JP2005179520A - 結晶性プロピレン重合体 - Google Patents

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Abstract

【課題】剛性、耐熱性に優れるとともに、これらの物性と成形性のバランスに優れた結晶性プロピレン重合体を提供する。
【解決手段】(1)〜(3)を満たし、MFRが0.1〜200g/10分である結晶性プロピレン重合体。(1):積算重量分率が1重量%となる分子量(M1)と10重量%となる分子量(M10)の比(M1/M10)が0.20〜0.40。(2):積算重量分率が90重量%となる分子量(M90)と99重量%となる分子量(M99)の比(M90/M99)が0.15〜0.45。(3):全てのメチル基に由来するピーク強度の総和に対する、アイソタクチックに頭尾結合したプロピレン5連鎖中の中心プロピレン単位のメチル基に由来するピーク強度の割合(IPF)が98.5%以上である。
【選択図】なし

Description

本発明は、剛性、耐熱性に優れるとともに、これらの物性と成形性のバランスに優れた結晶性プロピレン重合体に関するものである。
プロピレン重合体は、剛性、耐熱性、成形性、耐薬品性に優れ、各種工業用材料や容器、日用品、フィルムおよび繊維などの種々の用途で広く使用されている。しかしながら、用途によっては性質が十分に満足されているわけではなく使用が制限されているのが実情である.特に剛性に関しては、ポリスチレン、ABS樹脂に比べて低位であり、プロピレン重合体の用途拡大に際して更なる改善が望まれている。また、剛性が向上できればその分だけ成形品の薄肉化が可能となり、省資源に有効であるばかりでなく、成形時の冷却速度も高くすることが可能となり生産性も向上できる。さらに、耐熱性の向上やこれらの物性と成形性のバランス向上も求められている。
プロピレン重合体の剛性を向上させるための公知技術としては、芳香族カルボン酸のアルミニウム塩やベンジリデンソルビトール誘導体等の造核剤を添加する方法(特許文献1及び2参照)があるが、コストが高く経済的でない上、該添加により光沢、衝撃強度、引張り伸び等が大幅に低下する欠点がある。上記欠点を改良する方法として、プロピレン重合体のアイソタクティシティーを上げる方法が提案されているが、これらの方法により得られるプロピレン重合体はある程度の剛性や耐熱性の向上は達成するものの、未だ不十分なものである(特許文献3参照)。また、多段重合により分子量分布を広げることでプロピレン重合体の結晶性を高める方法が提案されているが、多段重合による分子量分布の広幅化では未だ性能の向上度合いは不十分なものである(特許文献4参照)。
一方、単に分子量分布を広げるだけでなく、分子量分布曲線の形状に着目して、その高分子量側の分布の広いプロピレン重合体とその製造方法が開示されているが、この方法は引っ張り伸び特性を改良することを目的としたものであり、引張破断伸びの改良効果は認められるものの剛性や耐熱性を向上させる効果は殆どない。また、この技術は高分子量側の分子量分布に着目したものであって、低分子量側の分子量分布や高分子量側の立体規則性については考慮・検討がなされていない(特許文献5参照)。
また、本発明者らは、高結晶プロピレン重合体成分の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比であるQ値(Q値=Mw/Mn)が2.3以上であり、また、該Q値と分子量分布形態との間に一定の関係が成り立つプロピレン系ブロック共重合体を開示したが、高分子量側の立体規則性については検討されていない(特許文献6参照)。
特公昭40−1652号公報 特開昭51−22740号公報 特開平5−320249号公報 特開平01−254706号公報 特開平05−239149号公報 特開2003−206325号公報
本発明は、剛性、耐熱性に優れるとともにこれらの物性と成形性のバランスに優れた結晶性プロピレン重合体を提供することを目的とする。
本発明者らは上記状況に鑑み鋭意検討を重ねた結果、低分子量側はシャープに裾が切れ、一方、高分子量側は長く裾を引くような特定の分子量分布形態を有し、さらに高分子量部分の立体規則性が特定以上の値を有する結晶性プロピレン重合体が上記諸特性に優れることを見出し本発明の完成に至った。
すなわち、本発明は、分子量分布曲線を低分子量側から高分子量側に向けて積算した積算分子量分布曲線が下記特性(1)及び(2)の関係を満たし、かつ、カラム分別により分別された成分が下記特性(3)を満たし、MFRが0.1〜200g/10分である結晶性プロピレン重合体に存する。
特性(1):積算重量分率が1重量%となる分子量(M1)と10重量%となる分子量(M10)の比(M1/M10)が0.20〜0.40である。
特性(2):積算重量分率が90重量%となる分子量(M90)と99重量%となる分子量(M99)の比(M90/M99)が0.15〜0.45である。
特性(3):オルソジクロルベンゼンとメチルカルビトールの56:44(体積比)混合溶媒を用いて160℃で分別した場合に溶出せず、オルソジクロルベンゼンを用いて160℃で分別した際に溶出する成分の13C−NMRスペクトルにおいて、全てのメチル基に由来するピーク強度の総和に対する、アイソタクチックに頭尾結合したプロピレン5連鎖中の中心プロピレン単位のメチル基に由来するピーク強度の割合(IPF)が98.5%以上である。
また、本発明は、低分子量領域のプロピレン重合体をメタロセン触媒、高分子量領域のプロピレン重合体をチーグラー触媒を用いて重合することにより得られた前記結晶性プロピレン重合体に存する。
また、本発明は、重量平均分子量が15万以下のプロピレン重合体をメタロセン触媒、重量平均分子量が16万以上のプロピレン重合体をチーグラー触媒を用いて重合することにより得られた前記結晶性プロピレン重合体に存する。
また、本発明は、チーグラー触媒がマグネシウム担持型チタンと有機アルミニウム化合物とから成る触媒である前記結晶性プロピレン重合体に存する。
また、本発明は、メタロセン触媒がアイソ規則性を有する架橋型のメタロセン錯体であることを特徴とする前記結晶性プロピレン重合体に存する。
前記したとおり、結晶性プロピレン重合体の剛性や耐熱性向上のための従来の取組は、立体規則性を高める、分子量分布を広げる、造核剤を添加する、の何れか、またはその組合せが用いられてきたが、それだけでは、十分に性能が満足するものではなかった。
本発明者らは、結晶性プロピレン重合体の剛性と耐熱性をさらに高めるとともに、これらと成形性とのバランスを一層向上させるべく鋭意検討を行った。特に、結晶化のステップを細分化して、結晶核の生成過程と、結晶の生長過程の各々に分け、これらを支配する因子の解明とその制御方法に関する検討を行った。具体的には、単位体積中に多数の結晶核を発生させると同時に単位時間当たりの結晶成長速度を高め、最終固体状態での結晶化度の最大化を図るために、立体規則性や分子量の異なる種々のポリプロピレンの分子量分別を行い、得られた分別物の結晶化挙動やその固体構造と物性について詳細な検討を行った。
その結果、以下のような事実を見出した。即ち、結晶核生成能力は分子量の増加とともに、指数関数的に増大し、一方、結晶成長速度は分子量の低下に伴って増大するが、重量平均分子量が1万程度でその増加は頭打ちとなり、さらに分子量を下げても結晶成長速度は一定のままか、または逆に低下する。このようにプロピレン重合体を構成する種々の分子量成分の中で、高分子量成分と低分子量成分は一定の役割分担をしており、高分子量成分は結晶核の生成に強く寄与し、低分子量成分は結晶の成長に大きく寄与する。
従って、プロピレン重合体全体での分子量分布形態を最適なものとなるように制御すれば、結晶核生成と成長のバランスが最適化し、従来にない優れた剛性を示す材料を製造することが可能となる。即ち、結晶成長速度の高い低分子量成分を十分持ちつつ、低分子量の欠陥として作用する成分を排除するために低分子量側の裾がシャープに切れていると同時に十分な結晶核生成能力を引き出すために、高分子量側には長く裾を引く非対称な分子量分布形態を設計することにより従来にない優れた物性を有する材料を得ることができる。
