JP2005181070A - 透明板状体の欠点検出方法及び欠点検出装置 - Google Patents

透明板状体の欠点検出方法及び欠点検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 透明板状体の表面欠点のみを検出可能にした透明板状体の欠点検出方法及び欠点検出装置を提供すること。
【解決手段】 欠点検出装置1は、線状照明光2を透明ガラス基板3の表面3aに斜めに照射する照明装置4と、表面3aで正反射した線状照明光2を受光するラインセンサ5と、画像処理装置6と、表示装置7と、遮蔽板8〜10とを備える。ラインセンサ5の出力に基づき透明ガラス基板3に存在する欠点を検出する。線状照明光2が透明ガラス基板3の表面3aで正反射した線状の表面反射光2Aと、線状照明光2が透明ガラス基板3の裏面3bで反射した線状の裏面反射光2Bとが分離されるように、線状照明光2の幅を第1遮蔽板8及び第2遮蔽板9により調整し、線状の表面反射光2Aをラインセンサ5で受光する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、液晶表示装置やプラズマ表示装置などに用いる透明ガラス基板等の透明板状体の欠点を検出する透明板状体の欠点検出方法及び欠点検出装置に関するものである。
液晶表示装置やプラズマ表示装置等のフラットパネルディスプレイに用いる透明ガラス基板(以下、ガラス基板という)の検査では、欠点の種類や欠点のある厚み方向の位置により欠点サイズ等の欠点規格が異なっている。例えば、表面に薄膜や透明電極などが形成されるガラス基板では、表面が最も重要であるため、「内部の泡」及び「裏面の破れ泡」の欠点規格は数百ミクロンオーダであるが、表面の凹みである「表面の破れ泡」の欠点規格は数十ミクロンオーダである。同様の理由から、内部及び裏面の「異物」や「異物跡」の欠点規格は数百ミクロンオーダであるが、表面の「異物」や「異物跡」の欠点規格は数十ミクロンオーダである。ガラス基板のオンライン検査において、欠点検出装置が検出した欠点候補に対して、検査作業者は数百ミクロンオーダなら欠点を区別可能であるが、数十ミクロンオーダでは顕微鏡などによる拡大が必要になるため、短いタクトタイム内で検査するのが難しくなる。このような欠点規格の違いに対応するために、表面に薄膜などが形成されるガラス基板では、最も重要である表面の欠点のみを検出できる装置や、ガラス基板の厚み方向のどの位置にある欠点であるかを識別できる装置が必要となる。
従来、ガラス基板の表面にある欠点を検出する技術が知られている(例えば、特許文献1,2及び3参照)。
特許文献1に記載の従来技術は、照明装置からの照明光をガラス基板の表面に平行に近い角度で表面で正反射させ、その反射光を受光するカメラの出力に基づき表面の凹凸を検査する方法である。
特許文献2に記載の従来技術は、照明装置からの照明光を角度θで正反射させ、その反射光を受光するラインセンサの出力に基づき表面の欠点を検出する方法で、照明装置とガラス基板の間にマスクを配置して、表面の凹凸を強調させるようにした方法である。
特許文献3に記載の従来技術は、ガラス基板表面からの拡散反射光を受光するラインセンサの出力に基づき表面の欠点を検出する方法で、ハレーションの原因となる光を遮光板で遮り、欠点の検出感度を上げるようにした方法である。
また、従来、ガラス基板の歪み欠点(光学歪みを伴う欠点)を汚れや埃等の欠点ではない付着物などと区別して検査する技術が知られている(例えば、特許文献4,5及び6)
特許文献4に記載の従来技術は、ガラス基板の裏面側に配置された照明装置からの照明光をガラス基板を透過させ、その透過光を受光する撮像手段(ラインセンサ)の出力に基づき欠点を検出する方法で、照明装置とガラス基板の間に明暗の境目を付けるための遮光板を設けものである。この従来技術では、ラインセンサの出力に基づき画像データを作成し、この画像データを3値化処理して3値化画像をディスプレイ上に表示させ、欠点の種類や欠点のある個所によって、ガラス基板の搬送方向に「明部」と「暗部」が画素で表示されるパターンから、欠点の種類を識別するようにしている。
例えば、ガラス基板の表面にある凸部欠点は、その欠点に対応する隣接する画素で、「明部」と「暗部」が順に表示される「明暗」パターンとなる。表面にある凹部欠点は、凸部欠点とは逆に、「暗部」と「明部」が順に表示される「暗明」パターンとなる。また、ガラス基板内部に存在する泡欠点は、「暗明」パターンとなる。
特許文献5に記載の従来技術は、ガラス基板の端面からその内部に光を照射する照明装置と、その表面に光を照射する照明装置と、その裏面に光を照射する照明装置とを備え、各照明装置の照明光の色を変えて、各色の照明光を個別に受光する各撮像手段の出力を比較することで、欠点を、汚れ等の欠点ではない付着物と区別して検出するようになっている。
特許文献6に記載の従来技術は、ガラス基板の表面に平行に近い角度で光を照射する照明装置と、その表面に垂直に近い角度で光を照射する照明装置とを備える。その表面での反射光とガラス基板の内部を透過した透過光とをそれぞれ受光する2台のCCDカメラの出力を比較して、欠点を、汚れ等の欠点ではない付着物と区別して検出するようになっている。
特開2000−146554号公報 特開平8−304295号公報 特開2001−208702号公報 国際公開WO 03/005007 A1号公報 特開2003−75367号公報 特開2002−214158号公報
ところで、上記特許文献1に記載の従来技術では、裏面からの反射光を遮る欠点がガラス基板内部或いは裏面にある場合、その欠点によりカメラが受光する入射光の明るさ(輝度)が例えば6.5%程度低下するので、その欠点を、これと同程度の輝度低下を引き起こす表面の欠点と区別するのが難しい。このため、表面のレベルの低い欠点を検出したい場合に、裏面の欠点を誤って検出する可能性があり、表面欠点のみを検出するのが難しい。
上記特許文献2には、「上記マスクの役割の1つは、ガラス基板下面(裏面)の模様からの反射を低減することである」と記載されているように、裏面反射を完全に無くす条件は示されていない。そのマスクのガラス基板の表面からの位置が遠いと、反射光の明暗の境目がぼやけて、表面の凹凸を強調させる効果が低下する。このため、表面のレベルの低い欠点を検出したい場合に、裏面の欠点を誤って検出する可能性があり、表面欠点のみを検出するのが難しい。
上記特許文献3の従来技術は、欠点検出に不利益になるハレーションの原因となる光を遮る方法であり、ガラス基板内部の欠点や裏面の欠点も検出される。このため、表面の欠点のみを選択して検出するのが難しい。
上記特許文献4に記載の従来技術は、歪み欠点(光学歪みを伴う欠点)を汚れや埃等の欠点と区別して検出する方法であり、歪み欠点がガラス基板の厚み方向のどの位置にある欠点であるかは分からない。例えば、ガラス基板の表面にある凹部欠点は「暗明」パターンで表示されるとともに、ガラス基板内部に存在する泡欠点も「暗明」パターンで表示されるため、その凹部欠点とその泡欠点とを区別するのが難しい。このため、ガラス基板の表面欠点(表面にある欠点)、内部欠点(内部にある欠点)、及び裏面欠点(裏面にある欠点)を区別するのが難しい。
上記特許文献5に記載の従来技術では、ガラス基板内部にある泡欠点を例にして説明すると、色の異なる3種類の照明光の全てが同じ泡欠点(内部泡)で乱反射する可能性がある。ガラス基板の表面にある傷等の欠点についても同様である。このため、歪み欠点の可
能性がある同じ位置で各色信号が相違する場合、どの色信号を優先するかを判断するのは難しい。このため、ガラス基板の表面欠点、内部欠点、及び裏面欠点を(厳密に)区別するのが難しい。
上記特許文献6に記載の従来技術では、原理的に見て、ガラス基板の表面欠点、内部欠点、及び裏面欠点を区別するのが難しい。
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたものであり、その目的は、透明板状体の表面欠点のみを検出可能にした透明板状体の欠点検出方法及び欠点検出装置を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、透明板状体の表面欠点、内部欠点、及び裏面欠点を区別可能にした透明板状体の欠点検出方法及び欠点検出装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、線状照明光を透明板状体の表面に斜めに照射し、前記表面で正反射した前記線状照明光を撮像手段で受光し、前記撮像手段の出力に基づき前記透明板状体に存在する欠点を検出する透明板状体の欠点検出方法であって、前記線状照明光が前記表面で正反射した線状の表面反射光と、前記線状照明光が前記透明板状体の裏面で反射した線状の裏面反射光とが分離されるように、前記線状照明光の幅を調整し、前記線状の表面反射光を前記撮像手段で受光することを要旨とする。
これによれば、線状照明光の幅を調整することで、線状の表面反射光の領域と線状の裏面反射光の領域とが分離されるようにして、線状の表面反射光を撮像手段で見るようにしている。このため、撮像手段からは、透明板状体の表面の情報のみを含む出力が得られ、この出力に基づき透明板状体の表面に存在する欠点(表面欠点)のみを検出することができる。
例えば、透明板状体に表面欠点があると、撮像手段に入射する線状の表面反射光の光量が減って、撮像手段の出力が落ちるので、その低下量を閾値と比較することで、透明板状体の表面欠点を検出することができる。また、撮像手段に入射する光には、線状の表面反射光の領域内にある透明板状体内部の泡等の欠点により生じる乱反射光が含まれる場合があるが、この乱反射光は欠点の無い表面での正反射光の基準レベルよりも明るくなるので、透明板状体内部の泡等の欠点は暗く検出される表面欠点と区別可能である。
したがって、透明板状体の内部や裏面の影響を完全に無くすことができ、透明板状体の表面欠点のみを検出することができる。
