JP2005181919A - 液晶セルスペーサ及び液晶パネル - Google Patents

液晶セルスペーサ及び液晶パネル Download PDF

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Abstract

【課題】液晶の配向異常を抑制し、光抜け及び液晶割れを防止でき、かつ乾式散布時に発生する凝集を防止できる液晶セルスペーサを得る。
【解決手段】単量体の重合によって得られる合成樹脂系微粒子からなり、前記合成樹脂系微粒子の表面に、化学的エッチング処理による微細孔が設けられていることを特徴とする液晶セルスペーサを提供する。化学的エッチング処理は、酸性又はアルカリ性のエッチング液による処理でよく、酸又はアルカリ、界面活性剤及び有機溶剤を必須成分とするエッチング液を用いることもできる。
【選択図】なし

Description

本発明は、スペーサの周りやスペーサ間での液晶の配向の異常を抑制し、通電時に発生する光抜けを防止することができる液晶セルスペーサ及び液晶パネルに関する。具体的には、本発明は、化学的エッチング処理でスペーサ表面に微細孔を形成することにより、液晶とスペーサとの界面における液晶分子の配向を物理的に規制し、液晶の配向異常に起因する光抜けの防止と、液晶の規制範囲が広過ぎることに起因する液晶割れの防止との両立を可能にする液晶セルスペーサ及び液晶パネルに関する。また、本発明は、乾燥粒子の流動性が増加して乾式散布性能が向上し、透明スペーサ及び着色スペーサとして有効な液晶セルスペーサ、及びコントラストの高い良好な液晶パネルに関する。
近年、液晶表示装置は、モバイル用途やタッチパネル用途向け等に広く使用され、高画質化、大画面化に伴い、表示品質の良好なことが強く求められている。しかしながら、かかる液晶表示装置の素子において、液晶とスペーサとの界面で液晶の配向が変則的となって異常配向現象が起こり、それに起因する光抜けが原因となって、品質低下が起こる。特に、スーパーツイステッドネマチック液晶(以下、「STN液晶」と称する。)モードの液晶表示素子においては、かかる液晶の異常配向が起こり易い。
かかる異常配向現象に起因する問題を解決する方法として、スペーサ表面へ直鎖アルキル基を導入し、液晶分子をスペーサ表面へ垂直配向させる方法により異常配向現象の発生を回避することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平8−328018号公報
しかしながら、本発明者は、特許文献1のような方法では、スペーサと液晶との界面での液晶の異常配向現象を防止することについては一定の効果があるものの、液晶の規制範囲が広過ぎるため、新たな問題としてディスクリネーション、すなわち、スペーサとスペーサとの間の液晶が繋がったように見える現象(以下、「液晶割れ」と称する。)が発生し、表示品質を大きく低下させることを見出した。また、特許文献1のように直鎖アルキル基で修飾すると、アルキル同士の絡みつき現象が現れ、分散媒を使用しない乾式散布においては凝集が発生し、表示性能を大幅に低下させる傾向が強い。
そこで、本発明の課題は、従来解決ができなかった問題点を解決しようとするもので、その目的とするところは、液晶パネルの液晶割れを防止するのに有用な液晶セルスペーサを提供することである。さらに、本発明の課題は、液晶とスペーサとの界面やスペーサ間での液晶の配向の異常を抑制し、通電時に発生する光抜け及び液晶割れのどちらをも防止することであり、これらに有用で、かつ乾式散布時に発生する凝集を防止することもできる液晶セルスペーサ及びこれを用いる液晶パネルを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明者は、種々の微粒子を試作して詳しく研究した。その結果、スペーサ表面の化学的なエッチングによって形成した微細孔の物理的な力が液晶分子を好首尾に規制することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、単量体の重合によって得られる合成樹脂系微粒子からなり、前記合成樹脂系微粒子の表面に、化学的エッチング処理による微細孔が設けられていることを特徴とする液晶セルスペーサに係るものである。
本発明の液晶セルスペーサによれば、単量体の重合によって得られる合成樹脂系微粒子の表面に、化学的エッチング処理による微細孔が設けられており、かかる微細孔による液晶分子の配向規制力により、液晶パネルに用いた場合に、配向規制に有効な長鎖アルキル基のみの場合の液晶規制範囲よりも規制範囲はより一層狭いため、液晶割れを起こすことがない。さらに、かかる微細孔は凝集や光抜けを物理的に防止することもできる。