さらに、公知のプロピレン重合体を分子量分別して、分子量、立体規則性とその固体物性の間の関係を詳細に調べた結果、高分子量成分のアイソタクチック連鎖長が長いことが結晶核を高効率で発生させ、製品の高剛性化と耐熱性向上を果たすためには極めて重要であることがわかった。即ち、樹脂全体として立体規則性を高め、アイソタクチック連鎖長を長くするという従来の考え方とは異なり、平均としての立体規則性ではなく、特定高分子量部分の立体規則性を高め、該部分のアイソタクチック連鎖長を長くすることで大幅な物性向上が得られる。
従って、前記した非対称な分子量分布形状を示し、同時に、連鎖分布形態として、高分子量側で長いアイソタクチック連鎖長を示すものが好ましい。
本発明によれば、剛性、耐熱性に優れるとともにこれらの物性と成形性のバランスに優れた結晶性プロピレン重合体が提供される。従って、各種工業用材料や容器、日用品、フィルム、繊維などの種々の用途に一層の拡大が期待される。
以上が、本発明における結晶性プロピレン重合体の樹脂構造の基本思想であるが、剛性、耐熱性と靭性、成形性バランス向上のために必要な樹脂構造をより定量的に表現したものが前記した特性(1)、(2)および(3)である。
特性(1)におけるM1/M10は分子量分布曲線における低分子量側の裾の切れの鋭さを表わす指標であり、M1/M10=1が理論上の上限値であり、分子量分布曲線の低分子量側が絶壁状に切りたっていることを意味し、この値が1より小さくなるに従って、低分子量側の裾引きが緩やかになることを示す。理論上の下限値は0である。
特性(1)を満足する結晶性プロピレン重合体は、公知のポリプロピレンに比べて低分子量側の裾が鋭く切れているため、靭性を損ねることなく高い剛性と耐熱性を示すのである。特性(1)のM1/M10が0.20未満の場合、剛性や耐熱性の向上度合いが小さく、特に耐熱性に劣るものとなる。また、0.40を超えるものは製造困難である。M1/M10は、好ましくは0.22〜0.40であり、さらに好ましくは0.25〜0.39である。
特性(2)におけるM90/M99は分子量分布曲線における高分子量側の裾の切れの鋭さを表わす指標であり、M90/M99=1が理論上の上限値であり、分子量分布曲線の高分子量側が絶壁状に切りたっていることを意味し、この値が1より小さくなるに従って、高分子量側の裾引きが緩やかになることを示す。理論上の下限値は0である。
特性(2)を満足する本発明の結晶性プロピレン重合体は、公知のポリプロピレンに比べて流動性の悪化を最小限に抑制しながら結晶核生成能力が高められる結果、優れた剛性と成形性バランスを示すのである。特性(2)のM90/M99が0.45を超えると剛性と成形性のバランスが悪化する。また、M90/M99が0.15未満のものは製造が困難である。M90/M99は、好ましくは0.15〜0.40であり、さらに好ましくは0.15〜0.35である。
なお、上記特性(1)及び(2)のM1、M10、M90及びM99はゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)を用いて測定した分子量分布曲線から積算分子量分布曲線を作成して求める。GPCの測定条件は以下の通りである。
装置:ウオーターズ社製GPC 150C型
検出器:MIRAN 1A赤外分光光度計(測定波長、3.42μm)
カラム:昭和電工社製AD806M/S 直列3本
測定温度:140℃
濃度:2mg/ml
注入量:0.2ml
溶媒:オルソジクロルベンゼン
流速:1ml/分。
カラムの較正は東ソー製単分散ポリスチレン(A500、A2500、F1、F2、F4、F10、F20、F40、F288)の各0.5mg/ml溶液での測定を行い、溶出体積とポリスチレン分子量の対数値を2次式で近似することにより行い、ポリプロピレン試料の分子量はポリスチレンとポリプロピレンの粘度式を用いてポリプロピレンの分子量に換算して求める。ここでポリスチレンの粘度式の係数はα=0.723、logK=−3.967であり、ポリプロピレンはα=0.707、logK=−3.616である。
特性(3)におけるIPFとは、分子量の高い成分のアイソタクチック連鎖長の指標である。特性(3)を満たす本発明の結晶性ポリプロピレンは結晶核の生成能力が特に高いため、成形固化時に、より高温で結晶化が進行し、その結果ラメラの厚みが増し、高い融点と結晶化度を示す。このことによって、高い剛性と耐熱性を持つのである。さらに、特性(1)、(2)、(3)を同時に満足する場合には極めて優れた耐熱性を示す。特性(3)のIPFが98.5%未満の場合には、十分な剛性と耐熱性が得られない。IPFはより好ましくは99.0%以上である。
なお、特性(3)における「オルソジクロルベンゼンとメチルカルビトール(ジエチレングリコールモノメチルエーテル)の56:44(体積比)混合溶媒を用いて160℃で分別した場合に溶出せず、オルソジクロルベンゼンを用いて160℃で分別した際に溶出する成分」とは、公知のカラム分別装置を用いて得られるものである。カラム分別装置とは、例えば、「Fractionation of Synthetic Polymers」(Edited by L.H.Tung、 Marcel Dekker, INC.(1977))の268〜344ページに多くの例が示されている。ポリオレフィン類の公知のカラム分別手法には大別して2種類の方法がある。第一は分別温度を一定として、分別に使用する溶媒を変化させる方法であり、第二は溶媒を一定として分別温度を変化させる手法である。何れも前記参考文献に詳細が記述されている。2種類の分別法のうち前者は試料を主として分子量により分別するものであり、後者は主として結晶性により分別するものである。
本発明における分別は前者の分子量分別を指し、具体的には以下の方法により得られるものを「オルソジクロルベンゼンとメチルカルビトールの56:44(体積比)混合溶媒を用いて160℃で分別した場合に溶出せず、オルソジクロルベンゼンを用いて160℃で分別した際に溶出する成分」と定義する。
カラム分別の装置は市販のものを用いても、公知の文献を参照して製作したものでも良いが、分別カラムは内径5cm、高さ50cmのものを使用する。140℃で溶解したサンプルのオルソジクロルベンゼン溶液(濃度は10mg/ml)200mlを140℃に保持したガラスビーズ担体充填済みのカラムに導入する。次いで、該カラムの温度を11時間かけて一定の冷却速度で30℃まで冷却する。30℃で1時間放置後、カラム温度を30℃に保持したまま30℃のオルソジクロルベンゼンでカラム内に溶解している試料(30℃のオルソジクロルベンゼンに可溶な成分)溶液を流し出す(第一フラクション)。その後、30℃のメチルカルビトールでカラム内に溶解している試料(30℃のメチルカルビトールに可溶な成分)溶液を流し出す(第二フラクション)。次にカラム温度を10℃/分の昇温速度で160℃まで上げ、160℃で1時間静定後、160℃のメチルカルビトールでカラム内に溶解している試料(160℃のメチルカルビトールに可溶な成分)溶液を流し出す(第三フラクション)。第四フラクション以後はオルソジクロルベンゼン/メチルカルビトール混合溶媒を用いて160℃で第三フラクションを得た時と同様の分別操作を繰り返す。第四フラクション以後の分別に用いる混合溶媒の体積比は以下の通りである。第四フラクション:オルソジクロルベンゼン/メチルカルビトール=48/52、第五フラクション:52/48、第六フラクション:54/46、第七フラクション:56/44、第八フラクション100/0。なお、各フラクションの溶出に用いる溶媒または混合溶媒の量は800mLとする。
溶出した第八フラクションの溶液はエバポレーターを用いて20mLまで濃縮後5倍量のメタノール中に投与する。これにより析出したポリマーをろ過して回収後真空乾燥器により一晩乾燥する。上記操作によって第八フラクションから回収される成分を「オルソジクロルベンゼンとメチルカルビトールの56:44(体積比)混合溶媒を用いて160℃で分別した場合に溶出せず、オルソジクロルベンゼンを用いて160℃で分別した際に溶出する成分」として使用する。なお、第三フラクション以後は主として分子量により分別されたものであり、回収してその後の13C−NMR測定に用いる第八フラクションは上記条件により分別された場合には分子量約60万以上の成分を意味する。
この成分の13C−NMR測定はプロトン完全でカップリング法で、以下の条件に従って行う。
機種 : 日本電子(株)製 GSX−400または、同等の装置
(炭素核共鳴周波数100MHz以上)
溶媒 : オルソジクロルベンゼン:重ベンゼン=4:1(体積比)
濃度 : 100mg/mL
温度 : 130℃
パルス角: 90°
パルス間隔: 15秒
積算回数: 5,000回以上
