JP2005186413A - インクジェット記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本出願人が先に提案した普通紙対応インクを用いるインクジェット記録に好適で、高い光沢感を伴った画像濃度の高い写真画質を安定して提供することができ、グロスチェンジが発生し難いインクジェット記録媒体を提供すること。
【解決手段】 基材の少なくとも片面に1層以上のインク受容層を有する構成のインクジェット記録媒体において、該インク受容層の少なくとも最表層に、一次粒子の平均粒子径100nm以下のシリカを含有させ、且つ該最表層の表面pHを8以上に調整する。
【選択図】 なし
【解決手段】 基材の少なくとも片面に1層以上のインク受容層を有する構成のインクジェット記録媒体において、該インク受容層の少なくとも最表層に、一次粒子の平均粒子径100nm以下のシリカを含有させ、且つ該最表層の表面pHを8以上に調整する。
【選択図】 なし
Description
本発明は、普通紙で高い記録品質が得られることを主目的として近年開発されたインクを用いるインクジェット記録に好適で、高い光沢感を伴った画像濃度の高い写真画質を提供し得るインクジェット記録用の記録媒体に関する。
インクジェット記録方式は、記録ヘッドの吐出口からインクの液滴を吐出させ、紙等の記録媒体にインクを付着させて画像を記録する記録方式である。インクジェット記録用のインクとしては、水を主成分とし、染料や顔料等の着色剤と共に、乾燥防止、ノズルの目詰まり防止等の目的でグリコール類等の水溶性高沸点溶剤を含有させた水性インクが一般的である。このような水性インクを用いて、インクジェット特性について特に考慮されていないいわゆる普通紙、例えば、PPC用紙、再生紙、コート紙、アート紙などに対してインクジェット記録を行った場合、記録画像の画像濃度及び彩度が十分に発現せず、また、ブリードなどの画質を著しく低下させる現象が発生するため、高い記録品質を望むことはできなかった。従って、高い記録品質を望む場合は、記録媒体として、インクジェット記録用紙などと称される、インクジェット特性の考慮された高級グレードの記録媒体を使用する必要があった。
しかしながら、近年のインクジェット記録方式の普及に伴い、ユーザーの要望が多様化、高度化してきていることを背景に、普通紙でも一定レベル以上の高い記録品質が得られることが強く要望されている。そこで、本出願人は、先に、普通紙で高い記録品質が得られるインク(普通紙対応インク)として、着色剤をポリマーで包含して水に分散可能にした分散体を含有し、該ポリマーの繰り返し単位中にフェニル基が20〜70%含まれている水性インクを提案した(特許文献1参照)。この水性インクによれば、該分散体の被記録面への良好な定着性及び発色性により、インクジェット適性の乏しい普通紙上に、ブリードが少なく発色性の高い画像を形成することができる。
国際公開第03/033602号パンフレット
本出願人が先に提案した上記水性インク(普通紙対応インク)は、普通紙で高い記録品質が得られることを主眼において開発されたものであるが、普通紙に限らず、インクジェット記録用紙に対しても十分に満足のできる高記録品質の画像を出力することが可能である。しかしながら、特に、光沢感のあるインクジェット記録用紙(いわゆる光沢紙)に対する上記普通紙対応インクのパフォーマンスについては、銀塩写真という強力なライバルの存在を考慮すると、改善の余地があるのも事実である。即ち、インクジェット記録において記録媒体として光沢紙が選択されるのは、通常は、高い光沢感を伴った画像濃度の高い写真画質が期待されてのことであるが、上記普通紙対応インクを用いて従来の光沢紙に対してインクジェット記録を行った場合、記録画像の画像濃度、彩度及び光沢感が期待通りには発現しないことがあり、フォトライクなインクジェット記録物を安定して得るという点で問題があった。また、上記普通紙対応インクにより形成された画像は、指などで軽く擦っただけでその部分の光沢感が変化するいわゆるグロスチェンジと呼ばれる現象が発生することがあり、グロスチェンジの防止が課題となっていた。
