JP2005186117A - 鋳型用粘結剤組成物及びそれを用いてなる自硬性鋳型、並びに自硬性鋳型の製造方法 - Google Patents

鋳型用粘結剤組成物及びそれを用いてなる自硬性鋳型、並びに自硬性鋳型の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 水溶性アルカリレゾール樹脂と有機エステル化合物(硬化剤)とを組み合わせてなる鋳型用粘結剤組成物を、鋳物砂と混練して、鋳型を造型する際に、混練砂の流動性が有利に改善され得る鋳型用粘結剤組成物と、かかる鋳型用粘結剤組成物を用いて造型される自硬性鋳型、並びに混練砂の流動性が有利に改善され得る自硬性鋳型の製造方法を、提供すること。
【解決手段】 鋳物砂に対して、水溶性アルカリレゾール樹脂と、硬化剤としての有機エステル化合物と共に、更に、特定のトリメチロールプロパントリエステルを組み合わせて、混練し、自硬性鋳型を造型するようにした。
【選択図】 なし

Description

本発明は、エステル硬化型の鋳型の造型に用いられる、鋳型用粘結剤組成物及びそれを用いてなる自硬性鋳型、並びに自硬性鋳型の製造方法に係り、特に、鋳型用粘結剤組成物と鋳物砂との混練物(混練砂)の流動性が、効果的に改善され得る鋳型用粘結剤組成物と、そのような鋳型用粘結剤組成物を用いて得られる自硬性鋳型、及び自硬性鋳型の製造方法に関するものである。
従来より、水溶性アルカリレゾール樹脂と有機エステル化合物(硬化剤)とを用いて鋳型の造型を行なう鋳型造型方法においては、鋳物砂として、珪砂や合成ムライト砂等が使用されている。これらの鋳物砂の中でも、近年、特に、合成ムライト砂は、高耐熱性であり、破砕強度も高く、再使用時の歩留まりにも優れている等の理由から、多用されてきている。
ところで、鋳物砂として使用された珪砂や合成ムライト砂は、通常、所定の再生処理が施された後、再度、鋳物砂として、循環使用されるのであるが、エステル硬化型の自硬性鋳型に使用された珪砂や合成ムライト砂にあっては、粘結剤が強固に付着しているところから、そのような付着物を研磨処理のみで剥離することは難しく、また、特に合成ムライト砂にあっては、粒子自体の破砕強度も高いところから、粒子を破壊しながら表面の付着物を削り取っていくことも出来ないために、その再生が非常に困難なものとなっている。
このように、珪砂や合成ムライト砂の再生が不十分であると、混練砂の流動性が悪化し、特に、合成ムライト砂の混練砂にあっては、流動性が極端に悪化し、これにより、造型性が著しく悪化され、ひいては、鋳物品質に重大な影響が及ぼされる恐れがあることが、大きな問題となっている。
そして、そのような問題を解決するために、特許文献1においては、合成ムライト砂の再生砂を用いて鋳型を造型する際に、水溶性フェノール樹脂と、界面活性剤及び/又は潤滑剤の1種又は2種以上とを、必須成分として含有する鋳型用粘結剤組成物を用いることが提案され、そのような鋳型用粘結剤組成物を使用することによって、鋳型用砂組成物(混練砂)の流動性が向上することが明らかにされているが、流動性は未だ充分であるとはいい難く、更なる改善が求められている。
特開平10−216895号公報
従って、本発明は、かかる事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、水溶性アルカリレゾール樹脂と有機エステル化合物(硬化剤)とを組み合わせてなる鋳型用粘結剤組成物を、鋳物砂と混練して、鋳型を造型する際に、混練砂の流動性が有利に改善され得る鋳型用粘結剤組成物と、かかる鋳型用粘結剤組成物を用いて造型される自硬性鋳型、並びに混練砂の流動性が有利に改善され得る自硬性鋳型の製造方法を、提供することにある。
そして、本発明者は、そのような課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、水溶性アルカリレゾール樹脂と有機エステル化合物(硬化剤)とを必須成分とする鋳型用粘結剤組成物に、硬化剤としての機能を無視できる、特定のトリメチロールプロパントリエステルを添加することによって、混練砂の流動性が改善されることを、見出したのである。
従って、本発明は、かかる知見に基づいて完成されたものであって、その第一の態様とするところは、水溶性アルカリレゾール樹脂と、硬化剤としての有機エステル化合物と共に、更に、下記一般式(I)にて表されるトリメチロールプロパントリエステルを組み合わせてなることを特徴とする鋳型用粘結剤組成物にある。
Figure 2005186117
また、本発明における第二の態様によれば、上述せる如き鋳型用粘結剤組成物において、全金属分中のNa分の割合が、モル比換算にて90%以上となるように構成される。
