JP2005179566A - 二軸延伸ポリエステルフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 熱的な寸法安定性に優れ、かつ高いガスバリア性を持つ二軸延伸ポリエステルフィルム提供すること。
【解決手段】 主たる酸成分がテレフタル酸と4,4’−ビフェニルジカルボン酸である共重合ポリエステルからなる二軸延伸フィルムであって、下記の条件を満たすことを特徴とする二軸延伸ポリエステルフィルム。
(1)150℃、30分熱処理したフィルムの長手方向及び幅方向の収縮率が、0.50%以下、
(2)フィルムの酸素透過度が及び水蒸気透過度が20μm換算値で10g/m2・24hr(40℃、90%RH)以下。
好ましくは、共重合ポリエステルの酸成分のうち4,4’−ビフェニルジカルボン酸が全酸成分に対して45〜60モル%である。
【選択図】なし

Description

本発明はガスバリア性に優れる二軸延伸ポリエステルフィルムに関するものである。
従来よりポリエチレンテレフタレートに代表されるポリエステルフィルムは、その優れた特性から、磁気テープベースフィルム、写真用基材フィルム及び印刷用基材フィルムなどの工業用フィルムや包装用フィルムなど種々の用途に応用されているが、それぞれの用途分野での性能改善に伴い、基材フィルムに要求される物性もますます高度化しているのが現状である。
ポリエステルフィルムを包装材料として使用する場合は、酸素透過度や水蒸気透過率が高いために内容物が変質する場合がある。このため、高度なガスバリア性が要求される用途では、ポリエステルフィルムにポリ塩化ビニリデン塗布層やアルミニウム蒸着層などのガスバリア層を積層することが行われている。しかし、ポリ塩化ビニリデン積層フィルムは、塩素を含んでいるので廃棄する時の環境への影響が問題となる。アルミニウム蒸着フィルムは、不透明で内容物が見えないという問題がある。また、ガスバリア層に欠点が生じガスバリア性にばらつきが生じる問題もある。
上記の問題を解決するため、基材となるフィルム自体が高いガスバリア性を持つフィルムが強く求められている。
一方、共重合ポリエステルフィルムとしてジカルボン酸成分に4,4’−ビフェニルジカルボン酸を用いた引張弾性率に代表される機械的特性が向上したフィルムが報告されている。しかしながら、ガスバリア性の検討はなされていなかった(特許文献1、2を参照)。
米国特許3008934号 特公昭63−53014号
本発明は従来技術の課題を背景になされたものであり、熱的な寸法安定性に優れ、かつ高いガスバリア性を持つ二軸延伸ポリエステルフィルム提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究した結果、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、主たる酸成分がテレフタル酸と4,4’−ビフェニルジカルボン酸である共重合ポリエステルからなる二軸延伸フィルムであって、次の(1)〜(3)の条件を満たすことを特徴とする二軸延伸ポリエステルフィルムである。(1)150℃、30分熱処理したフィルムの長手方向及び幅方向の収縮率が、0.50%以下、(2)フィルムの酸素透過率が20μm換算値で50cc/m2・24hr・atm(20℃、90%RH)以下、(3)フィルムの水蒸気透過度が20μm換算値で10g/m2・24hr(40℃、90%RH)以下。好ましい態様としては、共重合ポリエステルの酸成分のうち4,4’−ビフェニルジカルボン酸が全酸成分に対して45〜60モル%であることを特徴とする上記の二軸延伸ポリエステルフィルムである。
本発明によれば、酸成分がテレフタル酸と4,4’−ビフェニルジカルボン酸からなる共重合ポリエステルを原料として、二軸延伸フィルム製造工程の条件を調整することで二軸延伸ポリエステルフィルムの熱収縮率を特定にすることで、ガスバリア性を大きく改善することができる。
本発明による二軸延伸ポリエステルフィルムは、熱的な寸法安定性に優れ、かつ高いガスバリア性を持つ二軸延伸ポリエステルフィルムであるので、包装材料やラミネート材料として食品包装分野や電子材料分野で使用できる。また、より高度なガスバリア性を有する蒸着フィルム用基材フィルムにも有用である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムに使用される共重合ポリエステルのジカルボン酸成分はテレフタル酸及び4,4’−ビフェニルジカルボン酸が用いられるが、全ジカルボン酸成分のうちテレフタル酸及び4,4’−ビフェニルジカルボン酸の占める割合は90モル%以上である。90モル%を下回ると、所望の熱的な寸法安定性やガスバリア性が得られない。
