JP2005185063A - 電力変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐久性、信頼性に優れた小型の電力変換装置を提供すること。
【解決手段】半導体素子を内蔵してなると共にパワー端子21を有する複数の半導体モジュール2と、半導体モジュール2を冷却する冷却器3と、パワー端子21に接続され電力ラインを構成するバスバー4とを備えた電力変換装置1。パワー端子21とバスバー4との接続部12における、パワー端子21の断面積Spとバスバー4の断面積Sbとは、Sp≦Sbの関係を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は,パワー端子を有する複数の半導体モジュールと、該半導体モジュールを冷却する冷却器と、上記パワー端子に接続されるバスバーとを備えた電力変換装置に関する。
従来より、図16に示すごとく、複数の半導体モジュール92と、該半導体モジュール92を冷却する冷却器93と、上記半導体モジュール92のパワー端子に接続されるバスバー(図示略)とを備えた電力変換装置9がある(特許文献1参照)。上記冷却器93は、半導体モジュール92を挟持するように配設された複数の冷却管931を有する。
上記電力変換装置9においては、冷却器93を介して半導体モジュール92の熱を放熱している。
ところが、現在電気自動車やハイブリッド自動車等では、市場拡大に向けて大型車種への展開や動力性能の向上が図られており、交流モータから大きな駆動トルクを確保するため大きな駆動電流が必要となってきている。
それ故、その交流モータ向けの駆動電流を生成する上記電力変換装置9においては、該電力変換装置を構成するIGBT等の電力用半導体素子を含む半導体モジュール92からの発熱が大きくなる傾向にある。半導体モジュール92の発熱量が大きいと、冷却器93の冷却能力を上げる必要が生ずる。そのために、冷却器93の大型化を余儀なくされる。
そこで、上記半導体モジュール92の熱を、該半導体モジュール92のパワー端子から、これに接続されるバスバーを介して放熱することが考えられる。
しかし、上記バスバーの断面積がパワー端子の断面積よりも小さいと、パワー端子における電流密度よりも、バスバーにおける電流密度の方が大きくなる。そのため、上記バスバーの温度がパワー端子の温度よりも高くなり、この熱が半導体モジュール92に伝わり、却って冷却器93の冷却能力を更に向上させる必要が生ずる。その結果、冷却器93の大型化を余儀なくされ、ひいては電力変換装置9の大型化を招くこととなる。
また、バスバーが温度上昇することにより、半導体素子や、パワー端子とバスバーとの接続部に熱的ストレスを与えることとなるため、電力変換装置9の耐久性、信頼性を低下させるおそれがある。
なお、半導体モジュールのパワー端子をバスバーに直接接続した構造については、特許文献2に開示されているが、パワー端子及びバスバーの断面積に関する記載はない。
特開2001−320005号公報 特開2003−189621号公報
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、耐久性、信頼性に優れた小型の電力変換装置を提供しようとするものである。
本発明は、半導体素子を内蔵してなると共にパワー端子を有する複数の半導体モジュールと、該半導体モジュールを冷却する冷却器と、上記パワー端子に接続され電力ラインを構成するバスバーとを備えた電力変換装置であって、
上記パワー端子と上記バスバーとの接続部における、上記パワー端子の断面積Spと上記バスバーの断面積Sbとは、Sp≦Sbの関係を有することを特徴とする電力変換装置にある(請求項1)。
次に、本発明の作用効果につき説明する。
上記電力変換装置においては、パワー端子の断面積Spとバスバーの断面積Sbとが、Sp≦Sbの関係を有するため、パワー端子における電流密度よりも、バスバーにおける電流密度の方が大きくなることがない。それ故、上記バスバーが温度上昇することによって半導体モジュールにその熱が伝わるという不具合を防ぐことができる。