ところで、本発明は、自硬性鋳型も、その対象とするものであって、上述せる如き鋳型用粘結剤組成物を、鋳物砂に混練せしめることにより造型される自硬性鋳型を、その第三の態様とする。
また、本発明における第四の態様にあっては、上述せる如き自硬性鋳型において、前記鋳物砂として、合成ムライト砂が採用される。
さらに、本発明の第五の態様によれば、上述せる如き自硬性鋳型において、前記鋳物砂として、回収砂乃至は再生砂が採用される。
加えて、本発明は、自硬性鋳型の製造方法も、また、その対象とするものであって、鋳物砂に対して、水溶性アルカリレゾール樹脂と、硬化剤としての有機エステル化合物と、下記一般式(I)にて表されるトリメチロールプロパントリエステルとを、混練せしめた後、造型することを特徴とする自硬性鋳型の製造方法を、その第六の態様としている。
そして、本発明における、先述した第一の態様によれば、水溶性アルカリレゾール樹脂と硬化剤として作用する有機エステル化合物とを組み合わせた鋳型用粘結剤組成物に、更に、前記一般式(I)にて示されるトリメチロールプロパントリエステルが組み合わされているところから、そのような鋳型用粘結剤組成物を、鋳物砂に混練して得られる混練砂にあっては、鋳型を造型する際の成形型への流動性が、従来のものに比して、効果的に改善されるのであり、また、この流動性の向上によって、優れた造型性が実現されるようになる。
また、本発明に従う鋳型用粘結剤組成物は、水溶性アルカリレゾール樹脂を主たる構成成分とするものであるところから、かかる水溶性アルカリレゾール樹脂を製造する際に触媒として用いたアルカリ性物質に由来する金属分が、必然的に含有せしめられている。そして、この本発明の第二の態様によれば、鋳型用粘結剤組成物中の全金属分中のNa分の割合が、90モル%以上となるように構成されているところから、鋳物砂粒子への金属分の蓄積が、著しく低減され得ることとなり、以て、そのような金属分の蓄積によって惹起される混練砂の流動性の低下が効果的に抑制乃至は防止され得て、混練砂の流動性が更に改善され得ると共に、鋳物砂を繰り返し使用することが出来る回数(再使用回数)も有利に増大せしめられることとなる。
さらに、本発明の第三の態様、即ち、本発明に従う自硬性鋳型によれば、上述せるように、造型時の混練砂の流動性が効果的に高められているところから、混練砂が成形型内に緊密に充填されることとなって、自硬性鋳型の品質が高度に確保され得ると共に、歩留りも有利に高められることとなる。
また、本発明の第四、第五の態様においては、鋳物砂として、流動性の悪化が惹起され易い、合成ムライト砂や、回収砂乃至は再生砂が用いられているが、上述せる如き鋳型用粘結剤組成物と混練されるところから、混練砂が成形型内に良好に充填されることとなり、このような鋳物砂を用いても、自硬性鋳型の品質が良好に確保され、不良品率も低下して、歩留りも効果的に向上されるようになる。
加えて、本発明の第六の態様、即ち、本発明に従う自硬性鋳型の製造方法によれば、鋳物砂に対して、水溶性アルカリレゾール樹脂と、硬化剤としての有機エステル化合物と共に、更に、前記一般式(I)にて示されるトリメチロールプロパントリエステルが、混練されているところから、そのようにして得られる混練砂にあっては、流動性が有利に向上され、以て、成形型への充填が緊密となって、自硬性鋳型の品質が高度に確保され得ると共に、不良品の発生も効果的に低減され、歩留りが有利に高められることとなる。
Figure 2005186117
ところで、上記せる如き本発明に従う鋳型用粘結剤組成物は、水系媒体中に含有された水溶性アルカリレゾール樹脂(アルカリ触媒下で合成される水溶性フェノール樹脂)と、硬化剤としての有機エステル化合物とを組み合わせてなる、エステル硬化型の鋳型の造型に用いられる鋳型用粘結剤組成物であって、そのような粘結剤組成物に、更に、硬化剤としての作用を無視できる有機エステル化合物である、特定のトリメチロールプロパントリエステルが組み合わせられており、そこに、大きな特徴を有しているのである。
より具体的には、本発明において採用されるトリメチロールプロパントリエステルは、前記一般式(I)にて示される構造の化合物であって、有機エステル化合物に属するものの、その反応性を考慮すると、硬化剤としての作用を無視できるものである。そして、そのようなトリメチロールプロパントリエステルを組み合わせることによって、かかる鋳型用粘結剤組成物を鋳物砂に混練することによって得られる混練砂の、成形型への流動性が、従来に比して、顕著に向上するのである。なお、前記一般式(I)中、R1 〜R3 は、それぞれ、飽和若しくは不飽和の脂肪族炭化水素基を示し、それらR1 〜R3 は、同一であっても、異なっていても良い。また、かかる脂肪族炭化水素基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であっても、何等差支えない。