本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムに使用される共重合ポリエステルの全ジカルボン酸成分に対する4,4’−ビフェニルジカルボン酸の割合は45〜60モル%が好ましい。
この割合が45モル%を下回ると、製膜時に破断が発生する等の問題が生じるほか、熱的な寸法安定性が低下する。また60モル%より大きくなると溶融粘度が上昇し安定に押出し事が困難となる。
本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムに使用されるテレフタル酸及び4,4’−ビフェニルジカルボン酸以外のジカルボン酸成分としては、例えば、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、テトラデカンジカルボン酸、ヘキサデカンジカルボン酸、1,3−シクロブタンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4ーシクロヘキサンジカルボン酸、2,5−ノルボルナンジカルボン酸、ダイマー酸などに例示される飽和脂肪族ジカルボン酸またはこれらのエステル形成性誘導体、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸などに例示される不飽和脂肪族ジカルボン酸またはこれらのエステル形成性誘導体、オルソフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、5−(アルカリ金属)スルホイソフタル酸、ジフェニン酸、1,3−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、4、4’−ビフェニルジカルボン酸、4、4’−ビフェニルスルホンジカルボン酸、4、4’−ビフェニルエーテルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−p,p’−ジカルボン酸、パモイン酸、アントラセンジカルボン酸などに例示される芳香族ジカルボン酸またはこれらのエステル形成性誘導体が挙げられる。これらのジカルボン酸のうちナフタレンジカルボン酸、特に2,6−ナフタレンジカルボン酸が、得られる共重合ポリエステルの物性等が良いので好ましい。
これらジカルボン酸以外に少量であれば多価カルボン酸を共重合できる。具体的には、例えばエタントリカルボン酸、プロパントリカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、トリメシン酸、3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、およびこれらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。
本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムに使用される共重合ポリエステルのジオール成分は任意のグリコールを使用することができるが、例えばグリコールとしてはエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジエタノール、1,10−デカメチレングリコール、1,12−ドデカンジオール、ポリエチレングリコール、ポリトリメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどに例示される脂肪族グリコール、ヒドロキノン、4,4’−ジヒドロキシビスフェノール、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)メタン、1、2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)エタン、ビスフェノールA、ビスフェノールC、2,5−ナフタレンジオール、これらのグリコールにエチレンオキシドが付加したグリコール、などに例示される芳香族グリコールが挙げられる。
これらグリコール以外に少量であれば多価アルコールを共重合することができる。具体的には、例えば、トリメチロールメタン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、グリセロール、ヘキサントリオールなどが挙げられる。
