JP2005186382A - 濃度検出方法、濃度検出装置、およびインクジェット記録装置 - Google Patents

濃度検出方法、濃度検出装置、およびインクジェット記録装置 Download PDF

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Abstract

【課題】検出部の汚れによらず、光学的な測定によってインク濃度を高精度に検出できる濃度検出方法、濃度検出装置、およびこれを利用する濃度測定装置およびインクジェット記録装置を提供する。
【解決手段】測定対象となる流体の透過光を測定し、その測定結果から前記流体の濃度を検出するに際し、測定対象となる流体の流量が等しい前記流体の流路において、測定光の流体通過長が異なる複数の条件下で透過光を測定し、この複数の透過光の測定結果から、前記流体の濃度を検出することにより、前記課題を解決する。
【選択図】図5

Description

本発明は、インクジェット記録や湿式の電子写真等におけるインクの濃度検出を正確に行うことができる濃度検出方法および濃度検出装置、ならびに、この濃度検出装置を利用する静電式のインクジェット記録装置に関する。
インクジェット記録装置やトナーインクを用いる湿式の電子写真画像記録など、インクを用いる画像記録において、高画質な画像を安定して記録するためには、画像記録を行うインクの濃度を適正に保つことが不可欠である。
中でも特に、色材を含み、かつ、帯電した粒子(以下、色材粒子とする)をキャリア液に分散してなるインクを用いる静電式のインクジェットによる画像記録では、静電力等による泳動で吐出部(ノズル)に色材粒子を移動してインク液滴を吐出、すなわちインクを濃縮した状態でインクに静電力を作用させてインク液滴を吐出するので、安定して適正な画像記録を行うためには、インク濃度の管理は重要である。
このような点に鑑み、例えば、特許文献1には、静電式のインクジェット記録において、インクタンク〜インクジェットヘッド〜インクタンクと循環するインク循環経路中において、発光素子と受光素子を用いてインクの透過光を検出し、この検出結果からインク流中の色材粒子(トナー粒子)の量すなわちインク濃度を検出し、これに応じて、インク流中に補充する色材粒子の量を決定するインクジェット記録装置が開示されている。
ところが、このような光学的なインク濃度の検出では、色材粒子の付着等によって、経時と共に検出部(セル)が汚れ、これに起因してインク濃度の検出結果に誤差を生じてしまい、適正なインク濃度の管理を行うことができなくなってしまう。
これに対し、特許文献2には、このような光学的なインク濃度の検出手段を有するインクジェット記録装置や電子写真画像形成装置において、検出部の内部に、測定部内面に内接する弾性体からなるクリーニング部材を収容し、測定部内において、インク流を利用してクリーニング部材を往復動させることにより、検出部を清浄に保つクリーニング機構が開示されている。
特許第2834100号公報 特許第3130879号公報
このようなクリーニング機構を用いることにより、インクによる検出部の汚れに起因するインク濃度の検出誤差を低減し、適正なインク濃度検出を安定して行うことができる。その反面、特許文献2に開示されるクリーニング機構では、クリーニング部材を往復動させるために往復方向のインク流を可能にする流路や逆止弁やバルブ等が必要であり、検出部の機構が複雑化してしまう。また、クリーニング部材の汚れによるクリーニング機能の低下も懸念される。
他方、機械的に駆動するワイパー等によって測定部内を清掃することも考えられるが、検出部が大型化する、設計自由度が低減する、機構が複雑になる等の問題がある。
本発明の目的は、前記従来技術の問題点を解決することにあり、静電式インクジェットなどのインクジェット画像記録や湿式の電子写真画像記録などのインクを用いる画像記録装置等において、光学的にインク濃度を検出することにおいて、クリーニング部材等を用いることなく、また、検出部の汚れの有無によらず、インクの濃度を正確に検出することができる濃度検出方法、および、この濃度検出方法を実施する濃度検出装置、ならびに、この濃度検出装置を利用することにより、適正濃度のインクで画像記録を行うことができ、高画質な画像を安定して記録できるインクジェット記録装置を提供することにある。
前記課題を解決するために、本発明の濃度検出方法は、測定対象となる流体の透過光を測定し、その測定結果から前記流体の濃度を検出する濃度検出方法であって、測定対象となる流体の流路において、測定光の流体通過長が異なる複数の検出個所で透過光を測定し、この複数の透過光の測定結果から、前記流体の濃度を検出することを特徴とする濃度検出方法を提供する。
このような本発明の濃度検出方法において、径が異なる領域を少なくとも1個所有する管路を用い、この管路の各径の位置において前記透過光の測定を行うのが好ましい。
また、本発明の濃度検出装置は、検出セルに測定光を入射し、その透過光を検出することにより、検出セル内の流体の濃度を検出する濃度検出装置において、測定対象となる流体の流路を形成する第1の検出セルと、前記第1の検出セルとは測定光通過長が異なる第2の検出セルと、前記第1の検出セルおよび第2の検出セルに測定光を入射し、それらの透過光を検出する検出手段と、前記検出手段で得られた複数の測定結果を用いて、前記流体の濃度を検出する演算手段とを有することを特徴とする濃度検出装置を提供する。
このような本発明の濃度検出装置において、前記第1の検出セルおよび第2の検出セルが、直列で設けられる互いに断面形状の異なる管であるのが好ましい。
さらに、本発明のインクジェット記録装置は、帯電した微粒子を分散媒に分散してなるインクを、静電力によって吐出する静電式のインクジェット記録装置であって、前記インクに静電力を作用して吐出する静電式のインクジェットヘッドと、前記インクを貯留するインクタンクと、前記インクジェットヘッドおよびインクタンクを含む所定の経路で、前記インクを循環する循環手段と、前記循環手段によるインク循環経路中に前記検出部が配置される、前記本発明の濃度検出装置とを有することを特徴とするインクジェット記録装置を提供する。
このような本発明のインクジェット記録装置において、希釈液および所定濃度の前記インクを前記インクタンクに補充する補充手段を有し、この補充手段は、前記濃度検出装置によるインク濃度の検出結果に応じて、前記インクタンクへの希釈液および所定濃度のインクの補充量を決定するのが好ましい。
上記構成を有する本発明の濃度検出方法および濃度検出装置によれば、例えば、静電式のインクジェット記録装置や湿式の電子写真記録装置等における光学的なインクの濃度検出において、検出部のクリーニング機構等が無くても、インク濃度の検出部の汚れの有無によらず正確にインクの濃度を検出することができる。
また、このような本発明の濃度検出装置を利用する本発明のインクジェット記録装置によれば、色材を含み、かつ、帯電した微粒子を分散媒に分散してなるインクを用いる静電式のインクジェット記録装置において、インク濃度の検出部の汚れの有無によらず、インク濃度を正確に検出し、この正確な濃度検出結果に応じて適正なインクの補充を行い、インク濃度を安定的に適正に保つことがきる。従って、本発明のインクジェット記録装置は、適正濃度のインクによって安定したインク液滴の吐出を行うことができ、これにより、高画質な画像を安定して記録することができる。
以下、本発明の濃度検出方法、濃度検出装置、および、インクジェット記録装置について、添付の図面に示される好適な実施形態を基に、詳細に説明する。
図1に、本発明のインクジェット記録装置の一例の概念図を示す。
このインクジェット記録装置10は、色材を含む帯電した微粒子(以下、色材粒子とする)をキャリア液(分散媒)に分散してなるインクを用い、このインクに静電力を作用させることによりインク液滴を吐出する、静電式のインクジェット記録装置である。