従って、本発明の目的は、上記普通紙対応インクを用いるインクジェット記録に好適で、高い光沢感を伴った画像濃度の高い写真画質を安定して提供することができ、グロスチェンジが発生し難いインクジェット記録媒体を提供することにある。
本発明者等は、本出願人の先の出願に係る上記普通紙対応インクを用いるインクジェット記録について種々検討した結果、普通紙対応インクを、一般的な光沢紙である、シリカを主体とするインク受容層が塗設されたインクジェット記録用紙の被記録面(光沢面)上に付与すると、インク中の上記分散体が該光沢面上で盛り上がったような状態で固着し、この不自然な固着部分の存在により、入射光の乱反射がひどくなり、画像濃度、彩度、光沢感が低下するとの知見を得た。そこで、さらに検討した結果、光沢面の表面pHを8以上にすることにより、普通紙対応インクの光沢面上における凝集過程が改善され、上記分散体の不自然な固着を効果的に防止できることを知見した。また、このような処方により、グロスチェンジを効果的に防止できることも知見した。
本発明は、上記知見に基づきなされたもので、基材の少なくとも片面に1層以上のインク受容層を有するインクジェット記録媒体で、着色剤をポリマーで包含して水に分散可能にした分散体を含有し、該ポリマーの繰り返し単位中にフェニル基が20〜70%含まれている水性インクを用いるインクジェット記録用のインクジェット記録媒体であって、上記インク受容層の少なくとも最表層が一次粒子の平均粒子径100nm以下のシリカを含有しており、且つ該最表層の表面pHが8以上であることを特徴とするインクジェット記録媒体を提供することにより、上記目的を達成したものである。
本発明のインクジェット記録媒体は、本出願人が先に提案したいわゆる普通紙対応インク(着色剤をポリマーで包含して水に分散可能にした分散体を含有し、該ポリマーの繰り返し単位中にフェニル基が20〜70%含まれている水性インク)を用いるインクジェット記録に特に好適に使用できるものであり、該インクジェット記録において、画像濃度、彩度及び光沢感に優れ、グロスチェンジが発生し難いフォトライクなインクジェット記録物を提供することができる。
以下、本発明のインクジェット記録媒体について詳細に説明する。
本発明のインクジェット記録媒体は、インクジェット記録用の記録媒体として広い範囲に対応できるものであるが、このインクジェット記録媒体が特に効果を発揮するのは、本出願人が先に提案したいわゆる普通紙対応インクを用いるインクジェット記録である。この普通紙対応インクは、着色剤をポリマーで包含して水に分散可能にした分散体を含有し、該ポリマーの繰り返し単位中にフェニル基が20〜70%含まれている水性インクである。「ポリマーの繰り返し単位中にフェニル基が20〜70%含まれている」とは、繰り返し単位の分子量をM、繰り返し単位中に含まれるフェニル基の数をnとした場合、フェニル基の分子量は77であるから、{(77×n)/M}×100=の計算値(%)が20〜70の範囲にあることを意味する。
上記普通紙対応インク中に含有される上記分散体を構成する上記着色剤としては、顔料及び染料が挙げられ、特に、有機顔料又は無機顔料を好適に用いることができる。また、上記分散体を構成する上記ポリマーとしては、例えば、ポリアクリル酸エステル、スチレン−アクリル酸共重合体、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、含珪素ポリマー、含硫黄ポリマーなどを用いることができる。上記普通紙対応インクには、上記分散体及び水以外に、印字品質の向上、乾燥防止などを目的として、アセチレングリコール系界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤、シリコン系界面活性剤などの界面活性剤や、グリコール類、グリコールエーテル類などの各種有機溶剤、pH調整剤、溶解助剤、酸化防止剤などを適宜含有することができる。
上記普通紙対応インクの詳細については、本出願人が先に出願した特願2001−320779及び国際公開03/033602号パンフレットを参照されたい。本発明のインクジェット記録媒体は、これらに開示された水性インクに対して有効である。また、上記普通紙対応インクを使用する市販のインクジェットプリンタとしては、セイコーエプソン製のPX−V700があり、本発明のインクジェット記録媒体は、このインクジェットプリンタ用の記録媒体として好適である。