スペクトルの帰属は例えばMacromolecules,8,687(1975年)やMacromolecules,17、1950(1984)を参考に行う。
アイソタクチックに頭尾結合したプロピレン5連鎖中の中心プロピレン単位のメチル基に由来するピークは上記方法に従えば約21.8ppmに生じる。また、メチル基に由来するその他のピークは上記ピーク(21.8ppm)と約17ppmの間に全て生じる。これらのピーク強度を用いて「全てのメチル基に由来するピーク強度の総和に対する、アイソタクチックに頭尾結合したプロピレン5連鎖中の中心プロピレン単位のメチル基に由来するピーク強度の割合」を求める(%単位)。この割合が本発明で定義されるIPF(Isotactic Polypropylene Fraction)である。
立体規則性の指標としては、本発明のようにアイソタクチックに頭尾結合したプロピレン5連鎖中の中心プロピレン単位のメチル基に由来するピーク強度を(i)全メチル基由来の強度の総和で除して求めた数値を用いる方法の他に、(ii)頭尾結合したプロピレン5連鎖中の中心プロピレン単位のメチル基に由来するピーク強度の総和のみで除して求めた数値を用いる方法がある。2,1−異種結合が存在する場合に、前者の計算方法に従えばそれは規則性の乱れとしてカウントされるが、後者の計算方法に従えば、異種結合が存在しても、それは計算から除外される。本発明のプロピレン重合体においては結晶核生成能力を高めて、結晶ラメラを厚くするためにアイソタクチックに頭尾結合した連鎖が重要であるため、その連鎖を分断する2,1−異種結合も規則性の乱れとしてカウントする前者の計算方法で定義をしている。
本発明における結晶性プロピレン重合体は、分子量分布曲線を低分子量側から高分子量側に向けて積算した積算分子量分布曲線が下記特性(1)及び(2)の関係を満たし、カラム分別により分別された成分が下記特性(3)を満たし、かつ、MFRが0.1〜200g/10分、好ましくは0.4〜150g/10分である結晶性プロピレン重合体であれば、どのような方法によって製造されたものでも良い。
特性(1):積算重量分率が1重量%となる分子量(M1)と10重量%となる分子量(M10)の比(M1/M10)が0.20〜0.40である。
特性(2):積算重量分率が90重量%となる分子量(M90)と99重量%となる分子量(M99)の比(M90/M99)が0.15〜0.45である。
特性(3)オルソジクロルベンゼンとメチルカルビトールの56:44(体積比)混合溶媒を用いて160℃で分別した場合に溶出せず、オルソジクロルベンゼンを用いて160℃で分別した際に溶出する成分の13C−NMRスペクトルにおいて、全てのメチル基に由来する強度の総和に対する、アイソタクチックに頭尾結合したプロピレン5連鎖中の中心プロピレン単位のメチル基に由来するピーク強度の割合(IPF)が98.5%以上である。
本発明の要件を満たすための好ましい製造方法としては、
(i) 特定の触媒を用いる方法、
(ii)特定の多段重合手法を用いる方法、
(iii)製造された重合体に特定の後処理を行う方法、
(iv)これらの方法を任意に組み合わせる方法
等が例示できる。
これらの方法をより具体的に示すと、
(i)特定の触媒を用いる方法としては、同一の担体に異なる成分を担持した触媒を用いる方法(共担持触媒)、同一の反応器に異なる触媒を混合して用いる方法(触媒ブレンド)等が挙げられる。例えば、GPCの低分子量領域のポリプロピレンはいわゆるメタロセン触媒(met触媒)、特にアイソタクチックなポリプロピレンを製造可能な特定のメタロセン触媒を、高分子量領域はチーグラー触媒、特にMg担持系のチーグラー触媒(ZN触媒)を用いることが好ましい。これらの触媒は、各々別の触媒として分離して使う(逐次添加する)こともできるし、同一担体粒子内に相互に担持して用いることも可能である。
ここに、メタロセン触媒(met触媒)とは、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期表第4族の遷移金属化合物(いわゆるメタロセン化合物)と、メタロセン化合物と反応して安定なイオン状態に活性化しうる助触媒と、必要により、有機アルミニウム化合物とからなる触媒である。公知の触媒はいずれも使用できるが、好ましくはプロピレンの立体規則性重合が可能な架橋型のメタロセン化合物、さらに好ましくはアイソ規則性を有する架橋型のメタロセン化合物である。
メタロセン化合物としては、例えば、特開昭60−35007号、特開昭61−130314号、特開昭63−295607号、特開平1−275609号、特開平2−41303号、特開平2−131488号、特開平2−76887号、特開平3−163088号、特開平4−300887号、特開平4−211694号、特開平5−43616号、特開平5−209013号、特開平6−239914号、特表平7−504934号、特開平8−85708号等の各公報に開示されている。
更に、具体的には、メチレンビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン1,2−(4−フェニルインデニル)(2−メチル−4−フェニル−4Hアズレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(4−メチルシクロペンタジエニル)(3−t-ブチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(2−メチル−4−t−ブチル−シクロペンタジエニル)(3‘−t−ブチル−5’−メチル−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[1−(2−メチル−4−フェニルインデニル)]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[1−(2−エチル−4−フェニルインデニル)]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[4−(1−フェニル−3−メチルインデニル)]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(フルオレニル)t-ブチルアミドジルコニウムジクロリド、メチルフェニルシリレンビス[1−(2−メチル−4,(1−ナフチル)−インデニル)]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[1−(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[1−(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[1−(2−エチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル)]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[1−(2−エチル−4−ナフチル−4H−アズレニル)]ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシリレンビス[1−(2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル)]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[1−(2−エチル−4−(3−フルオロビフェニリル)−4H−アズレニル)]ジルコニウムジクロリド、ジメチルゲルミレンビス[1−(2−エチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル)]ジルコニウムジクロリド、ジメチルゲルミレンビス[1−(2−エチル−4−フェニルインデニル)]ジルコニウムジクロリドなどのジルコニウム化合物が例示できる。上記において、ジルコニウムをチタニウム、ハフニウムに置き換えた化合物も同様に使用できる。場合によっては、ジルコニウム化合物とハフニウム化合物等の混合物を使用することもできる。また、クロリドは他のハロゲン化合物、メチル、イソブチル、ベンジル等の炭化水素基、ジメチルアミド、ジエチルアミド等のアミド基、メトキシ基、フェノキシ基等のアルコキシド基、ヒドリド基等に置き換えることが出来る。
これらの内、インデニル基あるいはアズレニル基を珪素あるいはゲルミル基で架橋した錯体がさらに好ましい。
