JP2003293298A - 多層抄インクジェット記録用紙及び製造方法 - Google Patents
多層抄インクジェット記録用紙及び製造方法Info
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Abstract
印字が可能で、インク吸収性、画像再現性に優れ且つ表
面強度に優れ、オフセット印刷にも適応した多層抄イン
クジェット記録用紙の提供、並びに該多層抄インクジェ
ット記録用紙をオンマシンにて効率良く製造するための
製造方法を提供する 【解決手段】 本発明に係る多層抄インクジェット記録
用紙は、多層抄きした基紙の片面側には顔料を主体とす
るインク受容層を設け、該基紙の反対面側に顔料を主体
とするインク受容層を設けずに基紙が剥き出しである多
層抄インクジェット記録用紙であって、前記基紙が木材
パルプ及び/又は古紙パルプを主成分とする3層以上の
抄き合わせからなり、インク受容層と接する層を表面
層、反対側の層を裏面層とし、該表面層と裏面層の中間
に位置する層を中間層とし、該表面層から中間層及び裏
面層にかけて各層のサイズ度が順次高くなるように勾配
をもたせた層から構成される事を特徴とする。
Description
紙に関するもので、特に高速記録が可能で、印字画像の
滲みが無く、高濃度で発色性に優れ、同時にオフセット
印刷が可能で、ハガキ、カード用紙類として好適な多層
抄インクジェット記録用紙とその製造方法に関するもの
である。
歩とその低価格化によってデジタル画像の取り扱いが極
めて容易になり、それに伴って高性能なパーソナルプリ
ンターが開発されて広く普及しており、銀塩写真並みの
フルカラー印刷を手軽に行なうことが可能になった。現
在、パーソナルプリンターとして最も普及しているのは
インクジェットプリンターである。インクジェット方式
の利点としては、多色化が容易なこと、高速印刷が可能
であること、非接触型で低騒音であること、装置が小型
で安価なことが挙げられる。
は、以下の通りである。すなわち、シアン、マゼンタ、
イエロー、ブラック等の各色のインクを、サーマル方式
やピエゾ方式等によってノズルから微小な液滴として吐
出し、記録媒体上に画像を形成せしめる。現在、インク
ジェットプリンターの殆どが取り扱いの容易さから水性
インクを用いており、インクジェット用紙に要求される
特性としては、それらのインクを使用した場合に、発色
が鮮やかで且つ滲みが発生せず解像度が高いこと、イン
ク吸収速度が速いこと、耐候性に優れること等が挙げら
れる。
を連続印字した時に短時間で直前の記録用紙の印字部と
直後の記録用紙の裏面(白面)が順次重なることとなる
ために、直前の記録用紙の印字部の色が直後の記録用紙
の裏面(白面)に移ってしまう裏移りと呼ばれる現象が
発生する場合がある為に、更なる速いインク吸収性が求
められている。またインクジェットプリンターで印字さ
れる以前にオフセット印刷で所定の画像や文字が印刷さ
れる場合もある。
るが、写真のような高精細画像を記録する場合や、郵便
物やポスターのように屋外で風雨にさらされる可能性の
ある場合は、基紙上に多孔性白色顔料とポリビニルアル
コール等の水性バインダーからなるインク受理層を設け
て優れた画像再現性と高い耐候性を付与した、いわゆる
インクジェット専用紙が使用される。その際用いられる
顔料は、粒径数μm〜十数μm程度の多孔性非晶質シリ
カ等がインク吸収能力やコスト面から優れており、従
来、それらの顔料を使用したマットタイプのインクジェ
ット専用紙が一般的である。
かの提案がなされてきた。特開昭55−5830号公報
では、基紙表面にインク吸収性の塗膜を設けたインクジ
ェット記録用紙が開示され、特開昭55−11829号
公報ではインク吸収速度の異なる2層構造を持つ塗工紙
が開示されている。更に、特公平6−55542号公
報、第2618359号特許掲載公報、第261835
8号特許掲載公報では各種溶媒の混合による水溶液が、
任意時間で記録紙へ浸透する量を規定して、品質向上を
はかっている。特公平6−55542号公報では重合度
400のポリエチレングリコールと水の割合が1:1の
水溶液の浸透量を規定している。第2618358号特
許掲載公報ではジエチレングリコール30重量%水溶液
の任意接触時間で浸透量を規定している。
く場合、主にペン・筆などが使用されてきたが、これま
では高サイズ処理を施すことによりペン等の滲みに対す
る適性を付与していた。しかしながら最近、郵便葉書の
印字手段としてインクジェットプリンターの普及が著し
く、インクジェットプリンタで印字した場合、従来の葉
書ではインク吸収性が悪く、発色性も劣っていた。その
ため近年インク受容層としてインク吸収性、発色性の優
れた顔料塗工層を片面にもうけることが行われてきた。
この場合一般的には基紙として一層の構造より構成され
ている原紙が使用される場合が多いが、非顔料塗工面の
オフセット印刷適性を満足させるために高サイズ処理を
施した原紙を用いると、原紙の吸収性が不足することか