本発明のインクジェット記録媒体は、基材と、該基材の少なくとも片面に設けられた1層以上のインク受容層とを有し、該インク受容層の少なくとも最表層が、一次粒子の平均粒子径が100nm以下のシリカを含有している。上記普通紙対応インクを用いたインクジェット記録においては、このインク受容層の最表層の表面が被記録面となり、該表面に普通紙対応インクの液滴が直接付与される。
そして、上記インク受容層の最表層の表面pHは8以上である。最表層の表面、即ち、記録媒体の被記録面の表面pHが8未満では、上記普通紙対応インク中の分散体(着色剤)が被記録面に不自然に固着してしまい、分散体固着部分(印刷部分)が被記録面から不自然に盛り上がったような状態になる結果、入射光の乱反射により画像濃度、彩度、光沢感が不十分となり、高い光沢感を伴った画像濃度の高い銀塩写真調の画像を得ることができない。
尚、本発明における表面pHとは、日本紙パルプ技術協会の定める紙及び板紙の表面pH試験方法のA法(塗布法)[J.TAPPI No.6]に準拠して測定されるもので、pH測定用指示薬を測定対象面(インクジェット記録媒体の被記録面)に滴下し、脱脂綿で薄く且つ素早く塗り広げた後、指示薬を滴下してから10秒経過時点での測定対象面の色相を、pH標準変色表に掲載されている色相と見比べることにより決定される表面pH(紙面pH)を意味する。
上記インク受容層の最表層の表面pHを8以上にするために、pH調整剤としてリン酸塩、ケイ酸塩、アルカリ金属の水酸化物などを用いることができる。リン酸塩としては、例えば、リン酸三ナトリウム(Na3PO4)、リン酸三カリウム(K3PO4)、リン酸二ナトリウム(Na2HPO4)、リン酸二カリウム(K2HPO4)等が挙げられる。また、ケイ酸塩としては、例えば、メタケイ酸ナトリウム(Na2SiO3)等が挙げられる。また、アルカリ金属の水酸化物としては、例えば、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化リチウム(LiOH)等が挙げられる。
pH調整剤を用いる場合、pH調整剤の水溶液を調製し、サイズプレス装置やワイヤーバーなどの公知の塗工装置あるいは塗工具を用いて、インク受容層の最表層の表面にこれを塗布すればよい。この方法以外にも、例えば、pH調整剤の水溶液中に記録媒体自体を浸積する方法(含浸法)や、上記最表層形成用の塗工液中に上記シリカなどと共に予めpH調整剤を含有させておく方法などを利用することができる。
また、本発明のインクジェット記録媒体は、インク受容層の最表層の表面(被記録面)の表面pHが8以上であることに加えて、該表面のJIS−P8142で規定する75度光沢度が20%以上、好ましくは45%以上であることが好ましい。被記録面の75度光沢度が20%以上であれば、より高い光沢感を伴った銀塩写真調の画像を得ることができる。
インク受容層の最表層の表面の75度光沢度を高める場合には、カレンダー処理を利用することができる。カレンダー処理とは、スーパーカレンダー、グロスカレンダー等の公知のカレンダー装置を用い、加圧・加熱したロール間に紙などを通過させてその表面を平滑化する従来公知の処理方法である。また、上記最表層の表面を金属若しくはフィルム等の鏡面に写し取るいわゆるキャスト法を用いることにより、より高い光沢感を有する塗工面を得ることもできるし、最表層の厚みを調整することによっても光沢度を調整することができる。一般に、カレンダー処理時の線圧を高めるほど、また、層厚を大きくするほど、75度光沢度は向上する。
本発明のインクジェット記録媒体を構成するインク受容層について、以下、さらに説明する。
上記インク受容層は、1層からなる単層構造でもよく、2層以上からなる多層構造でもよいが、いずれの構造であっても、上述したように、インクジェット記録時に上記普通紙対応インクの液滴が直接付与されることになるその最表層には、一次粒子の平均粒子径が100nm以下、好ましくは3〜30nmのシリカが含有される。このシリカとしては、高い画像濃度の実現が可能で、入手が容易で比較的安価であるという観点から、気相法シリカ、コロイダルシリカが好ましい。上記最表層には、これらのうちの1種を単独で含有させてもよく、2種いずれも含有させてもよい。シリカの含有量は、上記最表層の全固形分に対して20〜90重量%とすることが好ましい。シリカの含有量が20重量%未満ではインク吸収性等の向上に乏しく、また、90重量%超では塗膜強度が低下するため、粉落ちなどの不都合が生じるおそれがある。