このような作用、効果は、透明板状体が薄い場合に特に有効である。その理由は、厚い透明板状体に存在する欠点を正反射照明方式で検査する場合には、特別に工夫しなくても、広い線状の表面反射光の領域と、裏面反射光の領域と、これら2つの領域の間にできる反射無しの領域とが得られ、広い表面反射光の領域を撮像手段で見るようにすれば良いからである。
また、透明板状体の裏面の影響を完全に無くすことができるため、上記特許文献1に記載されているように、反射角度が透明板状体の透過率や反射率に依存する点を考慮する必要がない。線状照明光が表面で正反射した線状の表面反射光の反射角度の範囲は、透明板状体の厚み、厚みの変動、屈折率、欠点検出の分解能等の条件にのみ依存するものであり、これらの条件を、その範囲内で、線状照明光を出射する照明装置及び撮像手段の設置条件や照明装置の輝度に合わせて選ぶことができる。
なお、「線状照明光」は、例えば直管形の高周波点灯用蛍光灯や、分布が均一になるよ
うにしたハロゲンランプを使った石英管等の線状の光源により得られる。また、「線状照明光の幅」とは、細長い長方形状である線状照明光の短手方向の間隔をいう。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の透明板状体の欠点検出方法において、前記撮像手段はラインセンサであり、前記ラインセンサと前記透明板状体とを、前記ラインセンサの長手方向に直交する方向に或いは前記長手方向に対し任意の角度をなす方向に相対移動することを要旨とする。
これによれば、ラインセンサと透明板状体とをラインセンサの長手方向に直交する方向に或いは長手方向に対し任意の角度をなす方向に相対移動することで、ラインセンサの出力に基づき、透明板状体の表面の情報のみを含む2次元の画像データを得ることができる。ここで、ラインセンサに対する透明板状体の相対移動方向を「搬送方向」とすると、その搬送方向に平行に存在する傷及び内部の歪み欠点を検出するには、その搬送方向を任意の角度にすると効果的である。
なお、ここにいう「ラインセンサ」は、例えば数千個の受光素子を一列に並べたものである。「線状照明光」は、ラインセンサにおける一列に並んだ全受光素子が見るだけの幅(矩形の領域)を照明する線状の照明領域を、均一な分布で作れる上記線状の光源により得られる。
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の透明板状体の欠点検出方法において、前記線状照明光の幅を2枚の遮蔽板により調整することを要旨とする。
これによれば、2枚の遮蔽板を使うことで、両側の境界がはっきりした線状の表面反射光の領域を容易に作ることができる。また、2枚の遮蔽板の一方により、ラインセンサの視野内にある表面欠点で、裏面へ投影される像が遮蔽されるので、同じ表面欠点が二重検出されるのを防止できる。
請求項4に係る発明は、請求項2又は3に記載の透明板状体の欠点検出方法において、前記透明板状体をその裏面側から透過して前記ラインセンサに入射する光を、前記裏面側に配置した遮蔽板により遮蔽することを要旨とする。
これによれば、透明板状体を裏面側から透過してラインセンサに入射する透過光を無くすことが可能になるので、周囲を暗室にできない場合でも透明板状体の表面欠点を検出することができる。
請求項5に係る発明は、請求項2〜4のいずれか1つに記載の透明板状体の欠点検出方法において、前記透明板状体の表面における前記線状照明光の入射位置を調整したときの前記表面の位置を測定基準位置とし、前記測定基準位置が、前記透明板状体の厚みの変化と前記透明板状体の搬送時における振動とにより前記厚み方向に変化する量を変位量Δdとし、前記表面が前記測定基準位置にあるときに得られる前記線状の表面反射光と、前記表面が前記測定基準位置から前記変位量Δdだけ変位した変位位置にあるときに得られる前記線状の表面反射光とが重なり量ΔXだけ重なる領域を、前記線状照明光の前記表面に対する入射角θ1を調整することで作り、前記重なる領域の中心部に前記ラインセンサの視野を合わせることを要旨とする。
これによれば、透明板状体の表面が前記測定基準位置にあるときに得られる線状の表面反射光と、その表面が前記変位位置にあるときに得られる線状の表面反射光とが重なり量ΔXだけ重なる領域を作り、重なる領域の中心部にラインセンサの視野を合わせるので、測定基準位置が変わっても、ラインセンサ等の調整位置を変えずに対応できる。したがって、透明板状体の厚みが変わったり、前記相対移動時(搬送時)の振動などにより、透明
板状体の測定基準位置が重なり量ΔXの範囲内で変わっても、ラインセンサ等の調整位置を変えずに、透明板状体の表面欠点を検出することができる。
なお、ここでは、「ラインセンサ等の調整位置を変えず」に、ある範囲での透明板状体の厚みの変化や搬送時の振動などにより透明板状体の測定基準位置が変動するのを許容しようとしているので、以下に述べる(1)の視野ズレや(2)の位置ズレを画像処理で補正する必要がある。
(1)許容範囲内で測定基準位置が変動したときの搬送方向におけるラインセンサの視野のズレは、透明板状体の厚みごとに変化する。
(2)同じ厚みの透明板状体でも、透明板状体の測定基準位置が搬送時の振動などにより変動することにより、正反射照明系で検出する欠点位置は、ラインセンサの素子方向に比べて、搬送方向に大きく変動する。
上記(1)の視野ズレの補正は、例えば、予め厚み情報を取得して測定基準位置からの位置ズレ量を計算して、その位置ズレ量だけズレた測定基準位置と変位位置に対応する2つのラインセンサの視野のズレ量から加減して、2つの表示画像の座標位置を一致させるように行う。また、上記(2)の位置ズレの補正は、検出した欠点候補の位置の比較の許容値を、透明板状体の厚みの許容範囲と振動による測定基準位置の変位量とによって加減することで行う。
上記(1)の視野ズレの補正をしない場合は、上記(2)の位置ズレの補正値が大きくなり、その許容範囲内にある別々の欠点候補を同一の欠点候補と見なす可能性がある。
このような作用、効果は、透明板状体が薄い場合に特に有効である。その理由は、上述した厚い透明板状体に存在する欠点を正反射照明方式で検査する場合には、前記広い第1の領域を使って検査するので、透明板状体の厚みの変化や振動などを考慮する必要がないからである。
請求項6に係る発明は、請求項5に記載の透明板状体の欠点検出方法において、前記重なり量ΔXを前記ラインセンサの分解能の整数倍以上とすることを要旨とする。
前記重なり量ΔXがラインセンサの分解能より狭いと、反射光の光量(輝度レベル)が透明板状体の厚みの変化と搬送時の振動による測定基準位置の変位により大きく変動する。本発明によれば、重なり量ΔXを前記ラインセンサの分解能の整数倍以上とすることで、反射光の光量(輝度レベル)が前記測定基準位置の変位により変動するのを抑制できる。
請求項7に係る発明は、請求項2〜6のいずれか1つに記載の透明板状体の欠点検出方法において、前記透明板状体の表面で正反射した前記線状照明光を前記ラインセンサで受光する正反射照明系に加えて、前記透明板状体をその裏面側から透過させる第2の線状照明光を第2ラインセンサで受光するとともに、前記第2の線状照明光の一部を前記裏面側で遮蔽して第2ラインセンサの視野に明部と暗部を形成するようにした透過型の半明視野照明系を用いることを要旨とする。
これによれば、正反射照明系と透過型の半明視野照明系を用いることにより、透明板状体の表面欠点と、その内部に存在する欠点(内部欠点)と、その裏面に存在する欠点(裏面欠点)とを、おおまかに区別することができる。例えば、正反射照明系で検出した欠点の情報(欠点位置の情報)を含む画像データによる表示画像と、半明視野照明系で検出した欠点の情報(欠点位置の情報)を含む画像データによる表示画像とを比較することで、上記各欠点を大まかに区別することができる。
この場合、当然、2つのラインセンサの分解能(視野幅)を一致させること、及び、正反射照明系の線状照明光が透過型の半明視野照明系のラインセンサに、半明視野照明系の線状照明光が正反射照明系のラインセンサにそれぞれ影響を及ぼさないようにすることが必要である。また、2つのラインセンサの視野のズレは、各ラインセンサの出力から画像データを作成する画像処理で一致させることができる。
ここで、上記2つの照明系でそれぞれ検出した欠点位置を比較するための表示画像を得る画像処理では、以下の2つのことを考慮する必要がある。
(1´)搬送方向の2つのラインセンサの視野のズレは、透明板状体の厚みごとに変化する。
(2´)同じ厚みの透明板状体でも、測定基準位置が搬送時の振動などにより変動することにより、正反射照明系で検出する欠点位置は、ラインセンサの素子方向に比べて、搬送方向に大きく変動する。
この位置変動(正反射照明系で検出する欠点位置の搬送方向における変動)は、欠点位置の比較の処理で、つまり、半明視野照明系で検出した欠点位置と比較するための表示画像を得る画像処理で、搬送方向に余裕を持たせることにより対処する。
また、ラインセンサの素子方向の位置変動(欠点位置の素子方向における位置ズレ)は、透明板状体中で光が屈折することにより発生するので、透明板状体の表面及び裏面では実際の欠点位置と異なる場合がある。しかし、その位置ズレは、透明板状体の表面では起こることが無く、半明視野照明系で検出した欠点位置を正反射照明系で検出した欠点位置と比較するのに支障はないので、その位置ズレの許容値は小さく設定できる。
請求項8に係る発明は、請求項7に記載の透明板状体の欠点検出方法において、前記透過型の半明視野照明系には、前記第2の線状照明光の一部を前記裏面側で遮蔽する遮蔽板と、前記第2の線状照明光の乱反射光成分を制限するための遮蔽板とを用いることを要旨とする。
これによれば、第2の線状照明光の乱反射光成分を制限するための遮蔽板を用いることで、その乱反射光成分を制限することにより、埃やカレット(ガラス屑)などの歪みを持たない欠点の「明部分」を抑制して「暗部分」のみとして、「明暗」又は「暗明」パターンを持つ歪み欠点と区別することができる。