そして、半導体モジュールの熱を上記バスバーを通じて放熱することができるため、半導体モジュールの冷却器による冷却を補助することができる。その結果、冷却器の小型化を可能とし、ひいては電力変換装置の小型化を実現することができる。
また、バスバーがパワー端子よりも温度上昇することがないため、半導体素子や、パワー端子とバスバーとの接続部に熱的ストレスを与えることがなく、電力変換装置の耐久性、信頼性を向上させることができる。
以上のごとく、本発明によれば、耐久性、信頼性に優れた小型の電力変換装置を提供することができる。
本発明(請求項1)において、上記パワー端子の断面積及び上記バスバーの断面積は、電流の流れる方向に対して直交する平面による断面の断面積をいう。
また、上記バスバーは、その経路内における最も断面積の小さい部分における断面積Sb0が、Sp≦Sb0を満たすことが好ましい(請求項2)。
この場合には、バスバーを通じた半導体モジュールの放熱を、確実に行うことができる。仮に、上記バスバーの経路内に、パワー端子の断面積Spよりも小さい断面積となる部分があった場合、その部分の温度が著しく上昇し、その熱がパワー端子にまで伝わることも考えられる。そこで、Sp≦Sb0を満たすことにより、上記バスバーにおける発熱を充分に抑制し、バスバーを通じた半導体モジュールの放熱を、確実に行うことができる。
また、上記パワー端子と上記バスバーとの接続部における、上記パワー端子の厚みTpと上記バスバーの厚みTbとは、Tp≦Tbの関係を有することが好ましい(請求項3)。
この場合には、上記バスバーの幅を大きくする必要がないため、省スペース化を図ることができる。これにより、一層、電力変換装置の小型化を容易とすることができる。
また、上記バスバーは、その経路内における最も厚みの小さい部分における厚みTb0が、Tp≦Tb0を満たすことが好ましい(請求項4)。
この場合には、バスバーを通じた半導体モジュールの放熱を、確実に行うことができると共に、電力変換装置の小型化を容易とすることができる。
また、上記電力変換装置はインバータであって、上記半導体モジュールはIGBT素子やMOS型FET素子等の電力用スイッチング素子であることが好ましい(請求項5)。
この場合には、耐久性、信頼性に優れた小型の電力変換装置を提供することができる。
なお、上記インバータとしては、例えば、自動車用インバータ、産業機器用のモータ駆動インバータ、ビル空調用のエアコンインバータ等がある。
(実施例1)
本発明の実施例にかかる電力変換装置につき、図1〜図9を用いて説明する。
図1〜図3に示すごとく、本例の電力変換装置1は、半導体素子を内蔵してなると共にパワー端子21を有する複数の半導体モジュール2と、該半導体モジュール2を冷却する冷却器3と、上記パワー端子21に接続され電力ラインを構成するバスバー4とを備えている。
上記電力変換装置1はハイブリッド自動車用或いは電気自動車用インバータであって、上記半導体モジュール2はIGBT素子やMOS型FET素子等の電力用スイッチング素子である。
図5〜図8に示すごとく、上記パワー端子21と上記バスバー4との接続部12における、上記パワー端子21の断面積Spと上記バスバー4の断面積Sbとは、Sp≦Sbの関係を有する。
上記パワー端子21の断面積Sp及び上記バスバー4の断面積Sbは、電流の流れる方向に対して直交する平面による断面の断面積をいう。
また、上記パワー端子21と上記バスバー4との接続部12における、パワー端子21の厚みTpとバスバー4の厚みTbとは、Tp≦Tbの関係を有する。
図3に示すごとく、上記冷却器3は、積層配置された複数の冷却管31と、該複数の冷却管31を連結する連通部材32とを有する。また、冷却器3は冷媒入口33と冷媒出口34とを設けてなり、冷媒入口33から導入された冷却媒体は、連通部材32を介して各冷却管31を流れ、冷媒出口34から排出されるよう構成されている。
また、複数の冷却管31の間には、上記半導体モジュール2が配設されており、半導体モジュール2は冷却管31によって挟持されている。
これにより、上記冷却管31を流れる冷却媒体によって、半導体モジュール2を冷却する。