上記インク受容層の最表層には、必要に応じ、上記シリカと共に、スメクタイト粘土、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、カオリン、白土、タルク、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、酸化アルミニウム、アルミナ、擬ベーマイト等の無機顔料の1種又は2種以上を含有させることができる。これらの無機顔料は、インク受容層を多層構造とする場合の上記最表層以外の層にも適宜含有させることができる。
また、上記インク受容層には、塗膜強度を高める観点から、通常、バインダーが含有される。バインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、酢酸ビニル、澱粉、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、スチレン−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系共重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系共重合体ラテックス、アクリル酸及びメタクリル酸の重合体等のアクリル系共重合体ラテックス等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。なかでも、ポリビニルアルコールは、透明性が高く且つインクの浸透性を阻害しないため、バインダーとして好ましく用いられる。ポリビニルアルコールには、完全ケン化、部分ケン化、カチオン変性など種々のタイプがあり、いずれも用いることができる。バインダーの含有量は、塗膜強度とインク吸収性とのバランスの観点から、上記無機顔料(上記シリカを含む)に対して5〜40重量%とすることが好ましい。バインダーの含有量が無機顔料に対して5重量%未満では塗膜強度不足を招き、40重量%超では製造適性及びインク吸収性の低下を招き、製造コスト面でも好ましくない。
上記インク受容層には、無機顔料及びバインダー以外に、記録媒体の特性を改善し得る種々の添加剤を含有させることができる。但し、上記最表層については、添加剤の使用により表面pH8以上の達成が妨げられないように留意する必要がある。添加剤としては、例えば、帯電防止剤、紙力増強剤、耐水化剤、蛍光増白剤、防かび剤、防腐剤、界面活性剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、保水剤、硬膜剤、着色染料、着色顔料、顔料分散剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、光安定剤、消光剤、酸化防止剤などが挙げられる。
上記インク受容層は、基材の片面又は両面に、無機顔料やバインダーなどの上記各成分を含有させた塗工液を、エアナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、ブレードコーターなどの塗工装置を用いて塗工した後、熱風乾燥機、赤外線乾燥機等を用いて常法通り乾燥させることにより、形成することができる。インク受容層の塗工量は、乾燥重量で0.2〜50g/m2とすることが好ましい。塗工量が0.2g/m2未満ではインク受容層を設ける意義に乏しく、50g/m2超ではカールや粉落ちなどの不都合が生じるおそれがある。