さらに、これらのグリコールのうち、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール,1,3−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール,ネオペンチルグリコール,1,4−シクロヘキサンジメタノールが加工性の点及び得られるフィルムの物性の観点から好ましく、その中でも特に、エチレングリコール,1,3−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコールを用いることが好ましい。
本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムに用いられる共重合ポリエステルには上記のジカルボン酸及びジオールの他にヒドロキシカルボン酸およびこれらのエステル形成性誘導体を共重合しても構わない。ヒドロキシカルボン酸としては、例えば、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、ヒドロキシ酢酸、3−ヒドロキシ酪酸、p−ヒドロキシ安息香酸、p−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸、4−ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸、またはこれらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。
上記の多価カルボン酸もしくはヒドロキシカルボン酸のエステル形成性誘導体としては、これらのアルキルエステル、酸クロライド、酸無水物などが挙げられる。
上記の共重合ポリエステルには公知の添加剤を必要に応じて含有させることができる。例えば、潤滑剤、ブロッキング防止剤、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、耐光剤、耐衝撃性改良剤、結晶核剤、着色防止剤、顔料、染料、紫外線吸収剤、離型剤、抗菌剤、または難燃剤などを含有させてもよい。例えば、必要に応じて帯電防止性等を考慮して、ラウリルホスフェートカリウム塩等のアニオン系界面活性剤、四級アンモニウム塩等のカチオン系界面活性剤、脂肪族高級アルコールや高級脂肪酸のエチレンオキサイド付加物等のノニオン系界面活性剤、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコールブロック共重合体等のポリアルキレングリコール類、ジメチルポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーンオイル、高級アルコキシ変性シリコーンオイル等のシリコーンオイル類を一種または二種以上含有させることができる。
本発明において、二軸延伸フィルムのハンドリング性を改善するためには、共重合ポリエステルに対し不活性な粒子である、無機粒子、有機塩粒子または耐熱性高分子粒子などの不活性粒子を共重合ポリエステル中に含有させ、フィルム表面に適切な表面凹凸を付与することが好ましい。
無機粒子としては、例えばシリカ、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、タルク、カオリナイト等の金属酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸リチウム、硫酸バリウム、フッ化リチウム等の金属の塩、等が挙げられる。
特に、良好なハンドリング性を維持しながら、透明性に優れた二軸延伸フィルムを得るためには、と屈折率の近い粒子であるシリカを用いることが好ましく、なかでも1次粒子が凝集してできた凝集体のシリカ粒子を破砕微粉化した破砕型シリカが特に好ましい。
有機塩粒子としては、蓚酸カルシウム、または、カルシウム、バリウム、亜鉛、マンガン、もしくはマグネシウム等のテレフタル酸塩等が挙げられる。
耐熱性高分子粒子の例としては、ジビニルベンゼン、スチレン、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸などのビニル系モノマーの単独または共重合体が挙げられる。具体的には、例えば、架橋ポリスチレン樹脂、架橋アクリル樹脂、架橋ポリエステル樹脂などの架橋高分子粒子、およびシリコーン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、ベンゾグアナミン樹脂、熱硬化エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、熱硬化性尿素樹脂、熱硬化性フェノール樹脂等の耐熱性有機粒子が挙げられる。