(1)液晶セルスペーサ
単量体の重合によって得られる合成樹脂系微粒子であって、その表面に化学的エッチング処理による微細孔が設けられたものである。かかる微細孔は、液晶割れを生じさせることのないような液晶規制範囲を示す大きさ、形状、範囲等の微細な孔であり、特に、それと同時に、非通電時及び通電時の光抜けを物理的に防止でき、且つ乾式散布時にスペーサの凝集を発生させないものが好ましい。
(2)合成樹脂系微粒子
単量体の重合によって得られる。合成樹脂系微粒子には、化学的エッチングが可能な無機有機複合体粒子のような複合体微粒子も含まれる。
(3)合成樹脂系微粒子の製造方法
単量体の重合方法としては、特に限定されず、乳化重合法、懸濁重合法、シード重合法等を用いることができる。特に、本発明の液晶セルスペーサを製造する場合は、水媒体中での乳化重合法や懸濁重合法等が好ましい。
架橋高分子材料の水系懸濁重合により、合成樹脂系微粒子を形成することができる。かかる架橋高分子材料には、単量体としての多官能モノマーを用いることができる。多官能モノマーには、エチレンジ(メタ)アクリレート、プロピレンジ(メタ)アクリレート類、ブチレンジ(メタ)アクリレート類、ヘキシレンジ(メタ)アクリレート類、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート類、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、アルリル(メタ)アクリレート、メタアルリル(メタ)アクリレート、トリアルリル(メタ)アクリレート、トリアルリル(イソ)シアヌレート、トリアルリルトリメライト、ジビニルベンゼン類、ジ(メタ)アルリルフタレート類、ジ(メタ)アクリロイルオキシエチルフタレート類、ビニルフェニル(メタ)アリルエーテル類、ジ(メタ)アルリルアクリルアミド等が挙げられる。
架橋高分子材料の原料中には、上記多官能モノマーと共重合し得る単官能モノマーを加えてもよい。単官能モノマーの例としては、メチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、(メタ)アクリロニトリル、マレインサンジメチル、フマル酸ジメチル、マレイン酸、フマル酸、(メタ)アクリル酸、イタコン酸等を挙げることができる。
上記の原料中における、多官能モノマーと単官能モノマーとのモル比としては単量体の合計を100モル%とした時、多官能モノマーの比率を50モル%以上とすることが好ましく、70〜100モル%とすることが更に好ましい。このように、多官能モノマーの比率を多くすると、有機溶剤にもほとんど膨潤しない架橋高分子が得られる。
重合に用いるラジカル重合開始剤としては、一般に用いられる油溶性重合開始剤が使用できる。例えば、過酸化ベンゾイル、o−クロロ過酸化ベンゾイル、o−メトキシ過酸化ベンゾイル等の過酸化物系開始剤、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2−2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系開始剤が使用できる。
スペーサを球状体として安定に製造するためには水系懸濁重合を用いることができる。水系懸濁重合においては、一種以上の懸濁安定剤を用いることができる。懸濁安定剤を例示すると、ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、ポリ(メタ)アクリル酸塩、又はその共重合体、ポリアクリルアミド又はその共重合体、部分ケン化ポリアクリルアミド、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等の水溶性高分子、リン酸カルシウム類、炭酸カルシウム等の無機塩粉体等がある。
スペーサを粒状体として安定に製造するためには水系乳化重合を用いることができる。水系乳化重合においては、一種以上の乳化剤を用いることができる。乳化剤としては、ラウリン酸ソーダ、オレイン酸ソーダ等の高級脂肪酸塩、ラウリル硫酸ソーダ等のアルキル硫酸塩類、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ等のアルキルベンゼンスルホン酸類等のアニオン系界面活性剤等を例示することができる。