らインク受容層を設ける場合に塗工層を厚くしなければ
ならないという問題があった。
る場合は、吸水量が高いほうが望ましい。即ち、吸水量
を高めることでインクジェットインクの吸収速度が速
く、高速で印字された場合にも裏移りと呼ばれる、印字
物を重ねた時の別な紙へのインク転写による汚れが無く
なり、又多色印字の境界部の滲みも少なくなる。一方、
顔料を塗布していない基紙が剥き出しとなっている非顔
料塗工面へ、ボールペン、鉛筆、毛筆、マジックインク
等で筆記したり、黒文字のみを印字するインクジェット
プリンターの場合は、コブ吸水度を低くすることが望ま
しい。コブ吸水度が高いと水溶性インクを使用したボー
ルペン、毛筆、マジックインクでは文字が滲んだり、イ
ンクジェットプリンターではフェザリングと呼ばれる現
象が発生する。
ェット用紙においては、印字面側のコブ吸水度を高く
し、且つ、非顔料塗工面側のコブ吸水度を低くするよう
な設計がなされてきたが、特に、印字面側の品質を優先
するために、原紙処方においては内添サイズ剤の微量添
加が行なわれてきた。このような場合、非顔料塗工面側
の吸水量を低くするような手段としては、非顔料塗工面
側にだけ、アルキルケテンダイマー(AKD)、スチレ
ンアクリル系サイズで代表される表面サイズを塗布する
ことが行なわれてきた。
に表面処理を施しただけでは、満足のいくコブ吸水度値
が得られなかった。更に、インクジェット用紙において
はプリンターの良好な搬送性が求められているが、搬送
性は、非顔料塗工面の表面処理により左右される。表面
サイズ剤を多用すると、その特性により滑ったり、逆に
滑りづらくなったりして、2枚一緒に紙が送られる重送
トラブルやプリンターに紙が入っていかないミスフィー
ドを起こしやすくなる。
る例としては、特開平1−78877号公報、特開平9
−143900号公報、特開平11−105414号公
報に提案されているが、いずれも普通紙の風合いをもっ
た非顔料塗工紙または、微塗工タイプのインクジェット
用紙を対象としたものであり、顔料塗工タイプのインク
ジェット用紙に比較すると印字品質としては充分満足で
きるものではなかった。
収層を確保するには6〜15g/m2が必要とされてい
た。しかし、一般に塗工液の濃度を上げて塗工量を確保
しようとすると、粘度が上がってしまい、逆に塗工液の
濃度を下げて塗工量を確保しようとすると塗工層の水分
過多により莫大な乾燥能力が必要となり、1台の抄紙機
上での塗工は困難であった。このように従来は、オフコ
ーターで塗工を行わなければならなかったためにどうし
ても生産効率が上がらなかった。
ットプリンターで高速印字が可能で、インク吸収性、画
像再現性に優れ且つ表面強度に優れ、オフセット印刷に
も適応した多層抄インクジェット記録用紙の提供、並び
に該多層抄インクジェット記録用紙をオンマシンにて効
率良く製造するための製造方法を提供することを課題と
する。
て、多層抄きした基紙の片面側には顔料を主体とするイ
ンク受容層を設け、その反対面側には顔料を主体とする
インク受容層を設けずに基紙が剥き出しである多層抄イ
ンクジェット記録用紙であって、インク受理層を設けた
側からの5秒間の吸水量を20g/m2以上とし、反対側
の基紙が剥き出してある面の吸水量を15g/m2以下と
することで印字品位、インク吸収性ともに優れたインク
ジェット用紙が得られることを提案した(特願2000
−324563号)。しかしながら、顔料を主体とする
インク受容層からのインク吸収性、印字品位をさらに高
めるべく鋭意検討した結果、インク受容層及びそれに接
する基紙の表面層の吸水性を制御するだけでは必ずしも
十分ではないことを本発明者等は見出した。
いては基紙の表裏に位置する表面層及び裏面層の吸収性
のみならず、その中間に位置する中間層の吸収性が非常
に重要な役割を果たしており、該中間層の液体吸収性は
表面層及び裏面層のいずれか一方の吸収性にあわせたの
では最良の印字品位と吸収速度のバランスが得られず、
吸収性に勾配をもたせることが極めて重要であるという
発見に基づき本発明を完成させた。
解決するべく鋭意検討した結果、以下の発明により上記
課題を解決した。 1. 多層抄きした基紙の片面側には顔料を主体とする
インク受容層を設け、該基紙の反対面側に顔料を主体と
するインク受容層を設けずに基紙が剥き出しである多層
抄インクジェット記録用紙であって、前記基紙が木材パ
ルプ及び/又は古紙パルプを主成分とする3層以上の抄
き合わせからなり、インク受容層と接する層を表面層、
反対側の層を裏面層とし、該表面層と裏面層の中間に位
置する層を中間層とし、該表面層から中間層及び裏面層
にかけて各層のサイズ度が順次高くなるように勾配をも
たせた層から構成される事を特徴とする多層抄インクジ
ェット記録用紙である。
吸水量(水を用いて5秒間一定面積の被測定面に接触さ
せ、余分な液を吸い取り紙で取り除いて、被測定面から
吸収された水の重量を測定し、m2当りのg数として算
出した値)が20g/m2以上であり、反対側の裏面層の
吸水量が15g/m2以下であり、基紙の中間層の表面層