これらの不活性粒子は、いずれか一種を単独で用いてもよく、また2種以上を併用してもよい。また、共重合ポリエステルに対する不活性粒子の含有量は、0.005〜2質量%が好ましく、さらに好ましくは0.01〜1.0質量%である。なかでも、共重合ポリエステルとの屈折率が近く、かつ平均粒子径が1.0〜2.5μmと比較的大きな不活性粒子を、共重合ポリエステルに対し0.01〜0.1質量%を含有させることが、二軸延伸フィルムの透明性および滑り性を両立するために特に好ましい。
また、二軸延伸フィルムの透明性とハンドリング性を両立する為には、2種以上の不活性粒子を併用することも好ましい。特に、フィルムの製膜中に変形する大粒径の不活性粒子(例えば、架橋度の低い架橋ポリスチレン、架橋アクリル等の架橋高分子粒子、一次粒子の凝集体であるシリカ等)とフィルム製膜中に変形しない小粒径の通常の不活性粒子を組み合わせることが好ましい。
前記不活性粒子の共重合ポリエステルへの添加方法は、特に限定されず、公知の任意の方法が可能である。
このようにして調整された共重合ポリエステルの組成物は、従来公知の方法により、二軸延伸フィルムに成形される。具体的には、インフレーション法、または同時二軸延伸法、もしくは逐次二軸延伸法などの二軸延伸法を用いる。逐次ニ軸延伸法としては、例えば、縦延伸および横延伸を順に行ってもよく、あるいは横延伸および縦延伸を順に行ってもよい。また、横・縦・縦延伸法、縦・横・縦延伸法、縦・縦・横延伸法などの多段延伸方法を適用することもできる。
例えば、二軸延伸ポリエステルフィルムを押出成形法により製造する場合には、公知のT−ダイ法、インフレーション法等が適用でき、これらの方法により未延伸フィルムを得ることができる。押出し温度は、用いる共重合ポリエステルの融解温度(以下Tmとも略記する)〜Tm+70℃の範囲、より好ましくは、Tm+20〜Tm+50℃の範囲である。押出し温度が低すぎると、押出機に対して負荷がかかりすぎるために安定して押出し成形を行うことが困難となりやすい。また逆に、押出し温度が高すぎると、共重合ポリエステルが分解しやすくなるので好ましくない。二軸延伸ポリエステルフィルムを製造するのに用いる押出機のダイとしては、環状又は線状のスリットを有するものを用いることができる。また、ダイの温度については押出温度と同様の温度が適用される。
共重合ポリエステルからなる未延伸フィルムを二軸延伸する方法としては、一軸目の延伸と二軸目の延伸を逐次に行っても、同時に行っても良い。延伸温度は、用いる共重合ポリエステルのTg(ガラス転移点)〜(Tg+50)℃の範囲が好ましい。さらに好ましくは(Tg+10)〜(Tg+40)℃の範囲である。延伸温度が低すぎると延伸が困難であり、逆に高すぎると厚み均一性または得られた二軸延伸フィルムの機械的強度が低下し好ましくない。
縦、横の延伸はそれぞれ1段階でも多段階に分けて行っても良いが、それぞれの延伸方向に最終的には少なくとも3倍以上、更に好ましくは、3.5倍以上、また縦・横面積倍率で9倍以上、更に好ましくは12倍以上延伸することが厚みの均一性や機械的性質の点から好ましい。縦、横延伸比がそれぞれ3倍以下、また面積倍率で9倍以下では、厚み均一性の良い二軸延伸フィルムは得るのが困難になり、また、機械的強度等の物性の充分な向上が得られにくい。共重合ポリエステルを主成分とする二軸延伸ポリエステルフィルムの厚みは、10〜250μmであることが好ましく、さらに好ましくは12〜250μmである。
尚、二軸延伸ポリエステルフィルムにおける長手方向(MD方向ともいう)は縦延伸方向を意味し、また幅方向(TD方向ともいう)は横延伸方向を意味する。延伸倍率の上限は、特に限定されない。ただし、延伸中にフィルムが破断しないように制御されることが好ましい。
二軸延伸ポリエステルフィルムは、その製造プロセス中に、他の樹脂との共押出し工程またはコーティング工程を設けて、複層フィルムとしてもよい。
本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムの長手方向及び幅方向の150℃、30分熱処理後の収縮率が0.50以下である。長手方向及び幅方向の収縮率が0.50%より大きい場合は、印刷やラミネート工程などの後加工時の熱収縮が大きくなり問題となる。
また、本発明の優れたガスバリア性を有する二軸延伸ポリエステルフィルムを得るには、長手方向と幅方向の収縮率の差が0.05以下にすることが必要である。
本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムは、酸素透過率が20μm換算値で50cc/m2・24hr・atm(20℃、90%RH)以下である。この値より大きい場合、充分なガスバリア性が期待できない。また、本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムの水蒸気透過度が20μm換算値で10g/m2・24hr(40℃、90%RH)以下である。この値より大きい場合、充分なガスバリア性が期待できない。