このようなインクジェット記録装置10(以下、記録装置10とする)は、基本的に、記録媒体Pの保持手段12、搬送手段14、記録手段16、インク循環手段18、溶媒回収手段20、濃度検出手段22、および、インク補充手段24を有しており、これらを筐体26に収容して構成される。
後に詳述するが、濃度検出手段22は、本発明の濃度検出方法を実施する本発明の濃度検出装置によって、光学的にインク濃度を測定するものである。また、インク補充手段24は、好ましい態様として、濃度検出手段22による濃度検出結果に応じて、インクの補充を行う。
記録媒体Pの保持手段12は、記録前の記録媒体Pを保持する給紙トレイ30と、フィードローラ32と、記録後の記録媒体Pを保持する排出トレイ34とを備えている。
給紙トレイ30は、記録装置10に設定される所定の装填部に着脱可能な筐体である。図示例においては、装填部は、筐体26内の下方図中左側に設定され、給紙トレイ3
0は、記録媒体Pの取出部を前方にして、筐体26の内部に挿入されて、後端部(前記取出部と逆端側)を若干筐体から突出した状態で、所定の装填部に装填される。
また、フィードローラ32は、前記装填部に装填された給紙トレイ30の取出部に対応して配置される半月ローラである。
給紙トレイ30内には、記録前の記録媒体Pが複数枚積層されて収容される。画像の記録時には、フィードローラ32により、記録媒体Pが給紙トレイ30から1枚ずつ取り出され、後述する記録媒体Pの搬送手段14に供給される。
排出トレイ34は、画像を記録された記録媒体Pを収容するものであり、図示例においては、一部を筐体26から突出して、給紙トレイ30の装填部の上方に、記録媒体Pの排出方向先端を下方にして傾けて配置される。
記録後の記録媒体Pは、搬送手段14により搬送されて排出部から排出され、排出トレイ34内に順次積層されて収容される。
搬送手段14は、静電吸着等を利用して、給紙トレイ30から供給された記録媒体Pを排出トレイ34まで所定の経路で搬送するものであり、搬送ローラ対36と、搬送ベルト38と、ローラ40(40a、40b、および40c)と、導電性プラテン42と、記録媒体Pの帯電装置44および除電装置46と、分離爪48と、ガイド50と、定着ローラ対52とを備えている。
搬送ローラ対36は、記録媒体Pの搬送経路上の、フィードローラ32と搬送ベルト38との間の位置に設けられている。
フィードローラ32により給紙トレイ30から取り出された記録媒体Pは、次いで、搬送ローラ対36により挟持搬送され、搬送ベルト38表面の帯電装置44(スコロトロン帯電器44a)に対面する所定の位置に供給される。
帯電装置44は、スコロトロン帯電器44aと、高圧電源44bとを備える。スコロトロン帯電器44aは、記録手段16(ヘッドユニット60)の上流(記録媒体Pの搬送方向の上流 以下、単に上流とする)に、搬送ベルト38に対面して配置される。また、高圧電源44bの負側の端子はスコロトロン帯電器44aに接続され、その正側の端子は接地されている。
搬送ベルト38は、エンドレスベルトであり、3つのローラ40によって、略三角形状に張架されている。
この搬送ベルト38は、表面(記録媒体Pの静電吸着面)が絶縁性で、裏面(ローラ40との接触面)が導電性となっている。また、ローラ40のうちの少なくとも1つは、図示していない駆動源に接続されており、記録時には所定の速度で回転駆動され、これにより搬送ベルト38も記録媒体Pの搬送方向(図中矢印方向)に回転する。
搬送ベルト38内側の記録手段16(ヘッドユニット60)に対応する位置には、搬送ベルト38の内面に接触して、平板状の導電性プラテン42が配置されている。
図示例においては、ローラ40bは接地されており、従って、搬送ベルト38の裏面を介して、ローラ40aおよび40c、ならびに導電性プラテン42も接地される。これにより、搬送ベルト38の記録手段16(ヘッドユニット60)に対面する位置は、後述する静電式のインクジェットにおいて、インク液滴を吐出させる制御電極の対向電極として機能する。
前述のように、記録媒体Pは、フィードローラ32によって搬送ローラ対36に供給され、搬送ローラ対36によって、搬送ベルト38表面スコロトロン帯電器44aに対面する所定の位置に供給される。また、駆動源となっているローラ40の回転によって、搬送ベルト38が回転する。
この位置に搬送された記録媒体Pの表面は、スコロトロン帯電器44aにより所定の負の高電位(例えば、約−1.5kV)に均一に帯電される。搬送ベルト38の表面は絶縁性であり、この負の高電位の帯電により、記録媒体Pは、搬送ベルト38の表面に静電吸着され、搬送ベルト38の回転によって、同方向に搬送され、記録手段16に搬送され、静電式のインクジェットによる画像記録に供される。記録手段16については、後に詳述する。
また、記録媒体Pに帯電した負の高電位は、後述する静電式のインクジェットにおけるインク液滴吐出のバイアス電圧として作用し、さらに、搬送ベルト38による記録媒体Pの搬送は、インクジェット記録における記録媒体Pの走査搬送(主走査)となる。
記録手段16の下流には、下流に向かって、除電装置46、分離爪48、ガイド50および定着ローラ52が配置される。
除電装置46は、コロトロン除電器46aと、高圧電源46bとを備えている。コロトロン除電器46aは、搬送ベルト38の表面に対向する位置に配置されている。また、高圧電源46bの一端はコロトロン除電器46aに接続され、他端は接地されている。
記録後の記録媒体Pは、コロトロン除電器46aにより除電される。これにより、記録媒体Pを、搬送ベルト38から分離し易くなる。
除電装置46により除電された記録媒体Pは、分離爪48により搬送ベルト38上から分離(剥離)され、ガイド50に案内され定着ローラ対52に供給される。
定着ローラ対52は、少なくとも一方がヒートローラとなっている搬送ローラ対である。記録媒体Pは、定着ローラ対52により挟持搬送されつつ、静電式のインクジェットによって記録された画像が加熱定着される。
画像を定着された記録媒体Pは、定着ローラ対52によって排出部から排出され、排出トレイ34内に、順次、積層される。
前述のように、帯電手段44によって帯電され、搬送ベルト38に吸着された記録媒体Pは、搬送ベルト38によって記録手段16に搬送され、画像を記録される。
記録手段16は、静電式のインクジェットによって、記録媒体Pに画像を記録するものであり、ヘッドユニット60と、ヘッドドライバ62と、記録媒体Pの位置検出装置64とを備えている。
図示例の記録装置10は、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)および、K(黒)の4色のフルカラーの画像を記録するものであり、ヘッドユニット60は、各色のインクを吐出する4つの記録ヘッド70(図2〜図4参照)を有している。
従って、図示例の記録装置10においては、C、M、YおよびKの各記録ヘッド70に、それぞれ、後述するインク循環手段18、濃度検出手段22、およびインク補充手段24が備えられる。図示例において、各色の記録ヘッド70に対するこれらの部位は、例えば、図1紙面に垂直方向に配列して、配置される。
図示例において、記録ヘッド70は、対応する記録媒体Pの幅(搬送ベルト38による搬送方向と直交する方向のサイズ)に対して、全域に対応する吐出部の列(いわゆるノズル列)を有する、いわゆるラインヘッドであって、各記録ヘッド70は、吐出部の列(後述する行方向)を記録媒体Pの幅方向に一致して、記録媒体Pの搬送方向(後述する列方向)に配列される。
なお、本発明のインクジェット記録装置は、このようなラインヘッドを用いるものに限定はされず、記録媒体Pを断続的に搬送しつつ、この搬送に同期して、記録ヘッドを搬送方向と直交方向する方向に走査する、いわゆるシャトルタイプの記録ヘッドを用いるインクジェット記録装置であってもよい。
図2に、記録ヘッド70の概念図を示す。なお、図2において、(A)は一部断面斜視図を、(B)は断面図を、それぞれ示すものである。