と接する面側からの吸水量が16〜40g/m2であるこ
とを特徴とする請求項1記載の多層抄インクジェット用
紙である。
0〜0.03重量%、基紙の裏面層の内添サイズ添加量
が0.1重量%以上であり、基紙の中間層の内添サイズ
剤添加量は0〜0.1重量%であることを特徴とする請
求項1又は2記載の多層抄インクジェット記録用紙であ
る。
13g/m2の割合で設けてなることを特徴とする請求
項1、2又は3記載のインクジェット記録用紙である。
と、該基紙の片面側に設けるインク受容層を塗工・乾燥
する工程とをオンマシン上で行い、オンマシン塗工装置
がエアナイフコーターであり、塗料を前記基紙に付与後
エアナイフで計量するまでの時間が2秒以下であること
を特徴とするインクジェット記録用紙の製造方法であ
る。
発明のインクジェット記録用紙は、基紙の一方の面に1
層以上のインク受容収層を設けてなる。基紙は木材パル
プ及び/又は古紙パルプを主成分とする3〜7層の抄き
合わせからなり、基紙の坪量は145〜400g/m2
であり、各層の坪量は通常40〜150g/m2の範囲
にある。本発明では多層抄紙で構成される基紙において
インク受容層と接する層を表面層、反対側の層を裏面
層、表面層と裏面層の中間に位置する層を中間層と定義
する。したがって中間層は層数によって1〜5層から形
成される。本発明では表面層から中間層及び裏面層にか
けて各層のサイズ度が順次高くなるように勾配をもたせ
た基紙を形成することが肝要である。
一定面積の被測定面に接触させ、余分な液を吸い取り紙
で取り除いて被測定面から吸収された水の重量を測定
し、m 2当りのg数として算出した値、以下本発明での
吸水量は特に断らない限り5秒吸水量を意味する)で表
現すると、数値が順次低くなる方向に勾配をもたせるこ
とを意味する。中間層のサイズ度は特に表面層と接する
面側の吸収性が重要であり、中間層が複数層からなる場
合は表面層と接する面側からの吸水量をもって中間層の
サイズ度とする。各層のサイズ度の評価は基紙の状態で
は表面層、中間層及び裏面層の3層に剥離し、表面層は
基紙の表面の吸水量、中間層は表面層と接する面の吸水
量、裏面層については基紙の裏面からの吸水量の各値を
比較することでサイズ度に勾配がとれているかを確認で
きる。
表面からの5秒吸水量の測定ができないことから表面層
と中間層の界面で剥離し、表面層において中間層と接す
る面側からの吸水量を測定することで評価する。簡便的
には表面層、中間層及び裏面層の3層に剥離し、マイク
ロシリンジを用いて一定量の水を各層に滴下し、吸収時
間を測定することで、各層のサイズ度に勾配がとれてい
るかを確認できる。各層の5秒吸水量は表面層で20〜
60g/m2、中間層で16〜30g/m2、裏面層で15
g/m2以下の範囲が好ましいが、サイズ度に勾配がとれ
ていることが必要である。中間層のサイズ度が表面層と
同じ無サイズの場合はインクジェットプリンターで印字
した場合の発色性、表面強度、耐擦れ性が不満足であ
り、中間層のサイズ度が裏面層と同じ場合にはインクジ
ェットプリンターでの乾燥性、にじみ、高速インクジェ
ットプリンターでの裏移り、滲み、裏抜けが悪化する。
また中間層のサイズ度が表面層より低い場合はインクジ
ェットプリンターでの滲みが悪化する。
用いて5秒間一定面積の被測定面に接触させ、余分な液
を吸い取り紙で取り除いて、被測定面から吸収された水
の重量を測定し、m2当りのg数として算出した値)2
0g/m2以上とし、基紙の中間層の表面層と接する面側
からの吸水量が16〜30g/m2、反対側のインク受容
層を設けずに基紙が剥き出しである面の吸水量を15g/
m2以下としたのは次の理由による。即ち、インク受容
層を設けた側からの吸水量が20g/m2以上であれ
ば、インクジェットプリンターで多色インクを高速印字
された場合でも、インク吸収が速く、裏移りと呼ばれる
現象が発生しない。一方、吸水量が20g/m2未満で
あると裏移りと呼ばれる現象が発生し易くなり好ましく
ない。これらインク受容層を設けた側からの吸水量は、
原紙処方とカラー処方の組合せによって制御することが
できるが、特にインク受容層を設ける基紙の内添サイズ
剤添加量が重要である。
吸水量は16〜40g/m2であるが、16g/m2未満で
はインクジェットプリンターでの乾燥性、滲み、高速イ
ンクジェットプリンターでの裏移り、滲み、裏抜けが悪
化し、40g/m2を超えると表面強度、耐擦れ性が悪化
する。反対側のインク受容層を設けずに基紙が剥き出し
である非顔料塗工面の吸水量を15g/m2以下としたの
は、特に万年筆の水性インク、墨汁等で筆記した場合の
滲みを防ぐためである。吸水量が15g/m2を超えると
滲みが発生し好ましくない。一方インクジェットプリン
ターで印字されることも考慮すると好ましい範囲は5〜
15g/m2である。この場合通常単色インクで印字さ
れるが、5g/m2未満ではインクジェットプリンター
で印字した場合吸収性が悪くなる。これら非顔料塗工面
の吸水量は、表面サイズ剤を塗布することによってある