半導体モジュール2は、2つのパワー端子21と複数の制御端子22とを有する。そして、一方のパワー端子21は、モータに接続されたバスバー4aに電気的に接続されており、他方のパワー端子21は、電源に接続されたバスバー4bに電気的に接続されている。
上記バスバー4aは、図2、図4に示すごとく、板状体であって、パワー端子21に重なり合うと共に、互いの方向が直交するように接続されている。また、各半導体モジュール2のパワー端子21にそれぞれ接続された各バスバー4aは、図1に示すごとく、互いの絶縁を確保しつつ、モールド樹脂11によって一体化されている。
また、図1、図4、図7に示すごとく、バスバー4bは、基部41と該基部41から突出した複数の突出部42とからなり、該突出部42の一方の側面にパワー端子21が接続される。
バスバー4とパワー端子21とは、図2、図7に示すごとく溶接されている。図2、図7において、符号23が溶接部を示す。
また、上記バスバー4は、その経路内における最も断面積の小さい部分における断面積Sb0が、Sp≦Sb0を満たし、最も厚みの小さい部分における厚みTb0が、Tp≦Tb0を満たす。具体的には、図9に示すごとく、バスバー4bにおける基部41の断面積が、上記断面積Sb0となる。なお、本例においては、バスバー4a、4bは共に厚みが一定であるため、Tb0=Tbである。
次に、本例の作用効果につき説明する。
上記電力変換装置1においては、パワー端子21の断面積Spとバスバー4の断面積Sbとが、Sp≦Sbの関係を有するため、パワー端子21における電流密度よりも、バスバー4における電流密度の方が大きくなることがない。それ故、上記バスバー4の温度上昇により半導体モジュール2にその熱が伝わるという不具合を防ぐことができる。
そして、半導体モジュール2の熱を上記バスバー4を通じて放熱することができるため、半導体モジュール2の冷却器3による冷却を補助することができる。その結果、冷却器3の小型化を可能とし、ひいては電力変換装置1の小型化を実現することができる。
また、バスバー4がパワー端子21よりも温度上昇することがないため、半導体素子や、パワー端子21とバスバー4との接続部12に熱的ストレスを与えることがなく、電力変換装置1の耐久性、信頼性を向上させることができる。
また、パワー端子21の厚みTpとバスバーの厚みTbとは、Tp≦Tbの関係を有する。これにより、上記バスバー4の幅を大きくする必要がないため、省スペース化を図ることができる。それ故、一層、電力変換装置1の小型化を容易とすることができる。
また、上記バスバー4は、その経路内における最も断面積の小さい部分における断面積Sb0が、Sp≦Sb0を満たす。そのため、バスバー4を通じた半導体モジュール2の放熱を、確実に行うことができる。仮に、上記バスバー4の経路内に、パワー端子21の断面積Spよりも小さい断面積となる部分があった場合、その部分の温度上昇により、その熱がパワー端子21にまで伝わることも考えられる。そこで、Sp≦Sb0を満たすことにより、バスバー4における発熱を充分に抑制し、バスバー4を通じた半導体モジュール2の放熱を、確実に行うことができる。
なお、仮に、バスバー4の経路内に、パワー端子21の断面積Spよりも小さい断面積となる部分があっても、パワー端子21との接続部12から離れていれば影響は少ないが、究極的には、そのような部分がバスバー4の経路内にないことが好ましく、本例はそのような状態となっている。
ただし、パワー端子21の断面積Spよりも小さい断面積となる部分が接続部12以外にあっても、本発明の技術的範囲には含まれる。
以上のごとく、本例によれば、耐久性、信頼性に優れた小型の電力変換装置を提供することができる。
(実施例2)
本例は、図10〜図12に示すごとく、バスバー4cが、板棒状の平板部43と、該平板部43の端部から幅方向に突出すると共に約90°屈曲して立上がる立上部44とからなり、該立上部44においてバスバー4と半導体モジュール2のパワー端子21とを接続した例である。
この場合は、図12に示すごとく、パワー端子21とバスバー4cとを、両者の接続部12における同一平面で切断した断面(図11のG−G線矢視断面)において、パワー端子21の断面積Sp及び厚みTpと、バスバー4cの断面積Sb及び厚みTbとを比較して、Sp≦Sb、Tp≦Tbとなるようにする。