そして、かかるトリメチロールプロパントリエステルの具体例としては、例えば、トリカプロン酸トリメチロールプロパン、トリカプリル酸トリメチロールプロパン、トリカプリン酸トリメチロールプロパン、トリラウリン酸トリメチロールプロパン、トリミリスチン酸トリメチロールプロパン、トリパルミチン酸トリメチロールプロパン、トリステアリン酸トリメチロールプロパン、トリオレイン酸トリメチロールプロパン、トリリノール酸トリメチロールプロパン、トリリノレン酸トリメチロールプロパン、トリエルカ酸トリメチロールプロパン等の、上記R1 〜R3 の3つが同一であるものや、モノカプリンジラウリル酸トリメチロールプロパン等の、上記R1 〜R3 のうちの1つが異なるもの等を挙げることが出来る。
なお、上記脂肪族炭化水素基:R1 〜R3 の炭素数の下限としては、好ましくは3以上、更に好ましくは5以上であることが望ましく、また、上限としては、特に制限されるものではないものの、20以下であることが望ましい。何故なら、飽和若しくは不飽和の脂肪族炭化水素基の炭素数が小さ過ぎると、流動性の改善効果を充分に得ることが困難となる恐れからであり、また、炭素数が大きくなり過ぎると、鋳型強度の低下が招来される恐れがあるからである。そして、本発明においては、上述せる如きトリメチロールプロパントリエステルのうちの1種が単独で用いられたり、或いはそれらの2種以上が組み合わせられて、用いられることとなる。
ここで、上述せる如き炭素数の炭化水素基を有するトリメチロールプロパントリエステルは、トリメチロールプロパンと所望とする脂肪族炭化水素基を有する脂肪酸とを、エステル反応せしめることで、合成することが出来る。
また、前記一般式(I)にて表されるトリメチロールプロパントリエステルは、硬化剤たる有機エステル化合物の100重量部に対して、0.5〜10重量部、好ましくは1.0〜8.0重量となる割合において、用いられることが望ましい。何故なら、トリメチロールプロパントリエステルの添加量が少な過ぎる場合には、添加効果が充分に発揮され得なくなる恐れがあるからであり、また、多過ぎる場合には、鋳型強度を高度に確保することが困難となる傾向があるからである。
なお、かかる流動性向上成分であるトリメチロールプロパントリエステルは、硬化剤として用いられる有機エステル化合物と同様に、エステル化合物であるところから、アルカリ性物質(具体的には、水溶性アルカリレゾール樹脂)との接触によって、加水分解される。このため、トリメチロールプロパントリエステルは、硬化剤たる有機エステル化合物と共に、より好ましくは有機エステル化合物(硬化剤)に混ぜ合わされた混合物乃至は混合液の状態で、水溶性アルカリレゾール樹脂と混合されることが、望ましく、そうすることによって、トリメチロールプロパントリエステルの添加効果が、高度に発揮されるようになる。
一方、本発明に従う鋳型用粘結剤組成物において、必須の構成成分である有機エステル化合物は、水溶性アルカリレゾール樹脂を硬化せしめる硬化剤としての作用を奏するものである。この有機エステル化合物としては、従来から硬化剤として使用されている公知の各種ものが、何れも用いられ得るのであり、例えば、カーボネート類、ラクトン類、炭素数1〜10の1価又は多価アルコールと炭素数1〜10の有機カルボン酸とから導かれる有機カルボン酸エステル等を例示することが出来る。そして、それらのうちの1種が単独で、或いは2種以上が組み合わされて、用いられる。具体的に、自硬性鋳型造型法においては、γ−ブチロラクトン、プロピオンラクトン、ε−カプロラクトン、ギ酸エチル、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノアセテート、グリセロールトリアセテート(トリアセチン)、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等が好適に用いられる。
なお、かかる有機エステル化合物は、従来と同様な配合量において、つまり、水溶性アルカリレゾール樹脂に対して各種添加剤を必要に応じて添加することによって調製される鋳型用樹脂組成物の固形分の100重量部に対して、20〜100重量部、好ましく25〜80重量部となるように、用いられる。また、鋳物砂に対する配合量として言い換えると、一般に、鋳物砂の100重量部に対して、0.02〜20重量部程度、好ましくは0.05〜4重量部程度となる割合において、用いられることとなる。