記録装置10においては、前述のように、帯電手段44によって負の高電圧に帯電(バイアス電圧を帯電)されて搬送ベルト38に静電吸着された記録媒体Pを、搬送ベルト38によって搬送しつつ、ヘッドドライバ62による制御の下、記録画像すなわち供給された画像データに応じて記録ヘッド70の各吐出部を変調駆動して吐出をon/offすることにより、インク液滴Rをオンデマンドで吐出して、記録媒体Pに目的とするフルカラー画像を記録する。
なお、記録ヘッド70は、前述のように、記録媒体Pの幅に対応する吐出部の列を有するラインヘッドであり、図3に概念的に示すように、多数の吐出部を二次元的に配置したマルチチャンネル構造のインクジェットヘッドであるが、図2においては、構造を明瞭に示すために、吐出部の一部のみを示す。
記録ヘッド70(以下、ヘッド70とする)は、色材粒子(色材を含み、帯電した微粒子)をキャリア液に分散してなるインクQに、静電力を作用させてインク液滴Rとして吐出する、静電式のインクジェットヘッドで、ヘッド基板72と、吐出基板74と、インクガイド76とを備えている。
ヘッド70において、ヘッド基板72と吐出基板74は、互いに対面して所定の間隔離間して配置され、その間に、各吐出口96にインクQを供給するためのインク流路78が形成される。インクQは、インク循環手段18によってインク流路78を含む所定の経路で循環され、記録時には、インク流路78内を所定方向に所定の速度(例えば、200mm/sのインク流)で、例えば、図中矢印a方向に流される。
ヘッド基板72は、全ての吐出部に共通なシート状の絶縁性基板であり、その表面には、電気的にフローティング状態である浮遊導電板80が設けられている。
浮遊導電板80には、画像の記録時に、後述する第1制御電極82および第2制御電極84に印加される駆動電圧に応じて誘起される誘導電圧が発生する。また、誘導電圧の電圧値は稼動チャンネル数に応じて自動的に変化する。この誘導電圧により、インク流路78内のインクQに含まれる色材粒子は付勢されて吐出基板74側に泳動し、すなわち、後述する吐出口96のインクQの濃縮が、より好適に行われる。
なお、浮遊導電板80は必須の構成要素ではなく、必要に応じて適宜設けるのが好ましい。また、浮遊導電板80は、インク流路78よりもヘッド基板72側に配置されていればよく、例えばヘッド基板72の内部に配置してもよい。また、浮遊導電板80は、吐出部が配置される位置よりもインク流路78の上流側に配置される方が好ましい。また、浮遊導電板80に所定の電圧を印加するようにしても良い。
他方、吐出基板74は、ヘッド基板72と同様に全ての吐出部に共通なシート状の絶縁性基板であり、絶縁性基板86と、第1制御電極82と、第2制御電極84と、ガード電極88と、絶縁層90,92および94とを備えている。また、吐出基板74には、各インクガイド76に対応する位置に、インクの吐出口96が貫通して開口しており、インクガイドの先端部分98を吐出基板74の表面から突出してインクガイド76が挿通している。前述のように、ヘッド基板72と吐出基板74とは離間して配置され、その間にインク流路78が形成される。
ヘッド70においては、互いに対応する第1制御電極82、第2制御電極84、吐出口96、およびインクガイド76等によって、1つのインクの吐出部が構成される。
第1制御電極82および第2制御電極84は、それぞれ絶縁性基板86の図中上面および下面の表面に、各々に対応する吐出口96の周囲を囲むようにリング状に設けられた円形電極である(図3および図4参照)。絶縁性基板86および第1制御電極82の表面には、その表面を保護すると共に平坦化する絶縁層92が被覆され、同様に、絶縁性基板86および第2制御電極84の表面には、その表面を平坦化するための絶縁層90が被覆されている。さらに、絶縁層92の上には、ガード電極88が形成され、ガード電極88および絶縁層92の上には、その表面を平坦化するための絶縁層94が形成される。
なお、第1制御電極82および第2制御電極84はリング状の円形電極に限定されず、インクガイド76に臨むように配置される電極であれば、例えば略円形電極、分割円形電極、平行電極、略平行電極など、どのような形状であっても良い。
図3および図4に示すように、ヘッド70において、インクガイド76、第1制御電極82および第2制御電極84、吐出口96等で構成される各吐出部は、マトリクス状に2次元的に配置されている。
具体的には、ヘッド70は、図3(B)および(C)に示すように、行方向(副走査方向(図3横方向))に配列された吐出部の列を、列方向(主走査方向(図3縦方向))に3行(A行、B行、C行)有する。なお、図3においては、行方向に5個(1列、2列、3列、4列、5列)の、計15個のマトリクス状に配置された吐出部を示している。
ヘッド70は、ラインヘッドであり、この行方向に記録媒体Pの幅方向に対応する吐出部の列(ノズル列)を有している。従って、4つのヘッド70は、行方向を図1紙面と垂直方向に一致した状態で、列方向に配列され、記録媒体Pは搬送ベルト38によって、列方向に(主走査)搬送される。
各行の吐出部は、列方向に対して所定の間隔離間して配置される。また、各行は、吐出部を行方向に互いに1/3ピッチずらして、自身の吐出部が他行の吐出部の間(行方向の間)に位置するように配置される。
図3(A)に示すように、ガード電極88は、吐出口96および制御電極に対応する領域が円形に開口するシート状の電極である。すなわち、ガード電極88は、各制御電極の間に形成される。
また、図3(B)に示すように、同じ列に配置された吐出部の第1制御電極82は、相互に接続され、かつ、図3(C)に示すように、同じ行に配置された吐出部の第2制御電極84は、相互に接続されている。
さらに、図示は省略するが、第1制御電極82および第2制御電極84は、それぞれ、駆動電圧(パルス電圧)を印加して、各電極を変調駆動してインク液滴Rの吐出をon/offするための、パルス電源に接続されている。
画像の記録時には、同一列に配置された第1制御電極82は同時かつ同一電圧レベルの駆動電圧が印加(on)される。同様に、同一行に配置された第2制御電極84は同時かつ同一電圧レベルに駆動電圧が印加(on)される。
また、記録媒体Pに記録される1行は、列方向に対して、第2制御電極84の行数に相当する3つのグループに分割され、A行、B行およびC行の各行によって、時分割で順次記録される。
例えば、図2に示す例の場合、第2制御電極84のA行目、B行目、C行目を所定のタイミングで順次onする。この駆動に対応して、第1制御電極82を画像データ(記録画像)に応じて変調駆動(on/off)することにより、時分割した3回の画像記録によって、記録媒体P上に1行分の画像が記録される。前述のように、記録媒体Pは、列方向に搬送されるので、行方向(副走査方向)に、各行の有する記録密度(吐出部密度)の3倍の記録密度の画像記録を行うことができる。
なお、制御電極は、第1制御電極82および第2制御電極84の2層電極構造に限定されず、単層電極構造でもよいし、3層以上の電極構造としても良い。
先にも述べたが、ガード電極88は、図3(A)に示すように、各吐出口96の周囲に形成された第1制御電極82および第2制御電極84に相当する部分がリング状に開口する、全ての吐出部に共通なシート状の電極である。すなわち、ガード電極88は、各制御電極間に配置される電極である。絶縁層92およびガード電極88の表面には、その表面を保護するとともに、平坦化する絶縁層94が被覆されている。
ガード電極88には所定の電圧が印加されており、隣接する吐出部のインクガイド76の間に生じる電界干渉を抑制する役割を果たす。
なお、ガード電極88は必須の構成要素ではない。また、吐出基板74には、第1制御電極82または第2制御電極84からのインク流路78方向への反発電界を遮蔽するために、第2制御電極84よりインク流路78側にシールド電極を設けても良い。
インクガイド76は、凸状の先端部分96を持つ所定厚みのセラミック製平板である。図示例においては、同一行の吐出部のインクガイド76は、ヘッド基板72上の浮遊導電板80の上に配置された同じ支持体47の上に所定の間隔で配置される。インクガイド76は、吐出基板74に開孔された吐出口96を貫通し、先端部分96を吐出基板74の記録媒体P側の最表面(絶縁層94の図中上側の表面)よりも上部に突出している。