程度は調節することができるが、プリンターでの搬送性
不良等の弊害も発生しやすくなり、非顔料塗工面側の内
添サイズ添加量が重要となる。
して、内添サイズ剤を0〜0.03重量%含まれるよう
にする。内添サイズ剤は填料としてタルクを用いる場合
には強化ロジンサイズ剤等が用いられ、填料として炭酸
カルシウムを用いる場合には中性ロジンサイズ剤、AS
A、AKD等が用いられる。サイズ剤添加量がこの範囲
以上になると、塗工面の吸水量が20g/m2未満とな
り、裏移りと呼ばれる現象が発生し易くなり好ましくな
い。
して内添サイズを0.1重量%以上含むようにする。内
添サイズ剤は填料としてタルクを用いる場合には強化ロ
ジンサイズ剤等が用いられ、填料として炭酸カルシウム
を用いる場合には中性ロジンサイズ剤、ASA、AKD
等が用いられる。サイズ剤添加量が0.1重量%未満に
なると、非顔料塗工面側の吸水量が15g/m2を超
え、水性インクなどの滲みが発生し易くなり好ましくな
い。
して、内添サイズ剤を0〜0.1重量%含まれるように
する。内添サイズ剤は填料としてタルクを用いる場合に
は強化ロジンサイズ剤等が用いられ、填料として炭酸カ
ルシウムを用いる場合には中性ロジンサイズ剤、AS
A、AKD等が用いられる。サイズ剤添加量は第1層、
第3層のサイズ度をみて、サイズ度の勾配がとれてなお
かつ吸水量16〜40g/m2の範囲にはいるように添加
量が決定される。サイズ剤の添加量が0重量%でも使用
する原料がサイズの効いた損紙や古紙の場合で上記の範
囲内にあれば可能である。サイズ剤の添加量が0.1重
量%を超えると、吸水量が15g/m2以下となりたとえ
サイズ度の勾配がとれていてもインクジェットプリンタ
ーでの乾燥性、滲み、高速インクジェットプリンターで
の裏移り、滲み、裏抜けが悪化する。
い態様例を上げて具体的に説明する。本発明で使用する
基紙は多層抄であるが、その原材料は各層共に、主にL
−BKP,N−BKPに代表される木材パルプを使用す
る。古紙パルプ、機械パルプ、草本植物パルプ等を適宜
配合する事も出来る。紙料中には紙力剤、填料、バン
ド、歩留まり向上剤、染料、蛍光染料等が適宜用いられ
る。
ルアマイド等が主として用いられる。填料としては炭酸
カルシウム、タルク、クレー、合成ゼオライト、珪酸カ
ルシウム、チタン等が用いられる。歩留まり向上剤はコ
ロイダルシリカ、ポリアクリルアマイド、ポリエチレン
イミン等が用いられる。染料、蛍光染料は紙の色相を調
節するために添加され、直接染料、塩基性染料、酸性染
料等が用いられる。紙料中のサイズ剤としては填料に炭
酸カルシウムを用いる場合には、アルキルケテンダイマ
ー(AKD)、アルケニル無水琥珀酸(ASA)、中性
ロジン等が用いられ、炭酸カルシウム以外の填料では主
に強化ロジン、鹸化ロジンが用いられる。紙料中のサイ
ズ剤添加量については、前記した通りである。
紙機あるいは短網抄紙機あるいはそれらのコンビネーシ
ョン抄紙機を用いて、少なくとも3層以上の多層抄によ
り、上述した紙料を用いて行われる。途中、サイズブレ
ス、ゲートロール等に代表される澱粉、ポリビニルアル
コール、表面サイズ剤等の塗布液を塗布する装置を通過
させる場合もあるが、この場合も製品基紙において表面
層〜裏面層のサイズ度の勾配がとれ、吸水量が適正な範
囲内に入るように表面サイズ剤の塗布量を調節しなけれ
ばならない。
を主体として形成される。無機顔料としては、カオリ
ン、クレー、重質炭酸カルシウム、軽重質炭酸カルシウ
ム、水酸化アルミニウム、サチンホワイト、二酸化チタ
ン、焼成クレー、酸化亜鉛、硫酸バリウム、タルク、合
成シリカ、珪酸リチウム、珪藻土、炭酸マグネシウム、
水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、マイカ、天然
ゼオライト、合成ゼオライト、擬ベーマイト、ハイドロ
キシアパタイト、層間化合物等を用いることができる。
以上のような無機顔料の中でも、必要とする細孔容積及
びインク吸収性を得るために多孔性合成非晶質シリカや
多孔性合成非晶質アルミナ等が好ましい。
成法、共沈法、ゾル−ゲル法、CVD、PVD、MBE
法等の製造法については限定されない。さらに、上記無
機顔料のうち、カップリング剤や有機物による表面改質
や、金属イオン交換法、気相蒸着法や液相析出法による
表面処理など、多元的な機能性を付与させるための表面
処理が施された無機顔料が使用されてもかまわない。ま
た、印刷保存性の向上を目的に、ラジカルトラッピング
剤や還元剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤を含浸させた顔
料スラリーといったものでもインクジェット適性を著し
く損なわない場合には使用してもかまわない。
バインダーや水性バインダーまたはその混合物が使用さ
れる。水溶性バインダーとしては以下のようなものが使
用できる。例えば、ポリビニルアルコール、カチオン化
ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、
カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、ポ
リビニルピリジン、ポリエチレンオキサイド、ポリプロ
ピレンオキサイド、でんぷん、酸化でんぷん、エステル
化でんぷん、酵素変性でんぷん、カチオン化でんぷん、
アルギン酸ソーダ、ポリスチレンスルホン酸ソーダ、カ
ゼイン、ゼラチン、テルペン等がある。このうち、バイ
ンダー力やピグメントとの親和性の観点から、また、塗
料調製時に粘性制御がしやすいといった点からポリビニ
ルアルコールの使用がより好ましい。ここでは、ケン化
度や重合度といったものは、特に限定されるものではな
い。
エン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重
合体等の共役ジエン系重合体ラテックス、エチレン−酢
酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス、アク
リル系重合体等を使用することができる。これらの接着
剤は顔料100重量部に対して10重量部〜50重量部
用いられるが、顔料の結合に充分な量であればその比率
は特に限定されるものではない。インク受容層に用いる
塗工液には、必要に応じて分散剤、消泡剤、pH調整
剤、潤滑剤、湿潤剤、離型剤、保水剤、増粘剤、界面活
性剤、防腐剤、柔軟剤、ワックス、導電防止剤、帯電防
止剤、サイズ剤、耐水化剤、染料固着剤、可塑剤、蛍光
増白剤、着色顔料、着色染料、流動改良剤、印刷適性向
上剤、香料、脱臭剤等を適宜選定して添加することがで
きる。
た塗工液を一般の塗工方式、例えば、ブレードコータ
ー、ロールコーター、リバースロールコーター、エアー
ナイフコーター、ダイコーター、バーコーター、グラビ
アコーター、カーテンコーター、チャンブレックスコー
ター、リップコーター、ロッドコーターなどの塗工方式
によってオフマシンコーターあるいはオンマシンコータ
ーで、単層あるいは多層塗工することで、本発明の多層
抄インクジェット用紙を得ることができる。塗料の液性
からはエアーナイフコーター、カーテンコーター、ロッ
ドコーター等が好ましく、さらに好ましくはエアナイフ
コーターであり、経済性、効率性を考慮するとオンマシ
ンコーターの利用が好ましい。特に通常、既存の白板紙
マシンはオンマシンコーターを抄紙パートの後に装備し
ており、これらの設備を利用することが経済的に有利で
ある。但しオンマシンコーターでは原紙の温度が高いこ
ともあり塗料からの脱水が急激であるため塗工層の表面
強度が落ちやすく、これを避けるべく、塗料中の接着剤
を増量すると今度は印字品質が悪化する。このため塗料
を基紙に付与後は2秒以内に計量することが必要であ
る。これは塗料の付与部と計量部間の距離と塗工速度を
適正化することで達成できる。
面あたりの乾燥塗工量が6〜13g/m2となるように
マシンコーターにて塗工されるが、塗工量が6g/m2
より少ない場合には、インク吸収性及び紙表面の被覆が
十分でないため、インクジェット印字において滲み、均
一性の悪化を生じさせる。また、塗工量が13g/m 2
を超える場合は塗工層強度の低下やインクジェット記録
紙のカール性の悪化、経済的な不利益を招く。ここで、
インク受容層は、ある一定塗工量を数回に分けて塗工す
ることもできる。数回に分割してインク受容層を塗工す
る方法としては、1層ごとに乾燥して塗工する場合と、
複数層をウエット・オン・ウエットで同時に塗工する方
法を挙げることができる。
はなく、以下の乾燥方式、すなわち熱風乾燥、赤外線乾
燥、常温乾燥、凍結乾燥等が挙げられるが、その乾燥効
率から赤外線乾燥、熱風乾燥が好ましい。また、インク
受容層の塗工後には、スーパーキャレンダー、マシンキ
ャレンダー、ソフトキャレンダー等のキャレンダー装置
を用いて平滑化処理を行うことができる。この方式は特
に限定されるものではない。
に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもの
ではない。また、例中の「部」及び「%」は特に断らない限
り「重量部」及び「重量%」を示す。 実施例1 <基紙の作成>LBKP100部カナディアンスタンダー
ドフリーネス(CSF)500ccのパルプスラリー
に、パルプに対し、カチオン澱粉0.8%、タルク5
%、硫酸バンド0.3%、を添加し基紙の表面層とし
た。続いて、表面層と同様のパルプスラリーにカチオン
澱粉0.8%、タルク5%、サイズ剤(コロパールE−
5H星光化学工業社製)0.02%、硫酸バンド0.2
%を添加し、中間層を得た。表面層と同様のパルプスラ
リーにカチオン澱粉0.8%、タルク5%、サイズ剤
(コロパールE−5H 星光化学工業社製)0.3%、
硫酸バンド0.3%を配合して裏面層を得た。各層の設
定米坪は60g/m2として抄紙機により抄き合わせた
のち、以下の配合の液を使ってサイズプレス処理を行い
米坪180g/m2の多層抄基紙を抄造した。
部、表面サイズ剤(SS373:日本PMC社製)0.