請求項9に係る発明は、請求項7又は8に記載の透明板状体の欠点検出方法において、前記正反射照明系の前記線状照明光と前記半明視野照明系の前記線状照明光は波長の異なる2種類の線状照明光とし、前記2種類の線状照明光の一方を前記正反射照明系のラインセンサに、その他方を前記半明視野照明系のラインセンサにそれぞれ入射させることを要旨とする。
これによれば、正反射照明系の線状照明光と半明視野照明系の線状照明光を波長の異なる2種類の線状照明光とし、2種類の線状照明光の一方を正反射照明系のラインセンサに、その他方を半明視野照明系のラインセンサにそれぞれ入射させることで、2つの照明系の線状照明光が互いに干渉しないようにしている。このため、正反射照明系と透過型の半明視野照明系を、各々のラインセンサがそれぞれ透明板状体の表面上の同じ位置を見るように配置することができるため、正反射照明系による表面欠点の検査位置と、半明視野照明系による表面欠点の検査位置とを一致させることができる。これにより起こるそれぞれの照明系による欠点の乱反射成分が、他方の照明系の測定結果に及ぼす影響を、照明光の波長域が異なることにより、制御できる。
また、2つのラインセンサの視野を物理的に一致させることにより、上述した(1)の視野ズレを補正する画像処理は必要なくなるが、上述した(2)の位置ズレを補正する画像処理は必要となる。
なお、「波長の異なる2種類の線状照明光」はそれぞれ、単一波長の光である必要はなく、ある幅を持った波長域の光或いは中心波長の光を含む意味で用いる。以下の説明でも同様である。
請求項10に係る発明は、請求項7又は8に記載の透明板状体の欠点検出方法において、前記正反射照明系の前記線状照明光と前記半明視野照明系の前記第2の線状照明光を波長の異なる2種類の線状照明光とし、前記ラインセンサと前記第2ラインセンサに代えて1つのカラーラインセンサを用い、該カラーラインセンサが、前記2種類の線状照明光の一方が前記表面で正反射された線状の表面反射光と、前記2種類の線状照明光の他方が前記透明板状体を透過した線状の透過光とを受光するようにしたことを要旨とする。
これによれば、2つの照明系に対して1つのカラーラインセンサを用いればよいので、装置の配置スペースをコンパクトにすることができる。
請求項11に係る発明は、請求項2〜6のいずれか1つに記載の透明板状体の欠点検出方法において、前記透明板状体の表面で正反射した前記線状照明光を前記ラインセンサで受光する正反射照明系に加えて、前記線状照明光が前記透明板状体を透過した透過光を第2ラインセンサで受光する照明系を用いることを要旨とする。
これによれば、1つの照明装置と2つのラインセンサとを使って、透明板状体の表面欠点と、その内部に存在する欠点(内部欠点)と、その裏面に存在する欠点(裏面欠点)とを、おおまかに区別することができる。
請求項12に係る発明は、請求項7又は8に記載の透明板状体の欠点検出方法において、前記正反射照明系と前記透過型の半明視野照明系とに加えて、前記透明板状体の裏面で正反射した線状照明光を第3のラインセンサで受光する第2の正反射照明系を用いることを要旨とする。
これによれば、透明板状体の裏面欠点を第2の正反射照明系で検出できるので、透明板状体の表面欠点と、その内部欠点と、その裏面欠点とを、厳密に区別することができる。
請求項13に係る発明は、照明装置から出射される線状照明光を透明板状体の表面に斜めに照射し、前記表面で正反射した前記線状照明光をラインセンサで受光し、前記ラインセンサの出力に基づき前記透明板状体に存在する欠点を検出する透明板状体の欠点検出装置であって、前記線状照明光が前記表面で正反射した線状の表面反射光と、前記線状照明光が前記透明板状体の裏面で反射した線状の裏面反射光とが分離されるように、前記線状照明光の幅を調整する2枚の遮蔽板を備え、前記線状の表面反射光を前記ラインセンサで受光することを要旨とする。
これによれば、線状照明光の幅を2枚の遮蔽板により調整することで、線状の表面反射光の領域(第1の領域)と線状の裏面反射光の領域(第2の領域)とが分離されるようにして、線状の表面反射光をラインセンサで見るようにしている。このため、ラインセンサからは、透明板状体の表面の情報のみを含む出力が得られ、この出力に基づき透明板状体の表面に存在する欠点(表面欠点)のみを検出することができる。したがって、透明板状体の内部や裏面の影響を完全に無くすことができ、透明板状体の表面欠点のみを検出することができる。
また、線状照明光が表面で正反射した線状の表面反射光の反射角度の範囲は、透明板状体の厚み、厚みの変動、屈折率、欠点検出の分解能等の条件にのみ依存するものであり、これらの条件を、その範囲内で、線状照明光を出射する照明装置及びラインセンサの設置条件や照明装置の輝度に合わせて選ぶことができる。
請求項14に係る発明は、請求項13に記載の透明板状体の欠点検出装置において、前記ラインセンサと前記透明板状体とを、前記ラインセンサの長手方向に直交する方向に或いは前記長手方向に対し任意の角度をなす方向に相対移動することを要旨とする。
これによれば、ラインセンサの出力に基づき、透明板状体の表面の情報のみを含む2次元の画像データを得ることができる。
請求項15に係る発明は、請求項13又は14に記載の透明板状体の欠点検出装置において、前記透明板状体をその裏面側から透過して前記ラインセンサに入射する光を、前記裏面側に配置した遮蔽板により遮蔽することを要旨とする。
これによれば、透明板状体を裏面側から透過してラインセンサに入射する透過光を無くすことが可能になるので、周囲を暗室にできない場合でも透明板状体の表面欠点を検出することができる。
請求項16に係る発明は、請求項13〜15のいずれか1つに記載の透明板状体の欠点検出装置において、前記透明板状体の表面における前記線状照明光の入射位置を調整したときの前記表面の位置を測定基準位置とし、前記測定基準位置が、前記透明板状体の厚みの変化と前記透明板状体の搬送時における振動とにより前記厚み方向に変化する量を変位量Δdとし、前記表面が前記測定基準位置にあるときに得られる前記線状の表面反射光と、前記表面が前記測定基準位置から前記変位量Δdだけ変位した変位位置にあるときに得られる前記線状の表面反射光とが重なり量ΔXだけ重なる領域を、前記線状照明光の前記表面に対する入射角θ1を調整することで作り、前記重なる領域の中心部に前記ラインセンサの視野を合わせることを要旨とする。
これによれば、透明板状体の厚みの変化や前記相対移動時(搬送時)の振動などにより、透明板状体の測定基準位置が重なり量ΔXの範囲内で変わっても、ラインセンサ等の調整位置を変えずに、透明板状体の表面欠点を検出することができる。
なお、ここでは、「ラインセンサ等の調整位置を変えず」に、ある範囲での透明板状体の厚みの変化や搬送時の振動などにより透明板状体の測定基準位置が変動するのを許容しようとしているので、上述した(1)の視野ズレや(2)の位置ズレを画像処理で補正する必要がある。
このような作用、効果は、透明板状体が薄い場合に特に有効である。その理由は、上述した厚い透明板状体に存在する欠点を正反射照明方式で検査する場合には、前記広い第1の領域を使って検査するので、透明板状体の厚みの変化や振動などを考慮する必要がないからである。
請求項17に係る発明は、請求項13〜16のいずれか1つに記載の透明板状体の欠点検出装置において、前記透明板状体の表面で正反射した前記線状照明光を前記ラインセンサで受光する正反射照明系に加えて、前記透明板状体をその裏面側から垂直に透過させる第2の線状照明光を出射する第2照明装置と、前記透明板状体を透過した前記第2の線状照明光を受光する第2ラインセンサとを有し、前記第2の線状照明光の一部を前記裏面側で遮蔽して前記第2ラインセンサの視野に明部と暗部を形成するようにした透過型の半明視野照明系を備えることを要旨とする。
これによれば、正反射照明系と透過型の半明視野照明系を組み合せることにより、透明板状体の表面欠点を検出できるとともに、その表面欠点と、その内部に存在する欠点(内部欠点)と、その裏面に存在する欠点(裏面欠点)とを、おおまかに区別することができる。
この場合、当然、2つのラインセンサの分解能(視野幅)を一致させること、及び、正反射照明系の線状照明光が透過型の半明視野照明系のラインセンサに、半明視野照明系の線状照明光が正反射照明系のラインセンサにそれぞれ影響を及ぼさないようにすることが必要である。
また、2つのラインセンサの視野のズレは、各ラインセンサの出力から画像データを作成する画像処理で一致させることができる。ここで、上記2つの照明系でそれぞれ検出した欠点位置を比較するための表示画像を得る画像処理では、上記2つのこと(1´)及び(2´)を考慮する必要がある。
請求項18に係る発明は、請求項17に記載の透明板状体の欠点検出装置において、前記透過型の半明視野照明系は、前記第2の線状照明光の一部を前記裏面側で遮蔽する遮蔽板と、前記第2の線状照明光の乱反射光成分を制限するための遮蔽板とを有することを要旨とする。
これによれば、第2の線状照明光の乱反射光成分を制限するための遮蔽板を用いることで、その乱反射光成分を制限することにより、埃やカレット(ガラス屑)などの歪みを持たない欠点の「明部分」を抑制して「暗部分」のみとして、「明暗」又は「暗明」パターンを持つ歪み欠点と区別することができる。
請求項19に係る発明は、請求項17又は18に記載の透明板状体の欠点検出装置において、前記正反射照明系の照明装置及び前記透過型の半明視野照明系の第2照明装置は、波長の異なる第1波長の線状照明光及び第2波長の第2の線状照明光をそれぞれ出射し、前記第1波長の線状照明光が前記表面で正反射された第1波長の表面反射光を通して前記ラインセンサへ送る波長選択フィルタと、前記透明板状体をその裏面側から透過した前記第2波長の第2の線状照明光を通して前記第2ラインセンサへ送る波長選択フィルタとを備えることを要旨とする。