また一方、本発明に従う鋳型用粘結剤組成物において、必須の構成成分である水溶性アルカリレゾール樹脂は、フェノール化合物とアルデヒド化合物とを、アルカリ性物質(アルカリ触媒)の存在下において、重縮合させることによって得られるものであり、本発明においては、公知の各種の水溶性アルカリレゾール樹脂を使用することが出来る。
ここで、かかる水溶性アルカリレゾール樹脂の原料であるフェノール化合物としては、フェノール、クレゾール、レゾルシノール、キシレノール、ビスフェノールF、ビスフェノールA、その他置換フェノール等、公知の各種のフェノール化合物を例示することが出来、これらのうちの1種が単独で用いられたり、或いはそのうちの2種以上が混合されて、用いられることとなる。
一方、アルデヒド化合物としては、ホルムアルデヒド、フルフラール、グリオキザール等、従来から公知のアルデヒド化合物を例示することが出来、これらのうちの1種が単独で用いられたり、或いはそのうちの2種以上が混合されて、用いられることとなる。そして、これらの化合物は、必要に応じて、水に溶解されて、水溶液として用いられる。
なお、上記したフェノール化合物とアルデヒド化合物の使用量としては、従来と同様な配合割合が採用され、通常、フェノール化合物に対するアルデヒド化合物のモル数が、1.0〜5.0倍モル程度、好ましくは1.1〜4.0倍モル程度となる量が、採用されることとなる。
さらに、水溶性アルカリレゾール樹脂の製造において、アルカリ触媒として使用されているアルカリ性物質としては、従来から用いられている、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属の水酸化物等を例示することが出来、これらのうちの1種が単独で、或いは2種以上が混合されて用いられることとなるが、本発明においては、特に、本発明に従う鋳型用粘結剤組成物に含まれる全金属分中のナトリウム分の割合が、具体的には、上記したフェノール化合物とアルデヒド化合物との反応によって得られる反応液に含まれる全金属分中のナトリウム分の割合が、モル比換算で、好ましくは90%以上(90〜100%)、より好ましくは98%以上(98〜100%)となるように、水酸化ナトリウムが単独で、或いは水酸化ナトリウムと他のアルカリ性物質のうちの1種以上が組み合わされて用いられることが、望ましい。更に、これらのアルカリ性物質の中でも、水酸化カリウムや水酸化ナトリウムにあっては、触媒活性が良好であるところから、特に水酸化ナトリウム、又は、水酸化ナトリウムと水酸化カリウムの混合物が好適に採用され得る。そして、水酸化ナトリウムと水酸化カリウムとの混合モル比率が、100:0〜90:10、好ましくは100:0〜98:2となるように用いられることが、望ましい。
けだし、本発明者が流動性を向上させるために種々検討した結果、鋳物砂に付着する粘結剤組成物由来の有機分や無機分の中でも、特に、アルカリ金属成分の蓄積が、混練砂の流動性及び得られる鋳型の強度に大きな影響を与えること、また、アルカリ金属成分の中でも、ナトリウム(Na)にあっては、鋳物砂に蓄積し難いことが明らかとなった。そして、鋳型用樹脂組成物に含まれる金属分中のNa分の割合を90モル%以上となるようにすると、鋳型用粘結剤組成物に含まれる金属成分が、鋳物砂粒子に蓄積するようなことが、著しく低減されることとなり、これにより、金属分の蓄積によって惹起される混練砂の流動性の低下が有利に抑制されるようになると共に、鋳物砂を再使用することが可能な回数も、有利に増大せしめられるからである(特願2003−100483号)。
また、上述せる如きアルカリ触媒の使用量としては、従来と同様な配合割合が採用され、一般に、フェノール化合物に対するアルカリ触媒のモル数が、0.1〜4倍モル程度、好ましくは0.2〜3倍モル程度となる使用量が、採用されることとなる。
そして、水溶性アルカリレゾール樹脂は、常法に従って、アルカリ触媒の存在下で、上記したフェノール化合物とアルデヒド化合物とを反応せしめることによって製造されることとなる。この際、得られる水溶性アルカリレゾール樹脂としては、目的とする粘結作用が有利に発現され得るように、一般に、500〜5000程度の重量平均分子量とされることが、望ましい。
かくして、常法に従って製造される水溶性アルカリレゾール樹脂は、水溶液の状態で得られ、そのような溶液状態のままで、本発明に従う鋳型用粘結剤組成物の主たる構成成分として、用いられることとなるのである。具体的には、水溶液状の水溶性アルカリレゾール樹脂には、有機エステル化合物(硬化剤)との混合に先立って、必要に応じて、各種の添加剤が適量において添加される。そして、このようにして調製された、水溶性アルカリレゾール樹脂を主成分とする鋳型用樹脂組成物が、上述せる如き有機エステル化合物と混合、接触されて、鋳型用粘結剤組成物を構成するのである。なお、鋳型用樹脂組成物中における固形分の含有量は、粘結作用が有利に得られるように適宜に設定され得るのであり、通常、10〜70重量%程度とされる。
