り欠き37の開口を閉じたまま、上記ウィンドシールド18を案内手段47により案内させるなどして一方向Aに向かって移動させたときには、上記ウィンドシールド18の一方向Aへの移動に伴い、上記フック41の一方向Aにおける前端縁が被嵌合部29の周溝35の内底面に圧接し、上記ばね42に対抗しつつ上記枢支軸40回りに回動させられて上記切り欠き37の開口を開くようになっている(図1中一点鎖線)。
また、上記状態から、上記ウィンドシールド18を更に一方向Aに移動させると、上記切り欠き37の最奥部と周溝35の内底面とが嵌合すると共に、この周溝35の内底面に上記フック41がばね42の付勢力により自動的に係合し、各被嵌合部29への各嵌合部30の嵌合状態が上記ロック具31によりロックされる。即ち、上記ウィンドシールド18の一方向Aへの移動に上記ロック手段24が連動して、このロック手段24により上記ウィンドシールド18がフロントフォーク6に自動的に固着され、上記固着作業が終わる。
上記構成によれば、構成部品16の固着作業をする際に、この構成部品16を移動させるべき一方向Aをこの構成部品16の平坦な外面に沿った方向としてある。
このため、上記乗り物本体2への構成部品16の固着作業時には、上記構成部品16を上記一方向Aに向かって移動させるが、この一方向Aは上記したように、構成部品16の平坦な外面に沿った方向であることから、この構成部品16の移動軌跡の占有空間は小さくて足りる。よって、乗り物1では、一般に、その各構成部品はコンパクトに配置されていて限られた狭い余剰空間しか存在しないが、上記占有空間が小さくて足りる分、上記固着作業時の作業空間も狭くて足り、このため、上記固着作業時に他の構成部品が邪魔になるということが防止されて、上記構成部品16の固着作業が容易にできる。
また、前記したように、一方向Aが下方に向かう方向としてある。
このため、上記構成部品16の固着作業時におけるこの構成部品16の移動方向は、この構成部品16の自重が向かう方向とほぼ一致する。よって、上記一方向Aが上方に向かう方向であることに比べて、上記構成部品16の固着作業はより容易となる。
また、前記したように、ロック手段24が、上記構成部品16を乗り物本体2に固着可能とさせるロック機構部25と、このロック機構部25に連結される操作部26とを備え、この操作部26への操作により、上記ロック手段24による乗り物本体2への構成部品16の固着が解除されるようにし、上記構成部品16の外縁部45の近傍に上記操作部26を配置してある。
このため、上記構成部品16からその外方に操作部26が大きく突出するということが防止されて、これら構成部品16と操作部26とは互いにコンパクトに配置され、よって、乗り物1が大型になることが防止される。
また、上記ロック手段24により乗り物本体2に固着された構成部品16を上記乗り物本体2から離脱させる離脱作業をするときには、例えば、上記構成部品16の外縁部45を手で把持して、この手の指で上記ロック手段24の操作部26に対する操作をする。すると、このロック手段24による乗り物本体2への構成部品16の固着を解除させることができる。よって、上記構成部品16の離脱作業において、上記構成部品16を把持する作業と、ロック手段24の操作部26を操作する作業とを個別にすることに比べ、上記離脱作業は容易にできる。
また、前記したように、構成部品16の正面視で、上記操作部26近傍における上記構成部品16の外縁部45の外端縁が上記構成部品16の外側方から上記操作部26を囲むよう、上記外縁部45の外端縁を屈曲させてある。
このため、上記操作部26近傍の構成部品16の外縁部45は上記屈曲により、その外側方に向かう凸形状となる。よって、上記ロック手段24により乗り物本体2に固着された構成部品16を上記ロック手段24への操作により乗り物本体2から離脱させようとして、上記操作部26近傍の構成部品16の外縁部45を手で把持するとき、この外縁部45の凸形状の部分の少なくとも一部が手のひらの内側に入り込んで、この把持による上記構成部品16の支持がより確実にでき、このため、上記乗り物本体2からの構成部品16の離脱作業がより容易にできる。
また、上記したように、一方向Aが下方に向かう場合において、上記操作部26近傍における上記構成部品16の外縁部45の外端縁を、下方に向かうに従い上記乗り物1の構成部品16の幅方向における中央側に向かうよう傾斜させてある。
このため、上記乗り物本体2から構成部品16を離脱させようとして、上記操作部26近傍における構成部品16の外縁部45を把持するとき、この把持はこの外縁部45の下方からなされる。よって、この把持による上記構成部品16の支持力は、この構成部品16の重さに対抗することとなって、この構成部品16の支持が更に確実にでき、このため、上記乗り物本体2からの構成部品16の離脱作業は更に容易にできる。
また、前記したように、操作部26を操作したとき、この操作部26が上記構成部品16の外縁部45に接近移動Cするようにしてある。
このため、上記乗り物本体2からの構成部品16の離脱作業時に、この構成部品16の外縁部45を手で把持して、この手の指で上記ロック手段24の操作部26に対する操作をするとき、この操作部26が外縁部45に接近移動Cするよう操作すればよく、この操作は、指の動きからみて、上記操作部26の外縁部45への接近移動Cとは逆に離反移動させるということに比べて容易であり、よって、その分、上記構成部品16の離脱作業が容易にできる。
また、前記したように、一方向Aに向かって上記構成部品16が移動するようこの構成部品16を案内する案内手段47を備えている。
このため、上記構成部品16の固着作業時に、この構成部品16を一方向Aに移動させて上記ロック手段24により乗り物本体2に固着させることは、この構成部品16を案内する上記案内手段47の働きにより容易にできる。よって、その分、上記構成部品16の固着作業が更に容易となる。