一方、本発明のインクジェット記録媒体を構成する基材としては、特に限定されず、この種の塗工紙において基材として通常用いられるものと同様のものを用いることができる。具体的には、上質紙、再生紙、サイズ処理紙等の紙;アート紙、コート紙、キャストコート紙、樹脂被覆紙、樹脂含浸紙;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート等のフィルムやシート状プラスチック基材;不織布、布、織物、金属フィルム、金属板;これらを貼り合わせた複合基材等を用いることができる。表面に凹凸やシボを入れたファンシー紙、色模様紙、エンボス加工紙、あるいはコットン紙のような非木材繊維紙などのいわゆる意匠紙も好ましく用いられる。なかでも、原紙の両面をポリエチレンなどのポリオレフィン樹脂で被覆してなる樹脂被覆紙は、光沢、質感、耐水性、印字後の波打ちなどに優れているため、基材として好ましく用いられる。
以下に、本発明の実施例及び本発明の効果を示す試験例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は、斯かる実施例により何等制限されるものではない。
〔実施例1〕
気相法シリカとシャロールDC902Pを含む水溶液を高圧ホモジナイザーで分散し、ポリビニルアルコール等を加えて下記組成となるようなインク受容層用塗工液を調製した。
<インク受容層用塗工液の組成>
・気相法シリカ(平均一次粒子径7nm) 100部
・メチルジアリルアンモニウムクロライド重縮合物 3部
(商品名:シャロールDC902P、第一工業製薬(株)製)
・ポリビニルアルコール 25部
(商品名:PVA235、(株)クラレ製)
・ほう酸 4部
・塩基性ポリ水酸化アルミニウム 3部
(商品名:ピュラケムWT、理研グリーン株製)
・両性界面活性剤 0.3部
(商品名:SWAM AM−2150、日本サーファクタント製)
気相法シリカとシャロールDC902Pを含む水溶液を高圧ホモジナイザーで分散し、ポリビニルアルコール等を加えて下記組成となるようなインク受容層用塗工液を調製した。
<インク受容層用塗工液の組成>
・気相法シリカ(平均一次粒子径7nm) 100部
・メチルジアリルアンモニウムクロライド重縮合物 3部
(商品名:シャロールDC902P、第一工業製薬(株)製)
・ポリビニルアルコール 25部
(商品名:PVA235、(株)クラレ製)
・ほう酸 4部
・塩基性ポリ水酸化アルミニウム 3部
(商品名:ピュラケムWT、理研グリーン株製)
・両性界面活性剤 0.3部
(商品名:SWAM AM−2150、日本サーファクタント製)
基材として、LBKP(50部)とLBSP(50部)のパルプ配合からなる170g/m2の原紙の表面に、低密度ポリエチレン(70部)と高密度ポリエチレン(20部)と酸化チタン(10部)とからなる樹脂組成物を25g/m2塗布し、裏面に高密度ポリエチレン(50部)と低密度ポリエチレン(50部)とからなる樹脂組成物を25g/m2塗布して、総厚が235μmの樹脂被覆紙を用意した。
上記樹脂被覆紙(基材)の原紙表面側の面の全面に、上記インク受容層用塗工液を、塗工量が固形分換算で26g/m2(厚みとしては約30μm)となるようにワイヤーバーを用いて塗工した後、これを乾燥させることによりインク受容層を形成し、インクジェット光沢紙を得た。
上記インクジェット光沢紙の被記録面(インク受容層の表面)の全面に、リン酸三ナトリウム30%水溶液を、塗布後の湿潤状態での塗布量が9g/m2(乾燥重量で3g/m2)となるようにワイヤーバーを用いて塗布した後、乾燥器を用いて乾燥温度40℃で30秒間乾燥させることによりpH調整済インクジェット光沢紙を得、これを実施例1のサンプルとした。
〔実施例2〕
実施例1において、リン酸三ナトリウム30%水溶液に代えて、リン酸三カリウム30%水溶液を用いた以外は実施例1と同様にしてpH調整済インクジェット光沢紙を得、これを実施例2のサンプルとした。
実施例1において、リン酸三ナトリウム30%水溶液に代えて、リン酸三カリウム30%水溶液を用いた以外は実施例1と同様にしてpH調整済インクジェット光沢紙を得、これを実施例2のサンプルとした。
〔実施例3〕
実施例1において、リン酸三ナトリウム30%水溶液に代えて、メタケイ酸ナトリウム45%水溶液を用いた以外は実施例1と同様にしてpH調整済インクジェット光沢紙を得、これを実施例3のサンプルとした。
実施例1において、リン酸三ナトリウム30%水溶液に代えて、メタケイ酸ナトリウム45%水溶液を用いた以外は実施例1と同様にしてpH調整済インクジェット光沢紙を得、これを実施例3のサンプルとした。
〔実施例4〕