これによれば、正反射照明系光と透過型の半明視野照明系の各線状照明光を波長の異なる2種類の線状照明光とし、2種類の線状照明光の一方が表面で正反射された第1波長の表面反射光を正反射照明系のラインセンサに、その他方が表面で正反射された第2波長の表面反射光を半明視野照明系のラインセンサにそれぞれ入射させるようにしている。これにより、2つの照明系の線状照明光が互いに干渉しない。このため、正反射照明系と透過型の半明視野照明系を、各々のラインセンサがそれぞれ透明板状体の表面上の同じ位置を見るように配置することができるため、正反射照明系による表面欠点の検査位置と、半明視野照明系による表面欠点の検査位置とを一致させることができる。これにより起こるそれぞれの照明系による欠点の乱反射成分が、他方の照明系の測定結果に及ぼす影響を、照明光の波長域が異なることにより、制御できる。
また、2つのラインセンサの視野を物理的に一致させることにより、上述した(1)の視野ズレを補正する画像処理は必要なくなるが、上述した(2)の位置ズレを補正する画像処理は必要となる。
請求項20に係る発明は、請求項17又は18に記載の透明板状体の欠点検出装置にお
いて、前記正反射照明系の照明装置及び前記透過型の半明視野照明系の第2照明装置は、波長の異なる線状照明光及び第2の線状照明光をそれぞれ出射し、前記ラインセンサと前記第2ラインセンサに代えて1つのカラーラインセンサを用い、該カラーラインセンサが、前記波長の異なる線状照明光及び第2の線状照明光を受光するように構成したことを要旨とする。
これによれば、2つの照明系に対して1つのカラーラインセンサを用いればよいので、装置の配置スペースをコンパクトにすることができる。
請求項21に係る発明は、請求項13〜16のいずれか1つに記載の透明板状体の欠点検出装置において、前記透明板状体の表面で正反射した前記線状照明光を前記ラインセンサで受光する正反射照明系に加えて、前記線状照明光が前記透明板状体を透過した線状の透過光を第2ラインセンサで受光する透過型の照明系を備えることを要旨とする。
これによれば、1つの照明装置と2つのラインセンサとを使って、透明板状体の表面欠点と、その内部に存在する欠点(内部欠点)と、その裏面に存在する欠点(裏面欠点)とを、おおまかに区別することができる。
請求項22に係る発明は、請求項17又は18に記載の透明板状体の欠点検出装置において、前記正反射照明系と透過型の半明視野照明系とに加えて、裏面側の正反射照明系を設け、前記裏面側の正反射照明系は、第3の線状照明光を前記透明板状体の裏面に斜めに照射する第3照明装置と、前記第3の線状照明光が前記裏面で正反射した線状の裏面照明光を受光する第3ラインセンサと、前記第3の線状照明光が前記裏面で正反射した線状の裏面反射光と、前記第3の線状照明光が前記表面で反射した線状の表面反射光とが分離されるように、前記第3の線状照明光の幅を調整する2枚の遮蔽板を備え、前記線状の裏面反射光を前記第3ラインセンサで受光するように構成したことを要旨とする。
これによれば、透明板状体の裏面欠点を裏面側の正反射照明系で検出できるので、透明板状体の表面欠点と、その内部欠点と、その裏面欠点とを、厳密に区別することができる。
以上説明したように、本発明によれば、透明板状体の表面欠点のみを検出することができる。また、本発明によれば、透明板状体の表面欠点、内部欠点、及び裏面欠点を区別することができる。
以下、本発明を具体化した実施の形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態を図1及び図2に基づいて説明する。図1は第1実施形態に係る透明板状体の欠点検出装置の概略的構成を示し、図2はその欠点検出装置の原理を示している。なお、本実施形態及び以下の各実施形態では、透明板状体として、液晶表示装置やプラズマ表示装置等のフラットパネルディスプレイに用いられる両面が平行な透明ガラス基板3(以下、単に「ガラス基板3」という)を用いている。
図1に示す透明板状体の欠点検出装置1は、線状照明光2をガラス基板3の表面3aに斜めに照射する照明装置4と、表面3aで正反射した線状照明光2を受光する撮像手段としてのラインセンサ5と、画像処理装置6と、表示装置7と、第1遮蔽板8と、第2遮蔽板9と、第3遮蔽板10とを備える。欠点検出装置1は、ラインセンサ5の出力に基づきガラス基板3に存在する欠点を検出するようになっている。照明装置4と、ラインセンサ5と、第1遮蔽板8と、第2遮蔽板9と、第3遮蔽板10とにより、正反射照明系が構成
されている。
欠点検出装置1の特徴は、図2に示すように、線状照明光2がガラス基板3の表面3aで正反射した線状の表面反射光2Aと、線状照明光2がガラス基板3の裏面3bで反射した線状の裏面反射光2Bとが分離されるように、線状照明光2の幅を第1遮蔽板8及び第2遮蔽板9により調整し、線状の表面反射光2Aをラインセンサ5で受光する構成にある。
線状の表面反射光2Aと線状の裏面反射光2Bの関係を図2に基づいて説明する。
ある幅を持った線状照明光2を2本の直線a,bで表現すると、線状照明光2の幅を変えたとき、表面3aに入射角θ1で入射する2本の直線a,bの一方(直線a)の表面反射とその他方(直線b)の裏面反射とが一致する間隔X1が存在する。図2では、線状照明光2の幅を第1遮蔽板8及び第2遮蔽板9により調整することで、直線aの表面反射と直線bの裏面反射とが一致した状態を示している。なお、ここにいう「線状照明光2の幅」とは、細長い長方形状である線状照明光2の短手方向の間隔をいう。また、その長手方向(図2の紙面に垂直な方向)の間隔を、以下の説明では「線状照明光2の長さ」という。
線状照明光2の幅を変えた場合、線状照明光2の反射光の領域は以下のように分けられる。
(a)線状照明光2の幅がX1未満の場合:
線状の表面反射光2Aの領域と、線状の裏面反射光2Bの領域と、これら2つの領域の間に存在する反射無しの領域とができる。
(b)線状照明光2の幅がX1の場合:
線状の表面反射光2Aの領域と、線状の裏面反射光2Bの領域とができる。
(c)線状照明光2の幅がX1を超えた場合:
線状の表面反射光2Aの領域と、線状の裏面反射光2Bの領域と、これら2つの領域の間に存在し、ガラス基板3の表面3aからの反射光と裏面3bからの反射光とが混在する領域ができる。
本実施形態で必要な条件である「線状の表面反射光2Aと線状の裏面反射光2Bとが分離されるように」とは、上記(a)或いは(b)の場合のような反射光の領域ができるようにすることを意味する。
通常、線状照明光2の反射光の領域が上記(a)或いは(b)の場合のようにはっきりとした輪郭を持つ照明光は存在しないので、2枚の遮蔽板8,9を図1に示す位置に配置して、遮蔽板8,9の位置を調整することで、上記(a)或いは(b)の場合のようなはっきりした輪郭を持つ反射光の領域ができる。
照明装置4は、ラインセンサ5における一列に並んだ全受光素子が見るだけの幅(細長い長方形状の領域)を照明する線状の照明領域を、均一な分布で作れるもので、図1の紙面に垂直な方向に細長い線状照明光2を出射するようになっている。この照明装置4は、例えば直管形の高周波点灯用蛍光灯や、分布が均一になるようにしたハロゲンランプを使った石英管等の線状の光源であり、光源本体にシリンドリカルレンズ4aを設けて、線状照明光2の反射光の照度を高めるように構成されている。
ラインセンサ5は、例えば数千個の受光素子を一列に並べたもので、線状の表面反射光2A(図1参照)を受光する位置に配置されている。
画像処理装置6は、ラインセンサ5の出力に基づき画像データを作成し、この画像デー
タを3値化処理して3値化画像データを作成する。ガラス基板3を、照明装置4及びラインセンサ5の長手方向に垂直な方向(図1の矢印で示す搬送方向)に搬送することにより、画像処理装置6から2次元の3値化画像データが出力される。なお、ここにいう「3値化処理」とは、2次元画像データ全体の平均的な明るさを基準の明るさとし、これを基準にして、+側と−側の閾値を設定し、画像データが+側の閾値以上の画素では明るい表示(「明部」の表示)をさせ、同データが−側の閾値以下の画素では暗い表示(「暗部」の表示)をさせる処理をいう。
表示装置7は、画像処理装置6から出力される3値化画像データにより、対応する各画素に、「明部」、「暗部」及び「中間輝度」の3種類の表示のいずれかをさせるようになっている。表示装置7で表示される画像からガラス基板3の表面3aに欠点が存在すること、及びその欠点の種類が分かる。
本例のように、ガラス基板3の表面3a側に照明装置4とを正反射位置に配置した表面側正反射照明法(表面側の正反射照明系)による欠点検出装置1では、例えば図6及び図7に示すように、欠点のパターンAとBのいずれか一方が表示装置7で表示された画像に存在する場合、その表示された個所に欠点があることが分かる。
図6はガラス基板3の表面3aに、カレットや傷等が付いたと仮定したときの欠点の分類を示し、図7はその表面3aにカレットや埃等の無い綺麗な理想的なガラス基板を用いたと仮定したときの欠点の分類を示している。
図6及び図7において、欠点のパターンAは、「暗部分」(明部分の有無は問わない)があるパターンで、欠点のパターンBは「明部分のみ」があるパターンである。欠点のパターンAが表示されることにより、表面3aに存在する欠点によってラインセンサ5に入射する表面反射光2Aの光量が減ってラインセンサ5の出力が落ちたことが分かる。欠点のパターンAの表示から分かる欠点は、図6及び図7においてそのパターンAの右側にある3つの欄に区分して示してあるように、表面にそれぞれ存在する「破れ泡」、「異物」、「異物跡」、「傷」、「カレット」等である。また、欠点のパターンBの表示から分かる欠点は、図6及び図7においてそのパターンBの右側にある1つの欄に区分して示してあるように、ガラス基板3の内部で表面3a付近に存在する「泡(表面付近)」である。泡の上面はガラス基板3の裏面3bと同じ原理で光を反射する。この反射光が、ラインセンサ5の視野と重なる条件に一致する表面3aに存在する泡は「明部分」のみの欠点として検出される。