3部、水92.7部 <インク受容層用塗工液の調製>合成非晶質シリカ(商品
名:サイロジェットP412、グレースデビソン社製、
平均粒子径12.0μm、平均細孔容積2.0ml/
g)100部を使用し、そこに分散剤として、ポリアク
リル酸ソーダ0.2部(商品名:キャリボンL−40
0、三洋化成社製)を添加し、カウレス分散機で20.
0%の顔料スラリーを調製した。この顔料スラリーにポ
リビニルアルコール20部(商品名:PVA−117、
クラレ社製)とエチレン酢酸ビニル30部(商品名;ス
ミカフレックス401、住友化学社製)及び染料固着剤
10部(商品名;DA−108、星光化学工業社製)を
添加、攪拌・分散し、さらに水を添加し、固形分濃度が
20%の塗工液を得た。
を、上記の基紙の表面層面に片面乾燥塗工量10g/m
2となるようにエアナイフコーターで塗工し、エアドラ
イヤーで熱風乾燥した。さらに、マシンカレンダーで表
面処理を行い本発明のインクジェット記録用紙を得た。
抄紙−インク受容層の形成工程はオンマシン上で行い、
顔料塗工液付与後計量までの時間は0.8秒であった。
実施例1と同様にして本発明の多層抄インクジェット記
録用紙を得た。 <基紙の作成>LBKP100部(CSF=500cc)
のパルプスラリーに、パルプに対し、カチオン澱粉0.
8%、タルク5%、サイズ剤(コロパールE−5H 星
光化学工業社製)0.02%、硫酸バンド0.3%、を
添加し基紙の表面層とした。続いて、表面層と同様のパ
ルプスラリーにカチオン澱粉0.8%、タルク5%、サ
イズ剤(コロパールE−5H 星光化学工業社製)0.
04%、硫酸バンド0.2%を添加し、中間層を得た。
表面層と同様のパルプスラリーにカチオン澱粉0.8
%、タルク5%、サイズ剤(コロパールE−5H 星光
化学工業社製)0.3%、硫酸バンド0.2%を配合し
て裏面層を得た。得られた各層を抄紙機により抄き合わ
せた。各層の設定米坪は60g/m2として抄紙機によ
り抄き合わせたのち、サイズプレス処理を行いなる米坪
180g/m2の多層抄原紙を抄造した。
実施例1と同様にして本発明のインクジェット記録用紙
を得た。 <基紙の作成>LBKP100部(CSF=500cc)
のパルプスラリーに、パルプに対し、カチオン澱粉0.
8%、タルク5%、サイズ剤0.03%、硫酸バンド
0.3%、を添加し基材のインク吸収層を設ける面の表
面層とした。続いて、表面層と同様のパルプスラリーに
カチオン澱粉0.8%、タルク5%、サイズ剤(コロパ
ールE−5H 星光化学工業社製)0.06%、硫酸バ
ンド0.2%を添加し、中間層を得た。表面層と同様の
パルプスラリーにカチオン澱粉0.8%、タルク5%、
サイズ剤0.2%、硫酸バンド0.2%を配合して裏面
層を得た。各層の設定米坪は60g/m2として抄紙機
により抄き合わせたのち、サイズプレス処理を行い米坪
180g/m2の多層抄原紙を抄造した。
例1と同様にして本発明の多層抄インクジェット記録用
紙を得た。
施例1と同様にして本発明の多層抄インクジェット記録
用紙を得た。
実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を得た。 <基紙の作成>LBKP100部(CSF=500cc)
のパルプスラリーに、パルプに対し、カチオン澱粉0.
8%、タルク5%、硫酸バンド0.3%、を添加し基材
のインク吸収層を設ける面の表面層とした。続いて、表
面層と同様のパルプスラリーにカチオン澱粉0.8%、
タルク5%、、硫酸バンド0.2%を添加し、中間層を
得た。表面層と同様のパルプスラリーにカチオン澱粉
0.8%、タルク5%、サイズ剤(コロパールE−5H
星光化学工業社製)0.3%硫酸バンド0.2%を配
合して裏面層を得た。各層の設定米坪は60g/m2と
して抄紙機により抄き合わせたのち、サイズプレス処理
を行い米坪180g/m2の多層抄原紙を抄造した。
実施例1と同様にして多層抄インクジェット記録用紙を
得た。 <基紙の作成>LBKP100部(CSF=500cc)
のパルプスラリーに、パルプに対し、カチオン澱粉0.
8%、タルク5%、サイズ剤(コロパールE−5H 星
光化学工業社製)0.03%、硫酸バンド0.3%、を
添加し基紙の表面層とした。続いて、表面層と同様のパ
ルプスラリーにカチオン澱粉0.8%、タルク5%、硫
酸バンド0.2%を添加し、中間層を得た。表面層と同
様のパルプスラリーにカチオン澱粉0.8%、タルク5
%、サイズ剤(コロパールE−5H 星光化学工業社
製)0.3%、硫酸バンド0.2%を配合して裏面層を
得た。各層の設定米坪は60g/m2として抄紙機によ
り抄き合わせたのち、サイズプレス処理を行い米坪18
0g/m2の多層抄原紙を抄造した。
実施例1と同様にして多層抄インクジェット記録用紙を
得た。 <基紙の作成>LBKP100部(CSF=500ml)
のパルプスラリーに、パルプに対し、カチオン澱粉0.