また、水溶性アルカリレゾール樹脂の使用量としては、従来と同様な使用量が採用されるのであって、通常、鋳物砂の100重量部に対して、固形分換算で、0.1〜20重量部、好ましくは0.2〜5重量部となるように用いられることとなる。
なお、ここにおいて、上記した水溶性アルカリレゾール樹脂に対して、必要に応じて添加される添加剤としては、従来より一般的な鋳型用樹脂組成物において用いられている、公知の各種の添加剤が、何れも採用され得るのである。但し、かかる添加剤の配合によって、組成物中に金属分が含有せしめられる場合には、鋳物砂への金属分の蓄積を防止するために、アルカリ触媒由来の金属分と添加剤由来の金属分とを合わせて、全金属分中のNa分の割合が、モル比換算で、90%以上となるように、その添加量が適宜に設定されることが望ましい。
例えば、得られる鋳型の強度や、水溶性アルカリレゾール樹脂を主成分とする鋳型用樹脂組成物の経時変化を抑制して、或いは鋳型用樹脂組成物の粘度等を適度に調整して、水溶性アルカリレゾール樹脂による粘結作用をより一層有効に発揮させるために、水溶性アルカリレゾール樹脂に対して、従来より一般に、アルカリ成分が、調整剤として添加されているのであるが、本発明においても、そのような調整剤が、必要に応じて適宜に添加されることとなる。なお、かかる調整剤としては、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムを挙げることが出来るが、本発明においては、全金属分中のNa分が上述せる如き割合となるように、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムが用いられ、それらの添加量が設定されることが望ましいのである。
また、水溶性アルカリレゾール樹脂には、上記調整剤以外にも、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノ)プロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤や、尿素等の添加剤を、添加、含有せしめることが出来る。
かくして、上述せる如き水溶性アルカリレゾール樹脂に対して、各種の添加剤が必要に応じて添加された、該水溶性アルカリレゾール樹脂を主体とする鋳型用樹脂組成物と、硬化剤たる有機エステル化合物と、前記一般式(I)にて表されるトリメチロールプロパントリエステルとを組み合わせてなる鋳型用粘結剤組成物が、鋳物砂に混練され、所定の成形型に充填されることによって、目的とするエステル硬化型の自硬性鋳型が、造型されることとなるのである。
なお、かかる本発明に従う鋳型用粘結剤組成物は、上述せる如き3種の成分(水溶性アルカリレゾール樹脂、有機エステル化合物、トリメチロールプロパントリエステル)が組み合わされてなるものであり、(1)それら全ての成分が混合された一液型であっても、或いは、(2)水溶性アルカリレゾール樹脂分とエステル分(有機エステル化合物+トリメチロールプロパントリエステル)とが別個に準備される二液型であっても、或いは、(3)水溶性アルカリレゾール樹脂分と有機エステル化合物とトリメチロールプロパントリエステル(溶液状又は粉末状)とがそれぞれ別個に準備される三液型、又は二液+一固体型であっても良い。但し、上記(1)の場合には、それらの成分が混合された時点より、硬化が始まるところから、調製された一液型の鋳型用粘結剤組成物は、調製後、直ちに使用に供される必要があることは、勿論、言うまでもないところである。
ところで、本発明において、鋳物砂としては、鋳造に耐え得る耐火性と鋳型形成に適した粒径を有する粒子状のものであれば、その種類は何等制限されるものではなく、公知の各種の鋳物砂が何れも採用され得る。なお、このような耐火性粒子(鋳物砂)の具体例としては、例えば、主成分がSiO2 であって、従来より広く用いられている珪砂の他、オリビンサンド、ジルコンサンド、クロマイトサンド、アルミナサンド等の特殊砂、フェロクロム系スラグ、フェロニッケル系スラグ、転炉スラグ等のスラグ系粒子、合成ムライト砂等の多孔質粒子、砂鉄、カーボン粒子、ガラス粒子、及び陶磁器粒子等が挙げられ、これら耐火性粒子のうちの1種が単独で用いられたり、或いは、2種以上が組み合わされて用いられるのである。これらの中でも、合成ムライト砂にあっては、本発明において、混練砂の流動性が顕著に改善され得るのである。ちなみに、かかる合成ムライト砂は、アルミノ珪酸塩を主成分とするセラミックスの一種であり、その結晶構造は、化学組成が3Al23・2SiO2 にて表わされる、ムライト構造が主体となっており、耐破砕性に優れていると共に、熱安定性が非常に高い等の特徴を有している。しかしながら、合成ムライト砂は、多孔質であり、鋳物砂として使用した後、水溶性アルカリレゾール樹脂に由来する有機分や無機分を、他の鋳物砂に比して、蓄積し易い形状となっているのである。