また、上記懸濁重合法の他に、シード重合法を用いることもできる。すなわち、水系分散媒に分散された種ポリマー粒子に、疎水性単量体とこれら以外のラジカル重合可能な重合性単量体を吸収させ、重合開始剤の存在下に重合させることもできる。疎水性単量体の例としては、スチレン、ジビニルベンゼン等のスチレン系モノマー、グリシジル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、メチレンビスアクリルアミド等の(メタ)アクリル酸エステル系モノマー、エチレン、ブタジエン、塩化ビニル、ジビニロキシブタン等のオレフィン系モノマーが挙げられる。
複合体微粒子としては、特に限定はされないが、例えば、有機ポリマー骨格と、前記有機ポリマー骨格中で、少なくとも1個の炭素原子にケイ素原子が直接化学結合した有機ケイ素を分子内に有する球状微粒子を挙げることができる。これら微粒子は、染料及び/又は顔料を含ませること等により着色されていてもよい。
(4)化学的エッチング処理
合成樹脂系微粒子の表面に微細孔を生じさせる処理である。種々の化学的エッチング方法が含まれる。
好ましくは、化学的エッチング処理は、酸性又はアルカリ性のエッチング液を用い、特に、酸又はアルカリ、界面活性剤及び有機溶剤を必須成分とするエッチング液を用いることができる。また、界面活性剤や有機溶剤を用いない場合は、不均一な処理となり、得られる微粒子の散布性、光抜け防止効果が不充分となる虞があるが、液晶割れの発生はない。
エッチング液としては、前記酸として、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸及び過塩素酸等からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸を含有する酸性液を用いることができ、前記アルカリとして、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム及びアンモニア等からなる群より選ばれる少なくとも1種のアルカリを含有するアルカリ性液を用いることができる。
酸又はアルカリの濃度は、任意に設定することができる。但し、酸又はアルカリが強過ぎると、粒子の平均粒子径が小さくなり、物性の低下が大きくなる傾向がある。また、異常配向が起こり、光抜けや凝集を起こす傾向がある。酸又はアルカリの濃度は、1〜80重量%、更に5〜70重量%が好ましい。なお、 酸は高い濃度でも良いが、アルカリは濃度が高いと粒子が溶解してしまうため低めの濃度がよい。
前記界面活性剤としては、ノニオン系の界面活性剤を用いることができ、前記有機溶剤としては、水と任意の割合で溶解する水混和性有機溶剤を用いることができる。これらの成分を必須成分とすると、微粒子を均一に分散させて安定な処理が行なえるため、特に有利である。
ノニオン系界面活性剤としては、トリトンX−100のようなものがあり、種々の種類を用いることができ、水混和性有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール等のプロパノール、ブタノール等の低級アルコール、アセトン、ジメチルケトン、メチルエチルケトン、メチルケトン等のケトン類、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル等のエーテル類が挙げられる。
(5)化学的エッチング処理の条件
種々の条件を設定することができる。処理温度は、好ましくは50〜90℃、より好ましくは60〜80℃である。処理温度が低いと微細孔が形成され難い一方、処理温度が高いとスペーサとしての力学的な強度の低下が起こり易い。合成樹脂系微粒子の材質、大きさ等の関係から、エッチング液濃度、処理温度、処理時間等を変えることで、適当な微細孔のものに制御すればよい。
(6)化学的エッチング処理の作用
乾式ではなく湿式での化学的なエッチングのため、低温プラズマ処理のような物理的なエッチング現象と異なり、スペーサ表面に均一に微細孔が形成される。その微細孔が液晶分子を好適に規制することにより、液晶分子が、スペーサ表面の水平方向へ沿って配列することが避けられ、垂直に配向する。このことにより、液晶割れが防止でき、スペーサと液晶との界面及びスペーサ間の液晶の光抜けが有効に防止され、コントラストに優れた液晶表示が得られる。
かかるスペーサは、液晶割れの防止及び異常配向の防止の両立を可能にする。また、かかるスペーサは、粒子同士の接触面積が小さくなるため、粒子間の流動性が向上し、乾式散布性が良好である。さらに、かかるスペーサは、前記化学的エッチング処理を施された合成樹脂系微粒子が着色粒子である場合も含むことができ、着色粒子に化学的エッチングすることによっても、その効果は持続し、更に液晶表示のコントラストを上げることができる。