インクガイド76の先端部分96は、記録媒体Pの保持手段17に向かって、漸次、細くなる略三角形状(ないしは台形状)に成形されている。
なお、先端部分96(最先端部)は、金属が蒸着されているのが好ましい。この先端部分96の金属蒸着は必須の要素ではないが、これにより、先端部分96の誘電率が実質的に大きくなり、強電界を生じさせ易くできるという効果がある。
なお、インクガイド76の形状は、インクQ内の色材粒子を先端部分96に向けて泳動(すなわちインクQを濃縮)させることができれば、特に制限的ではなく、例えば先端部分96は凸状でなくても良い等、自由に変更してもよい。また、インクの濃縮を促進するために、毛細管現象によってインクQを先端部分96に集めるインク案内溝となる切り欠きを、インクガイド76の中央部分に図中上下方向に沿って形成しても良い。
前述のように、第2制御電極84は、所定のタイミングで1行ずつ、順次、on(駆動(高電圧レベル(例えば、400〜600V)またはハイインピーダンス状態))され、残りの全ての第2制御電極84はoff(非駆動(接地レベル(接地状態))にされる。また、第1制御電極82は、全ての列が同時に、画像データ(記録画像)に応じて、列単位でon(高電圧レベルまたは接地レベルにされる。これにより、各々の吐出部におけるインクの吐出/非吐出(インク吐出のon/off)が制御される。
すなわち、第2制御電極84がonで、かつ第1制御電極82がonの場合にはインクQがインク液滴Rとして吐出(吐出on)され、第1制御電極82および第2制御電極84の少なくとも一方がoffの場合にはインクは吐出されない(吐出off)。
そして、各々の吐出部から吐出されたインク液滴Rは、負のバイアス電圧を帯電された記録媒体Pに引き寄せられ、記録媒体Pの所定位置に付着して画像が形成される。
上記のように、下層の第2制御電極84の行を順次onし、画像データに応じて上層の第1制御電極82をon/offした場合、第1制御電極82が画像データに応じてonされるため、列方向のそれぞれの吐出部を中心として、その両側の吐出部では、第1制御電極82が高電圧レベルまたは接地レベルに頻繁に変化する。この場合、画像の記録時にガード電極88を所定のガード電位、例えば接地レベル等にバイアスすることにより、隣接する吐出部の電界の影響を排除することができる。
ヘッド70では、第1制御電極82または第2制御電極84の一方、または両方で、インク吐出のon/offの制御を行うかは何ら制限的ではない。すなわち、制御電極側のインクon/offの時の電圧値と記録媒体P側の電圧値との差分が所定値よりも大きい場合にはインクが吐出され、所定値よりも小さい場合にはインクが吐出されないように、制御電極側および記録媒体P側の電圧を適宜設定すればよい。
従って、ヘッド70においては、図示例とは逆、すなわち第1制御電極82を1列毎に順次onし、画像データに応じて、第2制御電極84をonすることで、インク吐出をon/offすることも可能である。
この場合、列方向は第1制御電極82の1列毎にonされ、列方向のそれぞれの吐出部を中心として、その両側の列の吐出部の第1制御電極82は常に接地レベルになるため、この両側の列の吐出部の第1制御電極26がガード電極88の役割を果す。このように、上層の第1制御電極82で各列を順次オンし、画像データに応じて下層の第2制御電極84を駆動する場合には、ガード電極88を設けなくても、隣接する吐出部の影響を排除し、記録品質を向上させることができる。
また、この態様では、インクQ中の色材粒子を正帯電させ、記録媒体側を負の高電圧に帯電させているが、これに限定されず、逆に、インク中の色材粒子を負に帯電させ、記録媒体P側を正の高電圧に帯電させても良い。このように、色材粒子の極性を本態様と逆にする場合には、対向電極18、記録媒体Pの帯電ユニット18、各々の吐出部の第1制御電極82および第2制御電極84への印加電圧極性等を上記の例と逆にすれば良い。
このようなヘッド70が吐出するインクQ(インク組成物)は、色材粒子(色材を含み、かつ,帯電した微粒子)をキャリア液に分散してなるものである。
キャリア液は、高い電気抵抗率(109Ω・cm以上、好ましくは1010Ω・cm以上)を有する誘電性の液体(非水溶媒)であるのが好ましい。キャリア液の電気抵抗が低いと、制御電極に印加される駆動電圧により、キャリア液自身が電荷注入を受けて帯電してしまい、色材粒子の濃縮がおこらない。また、電気抵抗の低いキャリア液は、隣接する制御電極間での電気的導通を生じさせる懸念もあるため、本発明には不向きである。
キャリア液として用いられる誘電性液体の比誘電率は、5以下が好ましく、より好ましくは4以下、さらに好ましくは3.5以下である。このような比誘電率の範囲とすることによって、キャリア液中の色材粒子に有効に電界が作用し、泳動が起こりやすくなる。
なお、このようなキャリア液の固有電気抵抗の上限値は1016Ωcm程度であるのが望ましく、比誘電率の下限値は1.9程度であるのが望ましい。キャリア液の電気抵抗が上記範囲であるのが望ましい理由は、電気抵抗が低くなると、低電界下でのインクの吐出が悪くなるからであり、比誘電率が上記範囲であるのが望ましい理由は、誘電率が高くなると溶媒の分極により電界が緩和され、これにより形成されたドットの色が薄くなったり、滲みを生じたりするからである。
キャリア液として用いられる誘電性液体としては、好ましくは直鎖状もしくは分岐状の脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、または芳香族炭化水素、および、これらの炭化水素のハロゲン置換体がある。例えば、へキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、デカン、イソデカン、デカリン、ノナン、ドデカン、イソドデカン、シクロヘキサン、シクロオクタン、シクロデカン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、アイソパーC、アイソパーE、アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL、アイソパーM(アイソパー:エクソン社の商品名)、シェルゾール70、シェルゾール71(シェルゾール:シェルオイル社の商品名)、アムスコOMS、アムスコ460溶剤(アムスコ:スピリッツ社の商品名)、シリコーンオイル(例えば、信越シリコーン社製KF−96L)等を単独あるいは混合して用いることができる。
このようなキャリア液に分散される色材粒子は、色材自身を色材粒子としてキャリア液中に分散させてもよいが、好ましくは、定着性を向上させるための分散樹脂粒子を含有させる。分散樹脂粒子を含有させる場合、顔料などは分散樹脂粒子の樹脂材料で被覆して樹脂被覆粒子とする方法などが一般的であり、染料などは分散樹脂粒子を着色して着色粒子とする方法などが一般的である。
色材としては、従来からインクジェットインク組成物、印刷用(油性)インキ組成物、あるいは静電写真用液体現像剤に用いられている顔料および染料であればどれでも使用可能である。
色材として用いる顔料としては、無機顔料、有機顔料を問わず、印刷の技術分野で一般に用いられているものを使用することができる。具体的には、例えば、カーボンブラック、カドミウムレッド、モリブデンレッド、クロムイエロー、カドミウムイエロー、チタンイエロー、酸化クロム、ビリジアン、コバルトグリーン、ウルトラマリンブルー、プルシアンブルー、コバルトブルー、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、スレン系顔料、ペリレン系顔料、ぺリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キノフタロン系顔料、金属錯体顔料、等の従来公知の顔料を特に限定なく用いることができる。