なお、上述せる如き耐火性粒子(鋳物砂)は、新砂であっても、或いは、鋳物砂として、鋳型の造型に1回或いは複数回、使用された再生砂又は回収砂であっても、更には、そのような再生砂や回収砂に新砂を加えて混合した、混合砂であっても、何等差支えない。それらの中でも、回収後又は再生後の鋳物砂(回収砂又は再生秒)、特に合成ムライト砂の回収砂又は再生砂にあっては、従来より混練砂の流動性が悪化し易いことが問題となっているのであるが、本発明に従う鋳型用粘結剤組成物を用いれば、再使用時における混練砂の流動性の悪化が有利に防止され得るようになる。尤も、本発明の鋳型用粘結剤組成物を、新砂に対して使用しても、混練砂の流動性の低下が効果的に防止され得ることは、勿論、言うまでもないところである。
本発明において、「回収砂」とは、鋳型を鋳ばらし後、集められた鋳型塊を、クラッシャー等の従来から公知の破砕機を用いて、砂粒状になるまで、破砕して、砂粒状にしたものを意味し、また、「再生砂」とは、そのような回収砂に対して、所定の再生処理操作を施したものを意図している。なお、再生処理としては、一般に、鋳物砂粒子の表面に付着した付着物を、研磨によって取り除く摩耗式再生処理や、熱処理を施すことによって取り除く焙焼式再生処理等を例示することが出来るが、それらに何等限定されるものではなく、合成ムライト砂粒子の付着物を取り除くことが可能な処理であれば、従来から公知のものが、何れも採用され得る。
また、回収砂又は再生砂を用いる場合には、そのイグロス(IgLoss)、酸消費量、又はpHが、次のような値となるものが、本発明において、好適に用いられる。即ち、イグロスにあっては、2%以下、特に1.2%以下となるように、また酸消費量にあっては、35ml/50g以下、特に30m1/50g以下となるように、更に、pHにあっては、12.5以下、特に11.5以下となるように調整された再性砂や回収砂が、好適に用いられることとなるのである。ここにおいて、イグロスは、鋳物砂を、900℃にて1時間加熱し、冷却後、恒量になったときの減量を百分率で示したものであり、また、酸消費量は、再生砂や回収砂に残存する遊離のアルカリ金属等のアルカリ成分量を表わすものであり、日本鋳造技術協会規格:「JACT試験法S−4」に規定される「鋳物砂の酸消費量試験法」に準じて、測定され得るものである。また、pHは、日本鋳造技術協会規格:「JACT試験法S−3」に規定される「鋳物砂のpH試験法」に準じて、測定されるものである。
なお、例えば、再生砂や回収砂の酸消費量が35m1/50gを超えるようになると、鋳物砂(再生砂/回収砂)に対して、既に、多量の金属分が蓄積しているところから、良好な流動性を実現することが困難となる。
ところで、上述せる如き鋳型用粘結剤組成物と鋳物砂とを用いて、エステル硬化型の自硬性鋳型を造型するに際しては、従来から公知の手法が採用され得ることとなる。具体的には、先ず、鋳物砂を準備し、これに対して、水溶性アルカリレゾール樹脂を主成分とする鋳型用樹脂組成物と、硬化剤たる有機エステル化合物とを、それぞれ、適量において、充分に混練、混合することによって、鋳物砂の表面に鋳型用粘結剤組成物がコーティングされて、混練砂(鋳型用砂組成物)が形成される。この際、流動性向上成分たるトリメチロールプロパントリエステルは、取扱い上、有機エステル化合物中に添加されていることが望ましいが、混練時に、第三番目の成分として、鋳物砂に対して添加されても良く、その配合順序については、特に限定されるものではない。
そして、上述せる如くして得られた混練砂は、添加された硬化剤によって硬化反応が促進されるところから、直ちに、所望とする形状を与える成形型内に供給されて、賦形され、これにて、自硬性鋳型が製造されることとなる。
このような自硬性鋳型造型法にて製造された鋳型は、強度等の物性を高度に確保するものであり、砂中子等の砂型として、各種金属からなる鋳物製品の鋳造に、有利に用いられるのである。また、成形型への充填時において、混練砂の流動性が効果的に高められているところから、混練砂が成形型内に緊密に充填されることとなって、自硬性鋳型の品質が高度に確保され得ると共に、不良品の発生も効果的に低減され、歩留りが有利に高められることとなる。特に、そのような効果は、混練砂の流動性が悪化され易い、合成ムライト砂の回収砂や再生砂が用いられる際に、顕著に現われるのである。