そして、図6及び図7における領域Eは、表面側正反射照明法による欠点検出装置1では欠点を検出されない非検出領域である。その非検出領域Eの右側にある欄(図6では6つの欄、図7では4つの欄)には、その欠点検出装置1では検出されない欠点を区分して示してある。
遮蔽板8,9,10はそれぞれ、黒或いはそれに近い反射率の色に表面加工された矩形状の板で、例えば黒アルマイト加工されたアルミ材などで構成されている。遮蔽板8,9は、線状照明光2の幅を調整するために、上記「線状照明光2の長さ」よりも充分に長い長さ(長手方向の間隔)を有している。第1遮蔽板8は、ガラス基板3の表面3aに近い位置に、表面3aにほぼ平行に配置され、第2遮蔽板9は、表面3aに対して垂直に配置されている。
第3遮蔽板10は、ガラス基板3をその裏面3b側から透過してラインセンサ5に入射する光を、遮蔽するためのもので、裏面3b側に配置されている。
以上のように構成された第1実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
○線状照明光2の幅を2枚の遮蔽板8,9により調整することで、線状の表面反射光2Aの領域と線状の裏面反射光2Bの領域とが分離されるようにして、線状の表面反射光2Aをラインセンサ5で見るようにしている。このため、ラインセンサ5からは、ガラス基板3の表面3aの情報のみを含む出力が得られ、この出力に基づきガラス基板3の表面3aに存在する欠点(表面欠点)のみを検出することができる。
例えば、ガラス基板3に表面欠点があると、ラインセンサ5に入射する線状の表面反射光2Aの光量が減って、ラインセンサ5の出力が落ちるので、その低下量を閾値と比較することで、透明板状体の表面欠点を検出することができる。また、ラインセンサ5に入射する光には、線状の表面反射光2Aの領域内にあるガラス基板3内部の泡等の欠点により生じる乱反射光が含まれる場合があるが、この乱反射光は欠点の無い表面3aでの正反射光の基準レベルよりも明るくなるので、ガラス基板3内部の泡等の欠点は暗く検出される表面欠点と区別可能である。
したがって、ガラス基板3の内部や裏面3bの影響を完全に無くすことができ、ガラス基板3の表面欠点のみを検出することができる。
○上記作用、効果は、ガラス基板3が薄い場合に特に有効である。
その理由は、厚いガラス基板に存在する欠点を正反射照明方式で検査する場合には、特別に工夫しなくても、広い線状の表面反射光2Aの領域と、線状の裏面反射光2Bの領域と、これら2つの領域の間に存在する反射無しの領域とが得られ、広い表面反射光2Aの領域をラインセンサ5で見るようにすれば良いからである。
○ガラス基板3の裏面3bの影響を完全に無くすことができるため、上記特許文献1に記載されているように、反射角度がガラス基板の透過率や反射率に依存する点を考慮する必要がない。線状照明光2が表面で正反射した線状の表面反射光2Aの反射角度の範囲は、ガラス基板3の厚み、厚みの変動、屈折率、欠点検出の分解能等の条件にのみ依存するものであり、これらの条件を、その範囲内で、線状照明光2を出射する照明装置4及びラインセンサ5の設置条件や照明装置4の輝度に合わせて選ぶことができる。
○照明装置4及びラインセンサ5で構成される正反射照明系と、ガラス基板3とをラインセンサ5の長手方向に直交する方向に相対移動する、例えばガラス基板3を図1の搬送方向に搬送することで、ラインセンサ5の出力に基づき、ガラス基板3の表面3aの情報のみを含む2次元の画像データを得ることができる。
○表示装置7で上記パターンAの表示がされることにより、ガラス基板3の表面3aに「破れ泡」、「異物」、「異物跡」、「傷(大)」、「カレット(大)」等の表面欠点が存在することが分かる(図6及び図7参照)。
○表示装置7で上記パターンBの表示がされることにより、ガラス基板3の内部で表面3a付近に「泡(表面付近)」の表面欠点が存在することが分かる。
○線状照明光2の幅を調整するのに2枚の遮蔽板8,9を使うことで、両側の境界がはっきりした線状の表面反射光2Aの領域を容易に作ることができる。
○2枚の遮蔽板8,9の一方(遮蔽板8)により、ラインセンサ5の視野内にある表面欠点で、裏面3bへ投影される像(図1の光線11による像)が遮蔽されるので、同じ表面欠点が二重検出されるのを防止できる。
○ガラス基板3をその裏面3b側から透過してラインセンサ5に入射する光を、第3遮
蔽板10により遮蔽する構成により、ガラス基板3を裏面3b側から透過してラインセンサ5に入射する透過光を無くすことが可能になるので、周囲を暗室にできない場合でもガラス基板3の表面欠点を検出することができる。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態を図3及び図4に基づいて説明する。本実施形態及び以下の各実施形態の説明において、上記第1実施形態と同様の部位には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
通常、ガラス基板3の表面3aには誘電体多層膜等のパターンが形成されるので、表面3aの欠点が最も重要である。そのため、ガラス基板3の搬送時には、表面3aに傷が付かないよう、ローラなどが表面3aに接触しないような搬送法にする。つまり、表面3aを上にして裏面3b側をローラに接触させて搬送する。そして、表面3a側に照明装置4及びラインセンサ5を含む正反射照明系を配置し、正反射照明系の位置を表面3aに対して調整した上で、欠点の検査作業を行う。
このような搬送法及び正反射照明系の配置によりガラス基板3の欠点を検出する方法において、厚みの大きいガラス基板の欠点を検査する場合には、広い表面反射領域を使って検査するので、厚みの変化や搬送時の振動などを考慮する必要がなかった。しかし、そのような欠点検出方法において、厚みの薄いガラス基板3の欠点を検査する場合には、ガラス基板3の厚みの変化や搬送時の振動により表面3aの位置が変わるので、その位置変化に応じて正反射照明系をガラス基板3の表面3aに対して調整する必要があった。
そこで、本実施形態の欠点検出装置1は、上記第1実施形態において、ガラス基板3の厚みの変化や搬送時の振動等に対する照明幅の余裕(重なり量ΔX)を持たせることにより、ガラス基板3の測定基準位置がΔXの範囲内で変わっても、正反射照明系の調整位置を変えずに、ガラス基板3の表面欠点を検出できるようにした構成に特徴がある。
図3は第2実施形態に係る透明板状体の欠点検出装置1の原理を示している。
図3において、ガラス基板3の表面3aにおける線状照明光2の入射位置とその入射角θ1を調整したときの表面3aの位置を測定基準位置3Aとし、その測定基準位置3Aが、ガラス基板3の厚みの変化と搬送時の振動とにより厚み方向に変位量Δdだけ変位した位置を変位位置3Bとしている。
表面3aが測定基準位置3Aにあるときに得られる線状の表面反射光2Aと、表面3aが変位位置3Bにあるときに得られる線状の表面反射光2A´とが重なり量ΔXだけ重なる領域12を、線状照明光2の表面3aに対する入射角θ1を調整することで作る。そして、重なり量ΔXだけ重なる領域12の中心部にラインセンサ5の視野を合わせる。その重なる領域12の重なり量ΔXが前記照明幅の余裕であり、その重なり量ΔXが、ガラス基板3の厚み変化量、搬送時の振動による表面3a(測定基準位置3A)の変位量、検査の分解能等に関係する。
<最適な照明幅の余裕を持たせるための照明の角度条件の計算例>
その計算式は一般的に良く知られているので省略し、その計算結果のみを図4に示す。
図4は、屈折率が1.53で、厚みが1.8から2.8mmのガラス基板3を検査するための照明の角度条件についての計算結果を示す。ガラス基板3の基準厚みを2.8mm、ガラス基板3の厚み変位と搬送時の振動の影響を併せた表面3aの変位量Δdを1.10mmとすると、図4に示すように、入射角θ1(°)に対する照明幅の余裕(重なり量ΔX(mm))が得られる。なお、図4において、出射角θ2(°)は図2に示す屈折角θ2であり、重なりの無い照明幅X1´及びX1(mm)と、表面変位による光路変位X
2´及びX2(mm)とは、それぞれ図3で示す通りである。
ラインセンサ5の分解能を20μmとすると、入射角θ1が35°以上のときには、照明幅の余裕(ΔX)が0.04mm(40μm)以上となり、照明幅の余裕(ΔX)をラインセンサ5の分解能の整数倍以上(「2」以上)にするという条件を満たす。実際には、遮蔽板8,9の加工精度や表面3aの角度変動の影響、照明装置4の輝度や設置場所などの諸条件を総合的に判断して、なるべく入射角θ1が大きくなるように選ぶことができる。例えば、θ1=60°の時は、ΔX=1.42mmとなり、遮蔽板8,9にアルミの押し出し材のような安価な材料が使用可能になる。
以上のように構成された第2実施形態によれば、上記第1実施形態の奏する作用効果に加えて、以下の作用効果を奏する。
○ガラス基板3の厚みの変化や搬送時の振動等により、ガラス基板3の表面3aの位置が重なり量ΔX(照明幅の余裕)の範囲内で変わっても、正反射照明系の調整位置を変えずに、ガラス基板3の表面欠点を検出することができる。
○また、ここでは、「ラインセンサ5等の調整位置を変えず」に、ある範囲でのガラス基板3の厚みの変化や搬送時の振動などによりガラス基板3の測定基準位置3Aの位置が変動するのを許容しようとしているので、以下に述べる(1)の視野ズレや(2)の位置ズレを画像処理で補正する必要がある。このような補正を行うことにより、ガラス基板3の厚みの許容範囲にある別々の欠点候補を同一の欠点候補と見なす誤判断の可能性を著しく低減することができる。
(1)許容範囲内で表面3aの位置が変動したときの搬送方向におけるラインセンサ5の視野のズレは、ガラス基板3の厚みごとに変化する。
(2)同じ厚みのガラス基板3でも、測定基準位置3Aの位置が搬送時の振動などにより変動することにより、正反射照明系で検出する欠点位置は、ラインセンサ5の素子方向に比べて、搬送方向に大きく変動する。