色材として用いる染料としては、アゾ染料、金属錯塩染料、ナフトール染料、アントラキノン染料、インジゴ染料、カーボニウム染料、キノンイミン染料、キサンテン染料、アニリン染料、キノリン染料、ニトロ染料、ニトロソ染料、ペンゾキノン染料、ナフトキノン染料、フタロシアニン染料、金属フタロシアニン染料、等の油溶性染料が好ましく例示される。
さらに、分散樹脂粒子としては、例えば、ロジン類、ロジン変性フェノール樹脂、アルキッド樹脂、(メタ)アクリル系ポリマー、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリブタジエン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニールアルコールのアセタール変性物、ポリカーボネート等を挙げられる。
これらのうち、粒子形成の容易さの観点から、重量平均分子量が2,000〜1000,000の範囲内であり、かつ多分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が、1.0〜5.0の範囲内であるポリマーが好ましい。さらに、前記定着の容易さの観点から、軟化点、ガラス転移点または、融点のいずれか1つが40℃〜120℃の範囲内にあるポリマーが好ましい。
インクQにおいて、色材粒子の含有量(色材粒子あるいはさらに分散樹脂粒子の合計含有量)は、インク全体に対して0.5〜30重量%の範囲で含有されることが好ましく、より好ましくは1.5〜25重量%、さらに好ましくは3〜20重量%の範囲で含有されることが望ましい。色材粒子の含有量が少なくなると、印刷画像濃度が不足したり、インクQと記録媒体P表面との親和性が得られ難くなって強固な画像が得られなくなったりするなどの問題が生じ易くなり、一方、含有量が多くなると均−な分散液が得られにくくなったり、インクジェットヘッド10等でのインクQの目詰まりが生じやすく、安定なインク吐出が得られにくいなどの問題が生じるからである。
また、キャリア液に分散された色材粒子の平均粒径は、0.1〜5μmが好ましく、より好ましくは0.2〜1.5μmであり、更に好ましくは0.4〜1.0μmである。この粒径はCAPA−500(堀場製作所(株)製商品名)により求めたものである。
色材粒子をキャリア液に分散させた後(必要に応じて、分散剤を使用しても可)、荷電制御剤をキャリア液に添加することにより色材粒子を荷電して、荷電した色材粒子をキャリア液に分散してなるインクQとする。なお、色材粒子の分散時には、必要に応じて、分散媒を添加してもよい。
荷電制御剤は、一例として、電子写真液体現像剤に用いられている各種のものが利用可能である。また、「最近の電子写真現像システムとトナー材料の開発・実用化」139〜148頁、電子写真学会編「電子写真技術の基礎と応用」497〜505頁(コロナ社、1988年刊)、原崎勇次「電子写真」16(No.2)、44頁(1977年)等に記載の各種の荷電制御剤も利用可能である。
なお、色材粒子は、制御電極に印加される駆動電圧と同極性であれば、正電荷および負電荷のいずれに荷電したものであってもよい。
また、色材粒子の荷電量は、好ましくは5〜200μC/g、より好ましくは10〜150μC/g、さらに好ましくは15〜100μC/gの範囲である。
また、荷電制御剤の添加によって誘電性溶媒の電気抵抗が変化することもあるため、下記に定義する分配率Pを、好ましくは50%以上、より好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上とする。
P=100×(σ1−σ2)/σ1
ここで、σ1は、インクQの電気伝導度、σ2は、インクQを遠心分離器にかけた上澄みの電気伝導度である。電気伝導度は、LCRメーター(安藤電気(株)社製AG−4311)および液体用電極(川口電機製作所(株)社製LP−05型)を使用し、印加電圧5V、周波数1kHzの条件で測定を行った値である。また遠心分離は、小型高速冷却遠心機(トミー精工(株)社製SRX−201)を使用し、回転速度14500rpm、温度23℃の条件で30分間行った。
以上のようなインクQを用いることによって、荷電粒子の泳動が起こりやすくなり、濃縮しやすくなる。
インクQの電気伝導度は、100〜3000pS/cmが好ましく、より好ましくは150〜2500pS/cm、さらに好ましくは200〜2000pS/cmである。以上のような電気伝導度の範囲とすることによって、制御電極に印加する電圧が極端に高くならず、隣接する記録電極間での電気的導通を生じさせる懸念もない。
また、インクQの表面張力は、15〜50mN/mの範囲が好ましく、より好ましくは15.5〜45mN/mさらに好ましくは16〜40mN/mの範囲である。表面張力をこの範囲とすることによって、制御電極に印加する電圧が極端に高くならず、ヘッド周りにインクが漏れ広がり汚染することがない。
さらに、インクQの粘度は0.5〜5mPa・secが好ましく、より好ましくは0.6〜3.0mPa・sec、さらに好ましくは0.7〜2.0mPa・secである。
このようなインクQは、一例として、色材粒子をキャリア液に分散して粒子化し、かつ、荷電調整剤を分散媒に添加して、色材粒子に荷電を生じさせることで、調製できる。具体的な方法としては、以下の方法が例示される。
(1)色材あるいはさらに分散樹脂粒子をあらかじめ混合(混練)した後、必要に応じて分散剤を用いてキャリア液に分散し、荷電調整剤を加える方法。
(2)色材、あるいはさらに分散樹脂粒子および分散剤を、キャリア液に同時に添加して、分散し、荷電調整剤を加える方法。
(3)色材および荷電調整剤、あるいはさらに分散樹脂粒子および分散剤を、同時にキャリア液に添加して、分散する方法。
位置検出装置64は、フォトセンサ等の従来公知の位置検出手段であり、帯電装置64とヘッドユニット60との間の搬送ベルト38による搬送経路上において、記録媒体Pが所定の位置に搬送されたことを検出するものである。
位置検出装置64による記録媒体Pの検出結果は、ヘッドドライバ62に供給される。
ヘッドドライバ62は、ヘッドユニット60の各ヘッド70に、駆動信号を供給するものである。
ヘッドドライバ62には、スキャナやコンピュータ等の外部装置から画像データが入力される。ヘッドドライバ62は、位置検出装置64による記録媒体Pの検出結果を参照して、記録媒体Pが所定位置に搬送された時点で、記録媒体Pの搬送タイミングおよび供給された画像データに応じた各制御電極の駆動信号を、ヘッドユニット60の各ヘッド70(そのパルス電源)に供給する。ヘッド70は、この駆動信号に応じて、前述のように、各行の第2制御電極84を順次駆動し、かつ、各列の第1制御電極82を画像データに応じて変調駆動する。これにより、各色のヘッド70から各色のインクが吐出され、記録媒体Pには、画像データに対応した画像が記録される。
このようなインクQを用いる静電式のインクジェットにおいては、従来のインクジェット方式のように、インク全体に力を作用させて、インクを記録媒体に向けて飛翔させるのではなく、主に、キャリア液に分散させた固形成分である色材粒子に力を作用させて、インクを飛翔させる。以下、記録手段16(ヘッド70)におけるインク液滴R吐出の作用を説明する。
なお、以下の例では、色材粒子は正荷電しており、従って、吐出onでは第1制御電極82および第2制御電極84には、正の駆動電圧が印加され、記録媒体Pには、負の高電圧(バイアス電圧)が帯電される。
画像の記録時には、インクQは後述するインク循環手段18によって循環され、インク流路78内を図中右側から左側(図1中矢印a方向)に向かって所定の速度で流れる。
また、前述のように、記録媒体Pは、帯電装置44によって負の高電圧に帯電されて、搬送ベルト38に静電吸着され、搬送ベルト38の回転によって搬送され、記録手段16のヘッドユニットに対面する位置に至る。
記録媒体Pに帯電する負の高電圧は、静電式のインクジェットにおけるバイアス電圧として作用し、また、記録媒体Pおよび搬送ベルト38は、ヘッド70の制御電極に対する対向電極として作用するのは、前述のとおりである。