本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムのこれらの物性を上記の値にするためには、上述の共重合ポリエステルの組成が重要であるとともに、製膜工程中、特に延伸後の熱固定処理の条件が重要であり、長手方向及び幅方向の150℃、30分熱処理後の収縮率が0.50以下にするために共重合ポリエステルの融点近傍で熱固定するなどの方法が挙げられる。より具体的には例えば逐次ニ軸延伸法にて本発明の二軸延伸フィルムを製造する場合、縦延伸に引き続きテンター式横延伸機での横延伸後、引き続き幅方向を固定した状態で共重合ポリエステルの融点〜融点より50℃低い温度、より好ましくは融点〜融点より40℃低い温度の温度領域で熱固定を実施する方法が挙げられる。更に、上記熱固定後、縦弛緩処理及び、又は横弛緩処理などを実施することにより、収縮率が小さくかつ長手方向と幅方向の熱収縮率の差を小さくすることが出来る。
なお、本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムは、コロナ放電処理、コーティング処理、プラズマ処理または火炎処理などを行うことによって、フィルム表面の濡れ張力を45dyne/cm以上とすることが好ましい。より好ましくは47dyne/cm以上である。濡れ張力が45dyne/cm未満では、包装袋などでシーラント層を積層した場合に十分なシール強度が得られない場合がある。また、種々の目的でコート層設けた場合に、二軸延伸ポリエステルフィルムとコート層との接着性が低下し好ましくない。フィルム表面の濡れ張力を45dyne/cm以上とすることで多層構造の包装材料の基材フィルムとして特に好適に用いることができる。上限は特にないが、一般的に60dyne/cm以下である。
以下、実施例、比較例を挙げて本発明の内容及び効果を具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されない。まず、以下の実施例、比較例における物性の評価方法を説明する。
(1)熱収縮率
二軸延伸ポリエステルフィルムを長手方向及び幅方向についてそれぞれ、幅10mm、長さ250mm取り、200mm間隔で印をつけ5gfの一定張力で間隔Aを測る。続いて、無荷重で30分間、150℃の雰囲気中のオーブンに入れた後の印の間隔Bを、5gfの一定張力で測り、次式により長手方向及び幅方向の熱収縮率を求めた。
熱収縮率(%)=〔(A−B)/A〕×100
(2)酸素透過度
酸素透過度は、酸素透過度測定装置(OX−TRAN(R)l0/50A、Modern Controls社製)により、湿度90%RH、温度20℃、2日パージで測定した。単位はcc/m2・24hr・atmである。
(3)水蒸気透過度
水蒸気透過度は、水蒸気透過度測定装置(PERMATRAN(R)、Modern Controls社製)により、温度40℃、湿度90%RH、2日パージで測定した。単位はg/m2・24hrである。
(4)濡れ張力
JIS K6768−1999に準拠にして、濡れ指数標準液(ナカライテスク株式会社製)を二軸延伸ポリエステルフィルムの表面に幅1cm、長さ6cmに塗り、2秒間でフィルムが縮む試薬を選び測定した。
(5)ヒートシール強度
二軸延伸ポリエステルフィルムに接着剤(AD585/CAT−10、東洋モートン社製)を2g/m2塗布した後、常法に従って厚さ60μmの未延伸ポリプロピレンフィルム(P1120、東洋紡績製)をドライラミネート法にて貼り合わせてシーラント層を設け、二軸延伸ポリエステルフィルム積層体を得た。作製した積層体の剥離強度を測定した。測定は、引張速度100mm/分での90°剥離試験により行った。
(共重合ポリエステルの製造)
共重合ポリエステル中の全ジカルボン酸に対する4,4’−ビフェニルジカルボン酸が55モル%になるようテレフタル酸ジメチルと4,4’−ビフェニルジカルボン酸にエチレングリコールを加え常法に従いエステル化反応を行った。さらに常法に従い重縮合反応を行い、ポリマー濃度0.4g/dlでパラクロロフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタンの3/1(重量比)混合溶媒に溶解し、ウベローデ粘度計を用いて測定した30℃での還元粘度が0.85dl/gである共重合ポリエステルを得た。