上記(1)の視野ズレの補正は、例えば、予め使用するガラス基板3の厚み情報を取得して測定基準位置3Aからの表面3aの位置ズレ量を計算して、その位置ズレ量だけズレた測定基準位置3A,変位位置3Bに対応する2つのラインセンサ5の視野のズレ量から加減して、2つの表示画像の座標位置を一致させるように行う。また、上記(2)の位置ズレの補正は、検出した欠点候補の位置の比較の許容値を、ガラス基板3の厚みの許容範囲と振動による測定基準位置3Aの変位量とによって加減することで行う。
上記(1)の視野ズレの補正をしない場合は、上記(2)の位置ズレの補正値が大きくなり、その許容範囲内にある別々の欠点候補を同一の欠点候補と見なす可能性がある。このことを図3及び図4に基づいて説明する。
図3の領域12の上側の破線をラインセンサ5の視線とすると、その視線12´が測定基準位置3Aと変位位置3Bのそれぞれと交差する点が検査位置となり、これら2つの検査位置(3A,3B)の左右方向(搬送方向)の距離は、X2´/2となる。図4の条件(入射角θ=60°、2種類のガラス基板の厚みの差(1mm)と厚みの許容値と振動による変位量(0.1mm)の合計がΔd=1.10mm)では、X2´/2=1.91mmとなる。
上記(1)の視野ズレの補正をしない場合は、同じ厚みのガラス基板3の場合でも、上記(2)の許容値は、搬送方向で1.91mmとなり、上記許容範囲内にある別々の欠点候補を同一の欠点候補と見なす誤判断の可能性が高いことがわかる。
上記(1)の視野ズレの補正をする場合は、その補正処理により、2つの検査位置(3A,3B)に対応する2つのラインセンサ5の視野のズレ量から、ガラス基板の厚みの差1mm分の1.73mmを予め加減しておく。これにより、上記(2)の補正処理での許容値は0.18mmとなり、上記(1)の補正をしない場合に比べて、上記誤判断の可能性を著しく低減することができる。
○このような作用、効果は、ガラス基板3が薄い場合に特に有効である。
○重なり量ΔX(照明幅の余裕)がラインセンサ5の分解能より狭いと、反射光の光量(輝度レベル)がガラス基板3の厚みの変化と搬送時の振動による測定基準位置3Aの変位により大きく変動する。重なり量ΔXをラインセンサ5の分解能の整数倍以上(「2」以上)とすることで、反射光の光量(輝度レベル)が測定基準位置3Aの変位により変動するのを抑制できる。
○重なり量ΔX(照明幅の余裕)をラインセンサ5の分解能の整数倍以上(「2」以上)という条件を満たすように、なるべく入射角θ1を大きくすることで、遮蔽板8,9の加工精度や表面3aの角度変動の影響、照明装置4の輝度や設置場所などの諸条件を緩和することができ、装置の製造が容易になる。これとともに、遮蔽板8,9にアルミの押し出し材のような安価な材料が使用可能になり、安価な装置を実現できる。
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態を図5〜図7に基づいて説明する。
本実施形態の欠点検出装置1は、図1に示す上記第1実施形態において、ガラス基板3の表面3aで正反射した線状照明光2(線状の表面反射光2A)をラインセンサ5で受光する正反射照明系に加えて、透過型の半明視野照明系を用いた構成に特徴がある。
透過型の半明視野照明系は、ガラス基板3をその裏面3b側から透過させる第2の線状照明光20を出射する第2照明装置としての照明装置21と、第2の線状照明光20の透過光(線状の透過光20A)を受光する第2ラインセンサ22と、2つの遮蔽板23,24とを備える。照明装置21と第2ラインセンサ22は、ガラス基板3に対して垂直な位置に配置されている。
照明装置21は、図1に示す照明装置4と同様の線状の光源であり、光源本体にシリンドリカルレンズ21aを設けてある。第2ラインセンサ22は、図1に示すラインセンサ5と同様のラインセンサである。
遮蔽板23は、第2の線状照明光20の一部(ほぼ半分)を裏面3b側で遮蔽して第2ラインセンサ22の視野に明部と暗部を形成するためのものである。
遮蔽板24は、第2の線状照明光20の乱反射光成分を裏面3b側で制限するためのものである。
本実施形態の欠点検出装置1では、2つのラインセンサ5,22の分解能(視野幅)を一致させること、及び、正反射照明系の線状照明光2が透過型の半明視野照明系のラインセンサ22に、半明視野照明系の線状照明光20が正反射照明系のラインセンサ5にそれぞれ影響を及ぼさないようにすることが必要である。また、2つのラインセンサ5,22の視野のズレは、画像処理装置6により各ラインセンサ5,22の出力から画像データ(上記3値化画像データ)を作成する画像処理で一致させることができる。
そして、画像処理装置6は、ラインセンサ5の出力を上述したように3値化処理して3値化画像データを作成するとともに、第2ラインセンサ22の出力に基づき画像データを
作成し、この画像データを3値化処理して3値化画像データを作成する。これにより、表示装置7は、第2ラインセンサ22の出力に基づいて作成した3値化画像データに応じて、欠点の種類や欠点のある個所によって、ガラス基板の搬送方向に明部分(「明部」)と暗部分(「暗部」)が画素で表示される欠点のパターンから、欠点の種類及び位置を識別するようにしている。
本例の欠点検出装置1では、上記第1実施形態の正反射照明系に加えて、透過型の半明視野照明系を用いているため、図6及び図7に示す欠点のパターンC及びDにより、上記第1実施形態では検出されない欠点を検出することができる。
例えば、図6及び図7に示すように、明部分と暗部分の両方が順に表示される欠点のパターンCの表示から分かる欠点は、そのパターンCの下側にある5つの欄に区分して示してある。それらの欠点は、表面3aに存在する「破れ泡」や「異物」等の欠点、裏面3bに存在する「破れ泡」や「異物」等の欠点、内部に存在する「泡」や「異物(歪み有り)」等の欠点、表面3aに存在する欠点、及び、「泡(表面付近)」などである。
また、明部分又は暗部分のみが表示される欠点のパターンDの表示から分かる欠点は、そのパターンDの下側にある4つの欄に区分して示してある。それらの欠点は、表面表面に存在する「傷(小)」等の欠点、裏面に存在する「傷(小)」等の欠点、内部に存在する「異物(歪み無)」、及び、表面3aに存在する欠点などである。そして、図6及び図7における領域Fは、透過照明(透過型の半明視野照明系)では欠点を検出されない非検出領域であり、図6の非検出領域Fの下側にある2つの欄に、透過照明では検出されない欠点を区分して示してある。
なお、本例では、図6及び図7から分かるように、正反射照明系と透過型の半明視野照明系の照明方式の違いによる感度差と、上記3値化処理における3値化のスライスレベルの設定により、一方の照明系で検出された欠点候補が他方の照明系で検出されないことが起こりえる。また、3値化のスライスレベルの設定により、本来の区画とは別の区画に欠点が分類される可能性があることも明らかである。これらを踏まえて、上記3値化処理において、確実に検出したい欠点の大部分が本来の区画に区分されるように、上記2つの照明系のスライスレベルを調整する。
以上のように構成された第3実施形態によれば、上記第1実施形態の奏する作用効果に加えて、以下の作用効果を奏する。
○正反射照明系と透過型の半明視野照明系を組み合せることにより、第1実施形態により検出できる「破れ泡」等の表面欠点と「泡(表面付近)」の欠点に加えて、欠点のパターンC及びDにより表面、裏面及び内部に存在する各種の欠点(図6,7参照)を検出できる。したがって、最も重要なガラス基板3の表面欠点を検出できるとともに、その表面欠点と、その内部に存在する欠点(内部欠点)と、その裏面に存在する欠点(裏面欠点)と、表面3a付近に存在する欠点とをおおまかに区別することができる。例えば、正反射照明系で検出した欠点の情報(欠点位置の情報)を含む画像データによる表示画像と、半明視野照明系で検出した欠点の情報(欠点位置の情報)を含む画像データによる表示画像とを比較することで、上記各欠点を大まかに区別することができる。
なお、図6及び図7において、透過型の半明視野照明系により得られる欠点のパターンC(「明部分と暗部分の両方」)に分類されている欠点のうち、「破れ泡」と「異物跡」は搬送方向での明暗パターンの現れ方により区別可能であるが、歪みが大きくなると明暗パターンも複雑になり両者の区別が困難になる。しかし、そのように分類困難となるような「破れ泡」や「異物跡」は、区別するまでも無く欠点と判断できるので、問題は無い。
○本例では、2つのラインセンサ5,22の分解能(視野幅)を一致させること、及び、正反射照明系の線状照明光2Aが透過型の半明視野照明系のラインセンサ22に、半明視野照明系の線状照明光20Aが正反射照明系のラインセンサ5にそれぞれ影響を及ぼさないようにすることが必要である。また、2つのラインセンサ5,22の視野のズレは、各ラインセンサ5,22の出力から画像データを作成する画像処理で一致させることができる。
ここで、上記2つの照明系でそれぞれ検出した欠点位置を比較するための表示画像を得る画像処理では、以下の2つのことを考慮する必要がある。
(1´)搬送方向の2つのラインセンサ5,22の視野のズレは、ガラス基板3の厚みごとに変化する。
(2´)同じ厚みのガラス基板3でも、測定基準位置が搬送時の振動などにより変動することにより、正反射照明系で検出する欠点位置は、ラインセンサ5の素子方向に比べて、搬送方向に大きく変動する。
この位置変動(正反射照明系で検出する欠点位置の搬送方向における変動)は、欠点位置の比較の処理で、つまり、半明視野照明系で検出した欠点位置と比較するための表示画像を得る画像処理で、搬送方向に余裕を持たせることにより対処する。
また、ラインセンサ5の素子方向の位置変動(欠点位置の素子方向における位置ズレ)は、ガラス基板3中で光が屈折することにより発生するので、ガラス基板3の表面3a及び裏面3bでは実際の欠点位置と異なる場合がある。しかし、その位置ズレは、ガラス基板3の表面3aでは起こることが無く、半明視野照明系で検出した欠点位置を正反射照明系で検出した欠点位置と比較するのに支障はないので、その位置ズレの許容値は小さく設定できる。