その他は、実施例1と同様である。
本例の場合にも、耐久性、信頼性に優れた小型の電力変換装置を提供することができる。その他、実施例1と同様の作用効果を奏する。
(実施例3)
本例は、図13〜図15に示すごとく、種々の形状のバスバー4と、それぞれのバスバー4と半導体モジュール2のパワー端子21との接続状態を示した例である。
図13に示すバスバー4dは、実施例1におけるバスバー4aと同様に平板状の形状を有し、パワー端子21に重ね合わせると共に互いの方向が直交するように接続されている。
図14に示すバスバー4eは、実施例1におけるバスバー4bと同様の形状を有し、基部41と複数の突出部42とを有する。そして、該突出部42においてパワー端子21と接続されている。
図15は、図13に示すバスバー4dを一方のパワー端子21に接続し、実施例2に示すバスバー4cを他方のパワー端子21に接続した状態を示す。
これらの場合にも、上記実施例1、2において示した方法で、パワー端子21の断面積Sp及び厚みTpと、バスバー4の断面積Sb及び厚みTbとを比較して、Sp≦Sb、Tp≦Tbとなるようにする。
その他は、実施例1と同様である。
本例の場合にも、耐久性、信頼性に優れた小型の電力変換装置を提供することができる。その他、実施例1と同様の作用効果を奏する。
実施例1における、パワー端子とバスバーとの接続状態を示す電力変換装置の平面図。 実施例1における、図1のA−A線矢視断面相当の電力変換装置の断面図。 実施例1における、バスバーを省略した電力変換装置の平面図。 実施例1における、パワー端子にバスバーを接続した半導体モジュールの斜視図。 図4のB−B線矢視断面図。 図5のC−C線矢視断面図。 図4のD−D線矢視断面図。 図7のE−E線矢視断面図。 図7のF−F線矢視断面図。 実施例2における、パワー端子にバスバーを接続した半導体モジュールの斜視図。 実施例2における、パワー端子にバスバーを接続した半導体モジュールの側面図。 図11のG−G線矢視断面図。 実施例3における、パワー端子にバスバー4dを接続した半導体モジュールの斜視図。 実施例3における、パワー端子にバスバー4eを接続した半導体モジュールの斜視図。 実施例3における、パワー端子にバスバー4c、4dを接続した半導体モジュールの斜視図。 従来例における、パワー端子とバスバーとの接続状態を示す電力変換装置の平面図。
符号の説明
1 電力変換装置
12 接続部
2 半導体モジュール
21 パワー端子
3 冷却器
4、4a〜4e バスバー
Sb バスバーの断面積
Sp パワー端子の断面積

Claims (5)

  1. 半導体素子を内蔵してなると共にパワー端子を有する複数の半導体モジュールと、該半導体モジュールを冷却する冷却器と、上記パワー端子に接続され電力ラインを構成するバスバーとを備えた電力変換装置であって、
    上記パワー端子と上記バスバーとの接続部における、上記パワー端子の断面積Spと上記バスバーの断面積Sbとは、Sp≦Sbの関係を有することを特徴とする電力変換装置。
  2. 請求項1において、上記バスバーは、その経路内における最も断面積の小さい部分における断面積Sb0が、Sp≦Sb0を満たすことを特徴とする電力変換装置。
  3. 請求項1又は2において、上記パワー端子と上記バスバーとの接続部における、上記パワー端子の厚みTpと上記バスバーの厚みTbとは、Tp≦Tbの関係を有することを特徴とする電力変換装置。
  4. 請求項3において、上記バスバーは、その経路内における最も厚みの小さい部分における厚みTb0が、Tp≦Tb0を満たすことを特徴とする電力変換装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項において、上記電力変換装置はインバータであって、上記半導体モジュールはIGBT素子やMOS型FET素子等の電力用スイッチング素子であることを特徴とする電力変換装置。
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