(7)液晶パネル
このように、化学的エッチング処理を施された合成樹脂系微粒子を液晶セルスペーサとして用いた液晶パネルは、従来の種々の問題点を解決することができ、液晶パネルとしての品質が高い。液晶パネルは、例えば、一対の基板と前記各基板の間に介在する液晶と前記各基板の間を所定の間隔に維持する液晶セルスペーサとを備える。
本発明の液晶パネルは、以上のようにして得られる微粒子を液晶セルスペーサとして用いる。液晶セルスペーサは、単量体の重合によって得られる合成樹脂系微粒子からなり、その表面に、化学的エッチング処理による微細孔が設けられている。
液晶セルスペーサとして用いられる微粒子の平均粒子径は、目的、液晶パネルの機能等によって異なることができるが、通常、2〜12μm程度である。なお、粒子径分布が広い微粒子を液晶表示パネルに組み込んだ場合には、パネル内の2枚の透明電極の間隔を一定に保つことができず、表示の際に色むらの発生原因となるため、粒径分布の標準偏差がその粒子径の20%以下、更には10%以下であることが好ましい。したがって、得られる架橋重合体微粒子の粒子径分布が広い場合には、水簸分級法、湿式サイクロン法、乾式法により分級するのが好ましい。
以下に実施例を挙げて本発明を詳しく説明する。本発明は、これら実施例のみに限定されるものではない。
<実施例1>
微粒子表面の酸(硫酸)による化学的エッチング(80℃10時間)
セパラブルフラスコ中へ、スペーサ〔早川ゴム(株)製、L−11、粒径5.75μm〕24重量部、IPA(2−プロパノール)16.6重量部、脱イオン水16.6重量部、ノニオン系界面活性剤〔和光純薬工業(株)製:トリトンX−100〕30%水溶液0.1重量部を投入し、超音波処理を行ない、分散液を作製する。
次に、この分散液を充分攪拌しながら、64%硫酸水〔和光純薬工業(株)製〕150.5重量部を滴下後、80℃10時間の条件で、酸による化学的エッチングを行なう。エッチング終了後、熱脱イオン水による充分な洗浄を行なって後に乾燥させ、スペーサ粒子を得る。スペーサ粒子の平均粒子径は5.75μmである。
<実施例2>
酸(硫酸)による化学的エッチング(80℃20時間)
酸による化学的エッチングの時間を80℃で20時間行なう以外は実施例1と同様の操作を行ない、スペーサ粒子を得る。スペーサ粒子の平均粒子径は5.75μmである。
<実施例3>
酸(塩酸)による化学的エッチング
酸性エッチング液を64%硫酸水から40%塩酸〔和光純薬工業(株)製〕へ代える以外は実施例1と同様の操作を行ない、スペーサ粒子を得る。スペーサ粒子の平均粒子径は5.75μmである。
<実施例4>
酸(硝酸)による化学的エッチング
酸性エッチング液を64%硫酸水から35%硝酸溶液〔和光純薬工業(株)製〕へ代える以外は実施例1と同様の操作を行ない、スペーサ粒子を得る。スペーサ粒子の平均粒子径は5.75μmである。
<実施例5>
酸(燐酸)による化学的エッチング
酸性エッチング液を64%硫酸水から60%燐酸溶液〔和光純薬工業(株)製〕120重量部へ代える以外は実施例1と同様の操作を行ない、スペーサ粒子を得る。スペーサ粒子の平均粒子径は5.75μmである。
<実施例6>
アルカリ(水酸化ナトリウム)による化学的エッチング(80℃10時間)
セパラブルフラスコ中へ、スペーサ〔早川ゴム(株)製、L−11、粒径5.75μm〕16重量部、IPA15.2重量部、脱イオン水15.2重量部、ノニオン系界面活性剤トリトンX−100の30%水溶液0.1重量部を投入し、超音波処理を行ない、分散液を作製する。
次に、この分散液を充分攪拌しながら、0.1モル/Lの水酸化ナトリウム溶液〔和光純薬工業(株)製〕246重量部を滴下後、80℃10時間の条件で、アルカリによる化学的エッチングを行なう。エッチング終了後、熱脱イオン水による充分な洗浄を行なって後に乾燥させ、スペーサ粒子を得る。スペーサ粒子の平均粒子径は5.75μmである。
<実施例7>
アルカリ(水酸化ナトリウム)による化学的エッチング(80℃20時間)
アルカリによる化学的エッチングの時間を80℃で20時間行なう以外は実施例6と同様の操作を行ない、スペーサ粒子を得る。スペーサ粒子の平均粒子径は5.75μmである。
<実施例8>
アルカリ(水酸化カリウム)による化学的エッチング
アルカリ性エッチング液を0.1モル/Lの水酸化ナトリウム溶液から0.1モル/Lの水酸化カリウム溶液〔和光純薬工業(株)製〕へ代える以外は実施例6と同様の操作を行ない、スペーサ粒子を得る。スペーサ粒子の平均粒子径は5.75μmである。