○透過型の半明視野照明系に第2の線状照明光20の乱反射光成分を制限するための遮蔽板24を用いることで、その乱反射光成分を制限することにより、埃やカレット(ガラス屑)などの歪みを持たない欠点の「明部分」を抑制して「暗部分」のみとして、「明暗」又は「暗明」パターンを持つ歪み欠点と区別することができる。
[第4実施形態]
本発明の第4実施形態を図8に基づいて説明する。
本実施形態の欠点検出装置1は、上記第3実施形態において、正反射照明系の線状照明光2と半明視野照明系の線状照明光20を波長の異なる2種類の光(波長λ1の光と波長λ2の光)としている。そして、波長λ1の線状照明光2を正反射照明系のラインセンサ5に、波長λ2の線状照明光20を半明視野照明系のラインセンサ22にそれぞれ入射させるようにした構成に特徴がある。
そのために、この欠点検出装置1には、照明装置4から出射される線状照明光2から波長λ1の光のみを通して波長λ1の線状照明光2を作る波長選択フィルタ31と、波長λ1の線状照明光2が表面3aで正反射された波長λ1の表面反射光2Aを通してラインセンサ5へ送る波長選択フィルタ32とが設けられている。また、欠点検出装置1には、第2の線状照明光20から波長λ2の光のみを通して波長λ2の第2の線状照明光20を作る波長選択フィルタ33と、ガラス基板3を裏面3b側から透過した波長λ2の第2の線状照明光20の透過光を通してラインセンサ22へ送る波長選択フィルタ34とが設けられている。
照明装置4と波長選択フィルタ31とにより、波長λ1(第1波長)の線状照明光2を
出射する照明装置が構成され、また、照明装置21と波長選択フィルタ33とにより、波長λ2(第2波長)の第2の線状照明光20を出射する照明装置が構成されている。
そして、正反射照明系と透過型の半明視野照明系は、各々のラインセンサ5,22がそれぞれガラス基板3の表面3a上の同じ位置を見るように配置されている。
以上のように構成された第4実施形態によれば、上記第3実施形態の奏する作用効果に加えて、以下の作用効果を奏する。
○2つの照明系(正反射照明系と透過型の半明視野照明系)の線状照明光2,20を波長の異なる2種類の線状照明光とし、2種類の線状照明光の一方を正反射照明系のラインセンサ5に、その他方を半明視野照明系のラインセンサ22にそれぞれ入射させることで、2つの照明系の線状照明光2,20が互いに干渉しないようにしている。このため、正反射照明系と透過型の半明視野照明系を、各々のラインセンサ5,22がそれぞれガラス基板3の表面3a上の同じ位置を見るように配置することができるため、正反射照明系による表面欠点の検査位置と、半明視野照明系による表面欠点の検査位置とを一致させることができる。これにより起こるそれぞれの照明系による欠点の乱反射成分が、他方の照明系の測定結果に及ぼす影響を、照明光の波長域が異なることにより、制御できる。
○2つのラインセンサ5,22の視野を物理的に一致させることにより、上述した(1)の視野ズレを補正する画像処理は必要なくなるが、上述した(2)の位置ズレを補正する画像処理は必要となる。上述した(1)の視野ズレを補正する画像処理は必要ないので、画像処理装置6が実行する処理が軽減され、画像処理装置6の処理速度が向上する。
[第5実施形態]
本発明の第5実施形態を図9に基づいて説明する。
本実施形態の欠点検出装置1は、上記第3実施形態において、正反射照明系の線状照明光2と半明視野照明系の線状照明光20を波長(色)の異なる2種類の光(例えば赤色の光Rと緑色の光G)としている。また、赤色の線状照明光2(R)の線状の表面反射光2Aと、緑色の線状照明光20(G)の透過光(線状の透過光20A)とを1つのカラーラインセンサ40で受光するようにしている。そして、波長の異なる線状の表面反射光2Aと線状の透過光20Aとに対応するカラーラインセンサ40の2種類の出力信号を、画像処理装置6で個別に画像処理するようになっている。
そのために、この欠点検出装置1には、照明装置4から出射される線状照明光2から赤色の光Rのみを通して赤色の線状照明光2を作る波長選択フィルタ41と、照明装置21から出射される第2の線状照明光20から緑色の光Gのみを通して緑色の第2の線状照明光20を作る波長選択フィルタ42とが設けられている。
照明装置4と波長選択フィルタ41とにより、赤色の線状照明光2を出射する照明装置が構成され、また、照明装置21と波長選択フィルタ43とにより、緑色の線状照明光20を出射する照明装置が構成されている。
そして、正反射照明系の照明装置4と透過型の半明視野照明系の照明装置21は、赤色の線状照明光2が表面3aに入射する位置と緑色の第2の線状照明光20がガラス基板3を透過して表面3aから出射する位置とが同じになるように配置されている。
以上のように構成された第5実施形態によれば、上記第3実施形態の奏する作用効果に加えて、以下の作用効果を奏する。
○2つの照明系に対して1つのカラーラインセンサ40を用いればよいので、装置の配置スペースをコンパクトにすることができる。
[第6実施形態]
本発明の第6実施形態を図10に基づいて説明する。
本実施形態の欠点検出装置1では、上記第1実施形態において、ガラス基板3の表面3aで正反射した線状照明光2をラインセンサ5で受光する正反射照明系に加えて、線状照明光2がガラス基板3を透過した線状の透過光2Cを第2ラインセンサ22で受光する透過型の照明系を設けてある。
以上のように構成された第6実施形態によれば、上記第1実施形態の奏する作用効果に加えて、以下の作用効果を奏する。
○1つの照明装置4と2つのラインセンサ5,22とを使って、ガラス基板3の表面欠点と、その内部に存在する欠点(内部欠点)と、その裏面に存在する欠点(裏面欠点)とを、おおまかに区別することができる。
[第7実施形態]
本発明の第7実施形態を図11に基づいて説明する。
本実施形態の欠点検出装置1では、上記第3実施形態において、正反射照明系と透過型の半明視野照明系とに加えて、裏面側の正反射照明系(第2の正反射照明系)を設けた構成に特徴がある。
裏面側の正反射照明系は、第3の線状照明光52をガラス基板3の裏面3bに斜めに照射する照明装置54(第3照明装置)と、第3の線状照明光52が裏面3bで正反射した線状の裏面照明光52Aを受光する第3ラインセンサ55とを備える。照明装置54には、照明装置4と同様に、光源本体にシリンドリカルレンズ54aが設けられている。
また、裏面側の正反射照明系は、第3の線状照明光52が裏面3bで正反射した線状の裏面反射光と、第3の線状照明光が表面3aで反射した線状の表面反射光とが分離されるように、第3の線状照明光の幅を調整する2枚の遮蔽板58,59とを備え、線状の裏面反射光を第3ラインセンサ55で受光するように構成されている。
そして、裏面側の正反射照明系は、正反射照明系及び透過型の半明視野照明系とは離れた位置において、ガラス基板3の裏面に存在する欠点を検出するようになっている。
以上のように構成された第7実施形態によれば、上記第3実施形態の奏する作用効果に加えて、以下の作用効果を奏する。
○ガラス基板3の裏面に存在する欠点(裏面欠点)を裏面側の正反射照明系で検出できるので、ガラス基板3の表面欠点と、その内部欠点と、その裏面欠点とを、厳密に区別することができる。
なお、この発明は以下のように変更して具体化することもできる。
・上記第1実施形態では、透明板状体として、液晶表示装置やプラズマ表示装置等のフラットパネルディスプレイに用いられる両面が平行な透明ガラス基板3を用いているが、本発明は両面が平行な透明ガラス基板の欠点を検出するのに広く適用可能である。
・上記各実施形態では、欠点検出装置に用いる電気的構成の一例として、画像処理装置6と表示装置7とを備えた構成を説明したが、本発明の欠点検出装置に用いる電気的構成は、各ラインセンサの出力に基づいて透明ガラス基板3に欠点が有るか否かを判別し、その判別結果を表示或いは音等で作業者に知らせるような構成であってもよい。
・上記第1実施形態では、ラインセンサ5と透明ガラス基板3とを相対移動させる搬送
方向をラインセンサ5に直交する方向としているが、その搬送方向はラインセンサ5に直交する方向に限らない。その搬送方向に平行に存在する傷及び内部の歪み欠点を検出するには、その搬送方向をラインセンサ5に対して90°以外の任意の角度にすると効果的である。
第1実施形態に係る透明板状体の欠点検出装置の概略的構成を示す構成図。 同欠点検出装置の原理説明図。 第2実施形態に係る透明板状体の欠点検出装置の原理説明図。 同欠点検出装置における照明の角度条件の計算結果を示す説明図。 第3実施形態に係る透明板状体の欠点検出装置の概略的構成を示す構成図。 透明ガラス基板の表面にカレット等が付いたときの欠点の分類を示す説明図。 同表面が綺麗なガラス基板を用いたときの欠点の分類を示す説明図。 第4実施形態に係る透明板状体の欠点検出装置の概略的構成を示す構成図。 第5実施形態に係る透明板状体の欠点検出装置の概略的構成を示す構成図。 第6実施形態に係る透明板状体の欠点検出装置の概略的構成を示す構成図。 第7実施形態に係る透明板状体の欠点検出装置の概略的構成を示す構成図。
符号の説明
E,F,12…領域、G,R…光、λ1,λ2…波長、ΔX…重なり量、1…欠点検出装置、2,2A,20,20A…線状照明光、2A…表面反射光、2B…裏面反射光、2C,20A…透過光、3…透明ガラス基板、3a…表面、3b…裏面、3A…測定基準位置、3B…変位位置、4,21,54…照明装置、5,22…ラインセンサ、8,9,10,23,24,58,59…遮蔽板、20…第2の線状照明光、22…第2ラインセンサ、31,32,33,34,41,42,43…波長選択フィルタ、40…カラーラインセンサ、52…第3の線状照明光、52A…裏面照明光、55…第3ラインセンサ。

Claims (22)

  1. 線状照明光を透明板状体の表面に斜めに照射し、前記表面で正反射した前記線状照明光を撮像手段で受光し、前記撮像手段の出力に基づき前記透明板状体に存在する欠点を検出する透明板状体の欠点検出方法であって、