また、メタロセン化合物は、無機または有機化合物の担体に担持して使用してもよい。該担体としては、無機または有機化合物の多孔質化合物が好ましく、具体的には、イオン交換性層状珪酸塩、ゼオライト、SiO2、Al23、シリカアルミナ、MgO、ZrO2、TiO2、B23、CaO、ZnO、BaO、ThO2、等の無機化合物、多孔質のポリオレフィン、スチレン・ジビニルベンゼン共重合体、オレフィン・アクリル酸共重合体等からなる有機化合物、またはこれらの混合物が挙げられる。
メタロセン化合物と反応して安定なイオン状態に活性化しうる助触媒としては、有機アルミニウムオキシ化合物(たとえば、アルミノキサン化合物)、イオン交換性層状珪酸塩、ルイス酸、ホウ素含有化合物、イオン性化合物、フッ素含有有機化合物等が挙げられる。
必要に応じて使用される有機アルミニウム化合物としては、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニウムハライド、アルキルアルミニウムセスキハライド、アルキルアルミニウムジハライド、アルキルアルミニウムハイドライド、有機アルミニウムアルコキサイド等が挙げられる。
一方、チーグラー触媒(ZN触媒)としては、三塩化チタン固体成分とハロゲン含有有機アルミニウム化合物からなる触媒、有機アルミニウム化合物と、チタン、マグネシウム、ハロゲン及び電子供与性化合物を必須とする固体成分とからなる触媒等が用いられる。この中でも、有機アルミニウムとチタン、マグネシウム、ハロゲン及び電子供与性化合物を必須とする固体成分とからなるMg担持型触媒が好適である。
Mg担持型触媒の場合の有機アルミニウム化合物としては、この種の重合において公知の、一般式R1 mAlX3-m(式中、R1は炭素数1〜12の炭化水素基、Xはハロゲンを示し、mは1〜3の数である。)で表される化合物、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド等のアルキルアルミニウムハライド、ジエチルアルミニウムハイドライド等のアルキルアルミニウムハイドライド等が挙げられる。また、メチルアルモキサン、ブチルアルモキサン等のアルモキサン類も使用可能である。
また、チタン、マグネシウム、ハロゲン及び電子供与性化合物を必須とする固体成分としては、やはりこの種の重合において公知であって、チタンの供給源となるチタン化合物としては、一般式Ti(OR24-nn(式中、R2は炭素数1〜10の炭化水素残基、Xはハロゲンを示し、nは0〜4の数である。)で表わされる化合物が挙げられ、中でも、四塩化チタン、テトラエトキシチタン、テトラブトキシチタン等が好ましい。
マグネシウムの供給源となるマグネシウム化合物としては、例えば、ジアルキルマグネシウム、マグネシウムジハライド、ジアルコキシマグネシウム、アルコキシマグネシウムハライド等が挙げられ、中でもマグネシウムジハライド等が好ましい。なお、ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられ、中でも、塩素が好ましく、これらは、通常、前記チタン化合物或いはマグネシウム化合物から供給されるが、アルミニウムのハロゲン化物、珪素のハロゲン化物、タングステンのハロゲン化物等の他のハロゲン供給源から供給されてもよい。
電子供与性化合物としては、アルコール類、フェノール類、ケトン類、エーテル類、アルデヒド類、カルボン酸類、有機酸又は無機酸及びその誘導体等の含酸素化合物、アンモニア、アミン類、ニトリル類、イソシアネート類等の含窒素化合物等、有機珪素化合物、有機燐化合物等が挙げられ、中でも、エーテル類、無機酸エステル、有機酸エステル、有機酸ハライド、有機珪素化合物等が好ましく、珪酸エステル、置換コハク酸エステル、フタル酸エステル等の多価カルボン酸エステル、酢酸セロソルブエステル、フタル酸ハライド、ジエーテル、有機アルコキシ珪素化合物等が更に好ましく、例えば、t−ブチル−メチル−ジメトキシシラン、t−ブチル−メチル−ジエトキシシラン、シクロヘキシル−メチル−ジメトキシシラン、シクロヘキシル−メチル−ジエトキシシラン等の一般式R34 3-pSi(OR5p(式中、R3は炭素数3〜20、好ましくは4〜10の分岐状脂肪族炭化水素残基、又は、炭素数5〜20、好ましくは6〜10の環状脂肪族炭化水素残基を示し、R4は炭素数1〜20、好ましくは1〜10の分岐又は直鎖状脂肪族炭化水素残基を示し、R5は炭素数1〜10、好ましくは1〜4の脂肪族炭化水素残基を示し、pは1〜3の数である。)で表される有機珪素化合物、例えば、2,2−ジイソプロピル、1,3−ジエーテル、2,2−ジイソブチル、1,3−ジエーテル、等の2,2−置換基を有する1,3−ジエーテル類、フタル酸ブチル、フタル酸オクチル、1,2−ジイソプロピルコハク酸ジブチル等多価カルボン酸エステル、フタル酸クロリド等のフタル酸ハライドが特に好ましい。また、これらを複数種併用することも可能である。
(ii)特定の多段重合手法を用いる方法としては、各段の重合温度を制御する方法、各段の分子量調節剤を制御する方法、各段に特定の成分を追加する方法等が挙げられる。ここで、多段とは同一反応器で重合条件のいずれかが異なる場合、異なる複数の反応器を用いる場合等を意味する。例えば、最初に高い重合温度で重合を行うことによって連鎖移動を促進し低分子量の成分を生成した後に、低い重合温度で重合を継続して高分子量成分を生成することができる。また、最初に分子量制御剤の少ない添加量で(もしくは添加せずに)重合を行って高分子量の成分を生成した後、分子量制御剤を追加して重合を継続して低分子量成分を生成することができる。分子量制御剤としては公知のものを用いることができる。中でも水素を使用することが好ましい。更に、最初に同一条件で低分子量成分を生成する一種目の触媒を用いて所定時間重合を行った後、同一条件で高分子量成分を生成する二種目の触媒を添加して更に重合を継続する方法を用いることができる。また、その逆の重合方法、すなわち、先に高分子量体を製造する触媒で重合し、2段目に同一条件で低分子量体を製造可能な触媒を追加で導入する方法も用いることが出来る。触媒の種類としては、前記(i)に記載のものを用いることができる。
(iii) 製造された重合体に特定の後処理を行う方法としては、溶媒処理法が挙げられる。例えば、広い分子量分布を与える触媒及び重合方法により製造された重合体パウダーを、一種類の溶媒または二種類以上の溶媒の混合物を用いて加熱下で洗浄することにより、一定分子量以下の成分を選択的に除去し、分子量分布曲線の低分子量側の裾をシャープにする方法が挙げられる。
使用可能な溶媒の例としてはトルエン、キシレン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、ジクロルベンゼン、トリクロルベンゼン、テトラクロルエチレン、メチルカルビトール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等が挙げられる。低分子量物を選択的に除去するためには前記した中でも溶解力の異なる溶媒を組み合わせて混合溶媒として用いるのが好ましく、混合比は用いる溶媒の溶解力に応じて適宜選択すれば良い。
洗浄の方法としては、重合体パウダーを1〜100倍量の溶媒または混合溶媒中に投入し、(混合)溶媒の沸点以下の温度で撹拌後濾別して溶媒に溶解した成分を除去後、室温でアセトン、メタノール等の低沸点溶媒に投入して洗浄、濾過してから乾燥する方法が例示できる。中でも特に好適な方法として、重合パウダーを体積比で2〜5倍量のオルソジクロルベンゼン/メチルカルビトール=30〜50/70〜50(体積比)混合溶媒を用いて100〜160℃で洗浄、濾過する操作を1〜5回行った後に体積比2〜5倍量のアセトンに投入、濾過してから室温〜100℃の温度で、常圧または減圧下5〜20時間乾燥する方法が挙げられる。
前記した方法の中でも、特に(i)の方法、(ii)の方法、または、(i)と(ii)を組み合わせる方法が工業的には好適である。
本発明の結晶性プロピレン重合体には、必要に応じて本発明の目的を損なわない範囲で添加剤や樹脂を処方することが可能である。必要に応じて処方することが可能である添加剤としては、フェノール系酸化防止剤および/または、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、中和剤、耐候剤、紫外線吸収剤、その他添加剤として造核剤、帯電防止剤、滑剤、難燃剤、着色剤等から選ばれる少なくとも1種類以上の添加剤が挙げられる。必要に応じて処方することが可能である樹脂としては、本発明で用いられるプロピレン系重合体以外のポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン、各種エラストマー等である。