前述のように、搬送ベルト38によって、記録媒体Pが所定の位置に搬送されると、ヘッドドライバ62は、記録媒体Pの搬送タイミングおよび画像データに応じて、各ヘッド70に駆動信号を供給し、各ヘッド70は、これに応じて、各行の第2制御電極84を順次駆動し、かつ、各列の第1制御電極82を画像データに応じて変調駆動し、インク吐出を画像データに応じて変調してon/offする。
ここで、第1制御電極82および第2制御電極84の少なくとも一方がoffであり、すなわちバイアス電圧のみが印加されている状態では、インクQには、バイアス電圧とインクQの色材粒子(荷電粒子)の荷電とのクーロン引力、色材粒子間のクーロン反発力、キャリア液の粘性、表面張力、誘電分極力等が作用し、これらが連成して、色材粒子やキャリア液が移動し、図2(B)に概念的に示すように、吐出口96から若干盛り上がったメニスカス状となってバランスが取れている。
また、このクーロン引力等によって、色材粒子は、いわゆる電気泳動でバイアス電圧が帯電された記録媒体Pに向かって移動する。すなわち、吐出口96のメニスカスにおいては、インクQが濃縮された状態となっている。
この状態から、インク液滴Rを吐出するための駆動電圧(パルス電圧)が印加される。すなわち、図示例においては、第1制御電極82および第2制御電極84の両方がonされると、前記バイアス電圧に駆動電圧が重畳され、先の連成に、さらにこの駆動電圧の重畳によって連成された運動が起こり、静電力によって色材粒子およびキャリア液がバイアス電圧(対向電極)側すなわち記録媒体P側に引っ張られ、メニスカスが成長して、その上部から略円錐状のインク液柱いわゆるテーラーコーンが形成される。また、先と同様に、色材粒子は電気泳動によってメニスカスに移動しており、メニスカスのインクQは濃縮され、色材粒子を多数有する、ほぼ均一な高濃度状態となっている。
駆動電圧の印加開始後、さらに有限な時間が経過すると、色材粒子の移動等により、電界強度の高いメニスカスの先端部分で、主に色材粒子とキャリア液の表面張力とのバランスが崩れ、メニスカスが急激に伸びて曳糸と呼ばれる直径数〜数十μm程度の細長いインク液柱が形成される。
さらに有限な時間が経過すると曳糸が成長し、この曳糸の成長、レイリー/ウエーバー不安定性によって発生する振動、メニスカス内における色材粒子の分布不均一、メニスカスにかかる静電界の分布不均一等の相互作用によって曳糸が分断され、インク液滴Rとなって吐出/飛翔し、かつ、バイアス電圧にも引っ張られて、記録媒体Pに着弾する。
曳糸の成長および分断は、さらにはメニスカス(曳糸)への色材粒子の移動は、駆動電圧の印加中は連続して発生する。また、駆動電圧の印加を終了(第1制御電極82および第2制御電極84の少なくとも一方をoff)した時点で、バイアス電圧のみが印加された図2(B)のメニスカスの状態に戻る。
前述のように、インクQはインク循環手段18によって循環される。
インク循環手段18は、インクタンク100、インク供給路102、およびインク回収路104を有し、インクタンク100〜インク供給路102〜ヘッド70(インク流路26)〜インク回収路104〜インクタンク100の経路で、インクタンク100内のインクQを循環する。
なお、インクタンク100内には、この経路でインクQを循環するためのポンプが内蔵される。また、インクタンク100は、色材粒子の沈降/堆積を防止するための撹拌手段や、インク吐出の安定性を向上するための温度調節手段を有するのが好ましい。
インク供給路102には、濃度検出手段22の透過光測定部110が配置される。
濃度検出手段22は、この透過光測定部110と演算部112とから構成され、インク循環手段18によって循環されるインクQの透過光を測定することにより、インクQの濃度(例えば、インクQにおける色材粒子の重量%)を検出する。ここで、この濃度検出手段22は、本発明の濃度検出方法を実施する本発明の濃度測定装置であって、複数(図示例では2つ)の検出セルにおいて透過光を測定することによって、インクQによる汚れ等に起因する誤差の無い、高精度なインクQの濃度検出を行う。
図5に、濃度検出手段22の概念図を示す。
濃度検出手段22の透過光測定部110は、第1検出セル114および第1測定手段118と、第2検出セル116および第2測定手段120とを有する。
第1検出セル114および第2検出セル116は、共に、インク供給路102の途中に設けられる円管状の透明なインク流路である。また、第2検出セル116は、第1検出セルよりも小径で、第1検出セル114の下流に直列に設けられる。
第1測定手段118は、第1検出セル114に測定光を入射する光源118aと、第1検出セル114の透過光(第1検出セル114を透過した前記測定光)を受光して測光する受光素子118bとから構成される公知の透過光測定手段である。他方、第2測定手段120も、第2検出セル116に測定光を入射する光源120aと、第2検出セル116の透過光を受光して測光する受光素子120bとから構成される公知の透過光測定手段である。
両測定手段は、同じ光源および受光素子を用いるものであり、共に、対応する検出セルの検出面において透過光を測定するものである。すなわち、第1検出セル114(第1測定手段118)における測定光のインクQの通過長は、第2検出セル116(第2測定手段120)における測定光のインクQの通過長よりも長い。
受光素子118bおよび120bによる透過光の測定結果は、演算部112に供給される。演算部112は、両測定結果から、各検出セル毎にインク濃度と検出セル(流路)の汚れとを含む濃度を検出し、これを比較して、インクQの実濃度を検出する部位であり、第1濃度検出部121aと、第2濃度検出部121bと、比較演算部122と、濃度検出部とを有する。
第1濃度検出部121aは、受光素子118b(第1測定手段118)による透過光の測定結果を処理して、第1検出セル114におけるインクQの濃度と検出セルの汚れとを含む濃度の検出結果とする部位である。また、第2濃度検出部121bは、受光素子120b(第2測定手段120)による透過光の測定結果を処理して、第2検出セル116におけるインクQの濃度と検出セルの汚れとを含む濃度の検出結果とする部位である。
比較演算部122は、第1濃度検出部121aおよび第2濃度検出部121bによる濃度検出結果を比較演算する部位であり、さらに、濃度検出部124は、比較演算部122による比較演算の結果(あるいはさらに、必要に応じて受光素子118bや120bによる測定結果)を用いて、インクQの濃度を検出して、後述するインク補充手段24(その補充要否判定部130)に供給する部位である。
なお、第1濃度検出部121aおよび第2濃度検出部121bは、例えば、各受光素子による透過光の測定結果(出力信号)を単にデジタルデータ化して濃度検出結果とするものであってもよく、あるいは、予め実験等によって作成したLUTや演算式等を用いて、受光素子による透過光の測定結果を光量データや光学濃度に変換して濃度検出結果とするものであってもよい。あるいは、予め実験等によって作成したLUTや演算式等を用いて、前記測定手段による透過光の測定結果をインクQの濃度に変換して、濃度検出結果とするものであってもよい。
前述のように、濃度検出手段22は、インクQ(インクQが流れる検出セル)の透過光を測定することによって、インクQの濃度を検出する。
当然のことであるが、インクQを循環すれば、検出セルには色材粒子等が付着し、次第に汚れてしまう。その結果、検出セルにおける透過光の測定結果は、この汚れを含んでしまい、インクQの濃度測定結果にも、検出セルの汚れに応じた誤差が生じる。
ここで、第1検出セル114と第2検出セル116とは、直列に配置されるので、両検出セルには同量のインクQが流れ、従って、両検出セルのインクQ等による汚れは、ほぼ等しい。また、前述のように、両検出セルは、インクQの測定光の通過長が異なる。