また、前記したように、案内手段47が、上記乗り物本体2に形成される被摺動部48と、上記構成部品16に形成され上記被摺動部48に対し摺動可能な摺動部49とを備え、上記被摺動部48に対する摺動部49の摺動により上記構成部品16が上記一方向Aに向かって移動するようにしてある。
このため、上記構成部品16の固着作業時に、この構成部品16を一方向Aに向かって移動させるとき、まず、この構成部品16の摺動部49を乗り物本体2の被摺動部48に接合させれば、この固着作業の当初における上記乗り物本体2への構成部品16の位置決めが極めて容易にできる。そして、次に、上記被摺動部48に対し摺動部49を摺動させれば、上記構成部品16は一方向Aに向かって移動してロック手段24により乗り物本体2に固着される。よって、上記構成部品16の固着作業は、まず、上記被摺動部48に摺動部49を接合させて乗り物本体2への構成部品16の位置決めをし、次に、上記被摺動部48に対し摺動部49を摺動させる、という簡単な作業により達成されることから、上記構成部品16の固着作業はより容易となる。
また、前記したように、ロック手段24のほぼ全体をその前方から上記構成部品16で覆うようにしてある。
このため、上記乗り物1の正面視で、上記ロック手段24が外観上、容易に見えることは上記構成部品16により防止される。よって、この乗り物1の外観上の見栄えが向上する。
また、前記したように、乗り物1を鞍乗型車両とし、上記乗り物本体2をこの車両の車体とし、上記構成部品16をウィンドシールド18とし、上記車体が有するフロントフォーク6をその前方から上記ウィンドシールド18で覆うと共に、このウィンドシールド18を上記フロントフォーク6に上記ロック手段24により固着させ、上記一方向Aを上記フロントフォーク6の長手方向に沿った方向としてある。
このため、上記各効果は鞍乗型車両に得られることとなり、これは、特に、長尺のフロントフォーク6などを有する乗り物本体2と、ヘッドランプ17などの各構成部品とが互いにコンパクトに配置されて、限られた狭い余剰空間しか存在せず、また、外観上の見栄えが重要視される上記鞍乗型車両にとって有益である。
なお、以上は図示の例によるが、乗り物1は自動三輪車や自動四輪車などの鞍乗型車両であってもよく、自動車や船であってもよい。また、上記構成部品16はウィンカーなどを含むものである。また、上記一方向Aは鉛直方向の上方や下方に向かうものでもよい。また、上記操作部26近傍における構成部品16の外縁部45を、その屈曲により三角形の頂部形状としてもよい。
図3の部分拡大詳細図である。 乗り物の部分正面図である。 乗り物の部分側面図である。 図2の部分拡大詳細図である。 図4の部分拡大断面図である。
符号の説明
1 乗り物
2 乗り物本体
3 車体フレーム
4 ヘッドパイプ
5 軸心
6 フロントフォーク
16 構成部品
18 ウィンドシールド
19 シールド本体
20 プロテクタプレート
21 ブラケット
24 ロック手段
25 ロック機構部
26 操作部
29 被嵌合部
30 嵌合部
31 ロック具
45 外縁部
47 案内手段
48 被摺動部
49 摺動部
A 一方向
C 接近移動

Claims (9)

  1. 乗り物本体と、全体として平坦形状をなす構成部品と、上記乗り物本体に対する上記構成部品のある一方向への移動によりこの構成部品を上記乗り物本体に対し固着可能とさせるロック手段とを備えた乗り物において、
    上記一方向を上記構成部品の平坦な外面に沿った方向としたことを特徴とする乗り物における構成部品の着脱装置。
  2. 上記一方向が下方に向かう方向であることを特徴とする請求項1に記載の乗り物における構成部品の着脱装置。
  3. 上記ロック手段が、上記構成部品を乗り物本体に固着可能とさせるロック機構部と、このロック機構部に連結される操作部とを備え、この操作部への操作により、上記ロック手段による固着が解除されるようにし、上記構成部品の外縁部の近傍に上記操作部を配置したことを特徴とする請求項1、もしくは2に記載の乗り物における構成部品の着脱装置。
  4. 上記構成部品の正面視で、上記操作部近傍における上記構成部品の外縁部の外端縁が上記構成部品の外側方から上記操作部を囲むよう、上記外縁部の外端縁を屈曲させたことを特徴とする請求項3に記載の乗り物における構成部品の着脱装置。
  5. 上記操作部を操作したとき、この操作部が上記構成部品の外縁部に接近移動するようにしたことを特徴とする請求項3、もしくは4に記載の乗り物における構成部品の着脱装置。
  6. 上記一方向に向かって上記構成部品が移動するようこの構成部品を案内する案内手段を備えたことを特徴とする請求項1から5のうちいずれか1つに記載の乗り物における構成部品の着脱装置。
  7. 上記案内手段が、上記乗り物本体に形成される被摺動部と、上記構成部品に形成され上記被摺動部に対し摺動可能な摺動部とを備え、上記被摺動部に対する摺動部の摺動により上記構成部品が上記一方向に向かって移動するようにしたことを特徴とする請求項6に記載の乗り物における構成部品の着脱装置。
  8. 上記ロック手段のほぼ全体をその前方から上記構成部品で覆うようにしたことを特徴とする請求項1から7のうちいずれか1つに記載の乗り物における構成部品の着脱装置。
  9. 上記乗り物を鞍乗型車両とし、上記乗り物本体をこの車両の車体とし、上記構成部品をウィンドシールドとし、上記車体が有するフロントフォークをその前方から上記ウィンドシールドで覆うと共に、このウィンドシールドを上記フロントフォークに上記ロック手段により固着させ、上記一方向を上記フロントフォークの長手方向に沿った方向としたことを特徴とする請求項1から8のうちいずれか1つに記載の乗り物における構成部品の着脱装置。
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