8%、タルク5%、サイズ剤(コロパールE−5H 星
光化学工業社製)0.03%、硫酸バンド0.3%、を
添加し基紙の表面層とした。続いて、表面層と同様のパ
ルプスラリーにカチオン澱粉0.8%、タルク5%、サ
イズ剤(コロパールE−5H 星光化学工業社製)0.
3%硫酸バンド0.2%を添加し、中間層を得た。表面
層と同様のパルプスラリーにカチオン澱粉0.8%、タ
ルク5%、サイズ剤(コロパールE−5H 星光化学工
業社製)0.3%、硫酸バンド0.2%を配合して裏面
層を得た。各層の設定米坪は60g/m 2として抄紙機
により抄き合わせたのち、サイズプレス処理を行い米坪
180g/m2の多層抄原紙を抄造した。
実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を得た。 <基紙の作成>LBKP100部(CSF=500cc)
のパルプスラリーに、パルプに対し、カチオン澱粉0.
8%、タルク5%、サイズ剤(コロパールE−5H 星
光化学工業社製)0.02%、硫酸バンド0.3%、を
添加し1層からなる米坪180g/m2の原紙を抄造し
た。
間調湿後、それぞれ下記の方法により、評価を行った。 吸水量 6×6cmの紙片を用意し、測定する反対面を非透水性
フィルムでシールし重量を測定した。次いでシールした
試験片を23℃の水中に浸漬し、5秒後直ちに余分な液
を吸い取り紙で取り除いて重量を測定した。前後の重量
差より吸収された水の重量を計算し、m2当りのg数と
して算出した。
ンターを用いフォトインクで印字した結果を以下の項目
について視感で評価した。 ・発色性 ・インク乾燥性 ・インクの裏抜け ・インク滲み 印字評価2 高速インクジェットプリンターとしてキヤノン製のP−
400Cを用いて印字した結果を以下の項目について視
感で評価した。 ・インク滲み ・インクの裏抜け ・裏移り 尚、裏移りは10枚連続印字し、インクジェット用紙の
裏面にインクが1枚でも転移した場合を×、全量移らな
い場合を○として評価した。
生した時を×とした。 学振式摩擦堅牢度 用紙の記録層と表面強度に優れた黒色の色紙(商品名:
やよいカラー紙、北越製紙社製)とを密着させ、学振式
摩擦堅牢度試験機にて、荷重300gの条件で20往復
摩擦によっての粉落ち具合を目視観察にて行った。
刷用インキによって、記録層の表面強度を測定した。ゴ
ム製のブランケット汚れとその汚れをオフセット印刷適
性に優れるグロスタイプのA2コート(商品名:μコー
ト、北越製紙社製)に転写させ、その転写パターンと共
に評価した。
記述することにした。 ◎…優れている、○…やや優れている(実用レベル)、
△…普通(実用許容範囲レベル) ×…劣っている(実用的でない)
ンク吸収性、発色性、表面強度に優れ、高濃度で、高品
位画像を高速で印字することが出来る。本発明のインク
ジェット記録紙の製造方法は、上記インクジェット用紙
の製造をオンマシン上で行うことを可能とするものであ
って、生産効率を大幅に向上させ、また低価格での該イ
ンクジェット用紙を供給することを可能ならしめるもの
である。
果を述べる。請求項1においては、中間層のサイズ度が
表面層と同じ無サイズの場合はインクジェットプリンタ
ーで印字した場合の発色性、表面強度、耐擦れ性が不満
足であり、中間層のサイズ度が裏面層と同じ場合にはイ
ンクジェットプリンターでの乾燥性、にじみ、高速イン
クジェットプリンターでの滲み、裏抜けが悪化する。ま
た中間層のサイズ度が表面層より低い場合はインクジェ
ットプリンターでの滲みが悪化することとなる。
る側の吸水量を20g/m2以上とし、基紙の中間層の表
面層と接する面側からの吸水量が16〜40g/m2、反
対側のインク受容層を設けずに基紙が剥き出しである面
の吸水量を15g/m2以下としたのは、インク受容層を
設けた側からの吸水量が20g/m2以上であれば、イ
ンクジェットプリンターで多色インクを高速印字された
場合でも、インク吸収が速く、裏移りと呼ばれる現象が
発生しない。一方、吸水量が20g/m2未満であると
裏移りと呼ばれる現象が発生し易くなり好ましくない。
また、基紙の中間層の表面層と接する面側からの吸水量
は16〜40g/m2であるが、16g/m 2未満ではイン
クジェットプリンターでの乾燥性、滲み、高速インクジ
ェットプリンターでの滲み、裏抜けが悪化し、40g/m
2を超えると表面強度、耐擦れ性が悪化することとな
る。さらに、反対側のインク受容層を設けずに基紙が剥
き出しである非顔料塗工面の吸水量を15g/m2以下と
したのは、特に万年筆の水性インク、墨汁等で筆記した
場合の滲みを防ぐためである。吸水量が15g/m2を超
えると滲みが発生し好ましくないためである。
ルプ100重量部に対して、内添サイズ剤を0〜0.0
3重量%含まれるようにすることとしたのは、サイズ剤
添加量がこの範囲以上になると、塗工面の吸水量が20
g/m2未満となり、裏移りと呼ばれる現象が発生し易
くなり好ましくないためである。基紙の裏面層のサイズ
剤添加量が0.1重量%未満になると、非顔料塗工面側
の吸水量が15g/m 2を超え、水性インクなどの滲み
が発生し易くなり好ましくないためである。そして、基
紙の中間層のサイズ剤の添加量が0.1重量%を超える
と、吸水量が15g/m2以下となりたとえサイズ度の勾
配がとれていてもインクジェットプリンターでの乾燥
性、滲み、高速インクジェットプリンターでの裏移り、
滲み、裏抜けが悪化することとなる。
は、片面あたりの乾燥塗工量が6〜13g/m2となる
ように塗工されるが、塗工量が6g/m2より少ない場
合には、インク吸収性及び紙表面の被覆が十分でないた