このように、測定対象となるインクQが同量流れすなわち汚れが等価で、かつ、測定光のインクQの通過長が異なる複数の検出セルによってインクQの透過光を測定し、複数の透過光の測定結果を比較することにより、検出セルの汚れを相殺して、検出セルの汚れの有無や状態によらず高精度にインクQの濃度検出を行うことができる。
一例として、比較演算部122において、第1濃度検出部121aが処理した受光素子118bによる第1検出セル114の透過光の測定結果から、第2濃度検出部121bが処理した受光素子120bによる第2検出セル116の透過光の測定結果を減算し、濃度検出部124が、予め作成した、この減算結果とインクQの適正濃度との関係を示すLUTを用いて、この減算結果から、インクQの濃度を求める方法が例示される。
両検出セルにおける透過光の測定結果は、共に、インクQによる測定光の吸収に加えて検出セルの汚れによる測定光の吸収を含むものである。
ここで、検出セルによる測定光の吸収が無視できるものであり、かつ、第1検出セル114の内径(すなわち測定光の通過長)をd1、第2検出セル116の内径をd2とする。この際においては、第1検出セル114の透過光は、測定光から、距離d1だけインクQを通過した際における測定光の吸収分、および、第1検出セル114の汚れによる測定光の吸収分を減じた光となる。同様に、第2検出セル116の透過光は、測定光から、距離d2だけインクQを通過した際における測定光の吸収分、および、第2検出セル116の汚れによる測定光の吸収分を減じた光となる。
前述のように、光源118aおよび光源120aは同じものであるので、両検出セルに入射する測定光の光量は等しい。また、第1検出セル114および第2検出セル116におけるインクQの流量は等しく、両者の汚れが等しいのは、前述のとおりである。
従って、第1検出セル114の透過光の測定結果から、第2検出セル116の透過光の測定結果を減算した結果は、測定光から、距離d3(=d1−d2)だけインクQを通過した際における測定光の吸収分を減じた透過光、すなわち、内径がd3で汚れが全く無い検出セルを想定し、この検出セルにインクQを流した際における透過光の測定結果と等しくなる。
従って、この内径d3の検出セルに対応して、この検出セルにインクQが流れている際における前記測定手段による透過光の測定結果と、正確なインクQの濃度との関係を示すLUTを予め作成して、濃度検出部124に設定しておき、比較演算部122から供給された減算結果から、このLUTを用いてインクQの濃度を検出することにより、検出セルの汚れの有無や汚れの状態によらない、正確なインクQの濃度を検出することができる。
図示例の濃度検出手段22の透過光測定部110において、測定手段(光源および受光素子)、図示例の位置に固定されているのに限定はされず、例えば、通常は別の位置に退避しており、インクQの濃度測定時に図示のような測定位置に移動してもよい。また、複数の検出部で、個々に測定手段を有するのにも限定はされず、移動可能な1つの測定手段を測定部を複数の検出部で併用してもよい。
また、検出セルの断面方向に異なる位置で透過光を測定することにより、測定光のインク通過長が異なる複数の検出手段を形成して、インクQの濃度を検出してもよい。
図示例の透過光測定部110は、2つの検出手段を有するものであるが、本発明は、これに限定はされず、第1検出セル114の上流および/または第2検出セル116の下流に1以上の検出セルを設ける等、同量のインクQが流れ、かつ、測定光の通過長が異なるものであれば、3以上の検出セルおよび測定手段(検出手段)を設けて、インクQの濃度検出を行うようにしてもよい。
例えば、3つの検出手段を設けた際には、2つの検出手段の組み合わせが3つできるので、先と同様の方法で3つの濃度検出結果を出し、3つの平均値や中央値を濃度検出結果とする方法が例示される。
第1検出セル114と第2検出セル116とは、同じインクQが同量流れるので、その汚れは、基本的に、同一である。しかしながら、両者には、流速の差があるため、汚れの程度に若干の差が生じる可能性がある。
それに対して、このように多数の検出セルを複数設けることにより、この流速の違いによる汚れの差を相殺して、より正確な汚れ検出すなわち濃度測定を行うことができる。
また、各検出セルの位置は、図示例のように直上下流の位置に限定はされない。例えば、インクQの流量が同じで、かつ、測定光の流体通過長が異なるものであれば、複数の検出セルを並列に配置して、透過光の測定を行ってもよい。なお、より好適に各検出セルの汚れを同等にするためには、各検出セルは直列で、かつ、直上流および/または直下流に配置するのが好ましい。
さらに、検出セルの形状も図示例の円管に限定はされず、光透過性で、かつ、測定光のインクQ(流体)通過長が異なれば、四角柱状のセル等、各種のセルが利用可能である。
前述のように、濃度検出手段22(濃度検出部124)によるインクQの濃度検出結果は、インク補充手段24(補充要否判定部130)に供給される。
インク補充手段24は、補充要否判定部130、キャリア液補充部132、および高濃度インク補充部134を有して構成される。
補充要否判定部130は、濃度検出手段22によるインクQの濃度検出結果、現在のインク循環系(インクタンク100〜インク供給路102〜ヘッド70〜インク回収路104〜インクタンク100)内の現在のインク量および予め設定された規定インク量、目的とするインク濃度、インク循環系内のインクQが、目的濃度でかつ規定インク量となるように、高濃度インクおよびキャリア液の補充量を決定する部位である。
なお、インク循環系内のインクQの量は、例えば、前の補充時からのインク吐出量を画像データや全吐出部の総吐出回数のカウントで求め、あるいはさらに予め測定した経時に対するインクの蒸発量を求めて算出すればよい。あるいは、インクQの循環を停止してインクタンク100内のインク量を測定してもよく、もしくは、循環時におけるインク供給路102、ヘッド70およびインク回収路104内のインク量は当然既知にできるので、循環中にインクタンク100内のインク量を測定することで求めてもよい。
キャリア液補充部132は、インクQのキャリア液(希釈液)を充填するタンクを有し、補充要否判定部130が決定した補充量に応じて、キャリア液をインクタンクに100に補充する。
他方、高濃度インク補充部134は、高濃度インク(色材粒子の量が多いインク)を充填するタンクを有し、補充要否判定部130が決定した補充量に応じて、高濃度インクをインクタンクに100に補充する。なお、本例においては、高濃度インクの濃度には、特に限定はなく、また、補充用の所定濃度のインクとして前記インクQの目的濃度と同濃度のインクを用いてもよく、さらに、互いに濃度の異なる複数の所定濃度のインクを用いて補充を行ってもよい。また、キャリア液を用いずに、所定濃度のインクのみで補充を行うようにしてもよい。
記録装置10のような静電式のインクジェットでは、前述のように、吐出部にインクQを濃縮し、此処に静電力を作用させてインク液滴Rの吐出を行うので、インク液滴の吐出を安定させ、かつ、画像濃度を目的濃度とするためには、ヘッド70に供給(前記循環系を循環)するインクQの濃度が極めて重要である。
これに対し、本発明によれば、前述のように、濃度検出手段22において、検出セルの汚れによらず、インクQの濃度を高精度に測定して、インクQ(キャリア液および高濃度インク)の補充を行うことができる。従って、本発明の記録装置10では、適正濃度のインクQによって、安定したインク液滴の吐出を行って、高画質な画像を安定して記録することができる。
なお、本発明の記録装置10において、濃度検出手段22によるインクQの濃度検出、および、インクタンク100へのインク補充のタイミングには、特に限定はなく、例えば、所定期間毎や所定枚数の画像記録毎等に自動的に行ってもよく、前述の手段等でインクQの量を検出して自動的に行ってもよく、記録した画像を観察したオペレータ等の判断による入力指示に応じて行ってもよく、両者手段を有し、選択的に行ってもよい。
また、インクQの濃度検出および補充は、全ての色で同時に行ってもよく、各色毎に適宜行ってもよい。
記録装置10の上部(天井部)には、溶媒回収手段20が配置される。