以下に実施例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、実施例中の各項目の測定値は、以下の方法で測定した。
(1)メルトフローレイト(MFR、単位:g/10分)
JIS−K6758「ポリプロピレン試験方法」のメルトフローレイト(温度230℃、荷重21.18N)に従って測定した。
(2)分子量
積算分子量分布曲線において積算重量分率が1重量%となる分子量(M1)、10重量%となる分子量(M10)、90重量%となる分子量(M90)及び99重量%となる分子量(M99)は、 前記したゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)を用いる方法により求めた。
(3)ピーク強度の割合(IPF、単位%)
オルソジクロルベンゼンとメチルカルビトールの56:44(体積比)混合溶媒を用いて160℃で分別した場合に溶出せず、オルソジクロルベンゼンを用いて160℃で分別した際に溶出する成分の13C−NMRスペクトルにおいて、全てのメチル基に由来するピーク強度の総和に対するアイソタクチックに頭尾結合したプロピレン5連鎖中の中心プロピレン単位のメチル基に由来するピーク強度の割合であるIPFは前記したカラム分別と引き続いての13C−NMR測定により求めた。
(4)曲げ弾性率(単位:MPa)
JIS−K7203に準拠して23℃で測定した。なお、 成形品の寸法は90×10×4mmとした。
(5)荷重たわみ温度(単位:℃)
JIS−K7191に準拠して、0.45MPaの条件で測定した。ただし、測定前の試験片状態調整として、成形後、100℃で30分間アニールし、室温まで冷却する操作を行った。
[チタン含有固体触媒成分(1)の製造] 略称:ZN(1)
充分に窒素置換したフラスコに、脱水及び脱酸素したn−ヘプタン200mlを導入し、次いでMgCl2を0.4モル、Ti(O−n−C494を0.8モル導入し、95℃で2時間反応させた。反応終了後、40℃に温度を下げ、次いでメチルヒドロポリシロキサン(20センチストークスのもの)を48ml導入し、3時間反応させた。生成した固体成分をn−ヘプタンで洗浄した。
次いで、充分に窒素置換したフラスコに、上記と同様に精製したn−ヘプタンを50ml導入し、上記で合成した固体成分をMg原子換算で0.06モル導入した。次いでn−ヘプタン25mlにSiCl40.1モルを混合して30℃、30分間でフラスコへ導入し、70℃で3時間反応させた。反応終了後、n−ヘプタンで洗浄した。次いでn−ヘプタン25mlにフタル酸クロライド0.006モルを混合して、70℃、30分間でフラスコへ導入し、90℃で1時間反応させた。反応終了後、n−ヘプタンで洗浄した。次いで、TiCl4 2.5モルを導入して90℃で3時間反応させた。反応終了後、n−ヘプタンで充分に洗浄して、更に、TiCl42.5モルを導入して90℃で3時間反応させた。反応終了後、n−ヘプタンで充分に洗浄した。このもののチタン含量は2.6重量%であった。
さらに、充分に窒素置換したフラスコに、上記と同様に精製したn−ヘプタンを50ml導入し、上記で合成した固体成分を5mg導入し、ビニルトリメチルシラン1.0ml、(c−C611)Si(CH3)(OCH32 1.4ml、Al(C253 1.7mgを30℃で2時間接触させた。接触終了後、n−ヘプタンで充分に洗浄し、塩化マグネシウムを主体とするZN(1)を得た。このもののチタン含量は、2.7重量%であった。
[チタン含有固体触媒成分(2)の製造] 略称:ZN(2)
充分に窒素置換したフラスコに、脱水及び脱酸素したn−ヘプタン200mlを導入し、次いでMgCl2を0.4モル、Ti(O−n−C494を0.8モル導入し、95℃で2時間反応させた。反応終了後、40℃に温度を下げ、次いでメチルヒドロポリシロキサン(20センチストークスのもの)を48ml導入し、3時間反応させた。生成した固体成分をn−ヘプタンで洗浄した。
次いで、充分に窒素置換したフラスコに、上記と同様に精製したn−ヘプタンを50ml導入し、上記で合成した固体成分をMg原子換算で0.06モル導入した。次いでn−ヘプタン25mlにSiCl40.1モルを混合して30℃、30分間でフラスコへ導入し、70℃で3時間反応させた。反応終了後、n−ヘプタンで洗浄した。次いでn−ヘプタン25mlにフタル酸クロライド0.006モルを混合して、70℃、30分間でフラスコへ導入し、90℃で1時間反応させた。反応終了後、n−ヘプタンで洗浄した。次いで、WCl6 1mgを導入して90℃で3時間反応させた。反応終了後、n−ヘプタンで充分に洗浄して、更に、SiCl41.5モルを導入して90℃で3時間反応させた。反応終了後、n−ヘプタンで充分に洗浄した。このもののチタン含量は0.9重量%であった。
さらに、充分に窒素置換したフラスコに、上記と同様に精製したn−ヘプタンを50ml導入し、上記で合成した固体成分を5mg導入し、(c−C592Si(OCH32 1.2ml、Al(C253 1.7mgを30℃で2時間接触させた。接触終了後、n−ヘプタンで充分に洗浄し、塩化マグネシウムを主体とするZN(2)を得た。このもののチタン含量は、0.8重量%であった。
[チタン含有固体触媒成分(3)の製造] 略称:ZN(3)
充分に窒素置換したフラスコに、脱水及び脱酸素したn−ヘプタン200mlを導入し、次いでMgCl2を0.4モル、Ti(O−n−C494を0.8モル導入し、95℃で2時間反応させた。反応終了後、40℃に温度を下げ、次いでメチルヒドロポリシロキサン(20センチストークスのもの)を48ml導入し、3時間反応させた。生成した固体成分をn−ヘプタンで洗浄した。
次いで、充分に窒素置換したフラスコに、上記と同様に精製したn−ヘプタンを50ml導入し、上記で合成した固体成分をMg原子換算で0.06モル導入した。次いでn−ヘプタン25mlにSiCl40.2モルを混合して30℃、30分間でフラスコへ導入し、90℃で4時間反応させた。反応終了後、n−ヘプタンで洗浄して固体成分を得た。このもののチタン含量は3.5重量%であった。
次いで、充分に窒素置換したフラスコに、上記と同様に精製したn−ヘプタンを50ml導入し、上記で合成した固体成分を5mg導入し、SiCl40.2モル、(t−C49)Si(CH3)(OCH322.8ml、Al(C2539.0mgを30℃で2時間接触させた。接触終了後、n−ヘプタンで充分に洗浄し、塩化マグネシウムを主体とするZN(3)を得た。このもののチタン含量は、3.0重量%であった。
[ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニル−ヘキサヒドロアズレニル)ジルコニウムジクロリドの合成] 略称:met(1)
EP697418Bの実施例12の記載の方法で、錯体を製造した。
2−メチルアズレン2.22gをヘキサン30mlに溶解し、フェニルリチウムのシクロヘキサン−ジエチルエーテル溶液15.6ml(1.0等量)を0℃で少しずつ加えた。この溶液を室温で1時間攪拌した後、−78℃に冷却してテトラヒドロフラン30mlを加えた。この溶液にジメチルジクロロシラン0.95mlを加え、室温まで戻し、更に、50℃で1.5時間加熱した。その後、塩化アンモニウム水溶液を加えて分液した後、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−ジクロロメタン 5:1)で精製し、ジメチルビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−1,4−ジヒドロアズレニル)}シラン1.48gを得た。
上記で得られたジメチルビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−1,4−ジヒドロアズレニル)}シラン0.768gをジエチルエーテル30mlに溶解し、これに−78℃でn−ブチルリチウムのヘキサン溶液1.98ml(1.64mol/L)を滴下し、徐々に室温まで戻しながら12時間攪拌した。減圧下に溶媒を留去した後、得られた固体をヘキサンで洗浄し減圧乾固した。これにトルエン・ジエチルエーテルの混合溶媒(40:1)20mlを加え、−60℃で四塩化ジルコニウム325mgを加え、徐々に室温まで戻しながら15時間攪拌した。得られた溶液を減圧下に濃縮し、ヘキサンを加えて再沈殿し、ジメチルシリレンビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−4−H−アズレニル)}ジルコニウムジクロリドのラセミ・メソ混合物(下記のスペクトルデータを示すラセミ・メソ混合物)150mgを得た。