同様にして4,4’−ビフェニルジカルボン酸が30モル%、40モル%、48モル%、及び70モル%の共重合ポリエステルを得た。40モル%、48モル%、55モル%及び70モル%共重合ポリエステルの示差走査熱量計により求めたガラス転移点は、それぞれ、100℃、110℃、115℃、125℃であった。融点はそれぞれ、210℃、250℃、260℃、275℃であった。尚、30モル%共重合ポリエステルは示差走査熱量計分析の結果、融点は観測されず、非晶性であったため製膜試験は実施しなかった。
(実施例1)
上記4,4’−ビフェニルジカルボン酸が55モル%共重合ポリエステルを、Tダイ付き口径30mm押出機を使用して、樹脂温度280℃で押出した後、20℃のチルロールで冷却し、厚さ280μmの未延伸フィルムを得た。複数本のセラミックロールによりフィルム温度を125℃に予熱し、ロール間で3.5倍縦方向に延伸した。次いで、テンター式延伸機で横方向に135℃で4倍延伸した後、230℃で熱固定した。その後、180℃で3%横弛緩処理を行い、厚さ20μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示した。
(実施例2)
実施例1において熱固定、弛緩処理を行った後の二軸延伸ポリエステルフィルムフィルムを60℃に加熱しコロナ処理を行った以外は実施例1と同様の方法で厚さ20μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示した。
(実施例3)
4,4’−ビフェニルジカルボン酸が48モル%共重合ポリエステル(還元粘度0.84dl/g)について、押出し温度270℃、縦延伸温度120℃、横延伸温度130℃及び熱固定温度を220℃にした以外は実施例2と同様にして二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示した。
(比較例1)
上記4,4’−ビフェニルジカルボン酸が40モル%共重合ポリエステル(還元粘度0.83dl/g)を、Tダイ付き口径30mm押出機を使用して、樹脂温度230℃で押出した後、20℃のチルロールで冷却し、厚さ280μmの未延伸フィルムを得た。複数本のセラミックロールによりフィルム温度を110℃に予熱し、ロール間で3.5倍縦方向に延伸した。次いで、テンター式延伸機で横方向に120℃で4倍延伸した後、180℃で熱固定しその後、170℃で3%横弛緩処理を行おうとしたが横延伸の際、破断が多発し連続で巻き取ることが困難であった。部分的に得られたフィルムを60℃に加熱しコロナ処理を行って、厚さ20μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示した。
(比較例2)
上記4,4’−ビフェニルジカルボン酸が30モル%共重合ポリエステルは、示差走査熱量計分析の結果、融点は観測されず、非晶性であった。示差走査熱量計により求めたガラス転移点は100℃であり、2軸延伸フィルムの熱寸法安定性が悪いことが予想されたので、製膜試験は実施しなかった。
(比較例3)
上記4,4’−ビフェニルジカルボン酸が70モル%共重合ポリエステル(還元粘度0.88)を、Tダイ付き口径30mm押出機を使用して、樹脂温度295℃で押出した後、20℃のチルロールで冷却し、未延伸フィルムを得ようとしたが共重合ポリエステルが茶色に着色し、さらに押出機の負荷が高く、製膜できなかった。
Figure 2005179566
本発明による二軸延伸ポリエステルフィルムは、熱的な寸法安定性に優れ、かつ高いガスバリア性を持つ二軸延伸ポリエステルフィルムであるので、包装材料やラミネート材料として食品包装分野や電子材料分野で使用できる。また、より高度なガスバリア性を有する蒸着フィルム用基材フィルムにも有用である。

Claims (2)

  1. 主たる酸成分がテレフタル酸と4,4’−ビフェニルジカルボン酸である共重合ポリエステルからなる二軸延伸フィルムであって、下記の条件を満たすことを特徴とする二軸延伸ポリエステルフィルム。
    (1)150℃、30分熱処理したフィルムの長手方向及び幅方向の収縮率が、0.50%以下、
    (2)フィルムの酸素透過率が20μm換算値で50cc/m2・24hr・atm(20℃、90%RH)以下、
    (3)フィルムの水蒸気透過度が20μm換算値で10g/m2・24hr(40℃、90%RH)以下。
  2. 共重合ポリエステルの酸成分のうち4,4’−ビフェニルジカルボン酸が全酸成分に対して45〜60モル%であることを特徴とする請求項1に記載の二軸延伸ポリエステルフィルム。
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