実施例1において、リン酸三ナトリウム30%水溶液に代えて、水酸化ナトリウム10%水溶液を用いた以外は実施例1と同様にしてpH調整済インクジェット光沢紙を得、これを実施例4のサンプルとした。
実施例1において、リン酸三ナトリウム30%水溶液に代えて、水酸化ナトリウム10%水溶液を用いた以外は実施例1と同様にしてpH調整済インクジェット光沢紙を得、これを実施例4のサンプルとした。
〔実施例5〕
実施例1において、リン酸三ナトリウム30%水溶液に代えて、水酸化カリウム10%水溶液を用いた以外は実施例1と同様にしてpH調整済インクジェット光沢紙を得、これを実施例5のサンプルとした。
実施例1において、リン酸三ナトリウム30%水溶液に代えて、水酸化カリウム10%水溶液を用いた以外は実施例1と同様にしてpH調整済インクジェット光沢紙を得、これを実施例5のサンプルとした。
〔実施例6〜10〕
実施例1〜5それぞれにおいて、上記インクジェット光沢紙に代えて、市販のインクジェット光沢紙(商品名:コニカQP、コニカ製)を用いた以外は実施例1〜5それぞれと同様にしてpH調整済インクジェット光沢紙を得、これらをそれぞれ実施例6〜10のサンプルとした。
実施例1〜5それぞれにおいて、上記インクジェット光沢紙に代えて、市販のインクジェット光沢紙(商品名:コニカQP、コニカ製)を用いた以外は実施例1〜5それぞれと同様にしてpH調整済インクジェット光沢紙を得、これらをそれぞれ実施例6〜10のサンプルとした。
〔比較例1〕
上記インクジェット光沢紙(pH未調整)を、そのまま比較例1のサンプルとした。
上記インクジェット光沢紙(pH未調整)を、そのまま比較例1のサンプルとした。
〔比較例2〕
上記コニカQP(pH未調整)を、そのまま比較例2のサンプルとした。
上記コニカQP(pH未調整)を、そのまま比較例2のサンプルとした。
〔試験例〕
上記各サンプル作製後、これらを速やかに室温20℃、相対湿度60%の環境下に置き、300時間経過時点での各サンプルの表面pHを、共立理化学研究所製の紙面測定用pH計を用いて上述した測定方法に従い測定した。
上記各サンプル作製後、これらを速やかに室温20℃、相対湿度60%の環境下に置き、300時間経過時点での各サンプルの表面pHを、共立理化学研究所製の紙面測定用pH計を用いて上述した測定方法に従い測定した。
また、上記環境下に300時間放置した後の上記各サンプルの被記録面に対し、上記水性インク(普通紙対応インク)を吐出するインクジェットプリンタ(PX−V700、セイコーエプソン製)を用いて、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)及びイエロー(Y)の100%カラーパッチをそれぞれ印刷し、記録物を得た。これらの記録物について、画像濃度、彩度、光沢度、質感、グロスチェンジをそれぞれ下記の方法により評価した。これらの結果を下記〔表1〕に示す。
(画像濃度の評価方法)
上記記録物の各カラーパッチについて、グレタグマクベス社製のスペクトロリーノSPM−50を用い、視野角2度、光源D50、フィルター無しの条件で反射光学濃度(OD値)を測定し、下記評価基準により評価した。
評価基準
A:KCMY4色のOD値の合計が7.0以上であり、且つ単色でOD値1.4未満のものがない。画像濃度が高く発色性良好。
B:4色のOD値の合計が6.0以上7.0未満であり、且つ単色でOD値1.2未満のものがない。実用上問題なし。
C:4色のOD値の合計が6.0未満、又は単色でOD値1.2未満のものが一つでもある。実用不可。
上記記録物の各カラーパッチについて、グレタグマクベス社製のスペクトロリーノSPM−50を用い、視野角2度、光源D50、フィルター無しの条件で反射光学濃度(OD値)を測定し、下記評価基準により評価した。
評価基準
A:KCMY4色のOD値の合計が7.0以上であり、且つ単色でOD値1.4未満のものがない。画像濃度が高く発色性良好。
B:4色のOD値の合計が6.0以上7.0未満であり、且つ単色でOD値1.2未満のものがない。実用上問題なし。
C:4色のOD値の合計が6.0未満、又は単色でOD値1.2未満のものが一つでもある。実用不可。
(彩度の評価方法)