以下に、幾つかの実施例を用いて、本発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明は、そのような実施例の記載によって、何等限定的に解釈されるものではないことが、理解されるべきである。
先ず、Na分の含有割合の異なる2種類の鋳型用樹脂組成物a及び鋳型用樹脂組成物bを、以下のようにして調製した。
−鋳型用樹脂組成物a(全金属分中のNa/K量=50/50モル%)−
フェノールの1190重量部に対して、92%パラホルムアルデヒドの825.6重量部と、水の1073.3重量部とを加え、湯浴上で還流加熱することにより、混合液が均一になるまで加温して、フェノールとパラホルムアルデヒドとを完全に溶解させた。その後、かかる水溶液を一旦冷却し、これに、アルカリ触媒として、131.9重量部の48%NaOH水溶液と184.6重量部の48%KOH水溶液との混合液を、徐々に滴下し、80℃まで徐々に昇温した後、その温度を保持して、還流下で反応させた。そして、反応液の粘度が、150mPa・s/50℃になった時点で冷却して、水溶性アルカリレゾール樹脂の合成を終了した。その後、かかる水溶性アルカリレゾール樹脂を含有する溶液に対して、更に、調整剤として、290.1重量部の48%NaOH水溶液と406.2重量部の48%KOH水溶液を添加し、その後、固形分が50%になるように、水を加えた。更に、かかる混合溶液の全重量に対し、その0.5%の重量のγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを添加することにより、鋳型用樹脂組成物aを調製した。
なお、固形分の測定は、アルミ箔製皿(縦:90mm、横:90mm、高さ:15mm)内に、試料10gを秤量して収容し、180±1℃に保持した加熱板上に置き、20分間放置した後、かかる試料皿を、反転させて、更に20分間、上記加熱板上に放置した。そして、その試料皿を加熱板上から取り出して、デシケーター中で放冷した後、秤量を行なって、次式により求めた。
固形分(%)={乾燥後の重量(g)/乾燥前の重量(g)}×100
−鋳型用樹脂組成物b(全金属分中のNa量:100モル%)−
フェノールの1190重量部に対して、92%パラホルムアルデヒドの825.6重量部と、水の1073.3重量部とを加え、湯浴上で還流加熱することにより、混合液が均一になるまで加温して、フェノールとパラホルムアルデヒドとを完全に溶解させた。その後、かかる水溶液を一旦冷却し、これに、アルカリ触媒として、263.7重量部の48%NaOH水溶液を、徐々に滴下し、80℃まで徐々に昇温した後、その温度を保持して、還流下で反応させた。そして、反応液の粘度が、150mPa・s/50℃になった時点で冷却して、水溶性アルカリレゾール樹脂の合成を終了した。その後、かかる水溶性アルカリレゾール樹脂を含有する反応液に対して、更に、調整剤として、580.2重量部の48%NaOH水溶液を添加し、その後、固形分が50%になるように、水を加えた。更に、かかる混合溶液の全重量に対し、その0.5%の重量のγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを添加することにより、鋳型用樹脂組成物bを調製した。
また、下記表1に示される各種添加物を、有機エステル化合物(硬化剤)であるトリアセチンの100重量部に対して、0〜7重量部(表1中、「添加量」参照)の割合で、添加することにより、各種のエステル硬化剤(有機エステル化合物と添加物の混合物)を調製した。
さらに、鋳物砂として、合成ムライト砂及び珪砂の新砂と、それらの再生砂を準備した。なお、合成ムライト砂としては、セラビーズ#650(伊藤忠セラテック株式会社製)を準備する一方、珪砂としては、石見銀砂5号砂(株式会社瓢屋製)を準備した。また、それらの再生砂は、以下のようにして準備した。
−合成ムライト砂の再生砂−
市販の合成ムライト砂:セラビーズ#650(伊藤忠セラテック株式会社製)の新砂1000重量部を用い、これに、前記鋳型用樹脂組成物aの15重量部と硬化剤たる有機エステル硬化剤:トリアセチンの3重量部とを混合、混練せしめて、得られた混練砂で、サンドメタル比(鋳型の重量と鋳造物の重量比)が3である、自硬性鋳型を造型した。次いで、その得られた鋳型を用いて、常法に従って、1420℃のFC鋳鉄溶湯の鋳造を行なった。そして、冷却の後、使用済みの鋳型を、砂粒状になるまでクラッシャーにて破砕することにより、回収砂を得た。更にその後、かかる回収砂に対して、研磨装置(2パタンシャイナー;大洋マシナリー株式会社製)を用いて、研磨再生処理を施し、再生回数が1回の再生砂の再生砂を得た。次いで、上記新砂の代わりに、得られた再生砂を用いて、上記と同様な操作を繰り返して、再生回数が計6回の再生砂を得た。なお、得られた再生砂は、イグロス:0.96(%)、酸消費量:25.1(ml/50g)、pH:9.8であった。