    前記線状照明光が前記表面で正反射した線状の表面反射光と、前記線状照明光が前記透明板状体の裏面で反射した線状の裏面反射光とが分離されるように、前記線状照明光の幅を調整し、
    前記線状の表面反射光を前記撮像手段で受光することを特徴とする透明板状体の欠点検出方法。
  2. 請求項1に記載の透明板状体の欠点検出方法において、
    前記撮像手段はラインセンサであり、前記ラインセンサと前記透明板状体とを、前記ラインセンサの長手方向に直交する方向に或いは前記長手方向に対し任意の角度をなす方向に相対移動することを特徴とする透明板状体の欠点検出方法。
  3. 請求項2に記載の透明板状体の欠点検出方法において、
    前記線状照明光の幅を2枚の遮蔽板により調整することを特徴とする透明板状体の欠点検出方法。
  4. 請求項2又は3に記載の透明板状体の欠点検出方法において、
    前記透明板状体をその裏面側から透過して前記ラインセンサに入射する光を、前記裏面側に配置した遮蔽板により遮蔽することを特徴とする透明板状体の欠点検出方法。
  5. 請求項2〜4のいずれか1つに記載の透明板状体の欠点検出方法において、
    前記透明板状体の表面における前記線状照明光の入射位置を調整したときの前記表面の位置を測定基準位置とし、前記測定基準位置が、前記透明板状体の厚みの変化と前記透明板状体の搬送時における振動とにより前記厚み方向に変化する量を変位量Δdとし、
    前記表面が前記測定基準位置にあるときに得られる前記線状の表面反射光と、前記表面が前記測定基準位置から前記変位量Δdだけ変位した変位位置にあるときに得られる前記線状の表面反射光とが重なり量ΔXだけ重なる領域を、前記線状照明光の前記表面に対する入射角θ1を調整することで作り、前記重なる領域の中心部に前記ラインセンサの視野を合わせることを特徴とする透明板状体の欠点検出方法。
  6. 請求項5に記載の透明板状体の欠点検出方法において、
    前記重なり量ΔXを前記ラインセンサの分解能の整数倍以上とすることを特徴とする透明板状体の欠点検出方法。
  7. 請求項2〜6のいずれか1つに記載の透明板状体の欠点検出方法において、
    前記透明板状体の表面で正反射した前記線状照明光を前記ラインセンサで受光する正反射照明系に加えて、
    前記透明板状体をその裏面側から透過させる第2の線状照明光を第2ラインセンサで受光するとともに、前記第2の線状照明光の一部を前記裏面側で遮蔽して第2ラインセンサの視野に明部と暗部を形成するようにした透過型の半明視野照明系を用いることを特徴とする透明板状体の欠点検出方法。
  8. 請求項7に記載の透明板状体の欠点検出方法において、
    前記透過型の半明視野照明系には、前記第2の線状照明光の一部を前記裏面側で遮蔽する遮蔽板と、前記第2の線状照明光の乱反射光成分を制限するための遮蔽板とを用いることを特徴とする透明板状体の欠点検出方法。
  9. 請求項7又は8に記載の透明板状体の欠点検出方法において、
    前記正反射照明系の前記線状照明光と前記半明視野照明系の前記線状照明光は波長の異なる2種類の線状照明光とし、前記2種類の線状照明光の一方を前記正反射照明系のラインセンサに、その他方を前記半明視野照明系のラインセンサにそれぞれ入射させることを特徴とする透明板状体の欠点検出方法。
  10. 請求項7又は8に記載の透明板状体の欠点検出方法において、
    前記正反射照明系の前記線状照明光と前記半明視野照明系の前記第2の線状照明光を波長の異なる2種類の線状照明光とし、前記ラインセンサと前記第2ラインセンサに代えて1つのカラーラインセンサを用い、該カラーラインセンサが、前記2種類の線状照明光の一方が前記表面で正反射された線状の表面反射光と、前記2種類の線状照明光の他方が前記透明板状体を透過した線状の透過光とを受光するようにしたことを特徴とする透明板状体の欠点検出方法。
  11. 請求項2〜6のいずれか1つに記載の透明板状体の欠点検出方法において、
    前記透明板状体の表面で正反射した前記線状照明光を前記ラインセンサで受光する正反射照明系に加えて、
    前記線状照明光が前記透明板状体を透過した透過光を第2ラインセンサで受光する照明系を用いることを特徴とする透明板状体の欠点検出方法。
  12. 請求項7又は8に記載の透明板状体の欠点検出方法において、
    前記正反射照明系と前記透過型の半明視野照明系とに加えて、前記透明板状体の裏面で正反射した線状照明光を第3のラインセンサで受光する第2の正反射照明系を用いることを特徴とする透明板状体の欠点検出方法。
  13. 照明装置から出射される線状照明光を透明板状体の表面に斜めに照射し、前記表面で正反射した前記線状照明光をラインセンサで受光し、前記ラインセンサの出力に基づき前記透明板状体に存在する欠点を検出する透明板状体の欠点検出装置であって、
    前記線状照明光が前記表面で正反射した線状の表面反射光と、前記線状照明光が前記透明板状体の裏面で反射した線状の裏面反射光とが分離されるように、前記線状照明光の幅を調整する2枚の遮蔽板を備え、
    前記線状の表面反射光を前記ラインセンサで受光することを特徴とする透明板状体の欠点検出装置。
  14. 請求項13に記載の透明板状体の欠点検出装置において、
    前記ラインセンサと前記透明板状体とを、前記ラインセンサの長手方向に直交する方向に或いは前記長手方向に対し任意の角度をなす方向に相対移動することを特徴とする透明板状体の欠点検出装置。
  15. 請求項13又は14に記載の透明板状体の欠点検出装置において、
    前記透明板状体をその裏面側から透過して前記ラインセンサに入射する光を、前記裏面側に配置した遮蔽板により遮蔽することを特徴とする透明板状体の欠点検出装置。
  16. 請求項13〜15のいずれか1つに記載の透明板状体の欠点検出装置において、
    前記透明板状体の表面における前記線状照明光の入射位置を調整したときの前記表面の位置を測定基準位置とし、前記測定基準位置が、前記透明板状体の厚みの変化と前記透明板状体の搬送時における振動とにより前記厚み方向に変化する量を変位量Δdとし、
    前記表面が前記測定基準位置にあるときに得られる前記線状の表面反射光と、前記表面が前記測定基準位置から前記変位量Δdだけ変位した変位位置にあるときに得られる前記
    線状の表面反射光とが重なり量ΔXだけ重なる領域を、前記線状照明光の前記表面に対する入射角θ1を調整することで作り、前記重なる領域の中心部に前記ラインセンサの視野を合わせることを特徴とする透明板状体の欠点検出装置。
  17. 請求項13〜16のいずれか1つに記載の透明板状体の欠点検出装置において、
    前記透明板状体の表面で正反射した前記線状照明光を前記ラインセンサで受光する正反射照明系に加えて、
    前記透明板状体をその裏面側から垂直に透過させる第2の線状照明光を出射する第2照明装置と、前記透明板状体を透過した前記第2の線状照明光を受光する第2ラインセンサとを有し、前記第2の線状照明光の一部を前記裏面側で遮蔽して前記第2ラインセンサの視野に明部と暗部を形成するようにした透過型の半明視野照明系を備えることを特徴とする透明板状体の欠点検出装置。
  18. 請求項17に記載の透明板状体の欠点検出装置において、
    前記透過型の半明視野照明系は、前記第2の線状照明光の一部を前記裏面側で遮蔽する遮蔽板と、前記第2の線状照明光の乱反射光成分を制限するための遮蔽板とを有することを特徴とする透明板状体の欠点検出装置。
  19. 請求項17又は18に記載の透明板状体の欠点検出装置において、
    前記正反射照明系の照明装置及び前記透過型の半明視野照明系の第2照明装置は、波長の異なる第1波長の線状照明光及び第2波長の第2の線状照明光をそれぞれ出射し、
    前記第1波長の線状照明光が前記表面で正反射された第1波長の表面反射光を通して前記ラインセンサへ送る波長選択フィルタと、前記透明板状体をその裏面側から透過した前記第2波長の第2の線状照明光を通して前記第2ラインセンサへ送る波長選択フィルタとを備えることを特徴とする透明板状体の欠点検出装置。
  20. 請求項17又は18に記載の透明板状体の欠点検出装置において、
    前記正反射照明系の照明装置及び前記透過型の半明視野照明系の第2照明装置は、波長の異なる線状照明光及び第2の線状照明光をそれぞれ出射し、
    前記ラインセンサと前記第2ラインセンサに代えて1つのカラーラインセンサを用い、該カラーラインセンサが、前記波長の異なる線状照明光及び第2の線状照明光を受光するように構成したことを特徴とする透明板状体の欠点検出装置。
  21. 請求項13〜16のいずれか1つに記載の透明板状体の欠点検出装置において、
    前記透明板状体の表面で正反射した前記線状照明光を前記ラインセンサで受光する正反射照明系に加えて、
    前記線状照明光が前記透明板状体を透過した線状の透過光を第2ラインセンサで受光する透過型の照明系を備えることを特徴とする透明板状体の欠点検出装置。
  22. 請求項17又は18に記載の透明板状体の欠点検出装置において、
    前記正反射照明系と透過型の半明視野照明系とに加えて、裏面側の正反射照明系を設け、
    前記裏面側の正反射照明系は、第3の線状照明光を前記透明板状体の裏面に斜めに照射する第3照明装置と、前記第3の線状照明光が前記裏面で正反射した線状の裏面照明光を受光する第3ラインセンサと、前記第3の線状照明光が前記裏面で正反射した線状の裏面反射光と、前記第3の線状照明光が前記表面で反射した線状の表面反射光とが分離されるように、前記第3の線状照明光の幅を調整する2枚の遮蔽板を備え、
    前記線状の裏面反射光を前記第3ラインセンサで受光するように構成したことを特徴とする透明板状体の欠点検出装置。
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