上記で合成した、ジメチルシリレンビス{1,1’−(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ジルコニウムジクロリド(70mg)をジクロロメタン(10ml)に溶かし、0.1Lオートクレーブに導入し、さらに酸化白金(10mg)のジクロロメタン(10ml)懸濁液を加えた。この混合物を水素下(40kG/cm2)5時間攪拌した。得られたスラリーにジクロロメタン(30ml)を加え、静置し上澄みを除いた。残りの不溶分にはさらにジクロロメタン(50ml)を加え、攪拌後、静置して同様にうわずみを除いた。得られた溶液を減圧下乾固し、エーテル(10ml×2)で洗浄し、再び減圧下乾固するとするとジメチルシリレンビス{1,1’−(2−メチル−4−フェニル−ヘキサヒドロアズレニル]}ジルコニウムジクロリドのラセミ体(20mg)が得られた。
[ジメチルシリレンビス(2−メチルー4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリドの合成] 略称:met(2)
特開平8−208733号の実施例2に従い、下記の記載の方法で合成した。
窒素置換した反応容器に水素化ナトリウム8.9g(223mmol)を秤量し、トルエン50mlで懸濁させた。反応容器を冷却しながらメチルマロン酸ジエチル(1)38.3ml(223mmol)のトルエン溶液25mlをゆっくり(1時間)滴下した。室温で3時間撹拌した後、2‐(ブロモメチル)ビフェニル(2)50g(202mmol)のトルエン溶液25mlを滴下した。そのときの反応熱で反応はほとんど進行した。氷水にあけて反応停止後、トルエンで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥、減圧下で溶媒を除去して粗生成物(3)を得た。
次いで、ジエステル(3)(202mmol相当)に塩化リチウム17.15g(405mmol)、水3.6ml(202mmol)を加え、ジメチルスルホキシド300ml中で160〜170℃に加熱した。17時間後減圧下で溶媒を除去し、水、トルエンで分液し、有機層を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、減圧下で溶媒を除去して粗生成物(4)を得た。
モノエステル(4)(202mmol相当)と水酸化カリウム17.9g(304mmol)をエタノール200mlに溶解させた。6時間還流した後、塩酸、ヘキサン、エーテルで分液をした。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で溶媒を除去して粗生成物(5)を得る。46.91g(3steps 97%)。
カルボン酸(5)46g(191mmol)にポリリン酸184gを加え、o‐ジクロロベンゼン230mlに溶解した。メカニカルスターラーで140℃4時間撹拌し、水300mlで反応を停止した。ヘキサン300mlを加え、セライト濾過後、エーテルで抽出し、水で洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒除去して粗生成物(5員環(7):7員環(6)=3:1)を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒ヘキサン−酢酸エチル0.20%)で精製した。5員環(7)のみの部分7.6287g(18%)。
インダノン(7)7.6g(34mmol)をメタノール75ml、THF150mlに溶解し、水素化ホウ素ナトリウム2.0g(52mmol)を加えた。室温で一晩撹拌し、氷水にあけて反応停止後、希塩酸エーテルで分液し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で溶媒を除去して粗生成物(8)を2種類の立体異性体の混合物として得た。
インダノール(8)(34mmol相当)をトルエン100mlに溶解させ、p‐トルエンスルホン酸0.65g(3.4mmol)を加え、60℃で20分撹拌した。飽和重曹水溶液で反応停止後、トルエンで抽出し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で溶媒を除去して粗生成物(9)を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒ヘキサン−酢酸エチル0−2%)で精製した。4.84g(2steps 68%)。
アルゴン置換した反応容器にインデン(9)0.93g(4.5mmol)を秤量し、乾燥したトルエン12.4ml、THF 0.6mlに溶解させた。室温でn‐ブチルリチウムヘキサン溶液2.7ml(1.65M 4.5mmol)を加え、80℃で1時間撹拌した。次に0℃で冷却し、ジクロロジメチルシラン0.26ml(2.25mmol)を加え、さらに80℃で1時間撹拌した。水6mlで反応停止後、エーテルで抽出、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で溶媒を除去して粗生成物(10)を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒ヘキサン−塩化メチレン15%)で精製して、2種類の立体異性体の混合物を得た。0.8873g(84%)。
ビス(2‐メチル‐4‐フェニルインデニル)ジメチルシラン(10)を1.50mg(3.2mM)を25mlトルエンに希釈し、ヘキサン希釈(1.7M)のn‐ブチルリチウムを3.90mlを加え、加熱還流を3時間行なった。次いで反応系を−40℃に冷却し、四塩化ジルコニウムを0.78mg添加した後、4時間かけて室温まで昇温した。昇温後、室温下で一晩反応させた。反応終了後、フィルター濾過により上澄みを抜き出し、乾固することによって、450mgの粗結晶を得た。固体をトルエン20mlで3回洗浄した後、塩化メチレン20mlに可溶化し、再結晶させた結果、0.25mgのオレンジ色結晶を得た。得られた化合物が1H−NMRによりラセミ体である事を確認した。
[メタロセン含有固体触媒成分(3)の製造] 略称:met(3)
特開2002−284808号の実施例1に記載された方法でメタロセン含有固体触媒成分の調製を行った。触媒1g当たりポリプロピレンを2.0g含む予備重合触媒が得られた。詳細を下記に示す。
2−メチルアズレン2.22gをヘキサン30mlに溶解し、フェニルリチウムのシクロヘキサン−ジエチルエーテル溶液15.6ml(1.0等量)を0℃で少しずつ加えた。この溶液を室温で1時間攪拌した後、−78℃に冷却してテトラヒドロフラン30mlを加えた。この溶液にジメチルジクロロシラン0.95mlを加え、室温まで戻し、更に、50℃で1.5時間加熱した。その後、塩化アンモニウム水溶液を加えて分液した後、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−ジクロロメタン 5:1)で精製し、ジメチルビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−1,4−ジヒドロアズレニル)}シラン1.48gを得た。
上記で得られたジメチルビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−1,4−ジヒドロアズレニル)}シラン768mgをジエチルエーテル15mlに溶解し、これに−78℃でn−ブチルリチウムのヘキサン溶液1.98ml(1.64mol/L)を滴下し、徐々に室温まで戻しながら12時間攪拌した。減圧下に溶媒を留去した後、得られた固体をヘキサンで洗浄し減圧乾固した。これにトルエン・ジエチルエーテルの混合溶媒(40:1)20mlを加え、−60℃で四塩化ジルコニウム325mgを加え、徐々に室温まで戻しながら15時間攪拌した。得られた溶液を減圧下に濃縮し、ヘキサンを加えて再沈殿し、ジメチルシリレンビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリドのラセミ・メソ混合物(下記のスペクトルデータを示すラセミ・メソ混合物)150mgを得た。