−珪砂の再生砂−
市販の珪砂:石見銀砂5号砂(株式会社瓢屋製)の新砂1000重量部を用い、これに、前記鋳型用樹脂組成物aの15重量部と硬化剤たる有機エステル硬化剤:トリアセチンの3重量部とを混合、混練せしめて、得られた混練砂で、サンドメタル比(鋳型の重量と鋳造物の重量比)が3である、自硬性鋳型を造型した。次いで、その得られた鋳型を用いて、常法に従って、1420℃のFC鋳鉄溶湯の鋳造を行なった。そして、冷却の後、使用済みの鋳型を、砂粒状になるまでクラッシャーにて破砕することにより、回収砂を得た。更にその後、かかる回収砂に対して、研磨装置(2パタンシャイナー;大洋マシナリー株式会社製)を用いて、研磨再生処理を施し、再生回数が1回の再生砂の再生砂を得た。次いで、上記新砂の代わりに、得られた再生砂を用いて、上記と同様な操作を繰り返して、再生回数が計6回の再生砂を得た。なお、得られた再生砂は、イグロス:0.85(%)、酸消費量:19.3(ml/50g)、pH:10.43であった。
上記のようにして準備された鋳型用樹脂組成物、エステル硬化剤、及び鋳物砂を、それぞれ用いて、下記表1に示される実施例1〜13及び比較例1〜6に係る自硬性鋳型を作製し、流動性の評価及び鋳型強度の測定を実施し、得られた結果を、下記表1に併せ示した。なお、流動性の評価及び鋳型強度の測定には、次の試験法を採用した。
<試験法>
−充填密度の測定(流動性の評価)−
下記表1に示される種類の鋳物砂の1000重量部に対し、下記表1に示される種類の鋳型用樹脂組成物の15重量部と、下記表1に示される種類の添加剤が添加されたエステル硬化剤の3重量部とを、添加、混練し、混練後2分経過した混練砂を、キャビティー寸法が直径:160mm×高さ:22mmの円盤状を呈する金型に、ブロー圧:0.1MPaで充填した。その後、充填された混練砂を取り出して重量を測定し、充填密度を、以下の式を用いて算出した。なお、かかる充填密度の値が大きい程、流動性が良好であることを示している。
充填密度=(キャビティー内に充填された混練砂の重量)/(キャビティー寸法)
−鋳型強度の測定−
下記表1に示される種類の鋳物砂の1000重量部に対し、下記表1に示される種類の鋳型用樹脂組成物の15重量部と、下記表1に示される種類の添加剤が添加されたエステル硬化剤の3重量部とを、添加、混練した後、得られた混練砂を、直ちに直径:50mm×高さ:50mmのテストピース木型に充填し、所定時間(15分、30分、又は24時間)、放置した後、抜型して、得られた鋳型の強度を抗圧力試験機:H3000D(高千穂精機社製)にて測定した。
Figure 2005186117
かかる表1の結果から明らかなように、前記一般式(I)にて表されるトリメチロールプロパントリエステルが添加された、実施例1〜13にあっては、そのような添加剤を添加していない比較例1〜6に比して、充填密度が有利に高められており、混練砂の流動性が良好であることが、分かる。また、実施例1〜13にあっては、鋳型に必要とされる強度を、充分に確保している。
また、Na分:100モル%の鋳型用樹脂組成物bを用いた実施例3と、Na分:50モル%の鋳型用樹脂組成物aを用いた実施例1を比較すると、実施例3の方が充填密度が高く、流動性に優れていることが明らかとなっている。

Claims (6)

  1. 水溶性アルカリレゾール樹脂と、硬化剤としての有機エステル化合物と共に、更に、下記一般式(I)にて表されるトリメチロールプロパントリエステルを組み合わせてなることを特徴とする鋳型用粘結剤組成物。
    Figure 2005186117
  2. 全金属分中のNa分の割合が、モル比換算にて90%以上となるように構成した請求項1記載の鋳型用粘結剤組成物。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の鋳型用粘結剤組成物を、鋳物砂に混練せしめることにより造型される自硬性鋳型。
  4. 前記鋳物砂が、合成ムライト砂である請求項3に記載の自硬性鋳型。
  5. 前記鋳物砂が、回収砂乃至は再生砂である請求項3又は請求項4に記載の自硬性鋳型。
  6. 鋳物砂に対して、水溶性アルカリレゾール樹脂と、硬化剤としての有機エステル化合物と、下記一般式(I)にて表されるトリメチロールプロパントリエステルとを、混練せしめた後、造型することを特徴とする自硬性鋳型の製造方法。
    Figure 2005186117
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