溶媒回収手段20は、ヘッド70から記録媒体P上に吐出されたインクから蒸発するキャリア液や、画像定着時にインクから蒸発するキャリア液等を回収するもので、排出ファン140と、活性炭フィルタ142とを備えている。活性炭フィルタ142は、筐体26の上面(図中上側)の裏面に取り付けられ、排出ファン140は、活性炭フィルタ142の上に取り付けられている。
筐体22内部のキャリア液成分を含む空気は、排出ファン140により、活性炭フィルタ142を介して筐体22の外部に排出される。その際、筐体22内部の空気中に含まれる分散溶媒成分は、活性炭フィルタ142によって吸着除去される。
以下、記録装置10の作用を説明する。
記録装置10では、画像の記録時に、給紙トレイ30に収納された記録媒体Pがフィードローラ32により1枚ずつ取り出され、搬送ローラ対36により挟持搬送されて搬送ベルト38上の所定位置に供給される。
搬送ベルト38上に供給された記録媒体Pは、帯電装置44により負の高電位に帯電され、搬送ベルト38の表面に静電吸着される。この負の高電位は、搬送ベルト38への静電吸着のみならず、静電式インクジェットにおけるバイアス電圧として作用する。
搬送ベルト38の表面に静電吸着された記録媒体Pは、搬送ベルト38によって所定速度で搬送(主走査)される。
これに同期して、ヘッドドライバ62は、位置検出装置64による記録媒体Pの検出結果を参照して、記録媒体Pの搬送タイミングおよび供給された画像データに応じた各制御電極の駆動信号を、ヘッドユニット60の各ヘッド70(そのパルス電源)に供給する。
ヘッド70では、これに応じて、各行の第2制御電極84を順次駆動し、かつ、各列の第1制御電極82を画像データに応じて変調駆動し、各色のヘッド70から各色のインクが吐出し、記録媒体Pに画像データに対応した画像を記録する。
画像記録後の記録媒体Pは、除電装置46により除電され、分離爪48により搬送ベルト38から分離され、ガイド48に沿って定着ローラ対52に供給される。そして、定着ローラ対52により挟持搬送されつつ、記録された画像が加熱定着され、排出トレイ28内に積層された状態でストックされる。
また、記録中や記録装置10が画像記録を待機している状態では、インクQは、インクタンク100〜インク供給路102〜ヘッド70〜インク回収路104〜インクタンク100の所定の循環経路を循環している。
ここで、記録装置10においては、例えば、定期的に、濃度測定手段22によってインクQの濃度測定を行い、その結果に応じて、インク補充部24によってインクタンク100にインクQを補充する。
前述のように、インクQの濃度測定時には、透過光測定部110において、光源118aから出射され第1検出セル114を透過した透過光が受光素子118bで測定され、また、光源120aから出射され第2検出セル116を透過した透過光が受光素子120bで測定され、演算部112の比較部122に供給される。
比較部122では、受光素子118bによる透過光の測定結果から、受光素子120bによる透過光の測定結果を減算して、濃度検出部124に送る。
濃度検出部124は、予め設定された内径d3の検出セルにおける透過光の測定結果と、インクQの濃度との関係を示すLUTを用い、比較部122から供給された減算結果から、インクQの濃度を検出し、インク補充部24に送る。
インク補充部24では、濃度検出手段22によるインクQの濃度検出結果、目的とするインクQの濃度、循環系内のインクQの量等から、補充量決定手段130が高濃度インクおよびキャリア液の補充量を決定し、キャリア液補充部132および高濃度インク補充部134からインクタンク100へ、キャリア液および高濃度インクを補充する。
前述のように、濃度検出手段22によるインクQの濃度検出結果は、検出セルの汚れによる誤差を補正した、高精度なものであるので、キャリア液および高濃度インクの補充を適正に行うことができ、従って、適正濃度のインクQによって、高画質な画像記録を安定して行うことができる。
以上、本発明の濃度検出方法、濃度検出装置、およびインクジェット記録装置について、詳細に説明したが、本発明は、上記実施形態に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよいのは、もちろんのことである。
本発明のインクジェット記録装置の一例の概念図である。 図1に示すインクジェット記録装置の記録ヘッドの概念図であり、(A)は斜視図、(B)は断面図である。 (A)、(B)および(C)は、図2に示す記ヘッドを説明するための概略図である。 図2に示す記録ヘッドを説明するための概略斜視図である。 図1に示すインクジェット記録装置の濃度測定手段の概念図である。
符号の説明
10 (インクジェット)記録装置
12 保持手段
14 搬送手段
16 記録手段
18 インク循環手段
20 溶媒回収手段
24濃度検出手段
26 インク補充手段
26 筐体
30 給紙トレイ
32 フィードローラ
34 排出トレイ
36 搬送ローラ対
38 搬送ベルト
40 ローラ
42 導電性プラテン
44帯電装置
46 除電装置
48 分離爪
50 ガイド
52 定着ローラ対
60 ヘッドユニット
62 ヘッドドライバ
64 位置検出手段
70 (記録)ヘッド
72 ヘッド基板
74 吐出口基板
76 インクガイド
78 インク流路
80 浮遊導電板
821制御電極
86 第2制御電極
86 絶縁性基板
88 ガード電極
90,92,94 絶縁層
96 吐出口
98 先端部分
100 インクタンク
102 インク供給路
104 インク回収路
110 測定部
112 演算部
114 第1検出セル
116 第2検出セル
118 第1測定手段
120 第2測定手段
121a 第1濃度検出部
121b 第2濃度検出部
122 比較部
124 濃度検出部
130 補充要否判定部
132 キャリア液補充部
134 高濃度インク補充部

Claims (6)

  1. 測定対象となる流体の透過光を測定し、その測定結果から前記流体の濃度を検出する濃度検出方法であって、
    測定対象となる流体の流路において、測定光の流体通過長が異なる複数の検出個所で透過光を測定し、この複数の透過光の測定結果から、前記流体の濃度を検出することを特徴とする濃度検出方法。
  2. 径が異なる領域を少なくとも1個所有する管路を用い、この管路の各径の位置において前記透過光の測定を行う請求項1に記載の濃度検出方法。
  3. 検出セルに測定光を入射し、その透過光を検出することにより、検出セル内の流体の濃度を検出する濃度検出装置において、
    測定対象となる流体の流路を形成する第1の検出セルと、前記第1の検出セルとは測定光通過長が異なる第2の検出セルと、前記第1の検出セルおよび第2の検出セルに測定光を入射し、それらの透過光を検出する検出手段と、前記検出手段で得られた複数の測定結果を用いて、前記流体の濃度を検出する演算手段とを有することを特徴とする濃度検出装置。
  4. 前記第1の検出セルおよび第2の検出セルが、直列で設けられる互いに断面形状の異なる管である請求項3に記載の濃度検出装置。
  5. 帯電した微粒子を分散媒に分散してなるインクを、静電力によって吐出する静電式のインクジェット記録装置であって、前記インクに静電力を作用して吐出する静電式のインクジェットヘッドと、前記インクを貯留するインクタンクと、前記インクジェットヘッドおよびインクタンクを含む所定の経路で、前記インクを循環する循環手段と、前記循環手段によるインク循環経路中に前記検出部が配置される、請求項3または4に記載の濃度検出装置とを有することを特徴とするインクジェット記録装置。
  6. 希釈液および所定濃度の前記インクを前記インクタンクに補充する補充手段を有し、この補充手段は、前記濃度検出装置によるインク濃度の検出結果に応じて、前記インクタンクへの希釈液および所定濃度のインクの補充量を決定する請求項5に記載のインクジェット記録装置。
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