上記のラセミ・メソ混合物887mgをジクロロメタン30mlに溶解し、100W高圧水銀ランプを有するガラス製容器に導入した。そして、溶液を攪拌しながら常圧下に30分間光照射(300nm〜600nm)してラセミ体の比率を高めた後、ジクロロメタンを減圧下留去した。得られた黄色固体にトルエン7mlを加えて攪拌した後、静置させて黄色固体を沈殿させ上澄み液を除去した。更に、同様の洗浄操作をトルエン4ml、2ml、ヘキサン2mlによって3回行った後、得られた固形物を減圧下乾固し、ジメチルシリレンビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリドのラセミ体437mgを得た。
[珪酸塩の化学処理]
10リットルの撹拌翼の付いたガラス製セパラブルフラスコに、蒸留水3.75リットル、続いて濃硫酸(96%)2.5kgをゆっくりと添加した。50℃で、さらにモンモリロナイト(水澤化学社製ベンクレイSL;平均粒径=25μm、粒度分布=10μm〜60μm)を1kg分散させ、90℃に昇温し、6.5時間その温度を維持した。50℃まで冷却後、このスラリーを減圧ろ過し、ケーキを回収した。このケーキに蒸留水を7リットル加え再スラリー化後、ろ過した。この洗浄操作を、洗浄液(ろ液)のpHが、3.5を越えるまで実施した。回収したケーキを窒素雰囲気下110℃で終夜乾燥した。乾燥後の重量は707gであった。
[珪酸塩の乾燥]
先に化学処理した珪酸塩は、キルン乾燥機により乾燥を実施した。仕様、乾燥条件は以下の通りである。
回転筒:円筒状、内径50mm、加温帯550mm(電気炉)、かき上げ翼付き回転数:2rpm、傾斜角:20/520、珪酸塩の供給速度:2.5g/分、ガス流速:窒素、96リットル/時間、向流、乾燥温度:200℃(粉体温度)。
[触媒の調製]
内容積1リットルの攪拌翼のついたガラス製反応器に実施例1で得た乾燥珪酸塩20gを導入し、混合ヘプタン116ml、さらにトリエチルアルミニウムのヘプタン溶液(0.60M)84mlを加え、室温で攪拌した。1時間後、混合ヘプタンにて洗浄し、珪酸塩スラリーを200mlに調製した。
次に、先に調製した珪酸塩スラリーにトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液(0.71M/L)0.96mlを添加し、25℃で1時間反応させた。平行して、〔(r)−ジクロロ[1,1'−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム〕を218mg(0.3mmol)と混合ヘプタンを87mlに、トリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液(0.71M)を3.31ml加えて、室温にて1時間反応させた混合物を、珪酸塩スラリーに加え、1時間攪拌後、混合ヘプタンを追加して500mlに調製した。
[予備重合/洗浄]
続いて、窒素で十分置換を行った内容積1.0リットルの攪拌式オートクレーブに、先に調製した珪酸塩/メタロセン錯体スラリーを導入した。温度が40℃に安定したところでプロピレンを10g/時間の速度で供給し、温度を維持した。4時間後プロピレンの供給を停止し、さらに2時間維持した。予備重合終了後、残モノマーをパージし、撹拌を停止させ約10分間静置後、上澄みを240mlデカントした。続いてトリイソブチルアルミニウム(0.71M/L)のヘプタン溶液0.95ml、さらに混合ヘプタンを560ml添加し、40℃で30分間撹拌し、10分間静置した後に、上澄みを560ml除いた。さらにこの操作を3回繰り返した。最後の上澄み液の成分分析を実施したところ有機アルミニウム成分の濃度は、1.23ミリモル/リットル、Zr濃度は8.6×10-6g/Lであり仕込量に対する上澄み液中の存在量は0.016%であった。
続いて、トリイソブチルアルミニウム(0.71M/L)のヘプタン溶液17.0ml添加した後に、45℃で減圧乾燥を実施した。この操作により触媒1g当たりポリプロピレンが2.0gを含む予備重合触媒が得られた。予備重合触媒の流れ性は5φ、嵩比重は0.57g/ccであり、非常に良好であった。予備重合ポリマーの分子量をGPCにより測定したところ、重量平均分子量が9.74×104、Mw/Mnは3.72であった。この予備重合触媒の20℃n−ヘプタンによって抽出される成分(A)由来の遷移金属量(Zr抽出量)は、成分(B)当たり1.2重量ppm未満であった。
以上合成した触媒構成を下記に要約した。以下の実施例及び比較例においては、これらの触媒を使用した。
ZN(1):立体規則性が高いプロピレン重合体を与えるMg担持型チーグラー触媒
ZN(2):立体規則性が極めて高いプロピレン重合体を与えるMg担持型チーグラー触媒
ZN(3):立体規則性が中位のプロピレン重合体を与えるMg担持型チーグラー触媒
met(1):立体規則性が高く、分子量が中位のプロピレン重合体を与えるメタロセン錯体
met(2):立体規則性が高く、分子量が高いプロピレン重合体を与えるメタロセン錯体
met(3):立体規則性が高いプロピレン重合体を与えるメタロセン錯体を粘土に担持した触媒
<実施例1>
[プロピレンの重合]
撹拌及び温度制御装置を有する内容積3.0リットルのステンレス鋼製オートクレーブを真空下で加熱乾燥し、室温まで冷却してプロピレン置換した後、脱水および脱気したトルエン1.5リットル、Al(C253を550mg、トリフェニルカルビニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレートを1.7mg及び水素を100ml導入した後、プロピレンで0.7MPaに昇圧しつつ内部温度を70℃に調整し、メタロセン触媒met(1)を0.6mg導入しプロピレンを1時間重合させた。重合後、一旦プロピレンをパージし、重合体を約10g抜き出し、次いで、チタン含有固体触媒ZN(1)を10mgを追加導入し、プロピレンを再度導入して、さらに、同一重合条件で1時間重合した。その後にエタノールを10ml圧入して重合を終了し、得られたスラリーを濾別してポリマーを回収し乾燥させた。その結果、280.5gのポリマーが得られた。
[分析]
前記した方法によりMFR、M1、M10、M90、M99及びIPFを求めた。以後の実施例及び比較例で得られたパウダーも同様の分析を行った。
[造粒および物性測定]
得られたパウダー状の重合体に配合成分として、IRGANOX1010(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)0.10重量%、IRGAFOS168(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)0.10重量%、カルシウムステアレート0.05重量%を配合し、単軸押出機にて混練・造粒してペレット状の結晶性ポリプロピレンを得た。
得られたペレットを金型温度40℃、シリンダー温度220℃にて加熱した射出成形機(新潟鉄工製NED−15)に導入し、射出成形により試験片を成形した。得られた射出成形片について、上述した方法で曲げ弾性率及び荷重たわみ温度を測定した。以後の実施例及び比較例で得られたパウダーも同様の処理をおこない、同様に物性測定を行った。
上記の実施例1について、重合条件を表1、重合体収量・触媒効率を表2、重合体物性を表5に示した。
<実施例2>
初期に導入する水素量を150ml、トリフェニルカルビニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレートの導入量を0.8mg、メタロセン触媒met(1)の導入量を0.3mg、チタン含有固体触媒ZN(1)の導入量を12mgにする以外は、すべて実施例1と同様にして重合した。
<実施例3>
初期に導入する水素量を150ml、重合温度を75℃とし、トリフェニルカルビニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレートの導入量を0.6mg、メタロセン触媒met(1)の導入量を0.2mg、チタン含有固体触媒ZN(1)の導入量を12mgにする以外は、すべて実施例1と同様にして重合した。
<比較例1>