<実施例9>
着色粒子の化学的エッチング
被エッチング処理スペーサを、早川ゴム(株)製、L−11、粒径5.75μmから特開2000−319529号公報記載の製造方法にて得られる着色粒子(粒径5.9μm)
に代える以外は実施例1と同様の操作を行ない、スペーサ粒子を得る。平均粒子径は5.9μmである。
<実施例10>
エッチング液成分の検討
IPA、界面活性剤を添加しない以外は実施例1と同様の操作を行ない、スペーサ粒子を得る。スペーサ粒子の平均粒子径は5.75μmである。
<実施例11>
エッチング液濃度の検討
0.1モル/Lの水酸化ナトリウム溶液の代わりに5モル/Lの水酸化ナトリウム溶液を用いる以外は実施例6と同様の操作を行ない、スペーサ粒子を得る。スペーサ粒子の平均粒子径は4.9μmである。
<比較例1>
実施例1の被エッチング処理スペーサ〔早川ゴム(株)製、L−11、粒径5.75μm〕をそのまま液晶スペーサとして用いる。
<比較例2>
セパラブルフラスコ中で、特開2000−319529号公報記載の製造方法にて得られる着色粒子(粒径5.9μm)5重量部を1,4−ジオキサン100重量部中に分散させる。次に、この分散液を充分撹拌しながら、ドデカノイルクロライド〔和光純薬工業(株)製〕10重量部を滴下後に60℃10時間の条件で粒子表面をアルキル鎖で修飾し、アセトンによる充分な洗浄を行なって後に乾燥させ、スペーサ粒子を得る。スペーサ粒子の平均粒子径は5.9μmである。
得られた微粒子を液晶セルスペーサとして用いた液晶表示素子の評価を行なう。結果を表1に示す。
評価方法
各パラメータは、以下のようにして測定する。
<粒子径>
粒子径及び粒子径分布の測定には、コールターカウンターZM/VC−256(ベックマンコールター社製)を用い、約3万個を測定し平均化して値を示す。使用に際しては、同社製標準粒子を用いて矯正する。
<力学的強度>
力学的強度については、微小圧縮試験機〔MCTM−200型、(株)島津製作所製〕を用いて、10%圧縮強度、圧縮回復性を測定する。以下、測定方法について述べる。
10%圧縮強度は、試料台上に散布した試料粒子1個について、粒子径dを付属の顕微鏡測定機で求めて後、粒子の中心方向へ0.675g/秒の圧縮速度で試料粒子が破壊するまで荷重をかけ、粒子の初期10%圧縮弾性率時の荷重Pを式:G=28P/πdに適用し求める。このようにして、20℃における10%圧縮強度G値(kgf/mm)を算出する。この操作を直径が最も平均的と観察される異なる5個の粒子について行ない、その平均値を粒子の10%圧縮強度とする。100%回復率は、粒子の中心方向に1grfまで荷重をかけて後、荷重を0grfまで除荷する。この間のデータを変位−荷重曲線に記録し、原点から1grfまでの変位(L)に対する、0grfに除荷した際の回復変位(L)の測定値の割合を百分率で表す。この際の圧縮強度は0.029g/秒のものを用いる。なお、必要な場合は1kgf≒9.80665Nで換算する。
<散布性、張り合わせ時のスペーサ破壊、液晶スペーサ界面およびスペーサ間の光抜け評価>
透明電極及び配向膜を有するガラス基板を脱脂綿でラビングして配向処理し、得られるスペーサ粒子を液晶表示装置用スペーサとして用い、乾式散布装置DSPA‐μR〔日清エンジニアリング(株)製〕によってその基板上へ散布する。Nガス流量3.0kgf/cm、配管はマイナス配管とする。このとき、フィーダ回転数をガラス基板上へのスペーサの散布量が100〜120個/mmになるように調整する。このようにして得られるガラス基板を光学顕微鏡により観察し散布性を評価する。
次に、他方のガラス基板の周辺に周辺シール材を形成して後、ラビング方向が240度の角度になるように両者を張り合わせる。この後、160℃で3時間処理してシール剤を硬化させ空セルを作製する。このようにして得られる空セルに所定量のSTN型液晶を注入して後、その注入口を塞ぎ、ガラス基板の表面に偏向フィルムを貼り付けノーマリーブラックモードである液晶表示パネルを作製する。
この液晶表示パネル内で、張り合わせ時に破壊する液晶スペーサの有無、及び上下の透明電極間に2.5Vの電圧をかける際に起こる液晶スペーサ界面の光抜け、液晶スペーサ間のディスクリネーション(液晶割れ)を透過型顕微鏡にて観察する。
Figure 2005181919