め、インクジェット印字において滲み、均一性の悪化を
生じさせる。また、塗工量が13g/m2を超える場合
は塗工層強度の低下やインクジェット記録紙のカール性
の悪化、経済的な不利益を招くこととなる。
用紙の製造方法は、オンマシンコーターでは原紙の温度
が高いこともあり塗料からの脱水が急激であるため塗工
層の表面強度が落ちやすく、これを避けるべく、塗料中
の接着剤を増量すると今度は印字品質が悪化することか
ら、塗料を基紙に付与後は2秒以内にエアナイフで計量
することにより印字品質の悪化が解消される。
Claims (5)
- 【請求項1】 多層抄きした基紙の片面側には顔料を主
体とするインク受容層を設け、該基紙の反対面側に顔料
を主体とするインク受容層を設けずに基紙が剥き出しで
ある多層抄インクジェット記録用紙であって、前記基紙
が木材パルプ及び/又は古紙パルプを主成分とする3層
以上の抄き合わせからなり、インク受容層と接する層を
表面層、反対側の層を裏面層とし、該表面層と裏面層の
中間に位置する層を中間層とし、該表面層から中間層及
び裏面層にかけて各層のサイズ度が順次高くなるように
勾配をもたせた層から構成される事を特徴とする多層抄
インクジェット記録用紙。 - 【請求項2】 インク受容層を設けた基紙の表面層の吸
水量(水を用いて5秒間一定面積の被測定面に接触さ
せ、余分な液を吸い取り紙で取り除いて、被測定面から
吸収された水の重量を測定し、m2当りのg数として算
出した値)が20g/m2以上であり、反対側の裏面層の
吸水量が15g/m2以下であり、基紙の中間層の表面層
と接する面側からの吸水量が16〜40g/m2であるこ
とを特徴とする請求項1記載の多層抄インクジェット用
紙。 - 【請求項3】 基紙の表面層の内添サイズ剤添加量が0
〜0.03重量%、基紙の裏面層の内添サイズ添加量が
0.1重量%以上であり、基紙の中間層の内添サイズ剤
添加量は0〜0.1重量%であることを特徴とする請求
項1又は2記載の多層抄インクジェット記録用紙。 - 【請求項4】 インク受容層の塗工量を固形分で6〜1
3g/m2の割合で設けてなることを特徴とする請求項
1、2又は3記載のインクジェット記録用紙。 - 【請求項5】 抄合わせにより基紙を形成する工程と、
該基紙の片面側に設けるインク受容層を塗工・乾燥する
工程とをオンマシン上で行い、オンマシン塗工装置がエ
アナイフコーターであり、塗料を前記基紙に付与後エア
ナイフで計量するまでの時間が2秒以下であることを特
徴とするインクジェット記録用紙の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002097074A JP4031277B2 (ja) | 2002-03-29 | 2002-03-29 | 多層抄インクジェット記録用紙及び製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002097074A JP4031277B2 (ja) | 2002-03-29 | 2002-03-29 | 多層抄インクジェット記録用紙及び製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003293298A true JP2003293298A (ja) | 2003-10-15 |
JP4031277B2 JP4031277B2 (ja) | 2008-01-09 |
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ID=29239816
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002097074A Expired - Lifetime JP4031277B2 (ja) | 2002-03-29 | 2002-03-29 | 多層抄インクジェット記録用紙及び製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011104924A (ja) * | 2009-11-19 | 2011-06-02 | Oji Paper Co Ltd | カード用光沢インクジェット用紙 |
JP2011104785A (ja) * | 2009-11-12 | 2011-06-02 | Hokuetsu Kishu Paper Co Ltd | インクジェット用カード用紙 |
JP2012016928A (ja) * | 2010-07-09 | 2012-01-26 | Hokuetsu Kishu Paper Co Ltd | 光沢紙及びその製造方法 |
CN102704345A (zh) * | 2012-06-18 | 2012-10-03 | 岳阳林纸股份有限公司 | 一种微量涂布胶版纸的制造方法 |
JPWO2014156758A1 (ja) * | 2013-03-28 | 2017-02-16 | 日本化薬株式会社 | 着色分散液、インク組成物、インクセット、インクジェット記録方法及び着色体 |
CN109177562A (zh) * | 2018-09-18 | 2019-01-11 | 浙江银采天实业有限公司 | 一种可回收利用基膜的真空喷铝纸生产方法 |
-
2002
- 2002-03-29 JP JP2002097074A patent/JP4031277B2/ja not_active Expired - Lifetime
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