撹拌及び温度制御装置を有する内容積3.0リットルのステンレス鋼製オートクレーブを真空下で加熱乾燥し、室温まで冷却してプロピレン置換した後、脱水および脱気したトルエン1.5リットル、Al(C253を550mg、トリフェニルカルビニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレートを3.4mg導入し、内部温度を70℃に合わせつつプロピレンで0.7MPaに昇圧して調整し、次いでメタロセン触媒met(1)を1.2mg導入しプロピレンを2時間重合させた。その後にエタノールを10ml圧入して重合を終了し、得られたスラリーを濾別してポリマーを回収し乾燥させた。その結果、245gのポリマーが得られた。結果を表―3,表−4、表−6に示す。

<比較例2>
撹拌及び温度制御装置を有する内容積3.0リットルのステンレス鋼製オートクレーブを真空下で加熱乾燥し、室温まで冷却してプロピレン置換した後、脱水および脱気したトルエン1.5リットル、Al(C253を550mg、及び水素を100ml導入した後、プロピレンで0.7MPaに昇圧し、内部温度を70℃に合わせた後に、チタン含有固体触媒ZN(1)を20mgを導入し、プロピレンを2時間重合した。その後にエタノールを10ml圧入して重合を終了し、得られたスラリーを濾別してポリマーを回収し乾燥させた。その結果、340.5gのポリマーが得られた。
<実施例4>
撹拌及び温度制御装置を有する内容積3.0リットルのステンレス鋼製オートクレーブを真空下で加熱乾燥し、室温まで冷却してプロピレン置換した後、脱水および脱気したトルエン1.5リットル、Al(C253を550mg、トリフェニルカルビニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレートを1.8mg及び水素を50ml導入し、プロピレンで0.7MPaに昇圧し、内部温度を70℃に合わせた後に、メタロセン触媒met(2)を0.6mg導入しプロピレンを1時間重合させた。重合後、一旦プロピレンをパージし、重合体を約10g抜き出し、次いで、チタン含有固体触媒ZN(1)を20mgを追加導入し、さらに、同一重合条件で1時間重合した。その後にエタノールを10ml圧入して重合を終了し、得られたスラリーを濾別してポリマーを回収し乾燥させた。その結果、272.7gのポリマーが得られた。
<実施例5>
撹拌及び温度制御装置を有する内容積3.0リットルのステンレス鋼製オートクレーブを真空下で加熱乾燥し、室温まで冷却してプロピレン置換した後、Al(C253を550mg、(c−C592Si(OCH32を114mg、水素を50ml導入し、続いて液体プロピレン1.5リットル(750g)を導入し、70℃に昇温し、その温度を維持した。その後 チタン含有固体触媒ZN(2)を2mgとメタロセン触媒met(3)を100mgを同時に導入し、重合を開始した。1時間後、エタノールを10ml圧入して重合を終了し、プロピレンをパージポリマーを回収し乾燥させた。その結果、280.5gのポリマーが得られた。
<実施例6>
水素を使用しないこと、触媒としてチタン含有固体触媒ZN(2)を3mg、メタロセン触媒met(3)を50mgを用いる以外はすべて実施例5と同一方法で重合した。
<実施例7>
撹拌及び温度制御装置を有する内容積3.0リットルのステンレス鋼製オートクレーブを真空下で加熱乾燥し、室温まで冷却してプロピレン置換した後、脱水および脱気したn−ヘプタン1.5リットル、Al(C253を550mg及び水素を200ml導入した後、プロピレンで0.7MPaに昇圧しつつ内部温度を70℃に調整し、チタン含有固体触媒ZN(1)を8mg導入しプロピレンを2時間重合させた。次いで、一旦ガスパージし、少量ポリマースラリーを抜き出した後に、メタロセン触媒met(3)を300mg、トリイソブチルアルミニウムを396mg追加導入し、プロピレンで0.7MPaに昇圧して、さらに水素を50ml再度導入し、0.5時間追加重合した。その後にエタノールを10ml圧入して重合を終了し、得られたスラリーを濾別してポリマーを回収し乾燥させた。その結果、301.8gのポリマーが得られた。
<比較例3>
撹拌及び温度制御装置を有する内容積3.0リットルのステンレス鋼製オートクレーブを真空下で加熱乾燥し、室温まで冷却してプロピレン置換した後、Al(C253を550mg導入し、続いて液体プロピレン1.5リットルを導入し、70℃に昇温しその温度を維持した。その後 メタロセン触媒met(3)を200mg導入し、1時間重合した。重合終了後、エタノールを10ml圧入して重合を終了し、プロピレンをパージしてポリマーを回収し乾燥させた。その結果、223.4gのポリマーが得られた。
<比較例4>
チタン含有固体触媒ZN(1)の代わりに、上記で得たチタン含有固体触媒ZN(3)を用いる以外は全て実施例1と同じ条件で重合した。その結果、281gのポリマーが得られた。
<比較例5>
撹拌及び温度制御装置を有する内容積3.0リットルのステンレス鋼製オートクレーブを真空下で加熱乾燥し、室温まで冷却してプロピレン置換した後、脱水および脱気したn−ヘプタン1.5リットル、Al(C253を550mg及び水素を400ml導入した後、プロピレンで0.7MPaに昇圧しつつ内部温度を70℃に調整し、チタン含有固体触媒ZN(1)を15mg導入してプロピレンを2時間重合させた。その後にエタノールを10ml圧入して重合を終了し、得られたスラリーを濾別してポリマーを回収し乾燥させた。その結果、290.5gのポリマーが得られた。
上記の実施例2〜7について、実施例1と同様に、重合条件を表1、重合体収量・触媒効率を表2、重合体物性を表5に示した。また、比較例1〜5について、重合条件を表3、重合体収量・触媒効率を表4、重合体物性を表6に示した。
Figure 2005179520
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本発明により、剛性、耐熱性に優れるとともにこれらの物性と成形性のバランスに優れた結晶性プロピレン重合体が提供されるので、各種工業用材料や容器、日用品、フィルム、繊維などの種々の用途に一層の拡大が期待される。
本発明のプロピレン重合体の分子量分布曲線の一例を示す。 従来のプロピレン重合体の分子量分布曲線の一例を示す。
符号の説明
1:分子量分布曲線
2:積算分子量分布曲線
M1 :積算重量分率が1重量%となる分子量
M10:積算重量分率が10重量%となる分子量
M90:積算重量分率が90重量%となる分子量
M99:積算重量分率が99重量%となる分子量

Claims (5)

  1. 分子量分布曲線を低分子量側から高分子量側に向けて積算した積算分子量分布曲線が下記特性(1)及び(2)の関係を満たし、かつ、カラム分別により分別された成分が下記特性(3)を満たし、MFRが0.1〜200g/10分である結晶性プロピレン重合体。
    特性(1):積算重量分率が1重量%となる分子量(M1)と10重量%となる分子量(M10)の比(M1/M10)が0.20〜0.40である。
    特性(2):積算重量分率が90重量%となる分子量(M90)と99重量%となる分子量(M99)の比(M90/M99)が0.15〜0.45である。
    特性(3):オルソジクロルベンゼンとメチルカルビトールの56:44(体積比)混合溶媒を用いて160℃で分別した場合に溶出せず、オルソジクロルベンゼンを用いて160℃で分別した際に溶出する成分の13C−NMRスペクトルにおいて、全てのメチル基に由来するピーク強度の総和に対する、アイソタクチックに頭尾結合したプロピレン5連鎖中の中心プロピレン単位のメチル基に由来するピーク強度の割合(IPF)が98.5%以上である。
  2. 低分子量領域のプロピレン重合体をメタロセン触媒、高分子量領域のプロピレン重合体をチーグラー触媒を用いて重合することにより得られた請求項1記載の結晶性プロピレン重合体。
  3. 重量平均分子量が15万以下のプロピレン重合体をメタロセン触媒、重量平均分子量が16万以上のプロピレン重合体をチーグラー触媒を用いて重合することにより得られた請求項1又は2に記載の結晶性プロピレン重合体。
  4. チーグラー触媒がマグネシウム担持型チタンと有機アルミニウム化合物とから成る触媒である請求項2又は3に記載の結晶性プロピレン重合体。
  5. メタロセン触媒がアイソ規則性を有する架橋型のメタロセン錯体を含有することを特徴とする請求項2又は3に記載の結晶性プロピレン重合体。
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