上記記録物の各カラーパッチについて、グレタグ濃度計50−Aを用い、L*、a*及びb*を測定し、次式により彩度(C)をそれぞれ算出した。 C=(a*2+b*2)1/2 そして、予め測定しておいた、印刷前の上記サンプルの被記録面の彩度と比較して、彩度の上昇率がKCMY4色の平均で10%以上のものをA(彩度良好)、該上昇率が平均で5%以上10%未満のものをB(実用上問題なし)、該上昇率が平均で5%未満のものをC(実用不可)とした。
上記記録物の各カラーパッチについて、グレタグ濃度計50−Aを用い、L*、a*及びb*を測定し、次式により彩度(C)をそれぞれ算出した。 C=(a*2+b*2)1/2 そして、予め測定しておいた、印刷前の上記サンプルの被記録面の彩度と比較して、彩度の上昇率がKCMY4色の平均で10%以上のものをA(彩度良好)、該上昇率が平均で5%以上10%未満のものをB(実用上問題なし)、該上昇率が平均で5%未満のものをC(実用不可)とした。
(光沢度の評価方法)
上記記録物の各カラーパッチについて、JIS−P8142に準じて75度光沢度を測定し、これらの平均値を求めた。
上記記録物の各カラーパッチについて、JIS−P8142に準じて75度光沢度を測定し、これらの平均値を求めた。
(質感の評価方法)
上記記録物を目視で観察し、画像濃度、彩度、光沢度がいずれも高く感じられ、銀塩写真と見分けがつかないほどのものをA(質感良好)、銀塩写真と同レベルとまではいかないが、銀塩写真調の記録物として十分通用するものをB(実用上問題なし)、光沢感に乏しく、銀塩写真調とは言えないものをC(実用不可)とした。
上記記録物を目視で観察し、画像濃度、彩度、光沢度がいずれも高く感じられ、銀塩写真と見分けがつかないほどのものをA(質感良好)、銀塩写真と同レベルとまではいかないが、銀塩写真調の記録物として十分通用するものをB(実用上問題なし)、光沢感に乏しく、銀塩写真調とは言えないものをC(実用不可)とした。
(グロスチェンジの評価方法)
コットン綿棒を用いて、上記記録物の各カラーパッチを圧力0.5g/cm2、速度2cm/sec.で擦った後、目視で観察して、グロスチェンジの発生が確認できなかったものをA、グロスチェンジらしきものを確認できるが、ほとんど気にならない程度のものをB(実用上問題なし)、グロスチェンジがはっきりと確認でき、銀塩写真調とは呼べないものをC(実用不可)とした。
コットン綿棒を用いて、上記記録物の各カラーパッチを圧力0.5g/cm2、速度2cm/sec.で擦った後、目視で観察して、グロスチェンジの発生が確認できなかったものをA、グロスチェンジらしきものを確認できるが、ほとんど気にならない程度のものをB(実用上問題なし)、グロスチェンジがはっきりと確認でき、銀塩写真調とは呼べないものをC(実用不可)とした。
Claims (4)
- 基材の少なくとも片面に1層以上のインク受容層を有するインクジェット記録媒体で、着色剤をポリマーで包含して水に分散可能にした分散体を含有し、該ポリマーの繰り返し単位中にフェニル基が20〜70%含まれている水性インクを用いるインクジェット記録用のインクジェット記録媒体であって、
上記インク受容層の少なくとも最表層が一次粒子の平均粒子径100nm以下のシリカを含有しており、且つ該最表層の表面pHが8以上であることを特徴とするインクジェット記録媒体。 - 上記最表層の表面のJIS−P8142で規定する75度光沢度が20%以上であることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録媒体。
- 上記最表層が、上記シリカとして、気相法シリカ及び/又はコロイダルシリカを含有することを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェット記録媒体。
- 上記基材が、原紙の両面をポリオレフィン樹脂で被覆してなる樹脂被覆紙であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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2003
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