表1に示すように、実施例1〜9では、得られる液晶表示素子は2.5Vの電圧をかけても液晶分子と液晶スペーサ界面の異常配向が全く観察されず、液晶分子と液晶スペーサとの界面で液晶分子の垂直配向が起こっていることが確認される。液晶スペーサ間のディスクリネーション線も、張り合わせ時の液晶スペーサの破壊も全く観察されない。また、ガラス基板上へ散布した液晶スペーサに凝集についても全く観察されない。
実施例10では、液晶割れの防止は十分可能であるが、粒子の分散が十分でなく凝集があったため、エッチング処理が不安定な粒子が多数存在し、得られた液晶表示素子は2.5Vの電圧をかけた際に液晶分子と液晶スペーサとの界面での液晶分子の異常配向が起こり光抜けを起こす粒子と光抜けを起こさない粒子が混在する。張り合わせ時の液晶スペーサ破壊については観察されない。実施例11では、液晶割れの防止は十分可能であるが、スペーサ粒子の平均粒子径は、4.9μmと小さくなり、物性の低下が大きく、張り合わせにより破壊された粒子が多く見られる。また、得られた液晶表示素子は2.5Vの電圧をかけた際に液晶分子と液晶スペーサとの界面での液晶分子の異常配向が起こり、光抜けを起こす傾向がある。これはエッチング処理が強過ぎるためと考えられる。ガラス基板上へ散布した液晶スペーサには、凝集が多く見られる。
比較例1では、得られる液晶表示素子は、2.5Vの電圧をかけた際に液晶分子と液晶スペーサとの界面での液晶分子の異常配向が起こり、光抜けを起こす粒子が多く発生する。張り合わせ時の液晶スペーサ破壊については観察されない。しかし、ガラス基板上へ散布した液晶スペーサには凝集が多くみられる。比較例2では、得られた液晶表示素子は2.5Vの電圧をかけても液晶分子と液晶スペーサ界面の異常配向が観察されず、液晶分子と液晶スペーサとの界面で液晶分子の垂直配向が起こることが確認される。しかし、液晶を規制する範囲が広過ぎることから液晶スペーサ界面でなく、その周りの液晶分子の配向が乱れ、液晶スペーサ間のディスクリネーション線が多数発生することが観察される。ガラス基板上へ散布した液晶スペーサには、アルキル同士の絡みつきによる凝集が多く見られる。張り合わせ時のスペーサ破壊については観察されない。
本発明の液晶セルスペーサは、合成樹脂系微粒子の表面に化学的エッチング処理を施すことによって製造することができる。化学的エッチング処理が形成する微細孔は、その液晶分子の配向規制力により、光抜け防止に加えて、液晶割れを防止することができ、液晶パネル用スペーサとして有用である。本発明の液晶パネルは、かかる液晶セルスペーサを用いて製造することができ、液晶分子の異常配向の防止のみならず、液晶割れの防止が可能となり、コントラストに優れた液晶表示を提供する。

Claims (7)

  1. 単量体の重合によって得られる合成樹脂系微粒子からなり、前記合成樹脂系微粒子の表面に、化学的エッチング処理による微細孔が設けられていることを特徴とする液晶セルスペーサ。
  2. 前記化学的エッチング処理が、酸又はアルカリ、界面活性剤及び有機溶剤を必須成分とするエッチング液によることを特徴とする請求項1記載の液晶セルスペーサ。
  3. 前記エッチング液が、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸及び過塩素酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸を含有することを特徴とする請求項2記載の液晶セルスペーサ。
  4. 前記エッチング液が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム及びアンモニアからなる群より選ばれる少なくとも1種のアルカリを含有することを特徴とする請求項2記載の液晶セルスペーサ。
  5. 前記界面活性剤がノニオン系の界面活性剤であり、前記有機溶剤が水混和性有機溶剤であることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項記載の液晶セルスペーサ。
  6. 着色粒子であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載の液晶セルスペーサ。
  7. 一対の基板と前記各基板の間に介在する液晶と前記各基板の間を所定の間隔に維持する液晶セルスペーサとを備える液晶パネルであって、
    前記液晶セルスペーサが、単量体の重合によって得られる合成樹脂系微粒子からなり、前記合成樹脂系微粒子の表面に、化学的エッチング処理による微細孔が設けられていることを特徴とする液晶パネル。

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